JP3988979B2 - アルミニウム合金製鍛造部品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

アルミニウム合金製鍛造部品の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金を鍛造して製造されるアルミニウム合金製鍛造部品の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アルミニウム合金は、軽量であること、及び、加工が容易であることから、多種多様な用途に用いられている。
例えば、自動車等の車両は、燃費向上の観点から軽量化が要求されるので、アルミニウム合金からなる部品が多数用いられている。この中で、サスペンション部品に代表される自動車用のアルミニウム合金製鍛造部品(以下、鍛造部品という。)は、必要とされる機械的強度、及び、靭性を満たすために5000系や、6000系のアルミニウム合金や、その改良合金を鍛造して製造されている。そして、このような鍛造部品は、均質化処理が施された所定長さの鋳造棒、又は、押出棒を素材として用いて製造されている。
【0003】
ここで、このような鍛造部品の製造方法の従来例について、図5を参照しながら説明する。
まず、アルミニウム地金等の原料が、図5のステップS101の溶解工程により、溶解炉内で溶解されると共に、精錬剤や所定の合金元素が添加されてアルミニウム合金の溶湯が造られる。そして、この溶湯は、ステップS102の成分組成調整・脱ガス処理工程を経た後、ステップS103の連続鋳造工程にて所定径のビレットとして連続鋳造される。このビレットは、ステップS104の走行切断工程において順次、所定長さの長尺材に走行切断される。走行切断により得られた長尺材は、加熱炉に導入されてステップS105の均質化処理工程を経て、ステップS106のピーリング工程で表面の偏析層が除去される。そして、ピーリング工程を終えた長尺材が、ステップS107の短尺切断工程により予め決められた鍛造用素材の寸法長さの短尺材に切断される。これらの短尺材はステップS108の検査工程で内部欠陥等の有無が検査され、所定の基準を満たした短尺材は、ステップS109の加熱工程において鍛造用加熱炉で鍛造温度に再び加熱された後に、ステップS110として鍛造加工工程に付され、鍛造部品として成形される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような鍛造部品の製造方法は、長尺材に対して均質化処理工程(ステップS105)や、ピーリング工程(ステップS106)を行うために、以下のような問題点を有していた。
まず、長尺材は、一般に数mの長さを有するために、これを処理する炉や、ピーリング装置は、大きくならざるを得ないため、設備全体の大型化を招く原因となっていた。
【0005】
また、均質化処理工程(ステップS105)は、バッチ処理が採られており、各バッチごとに処理炉の昇温、降温を行う必要があり、熱エネルギの効率化の観点からは好ましくなかった。これに加えて、一つのバッチで段積みされた多数本の長尺材を均一に熱処理するためには保持時間を長くとって充分に加熱しなければならないという問題点も有している。
【0006】
さらに、ピーリング工程(ステップS106)においては、ピーリング装置に取り付けられた長尺材の長手方向の中央付近が、自重により、微量ではあるが垂れ下がることがあった。このような場合には、長尺材の表面に偏析層が残ってしまうことがあった。一方、これを防止するために、予めビレットの径を大きくし、ピーリング時に切削バイトの切込量を増加させることが行われているが、切込量を増加させた場合には、材料歩留まりが悪化するという問題点があった。
【0007】
そして、均質化処理工程(ステップS105)、ピーリング工程(ステップS106)の後に短尺材に切断する(ステップS107)と、この間にアルミニウム合金の温度が室温程度まで低下するので、ステップS109の加熱工程では、短尺材を室温から鍛造可能な温度まで昇温させなければならず、タクトタイムの増加や、エネルギ効率の低下を招いていた。
従って、本発明は、鍛造部品を製造するにあたり、生産効率を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、アルミニウム合金の連続鋳造工程と、連続鋳造工程により鋳造されたビレットを切断して長尺材とする走行切断工程と、走行切断工程で走行切断した長尺材を所定長さの短尺材に切断する短尺切断工程と、短尺切断工程後の短尺材をピーリングするピーリング工程と、ピーリング工程後に短尺材を探傷検査する探傷検査工程と、探傷検査工程後の短尺材を熱処理する熱処理工程と、熱処理工程により熱処理した短尺材を鍛造加工する鍛造加工工程とを含むアルミニウム合金製鍛造部品の製造方法とした。
【0009】
このようなアルミニウム合金製鍛造部品の製造方法は、ピーリングを短尺材に対して行うものである。短尺材は、長さが短いために長手方向にたわまないので、ピーリング時の切削バイトの切込量を必要最小限にしても、短尺材の表面に形成された偏析層を確実に除去できる。また、連続鋳造から鍛造加工までを一貫して行うことで、製造工程の効率化を図ることができる。
【0010】
さらに、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載のアルミニウム合金製鍛造部品の製造方法において、熱処理工程は、短尺材を均質化処理する均質化処理工程と、均質化処理工程に続いて短尺材を鍛造温度まで加熱する加熱工程とからなることとした。
【0011】
このように均質化処理と鍛造加工のための加熱を連続して行うことにより、従来技術において行われていた両工程の間の冷却や、再昇温を省略できる。従って、製造工程全体としてのエネルギ効率の向上、及び、タクトタイムの短縮化が図られる。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る発明は、連続鋳造により得られるアルミニウム合金のビレットを走行切断した長尺材を所定長さの短尺材に切断する切断手段と、短尺材をピーリングするピーリング装置と、ピーリング後の短尺材を探傷検査する探傷装置と、探傷後の短尺材に均質化処理を行う第一の加熱手段と、第一の加熱手段に続いて短尺材を鍛造温度まで加熱する第二の加熱手段と、第二の加熱手段により加熱した短尺材を鍛造加工する鍛造装置とを有するアルミニウム合金製鍛造部品の製造装置とした。
【0013】
このようなアルミニウム合金製鍛造部品の製造装置は、短尺材に対してピーリングを行うので、ピーリング装置を小型化でき、かつ、偏析層の除去を歩留まり良く確実に行える。また、均質化処理と鍛造温度への加熱を連続して行うことでエネルギ効率を向上させ、タクトタイムを短縮できる。
【0014】
さらに、本発明の請求項4に係る発明は、請求項3に記載のアルミニウム合金製鍛造部品の製造装置において、第一の加熱手段、及び、第二の加熱手段を備えた連続式加熱炉を有し、連続式加熱炉は、第一の加熱手段となる均質化ゾーンと、第二の加熱手段となる加熱ゾーンとに開閉扉により区画された構成とした。
【0015】
このようなアルミニウム合金製鍛造部品の製造装置は、一つの連続式加熱炉で均質化処理と、鍛造を行うための加熱とを行うことにより、製造装置が簡略化できる。また、均質化処理と加熱を連続して行うと、冷却工程や、再度の昇温工程が省略されるので、エネルギ効率を向上させると共に、生産効率を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態におけるアルミニウム合金製鍛造部品の製造装置の全体構成図であり、図2は製造工程に用いられる連続式加熱炉の模式図である。また、図3はアルミニウム合金製鍛造部品の製造工程を示すフローチャートである。
【0017】
図1に示すように、本実施形態におけるアルミニウム合金製鍛造部品(以下、鍛造部品という)の製造装置1は、アルミニウム地金と必要な添加元素等を溶解する溶解炉2と、合金成分組成の微調整を行う保持炉3と、脱ガス処理を行う脱ガス処理装置4と、脱ガス後の溶湯からビレットBを連続して鋳造する連続鋳造機5と、ビレットBを長尺材Lに走行切断する走行切断機6と、長尺材Lをさらに複数の短尺材Sに短尺切断する切断手段である短尺切断機7と、短尺材Sの面取り処理をする面取り用加工機8と、面取り後の短尺材Sをピーリングするピーリング装置9と、ピーリング後の短尺材Sの内部欠陥等を検査する探傷検査装置10と、所定の基準を満たしているものに対して熱処理をする連続加熱炉11と、熱処理後の短尺材Sをプレス加工する鍛造装置12とを含んで構成されている。なお、この製造装置1において探傷検査機10による検査で所定の基準を満たさなかったものは、スクラップとして除去され、溶解原料として再利用される。
【0018】
ここで、連続鋳造機5は、タンディッシュ52と鋳型53とを有し、脱ガス後の溶湯が樋51からタンディッシュ52に注がれる構成を有している。連続鋳造機5は、タンディッシュ52に注がれた溶湯を鋳型53に導入し、ビレットBを連続して鋳造する。
【0019】
また、走行切断機6は、レール61上をビレットBの押し出し方向に同じ速度で走行可能な切断部62を有し、切断部62は、ビレットBを保持する図示しない保持部とビレット切断用のカッタ63とを備えている。走行切断機6の切断部62は、走行しながら、ビレットBを目標長さの近傍で保持しつつ、ビレットBの切断を開始する。そして、ビレットBを切断したら、ビレットBの保持を解除すると共に、初期位置に戻り、次のビレットBの切断に備える。このような走行切断機6を用いることにより鋳造工程をストップさせることなく長尺材Lを得ることができる。
【0020】
短尺切断機7は、一本の長尺材Lを所定長さを有する多数本の短尺材Sに切断する装置であり、固定式のものが用いられている。
また、面取り用加工機8は、短尺材Sの長手方向の両端部の20〜30mmの間を面取り加工する装置である。面取りを行うことにより、ピーリングの際の短尺材Sの把持を容易にすると共に、ピーリング用の切削バイトによる削り出しを容易にしている。また、この面取り加工は、後に行われる鍛造加工工程において、短尺材Sの両端部に割れ等の鍛造欠陥が発生することを未然に防止する効果も有している。
ピーリング装置9は、面取り後の短尺材Sの両端部を把持する把持部と、短尺材Sの表面の偏析層を旋削する切削用バイトとを含んで構成されている。
【0021】
探傷装置10は、短尺材Sに超音波を照射し、その反射波などを測定して、きずや、内部欠陥の有無等を調べるもので、流水で満たされた水槽と、水槽に対してスライド可能に構成された超音波センサ、及び、所定の制御装置とから構成されている。超音波センサは、流水で満たされた水槽内に搬送コンベア81により一本ずつ搬入される短尺材Sの長手方向に沿ってスライドしながら超音波を照射して、短尺材Sの探傷検査を行う。
【0022】
図2に示す連続式加熱炉11は、開閉自在な二つの仕切壁22,23を内部に有している。仕切壁のうち一つ目の仕切壁22は、搬入された短尺材Sを所定温度まで加熱させる昇温ゾーンと、均質化処理を行う均質化ゾーンとを区分けしており、二つ目の仕切壁23は、均質化ゾーンと、短尺材Sを鍛造温度に調温する加熱ゾーンとを区分けしている。各ゾーンの長さは処理時間の短長に合わせて調節されており、短尺材Sは、公知のコンベア等からなる搬送手段24で昇温ゾーンから、均質化ゾーンを経て、加熱ゾーンまで搬送される。
【0023】
連続式加熱炉11は、昇温ゾーン、均質化ゾーン、加熱ゾーンのそれぞれを異なる温度で制御することが可能である。例えば、連続式加熱炉11がガスの燃焼熱を利用したガス炉である場合には、各ゾーンごとにガスの燃料量が制御される。また、連続式加熱炉11が電気抵抗への通電時に発生する熱を利用した電気炉である場合には、各ゾーンごとに供給される電流量が制御される。
【0024】
なお、図2の連続式加熱炉11において、均質化ゾーンに相当する部分が第一の加熱手段に相当し、加熱ゾーンに相当する部分が第二の加熱手段に相当する。また、図2には、一本の短尺材Sのみが図示されているが、多数の短尺材Sが収容容器に収容された状態で搬送することも可能である。なお、収容容器をパレットにして、多数の短尺材Sを平面状に載置すると、各短尺材Sが均一に加熱されるので、材料品質をさらに安定させることができる。
【0025】
また、鍛造装置12は、複数のプレス金型、例えば、素材を曲げる曲げ加工用金型や、粗成形鍛造用の金型であるバスタ用金型及びブロッカ用金型、最終形状に仕上げるための金型であるフィニッシャ用金型を有して構成されている。
【0026】
このような製造装置1による鍛造部品の製造工程について図3のフローチャートに従って以下に説明する。
まず、ステップS1として、溶解炉2にアルミニウム地金や前記のスクラップ材等の原材料と合金成分元素を投入し、これらを溶解させてアルミニウム合金の溶湯を形成させる。次に、ステップS2として成分組成調整・脱ガス処理を行う。この工程は、最初に前記の溶湯を保持炉3に導入し、所定の合金成分組成となるように必要な成分元素を添加して、所定のアルミニウム合金に微調整する。さらに、その後に、溶湯を脱ガス処理装置4に導入し、溶湯中に溶解している水素ガスを除去する。ここで水素ガスの除去には、フラクシングや、塩素精錬といった公知の方法が採られている。また、保持炉3においては、非金属介在物の除去や、溶湯の温度調整も行われる。
【0027】
続くステップS3である連続鋳造において、アルミニウム合金の溶湯が連続鋳造機5において凝固させられてビレットBとして押し出される。押し出されたビレットBは、鋳造コンベア54で案内されて次工程の走行切断機6に送られる。
【0028】
ステップS4においてビレットBは、長尺材Lの走行切断される。走行切断は前記の走行切断機6により行われ、切断して得られる長尺材Lは、クロスコンベア71に送られる。このクロスコンベア71は、ビレットBを直交方向に搬送するものであり、クロスコンベア71により搬出された長尺材Lは、ストックコンベア72に一旦ストックされる。そして、ストックコンベア72にストックされた長尺材Lは、短尺切断機7に向けて一本ずつ払い出される。
なお、ステップS4において走行切断される長尺材Lの長さを、後に説明する短尺材Sの長さの整数倍とする(切り代分を含む)と、端材の発生を防止することができ、材料歩留まりを向上させることができる。
【0029】
さらに、ステップS5において長尺材Lは、短尺切断機7により鍛造部品の寸法形状に応じて予め決定された長さの短尺材S(例えば長さ20〜70cm)に短尺切断される。本実施形態では、この段階でアルミニウム合金を短尺材Sに切断することにより、後の処理の効率化を図っている。
【0030】
短尺切断した短尺材Sは、搬送コンベア81により搬送され、面取り用加工機8で面取り処理を施された後に、ステップS6としてピーリング装置9でピーリングされる。
本実施形態では、ピーリングを短尺材Sに対して行うことを特徴の一つとしている。これは、短尺材Sは、長さが短く自重による垂れ下がりが発生しないので、切削バイトの切込量を最低必要限にしても、短尺材Sの表面の偏析層を確実に除去でき、材料歩留まりを向上できるからである。
【0031】
ピーリング後の短尺材Sは、搬送コンベア81により探傷装置10に搬送される。探傷装置10に搬送された短尺材Sは、前工程で表面に付着した微粉切屑や切削油等の付着物が工業水で洗浄して取り除かれた後に、探傷検査が行われ(ステップS7)、所定の基準を満たした短尺材Sは、ロボット91により図示しない収容容器に積載されて、次工程に搬送される。
【0032】
そして、ステップS8の均質化処理と、ステップS9の鍛造のための加熱が、図2に示すような、連続式加熱炉11により行われる。なお、ステップS8の均質化処理と、ステップS9の鍛造のための加熱が熱処理工程に相当する。
【0033】
ここで、図4(a)に連続式加熱炉11の昇温カーブの一例を示す。なお、比較例として、図4(b)に均質化処理と鍛造用の加熱とを異なる二つの加熱炉を用いて行った場合の昇温カーブを示す。
図2及び図4(a)に示すように本実施形態において短尺材Sは、最初に昇温ゾーン内で、昇温カーブP1に従って室温RTから昇温させられる。そして、短尺材Wの温度が所定温度T1(500〜550℃)に安定したら、仕切壁22が開いて、搬送手段24により短尺材Sが均質化ゾーンに搬入される。そして、この均質化ゾーン内で均質化のための保持P2がなされる。温度T1における保持時間は3〜6時間であり、保持時間が終了したら仕切壁23が開くので、短尺材Sは加熱ゾーンに搬入され、鍛造用の加熱P3が行われる。ここにおいて、短尺材Sは、温度T2(450〜480℃)で、0.1時間保持される。保持時間が終了した短尺材Sは、連続式加熱炉1から取り出されて鍛造加工される。
なお、図2において、均質化ゾーン内における搬送手段24の搬送速度は、保持時間が終了する短尺材Sが仕切壁23に到達するように調整されている。
【0034】
一方、比較例は、均質化処理P2を行った後に、一旦、材料温度を室温RTに戻してピーリング等を行った後に、鍛造用の加熱P6を行う場合であり、本実施形態に比べて、均質化処理P2後の冷却P4や、鍛造用の加熱P6のための昇温P5に時間が余分にかかっている。また、鍛造用の加熱P6の温度T2を安定させる必要があるために、鍛造用の加熱P6の保持時間も0.5〜2時間と多く必要である。これを言い換えると、本実施形態では、図2に例示するような一基の連続式加熱炉11で均質化処理P2と鍛造用加熱P3とを連続して行うことにより、処理時間の短縮が図れ、エネルギの利用効率を向上させることができている。
【0035】
そして、ステップS10として、図1に示す連続加熱炉11から搬出された短尺材Sをロボット92で鍛造装置12に搬入し、短尺材Sを鍛造加工して自動車用部品に成形する。なお、この鍛造加工工程に先立って、ロール成形、或いは、プレス加工による予備成形を行うようにしても良い。この鍛造加工工程を経て成形された自動車用部品は、鍛造加工により発生したバリが付着しているので、トリミング処理が施される。
【0036】
本実施形態に示すようにして鍛造部品を製造すると、短尺材Sに切断(ステップS5)してからピーリング(ステップS6)を行うので、素材のたわみによる偏析層の除去残を防止でき、材料歩留まりも向上させることができる。また、ピーリング装置9を小型にすることができるので設備費や、敷地面積の節約にも貢献する。
さらに、均質化処理(ステップS8)と鍛造用の加熱処理(ステップS9)とを一基の連続式加熱炉11(図2参照)で連続して行うことで、エネルギの利用効率の向上、及び、タクトタイムの短縮化を図ることができる。
【0037】
なお、本実施形態は、アルミニウム合金に鍛造加工を行う場合の製造方法、製造装置であるが、鍛造部品は、自動車用部品に限定されずに他の用途のための鍛造部品とすることも可能である。
また、一基の連続加熱炉11を用いて短尺材Sの均質化処理(ステップS8)や、鍛造用の加熱(ステップS9)を行う替わりに、図4(b)の比較例で示すような二基の加熱炉により、それぞれ均質化処理と、鍛造用の加熱を行うことも可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る発明によれば、アルミニウム合金を短尺材に切断した後にピーリングをするので、偏析層を確実に除去することができる。また、短尺材から取り除かれるアルミニウム合金の量を最低限に止めることができるので、材料歩留まりの向上を図ることができる。さらに、連続鋳造から鍛造加工までを一貫して行うことによる製造工程の効率化が図れる。
さらに、本発明の請求項2に係る発明によれば、均質化処理と鍛造加工用の加熱を連続して行うので、エネルギ効率の向上、及び、タクトタイムの短縮化を図ることができる。
【0039】
また、本発明の請求項3に係る発明によれば、アルミニウム合金の短尺材にピーリングを行うので、材料歩留まりを向上できる。さらに、均質化処理と鍛造加工用の加熱を連続して行うことで製造装置全体としてのエネルギ効率を向上させることができる。
そして、本発明の請求項4に係る発明によれば、一つの連続式加熱炉で均質化処理と、鍛造加工用の加熱とを行うので、製造装置が簡略化でき、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるアルミニウム合金製鍛造部品の製造装置の全体構成図である。
【図2】連続式加熱炉を示す模式図である。
【図3】本発明の実施形態におけるアルミニウム合金製鍛造部品の製造工程を示すフローチャートである。
【図4】(a)本発明の実施形態の熱処理の昇温パターン、(b)比較のための昇温パターンである。
【図5】従来の製造工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 製造装置
7 短尺切断機 (切断手段)
9 ピーリング装置
10 探傷装置
11 連続式加熱炉
12 鍛造装置
22,23 仕切壁
24 搬送手段
B ビレット
L 長尺材
S 短尺材

Claims (4)

  1. アルミニウム合金の連続鋳造工程と、
    前記連続鋳造工程により鋳造されたビレットを切断して長尺材とする走行切断工程と、
    前記走行切断工程で走行切断した前記長尺材を所定長さの短尺材に切断する短尺切断工程と、
    前記短尺切断工程後の前記短尺材をピーリングするピーリング工程と、
    前記ピーリング工程後に前記短尺材を探傷検査する探傷検査工程と、
    前記探傷検査工程後の前記短尺材を熱処理する熱処理工程と、
    前記熱処理工程により熱処理した前記短尺材を鍛造加工する鍛造加工工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム合金製鍛造部品の製造方法。
  2. 前記熱処理工程は、
    前記短尺材を均質化処理する均質化処理工程と、
    前記均質化処理工程に続いて前記短尺材を鍛造温度まで加熱する加熱工程と、からなることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金製鍛造部品の製造方法。
  3. 連続鋳造により得られるアルミニウム合金のビレットを走行切断した長尺材を所定長さの短尺材に切断する切断手段と、前記短尺材をピーリングするピーリング装置と、ピーリング後の前記短尺材を探傷検査する探傷装置と、探傷後の前記短尺材に均質化処理を行う第一の加熱手段と、前記第一の加熱手段に続いて前記短尺材を鍛造温度まで加熱する第二の加熱手段と、前記第二の加熱手段により加熱した前記短尺材を鍛造加工する鍛造装置とを有することを特徴とするアルミニウム合金製鍛造部品の製造装置。
  4. 前記第一の加熱手段、及び、前記第二の加熱手段を備えた連続式加熱炉を有し、前記連続式加熱炉は、前記第一の加熱手段となる均質化ゾーンと、前記第二の加熱手段となる加熱ゾーンとに開閉扉により区画された構成を有することを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム合金製鍛造部品の製造装置。
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