JP3999599B2 - 物理量測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力などのような物理量の差分値を測定する物理量測定装置に関し、特に、距離的に離れた位置で発生する物理量の差分値を、周囲環境などに影響されずに正確に測定できるようにする物理量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油プラントなどのようなプラントを制御する場合、距離的に離れた位置に存在するプロセス流体の圧力の差分値を測定することが要求されることがある。
【0003】
従来では、このような場合、図44(a)に示すように、2か所の測定位置のそれぞれに圧力計を用意する構成を採って、その2台の圧力計の測定値(電気信号)を演算回路へ伝送して差分処理することで、2か所の測定位置で発生する圧力の差分値を測定するようにしている。
【0004】
その他に、図44(b)に示すように、圧力の差分値を測定する差圧計を用意する構成を採って、導圧管を使って、2か所の測定位置のそれぞれから差圧計へプロセス流体を導き入れることで、2か所の測定位置で発生する圧力の差分値を測定するようにしている。
【0005】
このような導圧管を用いる方法では、導圧管が詰まって測定できなくなったり、導圧管が破損するとプロセス流体が外部に流れ出てしまうという問題点がある。
【0006】
そこで、図44(c)に示すように、シリコンオイルなどの封入液を封入するリモートシールを使って、2か所の測定位置のそれぞれから差圧計へプロセス流体の圧力を伝搬させることで、2か所の測定位置で発生する圧力の差分値を測定するようにすることもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2か所の測定位置のそれぞれに圧力計を用意する構成を採って、その2台の圧力計の測定値を演算回路で差分処理するという方法を用いていると、高価な圧力計を2台用意しなければならず、コストが高くなるという問題点がある。
【0008】
一方、導圧管を使って、2か所の測定位置のそれぞれから差圧計へプロセス流体を導き入れるという方法を用いていると、導圧管が詰まって測定できなくなるという問題点や、導圧管が破損するとプロセス流体が外部に流れ出るという問題点がある。
【0009】
一方、リモートシールを使って、2か所の測定位置のそれぞれから差圧計へプロセス流体の圧力を伝搬させるという方法を用いていると、導圧管の詰まりやプロセス流体が外部に流れ出てしまうという危険性はないものの、2本のリモートシールが異なる環境下に配置されるために、温度などの影響を受けることで測定精度が低下するという問題点がある。しかも、この方法では、リモートシールが破損するときに封入液が外部に漏れるという問題点がある。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、距離的に離れた位置で発生する物理量の差分値を周囲環境などに影響されずに正確に測定できるようにする新たな物理量測定技術の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明では、(1)複数の測定個所のそれぞれに設置され、半透過鏡と全反射鏡とが物質を挟んで対向する形で設けられることで構成されて、該半透過鏡に入力される入力光に対して測定対象の物理量に応じた光路差を発生させて反射する複数のセンサと、(2)最前段のセンサに対応付けて設けられて、そのセンサに光源の発光する光を伝送する光ファイバ手段と、(3)最前段のセンサ以外の各センサに対応付けて設けられて、前段のセンサに対応付けて設けられる光ファイバ手段を逆伝送する光路差の発生された光を入力として、その光を対となるセンサに伝送する光ファイバ手段と、(4)最後段のセンサに対応付けて設けられる光ファイバ手段を逆伝送する光路差の発生された光を入力として、その光を2つに分波する光学手段と、(5)光学手段から出射される2つに分波された光により生成されて、2つのセンサの発生する光路差の差分値の大きさに応じて縞位置が決められることになる干渉縞を検知する検知手段と、(6)検知手段により検知される干渉縞の縞位置の移動量を検出して、その検出結果に基づいて、2つのセンサの設置される測定個所に存在する測定対象の物理量の差分値を算出する算出手段とを備えるように構成する。
ここで、上記の光学手段により2つに分波された光を入力とする光学手段であって、入力光を2つに分波する光学手段単位の集まりで構成されて、後段の光学手段単位が前段の光学手段単位の出力光を入力光とする階層構造の形で接続され、さらに、検知手段に光を出射する最終段の光学手段単位の出射間隔がそれぞれ異なるものとなる光学手段を備えることがある。
【0012】
この構成を採るときに、各光ファイバ手段の光の伝送先となるセンサの一部又は全てが、同一構造を持つ複数のセンサ並列接続されるもので構成されることがある。
【0018】
このように構成される本発明では、測定対象の物理量に応じて、入力光に対して、光路差2×n×L(nは半透過鏡と全反射鏡との間に存在する物質の屈折率、Lは半透過鏡と全反射鏡との間の距離)を発生させる少なくとも2つのセンサが用意されていて、最前段のセンサが光路差2×a ×La の発生機能を有し、次段のセンサが光路差2×b ×Lb の発生機能を有する場合の例で説明するならば、最前段のセンサに対応付けて設けられる光ファイバを介して、その最前段のセンサに光源の発光する光が入力されると、その最前段のセンサの光路差2×a ×La の発生機能により、光路長が変化をしない光と、光路長が2×a ×La 変化する光とが発生する。
【0019】
この2つの光は、次段のセンサに対応付けて設けられる光ファイバを介して次段のセンサに入力され、その次段のセンサの光路差2×b ×Lb の発生機能により、この入力光を起点にして、光路長が変化しない光と、光路長が2×b ×Lb 変化する光とが発生する。
【0020】
これから、最前段のセンサで2×a ×La の光路長の変化を受けて次段のセンサに入力され、そこでは2×b ×Lb の光路長の変化を受けないで伝送する光と、最前段のセンサで2×a ×La の光路長の変化を受けないで次段のセンサに入力され、そこでは2×b ×Lb の光路長の変化を受けて伝送する光とが存在することで、2×(na ×La −nb ×Lb )という因子を持つ位相差が発生し、これにより、光路差2×(na ×La −nb ×Lb )に応じた干渉縞がセンサの上に生成される。
【0021】
この光路差2×(na ×La −nb ×Lb )に応じた干渉縞の縞位置は、測定対象の物理量の差分値に対応付けられるので、例えば、その差分値がない場合の干渉縞の位置からの移動量を検出して、その検出した移動量に従って、測定対象の物理量の差分値を算出する。
【0022】
このように、本発明では、距離的に離れた位置で測定される物理量の差分値を測定するにあたって、導圧管やリモートシールなどの代わりに光ファイバを用いて、光干渉を使ってその差分値を測定するという構成を採ることから、距離的に離れた位置で発生する物理量の差分値を周囲環境などに影響されずに正確に測定できるようになる。
【0023】
すなわち、光ファイバ中を伝送する全ての光波は同じ位相変動を受けることで、外乱による干渉はキャンセルし合うことになるので、本発明によれば、距離的に離れた位置で発生する物理量の差分値を周囲環境などに影響されずに正確に測定できるようになるのである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、距離的に離れた測定点で発生する圧力の差分値を測定する実施の形態に従って、本発明を詳細に説明する。
【0025】
図1に、本発明の一実施形態例を図示する。
【0026】
この実施形態例は、第1の測定点に設置されて、第1の測定点で発生する圧力に応じて入力光に光路差を発生させる第1のセンサ100aと、第2の測定点に設置されて、第2の測定点で発生する圧力に応じて入力光に光路差を発生させる第2のセンサ100bとを使って、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との差分値を測定する構成を採っている。
【0027】
この第1のセンサ100aは、ダイアフラムなどの受圧部材にセットされる全反射鏡101aと、全反射鏡101aに対向して設けられて、入力光の一部を反射するとともに、残りの一部を透過する半透過鏡102aと、半透過鏡102aを透過する光を平行化して全反射鏡101aに照射するレンズ103aとで構成されており、半透過鏡102aと全反射鏡101aとの間の距離をLa で表すならば、入力光に対して、半透過鏡102aで反射される場合と全反射鏡101aで反射される場合とで、2na a ( na は半透過鏡102aと全反射鏡101aとの間にある物質の屈折率)という光路差を発生させる。
【0028】
一方、第2のセンサ100bは、第1のセンサ100aと同一の構造を有して、ダイアフラムなどの受圧部材にセットされる全反射鏡101bと、全反射鏡101bに対向して設けられて、入力光の一部を反射するとともに、残りの一部を透過する半透過鏡102bと、半透過鏡102bを透過する光を平行化して全反射鏡101bに照射するレンズ103bとで構成されており、半透過鏡102bと全反射鏡101bとの間の距離をLb で表すならば、入力光に対して、半透過鏡102bで反射される場合と全反射鏡101bで反射される場合とで、2nb b ( nb は半透過鏡102bと全反射鏡101bとの間にある物質の屈折率)という光路差を発生させる。
【0029】
以下、説明の便宜上、「na =nb 」を想定するとともに、第1の測定点と第2の測定点との間に圧力差がない場合に「La =Lb 」となる第1のセンサ100a及び第2のセンサ100bを用いることを想定する。
【0030】
このように構成されるときにあって、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との間に圧力差がない場合には、「La =Lb 」となり、半透過鏡102aと全反射鏡101aとの間にある物質と、半透過鏡102bと全反射鏡101bとの間にある物質とが同じであることで「na =nb 」となることから、第1のセンサ100aにより発生する光路差2na a と、第2のセンサ100bにより発生する光路差2nb b とは一致することになる。
【0031】
これに対して、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との間に圧力差がある場合には、この2つの光路差に違いがでる。
【0032】
図1の実施形態例は、この2つの光路差の違いを検出することで、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との差分値を測定するという構成を採るものであり、低コヒーレント光を発光するLEDなどで構成される光源1(いわゆる白色光源で構成される光源1)と、光源1の発光する光を取り出すシングルモードの光ファイバ2と、第1のセンサ100aに対応付けて設けられて、光ファイバ2の取り出す光を第1のセンサ100aに伝送するシングルモードの光ファイバ3aと、光ファイバ2と光ファイバ3aとを結合するとともに、光ファイバ3aを逆伝送してくる光を分波する光分波結合器4aと、光分波結合器4aの分波する光を取り出すシングルモードの光ファイバ5と、第2のセンサ100bに対応付けて設けられて、光ファイバ5の取り出す光を第2のセンサ100bに伝送するシングルモードの光ファイバ3bと、光ファイバ5と光ファイバ3bとを結合するとともに、光ファイバ3bを逆伝送してくる光を分波する光分波結合器4bと、光分波結合器4bの分波する光を取り出すシングルモードの光ファイバ6と、光ファイバ6の取り出す光を2つに分波する光分波結合器7と、光分波結合器7の分波する一方の光を取り出すシングルモードの光ファイバ8aと、光分波結合器7の分波するもう一方の光を取り出すシングルモードの光ファイバ8bと、光ファイバ8a及び光ファイバ8bから出射される光により生成される干渉縞を検出するラインイメージセンサ9と、ラインイメージセンサ9の検出する干渉縞の縞位置から、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との間の圧力差を算出する演算装置10とを備える。
【0033】
なお、後述するように、光ファイバ3a,3bについては、シングルモードのものに限られる必要はなくマルチモードのものを用いることも可能であり、これに対応して、光ファイバ2,5,6,8a,8bについても、シングルモードのものに限られる必要はなくマルチモードのものを用いることも可能である。
【0034】
このように構成される本発明では、図2(a)に示すように、全反射鏡101aで反射してから全反射鏡101bで反射して伝送する光の伝送パターン(第1の伝送パターン)と、図2(b)に示すように、半透過鏡102aで反射してから半透過鏡102bで反射して伝送する光の伝送パターン(第2の伝送パターン)と、図2(c)に示すように、半透過鏡102aで反射してから全反射鏡101bで反射して伝送する光の伝送パターン(第3の伝送パターン)と、図2(d)に示すように、全反射鏡101aで反射してから半透過鏡102bで反射して伝送する光の伝送パターン(第4の伝送パターン)という、4種類の光の伝送パターンが存在することになる。
【0035】
したがって、ラインイメージセンサ9に向けて出射される光の位相差としては、(イ)図3に示すように、第1の伝送パターンと第2の伝送パターンとの組み合わせにより発生する位相差=k×2(na a +nb b )と、(ロ)図4に示すように、第2の伝送パターンと第4の伝送パターンとの組み合わせ(図中の(a))と、第1の伝送パターンと第3の伝送パターンとの組み合わせ(図中の(b))により発生する位相差=k×2na a と、(ハ)図5に示すように、第2の伝送パターンと第3の伝送パターンとの組み合わせ(図中の(a))と、第1の伝送パターンと第4の伝送パターンとの組み合わせ(図中の(b))により発生する位相差=k×2nb b と、(ニ)図6に示すように、第3の伝送パターンと第4の伝送パターンとの組み合わせにより発生する位相差=k×2(na a −nb b )という、4種類の位相差が存在することになる。
【0036】
一方、ラインイメージセンサ9上の任意の点(z,0)に到達する光ファイバ8aから出射される光と光ファイバ8bから出射される光との間には、図7に示す式(ヤングの干渉計の式)に従って算出される光路差Δが存在する。ここで、“h”は、ラインイメージセンサ9と光ファイバ8a,8bの先端との間の距離を示し、“2a”は、光ファイバ8a,8bの先端同士の間の距離を示している。
【0037】
これから、ラインイメージセンサ9上に生成される干渉縞は、光源1の発光する光のコヒーレンス長をlc で表すならば、
c ≧Δ−2(na a +nb b )
c ≧Δ−2(na a −nb b
c ≧Δ−2na a
c ≧Δ−2nb b
c ≧Δ+2(na a +nb b
c ≧Δ+2(na a −nb b
c ≧Δ+2na a
c ≧Δ+2nb b
という条件が成立するときに、
Δ=2(na a +nb b
Δ=2(na a −nb b
Δ=2na a
Δ=2nb b
となる場所で強い干渉強度を示すことになる。
【0038】
このラインイメージセンサ9上に生成される干渉縞の強度は、ガウシアン分布のビーム強度を持つビームを想定するならば、図8に示すようなモデル式に従ってシミュレーションすることができる。
【0039】
図9に、そのシミュレーションの一例を図示する。
【0040】
ここで、図9に示すシミュレーションは、図7中に示すhを100mm、図7中に示すaを10mm、na を空気の屈折率である1、nb を空気の屈折率である1として、(イ)La =150μm、Lb =150μmのときに生成される干渉縞と、(ロ)La =150μm、Lb =200μmのときに生成される干渉縞と、(ハ)La =150μm、Lb =250μmのときに生成される干渉縞とをシミュレーションすることで行った。
【0041】
図中に示す▲1▼は中央部の固定位置に出現する中央干渉縞、▲2▼は2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞、▲3▼は2na a という光路差因子に基づく干渉縞、▲4▼は2nb b という光路差因子に基づく干渉縞、▲5▼は2(na a +nb b )という光路差因子に基づく干渉縞である。
【0042】
このシミュレーションから分かるように、干渉縞は左右対称に出現し、Lb の増大に合わせて互いに逆方向に移動する。
【0043】
2(na a −nb b )という光路差因子は、第1のセンサ100aの置かれる第1の測定点で発生する圧力と第2のセンサ100bの置かれる第2の測定点で発生する圧力との差圧を示しており、これから、この2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の移動量を検出することで、その差圧を算出することができる。
【0044】
演算装置10は、この差圧を算出する処理を行うものであり、図10にその処理内容をフローチャートの形で図示する。
【0045】
演算装置10は、実際の測定に入る前には、図10(a)に示すフローチャートの処理を行うことで、実際の測定で必要となる演算パラメータを算出してメモリに保存する処理を行う。
【0046】
すなわち、演算装置10は、実際の測定に入る前に、図10(a)に示すフローチャートに示すように、先ず最初に、ステップ1で、測定の基準となる差圧条件を決定して、それをメモリに保存する。
【0047】
続いて、ステップ2で、その決定した基準の差圧条件下で、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の位置を実際に検出して、それを干渉縞位置の初期値としてメモリに保存する。
【0048】
このときにおける干渉縞位置の検出は、例えば、ラインイメージセンサ9の出力する画素値の微分値をとって、中央干渉縞の次に出現する微分極大値の位置を検出することで行う。また、分解能を上げるために、左右対称位置のものを検出することが好ましい。
【0049】
ここで、基準の差圧条件がゼロ差圧であるときには、中央干渉縞が干渉縞位置の初期値となるので、このステップ2の処理を省略することが可能である。
【0050】
続いて、ステップ3で、決定した基準の差圧条件下の近傍で、実際に差圧を変化させて、そのときの2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞位置の移動量を求めることで、差圧変化に対する干渉縞の移動量の変化率を求めて、それをメモリに保存する。
【0051】
一方、演算装置10は、実際の測定を行うときには、図10(b)に示すフローチャートの処理を行うことで差圧を測定する。
【0052】
すなわち、演算装置10は、実際の測定に入ると、図10(b)に示すフローチャートに示すように、先ず最初に、ステップ1で、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の位置を検出する。
【0053】
このときにおける干渉縞位置の検出は、例えば、ラインイメージセンサ9の出力する画素値の微分値をとって、中央干渉縞の次に出現する微分極大値の位置を検出することで行う。また、分解能を上げるために、左右対称位置のものを検出することが好ましい。
【0054】
続いて、ステップ2で、その検出した干渉縞位置と、メモリに保存してある干渉縞位置の初期値との差分値を算出することで、干渉縞位置の初期値からの移動量を算出する。
【0055】
続いて、ステップ3で、その算出した移動量を、メモリに保存してある差圧変化に対する干渉縞位置の移動量の変化率で割り算することで、メモリに保存してある基準の差圧条件からの差圧の変位を算出する。
【0056】
続いて、ステップ4で、その算出した差圧の変位と、メモリに保存してある基準の差圧条件とを加算することで現在の差圧を算出して、それを測定結果として出力する。
【0057】
このようにして、演算装置10は、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の移動量を検出し、それに基づいて差圧を算出して出力するように処理するのである。
【0058】
以上に説明した実施形態例では、第1の測定点と第2の測定点との間に圧力差がない場合に「na a =nb b 」となる第1のセンサ100a及び第2のセンサ100bを用いることを想定した。
【0059】
この場合には、図9のシミュレーション結果から分かるように、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との間の差圧を示す2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞は、ヤングの干渉計に基づく中央干渉縞の位置を起点にして、その差圧の絶対値の大きさが大きくなるに従って中央干渉縞から離れる形態で移動することになる。
【0060】
本発明は、このような構成の第1のセンサ100a及び第2のセンサ100bを用いることに限られるものではなくて、第1の測定点と第2の測定点との間に圧力差がない場合に「na a ≠nb b 」となる第1のセンサ100a及び第2のセンサ100bを用いることも可能であり、この場合には負圧を測定できるようになる。
【0061】
すなわち、第1の測定点と第2の測定点との間に圧力差がない場合に「na a ≠nb b 」となる第1のセンサ100a及び第2のセンサ100bを用いる場合には、図11に示すように、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞が中央干渉縞以外の干渉縞位置を起点にして、その2(na a −nb b )の持つ符号の指定する向きに応じて移動するので、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との間の圧力差が逆転するような負圧についても測定できるようになるのである。
【0062】
演算装置10は、上述したように、基準の差圧条件を設定し、その基準の差圧条件下での干渉縞の初期値を検出して、それからの変位を検出することで圧力の差分値を測定するという構成を採っているので、図11に示すような動きを示す干渉縞の移動についても、その移動を検出することで圧力の差圧値を測定できるのである。
【0063】
また、以上に説明した実施形態例では、光ファイバ3a,3bとしてシングルモードのものを用いることを想定したが、マルチモードのものを用いることも可能である。
【0064】
マルチモードの光ファイバのコア径は、シングルモードの光ファイバのコア径よりも大きいことから、光ファイバ3a,3bとしてマルチモードのものを用いると、ファブリペロ構造を持つ第1のセンサ100aから戻される光が効率的に光ファイバ3aのコアに戻されるとともに、ファブリペロ構造を持つ第2のセンサ100bから戻される光が効率的に光ファイバ3bのコアに戻されるという利点が得られることになる。
【0065】
すなわち、図12に示すように、ファブリペロ構造を持つ第1のセンサ100aや第2のセンサ100bから戻される光の一部は、光ファイバ3aや光ファイバ3bのクラッドに戻されることになるが、光ファイバ3aや光ファイバ3bのコア径が大きいと、そのクラッドに戻される光の割合が小さくなることで、第1のセンサ100aや第2のセンサ100bから戻される光が効率的に光ファイバ3aや光ファイバ3bのコアに戻されるという利点が得られるのである。
【0066】
一方、図8に示す干渉縞強度のモデル式から分かるように、ラインイメージセンサ9上に生成される干渉縞は、コヒーレンス長lc で規定される減衰係数を持つγ(A)という減衰項に従って、コヒーレンス長lc で規定される幅を持つことになる。
【0067】
したがって、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞がヤングの干渉計に基づく中央干渉縞の持つ幅から外れないと、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の移動を検出できないことになる。
【0068】
これから、La やLb の長さを大きくする必要があり、そのときにも、光ファイバ3aや光ファイバ3bのコアに光を効率的に戻すことができるようにするために、光ファイバ3aや光ファイバ3bのコア径を大きくする必要がある。
【0069】
このようにして、光ファイバ3a,3bとしてマルチモードのものを用いると、第1のセンサ100aから戻される光が効率的に光ファイバ3aのコアに戻されるようになるとともに、第2のセンサ100bから戻される光が効率的に光ファイバ3bのコアに戻されるようになるという利点が得られ、それにより、La 及びLb の長さを大きくできるようになることで、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の移動を正確に測定できるようになるという利点が得られることになる。
【0070】
次に、第1のセンサ100aや第2のセンサ100bのギャップ長Lに基づく光量ロスについて行ったシミュレーションの結果について説明する。
【0071】
このシミュレーションは、マクスウエルの電磁波方程式を解くビーム伝搬法(Beam Propagation Method) を実装した市販のソフトウェアパッケージを使い、光ファイバの外径を100μm、光ファイバのコアの屈折率を1.45、光ファイバのクラッドの屈折率を1.447、光の波長を0.84μm、ギャップ長Lの間にある媒体を空気層、光ファイバのコア径φを10/20/40/60μm、第1のセンサ100aや第2のセンサ100bのギャップ長Lを0.5/1/2.5/5/10/25/50/100μmとして行った。
【0072】
図13ないし図15に、このシミュレーションの結果を図示する。ここで、図14は、図13のシミュレーション結果の一部拡大図を示し、図15は、図14のシミュレーション結果の一部拡大図を示している。
【0073】
図13ないし図15において、横軸はギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)を表し、縦軸は光ファイバ中を1mm逆伝搬した場所での、入射光量に対する反射光量との比で定義される光量ロス(%)を示している。
【0074】
図14のシミュレーション結果から分かるように、0.1%の光量ロスを目安とした場合、コア径φが10μmの場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ0.5となることで、ギャップ長Lの上限値はおおよそ5μmであることが分かる。また、コア径φが20μmの場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ0.8となることで、ギャップ長Lの上限値はおおよそ16μmであることが分かる。また、コア径φが40μmの場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ1.2となることで、ギャップ長Lの上限値はおおよそ48μmであることが分かる。また、コア径φが60μmの場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ1.5となることで、ギャップ長Lの上限値はおおよそ90μmであることが分かる。
【0075】
そして、図15のシミュレーション結果から分かるように、0.01%の光量ロスを目安とした場合、コア径φが10μmの場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ0.2となることで、ギャップ長Lの上限値はおおよそ2μmであることが分かる。また、コア径φが20μmの場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ0.2となることで、ギャップ長Lの上限値はおおよそ4μmであることが分かる。また、コア径φが40μmの場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ0.4となることで、ギャップ長Lの上限値はおおよそ16μmであることが分かる。また、コア径φが60μmの場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ0.5となることで、ギャップ長Lの上限値はおおよそ30μmであることが分かる。
【0076】
このように、光量ロスの観点から、光ファイバ3aや光ファイバ3bのコア径が与えられるときに、第1のセンサ100aや第2のセンサ100bのギャップ長Lには上限値が存在することになる。
【0077】
例えば、コア径φが12.5μmとなる市販のシングルモードの光ファイバを用いる場合には、光量ロスを0.1%に抑える場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ0.6となることで、ギャップ長Lは7.5μm以下とする必要がある。また、コア径φが50μmとなる市販のマルチモードの光ファイバを用いる場合には、光量ロスを0.1%に抑える場合には、ギャップ長Lとコア径φとの比(L/φ)の上限値はおおよそ1.35となることで、ギャップ長Lは67μm以下とする必要がある。但し、光量ロスが大きくなることを許容する場合には、この上限値はこれよりも大きくなることは言うまでもない。
【0078】
なお、この条件は、あくまで、ファブリペロ構造を持つ第1のセンサ100aや第2のセンサ100bを想定したことによりでてきたものであり、受圧部が光導波路で構成されるような他の構造を持つ場合には、このような上限値に制限されるものでないことは言うまでもない。
【0079】
上述したように、第1のセンサ100aや第2のセンサ100bのギャップ長L(La,b ) を大きくすると、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞がヤングの干渉計に基づく中央干渉縞の持つ幅から大きく外れることで、その干渉縞の移動を正確に検出できるようになり有利である。
【0080】
例えば、図16(a)に示すシミュレーション結果は、シングルモードの光ファイバを想定することで「La =6μm、Lb =5μm」として、図8に示すモデル式に基づいて行ったシミュレーション結果を示しているが、この場合には、La,b が小さいことで、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞がヤングの干渉計に基づく中央干渉縞の持つ幅に入ってしまい、実質的にその干渉縞の移動を検出することができない。
【0081】
これに対して、図16(b)に示すシミュレーション結果は、マルチモードの光ファイバを想定することで「La =60μm、Lb =35μm」として、図8に示すモデル式に基づいて行ったシミュレーション結果を示しているが、この場合には、La,b を大きくとれることで、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞がヤングの干渉計に基づく中央干渉縞の持つ幅から外れることで、その干渉縞の移動を検出することができるのである。
【0082】
ここで、図16(a)(b)に示すシミュレーション結果は、h=100mm、a=1.0mm、中心波長λ0 =850nm、発光帯域半値全幅Δλ=22nm、コヒーレンス長lc (0.44×λ0 2/Δλ)=14μm、センサ素子長=8mmを想定して行った。
【0083】
なお、図中に示すコヒーレンス長lc はセンサ素子長と対比されるべきものではなくて、コヒーレンス長lc で規定される干渉縞の持つ幅を示しているものに過ぎない。
【0084】
このシミュレーション結果を見る限り、シングルモードの光ファイバを使えないという結論になってしまうが、そのようなことはない。
【0085】
例えば、図17に示すシミュレーション結果は、シングルモードの光ファイバを想定することで「La =20μm、Lb =7μm」として、図8に示すモデル式に基づいて行ったシミュレーション結果を示しているが、この場合には、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞がヤングの干渉計に基づく中央干渉縞の持つ幅から外れることで、その干渉縞の移動を検出することができる。
【0086】
ここで、この図17のシミュレーション結果は、La,b 以外の条件については、図16(a)(b)に示すシミュレーション結果と同じである。
【0087】
この図17のシミュレーション結果から分かるように、光ファイバとしては、マルチモードのものでなければならないということはなく、シングルモードのものを用いることも可能である。
【0088】
次に、図1に示した本発明を構成する各構成要素について詳細に説明する。
【0089】
(イ)光源1の構成
光源1は、低コヒーレント光を発光する白色光源である。これは、高いコヒーレンシーの光を用いると、中央干渉縞がなかなか減衰しないことで、その幅が大きくなり、これにより、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の位置を正確に検出することが不可能になるからである。
【0090】
図18ないし図21に、これを検証するために行ったシミュレーションの結果を図示する。
【0091】
ここで、このシミュレーションは、図7中に示すhを100mm、図7中に示すaを10mm、na を空気の屈折率である1、nb を空気の屈折率である1、光源1の発光波長を850nm、La =50μm、Lb =150μm,200μm,250μmとし、(イ)光源1の発光帯域半値全幅が0.44nmのときに生成される干渉縞と、(ロ)光源1の発光帯域半値全幅が2.2nmのときに生成される干渉縞と、(ハ)光源1の発光帯域半値全幅が22nmのときに生成される干渉縞と、(ニ)光源1の発光帯域半値全幅が44nmのときに生成される干渉縞とをシミュレーションすることで行った。
【0092】
図18に示すシミュレーション結果が光源1の発光帯域半値全幅が0.44nmのときに生成される干渉縞であり、図19に示すシミュレーション結果が光源1の発光帯域半値全幅が2.2nmのときに生成される干渉縞であり、図20に示すシミュレーション結果が光源1の発光帯域半値全幅が22nmのときに生成される干渉縞であり、図21に示すシミュレーション結果が光源1の発光帯域半値全幅が44nmのときに生成される干渉縞である。
【0093】
ここで、光源1のコヒーレンス長lc は、発光波長λ0 と発光帯域半値全幅Δλとから、
c =0.44×(λ0 2/Δλ)
により求められるので、図18に示すシミュレーション結果のコヒーレンス長lc は722μm、図19に示すシミュレーション結果のコヒーレンス長lc は144μm、図20に示すシミュレーション結果のコヒーレンス長lc は14μm、図21に示すシミュレーション結果のコヒーレンス長lc は7μmとなる。
【0094】
このシミュレーション結果から、発光帯域半値全幅が22nm程度の低いコヒーレンシーの光を発光する光源1を用意すれば、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の位置を検出することが可能になることが検証できた。
【0095】
すなわち、コヒーレンス長lc が大きくなると、コヒーレンス長lc で規定される幅を持つ中央干渉縞の幅が大きくなることで、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞が中央干渉縞の内部に埋もれてしまうことになって、その干渉縞の位置を検出することが不可能になるので、低いコヒーレンシーの光を発光する光源1を用いる必要がある。
【0096】
このような低いコヒーレンシーの発光を実現するために、図22に示すように、発光波長の異なる複数の光源1を用意して、それを光分波結合器4aに伝送するという構成を採ってもよい。
【0097】
(ロ)第1のセンサ100a/第2のセンサ100bの構成
第1のセンサ100aとしては、単一構成のものを用いる他に、図23に示すように、同一構造を持つ複数のものを光ファイバを使って並列接続することで構成されるものを用いるようにしてもよい。ここで、図中に示す11aは、並列接続を構成する各センサへの距離が等しくなるようにと設けられる光分波結合器である。
【0098】
第1のセンサ100aは、第1の測定点で発生する圧力を検出するものであり、このような複数並列接続構成のものを用いると、それぞれのセンサが入力光に対して同一の2na a という光路差を発生することで、光学的に平均値を算出していることになり、第1の測定点で発生する圧力を高精度に検出できるようになる。
【0099】
また、第2のセンサ100bとしては、単一構成のものを用いる他に、図23に示すように、同一構造を持つ複数のものを光ファイバを使って並列接続することで構成されるものを用いるようにしてもよい。ここで、図中に示す11bは、並列接続を構成する各センサへの距離が等しくなるようにと設けられる光分波結合器である。
【0100】
第2のセンサ100bは、第2の測定点で発生する圧力を検出するものであり、このような複数並列接続構成のものを用いると、それぞれのセンサが入力光に対して同一の2nb b という光路差を発生することで、光学的に平均値を算出していることになり、第2の測定点で発生する圧力を高精度に検出できるようになる。
【0101】
(ハ)ヤングの干渉計の構成
図1に示す実施形態例では、光分波結合器7を使って、第2のセンサ100bから逆伝送される光を光ファイバ8aと光ファイバ8bとに分波することで、ヤングの干渉計を構成している。
【0102】
干渉計の構成方法としては、このような構成方法に限られるものではなくて、図24ないし図30に示すような様々な構成方法(図24〜図26:ヤングの干渉計、図27〜図30:ルンマーゲールケの干渉計)を用いることが可能である。
【0103】
図24に示すヤングの干渉計の構成方法では、光分波結合器7を介して光ファイバ6に接続される光ファイバ8a,8bに代えて、光ファイバ6の前面に、2つのスリット又はピンホールを持つ光遮蔽板12を備えることで、ヤングの干渉計を構成している。
【0104】
また、図25に示すヤングの干渉計の構成方法では、シングルモードの光ファイバ8a,8bに代えて、2モードの光ファイバ13を接続することで、ヤングの干渉計を構成している。
【0105】
ここで、図25中に示す14は光ファイバ6と光ファイバ13とを接続するコネクタ、15a,15bは2モードの光ファイバ13から出射される光をラインイメージセンサ9に照射する全反射鏡である。
【0106】
また、図26に示すヤングの干渉計の構成方法では、図25の構成方法を用いるときに、更に、2モードの光ファイバ13から出射される光を直線偏光にする偏光子16を備える構成を採っている。偏光度を高めることで干渉性がよくなるので、偏光子16を備えるのである。
【0107】
また、図27に示すルンマーゲールケの干渉計の構成方法では、光ファイバ8a,8bに代えて、円錐状のガラス体17と、光ファイバ6から出射される光を平行にしてガラス体17の底面部に入射するレンズ18とを備えることで、ルンマーゲールケの干渉計(この構成方法では、2次元的な広がりを持つ干渉縞が生成される)を構成している。
【0108】
この構成に従って、レンズ18により平行化された光は、ガラス体17の持つテーパ部の間で多重反射を繰り返し、そのとき、その一部がガラス体17を通り抜けることで光路差Δが発生して、ルンマーゲールケの干渉計を構成することになる。
【0109】
ここで、ガラス体17の持つテーパ部には、部分反射鏡が形成されていることもある。また、ガラス体17とラインイメージセンサ9との間に、ガラス体17を通り抜けた光を平行化するレンズが設けられることもある。
【0110】
また、図28に示すルンマーゲールケの干渉計の構成方法では、図27の構成方法で用いる円錐状のガラス体17に代えて、テーパ部を持つ平面形状のガラス板19a,19bが2枚貼り合わされることで構成されるものを用いることで、ルンマーゲールケの干渉計を構成している。
【0111】
ここで、ガラス板19aとガラス板19bとの間には全反射鏡が形成されており、この構成に従って、この全反射鏡とテーパ部との間で多重反射を繰り返し、そのとき、その一部がガラス板19a,19bを通り抜けることで光路差Δが発生して、ルンマーゲールケの干渉計を構成することになる。
【0112】
また、図29に示すルンマーゲールケの干渉計の構成方法では、光ファイバ8a,8bに代えて、下面に全反射鏡が形成される平面ガラス板20と、光ファイバ6から出射される光を平行にして平面ガラス板20に入射するレンズ21とを備えることで、ルンマーゲールケの干渉計を構成している。
【0113】
この構成に従って、レンズ21により平行化された光は、平面ガラス板20の上面と下面との間で多重反射を繰り返し、そのとき、その一部が平面ガラス板20を通り抜けることで光路差Δが発生して、ルンマーゲールケの干渉計を構成することになる。
【0114】
また、図30に示すルンマーゲールケの干渉計の構成方法では、図29の構成方法で用いる平面ガラス板20に加えて、その平面ガラス板20の上に載置されるもう1つの平面ガラス板22を用いることで、ルンマーゲールケの干渉計を構成している。
【0115】
ここで、平面ガラス板20とその上に載置される平面ガラス板22との間に部分反射鏡が形成されており、この構成に従って、光路差Δが発生して、ルンマーゲールケの干渉計を構成することになる。
【0116】
なお、図29や図30のルンマーゲールケの干渉計を構成するにあたって、光路差を積極的に作り出すために、平面ガラス板20(平面ガラス板22)としてテーパを有するものを用いることが好ましい。
【0117】
(ニ)測定レンジの拡大を実現するヤングの干渉計の構成
図1に示す実施形態例では、光分波結合器7を使って、第2のセンサ100bから逆伝送される光を光ファイバ8aと光ファイバ8bとに分波することで、ヤングの干渉計を構成している。
【0118】
この場合、光ファイバ8a,8bの先端同士の間の距離(図7中に示す2a)により、干渉縞の位置が変化することになる。図9に示したシミュレーション結果は、a=10mmとして行ったシミュレーションの結果である。
【0119】
図31に、a=20mmとし、その他の条件については図9に示したシミュレーションと変えずに行ったシミュレーションの結果を図示する。図中の上段に示すものがa=20mmとして行ったシミュレーションの結果であり、下段に示すものがa=10mmとして行ったシミュレーションの結果(図9に示したもの)である。
【0120】
このシミュレーション結果から分かるように、光ファイバ8a,8bの先端同士の間の距離を小さくすると、干渉縞位置の展開の広がりが大きくなることが分かる。
【0121】
このことから、分かるように、測定する圧力差が大きいときには、光ファイバ8a,8bの先端同士の間の距離を大きくした方がよい。この距離を小さくすると、測定する圧力差が大きいときに、ラインイメージセンサ9の画素範囲を外れることが起こるからである。一方、測定する圧力差が小さいときには、光ファイバ8a,8bの先端同士の間の距離を小さくした方がよい。この距離を小さくすると、分解能が上がるからである。
【0122】
そこで、図32に示すように、光ファイバ8aを起点として、入力される光を2つに分波する光ファイバの1つ又は複数段の階層構造により構成されるとともに、光ファイバ8bを起点として、入力される光を2つに分波する光ファイバの1つ又は複数段の階層構造により構成されて、ラインイメージセンサ9(1つで構成されることもあるし、複数で構成されることもある)に光を出射する最終段の光ファイバの出射間隔がそれぞれ異なるものとなるものを用いることで、測定レンジの拡大を図る構成を採ることが好ましい。
【0123】
この構成を用いる場合には、演算装置10は、例えば、最初に、最も差圧測定レンジの大きなもので差圧を測定し、次に、その測定した差圧から、ラインイメージセンサ9の画素範囲に入る差圧測定レンジの内で、最も分解能の高い差圧測定レンジを選択して、それを使って差圧を再測定することで、最終的な差圧を測定するように処理することになる。
【0124】
(ホ)装置の小型化を実現する構成
図1に示す実施形態例を実装する装置の小型化を実現するには、図33や図34に示すように、光ファイバ2/光分波結合器4a/光ファイバ5/光分波結合器4b/光ファイバ6/光分波結合器7/光ファイバ8a/光ファイバ8bを、1つのプラットホームに集積化する構成を採ることが好ましい。
【0125】
更に、図32に示す測定レンジの拡大を実現する構成を用いる場合にも、図35に示すように、1つのプラットホームに集積化する構成を採ることが好ましい。
【0126】
ここで、第1のセンサ100aに接続される光ファイバ3aや、第2のセンサ100bに接続される光ファイバ3bについても、可能な範囲で、そのプラットホームに集積化することが好ましい。
【0127】
次に、本発明の他の実施形態例について説明する。図36に本発明の他の実施形態例を図示する。
【0128】
図1に示した実施形態例では測定点が2か所であったが、この実施形態例では測定点が5か所となっている。
【0129】
これに合わせて、図36の実施形態例は、第1のセンサ100a及び第2のセンサ100bに加えて、第3の測定点に設置されて、第3の測定点で発生する圧力に応じて入力光に光路差を発生させる第3のセンサ100cと、第4の測定点に設置されて、第4の測定点で発生する圧力に応じて入力光に光路差を発生させる第4のセンサ100dと、第5の測定点に設置されて、第5の測定点で発生する圧力に応じて入力光に光路差を発生させる第5のセンサ100eとを備える構成を採る。
【0130】
この第3のセンサ100cは、第1のセンサ100aと同一の構造に従って、入力光に対して、2nc c ( Lc は半透過鏡102cと全反射鏡101cとの間の距離、nc は半透過鏡102cと全反射鏡101cとの間にある物質の屈折率)という光路差を発生させる。
【0131】
一方、第4のセンサ100dは、第1のセンサ100aと同一の構造に従って、入力光に対して、2nd d ( Ld は半透過鏡102dと全反射鏡101dとの間の距離、nd は半透過鏡102dと全反射鏡101dとの間にある物質の屈折率)という光路差を発生させる。
【0132】
一方、第5のセンサ100eは、第1のセンサ100aと同一の構造に従って、入力光に対して、2ne e ( Le は半透過鏡102eと全反射鏡101eとの間の距離、ne は半透過鏡102eと全反射鏡101eとの間にある物質の屈折率)という光路差を発生させる。
【0133】
そして、第3のセンサ100c/第4のセンサ100d/第5のセンサ100eを用意することに合わせて、光分波結合器4bの分波する光を取り出すシングルモードの光ファイバ5αと、第3のセンサ100cに対応付けて設けられて、光ファイバ5αの取り出す光を第3のセンサ100cに伝送するシングルモードの光ファイバ3cと、光ファイバ5αと光ファイバ3cとを結合するとともに、光ファイバ3cを逆伝送してくる光を分波する光分波結合器4cと、光分波結合器4cの分波する光を取り出すシングルモードの光ファイバ5βと、第4のセンサ100dに対応付けて設けられて、光ファイバ5βの取り出す光を第4のセンサ100dに伝送するシングルモードの光ファイバ3dと、光ファイバ5βと光ファイバ3dとを結合するとともに、光ファイバ3dを逆伝送してくる光を分波する光分波結合器4dと、光分波結合器4dの分波する光を取り出すシングルモードの光ファイバ5γと、第5のセンサ100eに対応付けて設けられて、光ファイバ5γの取り出す光を第5のセンサ100eに伝送するシングルモードの光ファイバ3eと、光ファイバ5γと光ファイバ3eとを結合するとともに、光ファイバ3eを逆伝送してくる光を分波する光分波結合器4eとを備えるとともに、光ファイバ6が、その光分波結合器4eの分波する光を取り出して、光分波結合器7に伝送するという構成を採る。
【0134】
この構成に従って、ラインイメージセンサ9上には、2(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞や、2(na a −nc c )という光路差因子に基づく干渉縞というように、任意の2つの測定点の圧力差に対応付けられる干渉縞位置を持つ干渉縞が生成されることになる。
【0135】
これから、この実施形態例の本発明を用いることで、図37に示すように、複数の測定点の差圧を単一構成のセンサで一度に測定することが可能になる。
【0136】
この実施形態例の本発明を用いると、例えば、図38に示すような形態で、図中の▲1▼の位置に、第1の測定点の圧力と第2の測定点の圧力との差分値に応じた干渉縞が生成され、図中の▲2▼の位置に、第2の測定点の圧力と第3の測定点の圧力との差分値に応じた干渉縞が生成され、図中の▲3▼の位置に、第2の測定点の圧力と第4の測定点の圧力との差分値に応じた干渉縞が生成され、図中の▲4▼の位置に、第4の測定点の圧力と第5の測定点の圧力との差分値に応じた干渉縞が生成されることになるので、これらの干渉縞位置から、複数の測定点の差圧を単一構成のセンサで一度に測定することが可能になるのである。
【0137】
なお、干渉縞の位置は、圧力差(光路差)の小さいものほど中央干渉縞に近い位置に生成されることになるので、干渉縞の出現順序が変動する可能性があるが、通常の測定対象では、圧力差の順番が変わるようなことは起こらないので、本発明によるこのような複数の測定点の差圧測定が可能になる。
【0138】
ここで、図36の実施形態例の構成を用いる場合にあっても、光ファイバとして、シングルモードのものを用いることに限られる必要はなく、マルチモードのものを用いることも可能である。
【0139】
また、図36の実施形態例の構成を用いる場合にあっても、2つの測定点の圧力差がないときに発生する干渉縞が中央干渉縞と一致しないようになる、図11に示すような干渉縞を発生させるセンサを用いることができることは言うまでもない。
【0140】
以上に説明した実施形態例では、圧力に応答して全反射鏡101aなどが動くことで入力光に与える光路差を変化させる機能を持つ第1のセンサ100aなどを用いることで、圧力差を測定するようにしている。
【0141】
全反射鏡101aなどが温度に応答して動けば、本発明を用いることで温度差を測定できるようになるし、全反射鏡101aなどが磁界強度に応答して動けば、本発明を用いることで磁界強度差を測定できるようになるし、全反射鏡101aなどが電界強度に応答して動けば、本発明を用いることで電界強度差を測定できるようになる。このように、本発明は、その適用が圧力差の測定に限られるものではない。
【0142】
一方、本発明では、全反射鏡101aなどが動かなくても、全反射鏡101aなどと半透過鏡102aなどとの間にある物質の屈折率が変化することで、入力光に与える光路差を変化させる機能を持つセンサを用いることもできる。
【0143】
例えば、高分子ポリマーによっては、図39に示すように、温度によって屈折率を変化させるものがある。全反射鏡101aなどと半透過鏡102aなどとの間に、このような特性を持つ高分子ポリマーを置いておけば、温度差を測定することができるようになる。
【0144】
一般に、物質は、温度が変化したり、圧力が変化したり、濃度が変化したり、磁界が変化したり、電界が変化したりすると、その屈折率や長さが変化し、これにより、通過する光の位相差を変化させる。
【0145】
これから、そのような外部要因に敏感に反応して屈折率や長さを変化させる物質を、全反射鏡101aなどと半透過鏡102aなどとの間に置くことで、全反射鏡101aなどが動かなくても、本発明を用いることで、圧力差などを測定することが可能である。
【0146】
更に、このような外部要因に敏感に反応して屈折率や長さを変化させる物質を用いる場合には、本発明に関連する技術として、第1のセンサ100aなどのような反射型のセンサの代わりに、図40に示すように、透明なガラス板を平行に配置して、その2つのガラス板の間に、そのような外部要因に敏感に反応して屈折率や長さを変化させる物質を置くことで入力光に光路差を与える透過型のセンサが用意されることもある。
【0147】
図41に、このような透過型のセンサを用いるのに好適な本発明に関連する技術を図示する。
【0148】
の本発明に関連する技術では、第1の測定点で発生する圧力に応じて光路長を変化させる図40に示すような構造を持つ透過型の第1のセンサ200aと、第2の測定点で発生する圧力に応じて光路長を変化させる図40に示すような構造を持つ透過型の第2のセンサ200bとを使って、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との差分値を測定する構成を採っている。
【0149】
この第1のセンサ200aは、2つのガラス板の間の距離をLa で表すならば、入力光に対して、通過する際に、na a ( na は2つのガラス板の間にある物質の屈折率)という光路長を与える。一方、第2のセンサ200bは、第1のセンサ200aと同一の構造を有して、2つのガラス板の間の距離をLb で表すならば、入力光に対して、通過する際に、nb b ( nb は2つのガラス板の間にある物質の屈折率)という光路長を与える。
【0150】
以下、説明の便宜上、「na =nb 」を想定するとともに、第1の測定点と第2の測定点との間に圧力差がない場合に「La =Lb 」となる第1のセンサ200a及び第2のセンサ200bを用いることを想定する。
【0151】
このように構成されるときにあって、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との間に圧力差がない場合には、「La =Lb 」となり、第1のセンサ200aの持つ2つのガラス板の間にある物質と、第2のセンサ200bの持つ2つのガラス板の間にある物質とが同じであることで「na =nb 」となることから、第1のセンサ200aにより与えられる光路長na a と、第2のセンサ200bにより与えられる光路長nb b とは一致することになる。
【0152】
これに対して、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との間に圧力差がある場合には、この2つの光路長には違いがでる。
【0153】
図41に示す本発明に関連する技術は、この2つの光路長の違いを検出することで、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との差分値を測定する構成を採るものであり、低コヒーレント光を発光するLEDなどで構成される光源1(いわゆる白色光源で構成される光源1)と、光源1の発光する光を取り出して第1のセンサ200aに伝送するシングルモードの光ファイバ30aと、光ファイバ30aを伝送する光を2つに分波して、その一方を第1のセンサ200aに入力する光分波結合器31aと、光分波結合器31aの分波するもう一方の光を入力として、第1のセンサ200aをバイパスする経路を形成するシングルモードの光ファイバ32aと、第1のセンサ200aの出力する光と光ファイバ32aの出力する光とを結合する光分波結合器33aと、光分波結合器33aの出力する光を第2のセンサ200bに伝送するシングルモードの光ファイバ30bと、光ファイバ30bを伝送する光を2つに分波して、その一方を第2のセンサ200bに入力する光分波結合器31bと、光分波結合器31bの分波するもう一方の光を入力として、第2のセンサ200bをバイパスする経路を形成するシングルモードの光ファイバ32bと、第2のセンサ200bの出力する光と光ファイバ32bの出力する光とを結合する光分波結合器33bと、光分波結合器33bの分波する光を取り出すシングルモードの光ファイバ6と、光ファイバ6の取り出す光を2つに分波する光分波結合器7と、光分波結合器7の分波する一方の光を取り出すシングルモードの光ファイバ8aと、光分波結合器7の分波するもう一方の光を取り出すシングルモードの光ファイバ8bと、光ファイバ8a及び光ファイバ8bから出射される光により生成される干渉縞を検出するラインイメージセンサ9と、ラインイメージセンサ9の検出する干渉縞の縞位置から、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との間に圧力差を算出する演算装置10とを備える。
【0154】
の本発明に関連する技術に従う場合には、(1)第1のセンサ200aを透過してから、第2のセンサ200bを透過する光の伝送パターンと、(2)第1のセンサ200aをバイパスする光ファイバ32aを伝送してから、第2のセンサ200bをバイパスする光ファイバ32bを伝送する光の伝送パターンと、(3)第1のセンサ200aをバイパスする光ファイバ32aを伝送してから、第2のセンサ200bを透過する光の伝送パターンと、(4)第1のセンサ200aを透過してから、第2のセンサ200bをバイパスする光ファイバ32bを伝送する光の伝送パターンという、4種類の光の伝送パターンが存在することになる。
【0155】
光ファイバ32a,32bが与える光路長は固定であることを考慮すると、▲3▼の伝送パターンで伝送されると、入力光にはnb b という光路長が与えられ、▲4▼の伝送パターンで伝送されると、入力光にはna a という光路長が与えられ、これにより、ラインイメージセンサ9に向けて出射される光の位相差の中に、位相差=k×(na a −nb b )という位相差が存在することになる。
【0156】
この(na a −nb b )という光路差因子は、第1のセンサ200aの置かれる第1の測定点で発生する圧力と第2のセンサ200bの置かれる第2の測定点で発生する圧力との差圧を示しており、これから、図1の実施形態例で説明したように、この(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の移動量を検出することで、その差圧を算出することができる。
【0157】
このようにして、図41に示す本発明に関連する技術でも、(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の移動量を検出することで、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との差圧を測定できるようになる。
【0158】
ここで、図41に示す本発明に関連する技術の構成を用いる場合にあっても、光ファイバとして、シングルモードのものを用いることに限られる必要はなく、マルチモードのものを用いることも可能である。
【0159】
また、図41に示す本発明に関連する技術の構成を用いる場合にあっても、2つの測定点の圧力差がないときに発生する干渉縞が中央干渉縞と一致しないようになる、図11に示すような干渉縞を発生させるセンサを用いることができることは言うまでもない。
【0160】
また、図41に示す本発明に関連する技術の構成を用いる場合にあっても、第1のセンサ200aとして、単一構成のものを用いる他に、図42に示すように、同一構造を持つ複数のものを光ファイバを使って並列接続することで構成されるものを用いるようにしてもよい。
【0161】
第1のセンサ200aは、第1の測定点で発生する圧力を検出するものであり、このような複数並列接続構成のものを用いると、それぞれのセンサが入力光に対して同一のna a という光路長を与えることで、光学的に平均値を算出していることになり、第1の測定点で発生する圧力を高精度に検出できるようになる。
【0162】
また、第2のセンサ200bとして、単一構成のものを用いる他に、図42に示すように、同一構造を持つ複数のものを光ファイバを使って並列接続することで構成されるものを用いるようにしてもよい。
【0163】
第2のセンサ200bは、第2の測定点で発生する圧力を検出するものであり、このような複数並列接続構成のものを用いると、それぞれのセンサが入力光に対して同一のnb b という光路長を与えることで、光学的に平均値を算出していることになり、第2の測定点で発生する圧力を高精度に検出できるようになる。
【0164】
図41に示す本発明に関連する技術では、第1のセンサ200aをバイパスする光ファイバ32aを用いることで、第1のセンサ200aを通過する際に、入力光に対して、na a という光路差を発生させ、第2のセンサ200bをバイパスする光ファイバ32bを用いることで、第2のセンサ200bを通過する際に、入力光に対して、nb b という光路差を発生させるという構成を採ったが、図43に示すように、第1のセンサ200aをバイパスする光ファイバ32aの代わりに、入力光に対して、第1のセンサ200aとは異なる光路長q×na a (qは1以外の値)を与えるセンサ201aを用いるとともに、第2のセンサ200bをバイパスする光ファイバ32bの代わりに、入力光に対して、第2のセンサ200bとは異なる光路長q×nb b を与えるセンサ201bを用いるという構成を採ってもよい。
【0165】
この場合には、▲1▼第1のセンサ200aを透過してから、第2のセンサ200bを透過する光の伝送パターンと、▲2▼光ファイバ32aの代わりに設けるセンサ201aを透過してから、光ファイバ32bの代わりに設けるセンサ201bを透過する光の伝送パターンと、▲3▼光ファイバ32aの代わりに設けるセンサ201aを透過してから、第2のセンサ200bを透過する光の伝送パターンと、▲4▼第1のセンサ200aを透過してから、光ファイバ32bの代わりに設けるセンサ201bを透過する光の伝送パターンという、4種類の光の伝送パターンが存在することになる。
【0166】
この▲3▼の伝送パターンで伝送されると、入力光には「q×na a +nb b 」という光路長が与えられ、▲4▼の伝送パターンで伝送されると、入力光には「na a +q×nb b 」という光路長が与えられ、これにより、ラインイメージセンサ9に向けて出射される光の位相差の中に、位相差=k×(q−1)×(na a −nb b )という位相差が存在することになる。
【0167】
したがって、図43に示す構成を用いることでも、(q−1)×(na a −nb b )という光路差因子に基づく干渉縞の移動量を検出することで、第1の測定点で発生する圧力と第2の測定点で発生する圧力との差圧を測定することができるのである。
【0168】
この図43の構成を用いる場合にあっても、第1のセンサ200aとして、同一構造を持つ複数のものを光ファイバを使って並列接続することで構成されるものを用いるようにしてもよいし、光ファイバ32aの代わりに設けるセンサ201aとして、同一構造を持つ複数のものを光ファイバを使って並列接続することで構成されるものを用いるようにしてもよい。
【0169】
そして、第2のセンサ200bとして、同一構造を持つ複数のものを光ファイバを使って並列接続することで構成されるものを用いるようにしてもよいし、光ファイバ32bの代わりに設けるセンサ201bとして、同一構造を持つ複数のものを光ファイバを使って並列接続することで構成されるものを用いるようにしてもよい。
【0170】
ここで、図43に示す本発明に関連する技術の構成を用いる場合にあっても、2つの測定点の圧力差がないときに発生する干渉縞が中央干渉縞と一致しないようになる、図11に示すような干渉縞を発生させるセンサを用いることができることは言うまでもない。
【0171】
図41ないし図43では、測定点が2か所であったが、測定点が3か所以上である場合には、センサを直列的に接続する形態で光ファイバ及び光分波結合器を備えることになる。
【0172】
図41ないし図43に示す本発明に関連する技術の実現にあたっても、図32に示したように、光ファイバ8aを起点として、入力される光を2つに分波する光ファイバの1つ又は複数段の階層構造により構成されるとともに、光ファイバ8bを起点として、入力される光を2つに分波する光ファイバの1つ又は複数段の階層構造により構成されて、ラインイメージセンサ9(1つで構成されることもあるし、複数で構成されることもある)に光を出射する最終段の光ファイバの出射間隔がそれぞれ異なるものとなるものを用いることで、測定レンジの拡大を図る構成を採ることが好ましい。
【0173】
そして、図41ないし図43に示す本発明に関連する技術の実現にあたっても、小型化を実現するために、図33や図34や図35に示したように、可能な限りの光ファイバや光分波結合器を、1つのプラットホームに集積化するという構成を採ることが好ましい。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、距離的に離れた位置で測定される物理量の差分値を測定するにあたって、導圧管やリモートシールなどの代わりに光ファイバを用いて、光干渉を使ってその差分値を測定するという構成を採ることから、距離的に離れた位置で発生する物理量の差分値を周囲環境などに影響されずに正確に測定できるようになる。
【0175】
すなわち、光ファイバ中を伝送する全ての光波は同じ位相変動を受けることで、外乱による干渉はキャンセルし合うことになるので、本発明によれば、距離的に離れた位置で発生する物理量の差分値を周囲環境などに影響されずに正確に測定できるようになるのである。
【0176】
さらに、本発明では、距離的に離れた3か所以上の位置で測定される物理量の差分値についても、周囲環境などに影響されずに同時かつ正確に測定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例である。
【図2】光の伝送パターンの説明図である。
【図3】光の伝送パターンの説明図である。
【図4】光の伝送パターンの説明図である。
【図5】光の伝送パターンの説明図である。
【図6】光の伝送パターンの説明図である。
【図7】ヤングの干渉計の説明図である。
【図8】干渉縞の強度のモデル式である。
【図9】干渉縞生成のシミュレーション結果の説明図である。
【図10】演算装置の実行処理の説明図である。
【図11】干渉縞の移動の説明図である。
【図12】ファブリペロ構造を持つセンサの説明図である。
【図13】ファブリペロ構造を持つセンサの光量ロスのシミュレーション結果の説明図である。
【図14】ファブリペロ構造を持つセンサの光量ロスのシミュレーション結果の説明図である。
【図15】ファブリペロ構造を持つセンサの光量ロスのシミュレーション結果の説明図である。
【図16】干渉縞生成のシミュレーション結果の説明図である。
【図17】干渉縞生成のシミュレーション結果の説明図である。
【図18】光源コヒーレンシーのシミュレーション結果の説明図である。
【図19】光源コヒーレンシーのシミュレーション結果の説明図である。
【図20】光源コヒーレンシーのシミュレーション結果の説明図である。
【図21】光源コヒーレンシーのシミュレーション結果の説明図である。
【図22】光源構成の一実施形態例である。
【図23】センサ構成の一実施形態例である。
【図24】ヤングの干渉計の構成方法の説明図である。
【図25】ヤングの干渉計の構成方法の説明図である。
【図26】ヤングの干渉計の構成方法の説明図である。
【図27】ルンマーゲールケの干渉計の構成方法の説明図である。
【図28】ルンマーゲールケの干渉計の構成方法の説明図である。
【図29】ルンマーゲールケの干渉計の構成方法の説明図である。
【図30】ルンマーゲールケの干渉計の構成方法の説明図である。
【図31】干渉縞生成のシミュレーション結果の説明図である。
【図32】測定レンジを拡大する構成の一実施形態例である。
【図33】集積化構成の一実施形態例である。
【図34】集積化構成の一実施形態例である。
【図35】集積化構成の一実施形態例である。
【図36】本発明の他の実施形態例である。
【図37】本発明の使用形態の説明図である。
【図38】干渉縞生成のシミュレーション結果の説明図である。
【図39】高分子ポリマーの特性の説明図である。
【図40】入力光に光路差を与える透過型のセンサの説明図である。
【図41】 本発明に関連する技術の説明図である。
【図42】 本発明に関連する技術の説明図である。
【図43】 本発明に関連する技術の説明図である。
【図44】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 光源
2 光ファイバ
3a 光ファイバ
3b 光ファイバ
4a 光分波結合器
4b 光分波結合器
5 光ファイバ
6 光ファイバ
7 光分波結合器
8a 光ファイバ
8b 光ファイバ
9 ラインイメージセンサ
10 演算装置
100a 第1のセンサ
100b 第2のセンサ
101a 全反射鏡
101b 全反射鏡
102a 半透過鏡
102b 半透過鏡
103a レンズ
103b レンズ

Claims (6)

  1. 複数の測定個所のそれぞれに設置され、半透過鏡と全反射鏡とが物質を挟んで対向する形で設けられることで構成されて、該半透過鏡に入力される入力光に対して測定対象の物理量に応じた光路差を発生させて反射する複数のセンサと、
    最前段のセンサに対応付けて設けられて、そのセンサに光源の発光する光を伝送する光ファイバ手段と、
    最前段のセンサ以外の各センサに対応付けて設けられて、前段のセンサに対応付けて設けられる光ファイバ手段を逆伝送する光路差の発生された光を入力として、その光を対となるセンサに伝送する光ファイバ手段と、
    最後段のセンサに対応付けて設けられる光ファイバ手段を逆伝送する光路差の発生された光を入力として、その光を2つに分波する光学手段と、
    上記2つに分波された光により生成されて、2つのセンサの発生する光路差の差分値の大きさに応じて縞位置が決められることになる干渉縞を検知する検知手段と、
    上記干渉縞の縞位置の移動量を検出して、その検出結果に基づいて、2つのセンサの設置される測定個所に存在する測定対象の物理量の差分値を算出する算出手段とを備えることを、
    特徴とする物理量測定装置。
  2. 請求項1に記載の物理量測定装置において、
    上記センサの一部又は全てが、同一構造を持つ複数のセンサ並列接続されるもので構成されることを、
    特徴とする物理量測定装置。
  3. 請求項又は2に記載の物理量測定装置において、
    上記センサとして、上記半透過鏡と上記全反射鏡とのギャップ長が対となる上記光ファイバ手段のコア径から規定される長さ以内に入るものを用いることを、
    特徴とする物理量測定装置。
  4. 請求項ないしのいずれか1項に記載の物理量測定装置において、
    上記センサの組み合わせとして、測定対象の物理量の差分値がゼロであるときに同一の光路差を発生させないものを用いることを、
    特徴とする物理量測定装置。
  5. 請求項ないしのいずれか1項に記載の物理量測定装置において、
    上記光学手段により2つに分波された光を入力とする光学手段であって、入力光を2つに分波する光学手段単位の集まりで構成されて、後段の光学手段単位が前段の光学手段単位の出力光を入力光とする階層構造の形で接続され、さらに、上記検知手段に光を出射する最終段の光学手段単位の出射間隔がそれぞれ異なるものとなる光学手段を備えることを、
    特徴とする物理量測定装置。
  6. 請求項ないしのいずれか1項に記載の物理量測定装置において、
    上記光ファイバ手段の一部又は全てが1つの基板上に形成されるように構成されることを、
    特徴とする物理量測定装置。
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