JP3992913B2 - 画像拡大縮小用光学デバイス、その作製方法、画像拡大表示装置及び画像縮小読取装置 - Google Patents
画像拡大縮小用光学デバイス、その作製方法、画像拡大表示装置及び画像縮小読取装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液晶プロジェクタ等のディスプレイの画像を拡大して表示させる画像表示装置における拡大光学系等として用いられる画像拡大縮小用光学デバイス、その作製方法、画像拡大縮小用光学デバイスを用いた画像拡大表示装置及び画像縮小読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報を表示する表示装置は、大別すると、フラットパネルディスプレイと呼ばれるパソコン用液晶モニタなどの等倍型表示装置と背面投影型液晶テレビなどの拡大投影型表示装置との2種類がある。
【0003】
等倍型表示装置はディスプレイの厚みを薄くでき、設置に必要なスペースが少なくて済むという利点を有するが、大きな画面、例えば30型以上のサイズの画面を得ようとする場合、製造工程の複雑さ、歩留まりの悪さなどからコストが高くなってしまうと言う欠点を持っている。一方、拡大投影型表示装置は50型以上の大きな表示サイズを等倍型表示装置に比べ安価で提供できるという利点を有するが、ディスプレイの厚みを等倍型表示装置と同じように薄くすることは原理上難しく、設置に必要なスペースが広くなってしまうと言う欠点を持っている。
【0004】
既存の液晶テレビなどの拡大投影型表示装置ではレンズやミラーを使った拡大光学系の技術が使われている。
【0005】
それ以外では、例えば、図9に示すように、小さな画像に対して光ファイバ51を整列させて並べその光ファイバ51を離散的に配置させることにより画像を拡大する方法(特開平5−88617号公報参照)がある。即ち、光ファイバ51の束を用いた画像拡大手段52と、液晶、フィルム等の画像素体53との間に光ファイバ54の束からなる画像整合手段55を介在させ、光ファイバ54の束の一端を集束させて画像素体53に対向させ、光ファイバ54の束の他端を画像拡大手段52の入光部56の全体に対向するように少し拡開させたものである。これにより、画像素体53に表示された画像は画像整合手段55で入光部56に見合った大きさに拡大されて入光部56に投影される。
【0006】
また、図10に示すように、ファイバ集合体を斜めに切断したブロックを複数個使用することにより画像を拡大する方法(特開平6−51142号公報参照)もある。即ち、光ファイバを複数本束ね、第1端面(光の入射面)61a,62aを垂直方向に切断し、かつ、第2端面(光の出射面)61b,62bを拡大用に斜めに切断して光ファイバ集合体61,62を形成し、第2端面61bと第1端面62aとを連続するように接続したものである。これにより、各々の第1端面61a,62aから入射した画像は第2端面61b,62bから拡大されて出射される。よって、例えば液晶パネル63の表示部64の表示画像を光ファイバ集合体61,62で順次拡大して表示させることができる。
【0007】
さらに、図11に示すように、複数の液晶表示パネル71a,71b,…,71nからなる表示装置71のパネル間の継ぎ目を無くすために光ファイバ72を用いて画像を表示パネル73に伝送させる方法(特開平9−252444号公報参照)もある。
【0008】
また、図12に示すようにテーパ状の光ファイバによる光導光路81を映像スクリーン板82に配列させて、液晶ユニット83の画素の表示サイズを拡大する方法(特開平7−43702号公報参照)もある。84はバックライトである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平5−88617号公報に示されるような構成による場合、表示全体の面積は拡大されるが、集合していた画素が離散的に配置されたことに留まっており、本来の目的である表示画素自体が拡大して投影される構成にはなっていないという欠点がある。
【0010】
特開平6−51142号公報に示されるような構成による場合、複数のファイバ集合体61,62を組合せて用いているが、一つのファイバ集合体61と他のファイバ集合体62とを結合させる際、光を最初のファイバ集合体61から次のファイバ集合体62に効率よく伝送させる方法が難しいこと、また、2つのファイバ集合体61,62を接着させるための位置合わせはファイバ径が細い場合、非常に難しいなどの光カップリング及び製造上の問題点がある。
【0011】
特開平9−252444号公報に示されるような構成による場合、薄型で継ぎ目のない大画面表示装置を小さな画面の表示装置を組合せることによって実現できると言うメリットを有するものの、基本的には特開平5−88617号公報の場合と同様に表示画素自体が拡大して投影される構成にはなっておらず、画像を拡大したことにはならないと言う欠点を有する。
【0012】
さらに、特開平7−43702号公報に示されるような構成による場合、1画素毎の表示サイズは拡大されるが画素位置と表示位置の法線方向の位置が一致しているため画像全体のサイズは大きくなっておらず、画像を拡大したことにはならないと言う欠点を有する。
【0013】
また、上述したような従来技術の他に、金属の貫通孔を用いて画像を拡大する技術(特開平5−80319号公報参照)、金属の反射板を用いて画像を拡大する技術(特開平7−294757号公報参照)が提案されている。しかし、金属面での反射による光伝達を用いる方式は、光ファイバや導光路を用いる光伝達方式と異なり、金属面での反射による光の損失が大きく、実用には適さない。
【0014】
また、ファクシミリ、イメージスキャナ、デジタル複写機等の画像読取装置の需要の増加とともに、画像情報を電気信号に変換するイメージセンサ(CCD)の小型化が要望され、小型の画像縮小デバイスが求められている。例えば、幅が広い原稿から読み取った1次元画像を小さな1次元CCDデバイスに伝達する方法としてテーパ状の光導波路を原稿面に並べ、CCDとの結合面では細い光導波路で結合させる方法(特開平9−370389号公報参照)が提案されている。この方式は、1次元画像の拡大/縮小方式としては適しているが、このようなデバイスを単に並べても2次元画像の拡大/縮小を行うことはできない。
【0015】
さらに、レンズを用いずに画像を拡大する製品としては虫眼鏡の代わりに小さな文字を拡大する拡大鏡が米国テーパービジョン社から“TaperMag”と言う商品名で販売されている。この拡大鏡の原理は多数の光ファイバを高密度に束ね、溶融させてテーパ状に加工したものである。ところが、ガラスファイバを束ねて加工しているため、100mm2以上の大型の表示面積を得ることが難しい。また、加工上の問題からテーパ状に加工する場合のテーパ角を大きくすることが難しく、例えば30型程度の表示画面を得ようとする場合、デバイスの厚みを30cm以下にすることができない。
【0016】
また、光ファイバ等の光導波路の作製方法に関しても、これまで、様々な方法が報告されている。しかし、単一のファイバや1次元のファイバアレイの作製方法であり、2次元状のアレイであって、3次元の複雑な形状をした光導波路の作製方法法に関する報告は皆無である。例えば、特開平11−326660号公報には、光硬化性樹脂に対して光導入口から特定の光を入射し、光軸に従って導光路を形成する製法が開示されている。この作製方法は単純に1本の導光路を作製するものに過ぎず、複数の光導波路による2次元状の光学デバイスの作製に関しては全く言及されていない。また、特開平5−157923号公報にはガラス中にイオンを電界により導入し、立体光導波路を作製する方法が開示されているが、複雑な構造体を作製するには現実的でない。
【0017】
そこで、本発明は、画像全体の拡大及び画素サイズ自体の拡大或いは逆に画像全体の縮小及び画素サイズ自体の縮小を従来のプロジェクション方式を用いずに薄型で実現できる画像拡大縮小用光学デバイス、その作製方法及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像拡大縮小用光学デバイスは、光照射により屈折率が変化する板状の高分子材料中に高い屈折率を持つ多数の高屈折率領域が各々独立して板の一面から他面に連続して存在するように形成されるとともに、前記各高屈折率領域が前記一面近傍での断面積よりも前記他面近傍での断面積の方が大きくなるように形成されている。前記画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、前記高屈折率領域の光の進行する方向に直交する断面の面積が、前記光の進行する方向が前記他面に対する垂線より45°以上傾いている部分ではほぼ一定となるように前記高屈折率領域が形成されている。
【0019】
従って、高屈折率領域に入射した光のうち、その周囲の低屈折率領域との界面で全反射条件を満たす光は板の厚さ方向に連続する高屈折率領域内を一面側から他面側、又は、他面側から一面側に向かって伝搬する。このとき、各高屈折率領域の断面積が一面側と他面側とで異なるため、一面側から入射させた光であれば他面側から拡大された形で出射することとなり、画像の拡大表示等が可能となる。逆に、他面側から入射させた光であれば一面側から縮小された形で出射することとなり、画像の縮小読取等が可能となる。この際、板の材料として高分子材料を用いているので、光照射を利用して高屈折率領域の屈折率分布を容易に作製することができ、薄型・軽量で低コストな画像拡大縮小用光学デバイスを提供できる。また、光の進行する方向が他面に対する垂線より45°以上傾いている部分、即ち、板厚に影響する部分では高屈折率領域の断面積がほぼ一定となるように形成されてその断面積の増加がないため、デバイスを薄型化できる。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、前記板の前記一面近傍では前記各高屈折率領域の光の進行する方向が前記一面に対してほぼ垂直となるように前記各高屈折率領域が形成されている。
【0021】
従って、一面側から入射する画像光が指向性を有する場合の各高屈折率領域への入射効率をほぼ均等に向上させることができる。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、前記板の前記他面近傍では前記各高屈折率領域の光の進行する方向が前記他面に対してほぼ垂直となるように前記各高屈折率領域が形成されている。
【0023】
従って、他面側において各高屈折率領域から出射する出射光の進行方向を他面に対してほぼ垂直となるように設定することで、拡大表示される画像の視野角依存性を均一化させることができ、表示画像の品質を向上させることができる。特に、請求項2記載の発明と組合せることにより、画像が明るく視野角依存性が均一化された拡大画像を表示させることができる。
【0026】
その他の発明としては、請求項1,2又は3記載の画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、前記高屈折率領域の光の進行する方向に直交する断面の面積が、前記板状材料の前記他面近傍から拡大が徐々に起こり前記他面に向けて拡開するテーパ状となるように前記高屈折率領域が形成されている。
【0027】
従って、高屈折率領域の断面積の増加に関して、拡大側となる他面近傍から拡大が徐々に起こり他面に向けて拡開するテーパ状となるように形成されているので、単純形状で済みデバイス厚みを薄くできる上に低コスト化を図ることができる。
【0028】
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、前記高屈折率領域の光の進行する方向に直交する断面の面積が、途中で前記一面側での面積よりも小さくなった部分を経て前記他面側で拡大するように前記高屈折率領域が形成されている。
【0029】
従って、高屈折率領域の断面積の増加に関して、途中で縮小側である一面側での面積よりも小さくなった部分を経て拡大側である他面側で拡大するように形成されているので、デバイスの薄型化を図る上で有効な構成となる。
【0030】
請求項5記載の発明の画像拡大表示装置は、請求項1ないし4の何れか一に記載の画像拡大縮小用光学デバイスと、この画像拡大縮小用光学デバイスの板の一面側に配設されたディスプレイと、を備える。
【0031】
従って、画像自体の拡大及び画素サイズ自体の拡大を従来のプロジェクション方式を用いることなく薄型構造で実現できる画像拡大表示装置を提供できる。
【0032】
請求項6記載の発明の画像縮小読取装置は、請求項1ないし4の何れか一に記載の画像拡大縮小用光学デバイスと、この画像拡大縮小用光学デバイスの板の一面側に配設された2次元固体撮像素子と、を備える。
【0033】
従って、画像自体の縮小及び画素サイズ自体の縮小を薄型構造で実現できる2次元的な画像縮小読取装置を提供できる。
【0034】
請求項記載の発明は、板状の材料中に高い屈折率を持つ多数の高屈折率領域が各々独立して板の一面から他面に連続して存在するとともに、前記各高屈折率領域が前記一面近傍での断面積よりも前記他面近傍での断面積の方が大きく、前記高屈折率領域の光の進行する方向に直交する断面の面積が、前記光の進行する方向が前記他面に対する垂線より45°以上傾いている部分ではほぼ一定となるように前記高屈折率領域が形成されている画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法であって、前記板状の材料として光照射により屈折率が変化する高分子材料を用い、この高分子材料に光を照射することにより板状の高分子材料中に多数の高屈折率領域が各々独立して存在する屈折率分布のパターンを形成することにより前記画像拡大縮小用光学デバイスを作製するようにした。
【0035】
従って、板の材料として高分子材料を用いているので、光照射を利用して高屈折率領域の屈折率分布を容易に作製することで、薄型・軽量な請求項1記載の発明の画像拡大縮小用光学デバイスを低コストで簡単に作製することができる。
【0036】
請求項8記載の発明は、請求項9記載の画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法において、高屈折率領域が2次元的に各々独立して存在する屈折率分布のパターンを有する高分子材料による複数枚の薄板を順次作製し、これらの複数枚の薄板を前記2次元の屈折率分布のパターンが3次元の屈折率分布のパターンとなるように積層させるようにした。
【0037】
従って、2次元的な屈折率分布のパターンを有する複数枚の薄板を積層させることにより3次元の屈折率分布のパターンを持つデバイスを作製するので、多数のファイバを束ねる作製方法・構造ではないため、一面側の画像と他面側の画像との対応関係の維持が容易となり、適正なる画像の拡大又は縮小が可能となる。
【0038】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8に記載の画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法において、高屈折率領域が2次元的に各々独立して存在する屈折率分布のパターンを高分子材料による薄板に形成するための1枚のマスクを用い、薄板毎にレンズにより前記マスクの像を変倍しながら光照射して2次元的に相似となる屈折率分布のパターンが形成された複数枚の薄板を順次作製し、これらの複数枚の薄板を相似となる2次元的な屈折率分布のパターンが連続するように位置合せしながら前記高屈折率領域の面積の小さい順に積層させて結合させることにより1枚の板を作製するようにした。
【0039】
従って、レンズにより1枚のマスクの像を変倍しながら光照射するので、多数のマスクがいらず、1枚のマスクで容易に作製することができ、より量産性に適した低コストな方法で画像拡大縮小用光学デバイスを作製することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。まず、図1は本発明の画像拡大縮小用光学デバイス1の原理的構成例を示し、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(a)のA−A′線断面図である。
【0041】
本実施の形態の画像拡大縮小用光学デバイス1は、基本的に光照射、特に紫外線照射により屈折率が変化する有機材料(高分子材料)による板2をベースとして板状に構成されている。このような板2に関して図1(b)に示す下面側を一面=縮小面3側とし、図1(a)に示す上面側を他面=拡大面4側とする。画像拡大縮小用光学デバイス1は、板2中に周囲よりも高い屈折率を持つ多数の高屈折率領域5を各々独立させて縮小面3側から拡大面4側に連続して存在するように形成してなる。隣接する高屈折率領域5間は板2の材料による低屈折率領域6とされるが、隣接する高屈折率領域5間の間隔は極力狭く形成されている。また、図1(a)〜(c)から明らかなように、各高屈折率領域5の板2の厚さ方向に垂直な面における断面積は、縮小面3近傍の断面積よりも拡大面4側の断面積の方が所望の比率に応じて大きくなるように設定されている。この際、図1(a)(b)に示すように、縮小面3での各高屈折率領域5の相対的な位置関係が拡大面4での各高屈折率領域5の相対的な位置関係においても維持され、かつ、縮小面3近傍での断面積と拡大面4近傍での断面積との比が、各高屈折率領域5について同じ値となるように設定されている(厳密に同じである必要はなく、ほぼ同じであればよい)。
【0042】
このような本実施の形態の画像拡大縮小用光学デバイス1は例えば画像拡大表示装置7に適用する場合には、図2に示すように拡大前の画像を表示するディスプレイ8の前面に縮小面3側が位置するように配設させて用いられる。ディスプレイ8としては、小型の液晶ディスプレイ、小型のエレクトロルミネッセンスディスプレイ、或いは、小型のCRTディスプレイ等が用いられる。拡大面4側前面に画像拡大表示装置7の拡大表示面9が位置する。
【0043】
このような構成において、ディスプレイ8の表示画像に応じて出射された光は、縮小面3側から高屈折率領域5に入射する。入射した光のうち、高屈折率領域5と低屈折率領域6との界面で全反射条件を満たす光は、図2中に示すように全反射を繰返しながら拡大面4側に向かって伝搬する。ここに、高屈折率領域5は拡大面4側の断面積の方が縮小面3側の断面積よりも大きいため、縮小面3側から入射した画素情報は拡大面4側において拡大される形で出射され、拡大表示面9において拡大表示されることとなる。即ち、画像全体の拡大及び画素サイズ自体の拡大がなされる。
【0044】
このとき、本実施の形態では、縮小面3における各高屈折率領域5の相対的な位置関係が拡大面4においても維持されているため、画像を拡大伝達するという特性が確保される。同時に、高屈折率領域5の縮小面3近傍での断面積と拡大面4近傍での断面積との比が、各高屈折率領域5についてほぼ同じ値となるように設定されているため、入・出射側の比率に関する対応関係を維持できるため、画像を歪みなく拡大伝達するという特性も確保される。
【0045】
ここで、本実施の形態では画像を拡大又は縮小する際の光路長を従来技術に比べ、薄くできるという特長を有している。即ち、前述したような「TaperMag」の商品名で市販されている商品はガラスファイバを束ねて加工しているため、加工上の問題からテーパ状に加工する場合のテーパ角を大きくすることが難しい。従って、拡大するための板2の厚みを拡大面4の対角長より短くすることはできない。これに対して、本実施の形態においては、一般論として、図3に示すように、或る1つの高屈折率領域5を考えた場合、光の進行する方向と板2の法線方向とのなす角度を大きくとれるため、画像を拡大する際の板2の厚みを小さく(薄く)することができる。
【0046】
このとき、高屈折率領域5は拡大面4近傍で拡大面4側に拡開するテーパ状であり、かつ、光の進行方向と板2の法線方向とのなす角度が45°以上をとる部分(即ち、板厚に影響する部分)に関しては図3に示すように高屈折率領域5の光の進行する方向と垂直な断面の面積がほぼ一定となるように形成すれば、板2の厚みを必要最小限に抑えることができる。さらに、光の進行方向と板2の法線方向とのなす角度が45°以上をとる部分(即ち、板厚に影響する部分)に関しては、特に図示しないが、高屈折率領域5の光の進行する方向と垂直な断面の面積を一旦、縮小面3側の断面積よりもさらに小さくなるように形成して拡大面4側で拡大されるように形成することにより、板2の厚みをさらに抑えることが可能となる。ただし、波長分散を抑えるため、断面積は最低でも1μm2以上とすることが望ましい。
【0047】
ところで、詳細は後の実施例中で説明するが、本実施の形態のような画像拡大縮小用光学デバイス1の作製方法の概要について説明する。本実施の形態では、板2の材料として光により屈折率分布が変化する高分子材料を用い、2次元状の屈折率分布を有するパターンを積層させることにより3次元の屈折率分布を持つ画像拡大縮小用光学デバイス1を作製する。
【0048】
前述したように、光により屈折率が変化する高分子材料に関しては、例えば特許2914486号にフォトブリーチングによる光ファイバの製造法として開示されているが、3次元の複雑な導光路の作製法に関しては全く記載されていない。また、特開2000−47046号公報には2光子吸収を用い、3次元の導光路を形成することに関して言及しているが、レーザ光を用いなくてはならず、本実施の形態で要求される画像拡大縮小用光学デバイス1を作製するにはかなり複雑な操作が必要であり現実的でない。
【0049】
この点、本実施の形態の作製方法によれば、マスクを用い一括で露光するため容易に高屈折率領域5の屈折率分布のパターンを形成することができる、さらに、図1に示した高屈折率領域5の縮小面3と平行な面の断面が下面(縮小面3)から上面(拡大面4)まで相似形な構成であれば、1枚のマスクを用いレンズで結像位置を変えることにより全ての屈折率分布のパターンが形成できるため、極めて容易に3次元構造の画像拡大縮小用光学デバイス1を作製することができる。また、ファイバを作製し、そのファイバ群を束ねるという従来方法等に比べ、多数のファイバを束ねる必要がないため、容易に縮小面3側画像と拡大面4側画像との対応関係を確保することができる。
【0050】
なお、特に図示しないが、図2に示した場合とは逆の構成、即ち、拡大面4側を画像光の入射側として設定し、縮小面3側に例えば2次元CCD等の2次元固体撮像素子を配設させれば、画像光を縮小させて読み取る画像縮小読取装置として構成することもできる。
【0051】
本発明の第二の実施の形態を図4及び図5に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。本実施の形態では、まず、図4に示すように、板2の縮小面3近傍では、高屈折率領域5の光の進行する方向(入射方向)が縮小面3に対してほぼ垂直となるようにこの高屈折率領域5が形成されている。即ち、光の入射方向と板2の法線方向とのなす角度が極力小さくなるように設定されている。また、図5に示すように、板2の拡大面4近傍では、高屈折率領域5の光の進行する方向(出射方向)が拡大面4に対してほぼ垂直となるようにこの高屈折率領域5が形成されている。即ち、光の出射方向と板2の法線方向とのなす角度が極力小さくなるように設定されている。
【0052】
例えば、図2に示したような画像拡大表示装置7に適用する場合、ディスプレイ8の画素から出射する光には或る程度の指向性があるため、元画像の入射する縮小面3近傍においては、本実施の形態のように、光の入射する方向と板2の法線方向とのなす角度の大きさが全ての高屈折率領域5でほぼ同じであることが望ましい。これにより、各高屈折率領域5への画像光の取り込み効率が均一に向上し、明るい画像が得られる。このような事情は画像光の出射側、即ち、拡大面4側においても同じであり、拡大表示される画像の視野角依存性を全ての高屈折率領域5について均一にするためには、図5に示すように、光の出射する方向と板2の法線方向とのなす角度の大きさが全ての高屈折率領域5でほぼ同じであることが望ましい。
【0053】
よって、本実施の形態によれば、縮小面3側から入射する画像光が指向性を有する場合の各高屈折率領域5への入射効率をほぼ均等に向上させることができる上に、拡大表示される画像の視野角依存性を均一化させることができ、表示画像の品質を向上させることができる。
【0054】
【実施例】
前述したような構造の画像拡大縮小用光学デバイス1に関して、その特長的な構成例の効果を裏付けるための実験を伴う実施例について、その作製方法を併せて以下に説明する。
【0055】
[実施例1]
ステップ1:
3−ヒドロキシフタル酸無水物を側鎖にもつ高分子材料であるPMMA(ポリメチルメタアクリレート)ポリマをTHFに溶かし、スピンコートで厚さ20μmの試料を作製した。
【0056】
このサンプルに、図6に示すような装置構成で、マスクとして液晶シャッタ11を用い、マスク中心とサンプル台12上のPMMAポリマ薄膜13の中心を一致させ、液晶シャッタ11をPMMAポリマ薄膜13と近接させ液晶シャッタ11の裏面からUVランプ14により250nmの波長の紫外線を照射した。液晶シャッタ11は画素数が1024×768のものを用い、あらゆるマスクパターンを形成できるものとした。紫外線を照射する際のPMMAポリマ薄膜13の温度は80℃、紫外線の照射強度はサンプル上で300mW/cm2、照射時間は900秒とした。PMMAポリマ薄膜13の紫外線が照射された部分はフォトブリーチングを起こし、屈折率が低下した。屈折率を測定したところ、液晶シャッタ11によるマスクパターンに対応した2次元的な屈折率分布のパターンが作製され、屈折率差は約0.015であった。
【0057】
ステップ2:
ステップ1で作製された薄膜13の上に、さらにスピンコートで厚さ20μmの3−ヒドロキシフタル酸無水物を側鎖に持つPMMAポリマ試料を作製した。ステップ1で作製した屈折率分布のパターンと中心位置が合うように位置合わせを行い、ステップ1と同じ方法でさらにフォトブリーチングを行い、厚さ40μmの屈折率分布のパターンを持つ薄膜を作製した。
【0058】
ステップ3:
液晶シャッタ11のマスクパターンを適当に変化させながらステップ2を繰り返し、縮小面3側は正方形パターンの一辺の長さは50μm、拡大面4側で100μmとなる3次元の屈折率分布のパターンを作製し、縮小面3及び拡大面4近傍では、各高屈折率領域5の光の進行方向は各々縮小面3、拡大面4に対しほぼ垂直となっており(図4及び図5参照)、高屈折率領域5の光の進行する方向と垂直な断面の面積は、光の進行方向が拡大面4の垂線より45°以上傾いている部分では一定で一辺が50μmとし、この高屈折率領域5の断面積は、拡大面4近傍でテーパ状に拡大し、図7に示すような200×200の分離された高屈折率領域5を有する厚さ8mmの3次元導光路構造の画像拡大縮小用光学デバイス1を作製した。このサンプルをサンプルNo.1とする。
【0059】
[実施例2]
実施例1において、マスクとして図8に示すような200行×200列の正方形パターンを有する1枚のマスク16を用い、レンズ(図示せず)を用いてこのマスク16のパターンをPMMAによる薄膜上に結像させた。結像させるマスク像を各薄板毎に変倍させながら、相似なパターンを重ねることで画像拡大縮小用光学デバイス1を作製した。
【0060】
即ち、実施例1のステップ2の場合と同様に、スピンコートで薄膜を積層させる形で順次作製し、レンズで結像する正方形パターンの一辺の長さを50μmとして100回、50.5μmから99.5μmまで0.25μmずつ長さを変化させて196回、100μmとして100回繰り返した。
【0061】
これにより、200×200の分離された高屈折率領域5を有し、高屈折率領域5の縮小面3側での断面積より拡大面4側での断面積が大きい3次元構造の画像拡大縮小用光学デバイス1が作製できた。このサンプルをサンプルNo.2とする。
【0062】
[実施例3]
実施例1において、高屈折率領域5の光の進行方向が拡大面4及び縮小面3と平行となる部分で、高屈折率領域5の一辺が20μmとなるように高屈折率領域5の断面を縮小し、拡大面4近傍で再び拡大するような断面構造を持つ3次元構造の画像拡大縮小用光学デバイス1を作製した。このサンプルをサンプルNo.3とする。
【0063】
[実施例4]
実施例1において、マスクとして図8に示すような200行×200列の正方形パターンを有する1枚のマスク16を用い、レンズ(図示せず)を用いて結像させるマスク像を変倍することにより、相似なパターンを重ねることで画像拡大縮小用光学デバイス1を作製した。
【0064】
即ち、実施例1のステップ2の場合と同様に、スピンコートで薄膜を積層させる形で順次作製し、レンズで結像する正方形パターンの一辺の長さを50μmから100μmまで0.25μmずつ長さを変化させて200回繰り返した。
【0065】
これにより、200×200の分離された高屈折率領域5を有し、高屈折率領域5の縮小面3側での断面積より拡大面4側での断面積が大きい3次元構造の画像拡大縮小用光学デバイス1が作製できた。このサンプルをサンプルNo.4とする。
【0066】
[作製サンプルの評価結果]
以上No.1〜No.4のサンプルについて、
▲1▼画像の明るさ、
▲2▼画像の明るさの均一性
▲3▼デバイスの厚み
▲4▼作製の容易性
に関する評価を行った。評価結果を表1に示す。表1中の○、×は下記の基準で評価した。拡大する前の画像としては透明フィスム上に作成したITEテストチャートをカラービュアーで投射した画像を用いた。明るさに関しては、拡大前の画像の明るさ(cd/cm2)÷拡大後の画像の明るさ(cd/cm2)×拡大倍率(面積比)が、3.0未満を○、3.0以上を×とする。明るさの均一性に関しては、画像の明るさ(cd/cm2)の均一性が±30%未満であれば○、±30%以上であれば×とした。
【0067】
【表1】
【0068】
デバイス作製の容易性に関しては、サンプルNo.2,No.4が1枚のマスク16を用いるだけで全ての屈折率分布のパターンを作製できるので、好適といえる。しかし、サンプルNo.4は、光の入射面と出射面とが縮小面3、拡大面4に対して垂直となっていないため、表1に示すように、明るさ及び明るさの均一性がともに悪い結果となっている。また、サンプルNo.1,No.2に比べ、サンプルNo.3では高屈折率領域5の光の進行方向と垂直な断面積を途中で一旦小さくしているので、デバイス厚みを約半分程度に薄型化できることが分かる。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像拡大縮小用光学デバイスによれば、高屈折率領域に入射した光のうち、その周囲の低屈折率領域との界面で全反射条件を満たす光は板の厚さ方向に連続する高屈折率領域内を一面側から他面側、又は、他面側から一面側に向かって伝搬するが、各高屈折率領域の断面積が一面側と他面側とで異なるため、一面側から入射させた光であれば他面側から拡大された形で出射することとなり、画像の拡大表示等が可能となり、逆に、他面側から入射させた光であれば一面側から縮小された形で出射することとなり、画像の縮小読取等が可能となる。この際、板の材料として高分子材料を用いているので、光照射を利用して高屈折率領域の屈折率分布を容易に作製することができ、薄型・軽量で低コストな画像拡大縮小用光学デバイスを提供することができる。また、この画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、高屈折率領域の光の進行する方向に直交する断面の面積が、光の進行する方向が他面に対する垂線より45°以上傾いている部分ではほぼ一定となるように高屈折率領域が形成されているので、光の進行する方向が他面に対する垂線より45°以上傾いている部分、即ち、板厚に影響する部分では高屈折率領域の断面積がほぼ一定となるように形成されその断面積の増加がないため、デバイスを薄型化することができる。
【0070】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、板の一面近傍では各高屈折率領域の光の進行する方向が一面に対してほぼ垂直となるように各高屈折率領域が形成されているので、一面側から入射する画像光が指向性を有する場合の各高屈折率領域への入射効率をほぼ均等に向上させることができる。
【0071】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、板の他面近傍では各高屈折率領域の光の進行する方向が他面に対してほぼ垂直となるように各高屈折率領域が形成されているので、他面側において各高屈折率領域から出射する出射光の進行方向を他面に対してほぼ垂直となるように設定することで、拡大表示される画像の視野角依存性を均一化させることができ、表示画像の品質を向上させることができる。特に、請求項2記載の発明と組合せることにより、画像が明るく視野角依存性が均一化された拡大画像を表示させることができる。
【0073】
その他の発明によれば、請求項1,2又は3記載の画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、高屈折率領域の断面積の増加に関して、拡大側となる他面近傍から拡大が徐々に起こり他面に向けて拡開するテーパ状となるように形成されているので、単純形状で済みデバイス厚みを薄くできる上に低コスト化を図ることができる。
【0074】
請求項4記載の発明によれば、請求項1,2又は3記載の画像拡大縮小用光学デバイスにおいて、高屈折率領域の断面積の増加に関して、途中で縮小側である一面側での面積よりも小さくなった部分を経て拡大側である他面側で拡大するように形成されているので、デバイスの薄型化を図る上で有効な構成となる。
【0075】
請求項5記載の発明の画像拡大表示装置によれば、請求項1ないし4の何れか一に記載の画像拡大縮小用光学デバイスを利用しているので、画像自体の拡大及び画素サイズ自体の拡大を従来のプロジェクション方式を用いることなく薄型構造で実現できる画像拡大表示装置を提供することができる。
【0076】
請求項6記載の発明の画像縮小読取装置によれば、請求項1ないし4の何れか一に記載の画像拡大縮小用光学デバイスを利用しているので、画像自体の縮小及び画素サイズ自体の縮小を薄型構造で実現できる2次元的な画像縮小読取装置を提供することができる。
【0077】
請求項7記載の発明によれば、板の材料として高分子材料を用いているので、光照射を利用して高屈折率領域の屈折率分布を容易に作製することで、薄型・軽量な請求項1記載の発明の画像拡大縮小用光学デバイスを低コストで簡単に作製することができる。
【0078】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法において、2次元的な屈折率分布のパターンを有する複数枚の薄板を積層させることにより3次元の屈折率分布のパターンを持つデバイスを作製するようにしたので、多数のファイバを束ねる作製方法・構造ではないため、一面側の画像と他面側の画像との対応関係の維持が容易となり、適正なる画像の拡大又は縮小が可能となる。
【0079】
請求項9記載の発明によれば、請求項7又は8に記載の画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法において、レンズにより1枚のマスクの像を変倍しながら光照射するようにしたので、多数のマスクがいらず、1枚のマスクで容易に作製することができ、より量産性に適した低コストな方法で画像拡大縮小用光学デバイスを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の画像拡大縮小用光学デバイス構成を示し、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(a)のA−A′線断面図である。
【図2】拡大画像表示装置の原理的構成例を示す断面図である。
【図3】1つの高屈折率領域を抽出してその構造原理を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態の画像拡大縮小用光学デバイスに関する1つの高屈折率領域を抽出してその入射側の構造原理を示す模式的な断面図である。
【図5】その出射側の構造原理を示す模式的な断面図である。
【図6】本発明の実施例における作製方法で用いる作製装置構造を示す概略正面図である。
【図7】本発明の実施例における作製方法で用いる薄板の積層方法を説明するための平面図である。
【図8】本発明の実施例における作製方法で用いるマスク形状を示す平面図である。
【図9】第1の従来例を示す斜視図である。
【図10】第2の従来例を示す断面構造図である。
【図11】第3の従来例を示す概略構成図である。
【図12】 第4の従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 画像拡大縮小用光学デバイス
2 板
3 一面
4 他面
5 高屈折率領域
7 画像拡大表示装置
8 ディスプレイ
16 マスク
Claims (9)
- 光照射により屈折率が変化する板状の高分子材料中に高い屈折率を持つ多数の高屈折率領域が各々独立して板の一面から他面に連続して存在するように形成されるとともに、前記各高屈折率領域が前記一面近傍での断面積よりも前記他面近傍での断面積の方が大きくなるように形成された画像拡大縮小用光学デバイスであって、
前記高屈折率領域の光の進行する方向に直交する断面の面積が、前記光の進行する方向が前記他面に対する垂線より45°以上傾いている部分ではほぼ一定となるように前記高屈折率領域が形成されている画像拡大縮小用光学デバイス。 - 前記板の前記一面近傍では前記各高屈折率領域の光の進行する方向が前記一面に対してほぼ垂直となるように前記各高屈折率領域が形成されている請求項1記載の画像拡大縮小用光学デバイス。
- 前記板の前記他面近傍では前記各高屈折率領域の光の進行する方向が前記他面に対してほぼ垂直となるように前記各高屈折率領域が形成されている請求項1又は2記載の画像拡大縮小用光学デバイス。
- 前記高屈折率領域の光の進行する方向に直交する断面の面積が、途中で前記一面側での面積よりも小さくなった部分を経て前記他面側で拡大するように前記高屈折率領域が形成されている請求項1,2又は3記載の画像拡大縮小用光学デバイス。
- 請求項1ないし4の何れか一に記載の画像拡大縮小用光学デバイスと、この画像拡大縮小用光学デバイスの板の一面側に配設されたディスプレイと、を備える画像拡大表示装置。
- 請求項1ないし4の何れか一に記載の画像拡大縮小用光学デバイスと、この画像拡大縮小用光学デバイスの板の一面側に配設された2次元固体撮像素子と、を備える画像縮小読取装置。
- 板状の材料中に高い屈折率を持つ多数の高屈折率領域が各々独立して板の一面から他面に連続して存在するとともに、前記各高屈折率領域が前記一面近傍での断面積よりも前記他面近傍での断面積の方が大きく、前記高屈折率領域の光の進行する方向に直交する断面の面積が、前記光の進行する方向が前記他面に対する垂線より45°以上傾いている部分ではほぼ一定となるように、前記高屈折率領域が形成されている画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法であって、前記板状の材料として光照射により屈折率が変化する高分子材料を用い、この高分子材料に光を照射することにより板状の高分子材料中に多数の高屈折率領域が各々独立して存在する屈折率分布のパターンを形成することにより前記画像拡大縮小用光学デバイスを作製するようにした画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法。
- 高屈折率領域が2次元的に各々独立して存在する屈折率分布のパターンを有する高分子材料による複数枚の薄板を順次作製し、これらの複数枚の薄板を前記2次元の屈折率分布のパターンが3次元の屈折率分布のパターンとなるように積層させるようにした請求項7記載の画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法。
- 高屈折率領域が2次元的に各々独立して存在する屈折率分布のパターンを高分子材料による薄板に形成するための1枚のマスクを用い、薄板毎にレンズにより前記マスクの像を変倍しながら光照射して2次元的に相似となる屈折率分布のパターンが形成された複数枚の薄板を順次作製し、これらの複数枚の薄板を相似となる2次元的な屈折率分布のパターンが連続するように位置合せしながら前記高屈折率領域の面積の小さい順に積層させて結 合させることにより1枚の板を作製するようにした請求項7又は8に記載の画像拡大縮小用光学デバイスの作製方法。
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