JP3991086B2 - 造影剤として有用なフィブリン結合部分 - Google Patents

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Description

本発明は、病理的血管内血栓症の検出および治療のためのフィブリン結合ポリペプチドおよび組成物に関する。特に、本発明は、血栓を検出、画像化および位置決定するのに有用な物質および方法に関する。本発明は、フィブリンと循環フィブリノーゲンとを区別可能で、フィブリンからの比較的低い解離速度を示す結合部分を提供する。このような遅く解離する結合部分は、血栓部位における結合部分の滞在時間を長くし、循環から素早くクリアされる非結合部分と比べてシグナルが高く、従って、フィブリン血栓の検出画像の精度および鮮明度を改善する。このような結合部分は、磁気共鳴画像法、放射線画像法、および他の画像法による、フィブリン含有血餅の検出、画像化および位置決定のために有用であり、またフィブリンが役割を果たす冠状動脈症状の診断および治療においても有用である。
血栓関連疾患は、血餅の存在により発達する血管症状である。このような疾患は、主要な死因であり、従って、血栓特異的診断、治療、および検出方法論、ならびに試薬を開発することは、臨床上大変重要である。肺塞栓症(PE)、深静脈血栓症、発作、およびアテローム硬化症は、血栓関連疾患の例である。
深静脈血栓症は、脚および鼡径部の深血管(deep blood vessel)において血餅が形成される症状である。これらの血餅は、脚から心臓へ戻る血液の流れをブロックし得る。時々、血餅の一部が脱離し、血流に乗り、心臓を通り血管まで運ばれて、血管組織への血液の流れをつかえさせたり、少なくしたり、またはブロックする。これを、塞栓症と呼ぶ。肺における血管中のこのような血餅のつかえは、肺塞栓症、すなわちPEである。PEは、息切れ、胸痛、さらには死をもたらし得る。
米国だけでも、毎年推定600,000人の患者が肺塞栓症を患っている。これらの患者のうちの約378,000人において、PEが検出されず、これらの患者のうち約114,000人がその後この疾患に関連した合併症により死亡する。この高い死亡率は、一部には、多くの場合に臨床的症状が無いこと、および現在利用可能な調査および検出方法に有意な限界があることが原因である。
従って、様々な発達段階の血栓塞栓症の存在を検出するための感度が高くかつ有効なアッセイ、初期および後期血栓の有無の診断手法、ならびに血栓に特異的に結合でき、かつ患者における初期および後期血栓の有無を検出するのに有用な非侵襲性の試薬、が必要とされている。
血栓形成
架橋フィブリンは、静脈および動脈の血餅または血栓の両方の基礎となる基幹を形成する(Harkerら, Am. J. Cardiology, 60:20B-28B(1987))。血栓は、酵素トロンビンが活性化された場合に形成され、血漿フィブリノーゲンの切断によりフィブリノペプチドを放出し、フィブリン重合部位を曝す(Hermansら, Semin. Thromb. Hemost., 8:11-24 (1982))。
フィブリンおよび血餅形成の生物学は、多くの研究者により近年研究されてきており、血餅形成に至る事象のカスケードが詳細に理解されてきた。凝固には2つの主要な活性化経路がある:すなわち、第XII、第IXおよび第VIII因子を必要とする内因性経路、および組織因子および第VI因子が関与する外因性経路である。両方の経路とも、第X因子(プロトロンビンをトロンビンに変換する原因となる酵素)を活性化する時点で収束する。
外因性経路は、第VII因子とカルシウム依存型複合体を形成する、遍在する細胞リポタンパク質である、組織因子により開始される。複合体形成の際に、第VII因子は第VIIa因子に活性化され、これは、第X因子を第Xa因子に変換する。第Xa因子は、プロトロンビンを、第Va因子、カルシウムおよびリン脂質と共に、トロンビンに変換する。プロトロンビン変換はまた、内皮表面および活性化血小板でも生じ、第Xa因子、第Va因子およびプロトロンビン間の複合体の会合を必要とする。この変換は、リン脂質およびカルシウムイオンの存在を必要とする。
内因性または接触凝固経路は血小板により開始される。このカスケードは、第XII因子、高分子量キニノーゲンおよびプレカリクレインの複合体形成から開始する。複合体形成の際に、第XII因子は第XIIa因子に切断される。外因性経路におけるような、第XI、第IX、第VIII、第Xおよび第V因子の段階的活性化の後、プロトロンビンがトロンビンに活性化される。トリプシン様セリンプロテアーゼであるトロンビンは、止血および血栓症の中心となる調節因子である。フィブリンはフィブリノーゲンから誘導され、フィブリンの重合は、トロンビンによるフィブリノーゲンの酵素的切断の後に生じる。フィブリノーゲン(340kD)は、3対の同一ペプチド(Aα、Bβおよびγと呼ばれる)からなる。化学構造分析および電子顕微鏡検査により、このタンパク質は三結節(trinodular)構造を有することが実証された。2つのAαBβγサブユニットが、逆平行配向に方向付けられている。6本の鎖のアミノ末端部分が共に束にされて中央「E」ドメインを形成する。2つの二重コイル鎖はEドメインの両側から外側に向かって2つの末端ノード(すなわち「D」ドメイン)に延びる。これらの二重コイル領域は110アミノ酸の長さで3本の鎖全てで構成されている。Dドメインは2つの高親和性Ca2+結合部位を含み、フィブリン重合においてEドメインと関与する。広範囲なジスルフィド架橋は、共有結合により2つのサブユニットを架橋し、球状ドメインを安定化させる。Aα鎖のC末端部分は、Dドメインを超えてフレキシブルな伸長部分を形成する。Dドメインは、第XIIIa因子架橋部位を含み、フィブリン溶解の間の血漿消化の主要部位である。
フィブリノーゲンからのフィブリン形成は、トロンビンによるフィブリノペプチドの除去により生じる、自発的な自己会合プロセスである。Aα鎖中のArg16−Arg17結合およびBβ鎖上のArg14−Gly15結合におけるトロンビン切断は、フィブリノペプチドAおよびBを放出し、α鎖のN末端から主に構成されるEドメインにおいて重合部位を曝す。配列Gly−Pro−Arg−Valを有するこのN末端は、2本の隣接するフィブリノーゲン鎖上の相補的な重合部位に結合する。Dドメインに仲介されるこれらのフィブリノーゲン分子の端部間会合は、第3のフィブリノーゲン分子上に位置する、Eドメイン重合部位の結合部位を作る。このDD(E)三次複合体は、形成されるフィブリンゲルを安定化させる核を形成する。出発重合生成物は線状の二本鎖プロトフィブリルである。これらのプロトフィブリルの横の結合により、太い繊維の枝分かれした三次元マトリックスが生じる。横の会合は複雑であるが、おそらくB重合部位(βのN末端)、およびDドメイン相互作用を介して形成される三分子複合体が関与すると思われる。
フィブリル内の隣接するフィブリン単量体は、第XIIIa因子(トロンビンおよびフィブリンによりそれ自体が活性化される血漿トランスグルタミナーゼ)により共有結合で架橋される。これらの架橋により、フィブリンネットワークに機械的な安定性が加わり、血餅分解に対する耐性を増す。第XIIIa因子はまた、特化した(specialized)タンパク質(プラスミンインヒビターα抗プラスミンおよび接着性タンパク質フィブロネクチンが挙げられる)をフィブリンに架橋させることにより、血餅安定性を増強する。
血栓画像化
血栓特異的造影剤についての調査は、放射性標識フィブリノーゲンが初めて評価された30年前に始まった(Kakkarら, Lancet, 1:540-542(1970))。それ以来、多数の血栓造影剤が説明されており、血栓を形成するのに採用される薬剤、および先に形成された血栓の成分に結合する薬剤が挙げられる(Knightら, Radiology, 156:509-514 (1985);Alaviら, Radiology, 175:79-85 (1990);Rosebroughら, J. Nuc. Med. 31:1048-1054 (1990))。血栓を可視化または画像化するのに有用な物質の開発に採用されてきた最近の手法としては、形成する血栓に結合する放射性標識化血小板および抗血小板抗体、抗フィブリン抗体、抗活性化血小板抗体、ならびに活性化または不活化組織型プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)がある(Thakurら, Throm. Res., 9:345-357 (1976);Palabricaら, Proc. Natl. Acad. Sci. 86:1036-1040 (1989))。
血小板親和性ペプチドも、血餅を検出するために使用されてきた。この手法は、血小板に結合可能な小さい99mTc標識化ペプチドを利用する。標識化ペプチドが付着した血小板は、血栓に取り込まれ、血栓を検出可能にする(Bautovichら, J. Nucl. Med., 35:195-202(1994);Mutoら, Radiology, 189 (suppl):303 (1993))。
血栓中の血小板は、時間の経過と共に分解するため、血小板親和性ペプチド、抗血小板抗体、および血小板に結合するその他の薬剤または血小板の位置を検出する薬剤は、初期血餅(12時間未満)の検出にしか有用ではなく、塞栓症、特に肺塞栓症の検出および画像化に使用できない。
フィブリンは、血栓中の主要なタンパク質成分であることから、被検体中の血餅の位置をマークし、大きさを測定することができる薬剤にとって望ましい標的である。しかし、フィブリン標的化は、フィブリンとその循環前駆体であるフィブリノーゲンとの構造が非常に近似しているために複雑である。成功した手法の1つでは、フィブリンに特異的なモノクローナル抗体を単離することを行っている。このようなクラスのモノクローナル抗体の1つは、フィブリン単量体のαおよびβ鎖の新しく曝露されたN末端を認識する。別のクラスのモノクローナル抗体は、重合(第XIII因子、DD二量体ドメイン、または推定tPA結合部位の共有結合架橋等)の結果として曝露されたエピトープを認識する。しかし、抗体を造影剤として使用することは、いくつかの短所を有する。すなわち、高分子量の抗体は、小さい分子に必要とされるよりも、大きな質量の薬剤を血餅に送達させる必要があり、これは、十分なシグナルコントラストを得るために高濃度の造影剤が必須であるために重大な限界となり得る。標識化抗体は、比較的長いin vivo循環半減期のために、クリアランスの問題を示すことが多く、血液と組織バックグラウンドとのコントラストを限定する。さらに、抗体は、調製および製剤化するのに費用がかかることが多く、またそれらを使用することで、望ましくない潜在的に致命的な免疫原応答が生じる得る。
肺塞栓症診断に使用する別の方法は、肺換気/血流スキャンである。肺換気/血流スキャンでは、患者はラジオグラフィーガスを吸引し、換気が可能な肺の領域の画像を記録する。その後、患者に放射性剤を注射し、肺動脈を通る薬剤の動きを追跡する。2つの画像を比較し、肺換気データと血流データとを比較することにより、あらゆる血栓症領域を検出する。米国では、毎年約930,000の肺換気/血流スキャンが行われているが、約60%が決定的ではない。
肺塞栓症診断の代替的な方法は、X線血管撮影法である。この方法は、X線不透明(X線不透過性)化合物を、患者の大腿静脈に導入した動脈カテーテルを介して、心臓または肺動脈近くに導入することにより行う。X線カメラにより肺動脈を通る化合物を追跡し、このような追跡により血栓症を検出する。この方法は、臨床家により「最も基準となる検査」であると考えられており、年間に約60,000の血管撮影法が行われているが、このテストは、侵襲性であり、費用がかかる。さらに、X線血管撮影法を受ける200人の患者のうちの1人が、その過程自体の直接的な結果として死亡する。
最近、フィブリン血餅の位置決定および画像化用の造影剤として、(例えば、常磁性金属または放射性核種で)検出可能に標識化された場合に有用なフィブリン結合ポリペプチドが発見された。参照により本明細書に援用するPCT/US00/20612号を参照のこと。このようなフィブリン結合ポリペプチドは、当該分野において大いに必要とされる進歩であるが、フィブリン基質に対するポリペプチドのアビディティー等の特徴における改善の余地はある。
フィブリンに結合し、低い「オフ速度(off-rate)」を示す(すなわち、フィブリンについて既に特徴付けられた結合部分よりも低い解離速度を有する)ポリペプチドのグループを発見した。このような遅く解離するフィブリン結合ポリペプチドは、フィブリン血餅の部位に集中し、自由に循環している同様のポリペプチドと比べて長い間そこに留まる。つまり、患者に投与した後、フィブリンに結合しない循環ポリペプチドは循環から除去され、患者の器官系に残ったポリペプチドは、主にフィブリンに結合するポリペプチドである。従って、循環する標識化ポリペプチドに起因する妨害バックグラウンドシグナルは除去され、血餅部位における標識化ポリペプチドが残り、血餅の位置決定および画像化のためのより良好な検出可能なシグナルを作る。
新たに発見されたフィブリン結合ポリペプチドは、先に説明されたフィブリン結合部分とは異なるアミノ酸配列を有する。例えば、造影剤またはフィブリン誘導性(fibrin-homing)療法のための融合パートナーとしてのこのようなポリペプチドの調製および使用を、本明細書に詳細に記載する。
フィブリン血餅を検出、位置決定、測定および治療するための改善された物質および方法の要望に対する答えとして、驚くべきことに本発明者らは、フィブリンに特異的に結合する非天然型ポリペプチドのグループを発見した。このようなポリペプチドの適切な標識化は、高濃度で血餅に結合する検出可能な造影剤を提供し、優秀な血栓特異的造影剤を提供する。このようなポリペプチドと、血栓溶解剤等の有効な薬剤とのコンジュゲーションまたは融合を使用して、血栓症状を治療できる(例えば、コンジュゲートまたは融合体をフィブリン血餅部位に「誘導(home)」させて、血栓関連疾患の有効な治療を提供する)。本発明のフィブリン結合ポリペプチドを提示する、組換えバクテリオファージもしくは酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または他の原核細胞もしくは真核細胞を提供するが、このようなファージおよび細胞産物は、血栓の有効な検出および診断用の貴重な試薬でもある。
(例えば、アテローム硬化斑上の)血栓塞栓症および血栓形成の検出に加えて、新たに発見されたフィブリン結合剤は、フィブリンが役割を果たす多数の他の病態生理学を検出するためにも有利に使用できる。これらの場合、フィブリン画像化は、診断的または治療的モニタリングの有用な直接または代理マーカーとなり得る。例えば、腹膜接着は、手術または炎症および新形成過程後に生じることが多く、フィブリンネットワーク、繊維芽細胞、マクロファージ、および新血管を含む。慢性関節リウマチ、狼瘡または敗血性関節炎を患う患者は、関節の滑液中に米粒体と呼ばれるフィブリン含有組織のフラグメントを有することが多い。血栓性血小板減少性紫斑病では、貧血の種類、小動脈におけるフィブリン沈積物(fibrin deposits)は、荒い血液の流れを生じ、赤血球のストレスおよび崩壊を生じる。本発明のフィブリン結合部分は、このようなフィブリン関連障害の検出および診断において使用できる。
フィブリン特異的薬剤はまた、他の症状(低酸素症、または心臓、腎臓、肝臓、肺、脳もしくは他の器官の虚血、ならびに腫瘍、糖尿病性網膜症、初期もしくは危険性の高いアテローム硬化症、他の自己免疫および炎症性障害の検出が挙げられるがこれらに限定されない)を検出するためにも使用できる。フィブリン特異的薬剤は、低酸素症および新脈管形成が役割を果たすと予想される疾患モデルの直接または代理マーカーの両方をも提供できる。低酸素状態では、フィブリン(フィブリノーゲン)は、低酸素誘導可能因子1(HIF−1)の制御下で発現される。腫瘍成長および浸潤等の新脈管形成が役割を果たす疾患モデルでは、フィブリンは、新しい血管生成に必要な構造的網を提供する。
本発明は、フィブリン結合部分に関する。本発明による結合部分は、フィブリンまたはそのフラグメント(例えば、DDおよびDD(E))の結合、検出または単離が有利なあらゆる用途において有用である。本明細書に開示する結合部分の特に有利な使用は、in vivoで血栓を画像化する方法にある。本方法は、本発明によるフィブリン特異的結合部分の使用を伴い、造影剤(磁気共鳴画像化(MRI)造影剤、X線画像化剤、放射性医薬画像化剤、超音波画像化剤、および光学画像化剤が挙げられる)として結合部分を検出可能に標識化して、血栓を検出する。
本発明による最も好ましいフィブリン結合部分は、フィブリンに対して高い親和性を有する単離された合成ポリペプチドである。本発明は、以下のアミノ酸配列を有し、フィブリンに結合する能力を有する、新しいクラスのフィブリン結合ポリペプチドを提供する:
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)、
ここで、
は、Cys、ProまたはTrpであり、好ましくはTrpである;
は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはVal(すなわち、Cys以外の任意のアミノ酸)であるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;最も好ましくは、Xは、Ala、Gln、Glu、LysまたはMetである;
は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrである;最も好ましくは、XはAla、Leu、MetまたはProである;
は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸である;最も好ましくはXおよびX12は両方ともCysである;
は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrである;Xは、Proであることが好ましい;
は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValである;Xは、Asp、Glu、Gly、MetまたはTrpであることが好ましい;
は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり、Gluであることが最も好ましい;
は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrである;Xは、Asn、Asp、Glu、ProまたはSerであることが好ましい;Xは、Proであることが最も好ましい;
は、Arg、GlyまたはTrpであり、Trpであることが好ましい;
10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValである;X10は、LeuまたはThrであることが好ましい;
11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである;
12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸である;
13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり、Trpであることが最も好ましい;
14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisである;X14は、Asp、Gly、His、PheまたはSerであることが好ましい;
15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisである;X15は、Ala、Gly、His、ProまたはSerであることが好ましい。
特に、以下の式を有し、フィブリンに対して高親和性を有する安定した結合ループを開示する:
Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)、
ここで、
は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrである;Xは、Proであることが好ましい;
は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValである;Xは、Asp、Glu、Gly、MetまたはTrpであることが好ましい;
は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり、Gluであることが最も好ましい;
は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrである;Xは、Asn、Asp、Glu、ProまたはSerであることが好ましい;Xは、Proであることが最も好ましい;
は、Arg、GlyまたはTrpであり、Trpであることが好ましい;
は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValである;Xは、LeuまたはThrであることが好ましい;
は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである。
本発明による特に好ましいフィブリン結合部分は、以下のアミノ酸配列を含むポリペプチドである:
Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、および
Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)。
本発明によるさらに好ましいフィブリン結合部分は、以下のアミノ酸配列を含むポリペプチドである:
Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27);
Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28);
Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29);
Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30);
Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31);
Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32);
Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33);
Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34);
Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35);
Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36);
Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37);
Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38);
Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39);および
Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)。
本発明の別の態様は、放射性標識、酵素標識、またはMR常磁性キレートもしくは微粒子での標識化;超音波気泡、微粒子、微小球、エマルジョンもしくはリポソームへの取り込み;または光学染料等の添加による上記ポリペプチドの改変により、フィブリン特異的造影剤を提供することに関する。
本発明の別の態様では、フィブリン結合部分の単離方法を提供する。このような方法は、血栓の検出、位置決定、定量および治療用の他の試薬を単離するために有用である。
本発明の別の態様では、フィブリン含有病態生理(血栓を含む)の検出方法を提供し、また血栓疾患の治療方法を提供する。
本発明の別の態様では、血栓溶解剤または他の治療薬と、本発明によるフィブリン結合部分との組合せ、コンジュゲーションまたは融合を含む治療薬を提供する。このような組成物は、血栓関連疾患および症状の治療に有用である。
本発明の別の態様では、フィブリン結合ポリペプチドを表面上に提示する、組換えバクテリオファージ、酵母、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または他の原核細胞もしくは真核細胞も提供する。このようなファージおよび宿主細胞は、スクリーニング試薬およびフィブリン検出用試薬として有用である。
本発明の上記および他の態様は、以下の詳細な説明を参照することにより、明らかになる。
定義
以下の節においては、「組換え」という用語は、非天然の改変または操作された核酸、外因性核酸によりトランスフェクトされた宿主細胞、または単離DNAの操作および宿主細胞の形質転換を介して非天然的に発現されたポリペプチドを表すために使用する。組換えは、遺伝子操作技術を用いてin vitroで構築されたDNA分子を特に網羅する用語であり、「組換え」という用語を形容詞として使用する場合には、特に天然型の分子、構築物、ベクター、細胞、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを除く、分子、構築物、ベクター、細胞、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを説明するためのものである。
本明細書で使用する「フィブリン誘導型ポリペプチド」という用語は、フィブリン、またはフィブリンと免疫学的に交差反応するフィブリンフラグメント(タンパク質の免疫学的反応性フラグメントを含む)の任意の部分成分を指す。
「バクテリオファージ」という用語は、DNA核、および多数の異なるタンパク質分子の凝集により構成された保護殻を含む細菌ウイルスとして定義される。「バクテリオファージ」および「ファージ」という用語は、本明細書において、互換的に使用する。特に明記しない限り、「バクテリオファージ」および「ファージ」という用語は、当業者に周知の通り、「ファージミド」(すなわち、ヘルパーファージでの宿主の重感染によりパッケージングされ得るプラスミドをゲノムが含むバクテリオファージ)も包含する。本発明の好適な実施形態では、ファージはM13ファージである。
「ポリペプチド」という用語は、(側鎖に対して)主鎖を介して、ペプチドアミド結合(−C(:O)NH−)により連結した2つ以上のアミノ酸の化合物を指す。「ペプチド」という用語は、本明細書において、「ポリペプチド」と互換的に使用するが、概して25アミノ酸未満のポリペプチドを指すのに使用される。
本明細書で使用する「結合部分」という用語は、別の分子と結合複合体を形成可能な任意の分子を指す。「フィブリン結合部分」は、血餅、可溶性もしくは不溶性フィブリン、またはフィブリンにより示される構造または特徴は有するがフィブリノーゲンのフラグメントは持たない可溶性もしくは不溶性フィブリンフラグメントと複合体を形成する結合部分である。このような可溶性または不溶性フィブリンフラグメントとして挙げられるのは、「フィブリン誘導型」ポリペプチドと定義されるフラグメントである。本発明の目的であるフィブリン誘導型ポリペプチドは、本明細書に記載するDD、DD二量体、およびDD(E)ポリペプチドについての集合的な用語として使用される。このようなフィブリン誘導型ポリペプチドは、架橋フィブリンのタンパク質分解処置により典型的に生成されるが、フィブリン特有の構造的特徴を保持する。フィブリン結合部分の具体的な例としては、本明細書に記載のポリペプチド(例えば、配列番号1〜8および27〜40を含む)、このようなポリペプチドを取り入れているハイブリッドおよびキメラポリペプチド、ならびに任意のこのようなポリペプチドを提示する組換え細胞またはバクテリオファージが挙げられる。同じくフィブリン結合部分の定義に含まれるものとしては、本明細書に開示されているように改変されたポリペプチドである。改変の具体的な例としては、例えば、結合部分を、検出可能な画像化標識または他の基質に連結する目的のために、CまたはN末端アミノ酸置換または伸長が挙げられる(例としては、例えば、精製を容易にするためのポリヒスチジン「テイル」の付加;酵素切断部位を取り除くための1個から数個のアミノ酸の置換;ポリグリシンまたはポリリシンセグメント等のN末端またはC末端の改変またはリンカーの使用;官能基(特に、ヒドラジド(−NH−NH)官能基)を含むように改変して、本発明による結合ペプチドを固体支持体に固定化するのを容易にする;等)。本明細書にさらに記載する検出可能標識に加えて、フィブリン結合ポリペプチドのための他の適切な基質としては、血栓溶解剤もしくは酵素(例えば、tPA、プラスミン、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、ヒルジン)、リポソーム(例えば、血栓溶解剤、適切な超音波ガスもしくは両方を充填されたもの)、または固体支持体、ウェル、プレート、ビーズ、チューブ、スライド、フィルターもしくは皿が挙げられる。このような改変フィブリン結合部分は全て、フィブリンまたはフィブリン誘導型ポリペプチドと結合する能力を保持する限り、フィブリン結合部分と考えられる。
「DD」、「DD二量体」および「DD(E)」という用語は、プラスミンまたはトリプシンでのフィブリンのタンパク質溶解分解により典型的に生成されるフィブリン部分成分を指す。「DD」および「DD二量体」という用語は、両方とも、約180kDaの分子量の、隣接するフィブリン単量体のグルタミナーゼ架橋型Dドメインを指す。「DD二量体」という用語は、フィブリンのC末端部分を含み、ヒトフィブリノーゲン配列のα(111〜197)、β(134〜461)およびγ(88〜406)を大まかに含む。「DD(E)」という用語は、フィブリンの中心Eドメインを有するDDの複合体を指し、約60kDaの分子量で、ヒトフィブリノーゲン配列中のα(111〜197)、β(134〜461)、γ(88〜406)、α(17〜78)、β(15〜122)およびγ(1〜62)を大まかに含む。「DD」および「DD(E)」は、フィブリンのタンパク質分解産物であるため、プロテアーゼ消化およびその後の単離の手法に応じて、それらの組成にはわずかな不均一性があり得る。(Olexaら, Biochemistry, 20: 6139-6145(1981);MoskowitzおよびBudzynski, Biochemistry, 33: 12937-12944(1994);Spraggonら, Nature, 389: 455-462(1997);および該文献中の参考文献を参照)。
「結合」という用語は、本明細書に記載するものを含む、結合部分は所与の標的を認識かつ可逆的に結合するという、標準的アッセイによる決定を指す。このような標準的アッセイとしては、平衡透析法、ゲル濾過法、および結合から生じる光学的変化のモニターが挙げられる。
「特異性」という用語は、一方に比べて他方の標的に対してより高い結合親和性を有する結合部分を指す。「フィブリン特異性」という用語は、フィブリノーゲンよりもフィブリンに対して高い親和性を有するフィブリン結合部分を指す。フィブリン特異性は、2つのテスト物質の解離平衡定数(K)または会合平衡定数(Ka)により特徴付けられ得る。本発明による結合ポリペプチドは、既に公知のフィブリン結合ポリペプチドよりも低い、フィブリンからの解離速度を有する。Koffは、フィブリン/フィブリン結合部分複合体の解離についての一次速度定数である。Konは、フィブリン/フィブリン結合部分複合体の形成についての二次速度定数である。解離平衡定数は、K=Koff/Konとして速度定数に関連し、従って、低いKは、低いKoffと相関するが、保証するものではない。本発明による結合部分は、既に単離された結合ポリペプチドよりも低い解離速度を有することが好ましい。
本明細書で使用する「患者」という用語は、任意の哺乳動物、特にヒトを指す。
「製薬上許容可能」キャリアまたは賦形剤という用語は、本発明の化合物と共に、患者に投与され得、その薬理学的活性を損なわない、非毒性キャリアまたは賦形剤を指す。
本発明は、フィブリンに対する新規結合部分を提供する。このような結合部分は、フィブリンまたはフィブリン誘導型ポリペプチドを含有する溶液中または系中のフィブリンまたはフィブリン誘導型ペプチドの効率的な検出、画像化および位置決定を可能にする。特に、本発明の結合部分は、適切に標識化された場合には、フィブリン含有血栓または他のフィブリン特異的病態生理を検出、画像化および位置決定するのに有用であり、従って、血栓疾患を診断および治療するための様々な診断薬および治療薬を作製するのに使用できる。本発明の好適な結合部分は、フィブリンおよび/またはフィブリン誘導型ポリペプチドと高い親和性で結合する(すなわち、公知の抗フィブリン抗体および他のフィブリン結合タンパク質と匹敵する、生理的に関連する低濃度にて作用する)。
本発明の特異的なフィブリン結合ポリペプチドは、ファージ提示ライブラリー(すなわち、表面上に外因性ペプチドループを発現するように形質転換された組換えバクテリオファージの集合)のスクリーニングにより最初に単離された。特定の標的(例えば、フィブリン)について新しいポリペプチド結合部分を単離するために、例えばファージ提示技術を用いた、大規模なペプチドライブラリーのスクリーニングが特に有利である。なぜなら、非常に多数(例えば、5×10)の可能性のある結合因子がテストでき、良好な結合因子を短時間で単離できるからである。
フィブリン結合ペプチド等の結合部分についてスクリーニングするための潜在的ポリペプチドのファージライブラリーを用意するために、ライブラリー中で提示されるペプチド用の構造鋳型としての役割を果たす候補結合ドメインを選択する。ファージライブラリーは、親(parental)ドメインまたは鋳型の多数の類似体からなる。結合ドメイン鋳型は、天然型もしくは合成型タンパク質、またはタンパク質の領域もしくはドメインであり得る。結合ドメイン鋳型は、結合ドメイン鋳型とフィブリンとの公知の相互作用の知識に基づき選択され得るが、これは決定的なものではない。事実、ライブラリーの鋳型として作用するように選択されるドメインは、標的に対して全く親和性を有する必要はなく、類似した構造のポリペプチド(類似体)が多数生成できる(ライブラリー)構造を提供することが目的である(ここで、多数の類似体は、所望の結合特性(およびスクリーニングする任意の他の特性)を示す1つ以上の類似体を含むことが望ましい)。
ライブラリーの多様なアミノ酸配列の基となる親結合ドメインまたは鋳型を選択するに当たって、最も重要な考慮は、多様なペプチドドメインがどのように標的に提示されるか(すなわち、どのコンホメーションで、ペプチド類似体が標的と接触するか)ということである。ファージ提示方法論では、例えば、類似体は、類似体をコードする合成DNAをファージに挿入し、ファージの表面上に類似体を提示させることにより生成される。幅広い種類の異なるポリペプチドを提示するこのようなファージ(M13ファージ)のライブラリーは、例えば、Kayら, Phage Display of Peptides and Proteins: A Laboratory Manual(Academic Press, Inc., San Diego 1996)および米国特許第5,223,409号(Ladnerら)(参照により本明細書に援用される)に記載される技術により用意できる。
ファージ提示ライブラリーの形成のために、非構造化線状ペプチドよりも、構造化ポリペプチドを、結合ドメイン鋳型として使用することが好ましい。タンパク質中の表面残基の突然変異は、通常、タンパク質の全体的な構造または全般的な特性(大きさ、安定性、および変性の温度等)にほとんど影響を与えないが、同時に、表面残基の突然変異は、タンパク質の結合特性に多いに影響する。ポリペプチドセグメントをきつく制約すればするほど、任意の特定の標的に結合する可能性が低くなるが、それでもポリペプチドが結合するのであれば、その結合はより高い親和性かつより大きい特異性を有する可能性がある。従って、ある程度の厳密性を有するフレームワーク内に制約された、親ドメイン、そして可能性のあるポリペプチド結合因子についての構造を選択することが好ましい。本発明の特定のポリペプチドを単離するのに当たって、TN7/IV、TN8/IXおよびTN9/IVと称する3つのライブラリー(それぞれ、2×10を上回るアミノ酸配列多様性を有する)を使用した。各ライブラリーは、M13ファージ上での多様化ポリペプチドの発現のために構築した。TN7/IVライブラリーは、13アミノ酸鋳型に含まれる単一のポリペプチド結合ループを提示するように構築した。TN7/IVライブラリーは、鋳型配列Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Xaa−Xaa−Xaa(配列番号9)を利用した。TN8/IXライブラリーは、14アミノ酸鋳型に含まれる単一ポリペプチド結合ループを提示するように構築した。TN8/IXライブラリーは、鋳型配列Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Xaa−Xaa−Xaa(配列番号10)を利用した。TN9/IVライブラリーは、15アミノ酸鋳型に含まれる単一ポリペプチド結合ループを提示するように構築した。TN9/IVライブラリーは、鋳型配列Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Xaa−Xaa−Xaa(配列番号11)を利用した。
このような小さい結合ループペプチドは、大きいタンパク質に比べていくつかの利点を有する。第一に、結合部位当たりの質量が減る(例えば、このような高度に安定し、低い分子量のポリペプチドドメインは、抗体(150kDa)または一本鎖抗体(30kDa)よりも、グラム当たりの結合がはるかに高い)。第二に、利用可能な表面が少ないために非特異的結合の可能性が低いことである。第三に、小さいタンパク質またはポリペプチドは、大きいタンパク質または抗体では実行不可能な手法により、末端ポリリシンセグメント等の特有の固定部位(tethering site)を有するように操作できる。第四に、制約されたポリペプチド構造は、構造ドメインが無傷のまま一方のフレームワークから他方のフレームワークに移された場合に(つまり、結合ドメイン構造が、ライブラリーでの提示(例えば、ファージ上での提示)に使用されるフレームワークから、提示フレームワークから外れたまたはクロマトグラフィー基板に固定化された単離タンパク質に移る可能性が高い)、機能性を保持する可能性がより高い。
TN7、TN8およびTN9ライブラリーは、ポリペプチド鋳型のコード配列中に設計した一連の突然変異または多様化を作ることにより作製した(各変異型配列は、鋳型の配列において1つ以上のアミノ酸多様性を有すること以外は、全体的な構造が鋳型に対応する結合ループ類似体をコードする)。新規多様化(変異型)DNAは、配列多様性を提供し、各形質転換体ファージは、DNAにコードされた最初の鋳型アミノ酸配列の1つの変異体を提示し、異なるが構造的には関係する膨大な数のアミノ酸配列を提示するファージ集合(ライブラリー)をもたらす。アミノ酸多様性は、少なくともほとんどの置換について構造を有意に変化させることなく、結合ループまたはドメインの結合特性を変化させることが予想される。多様化のために選択されるアミノ酸位置(多様化アミノ酸位置)が、表面アミノ酸位置(すなわち、ドメインが最も安定したコンホメーションにある場合に、ドメインの外面(すなわち、溶液に曝される表面)に現れる、ドメインのアミノ酸配列中の位置)であることが好ましい。多様化させるアミノ酸位置は、隣接するかまたは近くにあり、置換の効果を最大化することが最も好ましい。
既に示したように、Kayら, Phage Display of Peptides and Proteins: A LaboratoryManual(Academic Press, Inc., San Diego 1996)および米国特許第5,223,409号で議論されている技術は、選択された親鋳型に対応する潜在的結合因子のライブラリーを作製するのに特に有用である。TN7、TN8およびTN9ライブラリーは、このような技術に従い作製され、固定化フィブリン標的(例えば、DD(E)フィブリン)に対するフィブリン結合ポリペプチドについてスクリーニングした。
典型的なスクリーニングでは、ファージライブラリーを、標的(この場合、血餅において見とめられる重合形態のフィブリン固有の構造を表すフィブリンまたは特定の部分成分(DD(E)等))と接触させ、結合させる。結合因子および非結合因子を分離し易くするために、標的を固体支持体上に固定化すると都合がよい。フィブリンは既に不溶性であるため、ファージスクリーニングに適応し易い。一方で、DD(E)等の可溶性標的は、化学修飾により固定化しなければならない。標的結合部分を有するファージは、固体支持体上の標的と複合体を形成し、非結合ファージは溶液中に残り、過剰緩衝液と共に洗い流される。次いで、緩衝液を極端なpH(pH2またはpH10)に変えること、緩衝液のイオン強度を変えること、変性剤を添加すること、または他の公知の手段により、結合したファージを標的から遊離させる。次いで、回収したファージを、細菌細胞の感染を介して増幅し、非結合因子を枯渇させて結合因子を富化させた新しいプールでスクリーニングプロセスを繰り返してもよい。より少数の結合ファージの回収でも、プロセスを完了させるのに十分である。数ラウンドの選択後、結合プール中の選択したファージクローンから誘導した結合部分をコードする遺伝子配列を、以下に記載の従来方法により決定し、ファージと標的との結合親和性を付与するペプチド配列を明らかにする。選択プロセスが成功する場合、所望の結合因子が残るまで、集合の配列多様性が各選択ラウンドごとに低下していく。配列は、少数の関連結合因子(典型的に、1000万を上回るの元の候補のうち10〜50)に収束される。各選択ラウンドにおいて回収されるファージ数の増加、そして当然密接に関係する配列の回収は、スクリーニングにおいてライブラリーの収束が生じているという良い徴候である。
結合ポリペプチドのセットが同定された後、配列情報を使用して、別の所望の特性を有するメンバーについて偏った他の二次ファージライブラリーを設計してもよい。このような二次ライブラリーは、TN9/IVライブラリーから単離したフィブリン結合ポリペプチドに基づいて設計した(以下の実施例6を参照)。
本明細書に記載するように行う解離速度の遅いフィブリン結合因子についてのスクリーニングでは、TN7/IVおよびTN9/IVライブラリーのみが、比較的低いkoffを有するフィブリン結合ポリペプチドを提供した。TN9/IVライブラリーは、ゆっくりと解離するフィブリン結合因子を多数産出したため、配列を注意深く分析して、各アミノ酸位置において適したアミノ酸の範囲および種類を決定して、TN9/IVライブラリーの鋳型に対応する以下のアミノ酸配列を含む、特定のフィブリン結合因子のファミリーを特定した:すなわち、
Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)
ここで、
は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはVal(すなわち、XとX12とのジスルフィド形成を脱安定化させ得る、Cys以外の任意のアミノ酸)であり得る、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;最も好ましくは、Xは、Ala、Gln、Glu、LysもしくはMetである;
は、Cys以外の任意の非荷電アミノ酸であり、すなわち、Xは、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProのグループから選択される;最も好ましくは、XはAla、Leu、MetまたはProである;
は、Cys、もしくはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸である;最も好ましくはXおよびX12は両方ともCysである;
は、Pro、または小さい非荷電極性アミノ酸(すなわち、Asn、Gln、SerもしくはThrである);Xは、Proであることが好ましい;
は、Cys以外の任意の非塩基性アミノ酸(すなわち、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはVal)であり;Xは、Asp、Glu、Gly、MetまたはTrpであることが好ましい;
は、GluまたはSerであり、Gluであることが最も好ましい;
は、Pro、または酸性アミノ酸(すなわち、AspもしくはGlu)、またはCys以外の非荷電極性側鎖を有するアミノ酸である(すなわち、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr)である;Xは、Asn、Asp、Glu、ProまたはSerであることが好ましい;Xは、Proであることが最も好ましい;
10は、Cys以外で、脂肪族非荷電極性または脂肪族非極性(疎水性)側鎖を有するアミノ酸である(すなわち、X10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValである);X10は、LeuまたはThrであることが好ましい;
11は、芳香族疎水性アミノ酸である(すなわち、X11は、Phe、TrpまたはTyrである);
12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸である;
13は、芳香族疎水性アミノ酸(すなわち、X13は、Phe、TrpまたはTyr)であり、Trpであることが最も好ましい;
14は、Proもしくは小さいアミノ酸(すなわち、AlaもしくはGly)、Cys以外の極性非荷電アミノ酸(すなわち、Asn、Gln、Ser、ThrもしくはTyr)、酸性アミノ酸(すなわち、Asp、もしくはGlu)、または弱塩基性アミノ酸(すなわち、His)である;X14は、Asp、Gly、His、PheもしくはSerであることが好ましい;
15は、非極性アミノ酸(すなわち、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、TrpもしくはVal)、Cys以外の非荷電極性アミノ酸(すなわち、Asn、Gln、Gly、Ser、ThrもしくはTyr)、または弱塩基性アミノ酸(すなわち、His)である;X15は、Ala、Gly、His、ProもしくはSerであることが好ましい。
このようなポリペプチドの特に好ましい例としては、以下が挙げられる:
Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、および
Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)。
配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を有する単一のTN7結合因子を単離した。
これらのポリペプチドのシステイン残基は、ジスルフィド結合を形成すると考えられており、これは、非還元条件下で、ポリペプチドに安定したループまたは環状構造を形成させる。従って、本発明は、以下のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むフィブリン結合ループの発見に関する:
Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)
ここで、
は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr、好ましくはProである;
は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり、好ましくはAsp、Glu、Gly、MetまたはTrpである;
は、GluまたはSerであり、好ましくはGluである;
は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり、好ましくはAsn、Asp、Glu、ProまたはSerであり、最も好ましくはProである;
は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり、好ましくはLeuまたはThrである;
は、Phe、TrpまたはTyrであり、好ましくはPheである。
TN7単離体のフィブリン結合ループは、Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys(配列番号12)である。
特定のフィブリン結合ポリペプチドに基づく二次ライブラリーの作製、および解離の遅い結合因子の選択により、以下の別のフィブリン結合ポリペプチドが単離された:
Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27);
Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28);
Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29);
Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30);
Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31);
Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32);
Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33);
Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34);
Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35);
Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36);
Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37);
Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38);
Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39);および
Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)。
これらの配列と、既に単離された配列との比較による検査により、以下の式のアミノ酸配列を含むフィブリン結合ポリペプチドの拡張されたクラスが提供される:
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)、
ここで、
は、Cys、ProまたはTrpであり、好ましくはTrpである;
は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはVal(すなわち、Cys以外の任意のアミノ酸)であるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;最も好ましくは、Xは、Ala、Gln、Glu、LysもしくはMetである;
は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrである;最も好ましくは、XはAla、Leu、MetまたはProである;
は、Cys、もしくはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸である;最も好ましくはXおよびX12は両方ともCysである;
は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrである;Xは、Proであることが好ましい;
は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValである;Xは、Asp、Glu、Gly、MetまたはTrpであることが好ましい;
は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり、Gluであることが最も好ましい;
は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrである;Xは、Asn、Asp、Glu、ProまたはSerであることが好ましい;Xは、Proであることが最も好ましい;
は、Arg、GlyまたはTrpであり、Trpであることが好ましい;
10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValである;X10は、LeuまたはThrであることが好ましい;
11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである;
12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸である;
13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり、Trpであることが最も好ましい;
14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisである;X14は、Asp、Gly、His、PheまたはSerであることが好ましい;
15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisである;X15は、Ala、Gly、His、ProまたはSerであることが好ましい。
さらに、以下の式を有し、フィブリンに対して高親和性を有する安定した結合ループを提供する:
Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)、
ここで、
は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrである;Xは、Proであることが好ましい;
は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValである;Xは、Asp、Glu、Gly、MetまたはTrpであることが好ましい;
は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり、Gluであることが最も好ましい;
は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrである;Xは、Asn、Asp、Glu、ProまたはSerであることが好ましい;Xは、Proであることが最も好ましい;
は、Arg、GlyまたはTrpであり、Trpであることが好ましい;
は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValである;Xは、LeuまたはThrであることが好ましい;
は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである。
ジスルフィド結合ループの形成は、このようなペプチドに対する親和性および特異性を高めるために有利である。しかし、血清において、ジスルフィド結合は、遊離システインまたは他のチオール含有分子により開かれ得る。従って、位置4および/または12においてアミノ酸を改変して、別の反応の低い結合でジスルフィド架橋を置き換えることが有用であるかもしれない。上記15量体ペプチドは、5つの共有結合を含む−CH−S−S−CH−架橋により連結されたアミノ酸4および12のα炭素を有する。典型的なC−C単一結合は、約1.5Åの長さであり、S−S結合は約2.0Å、そしてC−S結合は約1.8Åである。−CH−S−S−CH−架橋は、硫黄間の二面結合が90度に近い、好ましい幾何学を有するが、厳密な幾何学は、他の側基の状況および分子の結合状態により決定される。結合ループの閉じられた架橋の好ましい改変は、全体的な結合長さおよび角度を可能な限り保つ。このような適切な代替的な架橋としては、−CH−S−CH−CH−、−CH−CH−S−CH−、−CH−CH−S−CH−CH−等のチオエーテル結合;−CH−NH−CO−CH−および−CH−CO−NH−CH−等のラクタム結合;−CH−CH−O−CH−CH−等のエーテル結合;−(CH−(n=4、5または6)のアルキレン架橋;結合−CH−NH−CO−NH−CH−、ならびに当該分野で公知の類似グループが挙げられる。
安定したジスルフィド連結結合ループを含むポリペプチドが最も好ましいが、(例えば、一方または両方のシステイン残基の置換により)上記配列から誘導される、ジスルフィドループを含む元のポリペプチドの少なくともいくらかのフィブリン結合活性を保持し得る、線状ポリペプチドが簡単に調製され得る。このようなCys置換を作るために、アミノ酸Gly、SerおよびAlaが好ましく、両方のCys残基を置換して、ポリペプチドを二量化または溶液中の他の遊離チオール基と反応させうる単一のCysを残さないようにすることも好ましい。フィブリン結合特性を保持するこのような線状誘導体は全て、本発明の範囲内にある。
本発明のペプチドの直接合成は、固相ペプチド合成、溶液相合成等の従来技術を用いて達成され得る。固相合成が好ましい。Stewartら, Solid-Phase Peptide Synthesis (1989), W.H.Freeman Co., San Francisco;Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154(1963);BondanszkyおよびBondanszky, The Practice of Peptide Synthesis (Springer-Verlag, New York 1984)(参照により本明細書に援用される)を参照のこと。
本発明のポリペプチドは、ペプチド合成を業務として提供する会社(例えば、BACHEM Bioscience, Inc., King of Prussia, PA;Quality Controlled Biochemicals, Inc., Hopkington, MA)により商業的に調製されてもよい。
Perkin-Elmer Applied Biosystemsが製造するような自動化ペプチド合成機械も利用可能である。
ポリペプチド化合物は、化学的または組換え技術のいずれかにより、単離または合成された後に精製されることが好ましい。精製目的のために、C−、C−またはC18−シリカ等のアルキル化シリカカラムを用いる逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を含む多くの標準的方法が採用され得る。精製を行うためには一般的に有機含量が増加する勾配移動相(例えば、通常少量のトリフルオロ酢酸を含む、水性緩衝液中のアセトニトリル等)が使用される。イオン交換クロマトグラフィーを使用して、電荷に基づいてペプチドを分けてもよい。ポリペプチドの精製の程度は、HPLC上の主要な大きいピークを同定すること等、様々な方法により決定され得る。HPLCカラム上にインプットする物質の少なくとも95%の単一のピークを生成するポリペプチドが好ましい。HPLCカラム上にインプットする物質の少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはさらに99.5%の単一ピークを生成するポリペプチドがさらにより好ましい。
上述した任意の技術を用いて得られたペプチドが、本発明の組成物において使用するのに望ましいペプチドであることを確認するために、ペプチド組成の分析を行ってもよい。このような組成分析は、高分解能質量分析法を使用して、ペプチドの分子量を測定して行い得る。あるいはまた、酸性水溶液中にペプチドを加水分解させ、HPLCまたはアミノ酸分析器を用いて、混合物の組成を分解、同定および定量することで、ペプチドのアミノ酸内容を確認できる。ペプチドを逐次分解してアミノ酸を順番に同定するタンパク質シークエネーターを使用して、ペプチドの配列を確実に決定してもよい。
本発明のフィブリン結合ポリペプチドは、配列中の2つのシステイン残基間のジスルフィド連結によりコンホメーションが拘束(restrain)され得る。このコンホメーションの拘束により、ペプチドが、フィブリノーゲンよりもフィブリンに対するペプチドの親和性およびフィブリンに対する特異性に寄与する結合構造を有することが確実になる。同様のコンホメーションおよびフィブリン特異性をそのペプチドのために保持しうる他のペプチド拘束方法は、当該分野で記載されており、本明細書において使用することができる(ペプチド上の2つの位置間のより安定したまたはコンホメーションとして好ましい結合を形成する目的で、1つ以上のシステイン残基を非天然型アミノ酸またはペプチド模倣体と置換することが挙げられる)。このような改変型フィブリン結合部分も全て、フィブリンまたはフィブリン誘導型ポリペプチドに結合する能力を保持する限り、フィブリン結合部分と考えられる。非環状、すなわち線状形態のペプチドも、フィブリンに対する結合能力および特異性を保持し得、同様に本発明において使用され得る。
本明細書に記載するフィブリン結合ポリペプチドの相同体は、当該分野で公知の特定の目的のために、当該分野で周知の方法を採用して、1つ以上のアミノ酸を置換、付加または欠失することにより作製され得る。このような相同ポリペプチドは、アミノ酸の置換、付加または欠失によりそのフィブリン結合能力が失われない限り、本発明の範囲内にあると理解される。本明細書で使用する「相同」という用語は、2つの高分子(すなわち、ポリペプチド分子または核酸分子)間の配列類似性の程度を指す。比較する2つの高分子において、同じヌクレオチドまたはアミノ酸残基が配列位置を占める場合、それらの高分子はその位置において相同である。例えば、2本のポリペプチド配列中の100のアミノ酸位置のうちの60におけるアミノ酸残基が一致または相同である場合、2本の配列は60%の相同性を有する。相同%の数字は、本明細書において、2つの高分子間の最大可能相同性(すなわち、2つの高分子が最大数の一致(相同)位置を有するようにアライメントされた場合の相同%)を反映する。本発明の範囲内で相同なポリペプチドは、本明細書に開示する少なくとも1つのフィブリン結合配列に少なくとも80%、好ましくは90%を上回る相同性を有する。
本発明によるフィブリン結合ポリペプチドは、本発明によるポリペプチドをコードする核酸(ポリヌクレオチド)を利用し、それらを組換え手法により発現させる組換えDNA技術を用いて(すなわち、宿主細胞を、公知の手法により外因性核酸分子の導入により操作して、この宿主細胞に所望のフィブリン結合ポリペプチドを生成させることにより)産生され得る。このような手順は、当業者の能力内にある(Davisら, Basic Methods in Molecular Biology, (1986)を参照)。本明細書に記載するような短いペプチドの組換え作製は、直接合成と比べて実用的ではないかもしれないが、本発明のフィブリン結合部分をハイブリッドポリペプチドまたは融合タンパク質に取り入れる場合には、組換え作製手段は非常に有用となり得る。
本発明の実施において、フィブリノーゲンと比べたフィブリンに対するフィブリン結合部分の親和性の測定は有用な指標(measure)であり、フィブリンに対する特異性と呼ばれる。結合の定量および親和性の測定のための標準的なアッセイとしては、平衡透析法、平衡結合法、ゲル濾過法または、結合部分とその標的との相互作用により生じ得る多数の分光学的変化(例えば、蛍光偏光の変化等)をモニターすることが挙げられる。これらの技術は、結合および遊離リガンドの濃度を、リガンド(またはタンパク質)濃度の関数として測定する。以下の等式に示すように、結合ポリペプチドの濃度([結合])は、遊離ポリペプチドの濃度([遊離])およびポリペプチド(すなわちフィブリン上)の結合部位の濃度(N)と関係する:
[結合]=N×[遊離]/((1/K)+[遊離])
上記等式に対するデータの解は、会合定数K(すなわち、結合親和性の定量的指標)を生じる。会合定数Kは、解離定数Kの逆数である。Kの方が、親和性の測定において頻繁に報告される。フィブリンよりもフィブリノーゲンに対してKが1.5倍高いペプチドは、特異性が低いフィブリン結合因子と考えられる。フィブリンよりもフィブリノーゲンに対してKが10倍高いペプチドは、特異性が低いフィブリン結合因子と考えられ、フィブリンよりもフィブリノーゲンに対してKが100倍以上高いペプチドは、フィブリンに対して高い特異性を有すると言う。本発明のペプチドおよび薬剤は、フィブリンよりもフィブリノーゲンに対してKが、好ましくは少なくとも1.5倍高い、より好ましくは少なくとも10倍高い、さらにより好ましくは少なくとも100倍高い、そして最も好ましくは1000倍高い。好ましいフィブリン結合ポリペプチドは、フィブリンに対するKが、1ナノモル(nM)〜100マイクロモル(μM)の範囲にあり、少なくとも10nM、少なくとも20nM、少なくとも40nM、少なくとも60nM、少なくとも80nM、少なくとも1μm、少なくとも5μM、少なくとも10μM、少なくとも20μM、少なくとも40μM、少なくとも60μM、および少なくとも80μMのK値を含む。
フィブリン結合部分を造影剤として採用する場合、結合特異性の他の点がより重要となり得る:造影剤と標的(血餅)との結合は、画像化過程の間、安定した平衡状態にないという意味で、造影剤は動的な系で作用する。例えば、造影剤を最初に注射した時には、造影剤の濃度および薬剤−標的複合体の濃度は急速に高くなる。しかし、注射後間もなく、循環(遊離)造影剤が、腎臓または肝臓を介して除去され始め、造影剤の血漿濃度が降下し始める。この血漿中の遊離造影剤の濃度の降下は、結果的に薬剤−標的複合体を解離させる。造影剤の有用性は、薬剤のクリアランス速度と比較した薬剤−標的解離速度の差に依存する。解離速度は、クリアランス速度と比べて遅く、血漿中の薬剤−標的複合体の濃度が高くかつ遊離造影剤(バックグラウンドシグナル)の濃度が低い、長い画像化時間が得られることが理想的である。複合体の解離速度は、解離速度定数Koffにより制御される。koffの高い値は、速い解離速度に対応するため、造影剤として使用するには低いkoffを有する結合ペプチドを得ることが好ましい。
低いkoffを有するペプチドを得るために、標準的な溶出ステップを置き換えることにより、標準的な提示ライブラリースクリーニング手順を改変し得る。例えば、ライブラリースクリーニングの通常の過程では、ライブラリーと固定化標的とを、結合因子が標的と複合化するのに十分な期間の間インキュベートして、次に固定化複合体を数回洗浄して、弱いおよび非特異的結合因子を除去し、次に複合体周囲の溶液の条件を、それ以上結合を援助しない条件に変化させることにより溶出する。典型的に、pHを急速に低下させる溶出条件(例えば、pH7.0で結合させた後にpH2.0)により、多くの候補がさらなる特徴決定のために溶出される。解離の遅い(低いkoffの)フィブリン結合因子を単離するために、溶液条件の変化を、動的溶出ステップと置き換えてもよい。この場合、固定化ファージ/標的複合体と高濃度の可溶性フィブリン標的を長時間インキュベートすることにより、結合因子提示ファージを固定化フィブリン標的から回収した。標的に最も長い時間付着できるファージは、最も低いKoffを提示するペプチドである。過剰競合リガンド(すなわち、可溶性標的)の存在下では、数個のファージしか固定化標的に非常に長時間付着しないため、ELISAにより解離の遅いファージを全て検査することも可能である。これにより、全過程を、収束(convergence)を観察するのに必要な典型的な3〜5ラウンドのスクリーニングではなく、1ラウンドのスクリーニングにより行うことができる。
本発明のフィブリン結合ポリペプチドは、以下に記載するように固定化フィブリン様ポリペプチド標的からの動的溶出により推定された場合に解離の遅い(すなわち解離定数の低い)フィブリン結合因子である。解離速度の定量測定は、ファイバ光学蛍光定量法(例えば、AndersonおよびMiller, Clin. Chem., 34(7):1417-21(1988)を参照)、表面プラスモン共鳴(Malmborgら, J. Immunol. Methods, 198(1):51-7(1996)、およびSchuck, Current Opinion in Biotechnology, 8:498-502 (1997)を参照)、共振ミラー、および格子結合平面導波路(grating coupled planar waveguiding)(例えば、Hutchinson, Molec. Biotechnology, 3:47-54 (1995)を参照)等、当該分野で公知のいくつかの方法を用いて簡単に行うことができる。結合動力学を測定するために自動化バイオセンサが市販されている(BIAcore表面プラスモン共鳴センサ(Biacore AB, Uppsala SE)、IAsys共振ミラーセンサ(Fisons Applied Sensor Technology, Cambridge GB)、BIOS−1格子結合平面導波路センサ(Artificial Sensor Instruments, Zurich CH)。
フィブリン結合ポリペプチドの用途
本発明のフィブリン結合部分は、in vitroまたはin vivoでのフィブリンの検出および/または画像化のために非常に有用であり、特にフィブリン血餅の検出および/または画像化のために有用である。任意の適切なフィブリンアッセイまたは画像化方法が採用され得る。
溶液中のフィブリンまたはフィブリン誘導型ポリペプチドの検出のために、本発明の結合部分を検出可能に標識化(例えば、蛍光標識、放射性標識または酵素標識)して、溶液と接触させ、その後結合部分とフィブリン標的との複合体の形成を検出できる。例として、フィブリンについてテストする溶液にペプチドを結合が生じる条件下で添加するin vitroフィブリン検出アッセイのために、蛍光標識されたフィブリン結合ペプチドを使用してもよい。遊離ペプチドと比べたフィブリン結合ペプチドから生じる蛍光偏光の増加を測定することにより、蛍光標識フィブリン結合ペプチドとフィブリンとの複合体を検出および定量できる。
あるいはまた、フィブリン結合部分を、プラスチックチューブまたはウェル等の固体支持体に固定化し、フィブリンまたはフィブリン誘導型ポリペプチドを含むと思われる溶液を該固定化結合部分と接触させ、非結合物質を洗い流し、適切な検出試薬(フィブリンを認識するモノクローナル抗体等)を使用して複合化ポリペプチドを検出する、サンドウィッチ型ELISAアッセイを使用してもよい。モノクローナル抗体は、当該分野で公知の従来手段により検出可能である(検出可能標識化、例えば、放射性標識化するか、西洋ワサビペルオキシダーゼ等の酵素とコンジュゲートするか、または蛍光標識する等が挙げられる)。
溶液中または溶液からの可溶性フィブリンまたはフィブリン誘導型ポリペプチドの検出または精製のために、本発明の結合部分を、クロマトグラフィー支持体または他の多孔性材料等の固体基板上に固定化し、結合部分/フィブリン複合体の形成に適した条件下で、固定化した結合因子に溶液を充填するか溶液と接触させる。溶液の非結合部分を除去し、複合体を検出する(例えば、抗フィブリンまたは抗結合部分抗体を使用するか、またはフィブリン標的を、適切な溶出条件下で結合部分から放出させてもよい)。
フィブリンおよび血餅形成の生物学は、多くの研究者により調査されてきており、調査および開発の活発な分野であり続けている。純粋なフィブリンは、治療上有用な凝固剤としての利用性も有する。このような調査および開発を促進するために、大量の純粋形態のフィブリンを精製する方法が望まれており、上述した一般的な精製方法論を使用して、本発明による結合部分はこの目的のために特に有用である。
血栓画像化
本発明のポリペプチドの特に好ましい用途は、可視的に読取り可能な血栓の画像を作成して、血栓関連障害の診断、モニターおよび治療を助けることである。本明細書に開示するフィブリン結合ポリペプチドは、ポリペプチドを、診断検出に適した標識とコンジュゲートすることにより、血栓を検出するための造影剤に変換できる。フィブリノーゲンよりもフィブリンに対してより高い特異性を示すペプチドを、採用する検出方法論に適した標識とコンジュゲートまたは連結させることが好ましい。例えば、フィブリン結合因子を、磁気共鳴画像法(MRI)に適した常磁性キレート、X線画像法に適した放射性標識、超音波検出に適した超音波微粒子もしくはリポソーム、または光学画像化染料とコンジュゲートし得る。
適切なリンカーは、置換または非置換アルキル鎖、アミノ酸鎖(例えば、ポリグリシン)、ポリエチレングリコール、ポリアミド、および当該分野で公知の他の単純な高分子リンカーであり得る。
一般的に、検出可能に標識されたフィブリン結合部分を使用する技術は、標識が、患者の身体の外側で検出可能なシグナルを生成するという前提に基づく。検出可能に標識されたフィブリン結合部分を、血栓を有すると疑われる患者に投与した場合、血栓中のフィブリンに対するフィブリン結合部分の高親和性が、フィブリン結合部分を血栓に結合させ、血栓の部位において標識を蓄積させる。標識化ペプチドが血栓部位に局在化するのに十分な時間が与えられる。標識化ペプチドにより生成されるシグナルは、使用する標識の種類に応じて変化する走査装置により検出され、次いでシグナルを血栓の画像に変換する。
A.磁気共鳴画像化
本発明のフィブリン結合部分は、常磁性金属キレートとコンジュゲートして、MRIに使用される造影剤を形成することが有利でありうる。好ましい常磁性金属イオンは、原子番号21〜29、42、44または57〜83を有する。これは、1つ、より好ましくは5つ以上の不対電子を有し、少なくとも1.7ボーア磁子の磁気モーメントを有する、遷移金属またはランタニド系列のイオンを含む。好ましい常磁性金属は、Gd(III)、Fe(III)、Mn(IIおよびIII)、Cr(III)、Cu(II)、Dy(III)、Tb(III)、Ho(III)、Er(III)、ならびにEu(III)からなる群より選択される。Gd(III)は、緩和性(relaxivity)が高く、毒性が低く、生物学的に利用されうる(accessible)酸化状態が1つしかないため、MRIに特に好ましい。Gd(III)キレートは、1988年から臨床的および放射線MR用途のために使用されており、MR試験の約30%が現在ガドリニウム利用型造影剤を採用している。
医者は、血栓の検出するのに必要な用量に応じて、および患者に対する金属の毒性等の他の要素を考慮して金属を選択するであろう。Tweedleら, Magnetic Resonance Imaging (第二版), vol.1, Parteinら編(W.B. Saunders Co. 1988), pp. 796-7を参照のこと。一般的に、個々の金属についての所望の用量は、その緩和性に比例し、金属の生物分布、薬物動態学および代謝により加減される。三価陽イオンGd3+は、緩和性の高さと毒性の低さ、さらに患者による所望でない金属の代謝を最小限にするたった1つの生物学的に利用され得る酸化状態で存在するという利点を有するために、MRIに特に好ましい。別の有用な金属は、比較的費用が安いCr3+である。
有機キレート化剤は、常磁性金属に対するリガンドとして作用し、常磁性金属と複合化する、1つ以上の極性基を有する分子である。適切なキレート化剤は、当該分野で公知であり、メチレンホスホン酸基、メチレンカルボヒドロキサミン酸基、カルボキシエチリデン基またはカルボキシメチレン基を有する酸が挙げられる。キレート化剤の例としては、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、1,4,7,10−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸(DOTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、および1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−テトラ酢酸(TETA)が挙げられるがこれらに限定されない。他のキレート型リガンドは、エチレンビス−(2−ヒドロキシ−フェニルグリシン)(EHPG)、およびそれらの誘導体(5−Cl−EHPG、5Br−EHPG、5−Me−EHPG、5t−BU−EHPG、および5sec−Bu−EHPGを含む);ベンゾジエチレントリアミンペンタ酢酸(ベンゾ−DTPA)およびそれらの誘導体(ジベンゾ−DTPA、フェニル−DTPA、ジフェニル−DTPA、ベンジル−DTPA、およびジベンジルDTPAを含む);ビス−2(ヒドロキシベンジル)−エチレン−ジアミンジ酢酸(HBED)およびそれらの誘導体;少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも6つの炭素元素、および少なくとも2つのヘテロ原子(Oおよび/またはN)を含み、1つの環または2もしくは3つの環がヘテロ環元素において結合したものからなり得る、大環状化合物のクラス(例えば、ベンゾ−DOTA、ジベンゾ−DOTA、およびベンゾ−NOTA(ここでNOTAは、1,4,7−トリアザシクロノナンN,N’,N''−トリ酢酸)、ベンゾ−TETA、ベンゾ−DOTMA(ここでDOTMAは、1,4,7,10−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,7,10−テトラ(メチルテトラ酢酸))、およびベンゾTETMA(ここでTETMAは、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−(メチルテトラ酢酸);1,3−プロピレンジアミンテトラ酢酸(PDTA)およびトリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸(TTHA)の誘導体;1,5,10−N,N',N''−トリス(2,3−ジヒドロキシベンゾイル)−トリケートコレート(tricatecholate)(LICAM)および1,3,5−N,N',N''−トリス(2,3−ジヒドロキシベンゾイル)アミノメチルベンゼン(MECAM)の誘導体がある。本発明で使用するのに好ましいキレート化剤は、DTPAである。本発明で意図する代表的なキレート化剤およびキレート型基の例は、WO98/18496号、WO86/06605号、WO91/03200号、WO95/28179号、WO96/23526号、WO97/36619号、PCT/US98/01473号、PCT/US98/20182号、および米国特許第4,899,755号(全て、参照により本明細書に援用される)に記載されている。
本発明によれば、MRI造影剤のキレート化剤は、フィブリン結合部分と結合する。キレートの位置付けは、フィブリン結合部分の結合親和異性または特異性と妨害しないように選択されるべきである。キレートは、N末端またはC末端のいずれかに付属するべきであるが、キレートは、配列内のどこにでも付着し得る。好適な実施形態では、遊離中心(free central)カルボキシル酸基を有するキレート化剤(例えば、DTPA−Asp(β−COOH)−OtBu)は、アミド結合の形成によりペプチドのN末端に付着し易くする。キレートは、リンカーの助けを得てC末端に付着し得る。あるいはまた、イソチオシアネートコンジュゲーション化学物質を、DTPAを担持する適切なイソチオシアノ基(isothocyanto group)を、ペプチド配列内の任意の場所にある遊離アミノ基に連結するための手段として採用してもよい。
一般的に、フィブリン結合部分は、金属キレート化剤(または他の検出可能標識)に直接または共有結合により結合できるか、またはリンカー(アミド、尿素、アセタール、ケタール、二重エステル(double ester)、カルボニル、カルバミン酸塩、チオ尿素、スルホン、チオエステル、エステル、エーテル、ジスルフィド、ラクトン、イミン、ホスホリル、またはホスホジエステル連結;置換または非置換の飽和または非飽和アルキル鎖;単一のアミノ酸または異なるアミノ酸の線状、分岐または環状アミノ酸鎖(例えば、フィブリン結合部分のNまたはC末端の伸長部分(extensions));誘導化または非誘導化ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンもしくはポリビニルピリジン鎖;置換または非置換ポリアミド鎖;誘導化または非誘導化ポリアミン、ポリエステル、ポリエチレンイミン、ポリアクリレート、ポリ(ビニルアルコール)、ポリグリセロールもしくはオリゴ糖(例えば、デキストラン)鎖;交互ブロック重合体;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸およびピメリン酸;カプロン酸;単純ジアミンおよびジアルコール;ならびに当該分野で公知の他の単純な高分子リンカー(例えば、WO98/18497号、WO98/18496号を参照)が挙げられるがこれらに限定されない)を使用して金属キレート化剤に結合またはコンジュゲートされ得る。リンカーの分子量は、厳密に制御され得ることが好ましい。分子量の大きさは、100未満から1000を上回ってもよい。リンカーの分子量は100未満であることが好ましい。さらに、in vivoで生分解可能なリンカーを利用して、本発明の造影剤の効率的な排出経路を得ることが望ましいかもしれない。リンカー内での位置に応じて、このような生分解可能な官能基としては、エステル、二重エステル、アミド、ホスホエステル、エーテル、アセタールおよびケタール官能基が挙げられる。
一般的に、公知の方法を使用し、このようなリンカーを用いて、金属キレートとフィブリン結合部分とを連結できる。例えば、WO95/28967号、WO98/18496号、WO98/18497号、および該文献中の議論を参照のこと。フィブリン結合部分は、そのN−またはC−末端を介してアミド結合により、例えば、金属キレートの金属配位骨格窒素、または金属キレート自体のアセテートアームに連結され得る。本発明は、金属キレートが、金属に強固に結合する能力を保持して、毒性を最小限にするという前提のもと、あらゆる位置においてキレートを連結することを意図する。同様に、改変または伸長によりフィブリン結合能力が失われないという前提のもとで、フィブリン結合部分を改変または伸長して、金属キレートへの付着座(locus for attachment)を生成してもよい。
本明細書の開示に従って調製されたMRIコントラスト試薬(画像化試薬)は、従来のMRIコントラスト試薬と同じように使用され得る。血栓を画像化する場合、バックグラウンド血液および組織に対する血栓のコントラストを増強するために、特定のMR技術およびパルスシーケンスが好ましいかもしれない。これらの技術としては、例えば、高速スピン(fast spin)エコーシーケンス(例えば、Alexanderら, Magnetic Resonance in Medicine, 40(2):298-310 (1998)を参照)、および非造影(flow-spoiled)勾配エコーシーケンス(例えば、Edelmanら, Radiology, 177(1):45-50 (1990)を参照)等の、血液を黒くするブラックブラッド(black blood)血管造影シーケンスが挙げられる(ただしこれらに限定されない)。これらの方法は、コントラスト増強血栓と血液および組織とのT差により、コントラスト差を増強する流動独立(flow independent)技術も含む(血栓とバックグラウンド組織とのコントラストを増強する反転回復生成(inversion-recovery prepared)または飽和−回復生成(recovery prepared)シーケンス等)。さらに、本発明は、Tを有意に変化しないため、T調製方法も有用であることが分かる(例えば、Gronasら, Journal of Magnetic Resonance Imaging, 7(4):637-643 (1997)を参照)。最後に、磁化移動前処理(magnetic transfer preparation)も、これらの薬剤とのコントラストを改善し得る(例えば、Goodrichら, Investigative Radiology, 31(6):323-32 (1996)を参照)。
標識化試薬は、注射可能な組成物の形態で患者に投与される。MRI造影剤の投与方法は、腸管外、つまり静脈内、動脈内、髄腔内、組織内(intersitially)、または腔内投与であることが好ましい。画像化血栓のためには、静脈内または動脈内投与が好ましい。MRIのためには、被検体は、血栓部位にてMRシグナルを少なくとも10%増強するのに十分な投薬量の造影剤を受けることが意図される。フィブリン結合部分含有MRI試薬を注射した後、患者をMRI機において走査し、あらゆる血栓の位置を決定する。治療設定においては、血栓位置決定の際に、必要であれば血栓溶解剤を直ちに投与してもよく、その後患者を走査して、血栓分解について可視化してもよい。
B.超音波画像化
超音波が物質に伝達される場合、物質の音響特性は、伝達速度および物質の密度に依存する。音響特性の変化は、異なる物質(固体、液体、気体)の界面において最も顕著である。超音波造影剤は、液体(例えば、血液)と、溶解した気体を含有する微粒気泡、リポソームまたは微小球との音響の差により、強力な音波反射物質である。超音波微粒気泡、リポソーム、微粒子等は、それらの大きさのために、他の検出可能部分よりも、注射後に血流に長時間留まる。従って、標的化フィブリン特異的超音波剤は、血栓の優秀な画像化を実証し得る。
本発明の本態様では、フィブリン部分は、超音波画像化に有用な材料に連結され得る。検出可能な標識として機能する液体または気体(音響発生ガスまたは音響発生ガスを生成可能な物質)を含む小胞(例えば、リポソーム、微粒気泡、微小球またはエマルジョン)を形成するように材料を採用する。このような小胞の調製のための材料としては、界面活性剤、脂質、スフィンゴ脂質、オリゴ脂質、リン脂質、タンパク質、ポリペプチド、糖質、および合成または天然型高分子材料が挙げられる。適切な材料および方法についてのさらなる説明については、WO98/53857号、WO98/18498号、WO98/18495号、WO09/18497号、WO98/18496号およびWO98/18501号を参照のこと。
適切な気体としては、C1−6ペルフルオカーボン(perfluocarbon)ガス、SF、低分子量C1−6フッ化もしくはハロゲン化アルケン、アルキンもしくはそれらの環状バージョン、またはWO97/29783号、WO98/53857号、WO98/18498号、WO98/18495号、WO98/18496号、WO98/18497号、WO98/18501号、WO98/05364号、WO98/17324号に記載されているような他の適切な気体もしくはそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書で使用する「気体(ガス;gas)」という用語は、正常のヒト体温である37℃にて気体状態である物質を指す。超音波小胞は、そのまま単独で、または界面活性剤もしくは他の安定化物質(乳化剤および/もしくは粘性増強剤、抗凍結剤、凍結乾燥保護剤、または充填剤等)で安定化され得る。
超音波小胞は、本明細書に記載の他の検出可能標識よりも大きくあり得るため、複数のフィブリン結合部分と、それらの表面上で、結合またはコンジュゲートされて、薬剤の標的化効率を高めてもよい。付着は、フィブリン結合部分と、小胞を作るのに使用する材料との間の直接共有結合を介してもよいし、先に記載したようにリンカーを介してもよい。例えば、ペプチドと二官能性PEGリンカーとの付着、次いでそれとリポソーム組成物との反応の説明については全般的にWO98/53857号を参照のこと。また、Lanzaら, Ultrasound in Med. and Bio., 23(6):863-870(1997)も参照のこと。標的化超音波小胞は、当該分野で公知の従来方法を用いて調製され得る。公知の方法としては、所望の音響発生ガスまたはガス混合物の存在下または不在下における、緩やかな振とう、ローターミキシング、音波処理、高圧均質化、高速攪拌、高剪断ミキシング、乳化、およびコロイドミル手順を用いて、小胞を生成することが挙げられる。あるいはまた、所望の音響発生ガスは、小胞に、該ガスの気圧または超過気圧をかけることにより、小胞に取り込まれ得る(米国特許第5,674,469号を参照)。
本発明により使用され得る超音波画像化技術としては、カラードップラー、パワードップラー、ドップラー増幅、誘導型音響画像化、および2次元または3次元画像化技術等の公知技術が挙げられる。画像化は、好ましい第2の調波と共に、調和(共振周波数)または基本モードで行われ得る。
C.光学画像化、音ルミネセンス、または光音響画像化
本発明によれば、多数の光学パラメータを採用して、光学標識化フィブリン結合部分を被検体に注射した後にin vivo光画像化により、フィブリンの位置を決定してもよい。画像作製(preparation)において検出される光学パラメータとしては、伝達される放射線、吸光度、蛍光または燐光発光、光反射、吸光度の大きさまたは最大値の変化、および弾性散乱放射能が挙げられる。例えば、生物学的組織は、650〜1000nmの近赤外線(NIR)波長範囲にある光に対して比較的半透明である。NIR放射は、数センチほど組織を通ることができ、本発明のフィブリン結合部分を、in vivoでのフィブリン光学画像化のために使用することを可能にする。
フィブリン結合部分は、広範囲の非局在化環構造を有し、400〜1500nmの範囲に吸収または発光最大値を有する光学染料(有機発色団または蛍光団が挙げられる)等の光標識とコンジュゲートされ得る。あるいはまた、フィブリン結合部分は生物発光分子と誘導化され得る。光標識について好ましい吸光度最大値の範囲は、600〜1000nmであり、ヘモグロビンからのシグナルによる妨害を最小限にする。光吸光度標識は、大きいモル吸光度率(例えば、>10cm−1−1)を有し、蛍光光学染料は高い量子収量を有することが好ましい。光学染料の例としては、WO98/18497号、WO98/18496号、WO98/18495号、WO98/18498号、WO98/53857号、WO96/17628号、WO97/18841号、WO96/23524号、WO98/47538号および該公報中で引用される参考文献に記載されるものが挙げられるがこれらに限定されない。光標識は、フィブリン結合部分に直接共有的に連結されてもよいし、先に記載したようにリンカーを介してフィブリン結合部分に連結されてもよい。
光学標識化フィブリン結合部分の注射後、剤に採用する光標識に適した波長範囲にある1つ以上の光源(例えば、レーザ)で患者を走査する。使用する光は、単色光または多色光で、連続またはパルス状のものであり得る。1つ以上の波長にチューニングした光検出器を介して、透過光、散乱光または反射光を検出して、被検体中のフィブリンの位置を決定する。光学パラメータの変化を、時間経過と共にモニターして、血栓部位における光学標識化試薬の蓄積を検出し得る。標準的な画像処理および検出装置を、本発明の光学造影剤と使用してもよい。
上述した光学造影剤は、光学標識化造影剤を用いて行われる音響光学または音ルミネセンス画像化にも使用され得る(米国特許第5,171,298号、WO98/57666号、および該公報中の参考文献を参照)。音響光学画像化において、超音波放射(radiation)を被検体にかけ、透過光、発光または反射光の光学パラメータに影響させる。音ルミネセンス画像化では、適用される超音波は実際に検出される光を生成する。このような技術を用いた適切な画像化法は、WO98/57666号に記載されている。
D.核画像化(放射性核種画像化)
フィブリン結合部分を、シンチグラフィー、SPECTまたはPET画像化に適した放射性核種リポーター(reporter)とコンジュゲートしてもよい。PET剤としての使用のためには、ペプチドを、51Mn、52Fe、60Cu、68Ga、72As、94mTc、または110In等の様々な陽電子放射金属イオンの1つと複合化させる。好ましい金属放射性核種としては、90Y、99mTc、111In、47Sc、67Ga、51Cr、177mSn、67Cu、167Tm、97Ru、188Re、177Lu、199Au、203Pb、および141Ceが挙げられる。99mTcは、その費用の低さ、利用可能性、画像化特性、および高い比活性のために好ましい。Tc−99mの核および放射能特性により、この同位体は理想的なシンチグラフィー造影剤とされる。この同位体は、140KeVの単一の光子エネルギー、約6時間の放射能半減期を有し、99Mo−99mTc生成器(generator)から容易に得られる。放射性金属は、例えば、線状、大環状、テルピリジン、およびNS、NもしくはNキレート(米国特許第5,367,080号、同第5,364,613号、同第5,021,556号、同第5,075,099号、同第5,886,142号も参照)、ならびに当該分野で公知の他のキレート化剤(HYNIC、DTPA、EDTA、DOTA、TETA、およびビスアミノビスチオール(BAT)キレート化剤(米国特許第5,720,934号も参照)が挙げられるがこれらに限定されない)により、キレートを作られ得る。キレートは、フィブリン結合部分に直接共有連結されるか、または先に記載したようにリンカーを介してフィブリン結合部分に連結され、次いで、選択した放射性金属で直接標識される(WO98/52618号、米国特許第5,879,658号、および同第5,849,261号を参照)。
放射性テクネチウムと本発明の試薬との複合体を形成する際、テクネチウム複合体、好ましくはTc−99m過テクネチウム酸塩の塩を、還元剤の存在下で試薬と反応させる。好ましい還元剤は、亜ジチオン酸塩、第一スズおよび第一鉄イオンであり、最も好ましい還元剤は塩化第一スズである。このような複合体を調製する手段は、標識化される所定量の本発明の試薬、およびTc−99mmで試薬を標識化するのに十分な量の還元剤を含む密封バイアルを含むキット形態で都合よく提供されている。あるいはまた、適切なキレート化剤とコンジュゲートした本発明のペプチドを、テクネチウムと伝達リガンドとして知られている他の化合物との予め形成された不安定複合体と反応させることにより、複合体を形成してもよい。このプロセスは、リガンド交換として知られており、当業者に周知である。不安定化合物は、例えば、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩またはマンニトール等の伝達リガンドを用いて形成され得る。Tc−99m過テクネチウム酸塩のうち、本発明に有用なものとしては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩等)、またはアンモニウム塩もしくは低アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
本発明が提供する放射性標識化シンチグラフィー造影剤は、適量の放射性を有するように提供される。Tc−99m放射性化合物を形成する際に、1mLにつき約0.01ミリキュリー(mCi)〜100mCiの濃度で放射能を含む溶液中で放射性複合体を形成することが一般的に好ましい。
一般的に、投与する単位用量は、約0.01mCi〜約100mCi、好ましくは1mCi〜20mCiの放射能を有する。単位投薬量で注射される溶液は、約0.01mL〜約10mLである。
本発明の放射性核種標識化フィブリン結合造影剤の典型的な用量は、10〜20mCiである。フィブリン特異的放射性核種造影剤を患者に注射した後、造影剤に入った核種のγ線エネルギーについて目盛をつけたγカメラを使用して、薬剤の取込領域を画像化し、血餅に存在する放射能の量を定量する。in vivoでの血栓の画像化は、数分足らずで行うことができる。しかし、所望であれば、放射性標識ペプチドを患者に注射してから数時間またはそれ以上経ってから、画像化を行うこともできる。ほとんどの場合、約0.1時間内に、十分量の投与用量が、画像化される領域に蓄積されて、シンチフォトが撮影できる。
治療的用途
本発明のフィブリン結合ポリペプチドは、フィブリンに対する親和性およびフィブリン血餅における滞在時間をもたらすかまたは改善することにより、血餅に対する血栓溶解剤の活性を改善するために使用できる。本発明の本態様では、本発明のフィブリン結合ポリペプチドと血栓溶解剤とをコンジュゲートすることにより、ハイブリッド血栓溶解剤を提供する。コンジュゲートのフィブリン結合ポリペプチド部分は、血栓溶解剤をフィブリン血餅部位に「誘導(home)」させ、血餅に対するコンジュゲートの親和性を改善して、コンジュゲートの血栓溶解活性を血餅部位に、より局在化させ集中させる。このようなコンジュゲートは、哺乳動物(ヒトを含む)における、血栓関連疾患、特に急性心筋梗塞を治療するのに有用であり得る。本方法は、血栓溶解剤とコンジュゲートされた有効量の本発明のフィブリン結合部分を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む。本発明はまた、このようなコンジュゲートを、哺乳動物(ヒトを含む)における血栓関連疾患の治療のための医薬製造においてこのようなコンジュゲートを使用することも提供する。本発明の本態様において使用するのに適した血栓溶解剤としては、プラスミノーゲンアクチベーターを含むフィブリン溶解酵素が挙げられる。プラスミノーゲンアクチベーターという用語は、ストレプトキナーゼ、ヒト組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、およびウロキナーゼ(一本鎖および二本鎖形態の両方)を含むが、これらに限定されない。このような酵素は、組換え生成により、天然由来源または組織から得られる。他の適切な血栓溶解剤としては、異なる二本鎖(2−chain)プロテアーゼの鎖に連結した二本鎖プロテアーゼの1本の鎖を含み、ハイブリッドタンパク質中の少なくとも1本の鎖がフィブリン溶解活性プロテアーゼから誘導されている、フィブリン溶解活性ハイブリッドタンパク質(例えば、EP−A−155 387を参照);可逆的にブロックされたプラスミンに連結したウロキナーゼ等の血栓溶解タンパク質コンジュゲート(例えば、EP−A−152 736を参照);フィブリン溶解活性の要因となる酵素上の触媒部位が、可逆的連結基により結合されたヒトタンパク質によりブロックされているフィブリン溶解酵素の誘導体(例えば、ヒトプラスミンの活性中心に可逆的に連結したウロキナーゼ);天然型プラスミノーゲンアクチベーターの突然変異タンパク質を含む遺伝子操作された誘導体;ハイブリッド分子(例えば、EP−A−297 882を参照);可逆的にブロックされたin vivoフィブリン溶解酵素(ストレプトキナーゼとプラスミノーゲンとの二元複合体、最も好ましくは内部結合切断のないp−アニソイルストレプトキナーゼ/プラスミノーゲン複合体(米国特許第4,808,405号に記載のアニストレプラーゼ)等);等が挙げられる。
血栓溶解剤およびフィブリン結合部分は、MRI造影剤を構築することに関して上記議論したリンカーと同じ種類のものを使って、公知の手法により血尾久または融合できる。好ましいリンカーは、置換または非置換アルキル鎖、アミノ酸鎖、ポリエチレングリコール鎖、および当該分野で公知の他の単純な高分子リンカーである。より好ましいのは、血栓溶解剤自体のコードDNA配列が公知のタンパク質の場合、上述した組換えDNA技術を用いて作製された同じ合成遺伝子から血栓溶解タンパク質およびフィブリン結合ポリペプチドを同時発現させてもよい。フィブリン結合ポリペプチドのコード配列を、血栓溶解タンパク質のコード配列とフレームを合わせて融合させて、血栓溶解タンパク質のアミノまたはカルボキシ末端において、または末端間の位置(該位置において、血栓溶解タンパク質またはフィブリン結合ポリペプチドのいずれかの必要とされる生物学的機能を破壊しないということが判断された場合)においてペプチドが発現されるようにしてもよい。この一般的な手法の具体的な利点は、複数のタンデムに配置されたフィブリン結合ポリペプチドのコンカテマー化が可能で、各血栓溶解タンパク質と会合するフィブリン結合部位の数および濃度を増加できることである。このようにして、フィブリン結合アビディティーを高め、これは、組換え治療タンパク質の効力を改善すると期待される。
血栓溶解剤に加えて、本発明によるフィブリン結合ペプチドを使用して、他の有効物質をin vivoまたはin vitroでフィブリン部位に送達することができる。例えば、小分子治療薬または他の治療剤を、1つ以上のフィブリン結合ペプチドと連結させ、コンジュゲートを被検体に投与、またはフィブリン含有溶液に導入すると、コンジュゲートのフィブリン結合特性が、フィブリン蓄積部位において小分子または治療薬を集中させる。特に好適な態様では、本発明のフィブリン結合ペプチドは、新脈管形成プロモーター(例えば、繊維芽細胞成長因子)等のフィブリンの存在下で活性な薬剤を送達するために使用され得る。フィブリン結合ペプチドは、フィブリン血餅において化合物または薬剤を蓄積させることにより(これは徐々に放出される)、化合物または薬剤の血液クリアランス半減期を高めるためにも使用され得る。
上記治療法において、化合物は、血栓溶解剤のように任意の都合の良い経路(例えば、輸液またはボーラス注射)により投与され得る。好適な実施形態では、組成物は、ヒトへの静脈内投与に適応した医薬組成物として、常套手順により製剤化され得る。典型的に、静脈内投与の用の組成物は、滅菌等張水性緩衝液に入った溶液である。必要であれば、組成物は、可溶化剤および局部麻酔(リグノカイン等)を含んで、注射部位における痛みを和らげてもよい。一般的に、成分は、別々にまたは単位投薬剤形として一緒に混合されて、例えば、有効物質の量を活性単位で示すアンプルまたはサシェットなどの密閉容器に入った乾燥凍結乾燥粉末または非水含有濃縮物として、供給される。輸液により組成物を投与する場合、滅菌医薬品グレードの「注射用水」または食塩水を含む輸液瓶で投薬され得る。組成物を注射により投与する場合、注射用滅菌水または食塩水のアンプルを用意して、投与前に成分を混合してもよい。
投与する物質の量は、血栓塞栓状態の重度、ならびに血餅の位置および大きさに依存する。採用する厳密な用量、および投与形態は、必然的に病態の性質を考慮して、状況に応じて、治療を監視している医師により決定されなければならない。一般的に、フィブリン結合因子/血栓溶解剤コンジュゲートの投薬量は、血栓溶解剤単独の場合の慣習的な投薬量に従うが、フィブリン結合因子成分により添加されるフィブリンに対する改善された親和性により、標準の血栓溶解剤投薬量を減らしてもよい。本療法において使用が意図される具体的な血栓溶解剤(用量および投与方法の例を含む)は以下の通りである:
ストレプトキナーゼ 1.0〜3.0メガユニット、30分〜3時間
アニストレプラーゼ 30ユニット;2〜5分の注射
tPA(野生型) 50〜150mg;6時間におよぶ輸液
二本鎖ウロキナーゼ 40〜100 mg;6時間におよぶ輸液
一本鎖ウロキナーゼ (3〜12メガユニット)30〜100mg;5時間におよぶ輸液
ハイブリッドプラスミノーゲン
アクチベーターおよび誘導体 20〜100mg;注射または輸液
プラスミノーゲン
アクチベーターの突然変異
タンパク質 10〜100mg;注射または輸液。
好ましい特徴では、フィブリン結合部分は、酵素切断部位(例えば、第Xa因子、トロンビンまたはプラスミン切断部位等、通常、凝固カスケード中の酵素により切断される酵素切断部位)を含むリンカーにより、血栓溶解剤に結合される。血栓溶解剤は、血餅部位においてフィブリン結合部分から切断されるまでは活性化されないことが好ましい。血栓溶解剤の切断は、血餅部位において生じるため、血餅から離れた部位における望ましくない出血事象の危険性は最小限にされる。
あるいはまた、治療血栓溶解剤を、本発明のフィブリン結合部分により、その表面上で誘導化された超音波小胞に充填できる。小胞はまた、超音波能率ガス(efficient gas)(ペルフルオロプロパンまたはペルフルオロブタン等が挙げられるがこれらに限定されない)で充填され得る。超音波でモニターした際にフィブリン特異的小胞が血栓部位に誘導したら、かける超音波の頻度およびエネルギーを変えて、血栓部位から血栓溶解剤を制御的に放出させる(例えば、WO 93/25241を参照)。
医薬的用途
フィブリン結合部分を、検出および診断のために、または血栓の治療的分解を促すために患者に使用する場合でも、このような使用はフィブリン結合部分を医薬剤として処置する必要がある。本発明の医薬組成物は、本発明の任意の化合物、および製薬上許容可能なその塩を、任意の製薬上許容可能な成分、賦形剤、キャリア、アジュバントまたはビヒクルと共に含む。
本発明の医薬組成物は、他の診断または治療剤と同様の手法により、ヒトを含む哺乳動物に投与され得る。投与される投薬量、および投与形態は、年齢、体重、性別、患者の状態、および遺伝的要因等の様々な要因に依存し、最終的には担当の医師または獣医により決定される。一般的に、診断的感度または治療的効力のために必要とされる投薬量は、約0.001〜50,000μg/kg宿主体重、より通常には0.01〜25.0μg/kg宿主体重である。
本発明の医薬組成物において使用され得る製薬上許容可能なキャリア、アジュバントおよびビヒクルとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(ヒト血清アルブミン等)、緩衝物質(リン酸塩等)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩もしくは電解液(硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム等)、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の医薬組成物は、様々な経路または形態により投与され得る。これらとしては、経口、気管内、舌下、肺、局所、直腸、鼻腔、頬腔、膣、腸管外、または移植リザーバを介する投与が挙げられるがこれらに限定されない。移植リザーバは、機械的、浸透圧、または他の手段により機能し得る。腸管外という用語は、本明細書において、腹腔内、傍脊椎、関節周囲、骨膜、皮下、皮内、静脈内、動脈内、筋内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、病変内および頭蓋内の注射または輸液技術を含む。
このような組成物は、好ましくは腸管外投与のために、より好ましくは静脈内または動脈内投与のために製剤化される。一般的に、そして特に投与が静脈内または動脈内である場合、医薬組成物は、ボーラス、別々の時間に分けた2回以上の用量、または一定もしくは非直線的流体輸液として与えられ得る。
投薬量、投薬剤形、投与形態、組成等に関する詳細は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版, Alfonso R. Gennaro編(Mack Publishing Co., Easton, PA 1990)(参照により本明細書に援用する)等の標準的な製薬テキストにおいてさらに議論されている。
分子ライブラリーをスクリーニングするためのフィブリン結合ポリペプチドの使用
フィブリンと本発明のフィブリン結合部分との間で形成される複合体は、小分子ライブラリーをスクリーニングするために使用して、フィブリンに特異的かつ高い親和性をもって結合可能な、非ペプチド、ペプチド模倣体、または他の分子もしくは化合物を見つけてもよい。フィブリンに可逆的または共有結合により結合し得るこのような新規フィブリン結合化合物は、本発明のフィブリン結合部分について現在想定されている使用に匹敵するか、または異なる使用を有し得る。
スクリーニングは、ハイスループット形式で行うことが好ましい。ある形式のスクリーニングでは、本明細書に記載のフィブリン結合ポリペプチドを検出可能に標識し、溶液として、表面(プラスチックアッセイプレート(例えば、ポリスチレン96ウェルプレート)のウェルが挙げられるがこれに限定されない)に付着させたフィブリンタンパク質に加え、非共有結合複合体を形成させる。フィブリン/結合ポリペプチド結合は、平衡状態に到達させてもさせなくてもよい。その後、単一濃度の非標識化テスト化合物を1つのウェルに加えるか、様々な濃度のテスト化合物を複数のウェルに加え、フィブリン、標識化ポリペプチドおよびテスト化合物間の部分的または完全な平衡状態まで時間を置く。テスト化合物がフィブリンと結合した場合、テスト化合物とフィブリンとの結合親和性に比例して、いくらかの標識化ペプチドが競合的に置き換えられる。ウェルを洗浄して、非フィブリン結合標識化ペプチドおよびテスト化合物を除去し、その後、ELISAプレートリーダー等により、残った置き換えられなかった標識化ペプチドを検出する。適切な陽性および陰性対照との比較により閾値量の標識化ペプチドを置き換えることができたと判断されたテスト化合物は、推定フィブリン結合分子として同定され、さらにそれらの物理学的、化学的、生物学的そして薬理学的特性について調査される。
ハイスループットアッセイの代替的な実施形態では、標識化ポリペプチドを、テスト化合物と混合し、それぞれ同時に、結合したフィブリンタンパク質を含むウェルに加える。さらに別の実施形態では、フィブリン結合ポリペプチドを固体表面に付着させ、フィブリンを検出可能に標識化する。
ある濃度範囲のテスト化合物および公知の親和性を有する非標識形態のフィブリン結合ポリペプチドが、所与の濃度の同種の標識化ペプチドに置き換わる有効性の比較により、テスト化合物のフィブリン結合親和性の推定値が得られる。
本発明によるフィブリン結合部分の単離を、以下の実施例においてさらに例示する。以下の実施例中に含まれる具体的なパラメーターは、本発明の実施を例示することを意図したもので、あらゆる意味で本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:ライブラリースクリーニング用のフィブリン標的の調製
ライブラリーをスクリーニングしてフィブリンに対する結合部分を単離するために、公表されている方法(MoskowitzおよびBudzynski, Biochemistry, 33: 12937-12944 (1994)ならびに該文献中の参照文献)の変法に従って、可溶性フィブリン誘導型ポリペプチドDD(E)を調製した。第XIII因子微量不純物(trace impurity)を含むフィブリノーゲン(1g、グレードL;American Diagnosticaから購入)を、TBS緩衝液に溶解し、5mMクエン酸塩を含むTBSに対して一晩透析した。フィブリノーゲン濃度を、3.0mg/mlに調節し、CaClを10mMの濃度となるまで添加した。トロンビンを0.5U/mlとなるよう添加してフィブリノーゲンを凝固させ始め、血餅を3時間37℃にてインキュベートした。血餅を、スパチュラで切断して水を放出し、血餅を濃縮した。血餅切片を、TBS−Ca緩衝液(2mM CaClを含むTBS)で2回洗浄し、洗浄と洗浄の間に4,000×gにて遠心分離にかけて血餅を凝縮させた。血餅物質を、25mM CaCl、および1mgのフィブリンにつき2K.I.U.プラスミンを含む250ml TBSに再懸濁させた。血餅を20℃にて一晩消化させた。未消化血餅をピペットで取り出し、上清を10mlのリシンセファロース(Pharmacia)と共に30分間振とうし、濾過して樹脂を除去した。手法ニンを、濾液に、500U/μLの濃度となるよう添加した。硫酸アンモニウムを30%飽和まで添加し、沈降したタンパク質を遠心分離により除去した。さらに硫酸アンモニウムを、50%飽和の最終濃度まで上清に添加し、沈降したタンパク質を遠心分離分離により濃縮した。DD(E)を含むペレットを、少量の緩衝液(50mM Tris、150mM NaCl、2mM CaCl)(<10ml)に再懸濁させ、同じ緩衝液中、SEPHACRYL S200(Pharmacia)サイズ排除カラム(5×100cm)上でクロマトグラフィーにかけた。カラムから溶出されたタンパク質の画分を、DD(E)についてSDS−PAGEでアッセイした。DD(E)は、55kD(フラグメントE)および190kD(フラグメントDD)のサブユニットを含む。
ライブラリースクリーニングの標的としてDD(E)を調製するために、まず複合体をビオチン化した。緩衝液を50mMリン酸ナトリウムに変え、10当量のスルホ−NHS−LC−ビオチン(Pierce Chemical Co.)、すなわちビオチン部分をアミン反応部位に付加するアミノ官能基化合物と反応させる。ビオチン結合タンパク質ストレプトアビジンで被膜された磁気ビーズ(Dynal,Inc.)を、次いでビオチン化DD(E)で被膜した。1ミリグラムのビーズにつきおおよそ100pmolのDD(E)を固定化した。次いで、ビーズを、50mM Tris、150mM NaCl、2mM CaCl、0.05% Tween−20、および0.1%ヒト血清アルブミンを含む100μLの緩衝液に懸濁して、非特異的結合に対する部位をブロックする。
実施例2:ファージ提示ライブラリーのスクリーニング
構造Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Xaa−Xaa−Xaa(配列番号13)(M13ファージ上に提示された3.3×1012のペプチド多様性)を有するポリペプチド鋳型に基づいて、多様性外因性単一ループペプチドを提示するTN6/VIファージライブラリーを含むいくつかのファージ提示ライブラリーを、100μLの結合緩衝液(50mM Tris、150mM NaCl、2mM CaCl、0.05% Tween−20)に希釈した。
フィブリンまたはDD(E)標的に結合したファージを選択する前に、各スクリーニングラウンドの始めに、ライブラリーからフィブリノーゲン結合因子を枯渇させた。DD(E)ビオチン化のために採用したのと同じ方法でフィブリノーゲンをビオチン化し、次いで、磁気ビーズ上に固定化した。ビーズを5つのチューブに等分した。ファージライブラリーを、最初のチューブに入ったビーズと共に10分間インキュベートし、ビーズを磁石でペレット化し、少なくとも部分的にフィブリノーゲン結合ファージが枯渇した上清を第2のチューブに移す。このプロセスを5つのチューブにわたり繰り返し、最後の枯渇後、ライブラリーを、上記したように調製した固定化DD(E)標的を含むマイクロタイタープレートに導入した。ファージとDD(E)とを結合させるための標的との2時間のインキュベーション後、プレートのウェルを十分に(15回)洗浄し、非結合または弱い結合のファージを除去した。pH2.0のクエン酸緩衝液(10mMクエン酸塩、150mM NaCl)中で標的からファージを溶出することにより、結合ファージを回収した。回収したファージを、続く選択ラウンドでの使用のために、増殖および調製した。全体で、5ラウンドの枯渇および選択を行った。各ラウンド後、溶出したファージを数えて、回収したファージの量が(インプットの割合%として)増加したか否か(スクリーニングプロセスにより、小さい配列ファミリーに収束しているということを示す)を決定した。
実施例3:K off 値が高い単離体の分析
5ラウンドの選択後、溶出したファージを増殖させ、一部をプレートにまいて、個々のクローンから生じるファージプラークを単離した。90ものこのようなクローンをランダムに選択し、増殖させ、乾燥フィブリンプレートアッセイ中でフィブリンに対する結合について個々にテストした。乾燥フィブリンプレートを、ライブラリースクリーニングのために上述したように調製した。ファージサンプル(それぞれ約10ファージ)を、乾燥させたフィブリンプレートウェルで、0.1% HSAを含む結合緩衝液(50mM Tris、150mM NaCl、2mM CaCl、0.05%Tween−20)中でインキュベートした。1時間後、プレートを結合緩衝液で5回洗浄した。西洋ワサビペルオキシダーゼ(Pharmacia)にコンジュゲートした抗M13抗体を、結合緩衝液中1/5000に希釈してウェルに添加し、フィブリンと共に1時間インキュベートした。ウェルを再度結合緩衝液で5回洗浄し、抗体/ファージ/フィブリン複合体の存在を、HRP熱量試薬(3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン(TMB)およびH)で測定した。595nmの(酸化TMBによる)高い吸光度は、強いファージ/フィブリン相互作用を示し、これらのウェルに対応するファージクローンはフィブリン結合部分を有すると同定された。
これらのフィブリン結合陽性クローンを、いくつかの二次ELISAアッセイに供した。これらのアッセイは、標的固定化の方法、ならびに結合および洗浄緩衝液からHSAを省略したという変更以外は、乾燥フィブリンELISAアッセイについて上記詳細に記載したものと同様のプロトコールに従った。DD(E)に対するスクリーニングは、フィブリン結合活性をさらに確認するための役割を果たした。(DD(E)について使用したビオチン/ストレプトアビジンプロトコールによりプレートに固定化された)フィブリノーゲンに対するELISAスクリーニングは、フィブリノーゲン結合についてチェックするものであり、実施例2で詳細に記載した陰性選択手順が有効であることを確認した。最後に、(ポリスチレンプレートに受動的に結合した)固定化HSAおよび標的非含有マイクロタイタープレートに対する結合をアッセイするためのELISAは、無差別または非特異的に結合したファージを無くすための対照とした。
ELISA陽性クローン(フィブリンに対して陽性であるが、フィブリノーゲン、HSAおよびポリスチレンプレートに対して陰性)から得たファージ提示ポリペプチドのアミノ酸配列を、DNA配列決定により推定した。このようにして単離した高親和性フィブリン結合ポリペプチドはWO01/09188号(参照により本明細書に援用される)に記載されている。フィブリンについての解離定数を、以下の方法を用いて、上述したように単離した多くのフィブリン結合因子について決定した。
フィブリノーゲン溶液を、TBS緩衝液(50mM Tris、150mM NaCl、pH7.4)中10mg/mlにて(または所望のフィブリンの濃度の二倍で)調製した。フィブリノーゲン溶液は典型的に約17mMのクエン酸塩を含んだ。その後、2U/mlトロンビン、20mM CaCl、および5mMε−アミノカプロン酸がTBSに入った溶液を調製した。フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液を1:1で、96ウェルプレートのウェル中で、各溶液を各ウェルに50μLづつ分注して混合した(合計容量=100μL)。プレートを一晩37℃にて蒸発乾固させた。水に溶解させた被検ポリペプチドを、1〜200μMの範囲の濃度で各ウェルに添加した。典型的な結合アッセイは、2、4、6、8、10、12、14、17、20、23、26、30、35、40、45、50、60、70、80、100、125、150、175および200μMの濃度の24ポイントを含んでいた。ペプチドおよび(再水和した)乾燥フィブリンを含むプレートをカバーし、振とうテーブル上で37℃にて2時間インキュベートした。
各ウェル中の上清をピペットで取り出し、質量分析法によりポリペプチドの濃度を測定した。サンプルを質量分析計に注入した後、ペプチドの質量において検出されたイオン電流をモニターした。ピーク下面積を測り、既知濃度の標準値と比較した。上清中のペプチドの濃度は、遊離ペプチドの濃度と等しい。結合ペプチドの濃度は、合計(出発)濃度から遊離ペプチドの濃度を引くことで測定した。[結合ペプチド]対[遊離ペプチド]のプロットを用いて、飽和にある結合ペプチドのKおよび濃度を測定した。曲線は以下の式に当てはまった:
[結合]=N×[遊離]/(K+[遊離])
ここで、[結合]は結合ポリペプチドの濃度、[遊離]は遊離ポリペプチドの濃度、Kは解離定数(Kの逆数に等しい)、およびNは結合部位の濃度である。フィブリン分子当たりの結合部位の数は、アッセイで使用したフィブリン(15μM)の濃度で割った、[結合ポリペプチド]対[遊離ポリペプチド]プロットで測定された結合部位の濃度に等しかった。
上述したように単離した合成フィブリン結合ポリペプチドについての解離定数は、約700nM〜約13μM以上にわたった。様々な実施形態で行った後、配列:Ala−Glu−Gly−Thr−Gly−Ser−Gln−Trp−Glu−Cys−Pro−Tyr−Gly−Leu−Cys−Trp−Ile−Gln−Ala−Pro−Gly−Lys(配列番号14)を有する合成ペプチドDX−101は、フィブリンに対して最も低いK(700nM)を示した。
さらに、蛍光偏光およびフルオレセイン標識形態のペプチドを用いて、ペプチドとDD(E)との間の解離定数(K)を測定した(Lakowicz, Principles of Fluorescence Spectroscopy (1983), Plenum Press, New Yorkを参照)。このようにして得たK値は、上述したフィブリンについて見とめられたものと類似している。
さらにKが低く、フィブリン標的からの解離の速度が低い高親和性フィブリン結合ポリペプチドを得るために、さらにスクリーニングを行った。
実施例4:K off 値が低いフィブリン結合因子の動的溶出(kinetic elution)
off値が低いペプチドを得るために、実施例2に記載した手順における標準溶出ステップを置き換えることにより通常のスクリーニング手順を改変した。この場合、固定化ファージ/DD(E)標的複合体を、高濃度の可溶性DD(E)と共に、結合緩衝液中で長時間インキュベートすることにより、ファージを固定化DD(E)標的から溶出した。
上記技術と同じ技術を用いてフィブリノーゲン結合因子を枯渇したファージライブラリーTN7/IV、TN8/IXおよびTN9/IVを、上述したように固定化DDEと共にインキュベートしてフィブリン結合因子を捕捉し、洗浄して非結合ファージを無くし、その後、連続的に300μL容量の0.1mg/mL DD(E)で溶出した。各容量の溶出液中のファージの数を、ファージ力価測定により分析した。待望通り、ファージが固定化標的から放出される速度は、溶出時間が長くなると共に低くなった(図1を参照)。
個々のファージ単離体を、最も長い持続時間の溶出液から回収し、ELISAによりスクリーニングして、フィブリノーゲンと結合しないDD(E)の特異的結合因子を検出した。ELISAは、上述したように行った。所望の結合選択性を有する単離体を配列決定し、得られた配列を表1に示す。
Figure 0003991086
2つの遅く解離するフィブリン結合配列002−37−C11および002−37−D02を用いて、さらなる実験において検査する合成ペプチドを設計した。合成ペプチド構造を表2に示す。全てのペプチドはN末端においてアシル化(Ac)され、C末端においてアミド化(−C:O−NH)されて、固定化を促した。
Figure 0003991086
フルオレセイン標識ペプチド(DX−303およびDX−304)を用いて、蛍光偏光を用いて、DD(E)に対するペプチドの平衡解離定数(K)を決定した。図2および3は、DX−303およびDX−304にそれぞれ結合するDD(E)の解離定数を測定するための異方性プロットを示す。DX−303は500nMのKを有し、DX−304は400nMのKを有する。従って、これらのペプチドは、先に単離されたあらゆるフィブリン結合ペプチド(例えば、DX−101、配列番号14、前掲)よりも低い解離定数を示した。Kは、K=koff/konとしてkoffと関係する。konは、ペプチド間で変わり得るため、低いKは、より低いkoffと相関する(ただし、必ずしも比例的ではない)。
実施例5:単離されたフィブリン結合因子から調製された造影剤のテスト
新しく発見されたペプチドの造影剤としての能力をテストするために、DX−303およびDX−304合成ペプチドを、ヒドラジノニコチン酸(HYNIC、Schwartzら, Bioconj. Chem., 2, 333 (1991)を参照)で標識して、DX−328(配列番号16)およびDX−329(配列番号19)を生成した。HYNICは、99mTcの強力なキレート化剤である。HYNICは、Tc上の配位部位の1つのみを占領するため、他の部位を占領するために追加のコリガンド(coligand)を必要とする。他のキレート化剤と比べたHYNICの利点は、放射性標識複合体が、他のキレート化剤のものと比べてより安定しているということ、そして、造影剤の生物分布(biodistribution)および血液クリアランス時間がコリガンドを変化させることにより改変できることである。
トリシンをコリガンドとして用いて、99mTc標識化DX−328で予備画像化実験を行った。ヒトフィブリンゲルを、ウサギの大腿部動脈に配置された小さいワイヤーの周りに形成した。放射性標識化造影剤を、ウサギの耳静脈に注射し、γカメラを用いて画像を撮った。
図4は、DX−328を投与されたテストウサギ、および市販の造影剤ACUTECT(Diatide)を投与された別のテストウサギのX線画像を示す。
図4を参照すると、DX−328を投与されたウサギにおいて、血餅のない右腿と比べて、左腿の血餅(腹部画像中、ウサギの右側に見える)がはっきりと見える。血餅に結合しないDX−328は、腎臓を介して身体から排出されるため、腎臓および膀胱は、予想通り高レベルの活性を有する。肺領域における放射性の強度は、まだクリアランスされていない循環している造影剤によるものである。注射と画像化との間の時間を長くすることで、非結合造影剤が腎臓を介してクリアランスされるので、肺領域およびその他の領域におけるバックグラウンドは低くなるであろう。あるいはまた、造影剤のクリアランス時間を減らすことで同じ効果が得られる。これは、トリシンの代わりにEDDAをコリガンドとして使用することにより達成できる。
陽性対照として、ACUTECTを用いて、血餅画像を、別のウサギにおいて得た。Acutectは、フィブリンよりも、活性化血小板に結合する。従って、Acutect画像化実験のためには、フィブリンゲルの代わりに新しいヒト血液血餅を用いた。注射後90分におけるAcutect画像は、血餅のある左腿、対、血餅の無い右腿の区別ができたが、DX−328画像よりも違いがはっきりとしていない。
実施例6:二次ライブラリーの作製およびスクリーニング
鋳型であるTN−9/IVライブラリーから単離したフィブリン結合ペプチドを用いて、二次ライブラリーを作製した。Fairbrotherら, Biochemistry, 37:17754-17764(1998)に記載されるソフトランダム化(soft randomization)によるペプチド最適化方法を用いて、アミノ酸配列WQPCPWESWTFCWDP(配列番号5)を有する合成ペプチドに基づきライブラリーを調製した。ライブラリーを作製するのに使用する鋳型DNAを合成する間、鋳型の各残基位置において、特定のコドン内の特定のヌクレオチドを置換した。従って、特定のコドンは、親コドンをコードしない他の3つのヌクレオチドを一定量付加することにより、進化させた。各コドンにおいて70%の頻度で親ヌクレオチドを維持し、他のヌクレオチドは10%の頻度で置換することで、サブライブラリーを作製した。親ヌクレオチドを大部分維持することで、全体的なコンセンサス配列を維持できた。しかし、個々の単離体の検査の際に、複数の突然変異が可能であり、これにより、親配列と比べて結合能力が改善したペプチドの選択が可能であった。
フィブリンに特異的に結合するファージを選択する前に、ストレプトアビジン被膜ビーズを導入して、合計2×1011pfuのファージの二次ライブラリーから、ストレプトアビジンに対して親和性を有するファージを枯渇させた。枯渇させたファージライブラリーを、フィブリン標的(すなわち、実施例2と同様に調整したビオチン化し、ストレプトアビジンビーズに固定化させたヒトDD(E))と混合した。2時間のインキュベーション、およびファージをDD(E)に結合させるために標的を連続的に混合した後、ビーズを洗浄緩衝液(TBS、2mM CaCl、0.05%TWEEN20)で複数回洗浄して、非結合ファージを除去した。
結合したファージの回収は、二次ライブラリーを作製するのに使用する鋳型に対応する50μMの合成ペプチド(すなわち、DX−287(配列番号15))をそれぞれ用いて3ステップで行った。第1のステップは、室温にて1時間の動的溶出であった。溶出したファージを回収し、細胞に感染させて増殖させるために使用した。第2のステップは、結合ファージを新しいペプチドと4℃にて一晩インキュベートおよび混合することにより行う動的溶出であった。溶出したファージを回収し、細胞に感染させて増幅させた。第3のステップでは、ファージを含むビーズを、宿主細胞に直接接触させ感染させることにより、(DD(E)ビーズ上に固定化されたままの)残ったファージを回収した。
3ラウンドの選択を行った。第2および第3ラウンドのファージプラークを採取し、ELISAおよび実施例3と同様の配列決定方法により分析して、DD(E)の特異的結合因子を検出し、高親和性フィブリン結合ペプチドの第2世代を同定した。二次ライブラリーから単離したフィブリン結合ペプチドの配列を以下の表3に示す。
DD(E)陽性単離体を、50μMおよび5μMの遊離DX−287ペプチドに対する競合についてアッセイした。親ペプチドと最小限の競合を示したペプチドは、より高い親和性結合因子であると見なされた。
Figure 0003991086
多数の実施形態および特徴を記載してきたが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の開示または範囲の教示から逸脱することなく、記載してきた実施形態および特徴の改変および変更を行ってもよいことが当業者により理解されるであろう。
本明細書において引用される文献は参照により援用される。
動的溶出時間の関数として、回収したファージ単離体の数を示す(実施例4を参照)。 蛍光異方性による合成フィブリン結合ペプチドDX−303の解離定数の測定を示す。 蛍光異方性による合成フィブリン結合ペプチドDX−304の解離定数の測定を示す。 本発明の放射性標識化ペプチド(DX−328)、または市販のX線造影剤(Acutect)から調製した造影剤を用いて可視化した、人工フィブリン血餅を有するウサギのX線画像を隣り合わせて比較したものである。
配列表
Figure 0003991086
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Claims (25)

  1. 哺乳動物被検体におけるフィブリン検出用薬剤を製造するための、検出可能な標識に連結されたポリペプチドの使用であって、該ポリペプチドがフィブリンに結合する能力を有する以下の(i)〜(x)のいずれかのポリペプチドであるポリペプチドの使用:
    (i) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基XはTrp、アミノ酸残基XはLeuもしくはThr、アミノ酸残基XはPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基XはAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基XはCys、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X10はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X12はCys、アミノ酸残基X13はTrp、アミノ酸残基X14はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X15はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基X10はLeu、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X13はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  2. 検出可能な標識が、蛍光性、音響発生性、放射性または常磁性である、請求項1に記載の使用。
  3. 検出可能な標識が、111Inまたは99mTcである、請求項1に記載の使用。
  4. 薬剤が、深静脈血栓症、肺塞栓症、心臓性血栓症、アテローム硬化症または発作のリスクを判定するための薬剤である、請求項1に記載の使用。
  5. 血栓形成が関与する疾患の治療用薬剤の製造における、該血栓形成が関与する疾患を治療するのに有効な医薬とコンジュゲートされたポリペプチドの使用であって、該ポリペプチドがフィブリンに結合する能力を有する以下の(i)〜(x)のいずれかのポリペプチドであるポリペプチドの使用:
    (i) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基XはTrp、アミノ酸残基XはLeuもしくはThr、アミノ酸残基XはPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基XはAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基XはCys、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X10はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X12はCys、アミノ酸残基X13はTrp、アミノ酸残基X14はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X15はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基X10はLeu、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X13はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  6. 疾患が、深静脈血栓症、肺塞栓症、心臓性血栓症、アテローム硬化症、心筋梗塞、再灌流虚血、または発作である、請求項5に記載の使用。
  7. 医薬が、tPA、ストレプトキナーゼ、およびウロキナーゼから選択される血栓溶解剤である、請求項5に記載の使用。
  8. ポリペプチドに連結した少なくとも1つの常磁性金属原子を含む、フィブリン画像化用の磁気共鳴造影造影剤であって、該ポリペプチドがフィブリンに結合する能力を有する以下の(i)〜(x)のポリペプチドの少なくとも1つのポリペプチドであるフィブリン画像化用の磁気共鳴造影造影剤:
    (i) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基XはTrp、アミノ酸残基XはLeuもしくはThr、アミノ酸残基XはPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基XはAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基XはCys、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X10はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X12はCys、アミノ酸残基X13はTrp、アミノ酸残基X14はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X15はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基X10はLeu、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X13はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  9. DTPA、DOTA、EDTA、TETA、EHPG、HBED、NOTA、DOTMA、TETMA、PDTA、TTHA、LICAMおよびMECAMからなる群より選択される少なくとも1つのキレート化剤をさらに含む、請求項8に記載の磁気共鳴造影造影剤。
  10. キレート化剤が、ジエチレントリアミンもしくはテトラアザシクロドデカン、またはそれらのカルボキシメチル置換型誘導体を含む、請求項9に記載の磁気共鳴造影造影剤。
  11. 常磁性金属元素が、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Gd3+、Eu3+、Dy3+、Pr3+、Cr3+、Co3+、Fe3+、Ti3+、Tb3+、Nd3+、Sm3+、Ho3+、Er3+、Pa4+およびEu2+からなる群より選択される、請求項9に記載の磁気共鳴造影造影剤。
  12. 常磁性金属元素が、Gd3+である、請求項11に記載の磁気共鳴造影造影剤。
  13. フィブリン結合ポリペプチドを利用して、フィブリン標的と複合体を形成するステップ;該複合体を1つ以上の潜在的フィブリン結合化合物と接触させるステップ;および該1つ以上の潜在的フィブリン結合化合物が、該フィブリン標的と複合体を形成するのに、該フィブリン結合ポリペプチドと競合するか否かを決定するステップを含む、フィブリン結合化合物の同定方法であって、該フィブリン結合ポリペプチドが以下の(i)〜(x)のいずれかのポリペプチドであるフィブリン結合化合物の同定方法:
    (i) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基XはTrp、アミノ酸残基XはLeuもしくはThr、アミノ酸残基XはPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基XはAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基XはCys、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X10はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X12はCys、アミノ酸残基X13はTrp、アミノ酸残基X14はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X15はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基X10はLeu、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X13はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  14. 潜在的フィブリン結合化合物を含有する溶液をフィブリン標的と接触させて該化合物と該フィブリン標的との複合体を形成するステップ;該複合体をフィブリン結合ポリペプチドと接触させるステップ;および該フィブリン結合ポリペプチドが、該フィブリン標的と複合体を形成するのに、該潜在的フィブリン結合化合物と競合するか否かを決定するステップを含む、フィブリン結合化合物の同定方法であって、前記フィブリン結合ポリペプチドが以下の(i)〜(x)のいずれかのポリペプチドであるフィブリン結合化合物の同定方法:
    (i) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基XはTrp、アミノ酸残基XはLeuもしくはThr、アミノ酸残基XはPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基XはAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基XはCys、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X10はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X12はCys、アミノ酸残基X13はTrp、アミノ酸残基X14はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X15はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基X10はLeu、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X13はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  15. 検出可能な標識に連結されている、フィブリン結合ポリペプチドを含む、フィブリン画像化用の診断用造影剤であって、該フィブリン結合ポリペプチドが以下の(i)〜(x)のいずれかのポリペプチドであるフィブリン画像化用の診断用造影剤:
    (i) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基XはTrp、アミノ酸残基XはLeuもしくはThr、アミノ酸残基XはPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基XはAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基XはCys、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X10はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X12はCys、アミノ酸残基X13はTrp、アミノ酸残基X14はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X15はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基X10はLeu、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X13はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  16. ポリペプチドが放射性標識されている、請求項15に記載の造影剤。
  17. ポリペプチドが99mTcで標識されている、請求項15に記載の造影剤。
  18. ポリペプチドがフルオレセイン標識されている、請求項15に記載の造影剤。
  19. ポリペプチドが、超音波画像法に適した音響発生標識に連結されている、請求項15に記載の造影剤。
  20. 哺乳動物被検体におけるフィブリン画像化用薬剤を製造するためのポリペプチドを含む造影剤の医薬製剤の使用であって、該造影剤が、磁気共鳴画像法、超音波画像法、光学画像法、音ルミネセンス画像法、光音響画像法または核画像法により検出可能なものであり、前記ポリペプチドがフィブリンに結合する能力を有する以下の(i)〜(x)のポリペプチドの少なくとも1つのポリペプチドである上記使用:
    (i) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基XはTrp、アミノ酸残基XはLeuもしくはThr、アミノ酸残基XはPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基XはAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基XはCys、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X10はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X12はCys、アミノ酸残基X13はTrp、アミノ酸残基X14はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X15はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基X10はLeu、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X13はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  21. 医薬製剤が、吸入、経皮吸収、筋内注射、皮下注射、静脈内注射および動脈内注射の1以上で投与するために製剤化されている、請求項20に記載の使用。
  22. 医薬製剤が、キット、シリンジ、バイアル、瓶、可塑性容器、パケットまたは吸入器からなる群より選択される容器にパッケージングされている、請求項20に記載の使用。
  23. フィブリンまたはフィブリン様ポリペプチドを含有する溶液からフィブリンまたはフィブリン様ポリペプチドを精製する方法であって、該溶液を、ポリペプチドと接触させ、次いで該ポリペプチドを該溶液から分離させることを含み、前記ポリペプチドがフィブリンに結合する能力を有する以下の(i)〜(x)のポリペプチドの少なくとも1つのポリペプチドである、上記方法:
    (i) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−X−X−X−Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X−X−X−X−Trp−X−X−Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基XはTrp、アミノ酸残基XはLeuもしくはThr、アミノ酸残基XはPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X−X−X−X−X−X−X−Trp−X10−X11−X12−X13−X14−X15(配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはXおよびX12がCysでない場合には、XはCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX12と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12は、Cys、またはXと共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基XはAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基XはCys、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基XはAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X10はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X12はCys、アミノ酸残基X13はTrp、アミノ酸残基X14はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X15はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基XはPro、アミノ酸残基XはGlu、アミノ酸残基X10はLeu、アミノ酸残基X11はPhe、アミノ酸残基X13はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  24. 血栓形成が関与する疾患の治療薬であって、以下の (i) (x) のいずれかのフィブリンに結合する能力を有するポリペプチドと該疾患の治療に有用な医薬を含む治療薬:
    (i) アミノ酸配列Cys−X −X −X −X −X −X −X −Cys(配列番号2)を含み、ここで、
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrである、ポリペプチド;
    (ii) アミノ酸配列Cys−X −X −X −X −Trp−X −X −Cys(配列番号42)を含み、ここで、
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThr;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    は、Phe、TrpまたはTyrであるポリペプチド;
    (iii) (i) のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基X はPro、アミノ酸残基X はAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基X はGlu、アミノ酸残基X はAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X はTrp、アミノ酸残基X はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X はPhe、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (iv) (i) のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys(配列番号21)、
    Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys(配列番号 22)、
    Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号23)、
    Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号24)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号25)、
    Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys(配列番号43)、
    Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys(配列番号44)、
    Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys(配列番号45)、
    Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys(配列番号46)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys(配列番号47)、
    Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys(配列番号48)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号49)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys(配列番号50)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys(配列番号51)、
    Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys(配列番号52)、
    Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys(配列番号53)、
    Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys(配列番号54)、
    Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys(配列番号55)、および
    Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys(配列番号56)
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (v) (i) のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列X −X −X −X −X −X −X −X −X −X 10 −X 11 −X 12 −X 13 −X 14 −X 15 (配列番号1)を含み、ここで、
    は、Cys、ProまたはTrpであり;
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはX およびX 12 がCysでない場合には、X はCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、ProまたはThrであり;
    は、Cys、またはX 12 と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Arg、Asn、Asp、Gln、Gly、Phe、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、 Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、Glu、Gly、Lys、SerまたはTyrであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Glu、Gly、Leu、Lys、Ser、ThrまたはTyrであり;
    は、Arg、GlyまたはTrpであり;
    10 は、Leu、Ile、Lys、Met、Asn、Gln、Pro、Ser、ThrまたはValであり;
    11 は、Ile、Leu、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12 は、Cys、またはX と共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13 は、Cys、Gly、Leu、Phe、Pro、TrpまたはTyrであり;
    14 は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Lys、Ser、Thr、Tyr、Asp、GluまたはHisであり;
    15 は、Ala、Arg、Asp、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、TyrまたはHisであるポリペプチド;
    (vi) (v) のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸配列Trp−X −X −X −X −X −X −X −Trp−X 10 −X 11 −X 12 −X 13 −X 14 −X 15 (配列番号41)を含み、ここで、
    は、Ala、Arg、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrもしくはValであるか、またはX およびX 12 がCysでない場合には、X はCysであり得る;
    は、Ala、Asn、Gln、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、またはProであり;
    は、Cys、またはX 12 と共有結合により架橋を形成できる他のアミノ酸であり;
    は、Pro、Asn、Gln、SerまたはThrであり;
    は、Ala、Asn、Asp、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValであり;
    は、GluまたはSerであり;
    は、Pro、Asp、Glu、Asn、Gln、Ser、ThrまたはTyrであり;
    10 は、Leu、Ile、Met、Asn、Gln、Ser、ThrまたはValであり;
    11 は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    12 は、Cys、またはX と共有結合により架橋を形成できる別のアミノ酸であり;
    13 は、Phe、TrpまたはTyrであり;
    14 は、Pro、Ala、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Asp、Glu、またはHisであり;
    15 は、Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val、Asn、Gln、Gly、Ser、Thr、Tyr、またはHisであるポリペプチド;
    (vii) (vi) のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基X はAla、Gln、Glu、LysもしくはMet、アミノ酸残基X はAla、Leu、MetもしくはPro、アミノ酸残基X はCys、アミノ酸残基X はPro、アミノ酸残基X はAsp、Glu、Gly、MetもしくはTrp、アミノ酸残基X はGlu、アミノ酸残基X はAsn、Asp、Glu、ProもしくはSer、アミノ酸残基X 10 はLeuもしくはThr、アミノ酸残基X 11 はPhe、アミノ酸残基X 12 はCys、アミノ酸残基X 13 はTrp、アミノ酸残基X 14 はAsp、Gly、His、PheもしくはSer、アミノ酸残基X 15 はAla、Gly、His、ProもしくはSer、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (viii) (vii) のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、アミノ酸位置が、アミノ酸残基X はPro、アミノ酸残基X はGlu、アミノ酸残基X 10 はLeu、アミノ酸残基X 11 はPhe、アミノ酸残基X 13 はTrp、のように独立的に選択されるか、またはこのような選択の組合せであるポリペプチド;
    (ix) (v) のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
    Trp−Glu−Leu−Cys−Ser−Asp−Glu−Asn−Trp−Leu−Trp−Cys−Trp−Pro−His(配列番号3)、
    Trp−Met−Met−Cys−Pro−Met−Ser−Glu−Trp−Leu−Tyr−Cys−Trp−Ser−Ala(配列番号4)、
    Trp−Gln−Pro−Cys−Pro−Trp−Glu−Ser−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Asp−Pro(配列番号5)、
    Trp−Ala−Pro−Cys−Gln−Glu−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Phe−His−Gly(配列番号6)、
    Trp−Lys−Ala−Cys−Pro−Gly−Glu−Asp−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Gly−Ser(配列番号7)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Tyr−Gly−Glu−Ser−Gly−Ile−Phe−Cys−Trp−Lys−Val(配列番号27)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Thr−Gly−Glu−Pro−Gly−Pro−Ile−Cys−Gly−Pro−Arg(配列番号28)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Gln−Leu−Gly−Tyr−Arg−Thr−Tyr−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号29)、
    Trp−Lys−Phe−Cys−Asp−Gly−Glu−Pro−Trp−Leu−Phe−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号30)、
    Trp−Asn−Gly−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Trp−Lys−Phe−Cys−Gly−Glu−Gly(配列番号31)、
    Trp−Leu−Asn−Cys−Gly−Trp−Gly−Ser−Gly−Lys−Leu−Cys−Leu−Gly−Val(配列番号32)、
    Cys−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Cys−Asp−Asp(配列番号33)、
    Trp−His−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Thr−Phe−Cys−Trp−Ala−Gly(配列番号34)、
    Trp−Gln−Thr−Cys−Pro−Gly−Tyr−Leu−Arg−Ser−Leu−Cys−Trp−Asp−Gly(配列番号35)、
    Trp−Tyr−Phe−Cys−Pro−Gly−Glu−Pro−Trp−Ser−Phe−Cys−Pro−Asp−Gly(配列番号36)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Arg−Gly−Glu−Ser−Trp−Pro−Tyr−Cys−Trp−Gly−Gly(配列番号37)、
    Trp−Gln−Ala−Cys−Pro−Gly−Tyr−Lys−Arg−Gln−Phe−Cys−Trp−Asp−Arg(配列番号38)、
    Pro−Arg−Pro−Cys−Gly−Gln−Glu−Ser−Arg−Thr−Phe−Cys−Leu−Glu−Gly(配列番号39)、および
    Pro−Arg−Pro−Cys−Phe−Gln−Lys−Gly−Gly−Thr−Leu−Cys−Trp−Pro−Gly(配列番号40)、
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;または
    (x) アミノ酸配列Arg−Ala−Pro−Cys−Asp−Tyr−Tyr−Gly−Thr−Cys−Val−Glu−Leu(配列番号8)を含むポリペプチド。
  25. 疾患の治療に有用な医薬が tPA 、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼからなる群から選択される血栓溶解剤である、請求項24に記載の治療薬。
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