JP3990899B2 - 段鼻カバー付き階段の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば一般家屋の木製屋内階段等に好適に採用される階段用段鼻カバー、段鼻カバー付き階段及びその階段の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
戸建住宅における木製の屋内階段として、間隔をおいて平行に配置される一対の側板等の両側支持部材間に、段板が所定間隔おきに取り付けられるとともに、各段板の前端段鼻部に段鼻カバーが装着されたものが周知である。
【0003】
このような階段は、一対の側板の内面(対向面)に形成された段板取付溝に、段板の両端部を側板後方から挿入することにより、各段板を側板に固定し、こうして階段を組み立てた後に、各段板の段鼻部に段鼻カバーを装着するのが通例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の段鼻カバー付き階段においては、段鼻カバーを後付けするものであるため、段鼻カバーの採寸や裁断を個別に行う必要があり、この作業に手間取り、段鼻カバーの装着作業、ひいては段鼻カバー付き階段の施工作業が面倒であるという問題があった。
【0005】
しかも、段鼻カバーは、段板の段鼻部上面に配置される踏込板と、段鼻部前面に配置される前面カバー板と、引っかかり防止等のために段鼻部下方に前傾姿勢に配置される見返しカバー板とを一体に有する複雑な三次元形状を有しているため、この複雑形状の段鼻カバーを精度良く採寸、裁断すること自体が非常に困難であり、段鼻カバーの裁断寸法にばらつきが生じ、段板に装着した際に、段鼻カバーの両側端面と側板の内面との間に隙間が形成されて美観を損なうという問題が発生する。
【0006】
特に、廻り階段の部分を施工する場合、直階段の部分と比較して、段板の形状が異なり、段鼻部の長さや、段鼻部の側板表面に対する設置角度も異なるため、これらの要素を考慮して、段鼻カバーを精度良く採寸、裁断することは、直階段の部分以上に困難であり、上記の問題が生じ易くなる。
【0007】
また、上記従来の段鼻カバーは、形状が複雑であるため、製作が困難になり、コストの増大を来すばかりか、多数の段鼻カバーを効率良く安定状態に収納配置するのが困難であり、施工前の保管や管理、あるいは搬送等が困難であるという問題が発生する。
【0008】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、簡単に施工できて、良好な美観を得ることができる上、製作が容易でコストの削減を図ることができ、保管、管理、搬送等を容易に行うことができる階段用段鼻カバー、段鼻カバー付き階段及びその階段の施工方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1発明は、所定の間隔をおいて配置される両側支持部材と、これらの両側支持部材間に略水平に配置される段板とを有する階段における前記段板の段鼻部に装着される階段用段鼻カバーであって、前記段板の段鼻部における上面に沿って水平に配置される踏込板と、その踏込板の前端から下方に延び、前記段鼻部の前面に沿って垂直に配置される前面カバー板とを有する段鼻カバー本体と、上端が、前記段鼻カバー本体における前面カバー板の下端に着脱自在な見返しカバー板とを備え、前記見返しカバー板を前記段鼻カバー本体に取り付けた状態では、前記見返しカバー板が所定の前傾姿勢に保持されるよう構成されてなるものを要旨としている。
【0010】
この第1発明の階段用段鼻カバーにおいては、踏込板及び前面カバー板を有する段鼻カバー本体と、その段鼻カバー本体に、着脱自在な見返しカバー板とを備えるものであるため、階段を施工する際には、段鼻カバー本体を段板に取り付けた状態で両側支持部材間に挿入し、その後、見返しカバー板を段鼻カバー本体に取り付けることにより、組み付けることができる。
【0011】
このため例えば、段鼻カバー部品の採寸、裁断等を行う場合、段板を側板に組み付ける前に、段鼻カバー本体及び見返しカバー板を段板に装着した状態で、段板と共に、採寸、裁断することができる。なおこのように見返しカバー板を、段板等と共に裁断する場合、見返しカバー板は、階段後面側から先付けする段板等のサイズとは若干異なり、階段前面側から後付けできるようなサイズに裁断するものである。
【0012】
しかも、段鼻カバー部品を段板に装着して、安定させた状態で、段鼻カバー部品を採寸、裁断することができるため、精度良く簡単に裁断することができる。
【0013】
また、見返しカバー板は別体に構成され、後付けで組み付けることができるものであるため、必要に応じて、見返しカバー板を単独で裁断加工することができる。このため、廻り階段部分の施工を行う場合等のように、段鼻カバー本体及び段板の両側端面と、見返しカバー板の両側端面との裁断角度等が異なる場合であっても、見返しカバー板のみを単独で高精度に裁断加工することができる。
【0014】
なお、見返しカバー板は、略帯板形状のシンプルな形状のものであるため、単独であっても、精度良く簡単に裁断することができる。
【0015】
また本第1発明の段鼻カバーは、段鼻カバー本体と、見返しカバー板とを別体に形成しているため、個々の部品は、L型や帯板状等のシンプルな形状となり、簡単に製作できて、コストを削減することができるとともに、個々の部品を単独状態で、あるいはそれらの部品を段板に取り付けた状態で、効率良く安定状態に収納配置することができ、施工前の保管、管理、搬送等を容易に行うことができる。
【0016】
本第1発明においては、前記前面カバー板の下端及び前記見返しカバー板の上端のうち、一方の端部に嵌着用雄部が設けられるとともに、他方の端部に嵌着用雌部が設けられ、前記嵌着用雌部が、開口幅が内部幅よりも小さい嵌着溝を有するとともに、前記嵌着用雄部が、取付軸部を有し、前記取付軸部が、前記嵌着溝にその両側開口縁部を弾性拡開変形させて嵌合されることにより、前記取付軸部が前記嵌着溝に抜止め状態に保持されよう構成されてなるものを採用するのが好ましい。
【0017】
すなわちこの構成を採用する場合には、段鼻カバー本体の前面カバー板に対し、見返しカバー板を簡単かつ確実に取り付けることができる。
【0018】
一方、本第2発明は、上記第1発明の階段用段鼻カバーを用いて施工した段鼻カバー付き階段を特定するものである。
【0019】
すなわち本第2発明は、所定の間隔をおいて平行に配置される両側支持部材と、これらの両側支持部材間に略水平に配置される段板と、前記段板の段鼻部に装着される段鼻カバーとを具備する具備する段鼻カバー付き階段であって、前記段鼻カバーが、上記第1発明の階段用段鼻カバーにより構成され、前記両側支持部材の内面に、その後端縁から前方に向けて延びる段板取付溝が形成され、前記段鼻カバー本体が、その踏込板を前記段鼻部の上面に沿って配置し、前記前面カバー板を前記段鼻部の前面に沿って配置するようにして、前記段板に装着された状態では、その段板の両端が前記段板取付溝に後端から挿入可能に構成される一方、前記段鼻カバー本体が装着された段板が前記段板取付溝に挿入配置された状態で、前記見返しカバー板が、その上端が前記前面カバー板の下端に取り付けられて、前傾姿勢に保持されてなるものを要旨としている。
【0020】
また本第3発明は、上記第1発明の階段用段鼻カバーを用いて施工する段鼻カバー付き階段の施工方法を特定するものである。
【0021】
すなわち本第3発明は、所定の間隔をおいて平行に配置される両側支持部材と、これらの両側支持部材間に略水平に配置される段板と、前記段板の段鼻部に装着される段鼻カバーとを具備する段鼻カバー付き階段の施工方法であって、前記段鼻カバーとして、請求項1記載の階段用段鼻カバーを準備する工程と、前記両側支持部材の内面に、その後端縁から前方に向けて延びる段板取付溝を形成する工程と、前記段鼻カバー本体を、その踏込板を前記段鼻部の上面に沿って配置し、前記前面カバー板を前記段鼻部の前面に沿って配置するようにして、前記段板に装着した後、その段板の両端を前記段板取付溝に後端から挿入することにより、前記段板を前記両側支持部材間に配置する工程と、前記両側支持部材間に配置された段板の段鼻カバー本体における前面カバー板の下端に、前記見返しカバー板の上端を取り付けて、その見返しカバー板を前傾姿勢に保持する工程とを含むものを要旨としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施形態である段鼻カバー付き階段を示す斜視図、図2は断面図、図3は分解断面図である。これらの図に示すように、本実施形態の段鼻カバー付き階段は、所定の間隔をおいて平行に配置される両側支持部材としての左右一対の側板(10)と、一対の側板(10)間に所定の間隔おきに水平に配置される複数の段板(20)と、段板(20)の各間に垂直に配置される蹴込板(30)と、各段板(20)の前端における段鼻部(25)に装着される段鼻カバー(40)とを具備するものである。
【0023】
図1ないし図3に示すように、一対の側板(10)における互いの対向面(内面)側には、段板取付位置に対応して、水平方向に延びる段板取付溝(12)が形成されている。この段板取付溝(12)は、側板(10)の後端縁において、後方に開放されており、後述するように、段板取付溝(12)にその後端から段板(20)の両端部を挿入し得るよう構成されている。
【0024】
また、一対の側板(10)における内面には、上端が段板取付溝(12)の前部下方に連通し、下端が下側の段板取付溝(12)の後部に連通して下方に開放される蹴込板取付溝(13)が形成されている。
【0025】
図4ないし図6に示すように、段鼻カバー(40)は、断面L字型の段鼻カバー本体(50)と、見返しカバー板(53)との2つの部材により構成されている。
【0026】
段鼻カバー本体(50)は、水平配置される踏込板(51)と、踏込板(51)に一体に形成され、かつ踏込板(51)の前端縁から垂直下方に延びる前面カバー板(52)とを有している。
【0027】
段鼻カバー本体(50)における前面カバー板(52)の下端には、嵌着用雌部(F)が形成されている。
【0028】
図7に示すように、嵌着用雌部(F)は、段鼻カバー(40)の長さ方向に連続し、かつ下方に向けて開放する嵌着溝(70)を有している。この嵌着溝(70)は、内周面(73)が断面円弧状に形成されるとともに、両側開口縁部に、内方に突出して、溝開口部の一部を閉塞するように軸支持片(71)(72)が一体に形成されている。更に、一方(前方)の軸支持片(71)の下面側には、後方やや下方に対向する傾斜面が形成され、この傾斜面が外部ストッパー受(75)として構成されている。
【0029】
なお本実施形態において、両軸支持片(71)(72)間の寸法(溝開口幅)は、溝(70)の内部幅よりも小さく設定されている。
【0030】
また、嵌着用雌部(F)における外周上端面は、後述する段板(20)の係合用段部(22a)との係合を確実に行えるように、断面視において直線状に形成されている。もっとも、本発明においては、嵌着用雄部(F)の外周上端面の形状は、直線状に限定されるものではない。
【0031】
見返しカバー板(53)の上端裏面側には、上記嵌着用雌部(F)に対応して、嵌着用雄部(M)が形成されている。
【0032】
嵌着用雌部(M)は、見返しカバー板(53)の長さ方向に沿って連続して延びる取付軸部(80)を有している。
【0033】
取付軸部(80)は、断面形状において、その外周面が、同一の円弧中心を有し、かつ径寸法がそれぞれ異なる3つの円弧面(81)(82)(83)を具備し、これらのうち、第1円弧面(81)が上記一方の軸支持片(71)の先端面に対応し、第2円弧面(82)が他方の軸支持片(72)の先端面に対応し、第3円弧面(83)が嵌着溝(70)の内周面(73)に対応するよう形成されている。
【0034】
更に見返しカバー板(53)の上端面には、上記外部ストッパー受(75)に対応して、外部ストッパー(85)が形成されている。
【0035】
なお、本実施形態においては、見返しカバー板(53)の取付軸部(80)における第2及び第3円弧面(82)(83)間の段差部が、内部ストッパー(86)として構成されるとともに、前面カバー板(52)における他方の軸支持片(72)の内面が、内部ストッパー受(76)として構成されている。
【0036】
この構成の段鼻カバー(40)において、見返しカバー板(53)における取付軸部(80)を、段鼻カバー本体(50)の嵌着溝(70)内にその開口部から押し込むと、嵌着溝(70)の両側開口縁部における軸支持片(71)(72)が両側に弾性拡開変形されて、取付軸部(80)が嵌着溝(70)内に嵌め込まれた後、嵌着溝(70)の両軸支持片(71)(72)が弾性復帰して、溝開口部が狭められることにより、取付軸部(80)が嵌着溝(70)に抜止め状態に嵌着される。
【0037】
なお、取付軸部(80)を嵌着溝(70)に嵌め込む場合、その嵌め込みが許容される態様で押し込めば良い。具体的に説明すると、見返しカバー板(53)を段鼻カバー本体(50)に対し、図7に示す位置(角度)関係で押し込むと、取付軸部(80)を嵌着溝(70)に嵌め込むことができず、図5に示す位置(角度)関係で取付軸部(80)を嵌着溝(70)に押し込むことにより、嵌め込むことができる。
【0038】
またこの状態においては、取付軸部(80)の3つの円弧面(81)(82)(83)が、嵌着溝(70)の軸支持片(71)(72)の各先端面及び溝内周面(73)にそれぞれ摺接されており、取付軸部(80)の中心を支点として、見返しカバー板(53)を段鼻カバー本体(50)に対し揺動できるよう構成されている。更に、見返しカバー板(53)の内外両ストッパー(85)(86)が、カバー本体(50)側の内外両ストッパー受(75)(76)に当接係止することにより、見返しカバー板(53)の前方への揺動が規制されて、その傾斜角度(所定の前傾姿勢)に保持されるよう構成されている。しかもこの保持状態では、内部ストッパー(86)及び内部ストッパー受(76)の係合により、取付軸部(80)の嵌着溝(70)からの脱外がより確実に防止されるよう構成されている。
【0039】
ここで、本実施形態において、段鼻カバー本体(50)及び見返しカバー板(53)等の段鼻カバー部品は、硬質合成樹脂の低発泡体により構成するのが好ましい。具体的には、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・スチレン(AES)樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等からなるものを用いることができ、中でも特にABS樹脂を好適に用いることができる。
【0040】
なお、段鼻カバー部品(50)(53)は、非発泡体であっても、発泡体であっても良いが、耐久性の点から非発泡体又は低発泡体からなるものを用いるのが良く、更に切断加工性を考慮すると、低発泡体からなるもの、具体的には、発泡倍率が1.2〜2.0倍のものを用いるのが良い。
【0041】
更に段鼻カバー部品(50)(53)を構成する発泡成形体には、必要に応じて、木粉、天然繊維、合成繊維等の材料を混入しても良く、中でも特に、木粉を混入するのが好ましい。すなわち、木粉の混入により、段鼻カバー部品(50)(53)の表面に木粉が断続的ではあるが筋状に配列され、良好な木目調を得ることができるとともに、良好な木質感を得ることができる。更に木粉は、増量剤も兼用するため、段鼻カバー成形材料としての合成樹脂の使用量を削減でき、コストの削減を図ることができる。
【0042】
図4及び図5に示すように、段鼻カバー(40)における踏込板(51)の上面には、踏込板(51)の前後方向の中間領域に、凹凸状の滑り止め部(61)が、左右幅方向に連続状に形成されている。更に滑り止め部(61)の凸部先端は、エラストマーが積層一体化されることにより、弾性層(62)として構成されている。
【0043】
本発明において、弾性層(62)としては、合成ゴム系、天然ゴム系のものや、プラスチック系ゴム、合成樹脂からなるものを用いることができ、中でも特に、靭性が高く、粘り気の強いプラスチック系ゴムである熱可塑性エラストマーを用いるのが良い。具体的には、ポリスチレン系、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリクロロカーボン系、塩素化ポリエチレン系、ポリ塩化ビニル系等の熱可塑性エラストマーを好適に用いることができる。
【0044】
また、段鼻カバー(40)における踏込板(51)の下面後端には、下方に突出し、かつ左右方向に連続して延びる係合片(41a)が一体に形成されている。
【0045】
図5に示すように、段板(20)は、その前端部の段鼻部(25)における上面に、上側凹段部(21)が形成されるとともに、段鼻部下面に、下側凹段部(23)が形成されている。上側凹段部(21)の深さは、段鼻カバー(40)の踏込板(51)の厚みと同じサイズに設定されるとともに、下側凹段部(23)の深さは、見返しカバー板(53)の厚みと同じサイズに設定されている。なお、本発明において、下側凹段部(23)は、必ずしも必要ではないが、後述するように、下側凹段部(23)を形成しておくことにより、段鼻カバー(40)の保管、管理、搬送時等に、段鼻カバー(40)を安定状態に収納することが可能となる。
【0046】
段板(20)における上側凹段部(21)の後端部には、段鼻カバー(40)の係合片(41a)に対応して、係合凹部(21a)が形成されるとともに、段鼻部(25)の前端面下端には、段鼻カバー本体(50)の嵌着用雌部(F)に対応して、係合段部(22a)が形成されている。更に下側凹段部(23)の後部には、蹴込板差込溝(24)が形成されている。
【0047】
本実施形態においては、上記の段板(20)及び段鼻カバー(40)を用いて階段を施工するものではあるが、施工現場に搬入する際の搬送時や、施工前の保管や管理時には、段板(20)に段鼻カバー(40)を装着しておくのが通例である。
【0048】
すなわち、見返しカバー板(53)を段鼻カバー本体(50)に装着した段鼻カバー(40)を、その踏込板(51)を段板(20)の上側凹段部(21)に沿わせるとともに、前面カバー板(52)を段鼻部(25)の前端面に沿わせるようにして、段鼻部(25)に嵌め込んでおく。これにより、段鼻カバー本体(50)の係合片(41a)が段鼻部(25)の係合凹部(21a)に嵌合するとともに、嵌着用雌部(F)の上端部が段鼻部(25)の係合段部(22a)に係合し、段鼻カバー(40)が踏込板(51)及び前面カバー板(52)の弾性力によって、係合片(41a)及び嵌着用雌部(F)が段鼻部(25)に挟持して、段鼻カバー(40)が段鼻部(25)に装着される。更に見返しカバー板(53)は、その取付軸部(80)を支点に後方へ揺動させて、段板(20)の下側凹段部(23)に収納しておく。
【0049】
この状態においては、踏込板(51)及び見返しカバー板(53)が段板(20)の上側凹段部(21)及び下側凹段部(23)にそれぞれ適合状態に収納されて、踏込板(51)の上面及び見返しカバー板(53)の下面と段板(20)の上面及び下面とが連続する平坦面に形成されて、カバー付き段板(20)全体の形状が、シンプルな板状に形成されるので、複数のカバー付き段板(20)を、効率良く配列したり、積み重ねたりすることができ、安定状態に収納保管することができる。従って、搬送時等における段鼻カバー(40)の破損を防止できる上、カバー部品(50)(53)の紛失や入れ忘れ等の不具合を確実に防止することができる。
【0050】
もっとも、本発明において、段鼻カバー(40)の保存形態は、限定されるものではなく、上記以外に例えば、段鼻カバー本体(50)は段板(20)に取り付けるとともに、見返しカバー板(53)は単独でそれぞれ保存しておいいても良く、段鼻カバー本体(50)、見返しカバー板(53)をそれぞれ単独で保存しておいても良い。なお、段鼻カバー部品(50)(53)を単独で保存する場合においても、段鼻カバー本体(50)及び見返しカバー板(53)はL字状や平板状のシンプルな形状のものであるため、踏込板、前面カバー板及び見返しカバー板が一体に形成された複雑形状の段鼻カバーを単独で保存する場合と比較して、安定状態に効率良く収納保管することができる。
【0051】
こうして施工現場に搬入された段鼻カバー付き段板(20)を施工する場合、例えば図1に示す直階段の部分では、その状態のままで、つまり段鼻カバー本体(50)を段板(20)に取り付けた状態で、段板(20)、段鼻カバー本体(50)及び見返しカバー板(53)の採寸、裁断等の切断加工を行う。もっとも本実施形態においては、段板(20)から段鼻カバー(40)を取り外して、段板(20)、段鼻カバー本体(50)及び見返しカバー板(53)をそれぞれ単独で切断加工しても良く、更に見返しカバー板(53)のみを取り外して、段鼻カバー本体(50)は段板(20)と共に切断加工するとともに、見返しカバー板(53)は単独で切断加工するようにしても良い。
【0052】
裁断等の切断加工を行った後、図2及び図3に示すように段鼻カバー付き段板(20)から見返しカバー板(53)のみを取り外して、そのカバー本体付き段板(20)を一対の側板(10)間に嵌め込むようにして、段板(20)の両端部を段板取付溝(12)にその後端から差し込む。
【0053】
こうして、段鼻カバー本体(50)を、側板(10)を所定位置まで差し込んだ後、見返しカバー板(53)を、その取付軸部(80)を、段鼻カバー本体(50)における前面カバー板(52)の嵌着溝(70)に嵌め込む。更にその状態で、前面カバー板(52)を、取付軸部(80)を支点として、前方へ揺動させ、見返しカバー板(53)の内外両ストッパー(85)(86)を、カバー本体(50)側の内外両ストッパー受(75)(76)に当接係止させることにより、見返しカバー板(53)の前方への揺動を規制して、所定の傾斜角度に保持すると同時に、取付軸部(80)の嵌着溝(70)からの脱外を防止する。
【0054】
次に、蹴込板(30)を側板(10)に組み付ける。すなわち、蹴込板(30)を一対の側板(10)間に裏面側下方から嵌め込むようにして、蹴込板(30)の両端部を蹴込板取付溝(13)に差し込み、蹴込板(30)の上端を段板(20)における蹴込板差込溝(24)に挿入して位置決めする。そしてその状態で、蹴込板(30)を側板(10)に固定する。すなわち、蹴込板(30)を、その下方部を下側の段板(20)の後端部に釘やねじを用いて固定するとともに、上方部を、上側の段板(20)に釘やねじを用いて固定する。なお、蹴込板(30)を蹴込板差込溝(24)に挿入する前に、差込溝(24)にあらかじめ接着剤を塗布しておいても良い。更に蹴込板(30)の取付は、段板(20)を装着した後、見返しカバー板(53)を取り付ける前に行っても良い。
【0055】
こうして直階段部分の施工が行われる。
【0056】
一方、本実施形態において、図8に示すように、廻り階段の部分では、カバー部品の裁断手順が多少異なるのみで、上記とほぼ同様に施工することができる。
【0057】
すなわち、廻り階段の部分では、両側支持部材としての中心柱(10a)及び側板(10)の間に段板(20)を組み付けるものであるが、段板(20)における中心柱(10a)及び側板(10)に対する設置角度が、直角ではなく、傾斜しているため、段板(20)の両側端面の裁断角度と、段鼻カバー本体(50)の両側端面の裁断角度とは等しくなるものの、これらの裁断角度と、見返しカバー板(53)の両側端面の裁断角度とは異なっている。従って、カバー部品(50)(53)の裁断等の切断加工を行う場合には、見返しカバー板(53)は、単独で切断加工し、段鼻カバー本体(50)は段板(20)に装着した状態で段板(20)と同時に切断加工するのが好ましい。
【0058】
こうして、切断加工を行った後は、上記と同様にして、施工するものである。すなわち、段鼻カバー本体付き段板(20)を、中心柱(10a)及び側板(10)間に後方から差し込んで、段板(20)の両端部を中心柱(10a)及び側板(10)の段板取付溝(12)(12)に挿入する。その後、見返しカバー板(53)を、段鼻カバー本体(50)に装着するとともに、蹴込板(30)を取り付ける。
【0059】
このように本実施形態においては、廻り階段の部分であっても、直階段の部分と同様に組み付けることができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0060】
以上のように、本実施形態の階段によれば、段鼻カバー(40)が、段鼻カバー本体(50)と、見返しカバー板(53)とにより構成されるものであり、カバー本体付き段板(20)を支持部材(10)(10a)に組み付けた後、見返しカバー板(53)を取り付けるものであるため、例えば段鼻カバー(40)の採寸、裁断等を行う場合、段鼻カバー本体(50)及び見返しカバー板(53)を段板(20)に装着した状態で、段板(20)と共に、採寸、裁断することができる。このため、段鼻カバー部品(50)(53)の裁断等を別途個別に行う必要がなく、その分、段鼻カバー部品(50)(53)の装着作業、ひいては階段施工作業を効率良く簡単に行うことができる。しかも、段鼻カバー部品(50)(53)を段板(20)に装着した状態で、段鼻カバー部品(50)(53)を採寸、裁断するものであるため、段鼻カバー部品(50)(53)を安定させた状態で採寸、裁断することができ、精度良く簡単に裁断することができる。このため、より一層、階段施工作業を簡単に行うことができるとともに、裁断寸法にばらつきが生じるのを防止でき、段鼻カバー(40)の両側端縁と支持部材(10)(10a)との間等に隙間が形成される等の不具合を確実に防止することができ、美観を向上させることができる。
【0061】
また、見返しカバー板(53)は、別体に構成されるものであるため、廻り階段部分等を施工する場合のように、段鼻カバー本体(50)及び段板(20)の両側端面と、見返しカバー板(53)の両側端面との裁断角度等が異なる場合には、見返しカバー板(53)のみを単独で高精度に裁断加工することができる。従って、良好な裁断精度を得ることができ、見返しカバー板(53)と支持部材(10)(10a)との間に隙間が形成されるのも確実に防止することができ、より一層美観を向上させることができる。
【0062】
また、見返しカバー板(53)は、帯板状のシンプルな形状を有するものであるため、単独であっても、裁断を精度良く簡単に行うことができ、裁断寸法のばらつきが生じるのを防止することができる。このため、見返しカバー板(53)の両側端縁と支持部材(10)(10a)との間に隙間が形成されるのも確実に防止でき、より一層美観を向上させることができる。
【0063】
なお、見返しカバー板(53)は、段板(20)の下面側に配置されるものであるため、仮に、見返しカバー板(53)の裁断寸法にばらつきが生じて、見返しカバー板(53)の両側端縁と支持部材(10)(10a)との間に隙間が形成されたとしても、施工後、その隙間はほとんど目立たず、良好な美観を維持することができる。
【0064】
ここで、本実施形態においては、見返しカバー板(53)を、段鼻カバー本体(50)に対し長さ方向(階段幅方向)に沿ってスライド自在に構成されるため、見返しカバー板(53)の両側端縁を、支持部材(10)(10a)の内部に収納して、支持部材(10)(10a)との間の隙間を確実に消失させることも可能である。
【0065】
すなわち図9に示すように、両側支持部材(10)(10a)の対向面における両側の段板取付溝(12)の前端下面側に見返しカバー板収納凹部(14)をそれぞれ彫り込み形成等により形成しておき、段鼻カバー本体付き段板(20)を段板取付溝(12)に差し込んだ後、見返しカバー板(53)の一端部を、一方の見返しカバー板収納凹部(14)に奥まで収納した状態で、見返しカバー板(53)を段鼻カバー本体(50)に取り付けた後、見返しカバー板(53)を段鼻カバー本体(50)に対し他方へ少量スライドさせて、見返しカバー板(53)の他端部を、他方の見返しカバー板収納凹部(14)に収納する。これにより、見返しカバー板(53)の両側端部を、両側の収納凹部(14)内に収納することができ、見返しカバー板(53)の両側端縁と両側支持部材(10)(10a)(10b)との間に隙間が形成されるのを確実に防止することができる。
【0066】
なお言うまでもなく、本発明において、見返しカバー板収納凹部(14)の形態は、上記図9に示すものに限られることなく、見返しカバー板の押込易さ等を考慮して、見返しカバー板の両端部が収納できる形態に形成すれば良い。
【0067】
また、段板組付後、中心柱(10a)に化粧部材を被覆するような場合には、その化粧部材によって、中心柱(10a)と見返しカバー板(53)との隙間を隠蔽することができるので、中心柱(10a)側に、上記の見返しカバー板収納凹部(14)等を形成するような構成を採用しなくとも良い。
【0068】
本実施形態の段鼻カバー(40)は、段鼻カバー本体(50)と、見返しカバー板(53)とを別体に有するものであるため、個々の部品は、シンプルなL型や帯板形状のものとなり、簡単に製作できて、コストを削減することができる。更に個々の部品(50)(53)がシンプルな形状であるため、上記したように、効率良く安定状態に収納配置することができ、保管等を容易に行うことができる。
【0069】
また本実施形態において、段鼻カバー(40)の踏込板(53)を樹脂発泡成形体により構成しているため、段鼻カバー(40)が、段板(20)を構成する木材と同程度の適度な硬さに形成されるとともに、内部の空隙や空気層によって、熱伝導率も木材と同程度に低くなる。このため、階段を昇り降りする際に、段鼻カバー(40)を踏み込んだとしても、足裏に段鼻カバー(40)の硬質感等を感じるようなことがなく、木材と同等な軟らかい質感を得ることができるとともに、冷たさを感じることもなく、木材と同等なぬくもりを感じるようになり、良好な踏み心地を得ることができる。
【0070】
更に本実施形態における段鼻カバー(40)は、硬質合成樹脂により構成するものであるため、長期使用によっても、部分剥離や亀裂等が生じ難く、十分な耐久性を得ることができる。
【0071】
また、踏込板(51)の上面における滑り止め部(61)に弾性層(62)を形成しているため、階段昇降時に、足裏が弾性層(62)と密着し、確実に滑り止めを図ることができる。
【0072】
更に段板(20)の段鼻部上面に、踏込板(51)の厚みと同じ深さの凹段部(21)を形成し、その凹段部(21)内に踏込板(51)を収容配置するようにしているため、踏込板(51)の上面と段板上面とが同一平面内に配置される。このため、階段昇降時、特に降りる時に、踏込板(51)の後端縁に足がつまづくのを確実に防止することができる。
【0073】
また、本実施形態において、段鼻カバー本体(50)は、係合片(41a)及び嵌着用雌部(F)により、段板(20)の段鼻部(25)を上下両側から挟持するものであるため、踏込板(51)が段鼻部(25)に隙間なく密着し、踏込板(51)の浮き上がり等を防止でき、良好な美観を維持することができる。
【0074】
しかも、本実施形態においては、段鼻カバー本体(50)側の嵌着用雌部(F)における外周上端面を、直線状に形成しているため、その外周上端面を、段板(20)側の係合段部(22a)に確実に係合することができ、段鼻カバー本体(50)によって、段鼻部(25)を十分な取付強度で確実に挟持することができる。
【0075】
また、段鼻カバー本体(50)を段鼻部(25)に挟持させるものであるため、接着剤、両面テープ、ビス等を用いる場合とは異なり、ワンタッチで簡単に装着できるので、組付作業を簡単に行うことができる。更に段鼻カバー本体(50)を取り外す際に、接着剤、両面テープの除去作業や、ビスの取外作業等、面倒な作業が不要となり、取外作業も簡単に行うことができ、段鼻カバー(40)の取り替え作業を簡単に行うことができる。
【0076】
また、本実施形態においては、見返しカバー板(53)を、段鼻部(25)の下面見返し部に前傾姿勢に保持するものであるため、階段を昇る際に、つま先が見返しカバー板(53)の前面にガイドされることにより、つま先が段板に引っかかるのを防止できるとともに、見返しカバー板(53)により見返し部分が隠蔽されて、見返し部分に化粧が施されていなくても良好な美観を得ることができる。
【0077】
ここで図4に示すように、本実施形態において、見返しカバー板(53)の段板(20)に対する傾斜角度(θ)は、特に限定されるものではないが、通常は、45°以上、90°未満に設定されるものであり、つま先が段鼻部(25)に引っかかるのを、より確実に防止するには、60°程度以上に設定するのが良い。
【0078】
また、本実施形態においては、段鼻カバー(40)における見返しカバー板(53)の先端を断面円弧状に形成しているため、見返しカバー板(53)の下端と蹴込板(30)との間に組付誤差等により隙間が形成されたとしても、上記の隙間が目立たず、良好な美観を維持することができる。
【0079】
なお、上記実施形態においては、段鼻カバー(40)の係合片(41a)及び嵌着用雌部(F)を段板(20)に挟持させて固定するようにしているが、本発明は、それだけに限られず、接着剤、両面テープ、ビス等の固着部材を併用しても良く、更には、係合片(41a)を省略したり、あるいは嵌着用雌部(F)を段鼻部(25)に係合させずに、上記の固着部材等を必要に応じて適宜用いることにより、段鼻カバー(40)を段板(20)に固定するようにしても良い。
【0080】
また、上記実施形態において、段板取付溝(12)は、その上側縁と下側縁とが平行に配置されて、溝幅が一定に保たれているが、本発明はそれだけに限られず、段板取付溝(12)の上側縁と下側縁とが平行でないもの、例えば下側縁が直線状に傾斜していて段板取付溝(12)が、その溝幅が、後端から前方に向かうに従って次第に小さくなるような形状であっても良い。
【0081】
また、上記実施形態においては、見返しカバー板(53)を側面断面形状で直線状に形成しているが、それだけに限られず、見返しカバー板(53)を裏面側に緩く曲成させた断面円弧状に形成したり、あるいは見返しカバー板(53)の下端(先端)に裏面側に折返し状に形成された折返し片を形成するようにしても良い。この場合には、見返しカバー板下端に影が形成されるため、見返しカバー板(53)の下端と蹴込板(30)との間に組付誤差等により形成される隙間が全く目立たなくなり、より一層確実に、美観を向上させることができる。
【0082】
また上記実施形態において、段板(20)の下側凹段部(23)は、段鼻カバー部品(50)(53)の収納保管用に用いられるものであるため、この下側凹段部(23)は省略することはできるが、下側凹段部(23)に限られず、上側凹段部(22)も省略することができる。すなわち、図10に示すように、側板(10)の段板取付溝(12)を、段板(20)の厚さよりも広幅に形成するとともに、段板取付溝(12)の前端上部に、彫り込み状の踏込板設置用凹部(12a)を形成しておき、段鼻カバー本体付き段板(20)を段板取付溝(12)に差し込んだ後、上方へ持ち上げて、図11に示すように、踏込板(51)を踏込板収納用凹部(12a)に収納し、その状態で、段板(20)の下面と段板取付溝(12)の内周下面との間に、詰め物(90)を介在して、段板(20)を固定するとともに、上記と同様にして、見返しカバー板(53)を装着することにより、支障なく組付施工することができる。なお、詰め物(90)は、段板(20)の下面と段板取付溝(12)の内周下面との間において、図11に示すように前後方向の全域に介在させても良いが、部分的、断続的に介在させても良い。なおこの場合、図12に示すように、段板取付溝(12)の上側縁と下側縁とが平行でないもの、例えば下側縁が傾斜していて、段板取付溝(12)が、その溝幅が後端から前方に向かうに従って次第に小さくなるような形状であっても良く、この際には、くさび状の詰め物(90)を介在させるのが良い。
【0083】
また上記実施形態においては、側板(10)側の蹴込板取付溝(13)の溝幅と蹴込板(30)の厚さとがほぼ同じに形成されているが、それだけに限られず、本発明においては、図12に示すように、蹴込板取付溝(13)の溝幅を、後側に広げる態様に、蹴込板(30)の厚さよりも広く形成するようしても良い。この構成においては、図13に示すように、蹴込板(30)を、取付溝(13)の下端部から差し込む際に、蹴込板(30)の裏面を、取付溝(13)における後端の内側面に沿って差し込んだ後、図12に示すように、蹴込板(30)を前方側へ移動させて、先端を蹴込板差込溝(24)内に挿入し、固定するものである。
この場合には、蹴込板(30)を差し込む際に、蹴込板(30)の表面に、段鼻カバー(40)における見返しカバー板(43)の先端が干渉するのを防止することができる。
【0084】
なお、図12及び図13の例では、蹴込板取付溝(13)の溝幅が一定のものを示しているが、それだけに限られず、本発明においては、蹴込板取付溝(13)の溝幅は、上方に向かうに従って狭くなったり、大きくなったりするように形成しても良い。
【0085】
図14及び図15はこの発明の第2の実施形態を示す断面図である。両図に示すように、この実施形態の段鼻カバー(40)においては、見返しカバー板(53)の嵌着用雄部(M)としての取付軸部(80)の外周面が、断面形状において円弧状(略真円形状)に形成されている。更にカバー本体(50)における嵌着用雌部(F)としての嵌着溝(70)の内周面(73)が、上記取付軸部(80)に対応して、半円を超える円弧状(略真円形状)に形成されて、嵌着溝(70)の開口幅が、内部幅よりも小さく設定されている。そして、取付軸部(80)が、嵌着溝(70)内にその両側開口縁部を弾性拡開変形させつつ押し込まれて、取付軸部(80)が嵌着溝(70)内に抜止め状態に嵌着されるものである。
【0086】
その他の構成は、上記第1の実施形態と同様であるため、同一又は相当部分に同一又は相当符号を付して、重複説明は省略する。
【0087】
図16及び図17はこの発明の第3の実施形態を示す断面図である。両図に示すように、この実施形態の段鼻カバー(40)においては、上記第1実施形態と同様な嵌着用雄部(M)が段鼻カバー本体(50)における前面カバー板(52)の下端に設けられるとともに、上記第1実施形態と同様な嵌着用雌部(F)が見返しカバー板(53)の上端に設けられている。
【0088】
更に前面カバー板(52)の裏面側には、段板(20)の前面下端に形成された係合段部(22a)に係合し得る係合片(42a)が形成されている。こうして、段鼻カバー(40)を、その2つの係合片(41a)(42a)を段板(20)の段鼻部(25)に挟持させて、段鼻部(25)に装着するものである。
【0089】
その他の構成は、上記第1の実施形態と同様であるため、同一又は相当部分に同一又は相当符号を付して、重複説明は省略する。
【0090】
図18及び図19はこの発明の第4の実施形態を示す断面図である。両図に示すように、この実施形態の段鼻カバー(40)においては、上記第2実施形態と同様な嵌着用雄部(M)が前面カバー板(52)の下端に設けられるとともに、上記第2実施形態と同様な嵌着用雌部(F)が見返しカバー板(53)の上端に設けられている。
【0091】
その他の構成は、上記第3実施形態と同様であるため、同一又は相当部分に同一又は相当符号を付して、重複説明は省略する。
【0092】
図20はこの発明の第5の実施形態を示す断面図である。両図に示すように、この実施形態の段鼻カバー(40)においては、見返しカバー板(53)の上端に長さ方向(階段幅方向)に沿って連続して嵌合用突条部(80)が設けられるとともに、段鼻カバー本体(50)の前面カバー板(52)の下端に長さ方向(階段幅方向)に沿って連続して嵌着溝(70)が設けられている。そして、嵌合用突条部(80)が、嵌着溝(70)内にその両側開口縁部を弾性拡開変形させつつ押し込まれて、突条部(80)が嵌着溝(70)内に抜止め状態に嵌着されるものである。
【0093】
その他の構成は、上記実施形態と同様であるため、同一又は相当部分に同一又は相当符号を付して、重複説明は省略する。
【0094】
【発明の効果】
以上のように、本発明の階段用段鼻カバーによれば、踏込板及び前面カバー板を有する段鼻カバー本体と、その段鼻カバー本体に、着脱自在な見返しカバー板とを備えるものであるため、階段を施工する際には、段鼻カバー本体を段板に取り付けた状態で両側支持部材間に挿入した後、見返しカバー板を段鼻カバー本体に取り付けることにより、組立施工することができる。このため例えば、段鼻カバーの採寸、裁断等を行う場合、段板を側板に組み付ける前に、段鼻カバー本体及び見返しカバー板を段板に装着した状態で、段板と共に、採寸、裁断することができる。従って、段鼻カバー部品の裁断等をそれぞれ個別に行う必要がなく、その分、段鼻カバー部品の装着作業、ひいては階段施工作業を効率良く簡単に行うことができる。なお見返しカバー板を段板等と共に裁断するに際し、階段前面側から後付可能な見返しカバー板は、階段後面側から先付けする段板等とサイズが若干相違することがあるが、その相違分を考慮することにより、見返しカバー板や段板等を共に寸法精度良く裁断することができる。また本発明においては、段鼻カバー部品を段板に装着して、安定させた状態で、段鼻カバー部品を採寸、裁断することができるため、精度良く簡単に裁断することができる。また、見返しカバー板は別体に構成され、後付けで組み付けることができるものであるため、必要に応じて、見返しカバー板を単独で裁断加工することができる。このため、廻り階段部分の施工を行う場合等のように、段鼻カバー本体及び段板の両側端面と、見返しカバー板の両側端面との裁断角度等が異なる場合には、見返しカバー板のみを単独で高精度に裁断加工することができる。なお、見返しカバー板は、略帯板形状のシンプルな形状のものであるため、単独であっても、精度良く簡単に裁断することができる。このように段鼻カバー部品の裁断を精度良く行うことができるので、段鼻カバーの両側端縁と両側支持部材との間等に隙間が形成される等の不具合を確実に防止でき、美観を向上させることができる。また本発明の段鼻カバーは、段鼻カバー本体と、見返しカバー板とを別体に形成しているため、個々の部品は、L型や帯板状等のシンプルな形状となり、簡単に製作できて、コストを削減することができるとともに、個々の部品を単独状態で、あるいは、その部品を段板に取り付けた状態で、効率良く安定状態に収納配置することができ、施工前の保管、管理、搬送等を容易に行うことができるという効果がある。
【0095】
本第2発明は、上記第1発明の段鼻カバーの使用によって組立られた際の段鼻カバー付き階段を特定するものであるため、上記と同様の効果を得ることができる。
【0096】
本第3発明は、上記第1発明の段鼻カバーを使用する段鼻カバー付き階段の施工方法を特定するものであるため、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態である段鼻カバー付き階段の直階段部分を分解して示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の段鼻カバー付き階段を示す側面断面図である。
【図3】第1実施形態の段鼻カバー付き階段を分解して示す側面断面図である。
【図4】第1実施形態に適用された段鼻カバー付き段板の前部を示す側面断面図である。
【図5】第1実施形態の段鼻カバー付き段板の前部を分解して示す側面断面図である。
【図6】第1実施形態に適用された段鼻カバーを示す斜視図である。
【図7】第1実施形態の段鼻カバーにおける見返しカバー板嵌着部周辺を拡大して示す側面断面図であって、同図(a)は組付状態を示す断面図、同図(b)は分解状態を示す断面図である。
【図8】第1実施形態である段鼻カバー付き階段の廻り階段部分を示す斜視図である。
【図9】この発明の第1変形例としての段鼻カバー付き階段における側板を示す斜視図である。
【図10】この発明の第2変形例としての段鼻カバー付き階段を分解して示す側面断面図である。
【図11】第2変形例の段鼻カバー付き階段を示す側面断面図である。
【図12】この発明の第3変形例としての段鼻カバー付き階段を示す側面断面図である。
【図13】第3変形例としての段鼻カバー付き階段を蹴込板差込途中の状態で示す側面断面図である。
【図14】この発明の第2実施形態である階段の段鼻カバー周辺を示す側面断面図である。
【図15】第2実施形態の段鼻カバーにおける見返しカバー板嵌着部周辺を拡大して示す側面断面図であって、同図(a)は組付状態を示す断面図、同図(b)は分解状態を示す断面図である。
【図16】この発明の第3実施形態である階段の段鼻カバー周辺を示す側面断面図である。
【図17】第3実施形態の段鼻カバーにおける見返しカバー板嵌着部周辺を拡大して示す側面断面図であって、同図(a)は組付状態を示す断面図、同図(b)は分解状態を示す断面図である。
【図18】この発明の第4実施形態である階段の段鼻カバー周辺を示す側面断面図である。
【図19】第4実施形態の段鼻カバーにおける見返しカバー板嵌着部周辺を拡大して示す側面断面図であって、同図(a)は組付状態を示す断面図、同図(b)は分解状態を示す断面図である。
【図20】この発明の第5実施形態である段鼻カバー付き階段を示す側面断面図である。
【符号の説明】
10…側板(支持部材)
10a…中心柱(支持部材)
12…段板取付溝
20…段板
25…段鼻部
40…段鼻カバー
50…段鼻カバー本体
51…踏込板
52…前面カバー板
53…見返しカバー板
70…嵌着溝
80…取付軸部
F…嵌着用雌部
M…嵌着用雄部
Claims (1)
- 所定の間隔をおいて平行に配置される両側支持部材と、これらの両側支持部材間に略水平に配置される段板と、前記段板の段鼻部に装着される段鼻カバーとを具備する段鼻カバー付き階段の施工方法であって、
前記段鼻カバーとして、前記段板の段鼻部における上面に沿って水平に配置される踏込板と、その踏込板の前端から下方に延び、前記段鼻部の前面に沿って垂直に配置される前面カバー板とを有する段鼻カバー本体と、上端が、前記段鼻カバー本体における前面カバー板の下端に着脱自在な見返しカバー板とを備え、前記見返しカバー板を前記段鼻カバー本体に取り付けた状態では、前記見返しカバー板が所定の前傾姿勢に保持されるよう構成された階段用段鼻カバーを準備する工程と、
前記両側支持部材の内面に、その後端縁から前方に向けて延びる段板取付溝を形成する工程と、
前記段鼻カバー本体を、その踏込板を前記段鼻部の上面に沿って配置し、前記前面カバー板を前記段鼻部の前面に沿って配置するようにして、前記段板に装着し、かつ前記見返しカバー板を取り外した状態では、その段板の両端を前記段板取付溝に後端から挿入可能に構成する工程と、
前記段鼻カバー本体を、その踏込板を前記段鼻部の上面に沿って配置し、前記前面カバー板を前記段鼻部の前面に沿って配置するようにして、前記段板に装着した後、その段板の両端を前記段板取付溝に後端から挿入することにより、前記段板を前記両側支持部材間に配置する工程と、
前記両側支持部材間に配置された段板の段鼻カバー本体における前面カバー板の下端に、前記見返しカバー板の上端を取り付けて、その見返しカバー板を前傾姿勢に保持する工程とを含む段鼻カバー付き階段の施工方法。
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