JP3995580B2 - 負荷分散処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷分散処理システム、特にネットワークを介してクライアントから送信されてきたパケット(サービス要求)を、複数のサーバのうちのいずれかを適切に選択して、振り分けるための負荷分散処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ネットワークにおけるサービスの複雑化や大規模化に呼応して、サーバに対してもその高性能化が強く求められている。これに対処すべくサーバを複数設置してそのサービスを複数のサーバに分散させて処理するという、いわゆる負荷分散の技術が一般に採用されるようになった。
【0003】
例えば下記の〔特許文献1〕〜〔特許文献5〕や、本出願人による特願2001−372836号等が、上記負荷分散を実現する従来技術として提案されている。このうち、〔特許文献1〕、特願2001−372836号および〔特許文献2〕については、それぞれ図14、図15,16および図17を参照しながら、後に詳述する。
【0004】
図14に示す従来例1(米国特許第6,097,882号明細書)による負荷分散処理システムは、外部網から受信したパケットを解析することにより、パケット処理が可能な1または複数のサーバを選択する。そのとき該当サーバ(候補)が複数存在する場合には、サーバの処理性能、例えばスループットや呼処理能力など、から見て最も適切な1つのサーバに、当該パケットを振り分ける、というものである。
【0005】
また図15,16に示す従来例2(特願2001−372836号)による負荷分散処理システムは、図14に示す負荷分散装置(α)そのものを、複数の負荷分散装置(α1…αN)に分散させ、さらにこれらの装置(α1…αN)の前段に単純な振り分け用負荷分散装置(β)を設ける、というものである。
【0006】
さらにまた図17に示す従来例3(米国特許第5,774,668号公報)による負荷分散処理システムは、図15,16に示す負荷分散装置(α1…αN)のいずれもが、いずれのサーバにもパケットを振り分けることができるようにする、というものである。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6,097,882号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,774,668号明細書
【特許文献3】
特開2001−101134号公報(請求項1、段落〔0021〕〜〔0024〕、〔0025〕の第1〜3行、〔0040〕、〔0041〕の第14〜16行、〔0042〕)
【特許文献4】
特開2001−167074号公報
【特許文献5】
特開2002−141936号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
後に図14、図15,16および図17を参照して説明するように、上記従来例1〜従来例3には次のような問題がある。
【0009】
従来例1(図14)においては、上記負荷分散処理システム1におけるパケットの解析に複雑な処理を適用したい、という要求が生じたとき、上記負荷分散装置αの処理性能で当該システム全体の処理性能が決まってしまうことから、結局、この負荷分散装置αがシステムの処理性能を向上させる上で、ボトルネックになる、という第1の問題がある。
【0010】
また従来例2(図15,16)においては、ある負荷分散装置(例えばα1)が過負荷になったとき、その装置(α1)の配下のサーバ群の処理能力に余裕があったとしても、その装置(α1)が過負荷になる直前での処理能力迄しかシステムを働かせることができない、という第2の問題がある。このとき、上記の過負荷を解消するために、負荷分散装置(α1…αN)に対しさらにもう1台新たに負荷分散装置を増設したとすると、この増設した負荷分散装置を所期のとおり稼動させるためにその配下に、所定数のサーバを、システム全体としては、上記のとおり、サーバ群の処理能力に余裕があるにも拘らず、増設しなければならない、という第3の問題がある。
【0011】
さらに従来例3(図17)においては、各サーバに対して複数の負荷分散装置(α1…αN)が接続するので、これら負荷分散装置間でパケットの振り分けに競合が生じてはならない。このために、全ての負荷分散装置が常時同一の振り分け情報を共有している必要がある。つまりその共有のための通信を、各負荷分散装置と全てのサーバとの間で、もしくは全ての負荷分散装置の間で、常時行う必要がある、という第4の問題がある。加えて、全てのサーバに均等にパケットを振り分けるためには、各サーバからその状態情報を全ての負荷分散装置に対して常時提供する必要があり、上記通信に要する通信量は相当大きなものになる、という第5の問題がある。
【0012】
したがって本発明は、上記諸問題点に鑑み、負荷分散処理に必要とされるシステム内での負担、すなわち各サーバからの状態情報の収集に要する通信に係る負担を大幅に軽減し、かつ、負荷分散装置の台数に単純に比例したシステム性能を得ることのできる負荷分散処理システムを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明に係る負荷分散処理システムの基本構成を示す図である。なお、全図を通じて、同一の構成要素には同一の参照番号または記号を付して示す。
【0014】
本図において、本発明の負荷分散処理システム1における主要構成部分は、第1の負荷分散装置11および第2の負荷分散装置12である。好ましくは、第2の負荷分散装置12の前段に、第3の負荷分散装置13を設ける。
【0015】
第1の負荷分散装置11は、外部網2側すなわちクライアント側から受信した受信パケットPKに含まれる高位レイヤ情報を解析してその受信パケットのアプリケーションを特定し、かつ、そのトランザクションを識別するための属性情報を生成し、この属性情報を付加したパケットを送出するものであり、また第2の負荷分散装置12は、配下に接続される各サーバ5に送出されたパケットのトラヒック状況を各サーバ5対応に監視し、そのトラヒック状況情報と第1の負荷分散装置11から送出された属性情報とに基づいて、上記の各パケットを振り分けるべき最適なサーバを決定し、当該決定サーバに対し上記のパケットを送出するものである。
【0016】
さらに具体的には、負荷分散処理システム1は、複数の第1の負荷分散装置11−1〜11−Nと、これら第1の負荷分散装置に共有される第2の負荷分散装置12とから構成すると共に、受信パケットPKを、ハッシュ計算などによる所定のアルゴリズムに従って複数の第1の負荷分散装置11−1〜11−Nのうちのいずれかに振り分ける第3の負荷分散装置13をさらに備える。
【0017】
前述した高位レイヤ情報の解析に要する処理量はかなり大きいので、第1の負荷分散装置11は複数(11−1〜11−N)に分散させるのが望ましく、そのためには第3の負荷分散装置13を必要とする。
【0018】
すなわち、負荷分散装置11−1〜11−N間で、振り分け情報を、システムネットワークを用いずに共有しつつ分散構成とすることを可能とするため、従来のように、図14〜図17に示す、パケット解析処理とサーバの処理性能による負荷分散処理の各機能(負荷分散装置α)を、図1のように、パケット解析処理(第1の負荷分散装置11)とサーバの処理性能による負荷分散処理(第2の負荷分散装置12)の各機能に分割した上で、システム性能のボトルネックとなる該装置11を分散構成とし、該装置12は集中構成とする。
【0019】
かくして本発明によれば、負荷分散処理に必要とされるシステム1内での負担、すなわち各サーバ5からの状態情報の収集に要する通信に係る負担を大幅に軽減し、かつ、負荷分散装置11−1〜11−Nの台数(N)に単純に比例したシステム性能が得られる負荷分散処理システムを実現することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施例について述べるが、その前に、既述した従来例1〜従来例3に関する図14〜図17について説明しておく。
【0021】
図14は従来例1を示す図、
図15は従来例2を示す図(その1)、
図16は同図(その2)、
図17は従来例3を示す図である。
【0022】
まず図14を参照すると、従来例1による負荷分散処理システム1は、インターネットあるいはイントラネットなどの外部網2を介してクライアント(図示せず)から送信されてくるパケットPKに付与されたIPアドレスを解析して、適切なサーバ5にそのパケットを振り分ける負荷分散装置(α)4を主体として構成される。
【0023】
すなわち、既述したように、外部網2から受信したパケットPKを解析して、パケット処理が可能な1または複数のサーバ5を選択し、そのとき該当サーバ(候補)が複数存在する場合には、サーバ5の処理性能、例えばスループットや呼処理能力など、から見て最も適切な1つのサーバに、当該パケットPKを振り分ける。しかしこの従来例によると、既述した第1の問題を生じさせる。
【0024】
なお、図中、サーバ5に付された記号A,B…Kは、それらのサーバが実行すべきアプリケーションの種別を表す。またA1,A2のように、記号Aに付された1,2は、同一のアプリケーションAを実行する例えば2台のサーバの区別をするための番号である。
【0025】
次に図15および16を参照すると、従来例2による負荷分散処理システム1は、IPアドレスを用いる図14のような単純なアルゴリズムによる負荷分散装置4ではなく、さらに高度な、XML(eXtensible Markup Language)やレイヤ7の情報を使用する高性能な負荷分散装置を複数並列して構成される。
【0026】
そして、これら複数の並列接続された負荷分散装置4のうちの適切な1つを選択するための、単純なアルゴリズムによる負荷分散装置(β)3をさらに追加する。しかし、この従来例2によると、既述した第2および第3の問題を生じさせる。
【0027】
さらに図17を参照すると、従来例3による負荷分散処理システム1は、複数の並列接続された負荷分散装置(α1…αN)は、そのいずれもが全てのサーバ5を共有できる構成となっている。したがって本従来例3によるシステム1は、上述した従来例2(図15,16)における上記第2および第3の問題を解消できる、という利点が得られる。ところが反面、既述した第4および第5の問題を生じさせてしまう。
【0028】
そこで本発明は、上述した各従来例に固有のいずれの問題をも生じさせない負荷分散処理システム1を提供する。その実施例は以下に詳述するとおりである。
【0029】
図2は図1の基本構成をさらに具体的に示す図である。本図では、パケット解析手段15(15−1〜15−N)と、サーバ選択手段16と、テーブル17とが新たに図示されている。
【0030】
第1の負荷分散装置11は各々パケット解析手段15を有する。このパケット解析手段15は、高位レイヤ情報によりアプリケーションを特定する特定情報とそのアプリケーションに係る一連のトランザクションを識別する識別情報とを前述した属性情報として生成し、さらに、これら一連のトランザクションが終了したときにその終了情報を生成する。さらにこれらの情報を受信パケットPKに付加して第2の負荷分散装置12に送出する。
【0031】
上記のパケット解析手段15は、上記一連のトランザクションが開始する都度識別情報を当該パケットに割り当て、一連のトランザクションの継続中は同一の該識別情報を使用し、一連のトランザクションが終了したときに該識別情報を解放する。
【0032】
一方、第2の負荷分散装置12はサーバ選択手段16を有する。このサーバ選択手段16は、前述したトラヒック状況情報として、パケットの流量ならびにトランザクションの数に関する統計情報を取得すると共に、受信した上記の特定情報に基づいて当該アプリケーションを実行可能な一群のサーバ5を特定する。さらにその統計情報をもとにそのサーバ群のうち最適な宛先サーバ5を決定して受信パケットPKを、その宛先サーバに送出する。
【0033】
上記のサーバ選択手段16は、各サーバ5の縮退と復旧に関する縮退/復旧情報を取得して、縮退中のサーバは上記の宛先サーバの決定対象から除外するようにする。
【0034】
さらに上記のサーバ選択手段16は、前述の識別情報から、一連のトランザクションの開始であるか、継続中であるか、または終了であるか、に応じて上記の宛先サーバを決定する。
【0035】
さらにまた上記のサーバ選択手段16は、トラヒック状況の変更に応じて既述のトラヒック状況情報を更新する。
【0036】
またサーバ選択手段16は、受信パケットPKに付加された前述の属性情報と前述の特定情報と前述の終了情報とを削除して、サーバ5側にそのパケットを送出する。
【0037】
サーバ選択手段16は、以上述べた、サーバ群の特定と宛先サーバの決定に要する各種情報を格納する各種のテーブル17を有する。
【0038】
以下、さらに具体的に説明する。
【0039】
パケット解析手段15はパケットを解析し、アプリケーションの特定(httpかFTPか、など)やデータ属性(トランザクション数は多いか少ないか、など)を識別し、その識別の結果、AID(Application ID)を、前述の特定情報として、割り当てる機能を有する。その識別機能は、汎用処理プロセッサとユーザのアルゴリズムにより実現できる。
【0040】
また、TCPセッション管理やより上位層のトランザクション番号などの識別により、同一のトランザクションであるか否かを識別し、識別した結果、同一トランザクションであれば、当該トランザクションのパケットに、同一のTID(Transaction ID)を、前述の識別情報として、割り当てる機能を有する。
【0041】
TCPより上位層の要素によるトランザクションの識別は、汎用処理プロセッサとユーザのアルゴリズムにより実現できる。
【0042】
また、トランザクションの終了を検出する機能を有し、この結果が前述の終了情報となる。TCPより上位層の要素によるトランザクションの終了の判定は、汎用処理プロセッサとユーザのアルゴリズムにより実現できる。
【0043】
パケット解析手段15がパケットを解析した結果である、アプリケーションを特定するための情報(特定情報)と、一連のトランザクションであることを識別するための情報(識別情報)と、トランザクションの終了情報とを、サーバ選択手段16に通知する。
【0044】
既述したように、アプリケーションを特定するための特定情報はアプリケーションID(AID)とし、一連のトランザクションであることを識別するための識別情報はトランザクションID(TID)とすると共に、トランザクションの終了情報をトランザクション終了フラグとして、これらをパケットの一部に、タグ(AIDとTID、トランザクション終了フラグ(TEF)から構成される)を埋め込み、サーバ選択手段16に通知する。
【0045】
図3は上述したタグの位置付けを示す図である。ただし一例である。
【0046】
本図の例によれば、各パケットは、MAC(Media Access Control)ヘッダ、IP(Internet Protocol)ヘッダ、TCP(Transmission Control Protocol)ヘッダ、上位APP(Application)ヘッダおよびデータから構成され、さらに上記MACヘッダは、MAC−DA(Destination Address)、SA(Source Address)、VLAN(Virtual LAN)タグおよびTYPEから構成される。
【0047】
本発明による上述のタグ(AID,TEF,TID)は、上記パケットの中の上記SAとVLANタグとの間に埋め込むことができる。
【0048】
再び図2に戻るとサーバ選択手段16は、各パケット解析手段15−1〜15−Nから通知された上記の情報と、サーバ5の負荷を予測する情報(毎秒当たりの振り分けオクテット数(図3のパケット全長)、毎秒当たりのトランザクション開始数、終了していない振り分け済みトランザクションの総数)とから、サーバ同士が連携動作することなく、サービス(パケット)処理が可能であり、かつ、各サーバ5の処理負荷が均等となるようにパケットを振り分けることができる。
【0049】
一連のトランザクションを同一のサーバに割り当てるために、パケット解析手段15から通知されたTIDが、特定のサーバに振り分け済みか否か(すなわちトランザクションが開始されているか否か)判断するために、TIDとサーバのIP−DA(Destination Address)とで構成されるテーブルA(第1テーブル)をテーブル17の中に保持する。
【0050】
特定のアプリケーションを処理可能なサーバ群を特定するために、AIDと、サーバのIP−DAと、サーバの縮退を表すフラグとで構成されるテーブルBをテーブル17の中に保持する。
【0051】
そのAIDで指定されたアプリケーションを処理できるサーバ群の中から、現在の処理負荷が最も小さいと判断される1つのサーバを特定するために、そのIP−DAと、このIP−DAに対応する、振り分けたパケットの毎秒当たりのオクテット数、毎秒当たりの開始済みトランザクションの数、終了していない振り分け済みトランザクションの総数、およびサーバが処理可能なトランザクション数、で構成されるテーブルCをテーブル17の中に保持する。
【0052】
また、アプリケーションの特性により、テーブルCの中でどの振り分け情報を用いるのが最適であるかを判断するために、AIDと、振り分け情報の重み付け情報とからなるテーブルDをテーブル17の中に保持する。
【0053】
なお、上記のテーブルBとテーブルDは、それぞれの検索キーが共にAIDであって一致しているので、これらのテーブルBとDを1つのテーブル(第2テーブル)にマージすることが好ましい。
【0054】
あるサーバ5が縮退した場合に、その縮退したサーバが提供可能なアプリケーションを特定するために、IP−DAと、AIDリストとからなるテーブルEをテーブル17の中に保持する。
【0055】
なお、テーブルCとテーブルEは、それぞれの検索キーが共にIP−DAであって一致しているので、これらのテーブルCとEを1つのテーブル(第3テーブル)にマージすることが好ましい。
【0056】
以上述べた第1、第2および第3テーブルについて図を参照して説明する。
【0057】
図4は本発明による第1テーブル、
図5は本発明による第2テーブル、
図6は本発明による第3テーブル、
をそれぞれ示す図である。
【0058】
まず図4を参照すると、第1テーブル(上記のテーブルA)21が示されている。この第1テーブル21は、割り当て済みのTID(識別情報)と、IP−DA(宛先サーバ)との対応テーブルである。
【0059】
図5には、上記のテーブルBとテーブルDをマージした第2テーブル22が示されている。この第2テーブル22は、アプリケーションと処理可能サーバ群のIP−DAとの対応テーブルであり、静的に登録する。つまり初期化時に一旦登録されると、その後は固定である。ただし、あるサーバが縮退したときまた復旧したときには、書き替え操作が必要である。また既述した重み情報(図6のテーブル23の中でどの項目を優先して(重視して)サーバの割り当てを決定すべきかの情報)も本テーブル22に組み入れている。
【0060】
図6には、上記のテーブルCとテーブルEとをマージした第3テーブル23が示されている。ここには、各サーバ毎の、パケットの流量、トランザクション数/秒、トランザクション総数、トランザクション数のリミット値(メモリの容量で決まるリミット値)ならびに、AIDリストが表示される。
【0061】
これら第1、第2および第3テーブル21,22および23を要約すると以下のとおりである。
【0062】
〔第1テーブル21〕
第1テーブル21は、割り当て済みの識別情報(TID)と当該トランザクションを開始している宛先サーバ5との対応関係を表示する。
【0063】
また終了情報(TEF)がオンとなったとき、上記の対応関係は第1テーブル21から消去される。
【0064】
〔第2テーブル22〕
第2テーブル22は、特定情報(AID)と当該アプリケーションを処理可能なサーバとの対応関係を表示する。
【0065】
また受信パケットPKについて、識別情報(TID)を未割り当てのときにはこの第2テーブル22が参照される。
【0066】
さらに第2テーブル22内の、アプリケーションを処理可能なサーバ(IP−DA)に対応させて、このサーバの縮退/復旧情報(縮退フラグ)も併せて表示することができる。
【0067】
さらにまた第2テーブル22内の特定情報(AID)に対応させて、最適な宛先サーバを決定するに際し優先的に重視すべき統計情報(第3テーブル23の内容)を指定する重み情報も併せて表示することができる。
【0068】
〔第3テーブル23〕
第3テーブル23は、各宛先サーバ(IP−DA)に対応させた統計情報(流量、トランザクション数)を表示する。この統計情報を参照して最適な宛先サーバを決定するに際し処理負荷の小さい宛先サーバを割り当てる。なお、この第3テーブル23は、割り当て済みの識別情報(TID)と当該トランザクションを開始している宛先サーバ(IP−DA)との対応関係が第1テーブル21に存在するときに参照される。
【0069】
第3テーブル23はさらに、宛先サーバ(IP−DA)に対応させた特定情報リスト(AIDリスト)も併せて表示する。この特定情報リスト(AIDリスト)には宛先サーバ毎に、処理可能なアプリケーションおよびデータ属性を登録する。
【0070】
次に、上述した第1、第2および第3テーブル(17)と協働するサーバ選択手段16(図2)と、該サーバ選択手段16と連携するパケット解析手段15(図2)とについて、その機能を実現するブロック群の一例を、第3の負荷分散装置13内のパケット振分け手段18と共に示す。ただし実際には、その機能はCPUを用いたソフトウェア処理によって実現可能である。
【0071】
図7は図2に示すパケット振分け手段18の機能ブロック図、
図8は図2に示すパケット解析手段15の機能ブロック図、
図9は図2に示すサーバ選択手段16の機能ブロック図を、それぞれ一例をもって示す図である。
【0072】
まず図7を参照すると、外部網2から到来したパケットをパケット受信部31にて受信し、パケット振分け手段18に入力する。
【0073】
パケット振分け手段18ではまず、IP−SA取得部32にて、その受信パケットPKからIP−SA(Source Address)を抜き出す。次段のハッシュ計算部33では、その抜き出したIP−SAを用いて、そのIP−SAに応じて異なる第2の負荷分散装置(11−1〜11−Nのいずれか)にその受信パケットがルーティングされるように、ハッシュ計算を行う。そのハッシュ計算により得たハッシュ値をキーとして、ハッシュテーブル検索部34は割り当てテーブル(図示せず)を検索し、割り当て先の第2の負荷分散装置を特定する。
【0074】
かくして上記受信パケットPKは、パケット送信部35から、その特定された第2の負荷分散装置11へ送信される。
【0075】
このようにして送信された受信パケットは図8に示す、特定された第2の負荷分散装置11内のパケット受信部41にて受信され、パケット解析手段15に入力される。
【0076】
このパケット解析手段15は、受信パケットのデータ属性(アプリケーションやトランザクション)を解析するものであり、まずその受信パケットはアプリケーション解析部42に入力され、ここで、TCP/UDPポート番号取得部43およびAID取得部44により処理される。
【0077】
すなわち、TCP/UDPポート番号などからアプリケーションを特定し、アプリケーションに対応するAIDをテーブル検索などにより取得する。つまりTCP/UDPポート番号→AIDという変換を行う。
【0078】
上記AIDを割り当てられた受信パケットは、次にトランザクション解析部45に入力され、ここでトランザクション特定部46、トランザクション開始終了判定部47およびトランザクション番号管理部48による処理を受ける。
【0079】
すなわち、アプリケーション毎のトランザクションを識別し、TID(一時的な番号)を決定する。
【0080】
・トランザクションの開始時には、TIDを割り当てる。
【0081】
・トランザクション継続中は、同じTIDを使用する。
【0082】
・トランザクションの終了時には、TIDを解放する。
【0083】
かくしてパケット解析手段15による処理を受けた受信パケットは、パケット更新部49に入力され、ここで、上記の特定されたAID,TID、トランザクション終了フラグ(TEF)が受信パケットPKに埋め込まれる(図3参照)。さらに、パケット送信部50から第2の負荷分散装置12に出力される。
【0084】
上記のようにパケット送信部50から出力されたパケットは、図9のパケット受信部51にて受信され、サーバ選択手段16に入力される。
【0085】
このサーバ選択手段16では、入力パケットはまずサーバ状態管理部52に印加され、ここで、サーバ縮退/復旧検出部53と状態テーブル更新部54とによって処理される。
【0086】
すなわち、サーバ5の縮退と復旧を監視する。そして縮退時にはサーバの状態を管理するテーブルBに縮退フラグを設定し、後述する宛先サーバ決定部59において、縮退したサーバが選択されないようにする。
【0087】
サーバ状態管理部52による処理を受けたパケットは、次に、サーバ選択情報管理部55に入力される。該管理部55は、図示するブロック56〜61によって構成され、前段の装置11(図8)から通知された上記のTIDおよびAIDに基づいて、当該パケットに対して割り当てるべき宛先サーバ5を決定する。
【0088】
まずTID管理部56において、そのTIDから、トランザクションの開始時か継続中かを判定する。また、トランザクション終了フラグ(TEF)がONの場合は、そのTIDをテーブルAから削除する。
【0089】
AID管理部57では、上記のAIDから、サービス可能なサーバ群を特定する。
【0090】
負荷分散情報取得部58では、トランザクション開始時に、流量およびトランザクション数の取得を行う。
【0091】
宛先サーバ決定部59では、トランザクション開始時には、負荷分散情報取得部58で得られた情報から、宛先サーバを決定する。トランザクション継続時には、TIDに関するテーブルAから宛先サーバ5を決定する。
【0092】
流量更新部60において、流量情報を更新する。
【0093】
トランザクション数更新部61において、トランザクション数情報を更新する。
【0094】
以上の処理を経たパケットは、パケット更新部62において、その一部に付加されたAID,TID、トランザクション終了フラグ(TEF)が削除されてから、パケット送信部63より、割り当てが決定された宛先サーバ5へ送信される。
【0095】
上記図7〜図9のように構成された第1、第2および第3の負荷分散装置11,12および13による動作を説明する。
【0096】
外部網2からファイル転送(FTP)およびWeb参照(http)のトラヒックが発生したとすると、負荷分散装置13は、そのファイル転送およびWeb参照のトラヒックを、IP−SAをもとに、負荷分散装置11−1〜11−Nに対し分散させる。
【0097】
装置11−1〜11−Nでは、ファイル転送トラヒックなのかWeb参照トラヒックなのかを識別し、パケット毎に、処理可能なサーバ5(ファイル転送ならば5A*、Web参照ならば5B*とする)を判別する。同時にまたトランザクションの識別も行う。
【0098】
アプリケーションの識別結果である特定情報(AID)と、トランザクションの識別結果である識別情報(TID)は、受信パケットに付加情報として追加されてから、負荷分散装置12に送られる。
【0099】
装置12では、テーブルA(図4)にTIDが登録されているか否かを判別し、トランザクションが既に特定のあるサーバに振り分けられているか、あるいは今からサーバを割り当てる必要があるか、を判別する。
【0100】
特定のあるサーバに既に振り分けられている場合には、テーブルA(図4)からサーバのIP−DAを取得し、送信処理を実施して、テーブルC(図6)の流量情報を更新する。
【0101】
特定のサーバに未だ振り分けられていない場合には、テーブルB(図5)から、サーバのリストおよびアプリケーション毎に適したパケット振り分け情報を取得する。このためにテーブルBから取得したIP−DAリストを用いて、テーブルC(図6)を検索し、アプリケーション毎に適したパケット振り分け情報に基づいて、送信すべきサーバを決定する。また送信処理および流量情報/トランザクション情報(テーブルC)を更新する。
【0102】
ファイル転送(FTP)パケットの場合には、テーブルBとD(図5)から、サーバA1とサーバA2の各IP−DAと、サーバの選択に流量を用いるべきであるという重み情報と、を取得する。そしてサーバA1とサーバA2の各IP−DAを用いてテーブルC(図6)を検索し、流量の少ない方のサーバ5に対して当該パケットを送信する。
【0103】
Web参照(http)パケットの場合には、テーブルBとD(図5)から、サーバB1とサーバB2の各IP−DAと、サーバの選択にトランザクション数を用いるべきであるという重み情報と、を取得する。そしてサーバB1とサーバB2の各IP−DAを用いて、テーブルC(図6)を検索し、トランザクシヨン数が予め設定されたトランザクション数リミットを超えていないことを条件に、トランザクション数/秒の少ない方のサーバに対して当該パケットを送信する。
【0104】
例えば、サーバA1へのファイル転送(FTP)要求は、細い回線から多数の要求(流量では100Mbps)であり、サーバA2への要求は、太い回線から少数の要求(流量では700Mbps)である場合について見ると、トランザクション数から判断すると、新たにサーバを選択する場合はサーバA2が選択される。しかし、FTPでは、トランザクション数よりも流量により、サーバ処理がネックとなることが考えられる。このため、サーバA1が選択される。
【0105】
以上の動作をもう少し詳しく説明する。
【0106】
まず第1の負荷分散装置11は、前述のとおり、アプリケーションやデータ属性などを識別し、同一のアプリケーションおよび同一のデータ属性をもつパケットに対しては、同一のAIDを付与する。
【0107】
また、前述のとおり、トランザクションを識別し、同一のトランザクションについては同一のTIDを付与する。そしてトランザクションの終了時にはトランザクション終了フラグを立てる(TENをON)。
【0108】
そして上記AID,TID、トランザクション終了フラグを既述のタグとしてパケットに追加し、第2の負荷分散装置12に送信する。
【0109】
この装置12は起動時に、テーブルB(図5)とテーブルC(図6)の初期設定を実施する。そしてそのテーブルBには、装置11で識別され割り当てられたAIDの全てを登録する。このAIDに対応するアプリケーションおよびデータ属性を持つパケットを処理可能なサーバのIP−DAについてもそのテーブルBに登録する。
【0110】
なおテーブルBとテーブルDをマージする場合(第2テーブル22)には、AID毎にどの振り分け情報を優先するかの重み情報もそのテーブルに登録する。この重み情報は、FTPのようなスループット重視のアプリケーションについては、毎秒当たりの振り分けオクテット数を使用して振り分けすべきことを示し、一方呼処理性能が要求されるWebアクセスアプリケーション(http)については、毎秒当たりの開始済みトランザクションの数を使用して振り分けすべきことを示す。
【0111】
テーブルC(図6)には、全てのサーバのIP−DAを登録し、また、サーバが処理可能なトランザクションの数も登録する。
【0112】
テーブルCとテーブルEをマージする場合(第3テーブル23)は、IP−DA毎に、処理可能なアプリケーションおよびデータ属性をIP−DAに対応させた、AIDリストもそのテーブルに登録する。
【0113】
このあとの説明はフローチャートを参照しながら行う。
【0114】
図10は負荷分散装置11からパケットを受信したときの負荷分散装置12の動作を表すフローチャート(その1)、
図11は同フローチャート(その2)、
図12はサーバが縮退したときの負荷分散装置12の動作を表すフローチャート、
図13はサーバが縮退から復旧したときの負荷分散装置12の動作を表すフローチャートである。
【0115】
まず図10を参照すると、第2の負荷分散装置12は装置11からのパケットを受信する(ステップS11)。
【0116】
トランザクション終了フラグ(TEF)をチェックして(S12)、そのトランザクションが未終了のときは(S13のNo)、装置12は装置11より受信したパケットからTIDを取得し、そのTIDをキー(key)としてテーブルAを検索する(S18)。
【0117】
テーブルAにそのTIDが登録されている場合は(S19のYes)、トランザクションは開始されているものと判断し、そのTIDに対応付けられるIP−DAを持つサーバに対して、AIDとTIDとトランザクション終了フラグ(TEF)を削除したパケットを送信する(S20)。
【0118】
そのパケットを送信後、送信先のIP−DAをキーとしてテーブルCを検索し(S21)、そのIP−DAがヒットすれば(S22のYes)、そのエントリの毎秒当たりの振り分けオクテット数情報を更新する(S23)。
【0119】
テーブルAにTIDが登録されていない場合(S19のNo)、トランザクションが開始されていないものと判断する。この場合は、次にAIDをキーとしてテーブルB(テーブルDがマージされたもの)を検索し(S25)、ヒットすれば(S26のYes)、そのパケットを処理可能なサーバのIP−DAリストと、振り分けの重み情報とをテーブルB,Dから取得する(S27)。
【0120】
次に各IP−DAをキーとしてテーブルCを検索し、振り分け情報を取得する(S28)。この情報を用いて、最適なサーバを以下のように選択する。
【0121】
開始済みトランザクションの総数が、サーバが処理可能なトランザクション数となっているサーバは選択しない。また振り分けの重み情報に従って、FTPのようにスループットを重視するときは、毎秒当たりの振り分けオクテット数が最も小さいサーバを選択する。一方、httpのように呼処理性能を重視するときは、毎秒当たりの、開始済みトランザクションの数が最も小さいサーバを選択する。このようにして選択したサーバに対応するIP−DAに対して、AIDとTIDとトランザクション終了フラグとを削除したパケットを送信する。
【0122】
このパケット送信後に、テーブルAに、TIDと、選択したサーバに対応するIP−DAとを登録する(S30)。
【0123】
なお、IP−DAに対応するテーブルCのエントリに対し、毎秒当たりの振り分けオクテット数と、毎秒当たりの開始済みトランザクションの数と、開始済みトランザクションの総数とを更新する(S29)。
【0124】
トランザクションの終了は、トランザクション終了フラグ(TEF)により判別される(S12)。トランザクション終了時には(S13のYes)、テーブルAを検索し(S14)、その終了したTIDがヒットすれば(S15のYes)、該当のエントリをテーブルAから削除する(S16)。
【0125】
テーブルCにおいて、終了したTIDに対応するIP−DAに対応するエントリにおける、開始済みトランザクションの総数値から−1する。
【0126】
図12を参照すると、サーバの縮退を検出したときは(S41)、縮退したサーバのIP−DAをキーとしてテーブルCを検索する(S42)。このキーがヒットすれば(S43のYes)、このキーに対応するAIDリストをテーブルEより取得し、流量情報とトランザクション情報を初期化すると共に(S44)、取得した各AIDを検索キーとしてテーブルBを検索し、対応するエントリにおける対応するIP−DAに付属する縮退フラグをセットする(S45)。
【0127】
さらにテーブルAを検索し(S46)、そのIP−DAがヒットすれば(S47のYes)、テーブルAから該当のエントリを削除する(S48)。
【0128】
最後に図13を参照すると、第2の負荷分散装置12内でサーバの復旧を検出すると(S51)、そのサーバのIP−DAをキーとしてテーブルCを検索し(S52)、そのIP−DAがヒットすれば(S53のYes)、テーブルEのAIDリストを取得する(S54)。このAIDリストをキーとして、テーブルBを検索し、テーブルB内の該当縮退フラグをOFFにする(S55)。
【0129】
以上詳述した本発明の実施態様は、以下のとおりである。
【0130】
(付記1)クライアント側から受信した受信パケットに含まれる高位レイヤ情報を解析して該受信パケットの属性情報を生成し、該属性情報を付加したパケットを送出する第1の負荷分散装置と、
配下に接続される各サーバに送出されたパケットのトラヒック状況を各該サーバ対応に監視し、そのトラヒック状況情報と前記第1の負荷分散装置から送出された前記属性情報とに基づいて、各パケットを振り分けるべき最適な前記サーバを決定し、当該決定サーバに対し前記パケットを送出する第2の負荷分散装置と、
を備えることを特徴とする負荷分散処理システム。
【0131】
(付記2)複数の前記第1の負荷分散装置と、該複数の第1の負荷分散装置に共有される前記第2の負荷分散装置とから構成すると共に、前記受信パケットを、所定のアルゴリズムに従って前記複数の第1の負荷分散装置のうちのいずれかに振り分ける第3の負荷分散装置をさらに備えることを特徴とする付記1に記載の負荷分散処理システム。
【0132】
(付記3)前記第1の負荷分散装置はパケット解析手段を有し、該パケット解析手段は、前記高位レイヤ情報によりアプリケーションを特定する特定情報とそのアプリケーションに係る一連のトランザクションを識別する識別情報とを前記属性情報として生成し、さらに、該一連のトランザクションが終了したときにその終了情報を生成して、これらの情報を前記受信パケットに付加し前記第2の負荷分散装置に送出することを特徴とする付記1に記載の負荷分散処理システム。
【0133】
(付記4)前記パケット解析手段は、前記一連のトランザクションが開始する都度前記識別情報を当該パケットに割り当て、該一連のトランザクションの継続中は同一の該識別情報を使用し、該一連のトランザクションが終了したときに該識別情報を解放することを特徴とする付記3に記載の負荷分散処理システム。
【0134】
(付記5)前記第2の負荷分散装置はサーバ選択手段を有し、該サーバ選択手段は、前記トラヒック状況情報として、パケットの流量ならびに前記トランザクションの数に関する統計情報を取得すると共に、受信した前記特定情報に基づいて当該アプリケーションを実行可能な前記のサーバ群を特定しさらに前記統計情報をもとにそのサーバ群のうち最適な宛先サーバを決定して前記受信パケットを送出することを特徴とする付記3に記載の負荷分散処理システム。
【0135】
(付記6)前記サーバ選択手段は、各前記サーバの縮退と復旧に関する縮退/復旧情報を取得し、縮退中のサーバを前記宛先サーバの決定対象から除外することを特徴とする付記5に記載の負荷分散処理システム。
【0136】
(付記7)前記サーバ選択手段は、前記識別情報から、前記一連のトランザクションの開始であるか、継続中であるか、または終了であるか、に応じて前記宛先サーバを決定することを特徴とする付記5に記載の負荷分散処理システム。
【0137】
(付記8)前記サーバ選択手段は、トラヒック状況の変更に応じて前記トラヒック状況情報を更新することを特徴とする付記5に記載の負荷分散処理システム。
【0138】
(付記9)前記サーバ選択手段は、前記受信パケットに付加された前記属性情報と前記特定情報と前記終了情報とを削除して、前記サーバ側にそのパケットを送出することを特徴とする付記3に記載の負荷分散処理システム。
【0139】
(付記10)前記サーバ選択手段は、前記サーバ群の特定と前記宛先サーバの決定に要する各種情報を格納する各種テーブルを有することを特徴とする付記6に記載の負荷分散処理システム。
【0140】
(付記11)前記各種テーブルには第1テーブルを含み、該第1テーブルは、割り当て済みの前記識別情報と当該トランザクションを開始している前記宛先サーバとの対応関係を表示することを特徴とする付記10に記載の負荷分散処理システム。
【0141】
(付記12)前記終了情報がオンとなったとき、前記対応関係を前記第1テーブルから消去することを特徴とする付記11に記載の負荷分散処理システム。
【0142】
(付記13)前記各種テーブルには第2テーブルを含み、該第2テーブルは、前記特定情報と当該アプリケーションを処理可能な前記サーバとの対応関係を表示することを特徴とする付記10に記載の負荷分散処理システム。
【0143】
(付記14)前記受信パケットについて前記識別情報を未割り当てのときに、前記第2テーブルを参照することを特徴とする付記13に記載の負荷分散処理システム。
【0144】
(付記15)前記第2テーブル内の、前記アプリケーションを処理可能な前記サーバに対応させて、このサーバの前記縮退/復旧情報も併せて表示することを特徴とする付記13に記載の負荷分散処理システム。
【0145】
(付記16)前記第2テーブル内の前記特定情報に対応させて、前記の最適な宛先サーバを決定するに際し優先的に重視すべき前記統計情報を指定する重み情報も併せて表示することを特徴とする付記13に記載の負荷分散処理システム。
【0146】
(付記17)前記各種テーブルには第3テーブルを含み、該第3テーブルは、各前記宛先サーバに対応させた前記統計情報を表示し、この統計情報を参照して前記の最適な宛先サーバを決定するに際し処理負荷の小さい宛先サーバを割り当てることを特徴とする付記10に記載の負荷分散処理システム。
【0147】
(付記18)前記第3テーブルは、割り当て済みの前記識別情報と当該トランザクションを開始している前記宛先サーバとの対応関係が存在するときに参照することを特徴とする付記17に記載の負荷分散処理システム。
【0148】
(付記19)前記第3テーブルはさらに、前記宛先サーバに対応させた特定情報リストも併せて表示し、該特定情報リストには該宛先サーバ毎に、処理可能なアプリケーションおよびデータ属性を登録することを特徴とする付記17に記載の負荷分散処理システム。
【0149】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第2の負荷分散装置12を導入することにより、システムネットワーク内の制御トラヒックを増やしたり、不必要にサーバを増やすことのない、第1の負荷分散装置11を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る負荷分散処理システムの基本構成を示す図である。
【図2】図1の基本構成をさらに具体的に示す図である。
【図3】パケットの一部に埋め込まれるタグ(AID,TID,TEF)を示す図である。
【図4】本発明による第1テーブルを示す図である。
【図5】本発明による第2テーブルを示す図である。
【図6】本発明による第3テーブルを示す図である。
【図7】図2に示すパケット振分け手段18の機能ブロック図である。
【図8】図2に示すパケット解析手段15の機能ブロック図である。
【図9】図2に示すサーバ選択手段16の機能ブロック図である。
【図10】負荷分散装置11からパケットを受信したときの負荷分散装置12の動作を表すフローチャート(その1)である。
【図11】負荷分散装置11からパケットを受信したときの負荷分散装置12の動作を表すフローチャート(その2)である。
【図12】サーバが縮退したときの負荷分散装置12の動作を表すフローチャートである。
【図13】サーバが縮退から復旧したときの負荷分散装置12の動作を表すフローチャートである。
【図14】従来例1を示す図である。
【図15】従来例2を示す図(その1)である。
【図16】従来例2を示す図(その2)である。
【図17】従来例3を示す図である。
【符号の説明】
1…負荷分散処理システム
2…外部網
5…サーバ
11…第1の負荷分散装置
12…第2の負荷分散装置
13…第3の負荷分散装置
15…パケット解析手段
16…サーバ選択手段
17…テーブル
18…パケット振分け手段
21…第1テーブル
22…第2テーブル
23…第3テーブル

Claims (5)

  1. クライアントから受信したパケットに含まれる高位レイヤ情報解析に基づいて前記パケットの属性情報を生成し、前記属性情報を付加したパケットを送出する互いに並列接続された複数の第1の負荷分散装置と、
    配下に接続される各サーバに送出されたパケットのトラヒック状況を前記各サーバに監視し、そのトラヒック状況情報と前記第1の負荷分散装置から送出されたパケットに付加された前記属性情報とに基づいて、前記パケットを振り分けるべき最適な前記サーバを決定し、前記決定されたサーバに対し前記パケットを送出する第2の負荷分散装置と、
    を備えることを特徴とする負荷分散処理システム。
  2. 前記第1の負荷分散装置はパケット解析手段を有し、前記パケット解析手段は、前記高位レイヤ情報によりアプリケーションを特定する特定情報とそのアプリケーションに係る一連のトランザクションを識別する識別情報とを前記属性情報として生成し、さらに、前記一連のトランザクションが終了したときにその終了情報を生成して、これらの属性情報および終了情報に係る情報を前記受信したパケットに付加し前記第2の負荷分散装置に送出することを特徴とする請求項1に記載の負荷分散処理システム。
  3. 前記第2の負荷分散装置はサーバ選択手段を有し、前記サーバ選択手段は、前記トラヒック状況情報として、前記配下に接続される各サーバに送出されるパケットの流量ならびに前記一連のトランザクションの数に関する統計情報を取得すると共に、受信した前記特定情報に基づいて前記アプリケーションを実行可能なサーバを特定しさらに前記統計情報をもとにそのサーバ群のうち最適な宛先サーバを決定して前記パケットを送出することを特徴とする請求項2に記載の負荷分散処理システム。
  4. 前記サーバ選択手段は、各前記サーバの縮退と復旧に関する情報を取得し、縮退中のサーバを前記宛先サーバの決定対象から除外することを特徴とする請求項3に記載の負荷分散処理システム。
  5. 前記サーバ選択手段は、前記サーバ群の特定と前記宛先サーバの決定に要する各種情報を格納するテーブルを有することを特徴とする請求項4に記載の負荷分散処理システム。
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