JP4002804B2 - 複数台の表示装置による多画面表示方法、同方法用プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク接続された複数台の表示装置からなる表示システムにおいて、コンピュータグラフィックス(CG)により生成された単一の3次元空間画像を複数の画面に分割して、各表示装置の画像表示部により空間的及び時間的に連続性をもって表示する多画面表示方法、同方法用プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネットワーク接続された複数台の表示装置からなる表示システムにおいて、単一の3次元空間画像を複数の画面に分割して、空間的及び時間的に連続性のある映像を表示する場合は、各画面に表示されるオブジェクトの動き(オブジェクトが自律的に動く場合と、視点が移動する結果、オブジェクトが動く場合とがある。)を同期させることが望まれる。このような要望に応える多画面表示方法を、従来技術により実現しようとする場合は、次のようなものになると考えられる。図10のフローチャートに基づいて説明すると、多画面表示のための表示システムを構成する各表示装置は、ネットワーク接続されたコンピュータと、そのコンピュータに接続された画像表示部とを有し、コンピュータはその一つをマスター、他をスレーブとして用いる。図10の(a)はマスターとスレーブに共通な処理動作の手順を、同図の(b)はマスターによるフレーム毎の処理動作の手順を、同図の(c)はスレーブによるフレーム毎の処理動作の手順をそれぞれ示す。
【0003】
その処理動作の内容を概略的に説明すると、
1)図10(a)に示すように、マスター及びスレーブは、起動されて相互間にコミュニケーションが確立すると、それぞれネットワーク共有されたデータベースから3次元空間データを自己にロードする。
2)マスターは、時間経過やユーザー操作等のイベントに応じて3次元空間及び視点情報を更新し、前フレームからの差分(変化分)をスレーブに通知する。
3)スレーブは、通知された差分を用いて、3次元空間及び視点情報を更新する。
4)マスター及びスレーブは、更新された3次元空間及び視点情報を使用して3次元空間及び視点情報を描画する。
5)上記2),3),4)を終了まで繰り返す。
【0004】
3次元空間の更新とは、下記のような処理を指す。
a)3次元空間を構成するオブジェクト(以下、単にオブジェクトという。)の配置情報(移動、回転、スケール)の変更。
b)オブジェクトの表示・非表示の切り替え。
c)オブジェクトの変形。
また、視点情報の更新は下記のような処理を指す。
d)視点位置の変更。
e)視線方向の変更。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来方法は、いわば「空間共有・差分通知型」である。この従来方法の最大の問題点は、差分として送信されるデータ量が非常に多いことである。すなわち、3次元空間全体にわたってオブジェクトの変形が発生する(すなわち、頂点座標が変化する)など、最悪の場合には、送信データ量が数百万ビットにも及ぶ場合もあるため、ネットワークの負荷が増大し、安定したフレームレートを達成できない。
このため、多くの場合はフレーム毎の更新に一定の制限を持たせる。例えば、a)視点情報のみの更新に制限する(3次元空間が変化しないことを前提とする)、b)3次元空間に対する更新を、オブジェクトの配置情報のみに限定する(オブジェクトが変形しないことを前提とする)、などが一般的である。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、ネットワーク接続された複数台の表示装置からなる表示システムにおいて単一の3次元空間画像を前記表示装置のそれぞれに分割して表示する多画面表示方法において、マスターからスレーブに対する送信データ量の削減及びネットワーク負荷の軽減を図り、単一の3次元空間画像の各表示装置に分割して表示される各画像が相互に空間的及び時間的に連続性をもって、高速で完全に同期が取れた状態で表示されるようにすることにある。
他の課題は、上記課題を解決する多画面表示方法を実現するために好適なプログラム、及び同プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ネットワーク接続された複数台の表示装置からなる表示システムにおいて単一の3次元空間画像を分割して前記各表示装置により動画像を表示する多画面表示方法において、各表示装置を構成する複数のコンピュータを1台のマスターコンピュータ(以下、マスターという。)と、それ以外のスレーブコンピュータ(以下、スレーブという。)に分け、各コンピュータによる処理手順に、次のステップを含むことを特徴としている。すなわち、
i)ネットワーク共有されたデータベースから単一の3次元空間データの全てを、マスター及びスレーブがそれぞれロードするステップ。
ii)マスターは、時間経過を計測し、所定時間毎に時刻データをスレーブに配信するステップ。
iii)マスターは、ユーザ操作などによるイベント発生の有無を監視し、イベント発生時にそのイベントに対応するコマンドを自己及びスレーブに与えるステップ。
iV)マスターとスレーブは、前記イベントに対応するコマンドに基づいて、前記時刻データ及び前記ロードした単一の3次元空間データのうち自己に割当てられた所定の一部を用いて3次元空間及び視点情報を自律的に更新し、描画を行うステップ。
ここで、イベントとは、時刻等の外的条件の変化と、ユーザのキーボード又はマウスの操作等により人的に入力される情報とである。
【0008】
上記の請求項1の発明による同期化手法は、「空間・時間・イベント共有型」と呼ぶことができる。マスターとスレーブがそれぞれに時間経過を計測してその時刻データを用いるのではなく、マスターのみが時間経過を計測し、所定時間毎に時刻データをスレーブに配信する点に本発明の特徴の一つがある。そして、マスターは、イベントが発生したと判断したとき、それに対応する所定のコマンドを自己及び全スレーブに与える。このため、マスターとスレーブにおいて同一時刻に同一内容の処理が実行される。これにより、マスターとスレーブは、ネットワーク共有されたデータベースからメモリにロードされた3次元空間と、時間及び空間内で任意の時刻に発生するイベントとを共有することになり、ほぼ完全に同期の取れた映像を表示することができる。
【0009】
上記請求項1の方法発明である、ネットワーク接続された複数台の表示装置からなり、1台の表示装置のコンピュータをマスターとし、他の表示装置のコンピュータをスレーブとする表示システムにおいて単一の3次元空間画像を分割して前記各表示装置の画像表示部により動画像を表示する多画面表示方法を実現するためのマスター用プログラムは、
i)ネットワーク共有されたデータベースから単一の3次元空間データの全てを自己にロードするステップと、
ii)時間経過を計測し、所定時間毎に前記スレーブに対して共通の時刻データを配信するステップと、
iii)イベントの発生の有無を監視し、イベント発生時にそのイベントに対応する所定のコマンドを自己及び前記スレーブに与えるステップと、
iv)前記イベント、すなわち、経過時間による状態の変化を認識して及び/又はユーザ操作等に対応するコマンドに基づいて、前記時刻データ及び前記ロードした単一の3次元空間データのうちそれぞれのスレーブに割り当てられたの所定の一部を用いて3次元空間及び視点情報を自律的に更新し、描画を行うステップとを含むことを特徴としている(請求項2)。
【0010】
また、スレーブ用プログラムは、
i)前記ネットワーク共有されたデータベースから単一の3次元空間データの全てを自己にロードするステップと、
ii)前記イベント、すなわち、経過時間による状態の変化を認識して及び/又はユーザ操作等に対応するコマンドに基づいて、前記時刻データ及び前記ロードした単一の3次元空間データのうちそれぞれのスレーブに割当てられた所定の一部を用いて3次元空間及び視点情報を自律的に更新し、描画を行うステップとを含むことを特徴としている(請求項3)。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による多画面表示方法を実施する、ネットワーク接続された複数台の表示装置からなる表示システムの構成を概略的に示すブロック図、図2はマスターの機能実現手段を示す図表、図3はスレーブの機能実現手段を示す図表、図4はマスターとスレーブの間の基本的動作を説明する概念図、図5は3次元空間の画像が各画像表示部に表示されるまでの過程を示す模式図、図6はマスターとスレーブに共通な処理動作を説明するフローチャート、図7はマスター及びスレーブのフレーム毎の処理を説明するフローチャート、図8は図7のステップS14及びS23の処理内容を説明するフローチャート、図9はマスターとスレーブの画像表示部による表示例を示す表示画面の正面図である。
【0012】
図1は、表示システムDSがネットワーク接続された3台の表示装置SA1〜SA3で構成されている例を示すものであり、同図において、PC1〜PC3は各表示装置を構成するコンピュータであり、それぞれ入力部IN1〜IN3と、演算制御部CPU1〜CPU3と、記憶部M1〜M3と、画像表示部D1〜D3とを有している。
【0013】
各コンピュータPC1〜PC3(以下、特定のコンピュータを指称しない場合は符号PCを用いる)には、その起動時に実行される3次元空間データロード用ソフトウェア、フレーム毎の同期処理をするためのソフトウェア(以下、同期化処理ソフトウェアという)、及び描画処理を行うソフトウェアが実装されている。また、マスターPC1のCPU1には、図2に示すように、スレーブPC2,PC3と共通な3次元空間データロード手段11、描画手段12のほかに、マスターPC1に特有な構成手段として、経過時間計測手段13と、時刻データ配信手段14と、イベント検出手段15と、コマンド供与手段16とを有している。
【0014】
これに対して、スレーブPC2,PC3のCPU2,CPU3は同一の構成であり、図3に示すように、マスターPC1と共通の3次元空間データロード手段17、描画手段18のほか、スレーブ固有の構成として、時刻データ受信手段19と、コマンド受信手段20とを有している。
【0015】
図1において、DBは、3台の表示装置にネットワーク共有されたデータベースであり、これに単一の3次元空間画像を生成するための基本的データ(3次元空間データ)が格納されている。
3次元空間データは、オブジェクトの配置情報(すなわち位置・回転・スケール)、オブジェクトデータ、オブジェクトの配置情報のキーフレームアニメーション、初期視点情報及び視点位置・視線方向のキーフレームアニメーションからなっている。
また、前記オブジェクトデータは、形状データ(すなわち、オブジェクトを形成する多角形群の頂点座標配列)と、属性データ(すなわち、オブジェクトのマテリアル(色、光沢などの表面特性))と、テクスチャ(すなわち、二次元画像データで定義される表面図柄)と、頂点座標のキーフレームアニメーションからなっている。
【0016】
3次元空間データロード手段11、17は、図4(a)及び図5に示すように、ネットワーク共有されたデータベースDBから、それに格納されている3次元空間データをロードし、マスターPC1及びスレーブPC2,PC3の記憶部M1,M2,M3の中にそれぞれ展開するようになっている。マスターPC1は、経過時間計測手段13により基本クロックを用いて経過時間を常時計測し、時刻データ配信手段14により所定時間、例えば、フレームレートが1秒間に30の場合は33ms経過毎に、図4(b)に示すように、マスターPC1から各スレーブPC2,PC3に共通の時刻データを配信して、マスターPC1とスレーブPC2,3の時間を一元的に管理するようになっている。このマスターPC1が基本クロックを用いて経過時間を常時計測し、所定時間経過毎にマスターPC1から各スレーブPC2,PC3に共通の時刻データを配信して、マスターPC1とスレーブPC2,3の時間を一元的に管理するようにした点が本発明方法の最大の特徴の一つである。
【0017】
また、イベント検出手段15は、例えば、キーボード、ジョイスティック又はマウス等の入力部IN1の操作により、あるいは、設定された時間の到来によりイベントが発生したか否かを監視する。イベント発生を検出すると、マスターPC1は、そのイベントに対応する所定のコマンドを構成し、そのコマンドをコマンド供与手段16によりマスターPC1に与えると同時に、全スレーブPC2,PC3に配信する。このコマンドには、例えば、下記のようなものがある。
*オブジェクトの配置情報(移動・回転・スケール)の変更
*オブジェクトの表示・非表示の切り替え
*オブジェクトの変形
*各種キーフレームアニメーションの開始
ここで、キーフレームアニメーションは、周知のように、アニメーション開始時を基準(0フレーム)とした相対時刻(キーフレーム)における上記情報の値を時系列に表したもので、キーフレーム間の時刻に対応する値は、適宜補間して求められる。そして、キーフレームアニメーションには、オブジェクトの配置情報のキーフレームアニメーション、オブジェクトの頂点座標のキーフレームアニメーション、及び視点位置・視線方向のキーフレームアニメーションがある。本明細書では、キーフレームアニメーションにおいて、ある時刻tにおける値を求めることを、「キーフレームアニメーションを時刻tで評価する」と表現することとする。
【0018】
従って、その後は、その共通の時刻データに基づいてマスターPC1とスレーブPC2,PC3において、同一時刻に処理が実行される。これにより、マスターPC1とスレーブPC2,PC3は空間、時間及び空間内で任意の時刻に発生するイベントを共有することになり、ほぼ完全に同期が取れた描画を行うことができる。従ってまた、各表示装置は、画像表示部D1〜D3にほぼ完全に同期が取れた映像を表示することができる。
【0019】
本発明方法においては、上述のように、マスターからスレーブに経過時間情報及びイベント情報を送信するので、この方式をイベント・空間・時間共有方式ということができる。従って、現行の多画面表示方法においては、イベント発生の結果として生じる3次元空間の変化を送信するため、送信データ量が膨大となりがちであるが、本発明方法においては、経過時間情報及びイベントそのものを表す情報のみを送信するので、送信データ量は前者と比べて著しく小さくなる。さらに、本発明においては、データの送信を各スレーブに対して個別に行うのではなく、一般にマルチキャストと称される通信技術(複数のノードに対して同一データを送信する通信方法)を使用して行う。これにより、表示装置の数が増えてもネットワークの負荷は変化せず(ネットワークポートの物理的な限界を受けるほかは)、画面数を無限に増加させることが可能である。
【0020】
前記イベント検出に基づいて発生されるコマンドには、同期化処理ソフトウェアにより予め定義したもの(組み込みコマンド)と、ユーザが独自に定義し、処理方法(コールバック関数=登録した手続を呼出すための関数)を同期化処理ソフトウェアに登録したもの(カスタムコマンド)とがある。同期化処理ソフトウェアには、ユーザがカスタムコマンドを容易に実装できるように、雛形(テンプレート)が用意してある。
【0021】
続いて、図5ないし図9の図面に基づいて、各PCの動作を説明する。
マスターPC1もスレーブPC2、PC3も、起動されて相互間のコミュニケーションが確立すると、図6に示すように、最初にデータベースDBより共通の3次元空間データdをロードする(図6のステップS1)。すなわち、共通の3次元空間データdを図5の各PCの記憶部M1〜M3にそれぞれ格納する。ロードが終了すると、ステップS3においてそれぞれマスターPC1と各スレーブPC2、3においてフレーム毎の処理が終了時まで実行される。フレーム毎の処理の内容は、図7に示される通りである。
【0022】
すなわち、マスターPC1においては、図7(a)に示すように、イベント検出手段15によりユーザ操作などのイベントを検出し(S11)、続いてイベントの有無を判断し(S12)、イベント有りの場合(S12においてY)は、そのイベントに対応する所定のコマンドを発生して、これをマスターPC1自身に認識させるとともに、スレーブPC2、PC3に与えてイベント発生を通知する(S13)。
そして、マスターPC1は、ステップS14において、そのコマンドを実行する。ステップS14の詳細を説明すると、図8に示すように、マスターPC1は、コマンドを検出すると(S5)、そのコマンドが組み込みコマンドか否かを判別し(S6)、組み込みコマンドである場合(S6においてYの場合)は、同期化処理プログラムにより実装された処理(視点移動、オブジェクト切換え、又は移動などの基本的な処理)を実行して(S7)、その後、図7(a)のステップS15に移行する。
ステップS5において検出したコマンドが組み込みコマンドでないと判定した場合(S6においてNの場合)は、そのコマンドがユーザにより定義されたコマンド(カスタムコマンド)か否かを判別する(S8)。そして、肯定の場合は、コールバック関数を通じてユーザが登録した処理を行い(S9)、その後、図7(a)のステップ15に移行する。また、ステップS8の判断の結果が否定の場合は、そのコマンドは未定義のコマンドであると判断してエラー処理を行って(S10)、図7(a)のステップ15に移行する。
【0023】
移行したステップ15においては、1フレーム分の時間が経過したか否かを判断し(S15)、1フレーム分の時間が経過したと判断した時(S15においてY)は、マスターPC1は、その時の時刻情報をスレーブPC2、3に配信(時刻データ配信)する(S16)とともに、時間経過に応じた処理を実行する(S17)。具体的には、キーフレームアニメーションの評価と、評価の結果得られた値の3次元空間・視点情報への反映などである。ここで、視点情報とは、視点位置と視線方向と視野角とからなる、3次元空間を描画する際の視錘台に関する情報の総称である。
そして、マスターPC1に割り当てられた3次元空間及び視点情報が描画される(S18)。この場合、PC1の描画の範囲、すなわち描画の対象とされるオブジェクトは、起動時にPC1に設定されているパラメータによって自動的に決められる。例えば、視野角を水平方向に三分割して、PC1が中央の描画を担当するようパラメータ設定がされている場合は、図5における3次元空間データdの内、d1が処理対象とされる。
マスターPC1におけるフレーム毎の処理が終了する(S2においてY)と、ステップS4において、各種使用リソースの解放などの終了処理が実行されるようになっている。
【0024】
他方、スレーブPC2、PC3においては、図7(b)に示すように、まず、ステップS21において、マスターPC1からの受信、すなわち、イベント通知又は時刻データ配信を待機する。そして、イベント通知を検出したか否かを判断し(S22)、イベント通知を検出した場合は、ステップS23において、マスターPC1によるステップS14と同様にコマンドを実行する。
【0025】
続いて、マスターPC1から時刻データを受信しか否かを判断し(S24)、受信した場合は、その時間経過に応じた処理をマスターPC1と同様に実行する(S25)。この時間経過に応じた処理はマスターPC1から受信した時刻データに基づいて行うので、各表示装置における描画内容が完全に同期化される。こうして、スレーブPC2、PC3に割り当てられた3次元空間及び視点情報が描画される。スレーブPC2、PC3においても、描画対象とされるオブジェクトは、マスターPC1同様、起動時にそれぞれのPCに設定されているパラメータによって自動的に決められ、例えばPC2では図5における3次元空間データdの内d2が、PC3ではd3が、それぞれ描画対象とされる。各スレーブPC2、PC3におけるフレーム毎の処理が終了する(S2においてY)と、ステップS4において、各種使用リソースの解放などの終了処理が実行されるようになっている。
【0026】
図9は、一つの表示システムにおける3個の表示装置の画像表示部D1〜D3による表示例を示すものであるが、上段(Ta)の画像表示部D1〜D3は、ある時刻における(フレームレートが1秒間に30フレームの場合は1/33秒の)映像を示し、下段(Tb)の画像表示部D1〜D3は、その一定時間経過後のある時刻における(同じく1/33秒の)映像を示している。これらの表示内容は、データベースDBに格納されている3次元空間データが、
a.家屋が点在する平原
b.平原の上方に雲が散在している天球
c.平原に林立して揺動する円柱状の物体群
d.平原の上方を周回運動する球状の物体群
を構成するものである場合、その3次元空間データをマスターPC1とスレーブPC2、PC3にそれぞれロードして記憶部M1〜M3にそれぞれ格納し、視野角を水平方向に三分割して、マスターPC1は中央部分の視野内に収まるオブジェクト群d1 を中央の画像表示部D1に、スレーブPC2、PC3は右側部分及び左側部分の視野内に収まるオブジェクト群d2 ,d3 を右側と左側の画像表示部D2,D3に描画している。こうして、3台の並列された画像表示部には、上記映像が表示されている。また、図9の例において、前記cの円柱状物体群の揺動及び前記dの球状物体群の周回運動は、各画像表示部間で完全に同期して表示される。
なお、3次元空間データは、図9の例に限定されないことはいうまでもない。また、複数台の画像表示部は、横に整列する場合に限らず、縦に整列する場合にも、同様の連続性と同期性が実現される。
【0027】
上記組み込みコマンド又はカスタムコマンドにおけるコマンドの最大長は、処理負荷の増大を招かないように、同期化処理ソフトウェアにより例えば512バイトに設定されている。また、時刻配信に用いられるデータも数十バイト程度であるため、従来型に比し、ネットワークへの送信負荷は格段に低くなる。よって、3次元空間及び視点情報の更新に特に制限を設ける必要がない。その結果、高速な多画面表示アプリケーションの構築が可能となる。
【0028】
上記実施例では、ネットワーク接続された表示装置の数は3台であるが、表示装置の接続数は2台以上の任意数とすることができる。また、上記の実施例では、各PCの起動時に3次元空間データのロードを行うようにしたが、これに限らず、PC起動後、運用中の任意のタイミングに3次元空間データをロードし、その後にフレーム毎の処理を行うようにしても良い。
【0029】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明によれば、ネットワーク接続された複数台のコンピュータにより単一の3次元空間画像を分割して各画面に表示するに当たり、各コンピュータは一台のマスターとそれ以外のスレーブに分け、各コンピュータによる処理手順には、ネットワーク共有された単一の3次元空間データの全てをマスター及びスレーブがそれぞれロードするステップと、マスターは、時間経過を計測し、所定時間毎にスレーブに共通の時刻データを配信するステップ及びイベント発生の有無を監視し、イベント発生時にそのイベントに対応するコマンドを自己及びスレーブに与えるステップとを含み、マスターとスレーブは、前記イベントに対応するコマンドに基づいて、前記時刻データ及び前記ロードした単一の3次元空間データのうちのそれぞれに割り当てられた所定の一部を用いて3次元空間及び視点情報を自律的に更新し、描画を行うステップとを含むので、単一の3次元空間画像の各表示装置に分割して表示される各画像が相互に空間的及び時間的に連続性をもって完全に同期が取れた状態で表示されるとともに、ネットワークへの送信負荷の格段の低減により高速な多画面表示が可能になった。
【0030】
また、請求項2及び請求項3によれば、ネットワークへの送信負荷の格段の低減により高速な多画面表示が可能な多画面表示方法を実現するために好適なプログラムを提供することができる。
【0031】
さらに、請求項4及び請求項5によれば、ネットワークへの送信負荷の格段の低減により高速な多画面表示が可能な多画面表示方法を実現するために好適なプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による多画面表示方法を実施する表示装置システムの構成を概略的に示すブロック図。
【図2】 マスターの機能実現手段を示す図表。
【図3】 スレーブの機能実現手段を示す図表。
【図4】 マスターとスレーブ間の基本的動作を説明する概念図。
【図5】 3次元空間の画像が各画像表示部に表示されるまでの過程を示す模式図。
【図6】 マスターとスレーブに共通な処理動作を説明するフローチャート。
【図7】 スレーブのフレーム毎の処理を説明するためのフローチャート。
【図8】 図7のステップS14及びS23の内容を示すフローチャート。
【図9】 マスターとスレーブの画像表示部による表示例を示す正面図。
【図10】 従来の多画面表示方法における作用を説明するフローチャート。
【符号の説明】
DS 表示システム
DA1〜DA3 表示装置
PC1 マスターコンピュータ
PC2,PC3 スレーブコンピュータ
D1〜D3 画像表示部
M1〜M3 記憶部
IN1〜IN3 入力部
DB データベース
Claims (5)
- ネットワーク接続された複数台の表示装置からなる表示システムにおいて単一の3次元空間画像を分割して前記各表示装置の画像表示部により動画像を表示する多画面表示方法において、
(a)前記各表示装置を構成する複数のコンピュータを1台のマスターとそれ以外のスレーブに分け、
(b)前記マスターによる処理手順には、
i)ネットワーク共有されたデータベースから前記単一の3次元空間データの全てを自己にロードするステップと、
ii)時間経過を計測し、所定時間毎に前記スレーブに対して共通の時刻データを配信するステップと、
iii)イベントの発生の有無を監視し、イベント発生時にそのイベントに対応する所定のコマンドを自己及び前記スレーブに与えるステップと、
iv)前記イベントに対応するコマンドに基づいて、前記時刻データ及び前記ロードした単一の3次元空間データのうち自己に割当てられた所定の一部を用いて自律的に3次元空間及び視点情報を更新し、描画を行うステップとを含み、
(c)前記スレーブによる処理手順には、
i)前記ネットワーク共有されたデータベースから前記単一の3次元空間データの全てを自己にロードするステップと、
ii)前記マスターから与えられたコマンドに基づいて、前記マスターから配信された時刻データ及び前記ロードした単一の3次元空間データのうちのそれぞれのスレーブに割当てられた所定の一部を用いて自律的に3次元空間及び視点情報を更新し、描画を行うステップとを含むこと、
を特徴とする多画面表示方法。 - ネットワーク接続された複数台の表示装置からなり、1台の表示装置のコンピュータをマスターとし、他の表示装置のコンピュータをスレーブとする表示システムにおいて単一の3次元空間画像を分割して前記各表示装置の画像表示部により動画像を表示する多画面表示方法用プログラムであって、
i)ネットワーク共有されたデータベースから前記単一の3次元空間データの全てを自己にロードするステップと、
ii)時間経過を計測し、所定時間毎に前記スレーブに対して共通の時刻データを配信するステップと、
iii)イベントの発生の有無を監視し、イベント発生時にそのイベントに対応する所定のコマンドを自己及び前記スレーブに与えるステップと、
iv)前記コマンドに基づいて、前記時刻データ及び前記ロードした単一の3次元空間データのうち自己に割当てられた所定の一部を用いて自律的に3次元空間及び視点情報を更新し、描画を行うステップとを含むマスターコンピュータ用プログラム。 - ネットワーク接続された複数台の表示装置からなり、1台の表示装置のコンピュータをマスターとし、他の表示装置のコンピュータをスレーブとする表示システムにおいて単一の3次元空間画像を分割して前記各表示装置の画像表示部により動画像を表示する多画面表示方法用プログラムであって、
i)前記ネットワーク共有されたデータベースから前記単一の3次元空間データの全てを自己にロードするステップと、
ii)前記マスターから与えられたコマンドに基づいて、前記マスターから配信された時刻データ及び前記ロードした単一の3次元空間データのうちのそれぞれのスレーブに割当てられた所定の一部を用いて自律的に3次元空間及び視点情報を更新し、描画を行うステップとを含むスレーブコンピュータ用プログラム。 - 請求項2のマスターコンピュータ用プログラムを記録した記録媒体。
- 請求項3のスレーブコンピュータ用プログラムを記録した記録媒体。
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