JP3993803B2

JP3993803B2 - Connection structure between the building hierarchy and ready-made walls

Info

Publication number: JP3993803B2
Application number: JP2002242829A
Authority: JP
Inventors: 和巳相川
Original assignee: Fujita Corp
Current assignee: Fujita Corp
Priority date: 2002-08-23
Filing date: 2002-08-23
Publication date: 2007-10-17
Anticipated expiration: 2022-08-23
Also published as: JP2004084179A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の各階層部間に、ロッキング構法によって既製壁体を結合する技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
建築物において、ＰＣａ（プレキャストコンクリート）版からなる化粧壁部材（カーテンウォール）やＰＣａからなる内部間仕切壁等の既製壁体を、バルコニーや躯体外周梁、あるいは梁など、建物の階層部に結合する技術として、乾式ロッキング構法によるものが知られている。
【０００３】
乾式ロッキング構法は、各既製壁体の上端部及び下端部が、鋼材製のブラケットやボルトからなる上下変位可能な乾式継手材を介して、バルコニーなどの床部や躯体外周梁に結合され、地震力や風圧などによる層間水平変位に対して、各既製壁体が、継手材のボルトを支点として微小回転することによって、既製壁体に加わる強制変位を吸収し、ＰＣａ等からなる既製壁体の損傷や崩落の防止を図るものである。
【０００４】
しかしながら、従来の技術によるロッキング構法においては、既製壁体の上端部及び下端部に取り付けられる乾式継手材が、複数の金具及びボルト等で構成され、この金具が既製壁体の表面に露出しているため、外観上、好ましくなかった。また、前記金具を隠すためには、仕上材が別途必要になり、施工コストの上昇を来していた。更に、このような金具や仕上材を取り付けるための余分な空間が必要であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、ロッキング構法による建物の階層部と既製壁体との結合において、既製壁体の表面に露出する金具を使用する必要がなく、収まりの良い結合構造を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項１の発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造は、既製壁体の上端部及び下端部を幅方向両側へ偏在する位置で上下の階の階層部に結合するジョイントを備え、前記各ジョイントが、前記既製壁体及びその上下の階の階層部のうち一方に埋設固定されると共に他方に形成された継手孔に挿入された軸状継手材と、前記継手孔内の軸状継手材の周囲に設けられこの軸状継手材に上下に追従変位可能な変形追従材と、この変形追従材と前記継手孔の間に充填され固結した充填材と、からなる。
【０００７】
なお、本発明において適用される既製壁体とは、ＰＣａ版あるいは鋼製などの化粧壁（カーテンウォール）、間仕切り壁、飾り柱など、各階層部間に結合される剛性の大きいパネル状あるいは直方体状の要素を総称するものである。
【０００８】
請求項２の発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造は、請求項１に記載の構成において、既製壁体の下端部における幅方向中間部が、その下の階層部に、前記既製壁体の重量による鉛直荷重を受ける支持部材を介して支持される。
【０００９】
請求項３の発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造は、請求項１に記載の構成において、階層部が立上り壁を有し、軸状継手材又は継手孔がこの立上り壁に設けられる。
【００１０】
請求項４の発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造は、請求項１に記載の構成において、変形追従材が、軸状継手材の上下相対変位によって剪断変形されるエラストマ材料からなる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造を、アルミ手摺付きバルコニーと、既製壁体であるパネル状ＰＣａ壁との結合部に適用した好ましい実施の形態を示すもので、（Ａ）は内部構造の一部を表す正面図、（Ｂ）は（Ａ）におけるＢ１−Ｂ２−Ｂ３−Ｂ４線で切断した断面図である。また、図２は、図１におけるII−II線で切断した拡大断面図、図３は図１におけるIII−III線で切断した拡大断面図、図４は図１におけるIV−IV線で切断した拡大断面図である。
【００１２】
まず図１において、参照符号１は建物のコンクリート躯体における階層部としてのバルコニーで、１_ｎはｎ階のバルコニー、１_ｎ＋１は、その上階（ｎ＋１階）のバルコニーである。参照符号２は、予めコンクリートで成形され、各階のバルコニー１_ｎ，１_ｎ＋１，…の端縁間に取り付けられた、既製壁体としてのパネル状ＰＣａ（プレキャストコンクリート）柱で、２_ｎ−１は、バルコニー１_ｎとその下階（ｎ−１階）のバルコニーとの間に設けられたパネル状ＰＣａ壁２_ｎは、バルコニー１_ｎ，１_ｎ＋１間に設けられたパネル状ＰＣａ壁２_ｎ＋１は、バルコニー１_ｎ＋１とその上階（ｎ＋２階）の図示されていないバルコニーとの間に設けられたパネル状ＰＣａ柱である。
【００１３】
各バルコニー１及びパネル状ＰＣａ壁２の外側面には、外壁タイル３が貼られている。このタイル３は、各バルコニー１とパネル状ＰＣａ壁２との間の水平目地部では、上下に互いに不連続とする。また、バルコニー１の端縁１ａ上には、図１（Ａ）におけるパネル状ＰＣａ壁２の左右両側に位置して、アルミ手摺１１が立設される。
【００１４】
参照符号５は、バルコニー１とその上のパネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａとを結合する第一のジョイント、参照符号６は、バルコニー１とその下階のパネル状ＰＣａ壁２の上端部２ｂとを結合する第二のジョイント、参照符号７は、バルコニー１上にパネル状ＰＣａ壁２の重量による鉛直荷重を支持するための支持部材であり、これら第一及び第二のジョイント５，６と支持部材７によって、地震力や風圧などによる建物の層間水平変位に応じてパネル状ＰＣａ壁２の微小回転を許容するロッキングジョイント機構が構成されている。
【００１５】
詳しくは、第一のジョイント５は、パネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａにおける幅方向両端近傍部分を、その下のバルコニー１の端縁１ａ上に結合するように、各パネル状ＰＣａ壁２につき左右一対設けられている。各第一のジョイント５は、図２に拡大して示されるように、バルコニー１の端縁１ａの上部に開設された継手孔５１と、このバルコニー１の上に配置されるパネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａに上部５２ａが埋設固定されると共に下部５２ｂが前記継手孔５１に挿入された軸状継手材５２と、この軸状継手材５２の下部５２ｂ周囲に設けられた変形追従材５３と、この変形追従材５３と前記継手孔５１の間に充填され固結した充填材５４とで構成される。
【００１６】
軸状継手材５２は、例えば外径がφ20mm程度の丸鋼鉄筋からなり、パネル状ＰＣａ壁２の製作の際に、その下端部２ａから突出した状態に一体的に埋設されたものである。一方、継手孔５１は、バルコニー１を現場打ちコンクリートで施工する際、又はプレキャストコンクリートで製作する際に、軸状継手材５２との結合位置に対応して形成されたものであって、その内周面にはスパイラルチューブ５１ａが設けられている。このスパイラルチューブ５１ａは、バルコニー１の施工の際に、その鉄筋１２の端部に固定されたカップ状の金具であって、寸法誤差や施工誤差を吸収する目的で、軸状継手材５２よりも十分に大径に形成される。
【００１７】
変形追従材５３はエラストマ（ゴム状弾性材料）からなるものであって、詳しくはパネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａから突出した軸状継手材５２の下部５２ｂに外挿された例えばクロロプレンゴムからなるゴムチューブ５３ａと、軸状継手材５２の下側に配置されゴムチューブ５３ａの下端内周に設けられた発泡ネオプレンゴムからなるスポンジ５３ｂとで構成される。なお、ゴムチューブ５３ａの径方向肉厚は、後述する層間水平変位に伴う軸状継手材５２の上下変位による最大剪断変形量が、許容剪断変形量未満になるように、適切に設定される。
【００１８】
充填材５４は、湿式材料、例えばモルタルあるいはグラウトなど、樹脂系やセメント系の固結材からなるものであって、継手孔５１のスパイラルチューブ５１ａとその内周に挿入された軸状継手材５２の外周の変形追従材５３との隙間を埋め、変形追従材５３の外周を固定するものである。すなわち、この充填材５４は、パネル状ＰＣａ壁２の取付に際して、予め変形追従材５３を外挿した軸状継手材５２の下部５２ｂを継手孔５１に挿入した後、その隙間に充填され、固結したものである。
【００１９】
第二のジョイント６は、パネル状ＰＣａ壁２の上端部２ｂを、その上のバルコニー１の端縁１ａ上に、第一のジョイント５よりも幅方向中央寄りの位置（又は外側の位置）で結合するように、各パネル状ＰＣａ壁２につき左右一対設けられている。この第二のジョイント６も、基本的には第一のジョイント５と同様の構成を有するものであって、すなわち図３に拡大して示されるように、バルコニー１の端縁１ａに鉛直方向に貫通して開設された継手孔６１と、このバルコニー１の下側のパネル状ＰＣａ壁２の上端部２ｂに下部６２ａが埋設固定されると共に上部６２ｂが前記継手孔６１に挿入された軸状継手材６２と、この軸状継手材６２の上部６２ｂの周囲に設けられた変形追従材６３と、この変形追従材６３と前記継手孔６１の間に充填され固結した充填材６４とで構成される。
【００２０】
軸状継手材６２は、例えば外径がφ20mm程度の丸鋼鉄筋からなり、パネル状ＰＣａ壁２の製作の際に、その上端部２ｂから突出した状態に一体的に埋設されたものである。一方、継手孔６１は、バルコニー１を現場打ちコンクリートで施工する際、又はプレキャストコンクリートで製作する際に、軸状継手材６２との結合位置に対応して形成されたものであって、その内周面にはスパイラルチューブ６１ａが設けられている。このスパイラルチューブ６１ａは、バルコニー１の施工の際に、その鉄筋１２の端部に固定された円筒状の金具であって、寸法誤差や施工誤差を吸収する目的で、軸状継手材６２よりも十分に大径に形成される。
【００２１】
変形追従材６３も、先に説明した第一のジョイント５の変形追従材５３と同様、パネル状ＰＣａ壁２の上端部２ｂから突出した軸状継手材６２の上部６２ｂに外挿された例えばクロロプレンゴムからなるゴムチューブ６３ａと、軸状継手材６２の上側に配置されゴムチューブ６３ａの上端内周に設けられた発泡ネオプレンゴムからなるスポンジ６３ｂとで構成される。また、ゴムチューブ６３ａの径方向肉厚も、後述する層間水平変位に伴う軸状継手材６２の上下変位によって受ける最大剪断変形量が、許容剪断変形量未満になるように、適切に設定される。
【００２２】
充填材６４は、モルタルあるいはグラウトなど、樹脂系やセメント系の固結材からなるものであって、継手孔６１のスパイラルチューブ６１ａとその内周に挿入された軸状継手材６２の外周の変形追従材６３との隙間を埋め、変形追従材６３の外周を固定するものである。すなわち、この充填材６４は、パネル状ＰＣａ壁２の取付に際して、予め変形追従材６３を外挿した軸状継手材６２の上部６２ｂに継手孔６１を有するバルコニー１を嵌めた後で、その隙間に充填され、固結したものである。
【００２３】
なお、参照符号６５は、未硬化の充填材６４を充填する際に、この充填材６４が、継手孔６１（スパイラルチューブ６１ａ）の下端から、バルコニー１とその下側のパネル状ＰＣａ壁２との間（水平目地）へ流出してしまうのを防止する目的で、継手孔６１の下端開口を塞ぐように前記水平目地内へ挿入された、発泡ネオプレンゴムからなるスポンジである。
【００２４】
支持部材７は、バルコニー１の端縁１ａ上にパネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａの幅方向中央部を支持するものであって、図４に拡大して示されるように、バルコニー１の端縁１ａの上部に埋設された金属製のアンカー７１と、このアンカー７１に軸心の周りに回転自在に取り付けられたボルト７２と、パネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａに一体的に埋設され前記ボルト７２に螺合された袋ナット７３とからなる。なお、ボルト７２と袋ナット７３による螺合構造としたのは、パネル状ＰＣａ壁２のレベル調整を行うためであり、レベル調整が不要な場合は、単に支持金具を突設させたものでも良い。
【００２５】
なお、図２乃至図４における参照符号４は、バルコニー１とパネル状ＰＣａ壁２との間の水平目地に介在されたシーリング材、４ａは、シーリング材４の内側に設けられたバックアップ材である。
【００２６】
上述の構成によれば、第一のジョイント５、第二のジョイント６及び支持部材７は、その構成要素が、バルコニー１とパネル状ＰＣａ壁２との水平目地の内部に収まっていて、外側への露出部分が存在しない。このため、収まりが良く、外観上の美観を向上させることができ、従来のような金具を隠すための仕上材も不要となる。
【００２７】
しかも、施工に際して、複数の金具を取り付けるための多くのボルト止め作業等もなくなるので、コストを低減することができる。また、寸法誤差や施工誤差による継手孔５１，６１と、軸状継手材５２，６２（変形追従材５３，６３）との位置ずれがあっても、継手孔５１，６１と変形追従材５３，６３の間を充填材５４，６４で埋める構成であるため、複数の金具からなる従来のジョイントのようなガタつきが発生することもない。
【００２８】
図５は、本形態の結合構造において、層間水平変位によるパネル状ＰＣａ柱のロッキング動作を示す説明図、図６はパネル状ＰＣａ柱のロッキング動作に伴う第一及び第二のジョイントの動作を示す説明図である。
【００２９】
すなわち、図５（Ａ）に示される通常状態から、建物が地震力や風圧などによる水平荷重を受けることによって、図５（Ｂ）に示されるように、ｎ階のスラブ（バルコニー１_ｎ）に対して、ｎ＋１階のスラブ（バルコニー１_ｎ＋１）が、矢印Ｆで示される方向への相対的な水平変位（層間水平変位）を生じると、両バルコニー１_ｎ，１_ｎ＋１間で、パネル状ＰＣａ壁２_ｎが支持部材７を支点にして微小回転（ロッキング）される。このとき、左右各一対の第一及び第二のジョイント５，６によるパネル状ＰＣａ壁２_ｎの結合部ａ〜ｄは、局部的に見れば、ほぼ上下方向の変位となる。
【００３０】
詳しくは、図５（Ｂ）に示される層間水平変位では、結合部ａにおける第二のジョイント６は、その軸状継手材６２が、図６（Ａ）に示される通常位置から、図６（Ｂ）に示されるように、パネル状ＰＣａ壁２_ｎとその上側のバルコニー１_ｎ＋１との隙間Ｇ_Ｕを減少させる方向へ僅かに上方変位する。また、図５（Ｂ）の結合部ｃにおける第一のジョイント５は、その軸状継手材５２が、図６（Ｃ）に示される通常位置から、図６（Ｄ）に示されるように、パネル状ＰＣａ壁２_ｎとその下側のバルコニー１_ｎとの隙間Ｇ_Ｌを増大させる方向へ僅かに上方変位することになる。
【００３１】
一方、図示は省略するが、図５（Ｂ）の結合部ｂでは、第二のジョイント６の軸状継手材６２が、パネル状ＰＣａ壁２_ｎとその上側のバルコニー１_ｎ＋１との隙間を増大するように下方変位し、結合部ｄでは、第一のジョイント５の軸状継手材５２が、パネル状ＰＣａ壁２_ｎとその下側のバルコニー１_ｎとの隙間を減少するように下方変位することになる。
【００３２】
このため、変形追従材５３，６３のゴムチューブ５３ａ，６３ａは、上下に相対変位する軸状継手材５２，６２と充填材５４，６４との間で変形を受けることになり、その変形は剪断方向であるため、低ばねとなる。また、変形追従材５３，６３のスポンジ５３ｂ，６３ｂは変形が圧縮方向となるが、発泡体であるため、そのばね定数も十分に低く抑えられる。したがって、変形追従材５３，６３の柔軟な変形性によって、バルコニー１_ｎ，１_ｎ＋１との間でパネル状ＰＣａ壁２_ｎが受ける強制変形が有効に吸収される。
【００３３】
なお、各バルコニー１及びパネル状ＰＣａ壁２の外側面に貼られた外壁タイル３は、各バルコニー１とパネル状ＰＣａ壁２との間の水平目地部では、上下に互いに不連続であるため、上述したパネル状ＰＣａ壁２のロッキング動作によって前記水平目地部での外壁タイル３の破壊や剥離を生じるおそれはない。
【００３４】
また、パネル状ＰＣａ壁２の重量による鉛直荷重を、剛性の大きい支持部材７を介して支持するため、通常状態において、第一及び第二のジョイント５，６における変形追従材５３，６３のゴムチューブ５３ａ，６３ａには、余分な剪断応力が常時作用することがなく、スポンジ５３ｂ，６３ｂに余分な圧縮あるいは引張応力が常時作用することがない。したがって、変形追従材５３，６３の永久歪等による劣化を防止することができる。
【００３５】
次に、図７は、本発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造を、ＰＣａ手摺付きバルコニーと、既製壁体であるパネル状ＰＣａ柱との結合部に適用した、好ましい他の実施の形態を示すもので、（Ａ）は内部構造の一部を表す正面図、（Ｂ）は（Ａ）におけるＢ１−Ｂ２−Ｂ３−Ｂ４−Ｂ５−Ｂ６線で切断した断面図である。
【００３６】
この形態において、建物のコンクリート躯体における階層部としてのバルコニー１（１_ｎ，１_ｎ＋１，…）は、その端縁に沿って、予めコンクリートで成形された立上り壁としてのＰＣａ手摺１３が一体に接合されたものである。既製壁体としてのパネル状ＰＣａ壁２は、ＰＣａ手摺１３の上端面と、その上階のバルコニー１の端部下面との間に取り付けられている。
【００３７】
各バルコニー１、ＰＣａ手摺１３及びパネル状ＰＣａ壁２の外側面には、外壁タイル３が貼られている。この外壁タイル３は、各バルコニー１とその下のパネル状ＰＣａ壁２との間の水平目地部、及びＰＣａ手摺１３とその上のパネル状ＰＣａ壁２との間の水平目地部では、上下に互いに不連続とする。また、前記各水平目地部には、シーリング材４及びそのバックアップ材が介在されている。
【００３８】
第一のジョイント５は、ＰＣａ手摺１３とその上のパネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａとを結合しており、第二のジョイント６は、バルコニー１とその下階のパネル状ＰＣａ壁２の上端部２ｂとを結合している。また、支持部材７は、ＰＣａ手摺１３上にパネル状ＰＣａ壁２の重量による鉛直荷重を支持するものである。そしてこれら第一及び第二のジョイント５，６と支持部材７によって、地震力や風圧などによる建物の層間水平変位に応じてパネル状ＰＣａ壁２の微小回転を許容するロッキングジョイント機構が構成されている。
【００３９】
第一のジョイント５は、ＰＣａ手摺１３の上部に形成された継手孔５１と、このＰＣａ手摺１３の上に配置されるパネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａに上部が埋設固定されて下部が前記継手孔５１に挿入された軸状継手材５２と、この軸状継手材５２の下部周囲に設けられた変形追従材５３と、この変形追従材５３と前記継手孔５１の間に充填され固結した充填材５４とで構成される。そして、これら継手孔５１、軸状継手材５２、変形追従材５３、充填材５４等の要素は、基本的には、先に説明した図２と同様のものである。
【００４０】
第二のジョイント６は、バルコニー１の端縁とＰＣａ手摺１３との結合部に形成された継手孔６１と、このバルコニー１の下階側のパネル状ＰＣａ壁２の上端部２ｂに下部が埋設固定されて上部が前記継手孔６１に挿入された軸状継手材６２と、この軸状継手材６２の下部周囲に設けられた変形追従材６３と、この変形追従材６３と前記継手孔６１の間に充填され固結した充填材６４とで構成される。そして、これら継手孔６１、軸状継手材６２、変形追従材６３、充填材６４等の要素は、基本的には、先に説明した図３と同様のものである。
【００４１】
支持部材７は、ＰＣａ手摺１３上にパネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａの幅方向中央部を支持するものであって、ＰＣａ手摺１３の上部に埋設されたアンカー７１と、このアンカー７１に軸心の周りに回転自在に取り付けられたボルト７２と、パネル状ＰＣａ壁２の下端部２ａに一体的に埋設され前記ボルト７２に螺合された袋ナット７３とからなり、基本的には、先に説明した図４と同様のものである。
【００４２】
したがって、この形態においては、建物が地震力や風圧などによる水平荷重を受けることによって層間水平変位を生じた場合、バルコニー１_ｎと一体のＰＣａ手摺１３と、その上階のバルコニー１_ｎ＋１の間で、パネル状ＰＣａ壁２が支持部材７を支点にして微小回転（ロッキング動作）され、第一及び第二のジョイント５，６における変形追従材５３，６３（図２，図３のゴムチューブ５３ａ，６３ａ）が、上下に相対変位する軸状継手材５２，６２と充填材５４，６４との間で剪断変形を受けることによって、バルコニー１_ｎ，１_ｎ＋１との間でパネル状ＰＣａ壁２_ｎが受ける強制変形が有効に吸収される。
【００４３】
また、各バルコニー１及びパネル状ＰＣａ壁２の外側面に貼られた外壁タイル３は、各バルコニー１とパネル状ＰＣａ壁２との間の水平目地部、及びＰＣａ手摺１３とパネル状ＰＣａ壁２との間の水平目地部では、上下に互いに不連続であるため、上述したパネル状ＰＣａ壁２のロッキング動作によって前記水平目地部での外壁タイル３の破壊や剥離を生じるおそれはない。
【００４４】
なお、本発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造は、上述した各実施の形態以外にも、例えば建物外周に、各階層部毎に左右に互いに隣接して取り付けられるＰＣａあるいは鋼製のカーテンウォールや、建物内部のスラブと梁間に設置されるＰＣａ間仕切り壁の結合部等にも適用することができる。
【００４５】
【発明の効果】
請求項１の発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造によれば、建物に地震力や風圧による層間水平変位を生じたときの既製壁体のロッキング動作に伴って、軸状継手材が継手孔に対して相対的に上下変位し、継手孔内周の充填材と、軸状継手材との間で変形を受ける変形追従材によって、既製壁体の受ける強制変形を吸収する構造であって、既製壁体の表面に露出する金具が不要であるため、外観上の美観を向上させることができ、錆の発生もなく、施工も容易であるので、施工コストを低減することができる。また、寸法誤差や施工誤差による継手孔と軸状継手材及び変形追従材との位置ずれを、充填材で埋めるため、ガタも発生しない。
【００４６】
請求項２の発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造によれば、既製壁体の重量による鉛直荷重を支持部材で受けるので、各ジョイントの変形追従材に余分な力が常時作用することがなく、建物に地震力や風圧による層間水平変位を生じたときに、既製壁体が前記支持部材を支点としてロッキング動作するので、各ジョイントの変形追従材による応力吸収効果を確実に奏することができる。
【００４７】
請求項３の発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造によれば、例えばバルコニーのＰＣａ手摺などのような立上り壁と、その上階のバルコニーとの間に設けられる飾り柱などの既製壁体との結合部にも、有効に適用することができる。
【００４８】
請求項４の発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造によれば、変形追従材が、エラストマ材料からなるため、その剪断変形を利用して、既製壁体の微小回転時の既製壁体の受ける強制変形を有効に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造の好ましい実施の形態を示すもので、（Ａ）は内部構造の一部を表す正面図、（Ｂ）は（Ａ）におけるＢ１−Ｂ２−Ｂ３−Ｂ４線で切断した断面図である。
【図２】図１におけるII−II線で切断した拡大断面図である。
【図３】図１におけるIII−III線で切断した拡大断面図である。
【図４】図１におけるIV−IV線で切断した拡大断面図である。
【図５】本発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造において、層間水平変位によるパネル状ＰＣａ壁２のロッキング動作を示す説明図である。
【図６】本発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造において、パネル状ＰＣａ壁２のロッキング動作に伴う第一及び第二のジョイント５，６の動作を示す説明図である。
【図７】本発明に係る建物の階層部と既製壁体との結合構造の好ましい他の実施の形態を示すもので、（Ａ）は内部構造の一部を表す正面図、（Ｂ）は（Ａ）におけるＢ１−Ｂ２−Ｂ３−Ｂ４−Ｂ５−Ｂ６線で切断した断面図である。
【符号の説明】
１バルコニー（階層部）
１１アルミ手摺
１２鉄筋
１３ＰＣａ手摺（立上り壁）
２パネル状ＰＣａ柱（既製壁体）
３外壁タイル
４シーリング材
５第一のジョイント
５１，６１継手孔
５２，６２軸状継手材
５３，６３変形追従材
５３ａ，６３ａゴムチューブ
５３ｂ，６３ｂスポンジ
５４，６４充填材
６第二のジョイント
７支持部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technique for connecting a ready-made wall body by a rocking construction method between each layer of a building.
[0002]
[Prior art]
In buildings, ready-made wall bodies such as decorative wall members (curtain walls) made of PCa (precast concrete) plates and internal partition walls made of PCa are connected to building layers such as balconies, frame outer peripheral beams, or beams. As a technology, a dry rocking construction method is known.
[0003]
In the dry rocking construction method, the upper and lower ends of each prefabricated wall are connected to floors such as balconies and beams around the frame via dry joints that can be displaced vertically, consisting of steel brackets and bolts. Each ready-made wall body absorbs the forced displacement applied to the ready-made wall body by rotating slightly with the bolt of the joint material as a fulcrum with respect to the horizontal displacement between layers due to force, wind pressure, etc. It is intended to prevent damage and collapse.
[0004]
However, in the conventional rocking construction method, the dry joint material attached to the upper end and the lower end of the ready-made wall body is composed of a plurality of metal fittings and bolts, and this metal fitting is exposed on the surface of the ready-made wall body. Therefore, it was not preferable in appearance. Moreover, in order to hide the said metal fitting, a finishing material is needed separately and the construction cost raised. Furthermore, an extra space for attaching such metal fittings and finishing materials is required.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above problems, and its technical problem is to use a metal fitting that is exposed on the surface of the prefabricated wall body in the connection between the building layer and the prefabricated wall body by the rocking construction method. This is to provide a coupling structure with good fit.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a means for effectively solving the technical problem described above, the connecting structure of the building layer portion and the ready-made wall body according to the invention of claim 1 has the upper end portion and the lower end portion of the ready-made wall body on both sides in the width direction. A joint hole is provided that is coupled to the upper and lower floor layers at an uneven position, and each joint is embedded and fixed in one of the ready-made wall body and the upper and lower floor layers and is formed in the other. A shaft-like joint material inserted into the joint hole, a deformation follow-up material provided around the shaft-like joint material in the joint hole and capable of following up and down the shaft-like joint material, and the deformation follow-up material and the joint hole. And a filler filled in between and consolidated.
[0007]
In addition, the ready-made wall body applied in the present invention is a panel or rectangular parallelepiped having high rigidity coupled between each layer portion such as a decorative wall (curtain wall) made of PCa plate or steel, a partition wall, a decorative column, etc. This is a general term for the shape elements.
[0008]
In the structure according to claim 1, in the structure according to claim 1, the intermediate structure in the width direction at the lower end portion of the ready-made wall body is in the lower layer portion. It is supported via a support member that receives a vertical load due to the weight of the ready-made wall.
[0009]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a structure for connecting a layer portion of a building and a ready-made wall body, wherein the layer portion has a rising wall and the shaft-like joint material or the joint hole is the rising wall. Is provided.
[0010]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided an elastomeric material in which the deformation follow-up material is shear-deformed by a vertical relative displacement of the shaft-like joint material in the structure according to the first aspect. Consists of.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows a preferred embodiment in which the connection structure between a building layer and a ready-made wall according to the present invention is applied to a connection between a balcony with an aluminum handrail and a panel-like PCa wall that is a ready-made wall. (A) is a front view showing a part of the internal structure, and (B) is a sectional view taken along line B1-B2-B3-B4 in (A). 2 is an enlarged sectional view taken along line II-II in FIG. 1, FIG. 3 is an enlarged sectional view taken along line III-III in FIG. 1, and FIG. 4 is taken along line IV-IV in FIG. It is an expanded sectional view.
[0012]
First, in FIG. 1, reference numeral 1 denotes a balcony as hierarchical portion of the concrete skeleton buildings, 1 _n is n floor balconies, 1 n _{+ 1} is the balcony of the upper floor (n + 1 floor). Reference numeral 2 is molded in advance concrete floor balconies _{_{1 n, 1 n + 1,}} ... it mounted between the edges of the panel-shaped PCa (precast concrete) posts Prefabricated wall, 2 _n-1 is The panel-like PCa wall 2 _n provided between the balcony 1 _n and the balcony on the lower floor (n−1 floor) is the panel-like PCa wall 2 _{n + 1} provided between the balconies 1 _n and 1 _{n + 1} . This is a panel-like PCa pillar provided between the balcony 1 _{n + 1} and the balcony (not shown) on the upper floor (n + 2 floor).
[0013]
Outer wall tiles 3 are affixed to the outer surface of each balcony 1 and panel-like PCa wall 2. The tiles 3 are discontinuous in the vertical direction at the horizontal joint between each balcony 1 and the panel-like PCa wall 2. On the edge 1a of the balcony 1, aluminum handrails 11 are erected on the left and right sides of the panel-like PCa wall 2 in FIG.
[0014]
Reference numeral 5 is a first joint that joins the balcony 1 and the lower end 2a of the panel-like PCa wall 2 thereon, and reference numeral 6 is the upper end 2b of the balcony 1 and the panel-like PCa wall 2 on the lower floor thereof. The second joint for connecting the two, reference numeral 7 is a support member for supporting a vertical load due to the weight of the panel-like PCa wall 2 on the balcony 1, and these first and second joints 5, 6 and The support member 7 constitutes a rocking joint mechanism that allows the panel-like PCa wall 2 to rotate minutely according to the horizontal displacement of the building due to seismic force or wind pressure.
[0015]
Specifically, the first joint 5 is attached to each panel-like PCa wall 2 so as to connect the vicinity of both ends in the width direction at the lower end 2a of the panel-like PCa wall 2 onto the edge 1a of the balcony 1 below. A pair of left and right is provided. As shown in an enlarged view in FIG. 2, each first joint 5 includes a joint hole 51 formed in the upper part of the edge 1 a of the balcony 1, and a panel-like PCa wall 2 disposed on the balcony 1. A shaft-like joint material 52 in which an upper portion 52a is embedded and fixed to the lower end portion 2a of the shaft and a lower portion 52b is inserted into the joint hole 51, and a deformation follow-up material 53 provided around the lower portion 52b of the shaft-like joint material 52, The deformation follow-up material 53 and a filling material 54 filled and consolidated between the joint holes 51 are configured.
[0016]
The shaft-like joint material 52 is made of, for example, a round steel bar having an outer diameter of about φ20 mm, and is integrally embedded in a state protruding from the lower end portion 2a when the panel-like PCa wall 2 is manufactured. On the other hand, the joint hole 51 is formed corresponding to the coupling position with the shaft-like joint material 52 when the balcony 1 is constructed with cast-in-place concrete or manufactured with precast concrete. A spiral tube 51a is provided on the peripheral surface. The spiral tube 51a is a cup-shaped fitting fixed to the end of the reinforcing bar 12 during the construction of the balcony 1, and is more than the shaft-shaped joint material 52 for the purpose of absorbing dimensional errors and construction errors. It is formed with a sufficiently large diameter.
[0017]
The deformation follow-up material 53 is made of an elastomer (rubber-like elastic material), and more specifically, for example, from chloroprene rubber extrapolated to the lower portion 52b of the shaft-like joint material 52 protruding from the lower end portion 2a of the panel-like PCa wall 2. The rubber tube 53a and the sponge 53b made of foam neoprene rubber disposed on the lower end inner periphery of the rubber tube 53a. In addition, the radial thickness of the rubber tube 53a is appropriately set so that the maximum shear deformation amount due to the vertical displacement of the shaft-shaped joint member 52 due to the interlayer horizontal displacement described later is less than the allowable shear deformation amount.
[0018]
The filler 54 is made of a wet material, for example, a resin-based or cement-based consolidated material such as mortar or grout. The filler 54 is a spiral tube 51a of the joint hole 51 and a shaft-like joint material 52 inserted in the inner periphery thereof. The outer periphery of the deformation follow-up material 53 is filled and the outer periphery of the deformation follow-up material 53 is fixed. That is, when the panel-like PCa wall 2 is attached, the filler 54 is inserted into the joint hole 51 after inserting the lower part 52b of the shaft-like joint material 52 into which the deformation follow-up material 53 is preliminarily inserted, and then the gap is filled. It is a result.
[0019]
The second joint 6 has the upper end portion 2b of the panel-like PCa wall 2 on the edge 1a of the balcony 1 on the upper side 2b at a position closer to the center in the width direction than the first joint 5 (or an outer position). A pair of left and right panels are provided for each panel-like PCa wall 2 so as to be coupled. The second joint 6 also has basically the same configuration as the first joint 5, that is, as shown in an enlarged view in FIG. 3, the edge 1 a of the balcony 1 has a vertical direction. A joint hole 61 opened through and a shaft-like joint in which a lower part 62a is embedded and fixed in an upper end part 2b of the lower panel-like PCa wall 2 of the balcony 1 and an upper part 62b is inserted into the joint hole 61. Material 62, a deformation follower 63 provided around the upper portion 62b of the shaft joint 62, and a filler 64 filled between the deformation follower 63 and the joint hole 61 and consolidated. The
[0020]
The shaft-like joint material 62 is made of, for example, a round steel bar having an outer diameter of about 20 mm, and is integrally embedded in a state of protruding from the upper end portion 2b when the panel-like PCa wall 2 is manufactured. On the other hand, the joint hole 61 is formed corresponding to the coupling position with the shaft-like joint material 62 when the balcony 1 is constructed with cast-in-place concrete or precast concrete. A spiral tube 61a is provided on the peripheral surface. The spiral tube 61a is a cylindrical fitting fixed to the end of the reinforcing bar 12 when the balcony 1 is constructed. The spiral tube 61a is larger than the shaft-shaped joint material 62 for the purpose of absorbing dimensional errors and construction errors. It is formed with a sufficiently large diameter.
[0021]
Similarly to the deformation follower 53 of the first joint 5 described above, the deformation follower 63 is also extrapolated to the upper part 62b of the shaft joint 62 protruding from the upper end 2b of the panel PCa wall 2, for example, chloroprene. A rubber tube 63a made of rubber and a sponge 63b made of foam neoprene rubber provided on the upper inner periphery of the rubber tube 63a and disposed on the upper side of the shaft-like joint material 62 are configured. Further, the radial thickness of the rubber tube 63a is also appropriately set so that the maximum shear deformation amount due to the vertical displacement of the shaft-like joint material 62 accompanying the horizontal displacement described later is less than the allowable shear deformation amount. .
[0022]
The filler 64 is made of a resin-based or cement-based consolidated material such as mortar or grout, and the outer periphery of the spiral tube 61a of the joint hole 61 and the outer periphery of the shaft-like joint material 62 inserted in the inner periphery thereof. The gap with the follower 63 is filled and the outer periphery of the deformation follower 63 is fixed. That is, when the panel-like PCa wall 2 is attached, the filler 64 is inserted into the upper portion 62b of the shaft-like joint material 62 in which the deformation follow-up material 63 is preliminarily fitted, and then the gap 1 between the filler 64 is fitted. Filled and consolidated.
[0023]
Reference numeral 65 indicates that when the uncured filler 64 is filled, the filler 64 starts from the lower end of the joint hole 61 (spiral tube 61a) with the balcony 1 and the panel-like PCa wall 2 below it. The sponge is made of foamed neoprene rubber and is inserted into the horizontal joint so as to close the lower end opening of the joint hole 61 for the purpose of preventing the liquid from flowing into the gap (horizontal joint).
[0024]
The support member 7 supports the central portion in the width direction of the lower end 2a of the panel-like PCa wall 2 on the edge 1a of the balcony 1, and as shown in an enlarged view in FIG. The metal anchor 71 embedded in the upper portion of the edge 1a, the bolt 72 rotatably attached to the anchor 71 around the axis, and the lower end portion 2a of the panel-like PCa wall 2 are integrally embedded. It consists of a cap nut 73 screwed onto the bolt 72. The screw 72 and the cap nut 73 are screwed in order to adjust the level of the panel-like PCa wall 2. If level adjustment is not required, a support metal fitting may be simply provided. .
[0025]
2 to 4, reference numeral 4 is a sealing material interposed in a horizontal joint between the balcony 1 and the panel-like PCa wall 2, and 4 a is a backup material provided inside the sealing material 4. .
[0026]
According to the above-described configuration, the first joint 5, the second joint 6, and the support member 7 are configured such that the components are accommodated inside the horizontal joint between the balcony 1 and the panel-like PCa wall 2, and to the outside. There is no exposed part. For this reason, it fits well, the aesthetics of the appearance can be improved, and a finishing material for hiding the metal fittings as in the prior art is not required.
[0027]
In addition, many bolting operations for attaching a plurality of metal fittings and the like are eliminated at the time of construction, so that the cost can be reduced. Even if there is a positional shift between the joint holes 51 and 61 and the shaft-like joint materials 52 and 62 (deformation follow-up materials 53 and 63) due to dimensional errors and construction errors, the joint holes 51 and 61 and the deformation follow-up materials 53 and Since it is the structure which fills between 63 with the fillers 54 and 64, rattling like the conventional joint which consists of a some metal fitting does not generate | occur | produce.
[0028]
FIG. 5 is an explanatory diagram showing the locking operation of the panel-like PCa column due to the horizontal displacement in the coupling structure of this embodiment, and FIG. 6 shows the operations of the first and second joints accompanying the locking operation of the panel-like PCa column. It is explanatory drawing.
[0029]
That is, from the normal state shown in FIG. 5 (A), when the building receives a horizontal load due to seismic force, wind pressure, etc., the slab (balcony 1 _n ) on the n floor as shown in FIG. 5 (B). On the other hand, when the n + 1 floor slab (balcony 1 _{n + 1} ) causes a relative horizontal displacement (interlayer horizontal displacement) in the direction indicated by the arrow F, the panel-like PCa wall is formed between both balconies 1 _n and 1 _{n + 1.} 2 _n is slightly rotated (locked) with the support member 7 as a fulcrum. At this time, the joints a to d of the panel-like PCa wall 2 _n formed by the pair of left and right first and second joints 5 and 6 are substantially vertically displaced when viewed locally.
[0030]
Specifically, in the interlayer horizontal displacement shown in FIG. 5 (B), the second joint 6 in the joint portion a has its shaft-like joint material 62 from the normal position shown in FIG. as shown in B), slightly displaced upward in the direction of reducing the gap G _U between the panel-like PCa wall 2 _n and balconies 1 _{n + 1} of the upper. Moreover, as for the 1st joint 5 in the coupling | bond part c of FIG.5 (B), as the shaft-shaped coupling material 52 is shown by FIG.6 (D) from the normal position shown by FIG.6 (C), the gap G _L of the panel-shaped PCa wall 2 _n and balcony 1 _n of the lower side to the direction of expansion will be slightly displaced upward.
[0031]
On the other hand, although illustration is omitted, in the joint portion b of FIG. 5B, the shaft-like joint material 62 of the second joint 6 increases the gap between the panel-like PCa wall 2 _n and the balcony 1 _{n + 1} on the upper side. In the coupling part d, the shaft-like joint material 52 of the first joint 5 is displaced downward so as to reduce the gap between the panel-like PCa wall 2 _n and the balcony 1 _n below it. It will be.
[0032]
For this reason, the rubber tubes 53a and 63a of the deformation followers 53 and 63 are subjected to deformation between the shaft-shaped joint materials 52 and 62 and the fillers 54 and 64, which are relatively displaced in the vertical direction, and the deformation is sheared. Since it is a direction, it becomes a low spring. Further, the sponges 53b and 63b of the deformation follow-up materials 53 and 63 are deformed in the compression direction, but since they are foams, their spring constants can be suppressed sufficiently low. Therefore, the forced deformation that the panel-like PCa wall 2 _n receives between the balcony 1 _n and 1 _{n + 1} is effectively absorbed by the flexible deformability of the deformation followers 53 and 63.
[0033]
In addition, since the outer wall tile 3 affixed to the outer surface of each balcony 1 and the panel-like PCa wall 2 is discontinuous with each other in the horizontal joint between each balcony 1 and the panel-like PCa wall 2, There is no possibility that the outer wall tile 3 is broken or peeled off at the horizontal joint portion by the locking operation of the panel-like PCa wall 2 described above.
[0034]
Further, in order to support the vertical load due to the weight of the panel-like PCa wall 2 via the support member 7 having a high rigidity, the rubber of the deformation follow-up materials 53 and 63 in the first and second joints 5 and 6 in a normal state. Excessive shear stress does not always act on the tubes 53a and 63a, and extra compressive or tensile stress does not always act on the sponges 53b and 63b. Therefore, it is possible to prevent the deformation following materials 53 and 63 from being deteriorated due to permanent distortion or the like.
[0035]
Next, FIG. 7 shows a preferred embodiment in which the connecting structure between the layered portion of the building and the ready-made wall according to the present invention is applied to the connecting portion between the balcony with the PCa handrail and the panel-like PCa pillar that is the ready-made wall. (A) is a front view showing a part of the internal structure, (B) is a cross-sectional view taken along line B1-B2-B3-B4-B5-B6 in (A). .
[0036]
In this embodiment, the balcony 1 (1 _n , 1 _{n + 1} ,...) As a layer portion in the concrete frame of the building is integrally joined with a PCa handrail 13 as a rising wall formed in advance in advance along its edge. It has been done. The panel-like PCa wall 2 as a ready-made wall is attached between the upper end surface of the PCa handrail 13 and the lower end surface of the balcony 1 on the upper floor.
[0037]
Outer wall tiles 3 are affixed to the outer surfaces of each balcony 1, PCa handrail 13 and panel PCa wall 2. The outer wall tiles 3 are vertically arranged at the horizontal joint between each balcony 1 and the panel-like PCa wall 2 below it and at the horizontal joint between the PCa handrail 13 and the panel-like PCa wall 2 thereabove. Discontinuous with each other. Moreover, the sealing material 4 and its backup material are interposed in each said horizontal joint part.
[0038]
The first joint 5 connects the PCa handrail 13 and the lower end 2a of the panel-like PCa wall 2 above it, and the second joint 6 connects the balcony 1 and the panel-like PCa wall 2 on the lower floor thereof. The upper end 2b is joined. The support member 7 supports a vertical load due to the weight of the panel-like PCa wall 2 on the PCa handrail 13. The first and second joints 5 and 6 and the support member 7 constitute a rocking joint mechanism that allows micro-rotation of the panel-like PCa wall 2 in response to horizontal displacement between buildings due to seismic force or wind pressure. Yes.
[0039]
The first joint 5 has a joint hole 51 formed in the upper portion of the PCa handrail 13 and an upper portion embedded in and fixed to the lower end portion 2a of the panel-like PCa wall 2 disposed on the PCa handrail 13, and the lower portion is A shaft-like joint member 52 inserted into the joint hole 51, a deformation follow-up member 53 provided around the lower portion of the shaft-like joint member 52, and the space between the deformation follow-up member 53 and the joint hole 51 are filled and consolidated. And the filler 54. The elements such as the joint hole 51, the shaft-like joint material 52, the deformation follow-up material 53, the filler 54, and the like are basically the same as those described above with reference to FIG.
[0040]
The lower part of the second joint 6 is embedded in the joint hole 61 formed at the joint between the edge of the balcony 1 and the PCa handrail 13 and the upper end 2b of the panel-like PCa wall 2 on the lower floor side of the balcony 1. A shaft-shaped joint material 62 that is fixed and inserted into the joint hole 61, a deformation following material 63 provided around the lower portion of the shaft-shaped joint material 62, and the deformation following material 63 and the joint hole 61. It is comprised with the filler 64 with which it filled and consolidated between. The elements such as the joint hole 61, the shaft-like joint material 62, the deformation follow-up material 63, the filler 64 and the like are basically the same as those in FIG. 3 described above.
[0041]
The support member 7 supports the central portion in the width direction of the lower end 2a of the panel-like PCa wall 2 on the PCa handrail 13, and includes an anchor 71 embedded in the upper portion of the PCa handrail 13 and a shaft on the anchor 71. It consists of a bolt 72 rotatably mounted around the core and a cap nut 73 embedded in the lower end 2a of the panel-like PCa wall 2 and screwed into the bolt 72. 4 is the same as that described in FIG.
[0042]
Therefore, in this embodiment, when the building receives a horizontal load due to a seismic force or wind pressure, an interlayer horizontal displacement occurs between the PCa handrail 13 integrated with the balcony 1 _n and the balcony 1 _{n + 1} on the upper floor. The panel-like PCa wall 2 is slightly rotated (rocking operation) with the support member 7 as a fulcrum, and the deformation followers 53 and 63 (the rubber tubes 53a and 2 in FIGS. 63a) undergoes shear deformation between the shaft-like joint materials 52, 62 and the fillers 54, 64, which are relatively displaced in the vertical direction, so that the panel-like PCa wall 2 _n is formed between the balconies 1 _n and 1 _{n + 1.} The forced deformation that is received is effectively absorbed.
[0043]
Moreover, the outer wall tile 3 stuck on the outer surface of each balcony 1 and the panel-like PCa wall 2 is a horizontal joint between each balcony 1 and the panel-like PCa wall 2, and the PCa handrail 13 and the panel-like PCa wall 2. Since the horizontal joint between the two is discontinuous in the vertical direction, there is no possibility that the outer wall tile 3 is broken or peeled off at the horizontal joint by the locking operation of the panel-like PCa wall 2 described above.
[0044]
In addition, in addition to the above-described embodiments, the combined structure of the building hierarchy portion and the ready-made wall body according to the present invention may be, for example, PCa or The present invention can also be applied to a steel curtain wall or a connecting portion of PCa partition walls installed between a slab and a beam inside a building.
[0045]
【The invention's effect】
According to the combined structure of the building hierarchy and the ready-made wall body according to the invention of claim 1, the axial shape is accompanied by the rocking operation of the ready-made wall body when the interlayer horizontal displacement is caused by the seismic force or the wind pressure in the building. The joint material is displaced up and down relatively with respect to the joint hole, and the forced deformation that the ready-made wall body receives is absorbed by the deformation follow-up material that undergoes deformation between the filler inside the joint hole and the shaft-like joint material. Since the structure does not require metal fittings exposed on the surface of the ready-made wall, the appearance can be improved, rust is not generated, and construction is easy, reducing construction costs. Can do. Further, since the positional deviation between the joint hole due to the dimensional error or the construction error, the shaft-like joint material, and the deformation following material is filled with the filler, no backlash occurs.
[0046]
According to the combined structure of the building layer and the ready-made wall body according to the invention of claim 2, since the vertical load due to the weight of the ready-made wall body is received by the support member, excessive force is always applied to the deformation following material of each joint. When an interlaminar horizontal displacement occurs due to seismic force or wind pressure in the building without any action, the ready-made wall rocks with the support member as a fulcrum, ensuring the effect of stress absorption by the deformation following material of each joint. Can play.
[0047]
According to the combined structure of the building hierarchy and the ready-made wall according to the invention of claim 3, for example, a decorative pillar provided between a rising wall such as a PCa handrail of a balcony and a balcony on the upper floor thereof The present invention can also be effectively applied to a joint portion with a ready-made wall body.
[0048]
According to the combined structure of the building layer and the ready-made wall body according to the invention of claim 4, the deformation follower material is made of an elastomer material. The forced deformation received by the ready-made wall can be effectively absorbed.
[Brief description of the drawings]
1A and 1B show a preferred embodiment of a combined structure of a building layer and a ready-made wall according to the present invention, in which FIG. 1A is a front view showing a part of an internal structure, and FIG. It is sectional drawing cut | disconnected by the B1-B2-B3-B4 line | wire in ().
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view taken along the line II-II in FIG.
3 is an enlarged cross-sectional view taken along line III-III in FIG.
4 is an enlarged cross-sectional view taken along line IV-IV in FIG. 1. FIG.
FIG. 5 is an explanatory view showing a rocking operation of the panel-like PCa wall 2 due to horizontal displacement between layers in the combined structure of the building hierarchy and the ready-made wall according to the present invention.
FIG. 6 is an explanatory view showing the operation of the first and second joints 5 and 6 accompanying the locking operation of the panel-like PCa wall 2 in the combined structure of the building hierarchy and the ready-made wall according to the present invention. .
7A and 7B show another preferred embodiment of a combined structure of a building layer and a ready-made wall according to the present invention, in which FIG. 7A is a front view showing a part of the internal structure, and FIG. It is sectional drawing cut | disconnected by the B1-B2-B3-B4-B5-B6 line | wire in (A).
[Explanation of symbols]
1 Balcony (hierarchy)
11 Aluminum handrail 12 Reinforcing bar 13 PCa handrail (rise wall)
2 Panel-like PCa pillar (Pre-made wall)
3 Exterior wall tile 4 Sealing material 5 First joint 51, 61 Joint hole 52, 62 Shaft joint material 53, 63 Deformation follow-up material 53a, 63a Rubber tube 53b, 63b Sponge 54, 64 Filler 6 Second joint 7 Support Element

Claims

It comprises a joint that couples the upper and lower ends of the ready-made wall to the upper and lower floor layers at positions unevenly distributed on both sides in the width direction, and each of the joints includes the pre-made wall body and the upper and lower floor layers A shaft-like joint material that is embedded and fixed in one side and inserted into a joint hole formed on the other side, and is provided around the shaft-like joint material in the joint hole and can be displaced up and down following this shaft-like joint material. A combined structure of a building layer and a ready-made wall body, comprising: a deformation following material; and a filling material filled and consolidated between the deformation following material and the joint hole.

The width direction intermediate part in the lower end part of a ready-made wall body is supported by the lower hierarchy part via the supporting member which receives the vertical load by the weight of the said ready-made wall body. A combined structure of the building hierarchy and ready-made walls.

The combined structure of a building layer and a ready-made wall body according to claim 1, wherein the layer includes a rising wall, and a shaft-like joint material or a joint hole is provided in the rising wall.

The joint structure of a building layer and a ready-made wall body according to claim 1, wherein the deformation follower is made of an elastomer material that is shear-deformed by a vertical relative displacement of the shaft-like joint material.