JP3999032B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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JP3999032B2 JP2002128966A JP2002128966A JP3999032B2 JP 3999032 B2 JP3999032 B2 JP 3999032B2 JP 2002128966 A JP2002128966 A JP 2002128966A JP 2002128966 A JP2002128966 A JP 2002128966A JP 3999032 B2 JP3999032 B2 JP 3999032B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温接着性および耐湿熱性に優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドは耐熱性、耐薬品性、機械的強度、電気特性等に優れていることから耐熱性の求められる航空分野のみならず、フレキシブルプリント基板や半導体パッケージ等に代表される電子分野で用いられる耐熱性接着剤として多く適用されている。
【0003】
耐熱性及び接着力ともに優れているものとして、例えば、米国特許4,543,295号明細書に開示されたポリイミド樹脂が知られている。しかし、このようなポリイミド樹脂は優れた耐熱性を有しているものの、充分な接着強度を得るためには、高温の接着温度が必要であり、実用性で難点があった。
低温接着性に優れたものとして、例えば、特開平4−23879号公報に開示されたシリコーン変性ポリイミド樹脂が知られている。しかし、このようなポリイミド樹脂は、低温接着性は優れているものの、接着強度は充分ではなく、耐湿熱性が劣るという欠点があった。
【0004】
また、優れた接着強度を示すものとして、特開平6−145638号公報や特開平6−192639号公報等で開示された特定のポリアミド酸とビスマレイミドとから構成される樹脂が開発されているが、低温接着性という観点からはさらに改善の余地がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた低温接着性と優れた耐湿熱性を併せ持つ樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次式(2)
【化1】
Figure 0003999032
(上記式(2)中、Y 1 〜Y 12 は、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基を表す。
)で表されるジアミン化合物と、次式(3)
【化2】
Figure 0003999032
(上記式(3)中、Zは4価の有機基を表す。)で表されるテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリイミド樹脂:80〜95重量%と、
1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)メタン、
1,1−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、
1,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、
2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
4,4'−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、
ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ケトン、
ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルフィド、
ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン、および、
ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のビスマレイミド化合物:5〜20重量%とを含有することを特徴とする樹脂組成物(I)である。ただし、樹脂組成物(I)において、ポリイミド樹脂と下記特定のビスマレイミド化合物との合計は100重量%である。
【0014】
また、樹脂組成物(I)において、ポリイミド樹脂を形成するテトラカルボン酸二無水物が、下記式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが好ましい(樹脂組成物 II )。
【0015】
【化11】
Figure 0003999032
【0016】
上記式(4)中、Tは、
【0017】
【化12】
Figure 0003999032
【0018】
を表す。また、本発明のポリイミドフィルムは、上記樹脂組成物(I)または( II のポリイミド樹脂組成物からなる。さらに、本発明の接着性絶縁テープは、耐熱性フィルムの片面あるいは両面に、上記樹脂組成物(I)または( II のポリイミド樹脂組成物からなる層が積層されてなる。
【0019】
またさらに、本発明の金属積層体は、金属箔の少なくとも片面に、上記樹脂組成物(I)または( II のポリイミド樹脂組成物からなる層が積層されてなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に本発明の樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリイミド樹脂と、上記式(1)で表される特定のビスマレイミド化合物を含有する。
本発明で用いる式(1)で表されるビスマレイミド化合物において、式(1)中のR1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基である。
【0021】
ここで、ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができる。低級アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基およびネオペンチルオキシ基等を挙げることができる。
【0022】
式(1)で表されるビスマレイミド化合物は、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)メタン、1,1−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、1,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ブタン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エーテルである。本発明の樹脂組成物においては、これらのビスマレイミド化合物が単独で含有されていてもよいし、2種以上混在していてもよい。
【0023】
これらのビスマレイミド化合物は、それぞれ対応するジアミン化合物と無水マレイン酸を例えば特開平4−99764号公報記載の方法等で縮合、脱水反応させて製造することができる。
本発明の樹脂組成物の製造に際して、ポリイミド樹脂にビスマレイミド化合物を配合する方法の例としては、(イ)ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液にビスマレイミド化合物を添加しイミド化する方法、(ロ)ポリアミド酸の重合の際、例えば、ジアミン化合物またはテトラカルボン酸二無水物の導入時に、あるいは、重合の途中にビスマレイミド化合物を添加し、イミド化する方法、(ハ)ポリイミド溶液に添加する方法、(ニ)ポリアミド酸あるいはポリイミド樹脂の粉体とビスマレイミド化合物とを固体同士で混合する方法等が挙げられる。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、上記のようなビスマレイミド化合物と、ポリイミド樹脂とからなる。
ここで本発明の樹脂組成物を構成するポリイミド樹脂は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物との反応により得られる樹脂であり、本発明では、上記のような反応により得られるポリイミド樹脂を使用することができるが、特に上記式(2)で表されるジアミン化合物と上記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物から得られるポリイミド樹脂であることが好ましい。
ジアミン化合物
【0025】
【化13】
Figure 0003999032
【0026】
上記式(2)中、Y1〜Y12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基を表す。
本発明で好適に使用されるポリイミド樹脂を製造する式(2)で表されるジアミン化合物において、式(2)中のY1〜Y12は、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基を表し、ここで炭化水素基としては、低級アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル基、アリール基を表す。
【0027】
低級アルキル基は、炭素数が1〜8であって、その形態が、直鎖状、分岐状または環状であるアルキル基である。このような低級アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-へキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチル基等を挙げることができる。
【0028】
低級アルケニル基は、炭素数が2〜6であって、その形態が、直鎖状または分岐状のアルケニル基である。このような低級アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、4−ペンテニル基および5−ヘキセニル基等を挙げることができる。
アラルキル基は、炭素数7〜15のアラルキル基であり、このようなアラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基およびフェニルプロピル基等を挙げることができる。また、アリール基は、炭素数6〜15のアリール基であり、このようなアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基およびナフチル基等を挙げることができる。
【0029】
上記式(2)で表されるジアミン化合物の具体的な例としては、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−エチルベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)−5−sec−ブチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノ−6−メチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノ−6−エチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)−4−tert−ブチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,3−ジメチルベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−3−n−ブチルベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン等を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0030】
さらにこれらの中でも好ましいジアミン化合物の例としては、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンを挙げることができる。
テトラカルボン酸二無水物
【0031】
【化14】
Figure 0003999032
【0032】
上記式(3)中、Zは4価の有機基を表す。
本発明で好適に使用されるポリイミド樹脂を形成する式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’,4,4’’−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’’ ,4,4’’’−クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’’’ ,4,4’’’’−キンクフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン二無水物、ジフルオロメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2−テトラフルオロ−1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1、1、2、2、3、3−ヘキサフルオロ−1、3−トリメチレン−4、4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、チオ−4,4’−ジフタル酸二無水物、スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1、4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3−ビス〔2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン二無水物、ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタン二無水物、ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタンニ無水物、2,2−ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、メチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、オキシ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、チオ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、スルホニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2’−ジフルオロ−3,3’ ,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2、2’、5、5’、6、6’−ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’、6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、9−フェニル−9−(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ〔2,2,2〕オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物、9,9−ビス〔4−(2,3−ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物等を挙げることができる。
【0033】
これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
本発明の樹脂組成物を形成するポリイミド樹脂が、下記式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いて形成されたものであることが好ましい。
【0034】
【化15】
Figure 0003999032
【0035】
上記式(4)中、Tは、
【0036】
【化16】
Figure 0003999032
【0037】
を表す。
式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物の具体的な例としては、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、2,2’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,3’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,3’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物等が挙げられる。
【0038】
本発明で使用されるポリイミドの製造方法としては、ポリイミドを製造可能な方法が公知方法を含め全て適用できる。中でも、有機溶媒中で反応を行うことが好ましい。このような反応において用いられる溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス(2−(メトキシエトキシ)エチル)エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、フェノール、クレゾール、クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0039】
このジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とからポリイミド樹脂を調製する反応における反応原料の濃度は、通常、2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%であり、反応温度は、通常、60℃以下、好ましくは50℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧で充分実施できる。
また、反応時間は反応原料の種類、溶媒の種類および反応温度によって異なるが、通常0.5〜24時間である。
【0040】
このような重縮合反応により、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸が生成される。このポリアミド酸を100〜400℃に加熱してイミド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イミド化することにより、ポリアミド酸に対応する繰り返し単位構造を有するポリイミド樹脂が得られる。
また、130℃〜250℃で反応を行うことにより、ポリアミド酸の生成と熱イミド化反応が同時に進行し、本発明で使用するポリイミド樹脂を連続的に得ることができる。すなわち、ジアミン成分、酸二無水物成分とを有機溶媒中に懸濁または溶解させ、130〜250℃の加熱下に反応を行い、ポリアミド酸の生成と脱水イミド化とを同時に行わせることによりポリイミド樹脂を得ることができる。
【0041】
本発明の樹脂組成物は、上記ポリイミド樹脂と上記特定のビスマレイミド化合物とからなり、この樹脂組成物100重量%中におけるポリイミド樹脂の含有率は、70〜99重量%、好ましくは80〜95重量%であり、上記のビスマレイミド化合物の含有率は、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%である。ビスマレイミド化合物の含有量が重量%未満では(ポリイミド樹脂が99重量%を超えると)、本発明の樹脂組成物は、その目的とする低温接着性の向上に効果はなく、また、30重量%以上になると(ポリイミド樹脂が70重量%に満たないと)、樹脂組成物の耐湿熱性が低下する。
【0042】
本発明の樹脂組成物は、上記のようにポリイミド樹脂と上記特定のビスマレイミド化合物とからなるが、さらに本発明の樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲内で他の樹脂を含有していてもよい。ここで使用することができる他の樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニルスルフィド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアミドイミドおよびポリエーテルイミド等を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて本発明の樹脂組成物中に配合することができる。これらの他の樹脂を配合する際には、これらの他の樹脂の配合量は、本発明の樹脂組成物の特性を損なわない範囲内で適宜設定することがでいるが、本発明の樹脂組成物(ポリイミド樹脂とビスマレイミド化合物)100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは、0〜50重量部である。
【0043】
このようにして得られる本発明のポリイミド樹脂組成物は、非常に優れた耐熱性を有する熱可塑性の接着剤をして使用可能であり、さらに耐熱性を有する接着剤であるにも拘わらず、この樹脂組成物は、低温接着性にも優れている。
そして、本発明の樹脂組成物は、通常はガラス転移温度(Tg)を有しており、このガラス転移温度(Tg)は、通常は40〜250℃、好ましくは50〜200℃の範囲内にある。
【0044】
また、本発明の樹脂組成物は、耐湿熱性にも優れており、電子分野における耐熱性接着剤として卓越した特性を有している。
本発明のポリイミドフィルムは、上記のポリイミド樹脂と上記特定のビスマレイミド化合物とを含有する樹脂組成物から形成されている。
本発明のポリイミドフィルムを製造する方法は特に制限されるものではなく、例えば、(イ)ポリアミド酸溶液を、基材(ガラスプレート、金属プレートまたは耐熱性を有する樹脂フィルム)の上に塗布した後、加熱してイミド化する方法、(ロ)ポリイミド溶液を基材(ガラスプレート、金属プレートまたは耐熱性を有する樹脂フィルム)の上に塗布した後、加熱する方法等が挙げられる。本発明のポリイミドフィルムにおいて、その厚さに特に制限はないが、0.1〜100μm、好ましくは1〜50μmのフィルムが製造しやすい。
【0045】
本発明の接着性絶縁テープは、耐熱性フィルムの少なくとも一方の面に、上述した樹脂組成物からなる接着剤層が積層された構成を有する。
本発明の接着性絶縁テープには、接着剤層が耐熱性フィルムの片面だけに形成された片面テープ、接着剤層が耐熱性フィルムの両面に形成された両面テープの他、他の任意の層を有して構成される。
【0046】
本発明の接着性絶縁テープを作製するには、上述した樹脂組成物を含有する溶液を、耐熱性フィルムの片面あるいは両面に塗布し、乾燥すれば良い。その際、塗布後の厚みは、0.5〜100μm、好ましくは、1〜30μmである。
耐熱性フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂から形成されたフィルム、エポキシ樹脂−ガラスクロス、エポキシ樹脂−ポリイミド−ガラスクロス等の複合耐熱フィルム等が挙げられるが、特に本発明ではポリイミド樹脂からなるフィルムが、耐熱性や寸法安定性という観点から好ましい。耐熱性フィルムの厚みは、5〜130μm、好ましくは、12.5〜75μmである。
【0047】
本発明の金属積層体は、金属箔の少なくとも一方の面に上述した樹脂組成物からなる層が配置された構成を有する。本発明の金属積層体において、上述した樹脂組成物から形成される接着剤層は、金属箔の表面に直接積層されていてもよいし、金属箔との間に中間層を介して配置されていてもよい。中間層を有する場合、この中間層は、他の樹脂組成物から形成されていることが好ましく、この中間層を形成する樹脂が接着性層であってもよく、また非接着性層であってもよい。
【0048】
本発明の金属積層体は、上述した樹脂組成物を含有する溶液を、金属箔に塗布し乾燥すれば良い。その際、塗布後の厚さは、0.5〜100μmの範囲内にすることが好ましい。0.5μm未満では充分な接着力が得らないことがあり、100μmを超えても接着性は大きく向上しない。
本発明に使用される金属箔の厚さの範囲は3μm〜200μmである。このような金属箔は、金属箔を放熱板として使用することができるが、本発明の金属積層体を放熱板として使用する場合には、その厚さが50μm以上であることが好ましい。50μm未満では充分な放熱効果が得られにくい。また、放熱板として使用する場合における金属箔厚さの上限は、ポリイミド樹脂を連続的に塗布することを考えると、200μmが限界である。200μmを超えると搬送作業性が低下する。
【0049】
なお、上記の金属箔の厚さの限定は、この金属積層体を放熱板として使用する場合における厚さの限定であり、他の用途、例えば回路基板形成用の金属積層体の場合には、通常は3μm〜200μm、好ましくは3μm〜75μmであり、その他、この金属積層体の用途によって金属箔の厚さは上記範囲内に適宜設定することができる。
【0050】
また、本発明の金属積層体を形成する金属箔の種類としては、公知の金属箔、合金箔のいずれの箔状体であっても適用可能である。このような金属箔の具体的な例としては、圧延銅箔、電解銅箔、銅合金箔、ステンレス箔、アルミニウム箔が、コスト面、熱伝導性、剛性等の観点から好適である。
なお、本発明において、上述のポリイミドフィルム、接着性絶縁テープあるいは金属積層体の接着剤層の表面には剥離性の保護フィルムが配置されていてもよい。ここで使用される保護フィルムの例としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリプロピレン等を挙げることができる。また、このような保護フィルムの厚さに特に制限はないが、その取り扱いの容易性を考慮すると、通常は1〜200μm、好ましくは、10〜100μmの範囲内の厚さのフィルムが使用しやすい。
【0051】
このような保護フィルムを用いる場合に、この保護フィルムを形成する樹脂と本発明のポリイミドフィルム、接着性絶縁フィルムあるいは金属積層体における本発明の樹脂組成物から形成される接着剤層と保護フィルムとの90°剥離強度が0.01〜10g/cmの範囲になるように樹脂を選定することが好ましい。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を、実施例によりさら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中のポリイミドの物性は以下の方法により測定した。
ガラス転移温度(Tg):示差走査熱量計(株式会社マック・サイエンス製、DSC3110)により測定した。
【0053】
90°剥離接着強度:被着体を銅箔(日本電解株式会社製、SLP35、厚さ35μm)とし、IPC−TM−650method、2,4,9に従い測定した。
【0054】
【実施例1】
攪拌機及び窒素導入管を備えた容器に、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン15.6567g(0.0329モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド60.0001gを入れ、窒素雰囲気下において30分攪拌した。
【0055】
その後、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物10.0576g(0.0312モル)を溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、45℃で4時間攪拌した。
続いて、このポリアミド酸溶液に1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼンを全樹脂組成物の10重量%を占めるように配合し、45℃で1時間攪拌した。
【0056】
得られたビスマレイミド化合物含有ポリアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板上にキャストした後、50℃から270℃まで昇温速度7℃/分で加熱して、厚さ12μmのフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)は133℃であった。
また、得られたビスマレイミド化合物含有ポリアミド酸溶液の一部を銅箔(日本電解株式会社製、SLP−35、厚さ35μm)上にキャストし、50℃から270℃まで昇温速度7℃/分で加熱してポリイミド厚6μmの金属積層体を得た。
【0057】
低温接着性を評価するために、この金属積層体を銅箔(日本電解株式会社製、SLP−35、厚さ35μm)に、パルスボンダー(ケル株式会社製、TC−1320UD)を用いて、190℃、30kg/cm2、2秒で加熱圧着した。得られた試験片を用い、IPC−TM−650method、2,4,9に従って90°剥離試験を行った結果、1.1kg/cmであった。
【0058】
さらに、はんだ耐熱性を評価するために、金属積層体の接着層上に、25mm角、厚さ1mmにモールド樹脂(日立化成工業株式会社製、CEL9200−ME1)をプレス成形(成形条件:160℃、75kg/cm2、5分)、アニール(アニール条件:空気下、175℃、5時間)し試験片を10個作製した。この試験片を85℃/85%RHの雰囲気下で48時間放置した後、260℃のはんだ槽に30秒間浸漬し、その後、銅箔部分を塩化第二鉄溶液でエッチングした。10個の試験片につき、接着剤/モールド樹脂界面での剥離が発生したか否かを目視観察した結果、10個の試験片全てにおいて剥離は全く発生しなかった。
【0059】
【実施例2、実施例3】
1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼンを20重量%配合した以外(実施例2)および1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンを15重量%配合した以外(実施例3)は、実施例1と同様に重合、配合、評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0060】
【比較例1、比較例2】
ビスマレイミド化合物を配合しなかった以外(比較例1)及び1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼンを40重量%配合した以外(比較例2)は、実施例1と同様に重合、配合、評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0061】
【表1】
Figure 0003999032
【0062】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、ポリイミド樹脂と特定のビスマレイミド化合物からなり、この樹脂組成物は、低温接着性と耐湿熱性とを併せ有しており、さらに、電子分野において耐熱性接着剤等として好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 次式(2)
    Figure 0003999032
    (上記式(2)中、Y1〜Y12は、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基を表す。
    )で表されるジアミン化合物と、次式(4)
    Figure 0003999032
    (式(4)中、Tは、
    Figure 0003999032
    を表す。)で表されるテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリイミド樹脂:80〜95重量%と、
    1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、
    1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
    1,3−ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
    ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)メタン、
    1,1−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、
    1,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エタン、
    2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、
    2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ブタン、
    2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
    4,4'−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、
    ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ケトン、
    ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルフィド、
    ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン、および、
    ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のビスマレイミド化合物:5〜20重量%とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物からなるポリイミドフィルム。
  3. 耐熱性フィルムの片面あるいは両面に、請求項1に記載の樹脂組成物を積層させてなる接着性絶縁テープ。
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