JP3998995B2 - 入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータのキーボードやその他の複数の入力部を有する入力装置に係り、特に操作入力部の特定を短時間で行える入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータのキーボードなどの入力装置は、複数のスキャンラインと複数の検出ラインが互いに交差するマトリクス回路を有し、マトリクス回路上において、スキャンラインと検出ラインの交点にキースイッチが配置されている。
【0003】
パーソナルコンピュータが電池駆動されるとき、キースイッチがどれも押されない状態が所定の時間以上継続すると、入力装置は消費電力を抑えるためにスタンバイモードにされる。スタンバイモードのときにキースイッチのどれかが押されると、スタンバイモードが解除され、押されたキースイッチを特定するためのキースキャンが行われる。このキースキャンでは、スキャンラインに1本ずつドライブ電圧が順番に印加され、このとき電流が流れる検出ラインを検出することにより、スキャンラインと検出ラインのどの交点に位置するキースイッチが操作されたかが検出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような入力装置では、スタンバイモードが解除される直前に押されたキースイッチを見つけるためのキースキャンにおいて、スキャンラインに1本ずつ順番にドライブ電圧が印加されるため、前部のスキャンラインの走査が完了するまで時間がかかる。したがって、最初に押されたキースイッチの検知が間に合わず、キー入力の誤検出が生じる場合がある。
【0005】
このような誤検出を解消するためには、高速度の切換え回路を用いて、全てのスキャンラインの走査が完了するまでの時間を短縮することが考えられる。しかし、高速の切換え回路を設けると、回路構成が複雑になり、装置の価格が高くなる。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、操作された入力部の特定を短時間に行えるようにし、高速の切換え回路を用いなくても操作された入力部を正確に特定できるようにした入力装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の入力装置は、互いに交叉する複数のスキャンラインおよび複数の検出ラインと、前記スキャンラインと前記検出ラインとの交点で両ライン間の信号伝達を可能とする複数の入力部と、前記スキャンラインを選択するコントローラと、前記入力部が操作されて前記交点での信号伝達が行われたときに、選択されたスキャンラインと前記検出ラインで得られる信号とから操作された前記入力部を特定する検出手段と、が設けられた入力装置において、
(a)前記スキャンラインが複数のブロックに区分されて、それぞれのブロックが複数のスキャンラインを有しており、
(b)前記コントローラによって、最初にいずれかひとつのブロック内の全てのスキャンラインを同時に選択し、前記検出手段によりそのブロック内で操作された入力部の存在を検知できたときは、そのブロック内でさらにスキャンラインを順次選択して、操作された入力部を特定し、
(c)前記(b)においてブロック内で操作された入力部の存在を検知できなかったときには、他のブロックに移行して前記他のブロック内の全てのスキャンラインを同時に選択し、前記他のブロック内で操作された入力部の存在を検知できたときは、このブロック内でさらにスキャンラインを順次選択して、操作された入力部を特定するものであり、
(d)スキャンラインの数が多いブロックと、前記ブロックよりもスキャンラインの数が少ない他のブロックとに区分され、操作される頻度が低い低頻度入力部が、スキャンラインの数が多い前記ブロックに含まれ、前記低頻度入力部よりも操作される頻度が高い高頻度入力部が、前記他のブロックに含まれていることを特徴とするものである。
【0008】
このような入力装置では、操作された入力部を見つけるまでのキースキャン時間を短くすることができる。本発明の入力装置では、1ブロック内の全てのスキャンラインが同時に選択されているとき、他のブロックでは、いずれのスキャンラインも選択されていない。
【0009】
なお、本発明でのスキャンラインと検出ラインは、電気信号を与えるものであり、入力部は前記両ラインを導通させるスイッチで構成できる。ただし、本発明は、前記スキャンラインと検出ラインが光信号などを伝達可能なものであり、前記入力部は、両ラインの交点において、ライン間で光信号を伝達できるものなどによって構成できる。
【0012】
また、本発明は、前記(d)に加えて、さらに以下の(f)を有するものである。
(f)前記高頻度入力部を含む前記他のブロックに対して前記(b)が実行され、その後に、前記低頻度入力部を含む前記他のブロックに対して前記(c)が実行される。
【0017】
本発明の入力装置は、最後のブロックを残してこの最後のブロック以外の他の全てのブロックにおいて操作された入力部の存在を検知できなかったときに、前記最後のブロックに対しては、そのブロック内の複数のスキャンラインを同時に選択することなく個々のスキャンラインを順次選択して操作された入力部を特定することが好ましい。
【0018】
このような入力装置では、残りの複数のスキャンライン上に押された入力部が存在していることがわかっているので、残りの複数のスキャンラインは、同時に選択する必要がない。
【0019】
本発明の入力装置は、入力部が操作されていないときには、全てのスキャンラインが同時に選択されているスタンバイモードとなり、このスタンバイモードのときに検知手段でいずれかの入力部が操作されたと判断されたときに、前記ブロックごとのスキャンラインの同時選択動作が開始される。
【0020】
本発明でのブロックごとのスキャンラインの同時選択は、スタンバイモードでいずれかの入力部が操作されたときに実行することで、スタンバイモードから通常のモードへの立ち上がり時間を短縮できる効果を奏する。
【0021】
ただし、本発明ではスタンバイモードに限られず、いずれかの入力部が操作されたときに前記ブロックごとの制御が必ず行われるものであってもよいし、または短時間の入力休止時間が存在したときに、いずれかの入力部が操作されたときに、前記のブロックごとのスキャンラインの選択を行うようにしたものであってもよい。
【0022】
本発明の入力装置は、前記スタンバイモードから操作された入力部が特定された後は、前記スキャンラインを1本ずつ選択する通常の動作に移行する。
【0023】
通常の動作では、スキャンラインを順次選択していくことが一定周期で繰り返されている。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のキー入力装置は、パーソナルコンピュータのキーボードに代表され、例えば図1に示すように、16本のスキャンライン1〜16と3本の検出ライン17、18、19が互いに交差するように配置されて、マトリクス回路Mを構成している。なお、図1以下の実施の形態では、説明の都合上スキャンラインが16本で検出ラインを3本として説明しているが、本発明のスキャンラインと検出ラインの数は前記本数に限られるものではない。
【0025】
16本のスキャンライン1〜16は、コントローラー20に接続されている。コントローラー20は、スキャンライン1〜16のいずれかを選択としてドライブ電圧を印加できるようになっている。
【0026】
3本の検出ライン17、18、19は、ポート21に接続されている。ポート21は、マトリクス回路Mの電流が検出ライン17、18、19のうち何れに流れているのかを検知することができる。すなわちこの実施の形態では、前記ポートが検出手段として機能している。
【0027】
入力部として機能する48個のキースイッチSは、縦方向に3個ずつ、横方向に16個ずつ並んで配置されている。キースイッチSは、マトリクス回路M上でスキャンライン1〜16と検出ライン17、18、19の交点に1つずつ配置されている。キースイッチSを操作すると、スキャンライン1〜16と検出ライン17、18、19は、操作されたキースイッチSの位置で電気的に接続される。
【0028】
通常の駆動時の入力装置は、コントローラー20が、全てのスキャンライン1〜16に1本ずつ電圧を印加していくことを一定周期で繰り返し、スキャンライン1〜16の何れにドライブ電圧を印加したときマトリクス回路Mに電流が流れるのかを検知して、ポート21が、検出ライン17〜19のいずれに前記マトリクス回路Mの電流が流れているのかを検知して、どのキースイッチSが操作されたのかを特定する。
【0029】
キースイッチSがどれも押されない状態が所定時間継続すると、入力装置は消費電力を抑えるためにスタンバイモードに入る。スタンバイモードでは、全てのスキャンライン1〜16にドライブ電圧が印加された状態となる。スタンバイモードにおいて、スキャンライン1〜16と検出ライン17〜19は、電気的に接続されていないので、マトリクス回路Mに電流が流れることなく、入力装置では電力が殆ど消費されない。
【0030】
スタンバイモードは、キースイッチSのいずれかが押されることにより解除される。スタンバイモードが解除されると、コントローラー20は、全てのスキャンライン1〜16に印加するドライブ電圧を一旦ゼロにする。そして前記の操作されたキースイッチSを特定するためのキースキャンを開始する。
【0031】
この実施の形態では、スタンバイモードでいずれかのキースイッチが操作されたときに、このキースイッチを特定するために次のようなキースキャンが行われる。
【0032】
この動作では、コントローラー20は、16本のスキャンライン1〜16を4つのブロックB1、B2、B3、B4に分ける。第1のブロックB1には、1番目から4番目のスキャンライン1〜4が属し、第2のブロックB2には、5番目から8番目のスキャンライン5〜8属し、第3のブロックB2には、9番目から12番目のスキャンライン9〜12が属し、第4のブロックB4には、13番目から16番目のスキャンライン13〜16が属している。
【0033】
コントローラー20は、第1のブロックB1、第2のブロックB2、第3のブロックB3、第4のブロックB4の順にキースキャンを行う。
【0034】
第1のブロックB1のキースキャンにおいて、コントローラー20は、まず、第1のブロックB1に属する1番目から4番目のスキャンライン1〜4に同時にドライブ電圧を印加する。図2では、このときにドライブ電圧が印加される1番目から4番目のスキャンライン1〜4を点線で囲んでいる。
【0035】
このとき、ポート21においてマトリクス回路Mに電流が流れたことを検出できれば、第1のブロックB1に属する1番目から4番目のスキャンライン1〜4のいずれかは、操作されたキースイッチSの位置を通っていることがわかる。すなわち操作されたキースイッチが前記第1のブロックB1内に存在していることがわかる。この場合、コントローラー20は、第1のブロックB1に属する1番目のスキャンライン1から4番目のスキャンライン4の順に1本ずつ電圧を印加していく。図3では、最初にドライブ電圧が印加される1番目のスキャンライン1を点線で囲んでいる。
【0036】
1番目のスキャンライン1にドライブ電圧を印加してマトリクス回路Mに電流が流れたとき、ポート21が、検出ライン17〜19の何れに前記マトリクス回路Mの電流が流れているのかを検知して、1番目のスキャンライン1上にあるどのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。このとき、キースキャンの回数は最短の2回となり、1回目で第1のブロックB1全体にドライブ電圧を印加して、2回目で1番目のスキャンライン1にドライブ電圧を印加するだけである。
【0037】
1番目のスキャンライン1にドライブ電圧を印加してマトリクス回路Mに電流が流れなかったとき、次に、2番目のスキャンライン2にドライブ電圧を印加する。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、1番目のスキャンライン1と同様、ポート21により、2番目のスキャンライン2上にあるどのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。
【0038】
2番目のスキャンライン2にドライブ電圧を印加してマトリクス回路Mに電流が流れなかったとき、次に、3番目のスキャンライン3にドライブ電圧を印加する。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、1番目のスキャンライン1と同様、ポート21により、3番目のスキャンライン3上にあるどのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。
【0039】
3番目のスキャンライン3にドライブ電圧を印加してマトリクス回路Mに電流が流れなかったとき、操作されたキースイッチSは、4番目のスキャンライン4上にあり、4番目のスキャンライン4にドライブ電圧を印加することにより、マトリクス回路Mに電流が流れる。そして、1番目のスキャンライン1と同様、ポート21により、4番目のスキャンライン4上にあるどのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。
【0040】
一方、第1のブロックB1に属する1番目から4番目のスキャンライン1〜4に同時にドライブ電圧を印加してマトリクス回路Mに電流が流れなかったとき、第1のブロックB1内には、操作されたキースイッチSが存在していないことがわかる。このような場合、1番目から4番目のスキャンライン1〜4には1本ずつドライブ電圧を印加することなく、第2のブロックB2のキースキャンに移る。
【0041】
第2のブロックB2のキースキャンは、第1のブロックB1のキースキャンと同様、まず、第2のブロックB2に属する5番目から8番目のスキャンライン5〜8に同時にドライブ電圧を印加する。図4では、同時にドライブ電圧が印加される5番目から8番目のスキャンライン5〜8を点線で囲んでいる。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、5番目から8番目のスキャンライン5〜8の順に1本ずつドライブ電圧を印加して、どのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。一方、マトリクス回路Mに電流が流れなかったとき、第3のブロックB3のキースキャンに移る。
【0042】
第3のブロックB3のキースキャンは、第1のブロックB1のキースキャンや第2のブロックB2のキースキャンと同様、まず、第3のブロックに属する9番目から12番目のスキャンライン9〜12に同時にドライブ電圧を印加する。図5では、同時にドライブ電圧が印加される9番目から12番目のスキャンライン9〜12を点線で囲んでいる。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、9番目から12番目のスキャンライン9〜12の順に1本ずつドライブ電圧を印加して、どのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。一方、マトリクス回路Mに電流が流れなかったとき、第4のブロックB4のキースキャンに移る。
【0043】
第1のブロックB1のキースキャンと第2のブロックB2のキースキャンと第3のブロックB3のキースキャンで何れにおいてもマトリクス回路Mに電流が流れなかったとき、操作されたキースイッチは、第4のブロックB4のスキャンライン13〜16のいずれかに位置していることが解る。
【0044】
よって、第4のブロックB4のキースキャンでは、第4のブロックB4に属する13番目から16番目のスキャンライン13〜16には同時にドライブ電圧を印加することなく、13番目から16番目までのスキャンライン13〜16に1本ずつ順にドライブ電圧を印加する。
【0045】
図6では、ドライブ電圧が印加される13番目のスキャンライン13を点線で囲んでいる。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、ポート21により13番目のスキャンライン13上にあるどのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。マトリクス回路Mに電流が流れなければ、14番目のスキャンラインにドライブ電圧を印加する。図7では、ドライブ電圧が印加される14番目のスキャンライン14を点線で囲んでいる。
【0046】
このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、ポート21により14番目のスキャンライン14上にあるどのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。マトリクス回路Mに電流が流れなければ、15番目のスキャンラインにドライブ電圧を印加する。図8では、ドライブ電圧が印加される15番目のスキャンライン15を点線で囲んでいる。
【0047】
このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、ポート21により15番目のスキャンライン15上にあるどのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。マトリクス回路Mに電流が流れなければ、16番目のスキャンラインにドライブ電圧を印加する。図9では、ドライブ電圧が印加される16番目のスキャンライン16を点線で囲んでいる。そして、16番目のスキャンライン16上にあるどのキースイッチSが操作されたのかを見つけだしてキースキャンを終了する。
【0048】
キースキャンの回数は、第4のブロックB4に属する16番目のスキャンライン16が押されたキースイッチSの位置を通っているとき最大である。ただし、1回目から3回目のキースキャンで、第1のブロックB1から第3のブロックB3のキースキャンを順次行った後、4回目〜7回目のキースキャンで、13番目〜16番目のスキャンラインに順次ドライブ電圧を印加するため、スキャン回数は最大でも7回で済むことになる。
【0049】
従来のキースキャンでは、16本の第1のライン1〜16に1本ずつドライブ電圧を印加していくので、常にキースキャンが15回必要である。これに対し前記実施の形態では、スキャン回数が7回であり、キースイッチSを特定するためのスキャン回数を短縮できる。
【0050】
このようなキースキャンによって、スタンバイモードで操作されたキースイッチSが特定された後、入力装置は、全てのスキャンライン1〜16に1本ずつ電圧が印加される通常の駆動に戻る。この通常の駆動では、全てのスキャンラインが順次選択されて、いずれの入力部が操作されたかの特定が行われる。
【0051】
なお、図1から図9では、スキャンライン1〜16の配置位置により第1のブロックB1、第2のブロックB2、第3のブロックB3、第4のブロックB4に区分したが、区分方法、区分するブロックの数、および各ブロック内でのスキャンラインの数は任意である。
【0052】
また、本発明の実施の形態では、多数のスキャンラインが属するブロック内に操作されたキースイッチSが存在していると、多数のスキャンラインの1本ずつにドライブ電圧を印加しなければならないので、キースイッチSの操作される頻度によりブロックを区分する。このとき、操作される頻度が低いキースイッチSを集めたブロックに属するスキャンラインの数は、操作される頻度が高いキースイッチSを集めたブロックに属するスキャンラインの数よりも多くする。
【0053】
また、上記説明では、第1のブロックB1、第2のブロックB2、第3のブロックB3、第4のブロックB4の順にキースキャンを行っているが、本発明の実施の形態では、例えば、第2のブロックB2内のキースイッチSが操作される頻度が高い場合、最初に第2のブロックB2のキースキャンを行うと、操作されたキースイッチSをより早く特定することができる。
【0054】
次に、本発明の参考例を説明する。入力装置のスタンバイモードは、キースイッチSがどれか押されることにより解除される。スタンバイモードが解除されると、コントローラー30は、全てのスキャンライン1〜16に印加するドライブ電圧を一旦ゼロにする。
【0055】
スタンバイモードで押されたキースイッチSを調べるためのキースキャンにおいて、コントローラー30は、図10に示すように、16本のスキャンライン1〜16を8本ずつ2つのブロックA1、A2にわける。一方のブロックA1には、1番目から8番目のスキャンライン1〜8が属しており、他方のブロックA2には、9番目から16番目のスキャンライン9〜16が属している。
【0056】
1回目のキースキャンにおいて、コントローラー30は、一方のブロックA1に属する1番目から8番目のスキャンライン1〜8に同時にドライブ電圧を印加する。図11では、同時にドライブ電圧が印加される1番目から8番目のスキャンライン1〜8を点線で囲んでいる。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、押されたキースイッチSの位置は、一方のブロックA1側であることがわかる。一方、マトリクス回路Mに電流が流れなければ、押されたキースイッチSの位置は、他方のブロックA2側であることがわかる。
【0057】
例えば、一方のブロックA1に属する1番目から8番目のスキャンライン1〜8に同時にドライブ電圧を印加してマトリクス回路Mに電流が流れなかったとき、コントローラー30は、他方のブロックA2を4本ずつ2つの小ブロックA3、A4にわける。一方の小ブロックA3には、9番目から12番目のスキャンライン9〜12が属しており、他方の小ブロックA4には、13番目から16番目のスキャンライン13〜16が属している。
【0058】
2回目のキースキャンにおいて、コントローラー30は、一方の小ブロックA3に属する9番目から12番目のスキャンライン9〜12に同時にドライブ電圧を印加する。図12では、同時にドライブ電圧が印加される9番目から12番目のスキャンライン9〜12を点線で囲んでいる。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、押されたキースイッチSの位置が一方の小ブロックA3側であることがわかる。一方、マトリクス回路Mに電流が流れなければ、押されたキースイッチSの位置が他方の小ブロックA4側であることがわかる。
【0059】
例えば、一方の小ブロックA3に属する9番目から12番目のスキャンライン9〜12に同時にドライブ電圧を印加してマトリクス回路Mに電流が流れなければ、コントローラー30は、他方の小ブロックA4に属する13番目から16番目のスキャンライン13〜16を2本ずつさらに2つの小ブロックA5、A6にわける。一方の小ブロックA5には、13番目のスキャンライン13と14番目のスキャンライン14が属しており、他方の小ブロックA6には、15番目のスキャンライン15と16番目のスキャンライン16が属している。
【0060】
3回目のキースキャンにおいて、コントローラー30は、一方の小ブロックA5に属する13番目のスキャンライン13と14番目のスキャンライン14に同時にドライブ電圧を印加する。図13では、同時にドライブ電圧が印加される13番目と14番目のスキャンライン13、14を点線で囲んでいる。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、13番目のスキャンライン13と14番目のスキャンライン14のどちらかが、押されたキースイッチSの位置を通っていることがわかる。マトリクス回路Mに電流が流れなければ、15番目のスキャンライン15と16番目のスキャンライン16のどちらかが、押されたキースイッチSの位置を通っていることがわかる。
【0061】
例えば、一方の小ブロックA5に属する13番目のスキャンライン13と14番目のスキャンライン14に同時にドライブ電圧を印加してマトリクス回路Mに電流が流れなければ、4回目のキースキャンにおいて、コントローラー30は、15番目と16番目に対して同時にドライブ電圧を与えることなく前記15番目と16番目を順次選択してドライブ電圧を印加する。図14では、ドライブ電圧が印加される15番目のスキャンライン15を点線で囲んでいる。このとき、マトリクス回路Mに電流が流れれば、ポートが検出ライン17〜19のいずれに前記マトリクス回路Mの電流が流れているのかを検知して、操作されたキースイッチSを特定してキースキャンを終了する。このとき、キースキャン回数は、最小の4回である。
【0062】
4回目のキースキャンにおいて、マトリクス回路に電流が流れなかったとき、16番目のスキャンライン16が操作されたキースイッチSの位置を通っていることがわかる。5回目のキースキャンでは、16番目のスキャンライン16にドライブ電圧を印加する。図15では、ドライブ電圧が印加される16番目のスキャンライン16を点線で囲んでいる。そして、マトリクス回路Mの電流が検出ライン17〜19のいずれに流れているのかをポートが検知して、どのキースイッチSが操作されたのかを特定し、キースキャンを終了する。このとき、キースキャン回数は、最大の5回である。
【0063】
このような入力装置では、キースキャン回数がキースイッチSの押された位置にほとんど依存せず、スタンバイモード解除後のキースキャン時間を一定にすることができる。 なお、上記説明では、総数16本(N)のスキャンラインを、1回目のキースキャンにおいて、8本(N/2)のスキャンラインが属するブロックA1、A2に2分し、2回目のキースキャンにおいて、4本(N/4)のスキャンラインが属する小ブロックA3、A4に2分し、3回目のキースキャンにおいて、2本(N/8)のスキャンラインが属する小ブロックA5、A6に2分しているが、2回目のキースキャンで、小ブロックA3、或いは小ブロックA4に属する4本のスキャンラインに同時にドライブ電圧を印加した後、小ブロックA3、或いは小ブロックA4に属する4本のスキャンラインに順次ドライブ電圧を印加しても良い。
【0064】
また、上記説明では、スキャンラインの総数を偶数としたので、キースキャン毎にスキャンラインの数を等しく2分することができた。一方、スキャンラインの総数(N)が奇数であるとき、1回目のキースキャンにおいて、ブロックA1、A2に属するスキャンラインの数は、(N+1)/2、或いは(N−1)/2であり、2回目のキースキャンにおいて、小ブロックA3、A4に属するスキャンラインの数は、(N+1)/4、或いは(N−1)/4である。
【0065】
キースキャン毎にスキャンラインを2分するとき、必ずしもほぼ半分に区分することはない。しかし、押されたキースイッチの位置によらず、より少ないキースキャン回数とするためには、スキャンライン1〜16を2分するとき、なるべく等しい数に区分することが好ましい。
【0066】
このようなキースキャンによって、スタンバイモードで操作されたキースイッチSが特定された後、入力装置は、一定周期で全てのスキャンライン1〜16に1本ずつ電圧が印加される通常の駆動に戻る。
【0067】
【発明の効果】
本発明の入力装置では、スキャンラインをブロックに区分して、ブロックごとにスキャンラインの同時選択を行って、操作された入力部が存在するブロックではスキャンラインを一本ずつ選択して操作された入力部を特定するので、操作された入力部を特定するのに要する時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の入力装置のブロック図、
【図2】本発明の入力装置のキースキャン方法を示す説明図、
【図3】本発明の入力装置のキースキャン方法を示す説明図、
【図4】本発明の入力装置のキースキャン方法を示す説明図、
【図5】本発明の入力装置のキースキャン方法を示す説明図、
【図6】本発明の入力装置のキースキャン方法を示す説明図、
【図7】本発明の入力装置のキースキャン方法を示す説明図、
【図8】本発明の入力装置のキースキャン方法を示す説明図、
【図9】本発明の入力装置のキースキャン方法を示す説明図、
【図10】本発明の参考例を示す入力装置ブロック図、
【図11】参考例のキースキャン方法を示す説明図、
【図12】参考例のキースキャン方法を示す説明図、
【図13】参考例のキースキャン方法を示す説明図、
【図14】参考例のキースキャン方法を示す説明図、
【図15】参考例のキースキャン方法を示す説明図、
【符号の説明】
M マトリクス回路
S キースイッチ
1〜16 スキャンライン
17〜19 検出ライン
20、30 コントローラー
21 ポート

Claims (5)

  1. 互いに交叉する複数のスキャンラインおよび複数の検出ラインと、前記スキャンラインと前記検出ラインとの交点で両ライン間の信号伝達を可能とする複数の入力部と、前記スキャンラインを選択するコントローラと、前記入力部が操作されて前記交点での信号伝達が行われたときに、選択されたスキャンラインと前記検出ラインで得られる信号とから操作された前記入力部を特定する検出手段と、が設けられた入力装置において、
    (a)前記スキャンラインが複数のブロックに区分されて、それぞれのブロックが複数のスキャンラインを有しており、
    (b)前記コントローラによって、最初にいずれかひとつのブロック内の全てのスキャンラインを同時に選択し、前記検出手段によりそのブロック内で操作された入力部の存在を検知できたときは、そのブロック内でさらにスキャンラインを順次選択して、操作された入力部を特定し、
    (c)前記(b)においてブロック内で操作された入力部の存在を検知できなかったときには、他のブロックに移行して前記他のブロック内の全てのスキャンラインを同時に選択し、前記他のブロック内で操作された入力部の存在を検知できたときは、このブロック内でさらにスキャンラインを順次選択して、操作された入力部を特定するものであり、
    (d)スキャンラインの数が多いブロックと、前記ブロックよりもスキャンラインの数が少ない他のブロックとに区分され、操作される頻度が低い低頻度入力部が、スキャンラインの数が多い前記ブロックに含まれ、前記低頻度入力部よりも操作される頻度が高い高頻度入力部が、前記他のブロックに含まれていることを特徴とする入力装置。
  2. 前記(d)に加えて、さらに以下の(f)を有する請求項1記載の入力装置。
    (f)前記高頻度入力部を含む前記他のブロックに対して前記(b)が実行され、その後に、前記低頻度入力部を含む前記他のブロックに対して前記(c)が実行される。
  3. 最後のブロックを残してこの最後のブロック以外の他の全てのブロックにおいて操作された入力部の存在を検知できなかったときに、前記最後のブロックに対しては、そのブロック内の複数のスキャンラインを同時に選択することなく個々のスキャンラインを順次選択して操作された入力部を特定する請求項1または2記載の入力装置。
  4. 入力部が操作されていないときには、全てのスキャンラインが同時に選択されているスタンバイモードとなり、このスタンバイモードのときに検知手段でいずれかの入力部が操作されたと判断されたときに、前記ブロックごとのスキャンラインの同時選択動作が開始される請求項1ないしのいずれかに記載の入力装置。
  5. 前記スタンバイモードから操作された入力部が特定された後は、前記スキャンラインを1本ずつ選択する通常の動作に移行する請求項記載の入力装置。
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