JP3999013B2 - 移動体検出方法及び移動体検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮影装置(例えば、カメラ)で画像を撮影する際に、撮影装置が振動することで画像が振動する(画像がブレる)場合がある。
そこで、ビデオカメラ等の撮影装置には、画像のブレを抑制するために、ジャイロセンサ等の振動検出装置が設けられている場合がある。このような場合、振動検出装置の出力に基づいて画像を補正して、画像のブレを抑制している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、交通事故防止のために道路上を走行する移動体(車両等)の挙動を検出する目的で、予め、検出領域の道路付近の所定の位置に設置されている撮影装置には、一般的にジャイロセンサ等の振動検出装置は設けられていない。そこで、風の影響や道路を通行した大型車両等の影響による撮影装置の振動で画像が振動する(画像がブレる)事があった。そして、撮影した画像がブレていることで、移動体(車両等)の挙動を誤って検出する場合があった。
そこで、本発明は、画像の振動を容易に効果的に低減することができる画像処理方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本実施の形態に記載の発明は、所定時間間隔の複数の撮影画像を用いて画像の振動を補正する画像処理方法であって、前の撮影画像から、所定位置で特定画素数の第1基準画像を抽出し、次の撮影画像から、第1基準画像と同じ位置で同じ画素数の画像及び第1基準画像と同じ位置から設定画素数ずらした特定画素数の複数の画像を抽出して第1基準画像と比較し、第1基準画像と一致もしくは最近似している特定画素数の画像を第2基準画像とし、第2基準画像が第1基準画像から所定方向に所定画素数ずれた位置にある場合には、次の撮影画像を所定方向に所定画素数ずらして補正する画像処理方法である。
本実施の形態に記載の画像処理方法によれば、画像の振動を容易に効果的に低減することができる。
【0005】
また、請求項1に記載の発明は、対象とする道路を見渡せる高所からの検出領域を所定時間間隔で撮影して撮影画像を得て、前記検出領域における移動体を検出する移動体検出方法であって、前記撮影画像は複数の画素で構成され、各画素は当該画素毎の輝度データを有しており、前記撮影画像において第1基準画像とするための特定画素数の領域を設定する基準画像設定モードと、前記所定時間間隔で前記撮影画像を得て移動体を検出する撮 影モードとが切り換え可能である。
前記基準画像設定モードでは、前記領域を設定可能である。
そして、前記撮影モードでは、前記所定時間間隔で前記検出領域を撮影して撮影画像を得る。
前記撮影モードにおける時点[i]では、時点[i]における所定の画素数の撮影画像[i]と、撮影画像[i]に対してn回過去の撮影画像[i−n](nは、1以上の整数)とを用いて、撮影画像[i−n]の前記領域から前記特定画素数の第1基準画像を抽出し、撮影画像[i]から、前記第1基準画像と同じ前記領域の位置から縦方向に±a画素数、横方向に±b画素数(a、bは整数)ずらした前記特定画素数の合計(2a+1)*(2b+1)種類の比較画像を抽出し、抽出した比較画像のそれぞれについて比較画像中の各位置の画素と、前記第1基準画像において対応する位置の画素との輝度データの差分の絶対値の和を求め、前記和が最も小さな比較画像を、前記第1基準画像と一致もしくは最近似している第2基準画像とし、前記第2基準画像の位置における、前記第1基準画像から所定方向に所定画素数のずれに応じて、撮影画像[i]を前記所定方向に前記所定画素数ずらして補正した撮影画像[i]を得る。
そして、前記撮影モードにおける時点[i+n]では、補正した撮影画像[i−n]と、補正した撮影画像[i]と、補正した撮影画像[i+n]とを用いて、補正した撮影画像[i−n]と補正した撮影画像[i]との差分に基づいた2値化画像[i−n、i]と、補正した撮影画像[i]と補正した撮影画像[i+n]との差分に基づいた2値化画像[i、i+n]との論理積からマスク画像[i]を求め、求めたマスク画像[i]と補正した撮影画像[i]とに基づいて、時点[i]における移動体画像[i]を得て、前記所定時間間隔で連続的に得た複数の移動体画像から接近してくる移動体を検出した場合に警報を発生する移動体検出方法である。
請求項1に記載の移動体検出方法によれば、画像の振動を確実に低減することができる。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動体検出方法であって、撮影画像[i]から、前記第1基準画像と同じ前記領域の位置から縦方向に±a画素数、横方向に±b画素数(a、bは整数)ずらした前記特定画素数の合計(2a+1)*(2b+1)種類の比較画像を抽出する代わりに、撮影画像[i]から、前記第1基準画像と同じ前記領域の位置から縦方向に±a画素数、横方向に±b画素数(a、bは整数)ずらした前記特定画素数の合計(2a+1)*(2b+1)種類の画像の中から所定の画像を抽出して比較画像とする移動体検出方法である。
請求項2に記載の画像処理方法によれば、画像の振動を低減するために画像を補正する演算が容易である。
【0007】
また、本実施の形態に記載の発明は、各撮影画像を構成する複数の画素は、各画素毎の輝度データを有し、他の画像と一致もしくは近似しているか否かを判別する際には、対応する各画素間の輝度データの差分の絶対値の加算を比較して判別する画像処理方法である。
本実施の形態に記載の画像処理方法によれば、画像の振動を低減するために画像を補正する演算が容易である。
【0008】
また、本実施の形態に記載の発明は、撮影装置と処理装置とを備え、撮影装置は、所定時間間隔で複数の画像を撮影し、処理装置は、所定時間間隔で撮影された画像に基づき本実施の形態に記載の画像処理方法を用いて画像の振動を補正する画像処理装置である。
本実施の形態に記載の画像処理装置によれば、画像の振動を容易に効果的に低減することができる。
【0009】
また、本実施の形態に記載の発明は、処理装置を備え、処理装置は、所定時間間隔で撮影された複数の画像に基づき本実施の形態に記載の画像処理方法を用いて画像の振動を補正する画像処理装置である。
本実施の形態に記載の画像処理装置によれば、画像の振動を容易に効果的に低減することができる。
【0010】
また、本実施の形態に記載の発明は、検出領域を所定時間間隔で撮影し、撮影画像を得るとともに記憶し、本実施の形態に記載の画像処理方法を用いて、時点[i]における所定の画素数の撮影画像[i]と、撮影画像[i]に対してn回過去の撮影画像[i−n](nは、1以上の整数)と、撮影画像[i]に対してn回未来の撮影画像[i+n]とを用いて移動体を検出する移動体検出方法である。
本実施の形態に記載の移動体検出方法によれば、移動体を検出する精度が良い。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、撮影装置と、処理装置と、警報装置と、を備え、撮影装置は、所定時間間隔で、検出領域の画像を撮影し、処理装置は、所定時間間隔で撮影された画像に基づき請求項1または2に記載の移動体検出方法を用いて移動体の移動方向を検出し、接近してくる移動体を検出した場合に警報動作信号を出力し、警報装置は、警報動作信号が入力されると警報を発生する移動体検出装置である。
請求項3に記載の移動体検出装置によれば、移動体を検出する精度が良い。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、処理装置と、警報装置と、を備え、処理装置は、所定時間間隔で撮影された検出領域の画像に基づき請求項1または2に記載の移動体検出方法を用いて移動体の移動方向を検出し、接近してくる移動体を検出した場合に警報動作信号を出力し、警報装置は、警報動作信号が入力されると警報を発生する移動体検出装置である。
請求項4に記載の移動体検出装置によれば、移動体を検出する精度が良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の画像処理方法を移動体検出装置に適用した場合について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の画像処理方法を適用した移動体検出装置の一実施の形態の概略構成図を示している。
図1では、移動体Cが、見通しの悪い路地βから幹線道路αを横断しようとしている(直進しようとしている)例を示している。この例では、移動体Cの左側には障害物γがあり、移動体Cからの視界では、左側の幹線道路αが見えない状況にある。
通常の場合は、移動体Cの運転者は、徐行して交差点に近づき、(幹線道路αの)左右の交通状況を確認する。そして、幹線道路αを走行して交差点に向かって来る移動体(車両等)が存在しないことを確認した後に、幹線道路αを横断する。しかし、夕暮れ時等、薄暗い場合では、移動体Cの運転者が、幹線道路αを走行して交差点に向かって来る移動体Aの存在を見落とし、交通事故につながる可能性がある。
そこで、移動体Cの運転者に、交差点に向かってくる移動体Aの存在を報知するために、移動体検出装置を設置する。
【0014】
まず、移動体検出装置の構成と簡単な動作について説明する。
移動体検出装置の撮影装置1は、移動体Aが接近する事を見渡すことができる高所に設置されている。例えば、図1に示す、支持部材5の上部に固定されて設置されている。そして、撮影装置1は、所定時間間隔で、(図1中の移動体Aを含む)検出領域の画像を撮影する。
処理装置2は、所定時間間隔で、撮影された画像を記憶装置3に記憶するとともに、記憶装置3に記憶されている撮影画像をプログラムに従って処理して移動体を検出する。そして、処理装置2は、幹線道路αを走行して交差点に向かって来る移動体Aを検出すると、警報装置4に警報動作信号を送る。
警報装置4は、処理装置2から警報動作信号を受け取ると、音声あるいは光等(警報の方法は、種々の方法が可能である)で警報を発生する。移動体Cの運転者は、警報装置4から警報が発生していることにより、交差点に他の移動体(この場合は、移動体A)が進入してくることを判別することができる。これにより、安全に幹線道路αを横断することができる。
なお、撮影装置1、処理装置2、記憶装置3、警報装置4は、各々個別の装置であってもよいし、いくつかをまとめた装置(図1の例では、処理装置2と記憶装置3をまとめている)であってもよい。また、処理装置2と警報装置4は、無線回線で接続してもよいし、有線回線で接続してもよい。また、設置場所も、種々変更が可能である。
また、各装置の駆動用電源としては、交流電源を用いてもよいし、太陽電池を用いてもよいし、交流電源あるいは太陽電池の双方を具備し、必要に応じて切り替えて用いてもよい。電源には、種々の電源を用いることができる。なお、太陽電池を備える場合は、例えば、電池パネルを撮影装置1の上部等に設ける。
【0015】
次に、各動作について詳細を説明する。
◆[撮影装置1の設置と初期設定]
撮影装置1は、前述したように、一般的に移動体Aが接近する事を見渡すことができる高所に設置する。本実施の形態では、支持部材5の上部に固定されて設置している。
ここで、撮影装置1で撮影する撮影画像は、図3に示すように、横方向(X方向)に10画素(X=0〜9)及び縦方向(Y方向)に10画素(Y=0〜9)が整然と配列されていて、各画素は明るさ(輝度)をデジタル変換した階調値(輝度データ)を有する場合について説明する。以下、X方向が“3”及びY方向が“3”の位置の画素の階調値がAである事をf(3、3)=Aと表す。実際の撮影画像では、例えば、X方向480画素及びY方向640画素程度である。
まず、撮影装置1を「基準画像設定モード」に切り換える。撮影装置1には、例えば、モード切り換えスイッチ(図示していない)が設けられていて、スイッチを切り換えることにより、「基準画像設定モード」か「撮影モード」を切り換えられる構成となっている。
「基準画像設定モード」に設定したら、基準画像とする領域を選択する。例えば、撮影装置1のファインダーを通して検出領域を目視すると、図3に示すように、基準画像とする領域が太枠で囲まれている。この領域でよければ、撮影装置1の決定キー(図示していない)を操作する。これにより、第1基準画像11が設定される(初期設定)。図3に示す第1基準画像11は、f(X、Y)(3≦X≦6、3≦Y≦6、X及びYは整数)の画素で構成される画像である。基準画像は、検出する移動体(例えば、移動体D)が含まれる可能性の低い背景であり、建造物等の動かない物に設定する事が望ましい。また、前述したように、撮影画像が一般的なX方向480画素及びY方向640画素程度の画像である場合、第1基準画像は、X方向50画素及びY方向50〜100画素程度である。
ここで、撮影装置1に、モード切り換えスイッチはなくてもよい。例えば、撮影装置1に電源が投入されると、自動的に基準画像を設定するモードになってもよい。
【0016】
◆[画像撮影]
次に、撮影装置1を「撮影モード」に切り換える。
撮影装置1は、所定時間間隔(例えば、1/8秒間隔)で検出領域を撮影し、処理装置2は撮影画像を記憶装置3に記憶する。例えば、時間[i−1]、[i]、[i+1]で、撮影画像[i−1]、撮影画像[i]、撮影画像[i+1]を得るとともに記憶装置3に記憶している。
図3に、撮影画像[i−1]の一例を、図4に撮影画像[i]の一例を示す。
図3、図4中の建造物40に着目すると明らかであるが、図4に示す撮影画像[i]を撮影した時に、撮影装置1が何らかの原因で一点鎖線矢印方向に動き、撮影画像がブレている。これにより、移動体Dは、実際には移動しているにもかかわらず、撮影画像[i−1]と撮影画像[i]を比較すると、同じ位置にあり、あたかも移動していないかのように見える。このような場合、移動体Dがあるにもかかわらず、移動体として検出できない可能性が生じる。
【0017】
◆[画像のブレの補正]
そこで、図3に示すようにな予め設定しておいた撮影画像[i−1]の第1基準画像11と、撮影画像[i]において第1基準画像11と同じ位置で同じ画素数の画像及びその付近の同じ画素数の画像とを比較して、第1基準画像11と一致もしくは最近似している画像を検索する。
例えば、図5(1)〜(6)に示すように、撮影画像[i]において第1基準画像11と同じ位置から±2画素ずつ上下左右にずらした合計25{=(2×2+1)*(2×2+1)}通りの比較画像と、撮影画像[i−1]の第1基準画像11とを比較する。図5(1)〜(6)は、25通りの比較画像中の一部を図示したものである。そして、撮影画像[i−1]の第1基準画像11と一致もしくは最近似している比較画像を検索する。
【0018】
例えば、図5の(1)に示す撮影画像[i]における比較画像12と第1基準画像11とを比較する場合について説明する。比較画像12は、g(X、Y){(1≦X≦4、1≦Y≦4、X及びYは整数)}の画素で構成される画像である。つまり、撮影画像[i−1]の第1基準画像11の位置から、図5において上方向に2画素、左方向に2画素ずれた位置にある。比較画像12と第1基準画像11が一致もしくは近似しているか否か判別する際には、比較画像12と第1基準画像11の対応する画素間の階調値(輝度データ)を比較する。この場合、f(3、3)=A、f(4、3)=B・・また、g(1、1)=A’、g(2、1)=B’・・とすると、例えば、D(1)=|A’−A|+|B’−B|・・を演算する(差分階調値の絶対値の和)。次に、図5の(2)に示す撮影画像[i]における比較画像13と第1基準画像11とを比較し、同様にして、D(2)を演算する。このように、比較画像12〜37の25種類について、D(1)〜D(25)を演算し、Dが最も小さい値である比較画像を撮影画像[i]の第2基準画像21とする。本実施の形態では、図5の(4)に示す比較画像16の場合のD(16)が最も小さい値であることを判別する。
【0019】
このように、第2基準画像21が決定したら、図6に示すように、第2基準画像21と第1基準画像11の位置を比較する。この場合、第2基準画像21は、第1基準画像11の位置から、図6において右方向に2画素及び上方向に2画素ずれた位置である。
そこで、撮影画像[i]全体を、右方向に2画素及び上方向に2画素ずらして補正する(図6の点線の位置)。これにより、撮影画像[i]の建造物40が、撮影画像[i−1]とほぼ同じ位置に補正され、移動体Dが移動していることがわかる画像に補正される。
このようにして、1つ前の撮影画像と現在の撮影画像を比較して、現在の撮影画像を補正していく。撮影画像を補正するためには、現状の移動体検出装置では、10msec程の時間を要するが、人間の目では分からない程度の時間であり、撮影画像を補正して画像をずらしても、なめらかに移動しているように見える。
【0020】
撮影画像[i]における比較画像12〜37の25種類全部について、D(1)〜D(25)を演算する場合を説明したが、25種類全部について比較しなくてもよい。
例えば、図7の(7)に示すように、第1基準画像の画素f(3、3)に対応する、比較画像の画素に着目すると、左方向に2画素及び上方向に2画素ずらした比較画像12におけるf(3、3)に対応する画素は、g(1、1)である(図5の(1)に示す場合)。また、左方向に1画素及び上方向に2画素ずらした比較画像13におけるf(3、3)に対応する画素は、g(2、1)である(図5の(2)に示す場合)。また、上方向に2画素ずらした比較画像14におけるf(3、3)に対応する画素は、g(3、1)である(図5の(3)に示す場合)。
図7の(8)には、基準画像[i−1]のf(3、3)と比較する、基準画像[i]の比較画像12〜37における各画素である。例えば、比較画像12〜37の25種類全部と比較しない場合は、図7の(8)のように、比較画像を交互に用いても良い。例えば、f(3、3)とg(1、1)は比較する(比較画像12)。f(3、3)とg(2、1)は比較しない(比較画像13)。f(3、3)とg(3、1)は比較する(比較画像14)。同様に、図7の(8)において、◎の箇所(13種類)においてはf(3、3)と比較する。このように、比較画像12〜37の25種類から一部を抽出して比較してもよい。
これによれば、一致もしくは最近似している比較画像を検出する演算が早い。このように、画像処理をすることにより、既存の撮影装置1に、振動検出装置等を取付けることなく、プログラムの変更や追加により画像の振動を容易に低減することができる。
【0021】
◆[移動体の検出]
前述のようにして、撮影画像を得ることで、移動体を精度良く検出することができる。
図2に示すように、時間[i]の時点では、処理装置2は、撮影画像[i]を得て記憶装置3に記憶し、更に、撮影画像[i−1]と撮影画像[i]との差分に基づいて2値化した2値化画像[i−1、i]を求め、記憶装置3に記憶する。この例では、2値化画像は、移動体が黒色で示され、移動体を除いた背景が白色で示されている(黒色と白色の2値で表現されている)。時間[i−1]と時間[i]が非常に近接した時間なので、天候等の変化による背景の明るさ等の変化がほとんどなく、適切に背景を除去することが可能である。
時間[i+1]の時点では、処理装置2は、撮影画像[i+1]を得て記憶装置3に記憶し、撮影画像[i]と撮影画像[i+1]との差分に基づいて2値化した2値化画像[i、i+1]を求め、記憶装置3に記憶する。そして、2値化画像[i−1、i]と2値化画像[i、i+1]との論理積から、マスク画像[i]を求める。ここで、マスク画像は、2値で表現されており、時間[i+1]で得られるマスク画像は、時間[i+1]に対応するマスク画像でなく、時間[i]に対応するマスク画像[i]である。
続いて、求めたマスク画像[i]と、時間[i]に対応する撮影画像[i]とに基づいて、移動体画像[i]を得る。撮影画像[i]からマスク画像[i]の黒色部分のみを抽出したものが移動体画像[i]である。移動体画像は、撮影画像から移動体以外の背景が除去され、移動体のみが存在している。
このように、所定間隔で撮影した撮影画像に基づいて、所定時間間隔の移動体画像を得ることができる。また、このような処理を連続的に行い、複数の移動体画像を得ることができる。そして、複数の移動体画像から移動体の移動方向、移動速度、位置等を演算することができる。
【0022】
本発明の画像処理方法及び装置は、本実施の形態で説明した構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本発明は、移動体検出装置に限定されず、種々の装置に適用することが可能である。
本実施の形態では、輝度データ(階調値)を用いて説明したが、色彩情報を用いることも可能である。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
本実施の形態で示した各画像、テーブル及びグラフ等は一例であり、これらの画像、テーブル及びグラフ等に限定されるものではない。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
基準画像と比較画像が一致するか最近似するかを判別する方法は、実施の形態に限定されるものではなく、他の方法を用いてもよい。例えば、(1)画像内の平均階調値の差の絶対値、(2)画像内の画素の階調値の標準偏差の差の絶対値、(3)画像内の画素の階調値の相互相関係数、(4)画像内の画素の階調値のフーリエ係数により一致度、でもよい。
基準画像や比較画像は、実施の形態のように、X方向x画素×Y方向y画素の四角形ではなくてもよい。例えば、略円状でもよい。
また、撮影画像の画素数は、実施の形態に限定されない。
また、第1基準画像及び比較画像の画素数は、実施の形態に限定されない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本実施の形態に記載の画像処理方法によれば、画像の振動を容易に効果的に低減することができる。
また、請求項1に記載の移動体検出方法によれば、画像の振動を確実に効果的に低減することができる。
また、請求項2に記載の移動体検出方法によれば、画像の振動を低減するために画像を補正する演算が容易である。
また、本実施の形態に記載の画像処理装置によれば、画像の振動を容易に効果的に低減することができる。
また、本実施の形態に記載の移動体検出方法によれば、移動体を検出する精度がよい。
また、請求項3、4に記載の移動体検出装置によれば、移動体を検出する精度がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 移動体検出装置の一実施の形態の概略構成図である。
【図2】 移動体検出方法の検出原理を説明する図である。
【図3】 本発明の実施の形態を説明する図である。
【図4】 本発明の実施の形態を説明する図である。
【図5】 本発明の実施の形態を説明する図である。
【図6】 本発明の実施の形態を説明する図である。
【図7】 本発明の実施の形態を説明する図である。
【符号の説明】
1 撮影装置
2 処理装置
3 記憶装置
4 警報装置
11 第1基準画像
12〜37 比較画像
40 建造物
Claims (4)
- 対象とする道路を見渡せる高所からの検出領域を所定時間間隔で撮影して撮影画像を得て、前記検出領域における移動体を検出する移動体検出方法であって、
前記撮影画像は複数の画素で構成され、各画素は当該画素毎の輝度データを有しており、
前記撮影画像において第1基準画像とするための特定画素数の領域を設定する基準画像設定モードと、前記所定時間間隔で前記撮影画像を得て移動体を検出する撮影モードとが切り換え可能であり、
前記基準画像設定モードでは、前記領域を設定可能であり、
前記撮影モードでは、前記所定時間間隔で前記検出領域を撮影して撮影画像を得て、
前記撮影モードにおける時点[i]では、
時点[i]における所定の画素数の撮影画像[i]と、撮影画像[i]に対してn回過去の撮影画像[i−n](nは、1以上の整数)とを用いて、
撮影画像[i−n]の前記領域から前記特定画素数の第1基準画像を抽出し、
撮影画像[i]から、前記第1基準画像と同じ前記領域の位置から縦方向に±a画素数、横方向に±b画素数(a、bは整数)ずらした前記特定画素数の合計(2a+1)*(2b+1)種類の比較画像を抽出し、抽出した比較画像のそれぞれについて比較画像中の各位置の画素と、前記第1基準画像において対応する位置の画素との輝度データの差分の絶対値の和を求め、前記和が最も小さな比較画像を、前記第1基準画像と一致もしくは最近似している第2基準画像とし、
前記第2基準画像の位置における、前記第1基準画像から所定方向に所定画素数のずれに応じて、撮影画像[i]を前記所定方向に前記所定画素数ずらして補正した撮影画像[i]を得て、
前記撮影モードにおける時点[i+n]では、
補正した撮影画像[i−n]と、補正した撮影画像[i]と、補正した撮影画像[i+n]とを用いて、
補正した撮影画像[i−n]と補正した撮影画像[i]との差分に基づいた2値化画像[i−n、i]と、補正した撮影画像[i]と補正した撮影画像[i+n]との差分に基づいた2値化画像[i、i+n]との論理積からマスク画像[i]を求め、
求めたマスク画像[i]と補正した撮影画像[i]とに基づいて、時点[i]における移動体画像[i]を得て、
前記所定時間間隔で連続的に得た複数の移動体画像から接近してくる移動体を検出した場合に警報を発生する、
移動体検出方法。 - 請求項1に記載の移動体検出方法であって、
撮影画像[i]から、前記第1基準画像と同じ前記領域の位置から縦方向に±a画素数、横方向に±b画素数(a、bは整数)ずらした前記特定画素数の合計(2a+1)*(2b+1)種類の比較画像を抽出する代わりに、
撮影画像[i]から、前記第1基準画像と同じ前記領域の位置から縦方向に±a画素数、横方向に±b画素数(a、bは整数)ずらした前記特定画素数の合計(2a+1)*(2b+1)種類の画像の中から所定の画像を抽出して比較画像とする、
移動体検出方法。 - 撮影装置と、処理装置と、警報装置と、を備え、
撮影装置は、所定時間間隔で、検出領域の画像を撮影し、
処理装置は、所定時間間隔で撮影された画像に基づき請求項1または2に記載の移動体検出方法を用いて移動体の移動方向を検出し、接近してくる移動体を検出した場合に警報動作信号を出力し、
警報装置は、警報動作信号が入力されると警報を発生する、
移動体検出装置。 - 処理装置と、警報装置と、を備え、
処理装置は、所定時間間隔で撮影された検出領域の画像に基づき請求項1または2に記載の移動体検出方法を用いて移動体の移動方向を検出し、接近してくる移動体を検出した場合に警報動作信号を出力し、
警報装置は、警報動作信号が入力されると警報を発生する、
移動体検出装置。
Priority Applications (1)
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