JP4003022B2 - Water-based adhesive composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性接着剤組成物に関する。さらに詳しくは、特に高温高湿条件下での耐クリープ特性に優れた水性接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面に銘木の印刷を施したポリ塩化ビニル、ポリオレフィンなどのプラスチックシートと合板、木質繊維板などの木質材料板とから構成されるプラスチック化粧板は、住宅産業において、額縁、廻り縁、巾木、ドアなどの各種造作材・住宅部材に広く使用されている。これらの化粧板は、プラスチックシートと木質材料板を、水性接着剤を用いて、連続ラミネート法と呼ばれる接着方法で接着して生産される。この化粧板は、Vカットなどの溝加工を施した後に、組立加工することにより上記のような各種造作材・住宅部材となって、住宅建築に使用される。
【0003】
これらの各種造作材・住宅部材は、10年、20年と長期間使用されるため、用いられる接着剤は、長期間の使用に耐え得るだけの接着性能と接着品質を具備しなければならない。そのため、常態接着、耐水、耐熱、耐寒などの各接着強度が優れることが最低条件として求められる。さらに、長年にわたって直射日光、降雨などの自然環境変化に耐え得る接着性能も要求される。特に、これらの化粧板を直射日光が当たる窓額縁に使用する場合には、化粧板表面にアルミサッシュを取り付けてボルト締めを行うことが多く、局部的な荷重が化粧板に連続的に負荷されるために局部荷重膨れクレームが発生することがある。このクレームの解決方法は、接着剤メーカー、建材メーカー、住宅メーカーで長年研究され、耐熱クリープ特性が優れた接着剤を使用することにより、このクレームが幾分は解決されたが、まだ根本的な解決には至っていない。
【0004】
これらの化粧板の一般的な製造ラインは、化粧板台板側にロールスプレッダ(ロールコーター)を用いて水性エマルジョン系接着剤を塗布し、湿潤状態の接着剤の上にプラスチックシートをオーバーレイしていく連続ラミネート接着方法を採用している。そのため、使用される接着剤には、高度な製造ライン適性が求められる。この製造ライン適性とは、ロールスプレッダで適切に塗布できる粘度と粘性を有すること(以下、塗布作業性ともいう)、オーバーレイ後にシートが容易に再剥離しない程度のウェットタックを具備すること(以下、ラミネート適性ともいう)、室温で10〜30分程度の冷圧プレスで接着できること(以下、ショートプレス適性ともいう)、作業終了後に少量の水でロールを洗浄できること(以下、洗浄性ともいう)などの特性を具備することをいう。
【0005】
一方、従来から、エチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョンを含有する接着剤を改良する手段として、ポリウレタンエマルジョンを配合することにより耐熱クリープ性を改良する技術が提案されているが、この程度の改良で造作材・住宅部材に適用できる性能水準となるには至らない。特公昭63−33518号のように、エチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョンとアニオン系ウレタンエマルジョンとの混合物に、アジリジン化合物のような架橋剤を配合して、はじめて実用性のある耐熱クリープ性が得られる。また、高度な耐熱クリープ特性を有する水性接着剤として、特開平8−337767号に改良発明が提案されている。しかしながら、これらの技術では、良好な製造ライン適性は得られない。
【0006】
さらに、従来の技術は、当分野で広く使用されてきたポリ塩化ビニル(以下、PVCともいう)シートを対象としたもので、環境負荷の少ないポリオレフィン(以下、POともいう)シートまたはポリエステル(以下、PETともいう)シートを対象にしたものではない。現在、PVCシートからPOシートまたはPETシートへの変換時期であり、これらの全てに対する優れた接着性が求められている。
【0007】
しかしながら、従来の技術においては、極性ポリマーであるPVCシートと非極性ポリマーであるPOシートまたはPETシートの全てに基本的な接着性を示し、製造ライン適性を考慮し、耐熱クリープ性まで優れた水性接着剤は存在しなかった。さらに、現状では、PVCシート、POシートおよびPETシートの全てでクレームが提起される局部荷重膨れの原因究明とその根本的な解決技術も見当たらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、極性ポリマーおよび非極性ポリマーに対して良好な接着性を示し、製造ライン適性と耐熱クリープ特性が優れるのみならず、局部荷重膨れを解決し得る水性接着剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
接着剤業界、建材業界、住宅業界において、耐熱クリープ性能の良否と局部荷重膨れクレームの発生に相関性があることはよく知られている。耐熱クリープ試験も荷重膨れ試験も、通常は大気における高温条件下で実施されるが、今まで湿度条件を考慮して実施されたことはない。
【0010】
本発明者らは、この局部荷重膨れクレームの発生要因を分析した結果、熱的要因だけでなく湿度の要因も考慮すべきであると考えた。その視点で、耐熱クリープ性と耐局部荷重膨れ性能が優れる従来の水性接着剤を用いたプラスチック化粧板は、通常の大気中で高温にした場合には、耐熱クリープ値も局部荷重膨れ試験結果も良好であるが、高温高湿下で試験したところ、耐クリープ値、耐局部荷重膨れ性能の両方とも相関的に低下することを発見した。すなわち、耐熱クリープ性が優れる市販の水性接着剤といえども、高温高湿条件下での耐熱クリープ性(以下、耐湿熱クリープ性ともいう)は悉く低下し、同条件下での局部荷重試験(耐湿熱局部荷重膨れ)結果も同様に低下することを発見した。この発見は、当関係業界で長年取り組んできた局部荷重膨れの根本的解決にとって極めて意義深い。
【0011】
上記の発見に基づき、耐熱クリープ性が優れるのみならず、耐湿熱クリープ性能も優れる接着剤を鋭意検討した。この接着剤は、環境配慮、作業者の健康配慮、火災などの危険性配慮から水性エマルジョン系接着剤を要件とする。また、化粧板のオーバーレイ素材もPVCシートから環境負荷の少ないPOシートへの変換時期にあることから、両方に良好な接着が実施できる接着剤でなければならない。さらに、大量生産を前提として生産性に優れ、現状の化粧板の製造ラインに適合するものでなければならない。
【0012】
すなわち、極性ポリマーおよび非極性ポリマーの両方に優れた接着性を示し、接着強度および耐熱クリープ性などの各接着性能が優れ、製造ライン適性に優れ、特に耐湿熱クリープ性および耐湿熱局部荷重膨れ性が優れる水性接着剤を見出すことを鋭意検討した。
【0013】
その結果、エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体の特定の性質を選択し、ポリウレタンエマルジョンの特定の構成と性質を選択し、架橋剤として特定のポリイソシアネートプレポリマーを選択した水性接着剤組成物が、上記課題の全てを解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、下記に示すとおりの水性接着剤組成物を提供するものである。
【0015】
1. (A)トルエン不溶分が70重量%以上のポリビニルアルコール含有エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体、
(B)酸性領域で安定で、分子内にスルホン酸塩基および/またはスルファミン酸塩基を有する水性ポリウレタン、ならびに、
(C)非水溶性または非水分散性で、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートプレポリマー
を含有する水性接着剤組成物。
【0016】
2. 共重合体(A)/水性ポリウレタン(B)の重量割合が、固形分基準で、100/5〜300であり、かつ、[共重合体(A)+水性ポリウレタン(B)]/ポリイソシアネートプレポリマー(C)の重量割合が、固形分基準で、100/0.5〜50であることを特徴とする上記項1に記載の水性接着剤組成物。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明における共重合体(A)とは、ポリビニルアルコールを含有し、エチレン、酢酸ビニルおよび多官能性モノマーを必須の構成成分とする共重合体であって、トルエン不溶分が70重量%以上の範囲にあることを必須要件とする。
【0018】
このトルエン不溶分は、共重合体の皮膜2.0gを200mlのトルエンを用いて60℃で24時間抽出した後に、回収される不溶分の重量を測定し、下式により求める。
【0019】
トルエン不溶分(重量%)=[(残渣重量g)/(皮膜重量g)]×100
多官能性モノマーとは、共重合体の構成成分として2個以上のエチレン性二重結合を供給し得るモノマーで、具体例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
【0020】
共重合体(A)の組成としては、製造ライン適性と各種プラスチックに対する接着性を配慮すれば、エチレン/酢酸ビニルの重量比が好ましくは10〜30/90〜70で、より好ましくは15〜25/85〜75であり、多官能性モノマー/酢酸ビニルの重量比が好ましくは0.05〜0.4/100で、より好ましくは0.1〜0.2/100である。ポリビニルアルコールの含有量は、全ポリマー当たり好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%の範囲で選択すれば、水性ポリウレタンとの相互作用により、各種プラスチックへの接着性がよくなる。また、トルエン不溶分の存在は、架橋剤であるポリイソシアネートプレポリマー(C)との相互作用により、優れた耐湿熱クリープ性を与える要因となる。トルエン不溶分が70重量%未満では、良好な耐湿熱クリープ性は得られない。好ましいトルエン不溶分は、85〜100重量%である。
【0021】
共重合体(A)は、通常はエマルジョンの形態で用いられる。このエマルジョンを、以下、g−EVAともいう。
【0022】
本発明における水性ポリウレタン(B)とは、酸性領域で安定で、分子内にスルホン酸塩基および/またはスルファミン酸塩基を有するものであり、好ましくは1個以上の1級および/または2級アミノ基をも含有するものである。この水性ポリウレタン(B)は、通常はエマルジョンの形態で用いられる。このエマルジョンを、以下、s−ウレタンEmともいう。その好適な製法は、例えば特開平8−337767号に示されており、以下のようなものである。
【0023】
すなわち、例えば、ポリイソシアネート、高分子ポリオール、スルホン酸塩基含有ポリオールおよび/またはスルファミン酸塩基含有ポリオール、ならびに必要により鎖伸長剤を反応させてなる末端イソシアネート基プレポリマーと、該プレポリマーのイソシアネート基に対して過剰当量の1級および/または2級ポリアミンとを反応させて得られる。このようにして得られるアミノ基含有水性ポリウレタン樹脂が、代表として挙げられる。
【0024】
上記構成において、ポリイソシアネートとして、トルエンジイソシアネートを代表とする芳香族ポリイソシアネートと、高分子ポリオールとして、ジカルボン酸とジオール類との縮合反応によるポリエステル系ポリオールを用いることが、本発明の水性接着剤組成物に、各種プラスチックに対する良好な接着性を与えるために好ましい。また、スルホン酸塩基含有ポリオールおよび/またはスルファミン酸塩基含有ポリオールにおいては、スルホン酸塩基含有ポリオールを用いることが、水性ポリウレタン(B)の酸性における安定性が一層優れるために好ましい。
【0025】
ポリウレタンエマルジョンとしてはかねてから多くの提案がなされており、アニオン性ポリウレタンエマルジョンもその1つであるが、このアニオン性ポリウレタンエマルジョンの多くは酸性領域でゲル化してしまう。従って、通常、このような酸性ゲル型ポリウレタンエマルジョンを用いる場合には、混合するエチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体エマルジョンを中和剤で中和した後に、酸性ゲル型ポリウレタンエマルジョンを混合している。しかしながら、このようにすると、過剰の中和剤が、耐湿熱クリープ性の低下の原因となりがちとなる。そこで、本発明では、酸性領域で安定であるポリウレタンエマルジョンを用いている。
【0026】
この酸性領域で安定であるポリウレタンエマルジョンとは、該ポリウレタンエマルジョンに酸性物質を添加し、pHを、市販のエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョンのpH領域である4〜5に調整しても、異物(二次凝集物または不溶物)の発生、急激な粘度上昇、ゲル化などの状態異常がないポリウレタンエマルジョンのことを意味する。従って、本発明の範囲のポリウレタンエマルジョンであることは、ポリウレタンエマルジョン自身に酸性物質を添加してpH領域を4〜5に調整し、異物の発生、急激な粘度上昇、ゲル化などの状態異常がないことで確認できる。この変化が明らかであれば即座に識別できるが、変化が識別しにくいときは、最初に異物がないことを確認した上、酸性物質を添加して、明らかに酸性であるpH4〜5の状態で異物が発生しないことで確認すればよい。具体的な方法としては、最初に80メッシュの濾過網で濾過して異物のないことを確認したポリウレタンエマルジョンに対し、有機酸、鉱酸などの酸性物質を加えることにより、明らかに酸性とみなされるpH4〜5に調整し、再びこれを上記メッシュの濾過網で濾過した後に濾過網を水洗し、濾過網に残存物がないことを確認する。
【0027】
このような酸性領域で安定であるポリウレタンエマルジョンは、通常市販されているpH4〜5のエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン100重量部(固形分基準)に対して、該ポリウレタンエマルジョンを直接5〜300重量部(固形分基準)混合した場合に、著しい異物またはゲルの形成を引き起こさない。このs−ウレタンEmの内、ポリエステル型芳香族イソシアネート系ウレタンポリマーを骨格ポリマーにするものが、g−EVAとの相互作用により、各種プラスチックへの接着性が特に優れるので好ましい。
【0028】
本発明における、非水溶性または非水分散性(すなわち疎水性)で、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートプレポリマー(以下、ic−HDIプレポリマーともいう)は、g−EVAとの相互作用により、優れた耐湿熱クリープ性を与えるための要因となる。一般に、ポリイソシアネートプレポリマーにおいては、イソシアネート化合物が、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、水素添加型XDIなどから選択され、その骨格が、トリメチロールプロパンアダクト(TMPアダクト)、ビューレット、イソシアヌレートなどから選択され、これらの組み合わせで多種類のプレポリマーが存在する。しかしながら、本発明の効果を示すものは、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートプレポリマーに限られる。その他の組み合わせにおけるプレポリマーでは、本発明のような優れた耐湿熱クリープ性は得られないばかりか、製造ライン適性も低下する。また、このイソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートプレポリマーとしては、非水溶性または非水分散性プレポリマー、および、分子内に親水基を導入した水溶性または水分散性プレポリマーが存在するが、本発明では、分子内に親水基を導入していない非水溶性または非水分散性プレポリマーを用いる。水溶性または水分散性プレポリマーでは良好な耐湿熱クリープ値が得られない傾向にあり、製造ライン適性の中でも特にロール洗浄性が極端に低下する。
【0029】
本発明の水性接着剤組成物においては、通常は、g−EVAおよびs−ウレタンEmを予め混合してこの混合物を主剤エマルジョンとし、使用段階でic−HDIプレポリマーを架橋剤として混合するのが好ましいが、これに限定されず、一括して混合する方法を採用しても良い。通常は、本発明におけるg−EVA、s−ウレタンEm、および、必要に応じてポバール、繊維素誘導体、会合型増粘剤などの粘性改良剤、トルエン、キシレン、酢酸エチルなど少量の有機溶剤、フタル酸エステルなどの可塑剤、クレー、タルクなどの無機充填材、防腐・防黴剤など公知の各種改質剤を配合し、均質に混合した後、これを主剤エマルジョンとして密閉可能な容器に収納しておく。一方、本発明におけるic−HDIプレポリマーは、室温で流動性を有する液状樹脂であるため、そのままの状態で、または適当な有機溶媒に希釈して架橋剤として用いる。
【0030】
本発明においては、上記g−EVAにおける固形分100重量部に対して上記s−ウレタンEmを固形分換算で5〜300重量部配合して得られた水分散液に対し、この水分散液中の固形分100重量部に対して、上記ic−HDIプレポリマーを0.5〜50重量部配合するのが好ましい。良好な製造ライン適性を維持し、優れた耐湿熱クリープ性を得る点からは、上記g−EVAにおける固形分100重量部に対して上記s−ウレタンEmを固形分換算で10〜200重量部配合して得られた水分散液に対し、この水分散液中の固形分100重量部に対して、上記ic−HDIプレポリマーを1〜30重量部配合するのがより好ましい。
【0031】
上記s−ウレタンEmが5重量部未満のときは、PVCシート、POシートまたはPETシートに対する接着性が低下しがちとなり、300重量部を超えるときは、製造ライン適性が低下しがちとなる。また、ic−HDIプレポリマーが0.5重量部未満のときは、耐湿熱クリープ性が低下しがちとなり、50重量部を超えるときは、製造ライン適性、中でも洗浄性の低下、可使時間の短縮が起こりがちとなる。
【0032】
本発明の水性接着剤組成物の調製は、攪拌機を備えた通常のエマルジョン型接着剤の加工釜を用いて、混合加工することにより実施できる。以下においては、g−EVAとs−ウレタンEmを予め均質混合して主剤エマルジョンとする工程、使用時に架橋剤としてic−HDIプレポリマーまたはその有機溶剤希釈液を配合する工程、製造ラインでプラスチック化粧板を接着作業する工程について説明する。
【0033】
まず、g−EVAにおける固形分100重量部に対してs−ウレタンEmを固形分換算で5〜300重量部仕込み、均質混合して主剤エマルジョンとする。その際、必要に応じて、この主剤エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの有機溶剤を0〜20重量部、フタル酸エステルなどの可塑剤を0〜10重量部、クレー、タルクなどの無機充填材を0〜50重量部、粘性改良剤、防腐・防黴剤を適宜配合して均質混合しても良い。このように混合加工した主剤エマルジョンを、適当な容器に収納する。
【0034】
本発明におけるic−HDIプレポリマーは、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルをイソシアヌレート骨格に誘導することにより得ることができる。このようなic−HDIプレポリマーの分子構造は、例えば下記の化学式で表される。
【0035】
【化1】

Figure 0004003022
【0036】
式中、Rは、−(CH26−である。
【0037】
イソシアヌレート骨格にヘキサメチレンジイソシアネートを誘導するには、公知の方法により行うことができる。このような方法としては、例えば、以下のようにすることができる。
【0038】
このic−HDIプレポリマーは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に対し、触媒として脂肪酸アルカリ金属塩、および助触媒としてフェノール、レゾルシノールの微量を添加し、イソシアヌレート化反応を行うことにより得られる。この化合物の安定化のため、予めHDIと微量のポリオールを反応させた後、上記イソシアヌレート化を行ってもよく、反応停止剤として微量の燐酸を添加してもよい。
【0039】
なお、このic−HDIプレポリマーを、トルエン、キシレンなどの疎水性有機溶剤や可塑剤で希釈して用いてもよい。希釈は、ic−HDIプレポリマー100重量部当たり、疎水性有機溶剤、可塑剤を1〜200重量部用いて行うのが好ましい。
【0040】
このようにして得られたic−HDIプレポリマーは、水分の影響を受けやすいので、密閉金属容器に窒素置換を施しながら収納し、接着作業時に主剤エマルジョンに配合した後に均質混合すればよい。なお、予めg−EVA、s−ウレタンEmおよびic−HDIプレポリマーを混合しておく方法もあるが、この場合には長期間保存できないので、上記のように主剤エマルジョンと架橋剤のような2液型接着剤として使用する方が好ましい。
【0041】
接着剤の調製後は、建材メーカーにある通常の製造ラインを用いて連続ラミネート法により接着作業を行い、プラスチック化粧板を製造する。標準的な接着作業を、PVCシート、POシートまたはPETシートと合板との接着について説明する。まず、ロールスプレッダに接着剤を載荷した後、この接着剤を合板に50〜150g/m2程度塗布する。その後、接着剤のウェット状態を保ちながら、PVCシート、POシートまたはPETシートをオーバーレイし、ラミネートロールで圧着した後、ナイフなどで連続シートを切断し、冷圧プレスに挿入する。プレス時間は10〜30分程度で、除圧した後に1日程度養生すれば、プラスチック化粧板ができ上がる。なお、接着作業終了後に、ロールスプレッダを少量の水で洗浄する。
【0042】
本発明においては、この製造ライン適性に優れていることも特徴であり、ロールスプレッダで適切に塗布できる粘度と粘性を有すること、オーバーレイ後にシートが容易に再剥離しない程度のウェットタックを具備すること、室温で10〜30分程度の冷圧プレスで接着できること、作業終了後に少量の水でロールを洗浄できることなどの特性を具備する。
【0043】
得られたプラスチック化粧板は、切断加工、組立加工などを施され、様々な造作材・住宅部材となる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
【0045】
参考例1
g−EVAは、エチレン/酢酸ビニルの重量比が17/83、多官能性モノマーとしてトリアリルイソシアヌレートを用いて、その多官能性モノマー/酢酸ビニルの重量比が0.1/100となるように選択して共重合したものであって、ポリビニルアルコールの含有量が全ポリマー当たり5重量%となるようにして、加圧重合装置にポリビニルアルコール水溶液を仕込み、設計値に見合うエチレンガスを封入した後に、酢酸ビニルと多官能性モノマーの混合溶液を滴下し、加圧下で50〜70℃にて乳化重合することにより得られた。このポリマーのトルエン不溶分は92.5重量%で、その性状は、粘度2000mPa・s/25℃、固形分55.3重量%、pH4.6であった。この樹脂エマルジョンをg−EVA(1)とする。
【0046】
参考例2
多官能性モノマー/酢酸ビニルの重量比を0.07/100にした以外は参考例1と同様な方法で樹脂エマルジョンを得た。このポリマーのトルエン不溶分は75.5重量%で、その性状は、粘度2200mPa・s/25℃、固形分55.0重量%、pH4.5であった。この樹脂エマルジョンをg−EVA(2)とする。
【0047】
参考例3
多官能性モノマー/酢酸ビニルの重量比を0.01/100にした以外は参考例1と同様な方法で樹脂エマルジョンを得た。このポリマーのトルエン不溶分は65.3重量%で、その性状は、粘度1800mPa・s/25℃、固形分55.4重量%、pH4.6であった。この樹脂エマルジョンをEVA(3)とする。
【0048】
参考例4
s−ウレタンEmは、特開平8−337767号に示されている方法に従って製造し、分子内にスルホン酸塩基を有するポリエステル型芳香族イソシアネート系ウレタンポリマーを得た。
【0049】
すなわち、温度計および攪拌機を備えた反応器に、重亜硫酸ナトリウム109重量部、亜硫酸ナトリウム63重量部および水350重量部を仕込み、溶解後、グリセリンモノアリルエーテル132重量部を仕込み、60℃で4時間反応させた後、減圧下で水を留去し、イソプロピルアルコール300重量部を加え、不溶解物を濾過し、イソプロピルアルコールを留去して、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩(以下、DPSともいう)213重量部を得た。
【0050】
次に、温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリブチレンアジペート(数平均分子量2000)219.8重量部、1,4−ブタンジオール7.5重量部、上記のDPS10.6重量部、トルエンジイソシアネート62.1重量部およびアセトン300重量部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換した後、攪拌下80℃で7時間反応させて、イソシアネート基含有量1.21%のNCO末端ウレタンプレポリマーを得た。次に、イソホロンジアミン17.0重量部を水739.7重量部に溶解したものを、30℃に冷却した前記プレポリマー溶液に加え、乳化・鎖伸長反応を行った後、減圧下50〜60℃でアセトンを留去し、ポリウレタンエマルジョン1056重量部を得た。その性状は、粘度25mPa・s/25℃、固形分30.0重量%、pH8.8であった。この樹脂エマルジョンをs−ウレタンEm(1)とする。
【0051】
このポリウレタンエマルジョンの一部をフラスコに移し、pHメーターを設置し、マグネットスターラーを用いて攪拌しながら、0.1N塩酸溶液をビューレットを用いて滴下した。pHを4に調整した後に、80メッシュの濾過網を用いて濾過を行い、水洗を行った結果、濾過網に残渣は認められなかった。このことより、このポリウレタンエマルジョンが酸性領域で安定であることが確認された。
【0052】
参考例5
酸性領域で安定性が得られないアニオン型ポリウレタンエマルジョンとして、ディスパコールKA−8584(住友バイエルウレタン社製)を選択した。このエマルジョンの性状は、粘度400mPa・s/25℃、固形分50.2重量%、pH8.6であった。この樹脂エマルジョンをウレタンEm(2)とする。
【0053】
このポリウレタンエマルジョンが酸性領域で安定であるかの確認を、pHを5.5に調整した以外は参考例4と同様な方法で行った結果、多くの残渣が認められた。
【0054】
参考例6
ic−HDIプレポリマーは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)をイソシアヌレート骨格に誘導することにより得られた。
【0055】
すなわち、温度計、攪拌機、窒素シール管を備えた500mlの四つ口フラスコにHDIを100重量部、1,3−ブタンジオール0.8重量部を入れ、フラスコ中の空気を窒素で置換し、攪拌しながら80℃に加温し、2時間反応させた。
【0056】
次に、触媒としてカプリン酸カリウム0.02重量部、助触媒としてフェノール0.1重量部を加え、60℃で4時間イソシアヌレート化反応を行った。
【0057】
この反応液に停止剤としてリン酸0.014重量部を加え、反応温度で1時間攪拌した後、分子蒸留装置により遊離HDIを除去することによりic−HDIプレポリマーを得た。
【0058】
同定は、IR、NMRにより行った。このプレポリマーの外観は緑がかった無色透明液で、イソシアネート含有率21.6重量%であった。この非水溶性または非水分散性プレポリマーをic−HDIプレポリマー(1)とする。
【0059】
参考例7
水溶性または水分散性プレポリマーは、市販品を用いた。この商品名はSBUイソシアネート0772(住友バイエルウレタン社製)で、このプレポリマーの外観は無色透明液で、イソシアネート含有率19.0重量%であった。この水溶性または水分散性プレポリマーをプレポリマー(2)とする。
【0060】
参考例8
従来の架橋剤として、アジリジン化合物であるケミタイトDZ−22E(日本触媒化学工業社製)を選択した。この架橋剤をDZ22Eとする。
【0061】
実施例1
攪拌機を備えたエマルジョン混合試験機を用いて、室温にてg−EVA(1)を43重量部仕込み、攪拌下でs−ウレタンEm(1)を50重量部配合して、さらに30分攪拌混合した。次に、キシレン2重量部を配合した後に30分攪拌混合を続け、カオリンクレー(アルミニウムシリケート系充填材、土屋カオリン社製)を5重量部配合した後、さらに30分攪拌混合を続けて、主剤エマルジョンを得た。この主剤エマルジョン100重量部に対し、ic−HDIプレポリマー(1)を3重量部配合して、接着剤組成物を得た。
【0062】
実施例2
g−EVA(1)の代わりにg−EVA(2)を同量用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物を得た。
【0063】
比較例1
g−EVA(1)の代わりにEVA(3)を同量用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物を得た。
【0064】
比較例2
ic−HDIプレポリマー(1)の代わりにプレポリマー(2)を同量用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物を得た。
【0065】
比較例3
ic−HDIプレポリマー(1)の代わりにDZ22Eを5重量部配合した以外は実施例1と同様にして、接着剤組成物を得た。
【0066】
比較例4
実施例1と同じ装置を用いて、室温にてg−EVA(1)を43重量部仕込み、攪拌下で28%アンモニア水を0.1重量部配合してpHを9.0にし、ウレタンEm(2)を49.9重量部配合して、さらに30分攪拌混合した。次に、キシレン2重量部を配合した後に30分攪拌混合を続け、カオリンクレー(アルミニウムシリケート系充填材、土屋カオリン社製)を5重量部配合した後、さらに30分攪拌混合を続けて、主剤エマルジョンを得た。この主剤エマルジョン100重量部に対し、ic−HDIプレポリマー(1)を3重量部配合して、接着剤組成物を得た。
【0067】
比較例5
ic−HDIプレポリマー(1)の代わりにDZ22Eを5重量部配合した以外は比較例4と同様にして、接着剤組成物を得た。
【0068】
上記実施例および比較例の組成を表1に示す。
【0069】
上記の実施例1、実施例2、比較例1〜5の7種の接着剤組成物を用いて、PVCシート/合板、POシート/合板、PETシート/合板で構成されるプラスチック化粧板を、以下のようにテストラミネートマシンを用いて製造した。
【0070】
すなわち、気温22℃、湿度55%RH条件下にて、ロールスプレッダを用いて合板に接着剤組成物を80g/m2塗布した後、直ちにシートをオーバーレイした。その後、直ちに脱気ロールにて接着剤組成物/シートに残存する空気を除去した後、油圧プレス機を用いて0.1MPaの圧力を30分間加えて製造した。
【0071】
[使用したシート、合板など]
PVCシート:厚み0.15mm、可塑剤15phr、大日本印刷社製
POシート:ポリプロピレン製、表面処理、厚み0.15mm、凸版印刷社製PETシート:ポリエチレンテレフタレート製、表面処理、厚み0.05mm、大日本印刷社製
合板:表面材白ラワン、厚み5.5mm、3プライ、タイプ1、大倉工業社製
塗布装置:テスト用ロールスプレッダ(長谷川鉄工社製)。
【0072】
プラスチック化粧板製造時における製造ライン適性、製造されたプラスチック化粧板の接着特性を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0073】
[製造ライン適性]
塗布作業性:テスト用ロールスプレッダを通過させ、塗布量の確保、塗布時の合板後端からのタレの状態を観察する。このタレとは、ロールコーター通過後の合板後端部から接着剤が垂れる現象であり、塗布ロールから合板への転写性の悪い、すなわち塗布性の悪い接着剤において発生する。
【0074】
ラミネート適性:ラミネートロール通過後のシートの収まり具合であり、少しめくってウェットタックを観察する。
【0075】
ショートプレス適性:ラミネート後、10℃雰囲気下の条件で10分のプレスで接着できているかどうかを観察する。
【0076】
洗浄性:ロールスプレッダを1時間運転し、接着剤組成物を除去した後に水洗の容易性を観察する。
【0077】
製造ライン適性の評価基準
○:実用性が充分である △:実用性の下限にある ×:実用性がない。
【0078】
[接着特性試験]
常態接着強さ:22℃で、25mm巾の試験片を、引張り速度200mm/minにて、180度剥離したときの強度で、単位はkgf/25mmである。
【0079】
耐熱クリープ性:70℃のオーブン中にて、25mm巾の試験片に500gの静荷重を90度角に負荷し、24時間後の剥離長さを測定した。数値が小さい方が好ましく、単位はmm/24hである。
【0080】
耐熱局部荷重膨れ:100mm×200mmの試験片の化粧シート面に、四隅に穴をあけた50mm×150mm×10mmのアクリル板を載せてボルト締めした。ボルト締めはトルクレンチを使用し、圧力はボルト1個につき2MPaとした。この試験片に、(60℃×2時間)→(−20℃×2時間)を1サイクルとし、これを10サイクル繰り返し、荷重周囲の膨れを観察した。評価基準は、○:実用性が充分である、△:実用性の下限にある、×:実用性がない、である。
【0081】
耐湿熱クリープ性:70℃、70%RHの雰囲気下で、25mm巾の試験片に500gの静荷重を90度角に負荷し、24時間後の剥離長さを測定した。数値が小さい方が好ましく、単位はmm/24hである。
【0082】
耐湿熱局部荷重膨れ:100mm×200mmの試験片の化粧シート面に、四隅に穴をあけた50mm×150mm×10mmのアクリル板を載せてボルト締めした。ボルト締めはトルクレンチを使用し、圧力はボルト1個につき2MPaとした。この試験片に、(70℃、70%RH×2時間)→(−20℃×2時間)を1サイクルとし、これを10サイクル繰り返し、荷重周囲の膨れを観察した。評価基準は、○:実用性が充分である、△:実用性の下限にある、×:実用性がない、である。
【0083】
【表1】
Figure 0004003022
【0084】
表1において、実施例中および比較例中の数値のうち( )内は固形分換算値を示す。
【0085】
【表2】
Figure 0004003022
【0086】
【発明の効果】
本発明の水性接着剤組成物は、プラスチックシートと木質材料との接着において、製造ライン適性、接着強度および高温高湿条件下での耐熱クリープ性に優れている。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aqueous adhesive composition. More specifically, the present invention relates to an aqueous adhesive composition excellent in creep resistance characteristics particularly under high temperature and high humidity conditions.
[0002]
[Prior art]
A plastic decorative board composed of a plastic sheet such as polyvinyl chloride or polyolefin with a print of name tree on the surface and a wood material board such as plywood or wood fiber board is used in the housing industry. Widely used in various construction materials such as doors and housing materials. These decorative boards are produced by adhering a plastic sheet and a wood material board using a water-based adhesive by an adhesion method called a continuous laminating method. This decorative board is subjected to groove processing such as V-cutting, and then assembled into various kinds of construction materials / housing members as described above, and is used for residential construction.
[0003]
Since these various construction materials / housing members are used for a long period of 10 or 20 years, the adhesive used must have adhesive performance and adhesive quality that can withstand long-term use. Therefore, it is required as a minimum condition that each adhesive strength such as normal adhesion, water resistance, heat resistance, and cold resistance is excellent. Furthermore, the adhesive performance which can endure natural environment changes, such as direct sunlight and rain, for many years is also requested | required. In particular, when these decorative panels are used for window frames exposed to direct sunlight, aluminum sash is often attached to the decorative panel surface and bolted, and local loads are continuously applied to the decorative panel. Therefore, a local load bulge complaint may occur. The solution to this claim has been studied for many years by adhesive manufacturers, building material manufacturers, and housing manufacturers, and this claim was solved somewhat by using an adhesive with excellent heat-resistant creep properties, but it is still fundamental. It has not yet been resolved.
[0004]
A typical production line for these decorative plates is to apply a water-based emulsion adhesive on the side of the decorative plate base plate using a roll spreader (roll coater) and overlay a plastic sheet on the wet adhesive. Adopts continuous laminating method. For this reason, the adhesive used is required to have a high production line suitability. This production line suitability has a viscosity and viscosity that can be appropriately applied with a roll spreader (hereinafter also referred to as application workability), and has a wet tack to such an extent that the sheet does not easily peel again after overlaying (hereinafter referred to as “applicability”). It can also be bonded with a cold press for about 10 to 30 minutes at room temperature (hereinafter also referred to as short press suitability), the roll can be washed with a small amount of water after the operation (hereinafter also referred to as cleanability), etc. It has the following characteristics.
[0005]
On the other hand, as a means for improving an adhesive containing an ethylene-vinyl acetate copolymer emulsion, a technique for improving heat-resistant creep resistance by blending a polyurethane emulsion has been proposed. It does not reach a performance level that can be applied to materials and housing materials. As shown in Japanese Patent Publication No. 63-33518, a practical heat-resistant creep resistance can be obtained only by blending a mixture of an ethylene-vinyl acetate copolymer emulsion and an anionic urethane emulsion with a crosslinking agent such as an aziridine compound. . Further, an improved invention has been proposed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-337767 as a water-based adhesive having high heat-resistant creep characteristics. However, these techniques do not provide good production line suitability.
[0006]
Furthermore, the conventional technology is directed to a polyvinyl chloride (hereinafter also referred to as PVC) sheet that has been widely used in this field, and is a polyolefin (hereinafter also referred to as PO) sheet or polyester (hereinafter referred to as a “polyester”) that has a low environmental impact. , Also referred to as PET). At present, it is time to convert a PVC sheet to a PO sheet or PET sheet, and excellent adhesion to all of these is required.
[0007]
However, the conventional technology shows basic adhesion to all of the polar polymer PVC sheet and the nonpolar polymer PO sheet or PET sheet, considering the suitability of the production line, and excellent water-resistant creep resistance. There was no adhesive. Furthermore, at present, no investigation has been made on the cause of the local load swelling and the fundamental solution to the problem in which all the PVC sheets, PO sheets, and PET sheets are claimed.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an aqueous adhesive composition that exhibits good adhesion to polar polymers and nonpolar polymers, has excellent production line suitability and heat-resistant creep properties, and can solve local load swelling. There is.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In the adhesives industry, building materials industry, and housing industry, it is well known that there is a correlation between the quality of heat-resistant creep performance and the occurrence of local load swelling claims. Both the heat-resistant creep test and the load swell test are usually performed under high temperature conditions in the atmosphere, but have never been performed in consideration of humidity conditions.
[0010]
As a result of analyzing the factors causing the local load swelling claim, the present inventors thought that not only thermal factors but also humidity factors should be considered. From that point of view, the plastic decorative board using a conventional water-based adhesive with excellent heat-resistant creep resistance and local load swell performance has both a heat-resistant creep value and a local load swell test result when heated to high temperatures in normal air. Although it was good, when it was tested under high temperature and high humidity, it was found that both the creep resistance value and the local load swell performance decreased in a correlated manner. In other words, even commercially available water-based adhesives with excellent heat-resistant creep resistance, the heat-resistant creep resistance under high-temperature and high-humidity conditions (hereinafter also referred to as moisture-heat creep resistance) is greatly reduced, and the local load test under the same conditions ( It was found that the results of the heat and heat resistance local load swell decreased as well. This discovery is extremely significant for the fundamental solution to the local load bulge that has been addressed for many years in the industry concerned.
[0011]
Based on the above findings, the inventors have intensively studied an adhesive that not only has excellent heat-resistant creep resistance but also has excellent heat-and-moisture-resistant creep performance. This adhesive requires water-based emulsion adhesives for environmental considerations, worker health considerations, and fire hazard considerations. Further, since the overlay material of the decorative board is also in the period of conversion from the PVC sheet to the PO sheet having a low environmental load, it must be an adhesive capable of performing good adhesion on both. Furthermore, it must be highly productive on the premise of mass production and be compatible with the current production line for decorative boards.
[0012]
That is, it exhibits excellent adhesion to both polar and non-polar polymers, excellent adhesion performance such as adhesion strength and heat-resistant creep resistance, and excellent production line suitability, especially moisture and heat-resistant creep and moisture and heat-resistant local load swell The inventors have eagerly studied to find a water-based adhesive that is excellent.
[0013]
As a result, water-based adhesives selected specific properties of ethylene-vinyl acetate-polyfunctional monomer based copolymers, selected specific configurations and properties of polyurethane emulsions, and selected specific polyisocyanate prepolymers as crosslinkers. It has been found that an agent composition solves all of the above problems, and has completed the present invention.
[0014]
That is, the present invention provides an aqueous adhesive composition as shown below.
[0015]
1. (A) Polyethylene alcohol-containing ethylene-vinyl acetate-polyfunctional monomer copolymer having a toluene insoluble content of 70% by weight or more,
(B) an aqueous polyurethane that is stable in the acidic region and has a sulfonate group and / or a sulfamate group in the molecule, and
(C) Hexamethylene diisocyanate-based polyisocyanate prepolymer that is water-insoluble or water-dispersible and has an isocyanurate skeleton
An aqueous adhesive composition containing
[0016]
2. The weight ratio of copolymer (A) / aqueous polyurethane (B) is 100/5 to 300 on a solid basis, and [copolymer (A) + aqueous polyurethane (B)] / polyisocyanate prepolymer. Item 2. The aqueous adhesive composition according to Item 1, wherein the weight ratio of the polymer (C) is 100 / 0.5 to 50 on a solid basis.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The copolymer (A) in the present invention is a copolymer containing polyvinyl alcohol and having ethylene, vinyl acetate and a polyfunctional monomer as essential constituents, and has a toluene insoluble content of 70% by weight or more. It must be in the range.
[0018]
The toluene insoluble matter is obtained by the following formula by measuring the weight of the insoluble matter recovered after extracting 2.0 g of the copolymer film with 200 ml of toluene at 60 ° C. for 24 hours.
[0019]
Toluene insoluble matter (wt%) = [(residue weight g) / (film weight g)] × 100
The polyfunctional monomer is a monomer capable of supplying two or more ethylenic double bonds as a constituent component of the copolymer. Specific examples thereof include triallyl cyanurate, triallyl isocyanurate, diallyl phthalate, and the like. It is done.
[0020]
As the composition of the copolymer (A), the weight ratio of ethylene / vinyl acetate is preferably from 10 to 30/90 to 70, more preferably from 15 to 25, in consideration of suitability for production lines and adhesion to various plastics. The weight ratio of polyfunctional monomer / vinyl acetate is preferably 0.05 to 0.4 / 100, more preferably 0.1 to 0.2 / 100. If the content of polyvinyl alcohol is selected in the range of preferably 1 to 10% by weight, more preferably 3 to 8% by weight, based on the total polymer, the adhesiveness to various plastics is improved due to the interaction with the aqueous polyurethane. In addition, the presence of the toluene-insoluble matter becomes a factor that gives excellent wet heat creep resistance due to the interaction with the polyisocyanate prepolymer (C) which is a crosslinking agent. If the toluene insoluble content is less than 70% by weight, good wet heat creep resistance cannot be obtained. A preferable toluene insoluble content is 85 to 100% by weight.
[0021]
The copolymer (A) is usually used in the form of an emulsion. Hereinafter, this emulsion is also referred to as g-EVA.
[0022]
The aqueous polyurethane (B) in the present invention is stable in the acidic region and has a sulfonate group and / or a sulfamate group in the molecule, and preferably one or more primary and / or secondary amino groups. Are also contained. This aqueous polyurethane (B) is usually used in the form of an emulsion. Hereinafter, this emulsion is also referred to as s-urethane Em. A suitable production method is disclosed, for example, in JP-A-8-337767, and is as follows.
[0023]
That is, for example, a polyisocyanate, a polymer polyol, a sulfonate group-containing polyol and / or a sulfamate group-containing polyol, and, if necessary, a terminal isocyanate group prepolymer obtained by reacting with a chain extender, and an isocyanate group of the prepolymer It is obtained by reacting with an excess equivalent of primary and / or secondary polyamine. The amino group-containing aqueous polyurethane resin obtained in this manner is a representative example.
[0024]
In the above-described configuration, the water-based adhesive composition of the present invention includes using an aromatic polyisocyanate typified by toluene diisocyanate as the polyisocyanate, and a polyester-based polyol resulting from a condensation reaction of a dicarboxylic acid and a diol as the polymer polyol. It is preferable to give good adhesion to various plastics. Further, in the sulfonate group-containing polyol and / or sulfamate group-containing polyol, it is preferable to use the sulfonate group-containing polyol because the aqueous polyurethane (B) is more excellent in acid stability.
[0025]
Many proposals have been made for polyurethane emulsions, and anionic polyurethane emulsions are one of them, but many of these anionic polyurethane emulsions gel in the acidic region. Therefore, usually, when such an acidic gel type polyurethane emulsion is used, the neutralized ethylene-vinyl acetate-polyfunctional monomer copolymer emulsion is neutralized with a neutralizing agent, and then the acidic gel type polyurethane emulsion is prepared. Mixed. However, when this is done, excess neutralizing agent tends to cause a decrease in wet heat creep resistance. Therefore, in the present invention, a polyurethane emulsion that is stable in the acidic region is used.
[0026]
A polyurethane emulsion that is stable in this acidic region means that an acidic substance is added to the polyurethane emulsion and the pH is adjusted to 4 to 5 which is the pH region of a commercially available ethylene-vinyl acetate copolymer emulsion. It means a polyurethane emulsion having no abnormal state such as generation of secondary aggregates or insoluble matter, rapid increase in viscosity, and gelation. Therefore, the polyurethane emulsion within the scope of the present invention is that an acidic substance is added to the polyurethane emulsion itself to adjust the pH range to 4 to 5, and abnormalities such as generation of foreign matter, sudden increase in viscosity, and gelation are observed. It can be confirmed by not. If this change is obvious, it can be identified immediately. However, if it is difficult to identify the change, first confirm that there is no foreign substance, then add an acidic substance, and in the state of pH 4-5, which is clearly acidic. What is necessary is just to confirm that a foreign material does not occur. As a concrete method, it is clearly regarded as acidic by adding an acidic substance such as an organic acid or a mineral acid to a polyurethane emulsion that is first filtered through an 80 mesh filter and confirmed to be free of foreign matter. The pH is adjusted to 4 to 5, and this is again filtered through the mesh filter screen. The filter network is washed with water, and it is confirmed that there is no residue in the filter network.
[0027]
The polyurethane emulsion which is stable in such an acidic region is directly added to the polyurethane emulsion in an amount of 5 to 300% by weight based on 100 parts by weight (based on solid content) of a commercially available ethylene-vinyl acetate copolymer emulsion having a pH of 4 to 5. When mixed in parts (based on solid content), no significant foreign matter or gel formation occurs. Among these s-urethane Ems, those using a polyester type aromatic isocyanate urethane polymer as a skeleton polymer are preferable because of their excellent adhesion to various plastics due to the interaction with g-EVA.
[0028]
In the present invention, a hexamethylene diisocyanate polyisocyanate prepolymer (hereinafter also referred to as ic-HDI prepolymer) which is water-insoluble or non-water-dispersible (ie, hydrophobic) and has an isocyanurate skeleton is referred to as g-EVA. The interaction is a factor for providing excellent wet heat creep resistance. In general, in a polyisocyanate prepolymer, an isocyanate compound is selected from toluene diisocyanate (TDI), hexamethylene diisocyanate (HDI), isophorone diisocyanate (IPDI), xylene diisocyanate (XDI), hydrogenated XDI, and the like. , Trimethylolpropane adduct (TMP adduct), burette, isocyanurate and the like, and there are many kinds of prepolymers in combination thereof. However, the effects of the present invention are limited to hexamethylene diisocyanate polyisocyanate prepolymers having an isocyanurate skeleton. Prepolymers in other combinations not only provide excellent wet heat creep resistance as in the present invention, but also reduce production line suitability. In addition, hexamethylene diisocyanate polyisocyanate prepolymers having this isocyanurate skeleton include water-insoluble or non-water-dispersible prepolymers and water-soluble or water-dispersible prepolymers having a hydrophilic group introduced in the molecule. However, in the present invention, a water-insoluble or non-water-dispersible prepolymer having no hydrophilic group introduced in the molecule is used. A water-soluble or water-dispersible prepolymer tends to be unable to obtain a good moist heat-resistant creep value, and roll cleaning properties are extremely lowered, particularly among production line suitability.
[0029]
In the aqueous adhesive composition of the present invention, usually, g-EVA and s-urethane Em are premixed to form this mixture as a main emulsion, and ic-HDI prepolymer is mixed as a crosslinking agent at the stage of use. Although preferable, it is not limited to this, You may employ | adopt the method of mixing collectively. Usually, g-EVA, s-urethane Em in the present invention, and viscosity modifiers such as poval, fiber derivatives, associative thickeners if necessary, a small amount of organic solvent such as toluene, xylene, ethyl acetate, Blended with plasticizers such as phthalates, inorganic fillers such as clay and talc, and various known modifiers such as antiseptic and mildew-proofing agents, mixed homogeneously, and then stored as a main emulsion in a sealable container Keep it. On the other hand, since the ic-HDI prepolymer in the present invention is a liquid resin having fluidity at room temperature, it is used as a crosslinking agent as it is or after being diluted in an appropriate organic solvent.
[0030]
In the present invention, the aqueous dispersion obtained by blending 5 to 300 parts by weight of the s-urethane Em in terms of solid content with respect to 100 parts by weight of the solid content in the g-EVA is contained in the aqueous dispersion. It is preferable to mix 0.5 to 50 parts by weight of the ic-HDI prepolymer with respect to 100 parts by weight of the solid content. From the standpoint of maintaining good production line suitability and obtaining excellent wet heat resistance, 10 to 200 parts by weight of s-urethane Em in terms of solid content is blended with 100 parts by weight of solid content in g-EVA. It is more preferable that 1-30 parts by weight of the ic-HDI prepolymer is blended with respect to 100 parts by weight of the solid content in the aqueous dispersion.
[0031]
When the s-urethane Em is less than 5 parts by weight, the adhesiveness to the PVC sheet, PO sheet or PET sheet tends to decrease, and when it exceeds 300 parts by weight, the suitability for the production line tends to decrease. Also, when the ic-HDI prepolymer is less than 0.5 parts by weight, the moist heat creep resistance tends to be lowered, and when it exceeds 50 parts by weight, the production line suitability, particularly the detergency is lowered, and the pot life is reduced. Shortening tends to occur.
[0032]
The aqueous adhesive composition of the present invention can be prepared by mixing using an ordinary emulsion-type adhesive processing pot equipped with a stirrer. In the following, g-EVA and s-urethane Em are homogeneously mixed in advance to form a main emulsion, a process of blending ic-HDI prepolymer or a diluted organic solvent thereof as a cross-linking agent when used, and plastic makeup in the production line The process of bonding the plates will be described.
[0033]
First, 5 to 300 parts by weight of s-urethane Em in terms of solid content is charged with respect to 100 parts by weight of solid content in g-EVA, and homogeneously mixed to obtain a main emulsion. At that time, 0 to 20 parts by weight of an organic solvent such as toluene, xylene, and ethyl acetate and 0 to 10 parts of a plasticizer such as phthalate ester are added to 100 parts by weight of the resin solid content of the main emulsion, as necessary. Inorganic fillers such as parts by weight, clay and talc may be mixed in an appropriate amount by appropriately blending 0 to 50 parts by weight, a viscosity improver and an antiseptic / antifungal agent. The base emulsion thus mixed and processed is stored in a suitable container.
[0034]
The ic-HDI prepolymer in the present invention can be obtained by inducing 3 moles of hexamethylene diisocyanate to an isocyanurate skeleton. The molecular structure of such an ic-HDI prepolymer is represented by the following chemical formula, for example.
[0035]
[Chemical 1]
Figure 0004003022
[0036]
In the formula, R is — (CH 2 ) 6 -.
[0037]
In order to derive hexamethylene diisocyanate to the isocyanurate skeleton, it can be performed by a known method. Such a method can be performed, for example, as follows.
[0038]
This ic-HDI prepolymer can be obtained by adding a trace amount of fatty acid alkali metal salt as a catalyst and phenol and resorcinol as a catalyst to hexamethylene diisocyanate (HDI), and carrying out an isocyanuration reaction. In order to stabilize this compound, after the HDI and a trace amount of polyol are reacted in advance, the isocyanurate may be formed, or a trace amount of phosphoric acid may be added as a reaction terminator.
[0039]
The ic-HDI prepolymer may be diluted with a hydrophobic organic solvent such as toluene or xylene or a plasticizer. The dilution is preferably performed using 1 to 200 parts by weight of a hydrophobic organic solvent and a plasticizer per 100 parts by weight of the ic-HDI prepolymer.
[0040]
Since the ic-HDI prepolymer obtained in this manner is easily affected by moisture, the ic-HDI prepolymer may be stored in a hermetically sealed metal container with nitrogen substitution, mixed into the main agent emulsion at the time of bonding, and then mixed homogeneously. In addition, there is a method in which g-EVA, s-urethane Em and ic-HDI prepolymer are mixed in advance, but in this case, since it cannot be stored for a long time, 2 It is preferable to use it as a liquid adhesive.
[0041]
After the preparation of the adhesive, a plastic decorative board is manufactured by performing a bonding operation by a continuous laminating method using a normal production line at a building material manufacturer. A standard bonding operation is described for bonding a PVC sheet, PO sheet or PET sheet to plywood. First, the adhesive is loaded on the roll spreader, and then this adhesive is applied to the plywood at 50 to 150 g / m. 2 Apply to a certain degree. Then, while maintaining the wet state of the adhesive, a PVC sheet, PO sheet or PET sheet is overlaid and pressed with a laminating roll, then the continuous sheet is cut with a knife or the like and inserted into a cold press. The pressing time is about 10 to 30 minutes, and if it is cured for about one day after releasing the pressure, a plastic decorative board is completed. Note that after the bonding operation is completed, the roll spreader is washed with a small amount of water.
[0042]
In the present invention, it is also characterized by excellent production line suitability, having a viscosity and viscosity that can be appropriately applied with a roll spreader, and having a wet tack that does not allow the sheet to be easily re-peeled after overlay. It can be bonded with a cold press at room temperature for about 10 to 30 minutes, and can be washed with a small amount of water after the operation is completed.
[0043]
The obtained plastic decorative board is subjected to cutting processing, assembly processing, and the like, so that it becomes various construction materials and housing members.
[0044]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
[0045]
Reference example 1
In g-EVA, the weight ratio of ethylene / vinyl acetate is 17/83, triallyl isocyanurate is used as the multifunctional monomer, and the weight ratio of the multifunctional monomer / vinyl acetate is 0.1 / 100. The copolymer was selected and copolymerized so that the content of polyvinyl alcohol was 5% by weight per total polymer, an aqueous solution of polyvinyl alcohol was charged into the pressure polymerization apparatus, and ethylene gas corresponding to the design value was sealed. Thereafter, a mixed solution of vinyl acetate and a polyfunctional monomer was dropped, and emulsion polymerization was performed at 50 to 70 ° C. under pressure. The toluene-insoluble content of this polymer was 92.5% by weight, and its properties were a viscosity of 2000 mPa · s / 25 ° C., a solid content of 55.3% by weight, and a pH of 4.6. This resin emulsion is designated as g-EVA (1).
[0046]
Reference example 2
A resin emulsion was obtained in the same manner as in Reference Example 1 except that the weight ratio of polyfunctional monomer / vinyl acetate was changed to 0.07 / 100. The toluene-insoluble content of this polymer was 75.5% by weight, and its properties were a viscosity of 2200 mPa · s / 25 ° C., a solid content of 55.0% by weight, and a pH of 4.5. This resin emulsion is designated as g-EVA (2).
[0047]
Reference example 3
A resin emulsion was obtained in the same manner as in Reference Example 1 except that the weight ratio of polyfunctional monomer / vinyl acetate was changed to 0.01 / 100. The toluene-insoluble content of this polymer was 65.3% by weight, and its properties were a viscosity of 1800 mPa · s / 25 ° C., a solid content of 55.4% by weight, and a pH of 4.6. This resin emulsion is referred to as EVA (3).
[0048]
Reference example 4
The s-urethane Em was produced according to the method described in JP-A-8-337767, and a polyester type aromatic isocyanate urethane polymer having a sulfonate group in the molecule was obtained.
[0049]
That is, a reactor equipped with a thermometer and a stirrer was charged with 109 parts by weight of sodium bisulfite, 63 parts by weight of sodium sulfite and 350 parts by weight of water. After dissolution, 132 parts by weight of glyceryl monoallyl ether was charged at 4 ° C. After reacting for a period of time, water was distilled off under reduced pressure, 300 parts by weight of isopropyl alcohol was added, insoluble matter was filtered, isopropyl alcohol was distilled off, and 3- (2,3-dihydroxypropoxy) -1 -213 parts by weight of propanesulfonic acid sodium salt (hereinafter also referred to as DPS) was obtained.
[0050]
Next, in a closed reaction vessel equipped with a thermometer and a stirrer, 219.8 parts by weight of polybutylene adipate (number average molecular weight 2000), 7.5 parts by weight of 1,4-butanediol, 10.6 parts by weight of the above DPS, After charging 62.1 parts by weight of toluene diisocyanate and 300 parts by weight of acetone and replacing the reaction system with nitrogen gas, the reaction was carried out at 80 ° C. for 7 hours with stirring to give an NCO-terminated urethane prepolymer having an isocyanate group content of 1.21%. Got. Next, a solution obtained by dissolving 17.0 parts by weight of isophoronediamine in 739.7 parts by weight of water is added to the prepolymer solution cooled to 30 ° C. and subjected to an emulsification / chain extension reaction. Acetone was distilled off at a temperature of 1056 parts by weight of polyurethane emulsion. Its properties were a viscosity of 25 mPa · s / 25 ° C., a solid content of 30.0% by weight, and a pH of 8.8. This resin emulsion is designated as s-urethane Em (1).
[0051]
A portion of this polyurethane emulsion was transferred to a flask, a pH meter was installed, and a 0.1N hydrochloric acid solution was added dropwise using a burette while stirring using a magnetic stirrer. After adjusting the pH to 4, filtration was performed using an 80-mesh filter net and washing was performed. As a result, no residue was observed in the filter net. This confirmed that this polyurethane emulsion was stable in the acidic region.
[0052]
Reference Example 5
Dispacol KA-8854 (manufactured by Sumitomo Bayer Urethane Co., Ltd.) was selected as an anionic polyurethane emulsion that does not provide stability in the acidic region. The properties of the emulsion were a viscosity of 400 mPa · s / 25 ° C., a solid content of 50.2% by weight, and a pH of 8.6. This resin emulsion is designated as urethane Em (2).
[0053]
As a result of confirming whether or not this polyurethane emulsion is stable in the acidic region, the residue was observed in the same manner as in Reference Example 4 except that the pH was adjusted to 5.5.
[0054]
Reference Example 6
The ic-HDI prepolymer was obtained by derivatizing hexamethylene diisocyanate (HDI) to the isocyanurate backbone.
[0055]
That is, 100 parts by weight of HDI and 0.8 parts by weight of 1,3-butanediol were placed in a 500 ml four-necked flask equipped with a thermometer, a stirrer, and a nitrogen seal tube, and the air in the flask was replaced with nitrogen. The mixture was heated to 80 ° C. with stirring and reacted for 2 hours.
[0056]
Next, 0.02 part by weight of potassium caprate as a catalyst and 0.1 part by weight of phenol as a cocatalyst were added, and an isocyanuration reaction was performed at 60 ° C. for 4 hours.
[0057]
To this reaction solution, 0.014 part by weight of phosphoric acid as a terminator was added and stirred for 1 hour at the reaction temperature. Then, free HDI was removed by a molecular distillation apparatus to obtain an ic-HDI prepolymer.
[0058]
Identification was performed by IR and NMR. The appearance of this prepolymer was a greenish colorless transparent liquid with an isocyanate content of 21.6% by weight. This water-insoluble or non-water-dispersible prepolymer is referred to as ic-HDI prepolymer (1).
[0059]
Reference Example 7
A commercially available product was used as the water-soluble or water-dispersible prepolymer. The trade name is SBU isocyanate 0772 (manufactured by Sumitomo Bayer Urethane Co., Ltd.), and the appearance of this prepolymer was a colorless transparent liquid with an isocyanate content of 19.0% by weight. This water-soluble or water-dispersible prepolymer is referred to as prepolymer (2).
[0060]
Reference Example 8
Chemitite DZ-22E (manufactured by Nippon Shokubai Chemical Co., Ltd.), which is an aziridine compound, was selected as a conventional crosslinking agent. This crosslinking agent is designated as DZ22E.
[0061]
Example 1
Using an emulsion mixing tester equipped with a stirrer, 43 parts by weight of g-EVA (1) was charged at room temperature, 50 parts by weight of s-urethane Em (1) was blended under stirring, and stirred for another 30 minutes. did. Next, after mixing 2 parts by weight of xylene, stirring and mixing were continued for 30 minutes. After 5 parts by weight of kaolin clay (aluminum silicate filler, manufactured by Tsuchiya Kaolin Co., Ltd.) was mixed, stirring and mixing were further continued for 30 minutes. An emulsion was obtained. 3 parts by weight of ic-HDI prepolymer (1) was blended with 100 parts by weight of the main emulsion to obtain an adhesive composition.
[0062]
Example 2
An adhesive composition was obtained in the same manner as in Example 1 except that the same amount of g-EVA (2) was used instead of g-EVA (1).
[0063]
Comparative Example 1
An adhesive composition was obtained in the same manner as in Example 1 except that the same amount of EVA (3) was used instead of g-EVA (1).
[0064]
Comparative Example 2
An adhesive composition was obtained in the same manner as in Example 1 except that the same amount of the prepolymer (2) was used instead of the ic-HDI prepolymer (1).
[0065]
Comparative Example 3
An adhesive composition was obtained in the same manner as in Example 1 except that 5 parts by weight of DZ22E was blended in place of the ic-HDI prepolymer (1).
[0066]
Comparative Example 4
Using the same apparatus as in Example 1, 43 parts by weight of g-EVA (1) was charged at room temperature, and 0.1 parts by weight of 28% ammonia water was added under stirring to adjust the pH to 9.0. Urethane Em 49.9 parts by weight of (2) was blended and further stirred and mixed for 30 minutes. Next, after mixing 2 parts by weight of xylene, stirring and mixing were continued for 30 minutes. After 5 parts by weight of kaolin clay (aluminum silicate filler, manufactured by Tsuchiya Kaolin Co., Ltd.) was mixed, stirring and mixing were further continued for 30 minutes. An emulsion was obtained. 3 parts by weight of ic-HDI prepolymer (1) was blended with 100 parts by weight of the main emulsion to obtain an adhesive composition.
[0067]
Comparative Example 5
An adhesive composition was obtained in the same manner as in Comparative Example 4 except that 5 parts by weight of DZ22E was blended in place of the ic-HDI prepolymer (1).
[0068]
Table 1 shows the compositions of the above Examples and Comparative Examples.
[0069]
Using the above seven adhesive compositions of Example 1, Example 2, and Comparative Examples 1 to 5, a plastic decorative board composed of PVC sheet / plywood, PO sheet / plywood, PET sheet / plywood, It manufactured using the test laminating machine as follows.
[0070]
That is, 80 g / m of the adhesive composition is applied to the plywood using a roll spreader under conditions of an air temperature of 22 ° C. and a humidity of 55% RH. 2 Immediately after application, the sheet was overlaid. Thereafter, the air remaining in the adhesive composition / sheet was immediately removed with a deaeration roll, and then manufactured by applying a pressure of 0.1 MPa for 30 minutes using a hydraulic press.
[0071]
[Used sheets, plywood, etc.]
PVC sheet: thickness 0.15 mm, plasticizer 15 phr, manufactured by Dai Nippon Printing Co., Ltd.
PO sheet: polypropylene, surface treatment, thickness 0.15 mm, letterpress printing PET sheet: polyethylene terephthalate, surface treatment, thickness 0.05 mm, manufactured by Dai Nippon Printing Co., Ltd.
Plywood: Surface material white lauan, thickness 5.5mm, 3ply, type 1, manufactured by Okura Kogyo Co., Ltd.
Coating device: roll spreader for testing (manufactured by Hasegawa Tekko).
[0072]
The production line suitability at the time of manufacturing the plastic decorative board and the adhesive properties of the manufactured plastic decorative board were evaluated according to the following criteria. The results are shown in Table 2.
[0073]
[Production line suitability]
Application workability: Pass through a test roll spreader, secure the application amount, and observe the state of dripping from the rear end of the plywood during application. The sagging is a phenomenon in which the adhesive hangs down from the rear end portion of the plywood after passing through the roll coater, and occurs in an adhesive having poor transferability from the coating roll to the plywood, that is, poor applicability.
[0074]
Laminate suitability: The degree of fit of the sheet after passing the laminate roll.
[0075]
Short press suitability: After laminating, it is observed whether or not it can be bonded by pressing for 10 minutes under the condition of 10 ° C. atmosphere.
[0076]
Detergency: The roll spreader is operated for 1 hour, and after removing the adhesive composition, the ease of washing with water is observed.
[0077]
Evaluation criteria for production line suitability
○: Practicality is sufficient Δ: At the lower limit of practicality ×: There is no practicality.
[0078]
[Adhesive property test]
Normal-state adhesive strength: The strength when a 25 mm wide test piece is peeled 180 degrees at a pulling speed of 200 mm / min at 22 ° C., and the unit is kgf / 25 mm.
[0079]
Thermal creep resistance: In an oven at 70 ° C., a static load of 500 g was applied to a 90 mm square on a 25 mm wide test piece, and the peel length after 24 hours was measured. A smaller numerical value is preferable, and the unit is mm / 24h.
[0080]
Heat resistant local load bulge: A 50 mm × 150 mm × 10 mm acrylic plate with holes in four corners was placed on the decorative sheet surface of a 100 mm × 200 mm test piece and bolted. A bolt was tightened with a torque wrench, and the pressure was 2 MPa per bolt. The test piece was subjected to (60 ° C. × 2 hours) → (−20 ° C. × 2 hours) as one cycle, and this was repeated 10 cycles, and swelling around the load was observed. Evaluation criteria are: ○: sufficient practicality, Δ: at the lower limit of practicality, x: no practicality.
[0081]
Moisture and heat creep resistance: Under an atmosphere of 70 ° C. and 70% RH, a test piece having a width of 25 mm was subjected to a static load of 500 g at a 90-degree angle, and the peel length after 24 hours was measured. A smaller numerical value is preferable, and the unit is mm / 24h.
[0082]
Humidity and heat resistance local load bulge: On a decorative sheet surface of a test piece of 100 mm × 200 mm, an acrylic plate of 50 mm × 150 mm × 10 mm with holes in four corners was placed and bolted. A bolt was tightened with a torque wrench, and the pressure was 2 MPa per bolt. The test piece was subjected to (70 ° C., 70% RH × 2 hours) → (−20 ° C. × 2 hours) as one cycle, this was repeated 10 cycles, and swelling around the load was observed. Evaluation criteria are: ○: sufficient practicality, Δ: at the lower limit of practicality, x: no practicality.
[0083]
[Table 1]
Figure 0004003022
[0084]
In Table 1, among the numerical values in the examples and comparative examples, the values in parentheses indicate the solid content converted values.
[0085]
[Table 2]
Figure 0004003022
[0086]
【The invention's effect】
The aqueous adhesive composition of the present invention is excellent in production line suitability, adhesive strength, and heat-resistant creep resistance under high-temperature and high-humidity conditions in bonding a plastic sheet and a wood material.

Claims (2)

(A)トルエン不溶分が70重量%以上のポリビニルアルコール含有エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体、
(B)酸性領域で安定で、分子内にスルホン酸塩基および/またはスルファミン酸塩基を有する水性ポリウレタン、ならびに、
(C)非水溶性または非水分散性で、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートプレポリマー
を含有する水性接着剤組成物。
(A) Polyethylene alcohol-containing ethylene-vinyl acetate-polyfunctional monomer copolymer having a toluene insoluble content of 70% by weight or more,
(B) an aqueous polyurethane that is stable in the acidic region and has a sulfonate group and / or a sulfamate group in the molecule, and
(C) A water-based adhesive composition containing a hexamethylene diisocyanate-based polyisocyanate prepolymer that is water-insoluble or water-dispersible and has an isocyanurate skeleton.
共重合体(A)/水性ポリウレタン(B)の重量割合が、固形分基準で、100/5〜300であり、かつ、[共重合体(A)+水性ポリウレタン(B)]/ポリイソシアネートプレポリマー(C)の重量割合が、固形分基準で、100/0.5〜50であることを特徴とする請求項1に記載の水性接着剤組成物。The weight ratio of copolymer (A) / aqueous polyurethane (B) is 100/5 to 300 on a solid basis, and [copolymer (A) + aqueous polyurethane (B)] / polyisocyanate prepolymer. 2. The aqueous adhesive composition according to claim 1, wherein the weight ratio of the polymer (C) is 100 / 0.5 to 50 on a solid basis.
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