JP4002101B2 - 歯面を清掃しかつ磨くためのスティック形状の器具 - Google Patents
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Description
本発明は、個人および歯科専門家の双方による使用を目的とした、歯面および歯の充填用コンポジット(複合)材料の表面を清掃しかつ磨く「ポリッシャー(polisher)」とも呼ばれる衛生器具に関する。
【0002】
歯の適切なケアは、丁寧にブラッシングすることによって、また木製、プラスチック材製または羽毛製のつまようじ、小さな単一の房状ブラシ、ボトルブラシ(bottle brushes)、またはデンタルフロスなどの使い捨て器具を使用することによって、歯面および歯の隙間からの歯垢や食物残渣を毎日除去することから成り立っている。
【0003】
それにもかかわらず、これらの器具は以下のように満足を与えるものではない:
通常、つまようじと呼ばれるようじ棒(sticks)は、木製であろうと羽毛製であろうと衛生的ではなく、容易に折れ、また歯肉を傷つけ、プラスチック製である場合は、厚みがありすぎ、また可撓性がありすぎて、歯間に容易に通すことができない。
デンタルフロスは、シルク製あるいはナイロン製であっても効果的であるが、歯がともにあまりに密接しすぎている場合に互いに歯が接触している箇所に通すことが難しく、それがちぎれて歯の間に残り、直ぐに不快感を生じる。
種々のブラシは、歯の隙間が狭い場合に使用することができず、そのコストが高いことが、日常の使用には支障となる。
【0004】
歯科専門家、歯医者、および衛生士は、沈着物(deposits)、ステイン(stains)、および変色を、歯面から除去する必要があり、歯および歯の充填物を清掃かつ研磨するためにそれらに利用可能な広範の器具や装置(たとえば、回転ブラシ、歯石を除去する器具、超音波器具、エアーポリッシャー、ならびに研磨ストリップ(abrasive strip)および研磨ディスク(abrasive disk))を有する。
【0005】
しかしながら、こららの器具には下記の欠点がある:
清掃粉(cleaning powder)とともに使用される回転ブラシは、非常に大きな研磨力を有し、これにより、出っ張っている歯面に過度の研磨がもたらされること、
歯石を除去する、ステンレス鋼の器具は、器具の鋭端と歯との間の接触箇所のみに作用し、それらの器具は使用する際に時間と注意を要し、このことは良い仕事をしようとすると費用がかさむことを意味すること、
超音波器具は、あまりに厚すぎて曲折部分(anfractuosities)中に入り込むことができない端部を有していること、
エアーポリッシャーは、超音速で粉末を吹き付けることにより微細サンドブラスター(micro-sandblasters)のように作用し、これによって、エナメル質は研磨せずに、歯が適切な粉末で注意深く再研磨される必要があり、これは、そうしなければ、歯面全体が非常に速く再び汚れることになるためであること、
歯間に差し入れられて前後に動かされる、糊付けされた(stuck-on)研磨材で覆われたクロス材またはプラスチック材の研磨ストリップは、歯の中心に近い面(proximal faces)を研磨するように考えられ、これによって、口腔の内側において、2つの指の間にストリップの各端部を保持するように実施者に要求するが、この不便な状況により、ストリップを適正に誘導し、かつ中心に近い面に密接して適合するようにすることができなく、さらに、この動作中、極細ストリップが歯肉と接触するようになる場合、このストリップは、かみそりの刃のように歯肉を切ってしまうおそれがあり、また、最後に、このストリップは、その研磨層が非常に早く緩み、歯がともに非常に密接している場合に、歯間の接触箇所を通って進むことにより、この層は既にほとんど外れた(unstuck)状態になっていること、
回転器具に取り付けられた研磨ディスクは、研磨材料内で覆われているプラスチック材料からなる、小径のディスクであるので、歯肉を切り、歯の隙間の中に入り込むことができないこと。
【0006】
最後に、歯科医院では、コンポジット材料からなる充填物を仕上げかつ研磨するが、過度にならずにほどよく研磨された歯科用コンポジットシール材(tooth-composite seal)をつくる際に困難がある。その場合も、多少なりとも不適切であり十分な満足を与えない器具ならびにアクセスの問題がある。
【0007】
本発明の目的は、歯面を清掃しかつ磨くことを可能にし、かつ専門家および個人によっても等しく十分に使用され得る低コストの器具すなわちポリッシャーを提供することによって、既存の器具の欠点を改善することである。
【0008】
歯面および歯の隙間を清掃する、本発明の器具すなわちポリッシャーは、スティックの形状をしており、このスティックの構造は、樹脂マトリックスに埋め込まれた繊維および/またはフィラー粒子によって構成され、スティックの作用面に連続的な研磨力を与えることを本質的に特徴とする。
【0009】
本発明の第1の実施形態では、スティックの構造は、もっぱら、樹脂マトリックスに埋め込まれた研磨繊維からなっている。
【0010】
本発明の第2の実施形態では、スティックの構造は、フィラー研磨粒子(a filler of abrasive particles)とともに研磨繊維からなっており、この繊維または粒子によって提供される研磨機能は、繊維および粒子がどのように選択されるかに基づいて、同じであるかまたは異なっている。
【0011】
本発明の第3の実施形態では、スティックの構造は、樹脂マトリックスに埋め込まれた研磨粒子とともに非研磨繊維からなっており、この繊維は、特に材料に強度を与える役割を果たす。
【0012】
本発明の第4の実施形態は、スティックの構造は、樹脂マトリックスに埋め込まれたフィラー研磨粒子によって構成されている。
【0013】
スティックの構造は、金属製、樹脂製、またはコンポジット材料製のコアを備えることもでき、このコアは、上記スティックを形成する繊維および/または研磨粒子および/または樹脂マトリックスの種類に応じて同じあるかまたは異なり、同じであるかまたは異なる色を有している。
【0014】
これらの性質、形状、サイズ、および/または量に応じて、フィラー粒子は、器具すなわちポリッシャーの研磨効果を変えることを可能にさせ、この粒子は、モース硬度3〜10の範囲にあり、2μm〜25μmの範囲のサイズであることが好ましい。粒子の隙間を低減するために、また均一な研磨効果を促進するために、粒子は同じサイズであるか、あるいは異なるサイズであり得る。上記フィラー粒子は、樹脂中に10重量%〜70重量%の範囲に存在し得る。
【0015】
押出し成形、共押出し成形、あるいは圧縮成形、圧縮−トランスファー成形、射出成形、または引抜きによる成形により器具すなわちポリッシャーを製造する工程中、樹脂に組み込まれるフィラー粒子により、所望の粘度が得られて、金型または鋳型内での重合中に樹脂の滑動を促進することを可能にさせる。フィラー粒子は、下記から得られるべき本発明の器具すなわちポリッシャーの実施形態に応じて形成される:
第1に、炭酸カルシウム、焼成粘土、シリカ、ガラスまたはセラミックの微小球、酸化アルミニウム(たとえばアルミナまたはコランダム)、酸化錫、酸化セリウム、およびそれらの混合物ならびに類似体などの、研磨力を有する材料、
第2に、水和形態の粘土またはカオリン、タルクまたはテフロン粉末などの、研磨力は有さないが繊維によって生じる研磨効果を和らげる機能を有する材料、又は
上記2つのタイプの材料の混合物。
【0016】
本発明によれば、繊維は、たとえばコイル、組紐、またはメッシュの形態に、連続的または断続的に、並行にまたは並行せずに、あるいは一緒に組み立てられ得る。
【0017】
さらに本発明によれば、繊維の体積の割合は、45%〜65%の範囲にあることが好ましく、繊維は、好ましくは、ガラス繊維、特に耐アルカリ性(AR(alcaline resistant))タイプのガラス繊維、より好ましくは酸化ジルコニウムに富むガラスの繊維、石英繊維、シリカ繊維、カーボン繊維、または合成繊維、好ましくはアラミド繊維(たとえばKevlar(商標)繊維)であり、2μm〜25μmの範囲にある直径を有することが好ましい。
【0018】
第1の好適な実施形態では、繊維は酸化ジルコニウムに富むガラス繊維である。これらの繊維は、酸性およびアルカリ性作用物質に対して非常に優れた耐性を本発明の器具すなわちポリッシャーに与え、電磁放射線により、特にX線すなわち従来の医用放射線撮影法によりその器具すなわちポリッシャーを検出可能にさせる。
【0019】
第2の好適な実施形態では、繊維は、たとえばKevlar(商標)のようなアラミド繊維であり、従って、作用面、すなわち本発明の器具すなわちポリッシャーの研磨表面にフェルト質感(felt texture)を与えることを可能にさせる。かかる環境下では、アラミド繊維は、研磨機能を果たさないが、本発明のポリッシャーの研磨表面にフェルト質感を与える機能を備えており、本発明のポリッシャーに対し剛性スケルトンとしても機能する。従って、本発明のこのポリッシャーの樹脂マトリックスには、研磨粉を追加する必要はない。好適な研磨粉は、酸化錫または酸化セリウムまたはアルミナおよびそれらの混合物ならびに類似体などの無機材料からなる粉末である。
【0020】
樹脂マトリックスは、熱硬化性または熱可塑性樹脂からなり、好ましくはエポキシ樹脂またはポリエステル樹脂からなる。
【0021】
本発明の器具すなわちポリッシャーは、粒子の樹脂への接着を促進させるために、チタン酸塩(titanates)、ジルコン酸塩(zirconetes)、または好ましくはシランなどの表面処理剤も含み得る。
【0022】
従って、本発明の器具すなわちポリッシャーの構造により、折れる危険性なしに、また、歯または歯周領域についての危険性なしに、歯の最も狭い隙間に近づく(アクセスする)ために必要な適合性(fitness)を有することが可能となり、歯面にできる限り密接に適合(fit)するような任意の所望の形状も有することができる。
【0023】
さらに、本発明の器具すなわちポリッシャーの構造は、この器具すなわちポリッシャーに連続的な研磨力を与えるが、これは、研磨剤がこの構造の一体部分をなしており、器具すなわちポリッシャーがすり減る(wear away)につれて、その作用面が、研磨機能を果たすように常に繊維の新しい部分および/または新しい粒子を有するからである。
【0024】
最後に、この構造は、器具すなわちポリッシャーを洗浄し、浄化し、または滅菌することが可能であり、それによって、その器具すなわちポリッシャーを、口腔内での使用のために衛生的かつ生体適合性要件に十分に適合された器具にすることができる。
【0025】
従って、本発明の器具すなわちポリッシャーは、効果的であり、使用が容易であり、危険性がなく、低コストであり、従来に同じようなものがない方法で、アクセスすることが困難である場所であっても使用者にステインおよび変色をなくすことを可能にさせる、歯のケアおよび衛生のための手段を個人に提供する。
【0026】
本発明の器具すなわちポリッシャーは、歯科専門家にかなりの時間節約と効果をもたらし、かつ効力を得させることを可能にさせ、歯に損傷を与えることなく、かつ低コストでの優れた成果に対して患者に大いに満足を与える。
【0027】
本発明の利点および特性は、限定はしないが好適な実施形態を示す添付の図面を参照する以下の説明によりさらに明らかになる。
【0028】
図1A、図1B、および図1Cを参照すると、把持するための柄10と、特に、歯面を磨く機能を果たす作用端部11’を備えた部分11とを有するスティック1の形態をした、本発明の歯を清掃または磨く器具が示されている。柄10および部分11は、好ましくは図面に示すような一体(a single piece)として形成されることが好ましく、代替的に、柄10は追加部分であり得る。
【0029】
部分11は、円筒形をしており、その作用端部11’は、面取りされており、傾斜しているか(図1A)、または多少丸まっている(図1Bおよび図1C)か、または直線をしている。図1Cおよび図1Dでは、部分11が、互いにある角度をなし、かつ僅かに曲がっている2つの隣接面13、13’を形成するように長手方向に面取りされてもよい。
【0030】
従って、作用部分11は、歯間の様々な隙間、特に非常に狭い隙間の中に入り込むことができるように、種々の形を呈している。また、清掃される面と接触した状態でスティックを前後および上下に動かすことによって、歯を清掃しかつ磨けるようにすることができる。
【0031】
スティック1の特定の構造2により、磨き動作中に、その構造によって連続的に更新された研磨力が提供されるので、歯を磨くことが可能となる。図2に示されるように、構造2は、それぞれヤスリ(file)を形成する研磨繊維20によって構成され、この繊維は、好ましくはエポキシ樹脂を主成分とした樹脂マトリックス21の中に埋め込まれている。
【0032】
特定の好適な実施形態では、器具すなわちポリッシャーは、樹脂マトリックスの中に埋め込まれた酸化ジルコニウムに富むガラス繊維20によって構成される。酸化ジルコニウムに富むガラス繊維20は、熔融させる前後のガラスの通常の構成成分である他方の小部分に取って代わる(remplace et se substitue a une partie des autres constituants habituels du verre aussi bien avant qu'apres la fusion)酸化ジルコニウムまたは酸化ジルコニウムの前駆物質を含む原材料粉を溶かすことによってそれ自体が製造されているガラスからなる繊維である。本発明における使用の場合、繊維20を形成するガラスは、ガラスの構成成分の全重量に対して、15重量%〜20重量%の酸化ジルコニウム、さらに特にガラスの構成成分の全重量に対して、16.8重量%〜17.1重量%の酸化ジルコニウムを含有する。このガラスを用いて、ガラス繊維は紡績され、次に樹脂マトリックス中に埋め込まれる。このようにして、本発明の器具すなわちポリッシャーは上記のように形づくられ、斜めに面取り、または多少丸みを帯びた形状に面取り、又はその作用端部11’が、互いにある角度をなし、かつ僅かに曲がっている2つの隣接面13、13’を形成するように長手方向に面取りされている。
【0033】
酸化ジルコニウムに富むガラスの繊維を含むこのポリッシャーは、多数の利点を有する。
【0034】
まず、酸化ジルコニウムに富むガラスの繊維20は、酸性およびアルカリ性作用物質に対して耐性がある。口は、酸性とアルカリ性とに交互に代わる媒体である。従って、酸化ジルコニウムに富んでいない従来のガラスの繊維とは違って、酸化ジルコニウムに富むガラスの繊維20は、口内での使用中に付着(attach)ことがなく、害となるおそれのある残滓をもたらすことがない。
【0035】
さらに、酸化ジルコニウムに富むガラスの繊維20は、X線を用いて本発明の器具すなわちポリッシャーを検出可能にさせる放射線不透過性であり、従って、万が一誤って飲み込んでしまった場合でも、その場所を突き止めることが可能である。
【0036】
しかしながら、とりわけ、ポリッシャーとして使用されている間、従って口内に入り込んでいる間に小さなフィブリル(fibrils)の形態をとっている従来のガラスからなる繊維とは違って、酸化ジルコニウムに富むガラスからなる繊維は、そのような原繊維に変形することはない。
【0037】
従来のガラス繊維、すなわち酸化ジルコニウムに富んでいないガラス繊維からなる歯科用器具すなわちポリッシャーは、小さなフィブリルにぼろぼろにくずれ、ひりひりさせ、ひいては、特にそれらを飲み込んだ場合に、使用者の粘膜および柔らかい部分に対し危害を与える。このような従来のガラス繊維からなるポリッシャーを使用することにより、使用者の口は、特に危険性があり、使用時に不快であるそのようなフィブリルでいっぱいになるであろう。これとは対照的に、酸化ジルコニウムに富むガラス繊維からなるポリッシャーは、これらの欠点を呈さない。
【0038】
本発明の第2の特定の好適な実施形態では、ポリッシャー樹脂すなわち器具は、マトリックスに埋め込まれたアラミド繊維(たとえばKevlar(商標)の繊維)によって構成される。アラミド繊維は、機械加工によって形作られており、その一方、機械加工された部分から完全に分離されていないフィラメントを形成しているので、特に有益である。この性質(behavior)は、通常は、これらの繊維の欠点であると見なされるが、本発明に関しては、このことは利点である。
【0039】
本発明のポリッシャーの面取りした作用端部11’を形成する際に、この性質により、フェルト質感を有する作用端部11’を提供することが可能となり、このことは、特に、ポリッシャーとしての使用に対して有益である。
【0040】
しかしながら、アラミド繊維は研磨機能を果たさない。この場合でのアラミド繊維の機能は、本発明のポリッシャーに対して剛性スケルトンを形成することであり、またフェルト質感を有する作用端部面11’を形成することである。従って、本発明のポリッシャーの樹脂マトリックスは本明細書に含まれる研磨粉を有することが必要である。この目的のための好適な研磨粉は、酸化錫、酸化セリウム、またはアルミナの粉末、およびそれらの混合物である。
【0041】
繊維20が酸化ジルコニウムに富むガラスの繊維である、本発明の第1の好適な実施形態は、個人による、家庭内での使用を特に目的としているが、繊維20がアラミド繊維であり、樹脂マトリックスが、酸化錫、酸化セリウム、およびアルミナなどの研磨剤を含有している、第2の形態の本発明のポリッシャーは、専門家による使用を特に目的としている。ポリッシャーを、手動により使用できるだけでなく、ポリッシャーに回転あるいは振動を起こさせる装置に固定することもできる。
【0042】
あらゆる場合において、繊維20の含有率は、優れた研磨力を得るように45体積%〜65体積%の範囲にあることが有利であり、この繊維の直径は、好ましくは2μm〜25μmの範囲にあり、2μmであることが好ましい。
【0043】
繊維20は、樹脂材料に埋め込まれた連続繊維であり、これは、口腔内に散らばることになる粒子を生成しない。
【0044】
本発明のポリッシャーに共通の別の利点は、ポリッシャーは天然歯を研磨するためだけでなく、充填材本体(filling proper)のようなもののためであっても義歯(dental prosthesis material)のようなもののためであっても、歯に詰めるために使用されるコンポジット材料を研磨するためにも用いることができるということである。
【0045】
特に、繊維20が酸化ジルコニウムに富むガラスからなっている、本発明の第1の好適な実施形態のポリッシャーは、歯科用コンポジット材料上に平滑で適切な表面を形成かつ得るために使用されることができる。かかるポリッシャーにより研磨された後にもかかわらず、歯科用コンポジットはさらに外面的にフィットするようにされ、従って、その後さらに細かい研磨によって磨き上げなければならない。このことは、繊維20がアラミド繊維であって、好ましくは本発明のポリッシャーに回転を起こさせるかまたは振動を起こさせる装置の上に置かれる、本発明の第2の好適な実施形態のポリッシャーを用いることにより達成される。この仕上げにより、天然歯のエナメル質の輝きと同一でこそないがそれに非常に近い輝きの外観を達成することが可能となる。
【0046】
繊維20が、酸化ジルコニウムに富むガラスの繊維である、本発明の第1の好適な実施形態のポリッシャーが、天然歯に使用される場合、その歯は、その輝きの外観を保つことができることが見受けられる。
【0047】
従って、本発明の器具すなわちポリッシャーにより、歯を損傷することなく、歯の組織を清掃しかつ磨くことが可能となり、また歯の復元のためのコンポジット材料からなる部分を清掃しかつ磨くことが可能となる。そして、その生体適合性のために、特に、この器具すなわちポリッシャーは、口腔内での使用に要求される条件に適している。
【0048】
最後に、この器具すなわちポリッシャーの研磨力は、必要性に応じて、その構成成分それぞれの性質、具体的には、樹脂マトリックス内に含有される繊維および/または粒子の性質を調整することにより、選択され決定される。
【0049】
上記研磨作用は、繊維20の作用端部11’によって与えられ、従って、この研磨作用は、器具すなわちポリッシャーがすり減るにつれて更新される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは本発明による、特定の形状を有する、歯を清掃しまたは磨くための器具の、一つの特定形態の側面図(profile)である。
図1Bは本発明による、歯を清掃しまたは磨くための器具の別の特定形態の側面図である。
図1Cは本発明による、歯を清掃しまたは磨くための器具の別の特定形態の側面図である。
【図2】 本発明による、歯を清掃しまたは磨くための器具の内部構造についての好適な実施形態を示す部分側面図である。
Claims (10)
- 歯面および歯の充填用コンポジット材料(composite material)の表面の清掃および研磨のための衛生器具( hygiene instrument )であって、該器具はスティック(1)形状のタイプであり、該スティック(1)の構造(2)は、樹脂マトリックス ( 21 ) に埋め込まれた繊維 ( 20 ) からなり、前記繊維 ( 20 ) は酸化ジルコニウムに富むガラス繊維であることを特徴とする器具。
- 前記繊維(20)は、ガラスの構成成分(constituents)の全重量に対して、15重量%〜20重量%の酸化ジルコニウムを含有するガラスからなる繊維であることを特徴とする請求項1に記載の器具。
- 前記繊維(20)は、ガラスの構成成分の全重量に対して、16.8重量%〜17.1重量%の酸化ジルコニウムを含有するガラスからなる繊維であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の器具。
- 前記スティック(1)は、アラミド繊維をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の器具。
- 前記樹脂マトリックス(21)は、フィラー粒子( filler of particles )をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3に記載の器具。
- 前記樹脂マトリックスは、熱硬化性または熱可塑性樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の器具。
- 前記スティック(1)は、円筒形をしており、前記スティック(1)の端部(11’)は、面取りされている(chamfered)ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の器具。
- 前記器具は、2つの隣接した縦長面が互いにある角度で存在するように長手方向に面取りされていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の器具。
- 前記器具は、前記スティック(1)に適合するか、または前記スティック(1)と一体形成されている柄(10)を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の器具。
- 前記繊維(20)の含有率は、前記スティック(1)の45体積%〜65体積%であることを特徴とする請求項1〜9に記載の器具。
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