JP3994759B2 - 位置制御装置、位置制御方法および電子ビーム照射装置 - Google Patents
位置制御装置、位置制御方法および電子ビーム照射装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、光ディスクの原盤記録に用いられる位置制御装置、位置制御方法および電子ビーム照射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクにおいては記録密度の一層の高密度化が求められており、これを実現するためには記録ピットをより微細に形成する必要がある。このため、光ディスクの原盤の作製においては、本出願人の先願として、従前のレーザー光よりもさらに微細なピットを形成できる電子ビームを原盤に照射して情報の記録を行う電子ビーム照射装置が提案されている(特願平4−276068号、特願2000−57374号)。
【0003】
この電子ビームを原盤に照射して情報の記録を行う装置では、ピット幅が数nm〜数十nmのグルーブ/ランドやピットを作成することができるが、高精度な情報の記録を可能とするため、電子ビーム照射ヘッドに対する原盤の距離に対応して適正に電子ビームを照射するため電子ビーム照射高さを正確に合わせる必要がある。
【0004】
例えば、上述した電子ビーム照射装置などの差動静圧浮上パッドを用いた部分真空電子ビーム照射装置において、差動静圧浮上パッドの静圧軸受部に正圧を給気し、かつ排気真空部を負圧で吸引することにより、原盤と差動静圧浮上パッドは数μm程度の隙間を保ちながら非接触で吸着し、差動静圧浮上パッド内の中心部に行くに従い真空度を高くすることができる。この場合、差動静圧浮上パッド中心部では電子ビームの照射に差し支えない程度の真空度(1×10-4[Pa]程度)まで到達することが可能である。
【0005】
ところで、回転する原盤と差動静圧浮上パッドとの距離を示す浮上量を常に一定に保つことは、露光プロセスの安定に大きな影響を与える。この浮上量は、基本的には差動静圧浮上パッド底面の多孔質の通気体から噴出される窒素などの正圧により可変可能である。この浮上量が多いと差動排気の効果が薄れ差動静圧浮上パッド内部の真空度が上がらず、電子ビームが散乱しビーム径が絞りきれなくなる。また、逆に浮上量が少ないと原盤と差動静圧浮上パッドが接触し、最悪の場合には差動静圧浮上パッドに致命的なダメージを与えてしまうことも考えられる。
【0006】
一方、浮上圧により浮上量を調整する前提条件として、差動静圧浮上パッドが原盤に密着していながら、原盤に対して押しても、引いてもいないという両者の力のバランスが取れている状態が必要である。例えば、差動静圧浮上パッドが原盤を押し過ぎの状況の場合には、原盤側の移動テーブルやスピンドルモーターが差動静圧浮上パッドにより押し込まれて沈み込むため、フォーカスポイントが変化し露光プロセスの条件が変化する。他方で、浮上圧を上げても原盤がスムーズに回転可能となるような適正な浮上量を得ることは難しい。このため、電子ビーム照射ヘッド内部を真空にすることにより差動静圧浮上パッドが原盤から離れる方向に引っ張り上げられる力をキャンセルさせるため、本出願人の先願として真空配管装置(特願2001−054742号)で示した二重構造のベローズの内部に正圧を付加し、差動静圧浮上パッドを原盤に近接する下方向に押し下げる力を発生させ、差動静圧浮上パッドが原盤に密着しながらも原盤に対して力のバランスが取れている状況を作り出すことが要求されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の電子ビーム照射装置では、装置の性格上、一度真空立ち上げを行った後は、基本的には差動静圧浮上パッド内の中心部の真空状態を維持する必要があるため、二重構造のベローズの内部に付加する正圧の調整は、真空立ち上げ時にしか設定できない。そのため、厳密な意味では、ある厚みの単一な原盤となるウェハーのみに対して二重構造のベローズの内部に付加すべき正圧の調整値を示していることになる。
【0008】
ここで、現在使用しているウェハーの厚みの規格として±20μmの公差が認められているため、最大40μmの厚みが変わるウェハーが装置に装着される可能性がある。そのため、ウェハーを交換したときに二重構造のベローズの内部に付加すべき各ウェハーに適合する繊細な正圧の調整は困難である。このことは、言い換えれば、実際の浮上量は、ウェハーの交換毎にウェハーの厚みにより数μmレベルで変化することを意味している。
【0009】
また、差動静圧浮上パッドと原盤間の相対位置が変わることで、差動静圧浮上パッドが原盤に密着しながら原盤に対して保っている力のバランスが崩れてしまうため、原盤が上下方向、つまり差動静圧浮上パッドに近接または離隔する方向に所定量だけ移動する。ここで、上述した真空立ち上げの後にフォーカス調整を行うため、移動テーブルを原盤の径方向に移動させて電子ビーム照射ヘッドを一旦移動テーブル上の原盤を支持する支持部の横に設けられたフォーカスステージ(特願2001−054741号参照)に対向させた後に、露光を行うため、移動テーブルを原盤の径方向に逆に移動させて電子ビーム照射ヘッドを移動テーブル上の原盤を支持する支持部に対向させる。ところが、上述した原盤の移動量が原盤に対して照射される電子ビームの焦点深度、具体的には設計上10μm以上に大きいと、上述したフォーカス調整で合わせたジャストフォーカスポイントが変わってしまい、結果としてフォーカスが外れたデフォーカス状態で露光を行うことになってしまうという不都合があった。
【0010】
ここで、フォーカス自体の調整範囲は±100μm程度あるため、ウェハー公差の±20μmによる最大40μmのウェハー厚みの変化には十分に対応することができる。しかしながら、移動テーブルの原盤の径方向の移動により電子ビーム照射ヘッドをフォーカスステージに対向させてジャストフォーカスポイントにフォーカス調整を行った後に、移動テーブルの原盤の径方向の逆の移動により電子ビーム照射ヘッドを原盤を支持する支持部に対向させて露光を行うが、その際の移動テーブルの原盤の径方向の正逆の移動により変動が発生するため、二重構造のベローズの内部に付加する正圧の量が最適ではなくなる。このため、差動静圧浮上パッドが原盤に密着しながら原盤に対して保っている力のバランスが崩れてしまうため、原盤が上下方向、つまり差動静圧浮上パッドに近接または離隔する方向に所定量だけ移動する。このことから、上述したフォーカス調整で合わせたジャストフォーカスポイントが焦点深度以上に変わってしまうという不都合があった。
【0011】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、静圧浮上パッドに対する原盤の距離を示す浮上量を適正に制御することができる位置制御装置、位置制御方法および電子ビーム照射装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の位置制御装置は、記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、記録媒体の径方向の移動手段と、移動手段上に設けられた記録媒体の回転手段と、回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された記録媒体に電子ビームの照射による記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、記録媒体に対する電子ビーム照射ヘッドの先端部の静圧浮上パッドの位置を制御する位置制御装置において、電子ビーム照射ヘッドに対して記録媒体に近接または離隔する方向に静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段と、伸縮連結手段の伸縮による静圧浮上パッドが記録媒体に近接または離隔する際の記録媒体が載置支持される支持手段の変位量を検出する検出手段と、検出手段で検出された変位量に応じて伸縮連結手段を伸縮させることにより、静圧浮上パッドが記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させる際に、変位量がなくなるまで静圧浮上パッドの位置を制御する制御手段とを備えたものである。
【0013】
また、本発明の位置制御方法は、記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、記録媒体の径方向の移動手段と、移動手段上に設けられた記録媒体の回転手段と、回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された記録媒体に電子ビームの照射による記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、記録媒体に対する電子ビーム照射ヘッドの先端部の静圧浮上パッドの位置を制御する位置制御方法において、電子ビーム照射ヘッドに対して記録媒体に近接または離隔する方向に静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段を用いて、伸縮連結手段の伸縮により静圧浮上パッドを記録媒体に近接または離隔する伸縮ステップと、伸縮連結手段の伸縮による静圧浮上パッドが記録媒体に近接または離隔する伸縮ステップの際の記録媒体が載置支持される支持手段の変位量を検出する検出ステップと、検出ステップで検出された変位量に応じて伸縮連結手段を伸縮させることにより、静圧浮上パッドが記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させる際に、変位量がなくなるまで静圧浮上パッドの位置を制御する制御ステップとを備えたものである。
【0014】
また、本発明の電子ビーム照射装置は、記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、記録媒体の径方向の移動手段と、移動手段上に設けられた記録媒体の回転手段と、回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された記録媒体に電子ビームの照射による記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、記記録媒体に対する電子ビーム照射ヘッドの先端部の静圧浮上パッドの位置を制御する電子ビーム照射装置において、電子ビーム照射ヘッドに対して記録媒体に近接または離隔する方向に静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段と、伸縮連結手段の伸縮による静圧浮上パッドが記録媒体に近接または離隔する際の記録媒体が載置支持される支持手段の変位量を検出する検出手段と、検出手段で検出された変位量に応じて伸縮連結手段を伸縮させることにより、静圧浮上パッドが記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させる際に、変位量がなくなるまで静圧浮上パッドの位置を制御する制御手段とを備えたものである。
【0015】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
まず、初期化を行う。真空立ち上げ前に、伸縮連結手段に圧縮気体が付加されておらず大気圧の状態で、静圧浮上パッドと原盤間にギャップがあり、静圧浮上パッドが原盤に何等押圧力を加えていない状態において、原盤上面に0点リセットを行う。
【0016】
次に、真空立ち上げを行う。装置立ち上げ時の真空引きの際には、差動静圧浮上パッドは、伸縮連結手段の二重構造のベローズの内側のベローズの有効断面積とマイナス1気圧の負圧との積に相当する力で伸縮連結手段が収縮力を受け、静圧浮上パッドが原盤から離れる方向で真空容器側に引き上げられようとする状態となる。
【0017】
そして、ウェハー代表値での圧力調整を行う。この伸縮連結手段に働く収縮力をキャンセルし、差動静圧浮上パッドと原盤の相対位置を常に一定に保つため、この伸縮連結手段における内側のベローズと外側のベローズとの間の空間部に、電空レギュレーターから圧縮気体供給路を介して圧縮気体即ち正圧を供給し、内側のベローズの有効断面積と負圧との積による収縮力と、内側のベローズと外側のベローズとの間の空間部の有効断面積と正圧との積がほぼ等価となるように正圧を与えることにより、収縮力と伸張力がほぼつり合って中立となり、両者のバランスがとれた状態となる。
【0018】
ここで、フォーカス調整を行う。移動手段の原盤の径方向の移動により電子ビーム照射手段をフォーカスステージに対向させて、電子ビームコラムのフォーカス調整用電子レンズと対物電子レンズの電磁コイルによって電子ビームが電子ビーム照射手段を通じて、原盤上にフォーカスを合わせるようにすることにより、ジャストフォーカスポイントにフォーカス調整を行う。
【0019】
この後に、最適圧力調整を行う。移動手段の原盤の径方向の逆の移動により電子ビーム照射手段を原盤を支持する支持手段に対向させて、移動手段の原盤の径方向の正逆の移動により発生する変動分や原盤を交換したときの各原盤毎のうねりを吸収するために、二重構造のベローズの内部に付加する正圧の量が最適値になるように調整する。制御手段は、検出手段からの変位信号に応じた制御信号を生成し、電空レギュレーターは伸縮連結手段に付加する圧縮気体(正圧)の圧力を検出手段からの変位信号がゼロになるように制御する。これにより、差動静圧浮上パッドが原盤に密着しながら原盤に対してバランスを保ことができるため、原盤が差動静圧浮上パッドに所定距離だけ離れて非接触で吸着する。このことから、上述したフォーカス調整で合わせたジャストフォーカスポイントを維持することができる。
【0020】
そして、露光を行う。電子ビーム照射手段の真空容器の下端部の伸縮連結手段を介して取り付けられている静圧浮上パッドが、原盤に対し僅かな隙間をもって非接触で吸着し、その状態で電子銃から出射された電子ビームが静圧浮上パッドの中心部の電子ビーム通路を通って原盤に照射される。また、上述した回転手段による回転移動および移動手段による直線移動により原盤の内周から外周へ向けて連続的に露光が行われる。つまり、この静圧浮上パッドによって原盤上の一部分を真空にした状態で原盤に電子ビームが照射されると共に、同時に回転手段の駆動により原盤が回転されると共に移動手段の駆動によって原盤が径方向に移動されることで所定の線状のトラックに情報の記録が行われる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
ここでは、光ディスクの製造用スタンパの原盤作製において、例えばガラス基板上に塗布されたフォトレジスト層に対する電子ビーム描画によるパターン露光を行うための電子ビーム照射装置を例示してあり、この装置は図1に示す如く、電子銃26から出射される電子ビームbを被照射体であるディスク原盤11である記録媒体に照射して信号の記録(信号パターンの記録ビットの形成)を行うものである。
【0022】
この電子ビーム照射装置は、いわゆる電子ビームコラム25と、原盤11に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドである電子ビーム照射手段23と、フォーカス制御を行うためのフォーカスステージ22と、電子ビーム照射手段23から出射される電子ビームbの照射がなされる原盤11と、原盤11を回転及び径方向に移動可能に支持するスピンドルモーター20及び移動テーブル18とを有して構成される。
【0023】
また、電子ビームコラム25は、電子銃26と、図示はしないが、これより放出された電子ビームbを収束するコンデンサ電子レンズと、電子ビーム変調器と、中央にアパーチャを有する制限板と、電子ビーム偏光器と、フォーカス調整用電子レンズと、対物電子レンズと、電子ビームbの照射方向を偏向させる電子ビーム偏向器とを有して構成される。
【0024】
電子ビーム変調器は、例えば相対向する偏向電極板よりなり、これらの間に所要の電圧を印加することによって電子ビームbを偏向して、制限板のアパーチャを透過させたり、制限板によって遮断することによってオン・オフ変調を行うように構成されている。
【0025】
また、電子ビーム偏光器は、例えば相対向する偏向電極板よりなり、電子ビームが照射される位置を原盤11上の半径方向のトラック横断方向に微小移動することを可能に構成されている。
【0026】
また、フォーカス調整用電子レンズと対物電子レンズは、それぞれ例えば電磁コイルより構成されて、これらによって電子ビームbが電子ビーム照射手段23を通じて、原盤11上にフォーカスを合わせるように構成されている。
【0027】
なお、フォーカス調整用電子レンズは、手動調整可能であってフォーカス状態に固定されている。また、フォーカス調整用電子レンズに例えばフォーカス制御部からのフォーカスエラー信号を供給してフォーカス制御をしてもよい。
【0028】
ここで電子ビームの照射には真空環境が必要であるが、特にこの装置では電子ビームを照射する部分のみを真空状態とし、それ以外の部分は大気中に置く部分真空方式が採用されている。
【0029】
まず、この装置において原盤11を支持する支持機構部12について説明する。
この支持機構部12は、装置の基台上に固定されるベース13と、このベース13上に備えられた直線案内機構14と、この直線案内機構14により直線移動可能に支持され、原盤11が載置される回転テーブル15とにより構成されている。
【0030】
直線案内機構14は、ベース13上に水平に配置されたガイドレール16と、このガイドレール16の左右両端部をベース13に支持するスタンド17a、17bと、ガイドレール16に沿って移動可能に支持された移動テーブル18とから構成されており、この移動テーブル18はその左右の脚部18a、18bに設けられた例えば静圧空気式の軸受19によってガイドレール16に対して移動可能に支持されている。
【0031】
回転テーブル15は直線案内機構14の移動テーブル18上に取り付けられており、例えば静圧空気式の回転軸受けにより低摩擦で回転可能に支持されている。
【0032】
原盤11はこの回転テーブル15上に水平に載置された状態で吸着固定されるようになっており、この原盤11を回転テーブル15上で吸着する手段としては、真空吸着方式あるいは静電吸着方式が好適に用いられる。
【0033】
この回転テーブル15はその下に配置された電磁駆動型のスピンドルモーター20によって回転駆動されるようになっている。さらに回転テーブル15の下には回転検出用のエンコーダーが配置されており、このエンコーダーと制御回路によって回転テーブル15の回転駆動が制御される。
【0034】
また移動テーブル18とベース13の間には電磁駆動型のリニアモーター21が構成されており、このリニアモーター21の駆動によって移動テーブル18がガイドレール16に沿って水平方向即ち原盤11の径方向に移動されるようになっている。さらに、図には表れていないが、直線案内機構14には移動テーブル18の移動位置を検出するリニアスケールと、このリニアスケールの値を制御回路によってフィードバックして位置決め制御を行う駆動制御機構が設けられている。
【0035】
このように構成される原盤の支持機構部12に対して、その上方には、原盤11上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する電子ビーム照射手段23が固定的に配置されている。
【0036】
真空容器24は原盤11の上方で懸架支持され、この真空容器24の内部に電子ビームコラム25が配置され、この電子ビームコラム25の上流の電子ビーム励起源である電子銃26から電子ビームbが出射される。
【0037】
電子ビームコラム25が内蔵される真空容器24には図示しない真空ポンプによりなる排気手段が連結されており、この排気手段によって真空容器24の内部を吸引することで電子ビームコラム25内が電子ビームの照射に支障のない程度の真空度(1×10-4[Pa]程度)に保たれるようになっている。
【0038】
この真空容器24の下端部の電子ビーム出口には伸縮連結機構27を介して静圧浮上パッド28が取り付けられており、この静圧浮上パッド28が原盤11に対し5μm程度の僅かな隙間をもって非接触で吸着し、その状態で電子銃26から出射された電子ビームbが静圧浮上パッド28の中心部の電子ビーム通路を通って原盤11に照射される。
【0039】
図2に静圧浮上パッド28の詳細な構造を示す。
この静圧浮上パッド28は、その中心部に電子ビームbが通る電子ビーム通路29を有する例えば金属製のブロック30により構成される。このブロック30はベローズ状の伸縮連結機構27によって真空容器24の下端の固定部24aに気密的に連結されており、この伸縮連結機構27の伸縮によりブロック30は原盤11に厚さムラや回転ぶれ等があってもそれに追従して確実に吸着できるようになっている。
【0040】
そしてこのブロック30を原盤11に吸着する手段としてブロック30には、原盤11との対向面に開口する第1の吸引溝31及び第2の吸引溝32が電子ビーム通路29を中心とする同心円状に形成されている。
【0041】
この第1の吸引溝31と第2の吸引溝32には夫々排気管33と34を介して排気手段41、42が連結されており、この排気手段41、42によって第1の吸引溝31と第2の吸引溝32から排気即ち気体の吸引が行われる如くなされている。
【0042】
この排気手段41、42としては真空ポンプが用いられ、この場合、電子ビーム通路29に近い吸引溝ほど高い真空度に排気できる真空ポンプを連結する。即ち、電子ビーム通路29に近い第1の吸引溝31には例えば1×10-1[Pa]程度の真空度が得られる真空ポンプを連結し、これより外側の第2の吸引溝32には5×103 [Pa]程度の真空度が得られる真空ポンプを連結する。
【0043】
さらにブロック30には、第2の吸引溝32の外側において原盤11との対向面に露出する通気体35が埋め込まれている。この通気体35は通気性を有する多孔質の金属およびカーボン等を材料として電子ビーム通路29を中心とするリング状に形成されており、この通気体35の裏側においてブロック30の内側には気体の流路36が形成されている。
【0044】
この流路36には給気管37を介して給気手段である圧縮気体供給源43が連結されており、この給気手段から流路36に例えば5×105 [Pa]程度の圧縮気体(正圧)が供給され、これが通気体35から噴出されるようになっている。
【0045】
このように構成された電子ビーム照射装置は、以下の動作をする。
この電子ビーム照射手段23の上部に設けられている電子ビームコラム25の上流の電子ビーム励起源である電子銃26から電子ビームbが出射される。
【0046】
この電子ビーム照射手段23の下端部の電子ビーム出口には伸縮連結機構27を介して静圧浮上パッド28が取り付けられており、この静圧浮上パッド28が原盤11に対して5μm程度の僅かな隙間をもって非接触で浮上し、その状態で電子銃26から出射された電子ビームbが静圧浮上パッド28の中心部の電子ビーム通路を通って原盤11に照射される。
【0047】
上述したように構成される静圧浮上パッド28を原盤11の上に載せた状態で各排気手段41、42及び給気手段である圧縮気体供給源43を作動させると、通気体35から噴出される気体によって静圧浮上パッド28が原盤11から僅かに浮き上がり、同時に第1及び第2の吸引溝31及び32から気体が吸引されて溝内が負圧となることによって静圧浮上パッド28が原盤11に吸い付くように作用し、このため静圧浮上パッド28は原盤11に対し5μm程度の隙間dを保ちながら非接触で吸着される状態となるので、原盤11の回転には支障がない。
【0048】
このとき通気体35から噴出される気体は、その周囲に形成されている第1及び第2の吸引溝31及び32で吸引されることにより電子ビーム通路29に至ることが回避され、この場合、通気体35からの気体は先ず第2の吸引溝32で吸引され、さらに第1の吸引溝31で吸引されることになり、ここで第1の吸引溝31での吸引力は第2の吸引溝32より強くなっているため、静圧浮上パッド28の中心部に行くほど真空度を高くでき、これによって真空容器24の内部即ち電子ビームコラム25内を電子ビームの照射に支障のない程度の真空度(1×10-4[Pa]程度)に保つことができるものである。
【0049】
そしてこの静圧浮上パッド28によって原盤11上の一部分を真空にした状態で原盤11に電子ビームbが照射され、同時にスピンドルモーター20の駆動により原盤11が回転されると共に移動テーブル18の駆動によって原盤11が径方向に移動されることで所定の線状のトラックに情報の記録が行われる。
【0050】
このように構成される電子ビーム照射装置において、静圧浮上パッド28と真空容器24とを連結する伸縮連結機構27の二重構造のベローズの内部に、後述するように本実施の形態によるパッド位置の制御のための正圧が供給されることにより、いかなる原盤に対しても原盤11に対する静圧浮上パッド28の浮上量を適正に制御することができる。
【0051】
即ちここで伸縮連結機構27は内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとで構成される二重構造を有している。これらの内側のベローズ27aと外側のベローズ27bは何れも金属または樹脂製の柔軟に屈曲可能なベローズであり、夫々上端部が真空容器24側の固定部24aに、下端部が静圧浮上パッド28側の固定部28aに気密的に連結固定されている。
【0052】
そして、この伸縮連結機構27における内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cに、後述する給気手段から圧縮気体供給路48を介して圧縮気体即ち正圧が供給されるようになっている。
【0053】
この伸縮連結機構27においては、内側のベローズ27aの内部が負圧状態になるので、内側のベローズ27aの有効断面積と負圧との積に相当する力で伸縮連結機構27が収縮力を受け、静圧浮上パッド28が真空容器24側に引き上げられようとする。ここで静圧浮上パッド28と原盤11は前述した如く微小の隙間でつり合っており、隙間を広げようとすると吸い付こうとする力が発生するので原盤11を引き上げようとする。
【0054】
そこで内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cに後述する給気手段から圧縮気体供給路48を介して正圧を供給し、内側のベローズ27aの有効断面積と負圧との積による収縮力と、内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cの有効断面積と正圧との積がほぼ等価となるように正圧を与えると、収縮力と伸張力がほぼつり合って中立となり、静圧浮上パッド28や原盤11を引き上げる力がキャンセルされ、静圧浮上パッド28は無負荷で安定して一定の隙間を保ちながら原盤11の微小な変動に追従できるようになり、より高精度な記録が可能となる。
【0055】
上述の如く構成される電子ビーム照射装置では、電子ビームを照射する部分のみを真空とする部分真空方式を採用したことにより、大きな空間の真空保持を必要とせず、このため大型の排気手段(真空ポンプ)の使用を回避でき、小型で廉価に装置を構成することができる。
【0056】
図3は、電子ビーム照射装置のパッド位置制御部の構成を示す図である。
図3において、パッド位置制御部は、伸縮連結機構27の伸縮による静圧浮上パッド28の下降または上昇の際の支持部15bの変位を検出するスピンドル変位センサー44と、スピンドル変位センサー44で検出された変位量に基づいて制御信号を生成する制御手段45と、制御手段45で生成された制御信号によりエアー源47から圧縮気体を生成する電空レギュレーター46と、電空レギュレーター46で生成された圧縮気体を伸縮連結機構27における内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cに供給する圧縮気体供給路48とを有して構成される。ここで、移動テーブル18の原盤11の径方向の正逆の移動により発生する変動分や原盤を交換したときの各原盤毎のうねりは、原盤11の外周側が大きなうねりとなって現れるため、スピンドル変位センサー44は、移動テーブル18上の原盤11の外周側に対向する位置に設けられる。
【0057】
ここで、スピンドル変位センサー44について説明する。
まず、振動について説明する。振動はその特性において直線振動、曲げ振動、ねじり振動の3つに大きく分類することができる。また、こうした振動を定量的に捕らえるためには、一般的に変位(m)、速度(m/s)、加速度(m/s2 )の3つの物理量が使用される。各物理量は微分及び積分することでそれぞれ相互に交換することが可能である。今、速度が周波数に対して一定である場合、変位並びに加速度の周波数に対する出力の特性は、周波数の低い範囲では変位の感度が高く、周波数が上がるにつれて速度へ、また加速度へと移っていく。このことから、周波数の低い場合は変位で、周波数が高い場合には加速度で測定した方が一般的には感度良く測れることになる。そこで、本実施の形態では、比較的周波数の低い支持部15bの変位を測定量としている。設備診断等では、数百Hzまでは変位・速度で、それ以上の周波数では加速度で測定している。
【0058】
次に、振動センサの選択について説明する。精度よく振動を検出するための適切なセンサを選択するために考慮すべき点を以下に述べる。まず、対象とする物理量は何であるか、具体的には、変位、速度または加速度のいずれであるかを判断する。また、測定対象物の大きさはどうか、具体的には、センサには、接触式と非接触式の2つのタイプがあり、接触式センサを使用する場合には、後述する質量効果について、また、接触・非接触に関わらず、センサの測定必要面積Sと対象とする測定物の面積S’について考慮する必要がある。つまり、S’/S>1でないと正確な計測は不可能である。また、対象物の振動の大きさ、周波数範囲はどうか、具体的には、測定対象の振動の大きさ、周波数範囲のおおよその目安を求めておく必要がある。ここでの目安を誤ると、場合によってはセンサを破損する可能性が有るからである。また、測定環境はどうか、具体的には、測定対象並びに周囲環境の温度、湿度や埃、油、水の存在の有無をチェックする。測定方式によって得手・不得手があるからである。そこで、本実施の形態では、測定対象の支持部15bが回転するため非接触式センサを用いている。
【0059】
以上をチェックした後に、測定対象に最適なセンサの選択を行う。
接触式センサの優位点は、比較的安価に計測が可能であり、取付・取り扱いが簡単である点である。また、注意点としては、質量効果がある点である。質量効果とは、測定を行うために取り付けたセンサの質量により測定対象体の固有振動数が影響を受け変化してしまうことをいう。
【0060】
また、非接触式センサの優位点は、振動体に影響を与えないことであり、このため、回転体など接触式センサでは測定できない部位の計測に有効となる。注意点としては、センサは振動絶縁する必要がある点である。
【0061】
次に、振動センサの原理と特長について説明する。
第1に、静電容量式の変位センサについて説明する。
測定原理としては、センサと対象測定物によって形成されるコンデンサの静電容量から、ギャップ(変位)を測定する。従って、測定対象は導体に制限される。静電容量Cは、導体の対向面積SとギャップDの関数となり、センサと対向導体(測定対象)が平行平板であるとき所定の関係式が成り立つ。ここで面積Sが一定とすれば、ギャップDは静電容量Cに反比例する。従って、静電容量Cが測定できれば、ギャップDを求めることができる。
【0062】
静電容量式の変位センサの優位点は、非接触検出である点、導体であれば全て無校正で使用可能である点、高精度・高安定性を有する点、ギャップゼロ至近から測定可能である点およびDCまで測定可能である点である。注意点としては、測定対象との導通が必要である点、測定対象表面上の油・水等の影響を受ける点および測定必要面積が比較的大きい点である。
【0063】
第2に、渦電流方式の変位センサについて説明する。
測定原理としては、渦電流効果を利用したもので、測定対象は金属に制限される。センサ部のコイルのインダクタンスLと変換部のコンデンサCによりLC共振回路を形成し、この回路を水晶発振子により共振状態とする。この高周波電流を流したコイルに対象となる金属を近づけるとコイルで発生する交流磁界により金属内に渦電流が流れる。この渦電流の強さは、到達する磁力線の強度、すなわちコイルと対象物との距離に依存するため、渦電流の強度によってインダクタンスLは変化する。この結果、共振回路の端子電圧に変化が生じ、その変化は距離の関数となるため、この信号を検波することにより測定対象までのギャップを求めることができる。
【0064】
渦電流方式の変位センサの優位点は、非接触検出である点、全ての金属が測定可能である点、測定対象表面上の油・水等の影響を受けない点、高温までの使用が可能である点およびDCまで測定可能である点である。注意点としては、測定必要面積が比較的大きい点およびセンサを並べて使用すると相互干渉が起こる点である。
【0065】
第3に、レーザ(3角測量)式の変位センサについて説明する。
測定原理としては、光学式3角測量を利用した非接触変位センサである。光源にレーザを使用することで高精度と高安定性を確保している。センサの内部構造は以下のようになる。レーザ光を測定対象物に当てると、対象物体から拡散反射した光線の一部が、位置検出素子(PSD(Position SensingDevice))上に光スポットを作る。この光スポットの位置は対象物が近距離にある場合は位置検出素子上の点に、遠距離にある場合は位置検出素子外の点に集束する。対象物体の変位に応じたこの光スポットの動きを検出することで、物体までの変位量が測定できる。
【0066】
レーザ3角測量式の変位センサの優位点は、非接触検出である点、測定点が小さい点、大振幅測定が可能である点およびDCまで測定可能である点である。注意点としては、微小振幅が測り難い点および高周波数の測定が不可(2kHz程度まで)である点である。そこで、本実施の形態では、電子ビームの照射に影響を与えないものとしてレーザ3角測量式の変位センサを用いている。
【0067】
第4に、圧電素子(電荷出力・アンプ内蔵)式の変位センサについて説明する。
測定原理としては、水晶の単結晶やチタンサンパリウムは、力を受けるとその表面に電荷が発生する。これを圧電効果と呼ぶ。圧電効果を生じる材料を圧電材料(圧電素子)という。圧電型加速度ピックアップは、圧電素子をサイズモ系のばねとして用い、また同時に機械電気変換素子として用いたセンサである。振動加速度に比例した電気信号を出力する。圧電型加速度ピックアップは、圧電素子への力の加わり方の違いにより、基本的に圧縮型とせん断型(シェア型)の2種類に大別される。圧縮型は、センサのベースとおもりの間に圧電素子を挟み込んだ構造となっている。シェア型は、ベースに垂直に立てられたポストとおもりの間に圧電素子を固定した構造となっている。なお、従来は圧縮型が使われていたが、最近では、ベース歪みや急激な温度変化の影響が少ないシェア型が普及している。
【0068】
圧電素子(電荷出力・アンプ内蔵)式の変位センサの優位点としては、計測が比較的簡単である点、システムが安価に実現可能である点および安定性が高く、経年変化が少ない点である。注意点としては、接触式のため、質量効果、接触共振に注意が必要である点および等加速度運動の測定は不可である点である。
【0069】
さらに、センサの固定方法による周波数特性の変化について説明する。センサを測定対象物に固定する際、どのような方法をとるかによってセンサの周波数特性が変化するため、測定周波数範囲に合わせて最適な固定方法をとる必要がある。
【0070】
なお、上述した変位センサに限らず、他の変位センサとして、レーザドップラ振動センサやねじり振動センサを用いてもよい。
【0071】
次に、電空レギュレーター46について説明する。電空レギュレーターは、図示はしないが、エアー源47からの供給圧力を伸縮連結機構27に付加する圧縮気体となる出力圧力に供するためにオンまたはオフする給気用電磁弁と、エアー源47からの供給圧力を排気のためにオンまたはオフする排気用電磁弁と、エアー源47からの供給圧力の一部を伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)となる出力圧力にするパイロットバルブと、伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)となる出力圧力を検出する圧力センサと、高さ調整入力信号および圧力センサからの検出信号に応じて給気用電磁弁および排気用電磁弁のオンまたはオフを制御する制御回路と、圧力センサの検出した圧力を表示する圧力表示部とを有して構成される。なお、制御回路には、制御手段45からスピンドル変位センサー44の変位信号に応じた制御信号および電源電圧が供給されている。
【0072】
このように構成された電空レギュレーターの動作を説明する。制御回路に供給される高さ調整入力信号が増大すると、給気用電磁弁はオン、排気用電磁弁はオフ状態となる。このため、給気用電磁弁を通してエアー源47からの供給圧力は、パイロットバルブに印加される。そして、パイロットバルブの主弁が開き、エアー源47からの供給圧力の一部が伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)となる出力圧力になる。
【0073】
この伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)となる出力圧力は、圧力センサを介して制御回路にフィードバックされる。ここで、高さ調整入力信号に比例した出力圧力になるまで訂正動作が起きるため、常に高さ調整入力信号に比例した出力圧力が得られる。
【0074】
ここで、エアー源47からの供給圧力は、複数レンジの加給圧が割り当てられ、複数レンジ毎に高さ調整入力信号に比例した出力圧力が出力される。ここで、高さ調整入力信号の電圧は、例えば、0〜5V、エアー源47からの供給圧力は、例えば、0.7Pa、伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)となる出力圧力は、例えば、0〜0.5Paである。
【0075】
ここで、制御手段45について説明する。制御手段45は、例えば、パーソナルコンピュータで構成され、演算部および記憶部を有して構成される。演算部は、スピンドル変位センサー44からの変位信号に応じた制御信号を生成する。例えば、スピンドル変位センサー44からの変位信号の値が比較的大きい場合には、伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)の圧力を上げるように電空レギュレーター46を制御する制御信号を生成し、逆に、スピンドル変位センサー44からの変位信号の値が比較的小さい場合には、伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)の圧力を下げるように電空レギュレーター46を制御する制御信号を生成する。記憶部は、演算部の演算に用いる制御プログラムや制御データを記憶するとともに、例えば、真空立ち上げ時の原盤に対する変位信号に対応した伸縮連結機構27に付加する圧縮気体の代表加圧値を記憶し、さらに、最適圧力調整時における各原盤に対するスピンドル変位センサー44からの変位信号の変位量に対する伸縮連結機構27に付加する圧縮気体の加圧値をテーブル上に記憶する。
【0076】
このように構成された電子ビーム照射装置のパッド位置制御の動作を以下に説明する。
図3において、差動静圧浮上パッド28の静圧軸受け部の流路36に例えば5×105 [Pa]程度の圧縮気体(正圧)が供給され、これが通気体35から噴出されることにより、ブロック30は、原盤11上で数μm浮上しながら、非接触ではあるが、各排気手段40、41、42を作動すれば、差動排気の原理により、差動静圧浮上パッド28の中心にいくに従い真空度を高くすることができる。差動静圧浮上パッド28の中心部では電子ビームの照射に差し支えない程度の真空度(1×10-4[Pa]程度)まで到達することが可能である。
【0077】
図4は、パッド位置制御の動作を示すフローチャートである。
図4において、ステップS1で、初期化を行う。具体的には、真空立ち上げ前に、伸縮連結機構27に圧縮気体が付加されておらず大気圧の状態で、静圧浮上パッド28と原盤11間にギャップがあり、静圧浮上パッド28が原盤11に何等押圧力を加えていない状態において、原盤11上面に微細な位置検出が可能な電気マイクロメーターのプローブの針をセットし、0点リセットを行う。電気マイクロメーターは、接触式の測定プローブの接触点の変位を電気的に検出して増幅し、精密に変位を測定する装置であって、通常はコアをプローブとつなげた差動変圧器により測定する形式のものが多いが、コンデンサーの電極間の隙間の変化を利用した電気容量式や圧電素子を用いた圧電式や抵抗線歪み計を用いた抵抗式のものなどがある。ここでは、初期化時で原盤の回転がないため接触式の電気マイクロメーターを用いて原盤上面の基準値を0点にリセットする。
【0078】
ステップS2で、真空立ち上げを行う。具体的には、装置立ち上げ時の真空引きの際には、差動静圧浮上パッド28は、伸縮連結機構27の二重構造のベローズの内側のベローズ27aの有効断面積とマイナス1気圧の負圧との積に相当する力で伸縮連結機構27が収縮力を受け、静圧浮上パッド28が原盤11から離れる方向で真空容器24側に引き上げられようとする状態となる。
【0079】
ステップS3で、ウェハー代表値での圧力調整を行う。具体的には、この伸縮連結機構27に働く収縮力をキャンセルし、差動静圧浮上パッド28と原盤11の相対位置を常に一定に保つため、この伸縮連結機構27における内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cに、電空レギュレーター46から圧縮気体供給路48を介して圧縮気体即ち正圧を供給し、内側のベローズ27aの有効断面積と負圧との積による収縮力と、内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cの有効断面積と正圧との積がほぼ等価となるように正圧を与えることにより、収縮力と伸張力がほぼつり合って中立となり、両者のバランスがとれた状態となる。
【0080】
ステップS4で、フォーカス調整を行う。具体的には、移動テーブル18の原盤11の径方向の移動により電子ビーム照射手段23をフォーカスステージ22に対向させて、電子ビームコラム25のフォーカス調整用電子レンズと対物電子レンズの電磁コイルによって電子ビームbが電子ビーム照射手段23を通じて、記録媒体11上にフォーカスを合わせるようにすることにより、ジャストフォーカスポイントにフォーカス調整を行う。
【0081】
ステップS5で、最適圧力調整を行う。具体的には、移動テーブル18の原盤11の径方向の逆の移動により電子ビーム照射手段23を原盤11を支持する支持部15bに対向させて、移動テーブル18の原盤11の径方向の正逆の移動により発生する変動分や原盤を交換したときの各原盤毎のうねりを吸収するために、二重構造のベローズの内部に付加する正圧の量が最適値になるように調整する。制御手段45は、スピンドル変位センサー44からの変位信号に応じた制御信号を生成し、電空レギュレーター46は伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)の圧力をスピンドル変位センサー44からの変位信号がゼロになるように制御する。これにより、差動静圧浮上パッド28が原盤11に密着しながら原盤11に対してバランスを保ことができるため、原盤11が差動静圧浮上パッド28に所定距離だけ離れて非接触で吸着する。このことから、上述したフォーカス調整で合わせたジャストフォーカスポイントを維持することができる。
【0082】
ステップS6で、露光を行う。具体的には、電子ビーム照射手段23の真空容器24の下端部の伸縮連結機構27を介して取り付けられている静圧浮上パッド28が、原盤11に対し5μm程度の僅かな隙間をもって非接触で吸着し、その状態で電子銃26から出射された電子ビームbが静圧浮上パッド28の中心部の電子ビーム通路29を通って原盤11に照射される。また、上述した支持機構部12による回転移動および直線案内機構14による直線移動により原盤11の内周から外周へ向けて連続的に露光が行われる。つまり、この静圧浮上パッド28によって原盤11上の一部分を真空にした状態で原盤11に電子ビームbが照射されると共に、同時にスピンドルモーター20の駆動により原盤11が回転されると共に移動テーブル18の駆動によって原盤11が径方向に移動されることで所定の線状のトラックに情報の記録が行われる。
【0083】
図5は、代表値圧力調整の動作を示すフローチャートである。図5は、図4のステップS3の動作を詳細に示すものである。この代表値圧力調整は、調整時に使用した原盤ウェハーのみに適用するものである。図7に代表値圧力調整期間T1を示す。この代表値圧力調整期間T1は、押圧量が最大の場合から0に集束するまで調整すると共に、一般的に真空立ち上げ後から電子銃26の安定するまで代表値圧力調整を行うため、比較的長く、例えば、約24時間である。
【0084】
ステップS11で、2重ベローズ内部に圧縮気体の加圧を行う。具体的には、伸縮連結機構27は内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとで構成される二重構造を有している。これらの内側のベローズ27aと外側のベローズ27bは何れも金属または樹脂製の柔軟に屈曲可能なベローズであり、夫々上端部が真空容器24側の固定部24aに、下端部が静圧浮上パッド28側の固定部28aに気密的に連結固定されている。そして、この伸縮連結機構27における内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cに、電空レギュレーター46から圧縮気体供給路48を介して圧縮気体即ち正圧が供給される。
【0085】
ステップS12で、2重ベローズが伸張される。具体的には、図4に示したステップS2の真空立ち上げ時には、この伸縮連結機構27においては、内側のベローズ27aの内部が負圧状態になるので、内側のベローズ27aの有効断面積と負圧との積に相当する力で伸縮連結機構27が収縮力を受け、静圧浮上パッド28が真空容器24側に引き上げられようとする。ここでステップS11で2重ベローズ内部に圧縮気体の加圧を行うと、内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cが正圧状態になるので、伸縮連結機構27では内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cの有効断面積と正圧との積に相当する力で伸縮連結機構27が伸張力を受ける。これにより、静圧浮上パッド28と原盤11との隙間が広がろうとする。
【0086】
ステップS13で、パッドが下降する。具体的には、正圧の供給により伸縮連結機構27において、内側のベローズ27aの有効断面積と負圧との積による収縮力よりも、内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cの有効断面積と正圧との積による伸張力が大きくなり、内側のベローズ27aと外側のベローズ27bが伸張することにより、伸縮連結機構27と気密的に連結固定されている静圧浮上パッド28が支持部15b側に下降する。
【0087】
ステップS14で、支持部が押圧される。具体的には、静圧浮上パッド28が原盤11を介して支持部15bを押圧する。
【0088】
ステップS15で、押圧量が所定値であるか否かを判断する。具体的には、支持部15bが静圧浮上パッド28により約20μm程度押し込まれたか否かを制御手段45がスピンドル変位センサー44の変位信号により判断する。ステップS15で押圧量が所定値であるときはステップS16へ進み、押圧量が所定値でないときはステップS11へ戻ってステップS11〜ステップS15までの処理および判断を繰り返す。
【0089】
ステップS16で、排気手段を作用させる。具体的には、この静圧浮上パッド28の第1の吸引溝31と第2の吸引溝32には夫々排気管33と34を介して排気手段41、42が連結されているので、この排気手段41、42によって第1の吸引溝31と第2の吸引溝32から排気即ち気体の吸引が行われる。この排気手段41、42としては真空ポンプが用いられ、この場合、電子ビーム通路29に近い第1の吸引溝31には例えば1×10-1[Pa]程度の真空度が得られ、外側の第2の吸引溝32には5×103 [Pa]程度の真空度が得られ、これより、電子ビーム通路29に近い吸引溝ほど高い真空度に排気できる。
【0090】
ステップS17で、2重ベローズが収縮される。具体的には、ステップS16の排気手段の作用により、この伸縮連結機構27においては、内側のベローズ27aの内部の負圧が排気状態になるので、内側のベローズ27aの内部が一層負圧状態になるので、伸縮連結機構27では内側のベローズ27aの有効断面積と負圧との積に相当する力で伸縮連結機構27が伸縮力を受ける。これにより、静圧浮上パッド28と原盤11との隙間が狭くなろうとする。
【0091】
ステップS18で、パッドが上昇する。具体的には、排気手段の作用により伸縮連結機構27において、内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cの有効断面積と正圧との積による伸張力よりも、内側のベローズ27aの有効断面積と負圧との積による収縮力が大きくなり、内側のベローズ27aと外側のベローズ27bが収縮することにより、伸縮連結機構27と気密的に連結固定されている静圧浮上パッド28が真空容器24側に上昇する。これにより、静圧浮上パッド28が原盤11を介して支持部15bを押圧する押圧量が徐々に減少する。
【0092】
ステップS19で、押圧量が0であるか否かを判断する。具体的には、支持部15bが静圧浮上パッド28により押し込まれる押圧量が0であるか否かを制御手段45がスピンドル変位センサー44の変位信号により判断する。ステップS19で押圧量が0であるときはステップS20へ進み、押圧量が0でないときはステップS11へ戻ってステップS11〜ステップS19までの処理および判断を繰り返す。
【0093】
ステップS20で、ウェハー代表値を保持する。具体的には、制御手段45は、真空立ち上げ時の原盤11に対する変位信号に対応した伸縮連結機構27に付加する圧縮気体の代表加圧値を記憶する。
【0094】
図6は、最適圧力調整の動作を示すフローチャートである。図6は、図4のステップS5の動作を詳細に示すものである。図7に最適圧力調整期間T2を示す。この最適値圧力調整期間T2は、原盤ウェハーの交換時や移動テーブル18の変動により発生する比較的微小な押圧量から押圧量が0に集束するまで調整するため比較的短く、例えば、約数分以内である。
【0095】
ステップS21で、ウェハー代表値の読み出しを行う。具体的には、制御手段45は、真空立ち上げ時の原盤に対する変位信号に対応した伸縮連結機構27に付加する圧縮気体の代表加圧値を読み出す。
【0096】
ステップS22で、ウェハー代表値による2重ベローズ内部への圧縮気体の加圧を行う。具体的には、伸縮連結機構27は内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとで構成される二重構造を有している。これらの内側のベローズ27aと外側のベローズ27bは何れも金属または樹脂製の柔軟に屈曲可能なベローズであり、夫々上端部が真空容器24側の固定部24aに、下端部が静圧浮上パッド28側の固定部28aに気密的に連結固定されている。そして、この伸縮連結機構27における内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cに、電空レギュレーター46から圧縮気体供給路48を介してウェハー代表値による圧縮気体即ち正圧が供給される。
【0097】
ステップS23で、押圧量が0か否かを判断する。具体的には、支持部15bが静圧浮上パッド28により押し込まれる押圧量が0であるか否かを制御手段45がスピンドル変位センサー44の変位信号により判断する。ステップS23で移動テーブル18の原盤11の径方向の正逆の移動により発生する変動分や原盤を交換したときの各原盤毎のうねりがないため押圧量が0であるときは終了し、移動テーブル18の原盤11の径方向の正逆の移動により発生する変動分や原盤を交換したときの各原盤毎のうねりがあるため押圧量が0でないときはステップS24へ進む。
【0098】
ステップS24で、2重ベローズの内部への圧縮気体の加圧を可変にして、ステップS23へ戻ってステップS23〜ステップS24までの処理および判断を繰り返す。具体的には、スピンドル変位センサー44は伸縮連結機構27の伸縮による静圧浮上パッド28の下降または上昇の際の支持部15bの変位を検出し、制御手段45はスピンドル変位センサー44で検出された変位量に基づいて制御信号を生成し、電空レギュレーター46は制御手段45で生成された制御信号によりエアー源47から圧縮気体を生成し、電空レギュレーター46で生成された圧縮気体は圧縮気体供給路48を介して伸縮連結機構27における内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cに供給される。
【0099】
つまり、制御手段45の演算部は、スピンドル変位センサー44からの変位信号に応じた制御信号を生成する。例えば、スピンドル変位センサー44からの変位信号の値が比較的大きい場合には、伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)の圧力を上げるように電空レギュレーター46を制御する制御信号を生成し、逆に、スピンドル変位センサー44からの変位信号の値が比較的小さい場合には、伸縮連結機構27に付加する圧縮気体(正圧)の圧力を下げるように電空レギュレーター46を制御する制御信号を生成する。記憶部は、演算部の演算に用いる制御プログラムや制御データを記憶するとともに、最適圧力調整時における各原盤に対するスピンドル変位センサー44からの変位信号の変位量に対する伸縮連結機構27に付加する圧縮気体の加圧値をテーブル上に記憶する。
【0100】
このようにして、内側のベローズ27aと外側のベローズ27bとの間の空間部27cに電空レギュレーター46から圧縮気体供給路48を介して正圧を供給し、収縮力と伸張力がほぼ等価となるように正圧を与えることにより、収縮力と伸張力がほぼつり合って中立となり、静圧浮上パッド28や原盤11を引き上げる力または押圧する力がキャンセルされ、静圧浮上パッド28は無負荷で安定して一定の隙間を保ちながら原盤11の微小な変動に追従できるようになり、より高精度な記録が可能となる。
【0101】
これにより、いかなる厚みの原盤に対しても原盤11に対する静圧浮上パッド28の浮上量を一定に制御することができる。このため、電子ビームのフォーカス調整における焦点深度(10μm)以内で浮上量が同じ条件、例えば、電子ビーム照射手段23の電子ビームコラム25内の真空度が同じ条件で安定した露光を行うことができる。
【0102】
上述した本実施の形態では、最適圧力調整後に露光を行う例のみを示したが、これに限らず、図8Aに示すようにステップS6−1およびステップS6−2における露光中に再度ステップS5−1における最適圧力調整を行っても良く、または図8Bに示すようにステップS6−1における露光後に再度ステップS5−1における最適圧力調整を行うようにしても良い。これにより、長時間にわたる露光中または露光後における浮上量の変動に対応することができる。
【0103】
なお、本発明は、上述した本実施の形態に限らず、本発明の適用範囲内であれば他の実施の形態にも適用されることはいうまでもない。
【0104】
【発明の効果】
この発明の位置制御装置は、記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、記録媒体の径方向の移動手段と、移動手段上に設けられた記録媒体の回転手段と、回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された記録媒体に電子ビームの照射による記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、記録媒体に対する電子ビーム照射ヘッドの先端部の静圧浮上パッドの位置を制御する位置制御装置において、電子ビーム照射ヘッドに対して記録媒体に近接または離隔する方向に静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段と、伸縮連結手段の伸縮による静圧浮上パッドが記録媒体に近接または離隔する際の記録媒体に対する静圧浮上パッドの変位量を検出する検出手段と、検出手段で検出された変位量に応じて伸縮連結手段を伸縮させることにより、静圧浮上パッドが記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させるように静圧浮上パッドの位置を制御する制御手段とを備えたので、静圧浮上パッドの記録媒体に対する隙間を示す浮上量を検出することにより、静圧浮上パッドが記録媒体に与えている力を示す、伸縮連結手段の変位量を測定することにより、その変位量が0になるように伸縮連結手段を伸縮させてフィードバック制御をかけることにより、いかなる場合においても、記録媒体に対する静圧浮上パッドの浮上量を一定に制御することができるという効果を奏する。
【0105】
また、この発明の位置制御装置は、上述において、検出手段は、非接触式であるので、振動体である移動手段や記録媒体に影響を与えないようにすることができ、このため、移動手段の記録媒体の径方向の正逆の移動により発生する変動分や記録媒体を交換したときの各記録媒体毎のうねりによる変位量の検出を精度よく行うことができるという効果を奏する。
【0106】
また、この発明の位置制御装置は、上述において、検出手段は、伸縮連結手段の伸縮による静圧浮上パッドが記録媒体を介して支持手段を押圧する際の押圧量の増減を検出するので、移動手段の記録媒体の径方向の正逆の移動により発生する変動分や記録媒体を交換したときの各記録媒体毎のうねりを検出することができるという効果を奏する。
【0107】
また、この発明の位置制御装置は、上述において、検出手段は、記録媒体の外周側の変位を検出するので、移動手段の記録媒体の径方向の正逆の移動により発生する変動分や記録媒体を交換したときの各記録媒体毎のうねりは、記録媒体の外周側が大きなうねりとなって現れるため、効率よく変位の検出をすることができるという効果を奏する。
【0108】
また、この発明の位置制御方法は、記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、記録媒体の径方向の移動手段と、移動手段上に設けられた記録媒体の回転手段と、回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された記録媒体に電子ビームの照射による記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、記録媒体に対する電子ビーム照射ヘッドの先端部の静圧浮上パッドの位置を制御する位置制御方法において、電子ビーム照射ヘッドに対して記録媒体に近接または離隔する方向に静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段を用いて、伸縮連結手段の伸縮により静圧浮上パッドを記録媒体に近接または離隔する伸縮ステップと、伸縮連結手段の伸縮による静圧浮上パッドが記録媒体に近接または離隔する伸縮ステップの際の記録媒体に対する静圧浮上パッドの変位量を検出する検出ステップと、検出ステップで検出された変位量に応じて伸縮連結手段を伸縮させることにより、静圧浮上パッドが記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させるように静圧浮上パッドの位置を制御する制御ステップとを備えたので、静圧浮上パッドの記録媒体に対する隙間を示す浮上量を検出することにより、静圧浮上パッドが記録媒体に与えている力を示す、伸縮連結手段の変位量を測定することにより、その変位量が0になるように伸縮連結手段を伸縮させてフィードバック制御をかけることにより、いかなる場合においても、記録媒体に対する静圧浮上パッドの浮上量を一定に制御することができるという効果を奏する。
【0109】
また、この発明の位置制御方法は、上述において、伸縮ステップは記録媒体に対する変位の代表値を保持し、記録媒体を交換する毎に検出ステップは代表値に対する個々の記録媒体の差異を検出し、制御ステップは代表値に対する差異をゼロにするように制御を行うので、記録媒体を交換したときに代表値に対する差分だけを常にゼロにするように制御することができるという効果を奏する。
【0110】
また、この発明の電子ビーム照射装置は、記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、記録媒体の径方向の移動手段と、移動手段上に設けられた記録媒体の回転手段と、回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された記録媒体に電子ビームの照射による記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、記録媒体に対する電子ビーム照射ヘッドの先端部の静圧浮上パッドの位置を制御する電子ビーム照射装置において、電子ビーム照射ヘッドに対して記録媒体に近接または離隔する方向に静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段と、伸縮連結手段の伸縮による静圧浮上パッドが記録媒体に近接または離隔する際の記録媒体に対する静圧浮上パッドの変位量を検出する検出手段と、検出手段で検出された変位量に応じて伸縮連結手段を伸縮させることにより、静圧浮上パッドが記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させるように静圧浮上パッドの位置を制御する制御手段とを備えたので、静圧浮上パッドの記録媒体に対する隙間を示す浮上量を検出することにより、静圧浮上パッドが記録媒体に与えている力を示す、伸縮連結手段の変位量を測定することにより、その変位量が0になるように伸縮連結手段を伸縮させてフィードバック制御をかけることにより、いかなる場合においても、電子ビーム焦点深度以内での露光を行うことが可能となり、常に安定した露光プロセスを可能にすることができるという効果を奏する。
【0111】
また、この発明の電子ビーム照射装置は、上述において、検出手段は、移動手段による記録媒体の径方向の移動に伴う電子ビーム照射ヘッドのフォーカス調整の後に検出を行うので、フォーカス調整の状態を維持して、移動手段の記録媒体の径方向の正逆の移動により発生する変動分や記録媒体を交換したときの各記録媒体毎のうねりを検出することができるという効果を奏する。
【0112】
また、この発明の電子ビーム照射装置は、上述において、少なくとも制御手段による制御の後に記録媒体に対する露光を行い、さらに制御手段による制御を記録媒体に対する露光中または露光後に行うので、長時間にわたる露光中または露光後における浮上量の変動に対応することができるという効果を奏する。
【0113】
また、この発明の電子ビーム照射装置は、上述において、制御手段は、検出手段で検出された変位量に応じた圧力を伸縮連結手段の内部に供給し、伸縮連結手段の伸縮する力を打ち消させるので、伸縮連結手段の伸縮による変位量を調整することにより静圧浮上パッドの記録媒体に対する隙間を示す浮上量を一定に制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用される電子ビーム照射装置の構成を示す図である。
【図2】電子ビーム照射装置の要部を示す図である。
【図3】電子ビーム照射装置のパッド位置制御の構成を示す図である。
【図4】パッド位置制御の動作を示すフローチャートである。
【図5】代表値圧力調整の動作を示すフローチャートである。
【図6】最適圧力調整の動作を示すフローチャートである。
【図7】代表値圧力調整期間と最適圧力調整期間を示す図である。
【図8】他のパッド位置制御の動作を示すフローチャートであり、図8Aは露光中の最適圧力調整、図8Bは露光後の最適圧力調整である。
【符号の説明】
11……原盤、12……支持機構部、13……ベース、14……直線案内機構、15……回転テーブル、16……ガイドレール、17……スタンド、18……脚部、19……軸受、20……スピンドルモーター、21……リニアモーター、22……フォーカスステージ、23……電子ビーム照射手段、24……真空容器、25……電子ビームコラム、26……電子銃、27……伸縮連結機構、28……静圧浮上パッド、29……電子ビーム通路、30……ブロック、31……第1の吸引溝、32……第2の吸引溝、33、34……排気管、35……通気体、36……流路、37……吸気管、41、42……排気手段、43……圧縮気体供給源、44……スピンドル変位センサー、45……制御手段、46……電空レギュレーター、47……エアー源、48……圧縮気体供給路
Claims (10)
- 記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、上記記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する上記電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、上記記録媒体の径方向の移動手段と、上記移動手段上に設けられた上記記録媒体の回転手段と、上記回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、上記電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された上記記録媒体に電子ビームの照射による上記記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、上記記録媒体に対する上記電子ビーム照射ヘッドの先端部の上記静圧浮上パッドの位置を制御する位置制御装置において、
上記電子ビーム照射ヘッドに対して上記記録媒体に近接または離隔する方向に上記静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段と、
上記伸縮連結手段の伸縮による上記静圧浮上パッドが上記記録媒体に近接または離隔する際の上記記録媒体が載置支持される上記支持手段の変位量を検出する検出手段と、
上記検出手段で検出された変位量に応じて上記伸縮連結手段を伸縮させることにより、上記静圧浮上パッドが上記記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させる際に、上記変位量がなくなるまで上記静圧浮上パッドの位置を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする位置制御装置。 - 請求項1記載の位置制御装置において、
上記検出手段は、上記支持手段が載置支持する上記記録媒体の外周側に対向する位置に設けられることを特徴とする位置制御装置。 - 請求項1記載の位置制御装置において、
上記制御手段は、上記伸縮連結手段の伸縮による上記静圧浮上パッドが上記記録媒体を介して上記支持手段を押圧する際の押圧量の増減を制御することを特徴とする位置制御装置。 - 請求項1記載の位置制御装置において、
上記検出手段は、上記記録媒体の外周側にうねりとなって現れる変位を検出することを特徴とする位置制御装置。 - 記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、上記記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する上記電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、上記記録媒体の径方向の移動手段と、上記移動手段上に設けられた上記記録媒体の回転手段と、上記回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、上記電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された記録媒体に電子ビームの照射による上記記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、上記記録媒体に対する上記電子ビーム照射ヘッドの先端部の上記静圧浮上パッドの位置を制御する位置制御方法において、
上記電子ビーム照射ヘッドに対して上記記録媒体に近接または離隔する方向に上記静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段を用いて、上記伸縮連結手段の伸縮により上記静圧浮上パッドを上記記録媒体に近接または離隔する伸縮ステップと、
上記伸縮連結手段の伸縮による上記静圧浮上パッドが上記記録媒体に近接または離隔する伸縮ステップの際の上記記録媒体が載置支持される上記支持手段の変位量を検出する検出ステップと、
上記検出ステップで検出された変位量に応じて上記伸縮連結手段を伸縮させることにより、上記静圧浮上パッドが上記記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させる際に、上記変位量がなくなるまで上記静圧浮上パッドの位置を制御する制御ステップと、
を備えたことを特徴とする位置制御方法。 - 請求項5記載の位置制御方法において、
上記伸縮ステップは上記記録媒体に対する変位の代表値を保持し、記録媒体を交換する毎に上記検出ステップは上記代表値に対する個々の記録媒体の差異を検出し、上記制御ステップは上記代表値に対する差異をゼロにするように上記制御を行うことを特徴とする位置制御方法。 - 記録媒体に対して微小間隔をもって対向する位置を保ち電子ビーム照射を可能とする電子ビーム照射ヘッドと、上記記録媒体上を部分的に真空状態にして電子ビームを照射する上記電子ビーム照射ヘッドを固定配置する固定配置手段と、上記記録媒体の径方向の移動手段と、上記移動手段上に設けられた上記記録媒体の回転手段と、上記回転手段の回転軸に取り付けられた記録媒体が水平に載置支持される支持手段と、上記電子ビーム照射ヘッドの先端部の電子ビーム出口に設けられた静圧浮上パッドとを備え、回転及び径方向に移動可能に支持された記録媒体に電子ビームの照射による上記記録媒体の表面の形状または材質の変化によって線状に情報を記録するために、上記記録媒体に対する上記電子ビーム照射ヘッドの先端部の上記静圧浮上パッドの位置を制御する電子ビーム照射装置において、
上記電子ビーム照射ヘッドに対して上記記録媒体に近接または離隔する方向に上記静圧浮上パッドを伸縮可能に連結する伸縮連結手段と、
上記伸縮連結手段の伸縮による上記静圧浮上パッドが上記記録媒体に近接または離隔する際の上記記録媒体が載置支持される上記支持手段の変位量を検出する検出手段と、
上記検出手段で検出された変位量に応じて上記伸縮連結手段を伸縮させることにより、上記静圧浮上パッドが上記記録媒体に対して所定の隙間をもって非接触で浮上させる際に、上記変位量がなくなるまで上記静圧浮上パッドの位置を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子ビーム照射装置。 - 請求項7記載の電子ビーム照射装置において、
上記検出手段は、上記移動手段による上記記録媒体の径方向の移動に伴う上記電子ビーム照射ヘッドのフォーカス調整の後に上記検出を行うことを特徴とする電子ビーム照射装置。 - 請求項7記載の電子ビーム照射装置において、
少なくとも上記制御手段による上記制御の後に上記記録媒体に対する露光を行い、さらに上記制御手段による上記制御を上記記録媒体に対する露光中または露光後に行うことを特徴とする電子ビーム照射装置。 - 請求項9記載の電子ビーム照射装置において、
上記制御手段は、上記検出手段で検出された変位量に応じた圧力を上記伸縮連結手段の内部に供給し、上記伸縮連結手段の伸縮する力を打ち消させることを特徴とする電子ビーム照射装置。
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