JP3999698B2 - 溶融金属成形機の射出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属成形機の射出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶融金属成形機においては、溶融させた金属材料、例えば、マグネシウム合金を射出装置から金型内に射出して所望の成形品を成形するようになっている。このような溶融金属成形機の一種として、チクソモールディング式のマグネシウム成形機が知られている。該チクソモールディング式のマグネシウム成形機においては、粉砕された固体のマグネシウム合金を射出装置の供給口からシリンダ内に供給し、該シリンダ内のスクリュの回転攪拌(かくはん)作用によって、マグネシウム合金を半凝固スラリー状にして射出するようになっている。しかし、シリンダ内のスクリュの回転攪拌作用によってマグネシウム合金を半凝固スラリー状にするために、シリンダ、スクリュ等の構成が複雑となり、高い工作精度が要求され、かつ、シリンダ、スクリュ等の温度管理が困難となるので、射出装置の製造コスト及び運転コストが高くなってしまう。
【0003】
そこで、射出装置に接続された溶解炉において加熱して、溶融させた金属を射出装置のシリンダ内に供給する溶融金属成形機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、溶融金属が射出装置に供給されるので、該射出装置の構成を簡素化することができ、シリンダ等の温度管理も容易となり、射出装置の製造コスト及び運転コストを低くすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−179422号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の溶融金属成形機においては、複数の制御弁と該制御弁の動作を制御するための制御装置とによって、射出装置に供給される溶融金属の量を制御するようになっているので、溶融金属成形機の構成が複雑となり、コストが高くなってしまう。
【0006】
また、プランジャ前方の射出シリンダ内の空間に供給された溶融金属が逆流したり漏出したりすることを防止する手段が採用されていない。そのため、逆流や漏出によって、計量されてプランジャ前方の射出シリンダ内の空間に供給された溶融金属の量が変動し、正確な量の溶融金属を射出することができなくなってしまう。
【0007】
本発明は、前記従来の溶融金属成形機の問題点を解決して、簡単な構成でありながら、供給された溶融金属が逆流したり漏出したりすることを防止することができる溶融金属成形機の射出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の溶融金属成形機の射出装置においては、溶融された成形材料を射出シリンダ内に供給する成形材料連通管路と、前記射出シリンダ内に移動及び回転可能に挿入されたプランジャと、該プランジャの先端及び側壁に開口を備え、前記プランジャの回転に応じて、前記側壁の開口が、前記射出シリンダの内壁の開口に連通する前記成形材料連通管路と遮断又は接続される成形材料導入孔(こう)と、前記成形材料連通管路又は成形材料導入孔に配設された逆止弁装置とを有する。
【0009】
本発明の他の溶融金属成形機の射出装置においては、さらに、前記成形材料導入孔の開口は、前記プランジャの側壁における対向する位置にそれぞれ形成される。
【0011】
本発明の更に他の溶融金属成形機の射出装置においては、溶融された成形材料を射出するノズル孔を備える射出ノズルと、該射出ノズルの外周に配設された加熱装置とを有し、前記ノズル孔の先端開口が前記加熱装置よりも前方に突出していない位置にある。
【0012】
本発明の更に他の溶融金属成形機の射出装置においては、さらに、前記射出ノズルは、先端面が凹面形状である。
【0013】
本発明の更に他の溶融金属成形機の射出装置においては、さらに、前記加熱装置は、前記ノズル孔の先端開口近傍にコールドプラグを形成するように制御され、かつ、該コールドプラグを消失するように制御される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の構成を示す側面図である。
【0016】
ここで、本実施の形態においては、金属材料としてマグネシウムを使用した例について説明する。
【0017】
図において、10は溶融金属成形機としてのマグネシウム成形機であり、装飾品、各種容器、精密部品、カメラ、コンピュータ等の精密装置の筐(きょう)体、自動車部品、事務機械部品等のマグネシウム合金製の各種成形品を成形するための成形機である。そして、前記マグネシウム成形機10は、成形機フレーム12上に配設された射出装置20、該射出装置20と対向するように前記成形機フレーム12上に配設された金型装置40、前記射出装置20の上方に配設され、該射出装置20に溶融マグネシウム合金を供給する溶解炉50、及び、該溶解炉50の上方に配設され、成形材料としての粉砕された固体のマグネシウム合金を前記溶解炉50に供給する材料供給装置60を有する。なお、前記マグネシウム合金は、成形品の用途等によって成分が異なり、いかなる成分から成るものであってもよいが、一般的には、AZ91マグネシウム合金が使用される。
【0018】
ここで、前記成形機フレーム12上には支持プレート13が固定され、さらに、長尺のスライドガイド15が、両端を取付部材15aを介して固定されることによって、前記支持プレート13の上方に配設されている。そして、前記射出装置20を駆動する射出駆動装置11を支持する支持台ユニット14が、図における横方向にスライド可能に、前記スライドガイド15に取り付けられている。
【0019】
また、前記支持プレート13上には、前記射出装置20の射出シリンダ21を支持するサポートブロック25がサポートブロック支持部材26を介して図における横方向にスライド可能に配設されている。なお、該サポートブロック支持部材26の下部には、サポートブロック25の高さを調整する高さ調整機構32を介してスライド部材31が取り付けられ、該スライド部材31が前記支持プレート13上をスライドする。また、前記サポートブロック25とサポートブロック支持部材26との間には断熱材27を介在させて、射出シリンダ21の熱がスライド部材31等に伝達されないようになっている。なお、必要であれば、前記スライド部材31と支持プレート13との間に車輪、ベアリング、リニアガイド機構等を配設して、前記スライド部材31が支持プレート13上をスムーズにスライドすることができるようにしてもよい。また、前記サポートブロック25は複数本(例えば、四本)のタイロッド16によって射出駆動装置11に結合されている。そのため、射出シリンダ21と射出駆動装置11とは一体的に結合された状態で、成形機フレーム12上を図における横方向に移動する。
【0020】
そして、前記射出シリンダ21の円筒状空間21a内には、プランジャ22が図における横方向に移動可能に挿入されている。なお、該プランジャ22の後端部(図における右端部)は、プランジャ接続部22bを介して、射出駆動装置11の図示されないプランジャ駆動装置に接続され、該プランジャ駆動装置によって前進又は後退させられる。また、前記射出シリンダ21の外周には、温度を調節するための電気ヒータ等から成る加熱装置24が取り付けられ、前記射出シリンダ21の先端部(図における左端部)には円筒状空間21aに連通するノズル孔23aを備える射出ノズル23が配設されている。なお、前記プランジャ22には、溶融マグネシウム合金を前記射出シリンダ21の先端部における円筒状空間21aに導入するための成形材料導入孔としての導入孔22aが形成されている。
【0021】
また、前記射出シリンダ21の下方には、ドレインとしての漏洩(えい)した溶融マグネシウム合金を回収するためのドレイン収容装置33が配設されている。そして、前記円筒状空間21aの内面とプランジャ22の外面との隙(すき)間から漏洩した溶融マグネシウム合金は、前記円筒状空間21aに形成されたドレイン回収溝34a及び該ドレイン回収溝34aに連通するドレイン管34を介して、前記ドレイン収容装置33内に排出されて回収される。
【0022】
さらに、前記射出シリンダ21の上方には、前記溶解炉50が、前記円筒状空間21aに連通する連通管52を介して、取り付けられている。また、前記溶解炉50の上方には、前記サポートブロック25に固定された支柱61に取り付けられた前記材料供給装置60が配設されている。なお、必要に応じて、前記溶解炉50も前記支柱61に取り付けることができる。
【0023】
そして、射出装置20の前方(図における左方)には、金型装置40が配設されている。該金型装置40は、固定プラテン41に取り付けられた固定金型42aと、図示されない可動プラテンに取り付けられた可動金型42bとを有し、前記固定金型42a及び可動金型42bの合わせ面に成形品の形状を有する図示されない型としてのキャビティが形成されている。そして、前記可動金型42bは、前記可動プラテンを移動させるための図示されない型締装置が駆動することによって、前記固定金型42aに対して前進又は後退させられて、型開、型閉及び型締が行われるようになっている。前記型締装置は、例えば、サーボモータとボールナット機構との組み合わせ、油圧シリンダ装置、空圧シリンダ装置等の駆動源、及び、トグルリンク機構から成るトグル式型締装置、油圧シリンダ装置、空圧シリンダ装置等の駆動源によって可動プラテンを直接駆動する直圧式型締装置であるが、いかなる種類のものであってもよい。なお、前記固定プラテン41には、前記射出シリンダ21の射出ノズル23が進入して固定金型42aの背面(図における右側の面)にノズルタッチを行うことができるように、ノズル進入孔44が形成されている。
【0024】
また、前記固定プラテン41は、成形機フレーム12上に固定されるとともに、複数本(例えば、四本)のタイバー43によって前記型締装置の駆動源、トグル等が取り付けられた図示されないサポートプレートに結合されている。さらに、前記固定プラテン41の背面には、複数本(例えば、四本)のスライドバー17の一端(図における左端)が固定されている。そして、該スライドバー17の他端(図における右端)は、前記射出駆動装置11に対してスライド可能に取り付けられている。この場合、前記射出駆動装置11は図示されないシリンダ装置から成るスライド駆動源を備え、前記シリンダ装置のピストンロッドが前記スライドバー17の他端に接続されている。そして、前記シリンダ装置を作動させることによって、前記射出駆動装置11をスライドガイド15に沿ってスライドさせ、前記固定プラテン41に対して前記射出駆動装置11を移動させる。
【0025】
さらに、前記マグネシウム成形機10は、図示されない成形機制御装置を有する。該成形機制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段、キーボード、マウス等の入力手段、入出力インターフェイス等を備え、マグネシウム成形機10が有する手段や装置の動作を統括的に制御する。なお、前記成形機制御装置は、独立したものであってもよいし、金型の移動や開閉を制御する型締装置の制御装置のような他の制御装置と一体に形成されたものであってもよい。
【0026】
次に、前記構成の射出装置20の動作について説明する。
【0027】
まず、計量工程においては、射出駆動装置11のプランジャ駆動装置を駆動してプランジャ22を徐々に後退(図における右方向へ移動)させる。すると、該プランジャ22の前方(図における左方)における射出シリンダ21の円筒状空間21aが徐々に拡大し、かつ、前記プランジャ22に形成された導入孔22aが射出シリンダ21に形成された長溝を介して連通管52と連通するので、溶解炉50内の溶融マグネシウム合金が、前記連通管52及び導入孔22aを通って、前記プランジャ22の前方における射出シリンダ21の円筒状空間21a内に供給される。そして、前記プランジャ22を所定の距離だけ後退させることによって、前記プランジャ22の前方に所定量の溶融マグネシウム合金を溜(た)めることができる。すなわち、溶融マグネシウム合金の計量が行われる。また、前記溶解炉50内の溶融マグネシウム合金の量が減少した場合には、材料供給装置60から粉砕された固体のマグネシウム合金が前記溶解炉50内に供給される。これにより、該溶解炉50内の溶融マグネシウム合金の量を適正な値に保つことができる。
【0028】
続いて、射出工程においては、前記射出駆動装置11のスライド駆動源を駆動して前記射出駆動装置11と射出シリンダ21とを前進させ、射出ノズル23を固定プラテン41のノズル進入孔44内に進入させ、前記射出ノズル23の先端を固定金型42aの背面に押し付けてノズルタッチを行う。この場合、型締装置が駆動して可動プラテンに取り付けられた可動金型42bの合わせ面が固定金型42aの合わせ面に接触して、金型装置40は型閉が行われた状態となっている。続いて、前記プランジャ22を所定角度回転させた後、前記射出駆動装置11のプランジャ駆動装置を駆動してプランジャ22を急速に前進(図における左方向へ移動)させる。すると、該プランジャ22の前方における射出シリンダ21の円筒状空間21aが急速に縮小するので、該円筒状空間21aに溜められていた溶融マグネシウム合金が射出ノズル23のノズル孔23aを通って射出される。そして、射出された溶融マグネシウム合金は、固定金型42aの内部に形成された図示されないスプルー、ランナ等を通って、固定金型42a及び可動金型42bの合わせ面に形成されたキャビティ内に充填(てん)される。
【0029】
続いて、溶融マグネシウム合金の射出が終了すると、前記射出駆動装置11のスライド駆動源を駆動して前記射出駆動装置11と射出シリンダ21とを後退させ、元の位置へ復帰させる。そして、計量工程が再び行われ、前述された動作が繰り返される。なお、計量工程及び射出工程の間に射出シリンダ21の円筒状空間21aの内面とプランジャ22の外面との隙間から少量の溶融マグネシウム合金が不可避的に漏洩する。該溶融マグネシウム合金は、前記円筒状空間21aに形成されたドレイン回収溝34a及び該ドレイン回収溝34aに連通するドレイン管34を通ってドレイン収容装置33内に流入し、ドレインとして回収される。
【0030】
一方、金型装置40は、型締装置によって更に押圧力が加えられて型締が行われた状態となり、キャビティ内に充填された溶融マグネシウム合金は冷却され固化して、前記キャビティの形状通りの成形品となる。そして、型締装置が駆動して可動プラテンに取り付けられた可動金型42bの合わせ面が固定金型42aの合わせ面から離間して、金型装置40の型開が行われ、マグネシウム合金製の成形品が前記金型装置40から取り出される。以上のような動作を繰り返すことによって、所定数のマグネシウム合金製の成形品を成形することができる。
【0031】
次に、前記射出装置20について詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の射出シリンダの構成を示す要部側断面図、図3は本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の射出シリンダの構成を示す横断面図であり図1のA矢視断面図、図4は本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の逆止弁ユニットの構成を示す側断面図であり図1のB部拡大図である。
【0033】
本実施の形態において、プランジャ22に形成された成形材料導入孔としての導入孔22aは、図1及び3に示されるように、プランジャ22の軸方向に延在する軸方向部22a−1、及び、該軸方向部22a−1の後端(図1における右端)に接続され、プランジャ22の半径方向に延在する半径方向部22a−2から成る。なお、前記軸方向部22a−1の前端は(図1における左端)はプランジャ22の前端において開口し、前記半径方向部22a−2の両端はプランジャ22の側壁における対向する位置において開口する。そして、射出シリンダ21には、成形材料連通管路としての連通管52の管路52aと円筒状空間21aとを連通するための流路55aが半径方向に延在するように形成されている。また、前記円筒状空間21aの流路55a付近の内壁には、軸方向に延在する長溝55bが形成され、該長溝55bに前記流路55aの一端が接続されている。
【0034】
ここで、前記プランジャ22は、射出駆動装置11のプランジャ駆動装置によって、矢印Cで示されるように前進又は後退させられ、かつ、矢印Dで示されるように回転させられる。そして、前記プランジャ22が、図1及び3に示されるような位置にあるとき、すなわち、導入孔22aの半径方向部22a−2の一端が長溝55bと連通するようになっているとき、前記管路52a、流路55a、長溝55b及び導入孔22aが連通されて、溶融マグネシウム合金の連通路を形成し、該連通路を通って溶解炉50内の溶融マグネシウム合金がプランジャ22の前方における射出シリンダ21の円筒状空間21a内に供給される。
【0035】
また、連通管52における管路52aの下端部には、逆止弁装置としての逆止弁ユニット53が配設されている。該逆止弁ユニット53は、図4に示されるように、前記管路52aの下端部を拡径することによって形成された円筒状の弁収容部53a、該弁収容部53aと管路52aとの境界部分に配設された弁座53b、及び、前記弁収容部53a内に軸方向(図における上下方向)に移動可能に配設された弁体54を有する。該弁体54は、円筒形状部材の上端に円錐(すい)形状部材を一体的に形成し、下端に大径の円形フランジ部材を一体的に形成したものである。
【0036】
そして、該円形フランジ部材の外径は、前記弁収容部53aの内径よりわずかに小さく、円形フランジ部材の側壁と弁収容部53aの内壁との隙間を溶融マグネシウム合金がほとんど流通しないようになっている。なお、円筒形状部材の外径は、前記弁収容部53aの内径より十分に小さくなっている。また、前記弁体54の内部には、両端が円筒形状部材の側壁に開口する半径方向流路54a、及び、上端が該半径方向流路54aに接続し、下端が円形フランジ部材の下面に開口する軸方向流路54bが形成されている。このように、前記弁収容部53a内の弁体54の上側と下側とは、半径方向流路54a及び軸方向流路54bによって連通される。
【0037】
また、射出シリンダ21に形成され、前記連通管52の下端に接続された流路55aの内径は、管路52aの内径と同様であり、弁収容部53aの内径よりも小さくなっている。そのため、前記弁体54は、円形フランジ部材の下面が弁収容部53aと流路55aとの接続部分に当接することによって、下方向への移動が阻止され、下限位置が規定される。なお、前記連通管52の外周にも、温度を調節するための電気ヒータ等から成る加熱装置24が取り付けられている。
【0038】
本実施の形態において、射出ノズル23は、本体と別個に形成された先端部23bを備え、該先端部23bが本体に螺(ら)合されて結合されるようになっている。そして、前記先端部23b内にも本体のノズル孔23aと連通するノズル孔23cが形成されている。なお、前記先端部23bは本体と一体的に形成することもできる。
【0039】
次に、前記構成の射出装置20の動作について詳細に説明する。
【0040】
図5は本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の射出シリンダの射出時の状態を示す横断面図である。
【0041】
まず、計量工程においては、射出駆動装置11のプランジャ駆動装置を駆動してプランジャ22を徐々に後退させると、図1に示されるように、プランジャ22に形成された導入孔22aの半径方向部22a−2が射出シリンダ21に形成された長溝55bと連通する。この場合、前記プランジャ22は、図3に示されるように、半径方向部22a−2が上下方向に延在するようになる角度にまで、あらかじめ回転させられている。これにより、管路52a、流路55a、長溝55b及び導入孔22aが連通されて、溶融マグネシウム合金の連通路が形成されるので、プランジャ22の前方における射出シリンダ21の円筒状空間21aが徐々に拡大することによって、前記連通路を通って溶解炉50内の溶融マグネシウム合金がプランジャ22の前方における射出シリンダ21の円筒状空間21a内に供給される。
【0042】
この場合、逆止弁ユニット53の弁体54は、図4に示されるような位置にある。そのため、前記弁体54の円錐形状部材と弁座53bとの間が開いているので、溶解炉50から流出した溶融マグネシウム合金は、管路52aから前記弁体54の円錐形状部材と弁座53bとの間を通って、弁収容部53a内に流入する。そして、該弁収容部53a内に流入した溶融マグネシウム合金は、半径方向流路54a及び軸方向流路54bを通って弁収容部53aから流出し、流路55a、長溝55b及び導入孔22aを通って前記円筒状空間21a内に流入する。
【0043】
そして、前記プランジャ22が所定の距離だけ後退すると、前記プランジャ22の前方に所定量の溶融マグネシウム合金が溜まり、溶融マグネシウム合金の計量が行われる。
【0044】
続いて、射出工程においては、プランジャ22を所定角度、例えば、90度回転させ、半径方向部22a−2がほぼ水平方向に延在する状態にする。これにより、長溝55bと導入孔22aとの連通が遮断され、溶融マグネシウム合金の連通路が遮断される。その後、前記射出駆動装置11のプランジャ駆動装置を駆動してプランジャ22を急速に前進させると、該プランジャ22の前方における射出シリンダ21の円筒状空間21aが急速に縮小し、該円筒状空間21aに溜められていた溶融マグネシウム合金が射出ノズル23のノズル孔23aを通って射出される。この場合、長溝55bと導入孔22aとの連通が遮断されているので、前記円筒状空間21aに溜められていた溶融マグネシウム合金が導入孔22aを通って逆流することがない。
【0045】
ところで、前記円筒状空間21aの内壁とプランジャ22の外壁との間には、不可避的な隙間が存在する。そして、射出工程においては、プランジャ22の前方における円筒状空間21aに溜められていた溶融マグネシウム合金が高圧となるので、該高圧の溶融マグネシウム合金の一部が、プランジャ22の前方から円筒状空間21aの内壁とプランジャ22の外壁との間の隙間を通って、プランジャ22の後方へ向かって流れ出て、漏洩してしまう。また、導入孔22a内の溶融マグネシウム合金も高圧となるので、該高圧の溶融マグネシウム合金の一部が、半径方向部22a−2の両端から円筒状空間21aの内壁とプランジャ22の外壁との間の隙間に流れ出て、漏洩してしまう。
【0046】
そして、漏洩した高圧の溶融マグネシウム合金が長溝55bに流入すると、該長溝55bや流路55aに残留する溶融マグネシウム合金は、圧力が上昇し、管路52aを上昇して溶解炉50へ逆流する方向へ移動しようとする。特に、溶融マグネシウム合金は、他の溶融金属と比較して粘性が低いので、漏洩した溶融マグネシウム合金は比較的高圧のままで長溝55bに流入する。この場合、長溝55bや流路55a内の溶融マグネシウム合金の圧力が上昇することによって、逆止弁ユニット53の弁収容部53a内における弁体54の上側と下側とに圧力差が生じる。すなわち、弁体54の下側の圧力が上側の圧力よりも高くなる。そのため、図5に示されるように、前記弁体54は、前記圧力差によって上方向に移動させられ、弁体54の円錐形状部材が弁座53bに当接する。これにより、前記弁体54の円錐形状部材と弁座53bとの間が閉止されるので、流路55aから弁収容部53aに流入した溶融マグネシウム合金が、さらに上昇して管路52aに流入することが阻止される。
【0047】
続いて、溶融マグネシウム合金の射出が終了すると、再び、プランジャ22を徐々に後退させるとともに、所定角度、例えば、90度回転させ、図3に示されるように、半径方向部22a−2が上下方向に延在するようにしておく。そのため、図1に示されるように、プランジャ22に形成された導入孔22aの半径方向部22a−2が射出シリンダ21に形成された長溝55bと連通する。これにより、管路52a、流路55a、長溝55b及び導入孔22aが連通されて、溶融マグネシウム合金の連通路が形成され、計量工程が再び行われ、前述された動作が繰り返される。
【0048】
このように、本実施の形態における射出装置20においては、成形材料導入孔としての導入孔22aが成形材料連通管路としての管路52aと遮断可能に接続されている。すなわち、プランジャ22を回転させることによって長溝55bと導入孔22aとを連通を遮断するようになっている。さらに、射出装置20は、管路52aに配設された逆止弁装置としての逆止弁ユニット53を有する。
【0049】
そのため、簡単な構成でありながら、射出工程において、プランジャ22の前方における円筒状空間21aに溜められている溶融マグネシウム合金を高圧に維持することができ、かつ、高圧の溶融マグネシウム合金が溶解炉50へ逆流することを確実に防止することができる。
【0050】
また、プランジャ22に形成された導入孔22aの半径方向部22a−2は、両端がプランジャ22の側壁における対向する位置において開口する。そのため、射出工程において導入孔22a内の溶融マグネシウム合金が高圧となっても、該溶融マグネシウム合金によって円筒状空間21aの内壁からプランジャ22に加えられる反力が互いに打ち消し合う。これにより、プランジャ22の側壁が円筒状空間21aの内壁に押し付けられることがなく、プランジャ22の側壁や円筒状空間21aの内壁が偏摩耗してしまうことない。
【0051】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することにより、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0052】
図6は本発明の第2の実施の形態における溶融金属成形機のプランジャの構成を示す側断面図である。
【0053】
本実施の形態においては、プランジャ22に形成された導入孔22aの軸方向部22a−1に逆止弁装置としての逆止弁ユニット56が配設されている。該逆止弁ユニット56は、図6に示されるように、前記軸方向部22a−1の途中を拡径することによって形成された円筒状の弁収容部56a、該弁収容部56a内に軸方向(図における横方向)に移動可能に配設された弁体57、及び、前記弁収容部56a前方の軸方向部22a−1との境界部分に配設された間隔保持部材56bを有する。
【0054】
前記弁体57は球形部材であり、その外径は、軸方向部22a−1の内径より大きく、弁収容部56aの内径より小さい。また、前記間隔保持部材56bは、前記弁体57が弁収容部56a前方の軸方向部22a−1との境界部分と接触することを防止し、前記弁体57と境界部分との間に間隔を保持して、溶融マグネシウム合金の流通を確保するための部材である。そのため、前記間隔保持部材56bには、多数の溝を備え、前記弁体57が前方に移動して前記間隔保持部材56bに当接しても、弁収容部56aから前方の軸方向部22a−1へ溶融マグネシウム合金が流入することができるようになっている。
【0055】
これにより、計量工程においては、溶融マグネシウム合金が半径方向部22a−2から弁収容部56aに流入し、さらに、弁収容部56aから前方の軸方向部22a−1へ溶融マグネシウム合金が流入して、プランジャ22の前方における射出シリンダ21の円筒状空間21a内に供給される。また、射出工程においては、プランジャ22の前方における円筒状空間21aに溜められていた溶融マグネシウム合金が高圧となるので、逆止弁ユニット56の弁収容部56a内における弁体57の前側と後側とに圧力差が生じる。そのため、図6に示されるように、前記弁体57は、前記圧力差によって後方に移動させられ、弁体57が後方の軸方向部22a−1の境界部分に当接する。これにより、前記弁体57と後方の軸方向部22a−1の境界との間が閉止されるので、プランジャ22の前方における円筒状空間21aに溜められていた溶融マグネシウム合金が、軸方向部22a−1を通って半径方向部22a−2に流入することが阻止される。
【0056】
このように、本実施の形態における射出装置20は、プランジャ22に形成された導入孔22aの軸方向部22a−1に逆止弁ユニット56を配設して、射出工程において、溶融マグネシウム合金が導入孔22aを逆流することを防止するようになっている。
【0057】
そのため、簡単な構成でありながら、射出工程において、プランジャ22の前方における円筒状空間21aに溜められている溶融マグネシウム合金を高圧に維持することができ、かつ、溶融マグネシウム合金が半径方向部22a−2の両端から円筒状空間21aの内壁とプランジャ22の外壁との間の隙間に流れ出て漏洩することを防止することができる。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0059】
図7は比較例の溶融金属成形機の射出シリンダの射出ノズル先端の構成を示す側断面図、図8は本発明の第3の実施の形態における溶融金属成形機の射出シリンダの射出ノズル先端の構成を示す側断面図である。
【0060】
前記第1及び第2の実施の形態において、射出ノズル23は、本体と別個に形成された先端部23bを備え、該先端部23bが本体に螺合されて結合されるようになっている。この場合、前記先端部23bの先端面23dは、例えば、図7に示されるように、凸面形状を有している。そして、射出工程においては、前記射出ノズル23の先端面23dが固定金型42aの背面に取り付けられたスプルーブッシュ46の凹面形状の当接面46aに押し付けられて、ノズルタッチが行われるようになっている。
【0061】
ところで、射出工程において、溶融マグネシウム合金が射出ノズル23のノズル孔23aを通って射出された後にも、プランジャ22の前方における射出シリンダ21の円筒状空間21aやノズル孔23aの内部には溶融マグネシウム合金が残留している。そのため、溶融マグネシウム合金が射出された後、射出シリンダ21を後退させ、射出ノズル23の先端面23dをスプルーブッシュ46の当接面46aから引き離すと、開放されたノズル孔23aの先端開口から溶融マグネシウム合金が射出装置20の外部に流出してしまう。
【0062】
そこで、前記第1及び第2の実施の形態においては、先端部23bの外周に取り付けられた加熱装置24の温度を制御して、溶融マグネシウム合金が射出された後に、射出ノズル23の先端面23d近傍の温度を低下させ、ノズル孔23aの先端開口近傍のマグネシウム合金を固化させて、いわゆるコールドプラグ47を形成するようになっている。これにより、ノズル孔23aの先端開口近傍がコールドプラグ47によって塞(ふさ)がれるので、射出ノズル23の先端面23dをスプルーブッシュ46の当接面46aから引き離しても、ノズル孔23aの先端開口から溶融マグネシウム合金が射出装置20の外部に流出してしまうことがない。なお、射出を行うときには、先端部23bの外周に取り付けられた加熱装置24の温度を制御して、ノズル孔23aの先端開口近傍の温度を上昇させ、前記コールドプラグ47を溶融させて消失させるようになっている。
【0063】
しかし、前記第1及び第2の実施の形態においては、射出ノズル23の先端面23dが凸面形状を有しているので、ノズル孔23aの先端開口は、前記加熱装置24よりも前方に突出した位置にある。そのため、前記ノズル孔23aの先端開口と加熱装置24との距離が長くなってしまい、温度抵抗が大きくなるので、加熱装置24の温度を制御しても、ノズル孔23aの先端開口近傍の温度を正確に制御することが困難である。
【0064】
特に、溶融マグネシウム合金は、他の溶融金属と比較して粘性が低いので、コールドプラグ47の形成が不完全であると、開放されたノズル孔23aの先端開口から溶融マグネシウム合金が流出してしまう。しかし、コールドプラグ47の形成を完全なものにしようとして、ノズル孔23aの先端開口近傍の温度を低下させ過ぎると、射出を行うときにノズル孔23aの先端開口近傍の温度を上昇させても、前記コールドプラグ47が溶融しなくなってしまう。
【0065】
そこで、本実施の形態における射出ノズル23は、図8に示されるように、本体と別個に形成された先端部23eを備え、該先端部23eの先端面23fが凹面形状を有し、ノズル孔23aの先端開口が加熱装置24よりも前方に突出していない位置になっている。なお、前記先端部23eは本体と一体的に形成することもできる。この場合、固定金型42aの背面に取り付けられたスプルーブッシュ48の当接面48aは凸面形状を有している。そして、射出工程においては、前記射出ノズル23の先端面23fが固定金型42aの背面に取り付けられたスプルーブッシュ48の凸面形状の当接面48aに押し付けられて、ノズルタッチが行われる。
【0066】
また、溶融マグネシウム合金の射出が終了すると、先端部23eの外周に取り付けられた加熱装置24の温度を低下させるように制御して、ノズル孔23aの先端開口近傍の温度を低下させる。この場合、ノズル孔23aの先端開口が加熱装置24よりも前方に突出していないので、前記ノズル孔23aの先端開口と加熱装置24との距離が短い。そのため、温度抵抗が小さく、温度制御の応答性が高いので、ノズル孔23aの先端開口近傍の温度を所定の温度にまで正確に、かつ、速やかに低下させることができる。これにより、ノズル孔23aの先端開口近傍のマグネシウム合金が適切な温度にまで速やかに冷却されて固化し、完全なコールドプラグ47が速やかに形成される。
【0067】
続いて、射出駆動装置11のスライド駆動源を駆動して前記射出駆動装置11と射出シリンダ21とを後退させる。この場合、ノズル孔23aの先端開口近傍が完全なコールドプラグ47によって塞がれるので、射出ノズル23の先端面23fをスプルーブッシュ48の当接面48aから引き離しても、ノズル孔23aの先端開口から溶融マグネシウム合金が射出装置20の外部に流出してしまうことがない。
【0068】
続いて、計量工程が完了し、再び射出工程が開始されると、先端部23eの外周に取り付けられた加熱装置24の温度を上昇させるように制御して、ノズル孔23aの先端開口近傍の温度を上昇させる。この場合、前記ノズル孔23aの先端開口と加熱装置24との距離が短いので、温度抵抗が小さく、温度制御の応答性が高い。そのため、ノズル孔23aの先端開口近傍の温度を所定の温度にまで正確に、かつ、速やかに上昇させることができ、コールドプラグ47が速やかに溶融されて消失する。また、コールドプラグ47を形成する際にノズル孔23aの先端開口近傍の温度を必要以上に低下させていないので、前記コールドプラグ47の温度がさほど低下していない。そのため、ノズル孔23aの先端開口近傍の温度が所定の温度にまで上昇すると、コールドプラグ47は速やかに溶融されて消失する。
【0069】
このように、本実施の形態においては、ノズル孔23aの先端開口が加熱装置24よりも前方に突出していない位置にある。そのため、前記ノズル孔23aの先端開口と加熱装置24との距離が短く、温度制御の応答性が高いので、加熱装置24の温度を制御することによって、ノズル孔23aの先端開口近傍における温度を所定の温度にまで正確に、かつ、速やかに上昇又は低下させることができる。すなわち、ノズル孔23aの先端開口近傍における温度の制御特性が向上する。
【0070】
そのため、本実施の形態における溶融金属成形機の射出装置は、溶融マグネシウム合金が射出装置20の外部に流出することを防止するためにノズル孔23aの先端開口近傍にコールドプラグ47を形成する場合に適している。この場合、ノズル孔23aの先端開口近傍にコールドプラグ47を速やかに、かつ、完全に形成することができるとともに、前記コールドプラグ47を速やかに消失させることができる。したがって、射出ノズル23の先端面23fをスプルーブッシュ48の当接面48aから引き離しても、開放されたノズル孔23aの先端開口から溶融マグネシウム合金が射出装置20の外部に流出してしまうことがない。また、コールドプラグ47の形成及び消失に要する時間が短縮されるので、溶融金属成形機のスループットが向上する。
【0071】
なお、前記実施の形態においては、金属材料としてマグネシウムを使用した例について説明したが、他に、アルミニウム、亜鉛等の金属材料を使用した場合についても本発明は適用することができる。
【0072】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0073】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、溶融金属成形機の射出装置においては、溶融された成形材料を射出シリンダ内に供給する成形材料連通管路と、前記射出シリンダ内に移動及び回転可能に挿入されたプランジャと、該プランジャの先端及び側壁に開口を備え、前記プランジャの回転に応じて、前記側壁の開口が、前記射出シリンダの内壁の開口に連通する前記成形材料連通管路と遮断又は接続される成形材料導入孔と、前記成形材料連通管路又は成形材料導入孔に配設された逆止弁装置とを有する。
【0074】
この場合、簡単な構成でありながら、射出工程において、プランジャの前方に溜められている溶融された成形材料を高圧に維持することができ、かつ、高圧の成形材料が逆流することを確実に防止することができる。
【0075】
他の溶融金属成形機の射出装置においては、さらに、前記成形材料導入孔の開口は、前記プランジャの側壁における対向する位置にそれぞれ形成される。
【0076】
この場合、射出工程において成形材料導入孔内の成形材料が高圧となっても、該成形材料によって射出シリンダの内壁からプランジャに加えられる反力が互いに打ち消し合う。これにより、プランジャの側壁が射出シリンダの内壁に押し付けられることがなく、プランジャの側壁や射出シリンダの内壁が偏摩耗してしまうことない。
【0077】
更に他の溶融金属成形機の射出装置においては、溶融された成形材料を射出するノズル孔を備える射出ノズルと、該射出ノズルの外周に配設された加熱装置とを有し、前記ノズル孔の先端開口が前記加熱装置よりも前方に突出していない位置にある。
【0078】
この場合、ノズル孔の先端開口と加熱装置との距離が短く、温度制御の応答性が高いので、加熱装置の温度を制御することによって、ノズル孔の先端開口近傍における温度を所定の温度にまで正確に、かつ、速やかに上昇又は低下させることができ、ノズル孔の先端開口近傍における温度の制御特性が向上する。
【0079】
更に他の溶融金属成形機の射出装置においては、さらに、前記加熱装置は、前記ノズル孔の先端開口近傍にコールドプラグを形成するように制御され、かつ、該コールドプラグを消失するように制御される。
【0080】
この場合、ノズル孔の先端開口近傍にコールドプラグを速やかに、かつ、完全に形成することができるとともに、前記コールドプラグを速やかに消失させることができる。したがって、ノズル孔の先端開口から成形材料が射出装置の外部に流出してしまうことがない。また、コールドプラグの形成及び消失に要する時間が短縮されるので、溶融金属成形機のスループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の射出シリンダの構成を示す要部側断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の構成を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の射出シリンダの構成を示す横断面図であり図1のA矢視断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の逆止弁ユニットの構成を示す側断面図であり図1のB部拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における溶融金属成形機の射出シリンダの射出時の状態を示す横断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における溶融金属成形機のプランジャの構成を示す側断面図である。
【図7】比較例の溶融金属成形機の射出シリンダの射出ノズル先端の構成を示す側断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における溶融金属成形機の射出シリンダの射出ノズル先端の構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
10 マグネシウム成形機
20 射出装置
21 射出シリンダ
22 プランジャ
22a 導入孔
23 射出ノズル
23a、23c ノズル孔
23f 先端面
24 加熱装置
47 コールドプラグ
52a 管路
53、56 逆止弁ユニット

Claims (5)

  1. (a)溶融された成形材料を射出シリンダ内に供給する成形材料連通管路と、
    (b)前記射出シリンダ内に移動及び回転可能に挿入されたプランジャと、
    (c)該プランジャの先端及び側壁に開口を備え、前記プランジャの回転に応じて、前記側壁の開口が、前記射出シリンダの内壁の開口に連通する前記成形材料連通管路と遮断又は接続される成形材料導入孔と、
    (d)前記成形材料連通管路又は成形材料導入孔に配設された逆止弁装置とを有することを特徴とする溶融金属成形機の射出装置。
  2. 前記成形材料導入孔の開口は、前記プランジャの側壁における対向する位置にそれぞれ形成される請求項1に記載の溶融金属成形機の射出装置。
  3. (a)溶融された成形材料を射出するノズル孔を備える射出ノズルと、
    (b)該射出ノズルの外周に配設された加熱装置とを有し、
    (c)前記ノズル孔の先端開口が前記加熱装置よりも前方に突出していない位置にある請求項1に記載の溶融金属成形機の射出装置。
  4. 前記射出ノズルは、先端面が凹面形状である請求項に記載の溶融金属成形機の射出装置。
  5. 前記加熱装置は、前記ノズル孔の先端開口近傍にコールドプラグを形成するように制御され、かつ、該コールドプラグを消失するように制御される請求項又はに記載の溶融金属成形機の射出装置。
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