JP4003445B2 - モールドコイル及びモールド変圧器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモールドコイルに係り、特に、導体及び導体同士の層間を異なる絶縁有機フィルムで絶縁したモールドコイル及びモールド変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】
導体や層間絶縁物等から構成される巻線をエポキシ樹脂組成物でモールドしたモールドコイルは、主にモールド変圧器用として広く適用されている。従来の巻線やモールドコイルは特開平8−236384号公報、特開平8−191023号公報や特開平7-14725号公報などに開示されるように、導体の絶縁物や導体同士の層間絶縁物として、例えばポリエチレンナフタレートフィルム(以下PENフィルムとする)やポリエチレンテレフタレートフィルム(本発明のオリゴマー分量を0.8重量%以下に調整したポリエチレンテレフタレートフィルムと区別するため、以下従来PETフィルムとする)、ポリエチレンサルファイドフィルム(以下PPSフィルムとする)等を少なくとも1層巻回した後、エポキシ樹脂組成物を注型硬化する構成にて作製される。さらに、変圧器稼働時の加熱による負荷や短絡時の電磁力による負荷などを十分考慮して、単一の絶縁有機フィルムを複数枚ラップ巻きする方法で絶縁補強している場合もある。また、前記公報は導体や導体同士の層間などの絶縁材料として、従来PETフィルムあるいはPENフィルムを単独で用いる構成が開示されているのみであり、本発明のオリゴマー分量を0.8重量%以下に低減したPETフィルム(以下低オリゴマー化PETフィルムとする)とPENフィルムを導体や導体同士の層間などに重ねて使用する構成の記載は無い。ところで、公知の上市されている絶縁有機フィルムとしては、従来PETフィルム、低オリゴマー化PETフィルム、PENフィルム、PPSフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルムなどがあり、モールド変圧器の容量や最高使用温度といった機種毎の仕様に応じて選択されている。これらの絶縁有機フィルムの中でも、特にコスト面から安価である従来PETフィルムを適用する構成が多いが、他の絶縁有機フィルムに比べると耐熱寿命が劣るために、最高使用温度が低く(電気学会電気規格調査会標準規格で定められる耐熱クラスB種以下)負荷が小さいモールド変圧器に適用されている。一方、前述より高い使用温度で稼働可能なモールド変圧器を作製する構成には、耐熱寿命など性能面を考慮して従来PETフィルムより耐熱寿命が優れるPENフィルムを適用している。しかし、PENフィルムは従来PETフィルムよりコストが格段に割高になるデメリットがある。このように、従来の構成ではモールド変圧器の絶縁性能維持と低コスト化の両立が難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はモールドコイルの導体の絶縁物及び導体同士の層間の絶縁物として、安価な絶縁有機フィルムを適用して絶縁性能維持と低コスト化を両立したモールドコイル及びそれを用いたモールド変圧器を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はモールドコイルの導体の絶縁物及び導体同士の層間の絶縁物として、低オリゴマー化PETフィルムとPENフィルムを併用することにより、モールドコイルの絶縁性能維持と低コスト化を両立することができた。すなわち、ボビンの外周に絶縁有機物で被覆した導体を巻回し、前記導体同士の層間に層間絶縁有機フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンナフタレートフィルムとを少なくとも1層づつ介在するように巻回した巻線に、エポキシ樹脂組成物を注型後に硬化して形成するモールドコイルにおいて、該ポリエチレンテレフタレートフィルムはオリゴマー分量が0.8重量%以下であることを特徴とする。ボビンの外周に絶縁有機フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンナフタレートフィルムとで被覆した導体を巻回し、前記導体同士の層間に層間絶縁有機フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンナフタレートフィルムとを少なくとも1層づつ介在するように巻回した巻線に、エポキシ樹脂組成物を注型後に硬化して形成するモールドコイルにおいて、該絶縁有機フィルムないし該層間絶縁有機フィルムの該ポリエチレンテレフタレートフィルムはオリゴマー分量が0.8重量%以下であることを特徴とする。さらに、上記構成のモールドコイルを低電圧モールドコイル及び高電圧モールドコイルの少なくとも一方に適用したモールド変圧器とすることにより達成することができた。
【0005】
モールドコイルの導体の絶縁物及び導体同士の層間の絶縁物の少なくとも一方に、少なくとも1層巻回(介在)される低オリゴマー化PETフィルムは、前記低オリゴマー化PETフィルム中に含まれるオリゴマー成分を0.8重量%以下にした絶縁有機フィルムであり、従来PETフィルムの機械的強度や電気絶縁性能を維持しながら耐熱寿命を向上させた二軸延伸絶縁有機フィルムである。この低オリゴマー化PETフィルムが従来PETフィルムに比べて耐熱寿命や耐加水分解性が向上している点や、割高なPENフィルムに比べて大幅に安価である点に着目し、従来技術のように導体や導体同士の層間にPENフィルムを複数枚重ねてラップ巻きする場合に、PENフィルムの一部を低オリゴマー化PETフィルムに代替し、低オリゴマー化PETフィルムとPENフィルムとを併用して巻回すことで、モールドコイルが従来より安価に作製できる効果が得られる上、従来並みの耐熱寿命や絶縁性能等が期待できる。
【0006】
また、低オリゴマー化PETフィルムはリサイクル時の取り扱いが従来PETフィルムと同様であるため、PENフィルムの一部を低オリゴマー化PETフィルムに代替することによって、製造時の残材などを容易にリサイクルできる二次的利点も得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に示すモールドコイルを以下に説明する。図1は本発明の請求項1記載のモールドコイルを一部断面とした斜視図である。1は低オリゴマー化PETフィルム、2はPENフィルム、3は絶縁有機物で被覆した導体、4はエポキシ樹脂組成物、8はボビンである。本発明の請求項1記載のモールドコイルは、ボビン8の外周に絶縁有機物で被覆した導体3と、前記導体同士の層間に層間絶縁有機フィルムを介在するように交互に巻回した巻線に、エポキシ樹脂組成物を注型硬化した構成とし、前記層間絶縁有機フィルムに低オリゴマー化PETフィルム1とPENフィルム2とを該導体同士の層間に順序に関係なく少なくとも1層づつ介在することが特徴である。さらに、図2は本発明の請求項2記載のモールドコイルを一部断面とした斜視図である。1は低オリゴマー化PETフィルム、2はPENフィルム、4はエポキシ樹脂組成物、5は低オリゴマー化PETフィルムとPENフィルムとで被覆した導体、8はボビン、23はアルミ導体である。本発明の請求項2記載のモールドコイルは、ボビン8の外周に絶縁有機フィルムで被覆した導体5と、前記導体同士の層間に層間絶縁有機フィルムを介在するように交互に巻回した巻線に、エポキシ樹脂組成物を注型硬化した構成とし、前記絶縁有機フィルムとして低オリゴマー化PETフィルム1とPENフィルム2とをアルミ導体23に順序に関係なく少なくとも1層づつ巻回すこと及び層間絶縁有機フィルムとして低オリゴマー化PETフィルム1とPENフィルム2とを該導体同士の層間に順序に関係なく少なくとも1層づつ介在することが特徴である。上述した構成により、これまでの耐熱寿命や電気絶縁性能を維持すると共に大幅に低コストなモールドコイルが作製できる。さらに低オリゴマー化PETフィルムはリサイクル時の取り扱いが従来PETフィルムと同様であるため、製造時の残材などをPENフィルムより容易にリサイクルできる二次的利点がある。また、上述のモールドコイルをモールド変圧器に適用することによって、同様に従来の絶縁性能を維持できる上、低価格でモールド変圧器を提供可能である。
【0008】
本発明に記載した低オリゴマー化PETフィルムのオリゴマー分量は0.8重量%以下であることが好ましく、従来PETフィルムのようにオリゴマー分量が0.8重量%より多くなると、本発明に示す耐熱寿命や絶縁性能の効果が得られにくい。
【0009】
本発明に使用されるエポキシ樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、無機充填剤及び硬化促進剤の各成分を混合攪拌して構成され、公知の化合物を適宜選択して使用可能である。
【0010】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
本発明に示すモールドコイル(3相100kVA級)を作製した例について説明する。図3は本実施例1のモールドコイル用に作製した巻線である。1は低オリゴマー化PETフィルム、2はPENフィルム、3は絶縁有機物で被覆した導体、8はボビン、9は外周絶縁物、10は巻線機、11は巻芯、12はフランジである。巻線は巻線機10に巻芯11とフランジ12を装着後、ボビン8の一方の端部がフランジ12に密着するようにセットし、絶縁有機物で被覆した導体3と層間絶縁有機フィルムとしてオリゴマー分量が0.6重量%の低オリゴマー化PETフィルム1[東レ社製:商品名ルミラーX10S]とPENフィルム2[帝人社製:商品名テオネックス]を所定層巻回した後、その外周側に外周絶縁物9の一方の端部がフランジ12に密着するようにして一層巻回して作製した。次いで、前記巻線を用いて本実施例1のモールドコイルを作製した。図4に本実施例1のモールドコイルの構成を一部断面とした斜視図を示す。1は低オリゴマー化PETフィルム、2はPENフィルム、3は絶縁有機物で被覆した導体、4はエポキシ樹脂組成物、8はボビン、9は外周絶縁物、11は巻芯、12はフランジである。上記で作製した巻線を巻線機より取り外し、170℃で4時間加熱して巻線の乾燥と外周絶縁物9の硬化を行う。その後、上記巻線にエポキシ樹脂組成物4(エポキシ樹脂/酸無水物硬化剤/硬化促進剤/結晶質シリカから構成)を含浸注入し、100℃・5時間で加熱硬化した後に巻芯11とフランジ12を取り外し、更に170℃・7時間の加熱硬化後、約12時間かけて室温まで冷却して本実施例1のモールドコイルを作製した。
【0011】
本実施例1のモールドコイルは190℃において加熱劣化を400h[JEC-6147に基づいた試験により耐熱クラスがF種(155℃)を満たす時間]行った後、耐電圧試験を実施した。その結果、導体の層間絶縁有機フィルムの一部に低オリゴマー化PETを適用したことにより、耐電圧が後述する比較例1より高い8kV(定格電圧6kV)と良好であった。
(実施例2)
実施例1と同様な作製方法で層間絶縁有機フィルムのうち、低オリゴマー化PETフィルムをオリゴマー分量0.8重量%に調整して作製したものに変更して本実施例2のモールドコイルを作製した。
【0012】
本実施例2のモールドコイルは実施例1と同様の加熱劣化後、耐電圧試験を実施した。その結果、実施例1と同様に耐電圧が8kV(定格電圧6kV)と良好であった。
(比較例1)
次に、従来の方法で比較例1のモールドコイル(3相100kVA級)を作製した例について説明する。図5は比較例1のモールドコイル用として作製した巻線である。2はPENフィルム、3は絶縁有機物で被覆した導体、7は従来PETフィルム、8はボビン、9は外周絶縁物、10は巻線機、11は巻芯、12はフランジである。巻線は巻線機10に巻芯11とフランジ12を装着後、ボビン8の一方の端部がフランジ12に密着するようにセットし、絶縁有機物で被覆した導体3と層間絶縁有機フィルムとしてPENフィルム2とオリゴマー分量が1.4重量%の従来PETフィルム7[東レ社製:商品名ルミラーS10]を所定層巻回した後、その外周側に外周絶縁物9の一方の端部がフランジ12に密着するようにして一層巻回して作製した。次いで、前記巻線を用いて比較例1のモールドコイルを作製した。図6に比較例1のモールドコイルの構成を一部断面とした斜視図を示す。2はPENフィルム、3は絶縁有機物で被覆した導体、4はエポキシ樹脂組成物、7は従来PETフィルム、8はボビン、9は外周絶縁物、11は巻芯、12はフランジである。上記で作製した巻線を巻線機より取り外し、170℃で4時間加熱して巻線の乾燥と外周絶縁物9の硬化を行う。その後、上記巻線に実施例1と同様のエポキシ樹脂組成物4を含浸注入し、100℃・5時間で加熱硬化した後に巻芯11とフランジ12を取り外し、更に170℃・7時間の加熱硬化後、約12時間かけて室温まで冷却して比較例1のモールドコイルを作製した。
【0013】
比較例1のモールドコイルは実施例1と同様の加熱劣化後、耐電圧試験を実施した。その結果、層間絶縁有機フィルムの一部に従来PETフィルムを適用したため、耐電圧が4kV(定格電圧6kV)と前述の実施例1より低かった。
(比較例2)
比較例1と同様な作製方法で層間絶縁有機フィルムのうち、従来PETフィルムをオリゴマー分量0.9重量%に調整して作製したものに変更して比較例2のモールドコイルを作製した。
【0014】
比較例2のモールドコイルは実施例1と同様の加熱劣化後、耐電圧試験を実施した。その結果、比較例1と同様に耐電圧が5kV(定格電圧6kV)と実施例1より低かった。
(実施例3)
次に、上述実施例1の製作方法を変更して本発明に示すモールドコイル(3相100kVA級)を作製した例である。図7は本実施例3のモールドコイル用として作製した巻線である。1は低オリゴマー化PETフィルム、2はPENフィルム、5は低オリゴマー化PETフィルムとPENフィルムとで被覆した導体、8はボビン、9は外周絶縁物、10は巻線機、11は巻芯、12はフランジである。巻線は巻線機10に巻芯11を装着後、ボビン8の一方の端部がフランジ12に密着するようにセットし、実施例1と同様の低オリゴマー化PETフィルム1とPENフィルム2とで被覆した導体5と層間絶縁有機フィルムとして実施例1と同様の低オリゴマー化PETフィルム1とPENフィルム2を所定層巻回した後、その外周側に外周絶縁物9の一方の端部がフランジ12に密着するようにして一層巻回して作製した。次いで、前記巻線を用いて本実施例3のモールドコイルを作製した。図8に本実施例3のモールドコイルの構成を一部断面とした斜視図を示す。1は低オリゴマー化PETフィルム、2はPENフィルム、4はエポキシ樹脂組成物、5は低オリゴマー化PETフィルムとPENフィルムとで被覆した導体、8はボビン、9は外周絶縁物、11は巻芯、12はフランジである。上記で作製した巻線を巻線機より取り外し、170℃で4時間加熱して巻線の乾燥と外周絶縁物9の硬化を行う。その後、上記巻線に実施例1と同様のエポキシ樹脂組成物4を含浸注入し、100℃・5時間で加熱硬化した後に巻芯11とフランジ12を取り外し、更に170℃・7時間の加熱硬化後、約12時間かけて室温まで冷却して本実施例3のモールドコイルを作製した。
【0015】
本実施例3のモールドコイルは実施例1と同様の加熱劣化後、耐電圧試験を実施した。その結果、安価な低オリゴマー化PETフィルムを導体の絶縁有機フィルムの一部及び層間絶縁有機フィルムの一部の2箇所に適用したため、後述する比較例3より約20%(材料費のみ)安価にモールドコイルが作製できた上に、耐電圧が後述する比較例3と同等の8kV(定格容量6kV)と良好であった。
(比較例3)
上記実施例3と同様にして比較例3のモールドコイル(3相100kVA級)を作製した例である。図9は比較例3のモールドコイル用として作製した巻線である。2はPENフィルム、6はPENフィルムで被覆した導体、8はボビン、9は外周絶縁物、10は巻線機、11は巻芯、12はフランジである。巻線は巻線機10に巻芯11を装着後、ボビン8の一方の端部がフランジ12に密着するようにセットし、PENフィルムで被覆した導体6と層間絶縁有機フィルムとしてPENフィルム2を所定層巻回した後、その外周側に外周絶縁物9の一方の端部がフランジ12に密着するようにして一層巻回して作製した。次いで、前記巻線を用いて比較例3のモールドコイルを作製した。図10に比較例3のモールドコイルの構成を一部断面とした斜視図を示す。2はPENフィルム、4はエポキシ樹脂組成物、6はPENフィルムで被覆した導体、8はボビン、9は外周絶縁物、 11は巻芯、12はフランジである。上記で作製した巻線を巻線機より取り外し、170℃で4時間加熱して巻線の乾燥と外周絶縁物9の硬化を行う。その後、上記巻線に実施例1と同様のエポキシ樹脂組成物4を含浸注入し、100℃・5時間で加熱硬化した後に巻芯11とフランジ12を取り外し、更に170℃・7時間の加熱硬化後、約12時間かけて室温まで冷却して比較例3のモールドコイルを作製した。
【0016】
比較例3のモールドコイルは実施例1と同様の加熱劣化後、耐電圧試験を実施した。その結果、PENフィルムを導体の絶縁有機フィルム及び層間絶縁有機フィルムの2箇所に適用したので、耐電圧が8kV(定格電圧6kV)と良好であったが、上記実施例3より約20%高価(材料費のみ)なモールドコイルとなった。
(実施例4)
実施例1で作製したモールドコイルを適用してモールド変圧器を作製した例について説明する。図11は本実施例4のモールド変圧器の正面図を示す。実施例1と同様の作製方法により所定の寸法で高電圧モールドコイル13および低電圧モールドコイル14を作製し、前記高電圧モールドコイル13の内側に低電圧モールドコイル14を配置した後、前記低電圧モールドコイル14の内側に鉄心15を配置してモールド変圧器を構成している。前記モールド変圧器は高電圧モールドコイル13の巻線開始側の端子用結線金具16には1次側電源接続用端子が、巻線終了側の端子用結線金具にはコイル接続バー17が、タップ切り替え端子18にはタップ接続バー19がそれぞれ接続される。なお、20は2次端子で単相3線式2次出力が得られるように結線している。
【0017】
このようにして作製した本実施例4のモールド変圧器は、実施例1のモールドコイルを適用しているため、絶縁性能と低価格が両立したモールド変圧器を提供可能になった。
(実施例5)
実施例3で作製したモールドコイルを適用してモールド変圧器を作製した例について説明する。図12は本実施例5のモールド変圧器の正面図を示す。実施例3と同様の作製方法により所定の寸法で高電圧モールドコイル21および低電圧モールドコイル22を作製し、前記高電圧モールドコイル21の内側に低電圧モールドコイル22を配置した後、前記低電圧モールドコイル22の内側に鉄心15を配置してモールド変圧器を構成している。前記モールド変圧器は高電圧モールドコイル21の巻線開始側の端子用結線金具16には1次側電源接続用端子が、巻線終了側の端子用結線金具にはコイル接続バー17が、タップ切り替え端子18にはタップ接続バー19がそれぞれ接続される。なお、20は2次端子で単相3線式2次出力が得られるように結線している。
【0018】
このようにして作製した本実施例5のモールド変圧器は実施例3のモールドコイルを適用しているため絶縁性能が良好な上、上述の実施例4より更に低価格なモールド変圧器を提供可能になった。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、モールドコイルの導体の絶縁被覆及び導体同士の層間絶縁物として、オリゴマー分量が0.8重量%以下の低オリゴマー化PETフィルムとPENフィルムとを適用することで、モールドコイルやモールド変圧器の絶縁性能と低コスト化を両立できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載モールドコイルを一部断面とした斜視図である。
【図2】本発明の請求項2記載モールドコイルを一部断面とした斜視図である。
【図3】実施例1の巻線を一部断面とした概略図である。
【図4】実施例1のモールドコイルの構成を一部断面とした斜視図である。
【図5】比較例1の巻線を一部断面とした概略図である。
【図6】比較例1のモールドコイルの構成を一部断面とした斜視図である。
【図7】実施例3の巻線を一部断面とした概略図である。
【図8】実施例3のモールドコイルの構成を一部断面とした斜視図である。
【図9】比較例3の巻線を一部断面とした概略図である。
【図10】比較例3のモールドコイルを一部断面とした斜視図である。
【図11】実施例4のモールド変圧器の正面図である。
【図12】実施例5のモールド変圧器の正面図である。
【符号の説明】
1…低オリゴマー化PETフィルム、2…PENフィルム、3…絶縁有機物で被覆した導体、4…エポキシ樹脂組成物、5…低オリゴマー化PETフィルムとPENフィルムとで被覆した導体、6…PENフィルムで被覆した導体、7…従来PETフィルム、8…ボビン、9…外周絶縁物、10…巻線機、11…巻芯、121…フランジ、13…実施例1と同様の低電圧モールドコイル、14…実施例1と同様の高電圧モールドコイル、15…鉄心、16…巻線開始側の端子用結線金具、17…コイル接続バー、18…タップ切り替え端子、19…タップ接続バー、20…2次端子、21…実施例3と同様の高電圧モールドコイル、22…実施例3と同様の低電圧モールドコイル、23…アルミ導体

Claims (3)

  1. ボビンの外周に絶縁有機物で被覆した導体を巻回し、前記導体同士の層間に層間絶縁有機フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンナフタレートフィルムとを少なくとも1層づつ介在するように巻回した巻線に、エポキシ樹脂組成物を注型後に硬化して形成するモールドコイルにおいて、該ポリエチレンテレフタレートフィルムはオリゴマー分量が0.8重量%以下であることを特徴とするモールドコイル。
  2. ボビンの外周に絶縁有機フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンナフタレートフィルムとで被覆した導体を巻回し、前記導体同士の層間に層間絶縁有機フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンナフタレートフィルムとを少なくとも1層づつ介在するように巻回した巻線に、エポキシ樹脂組成物を注型後に硬化して形成するモールドコイルにおいて、該絶縁有機フィルムないし該層間絶縁有機フィルムの該ポリエチレンテレフタレートフィルムはオリゴマー分量が0.8重量%以下であることを特徴とするモールドコイル。
  3. 低電圧モールドコイル及び高電圧モールドコイルが互いに鉄心によって磁気的に接続されているモールド変圧器において、前記低電圧モールドコイル及び高電圧モールドコイルの少なくとも一方が請求項1〜2記載のモールドコイルにより構成することを特徴とするモールド変圧器。
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