JP3988687B2 - アルミニウムスラブの連続鋳造方法およびこれに用いる連続鋳造鋳型 - Google Patents

アルミニウムスラブの連続鋳造方法およびこれに用いる連続鋳造鋳型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムスラブの連続鋳造方法およびこれに用いる連続鋳造鋳型に関する。尚、本明細書において、単にアルミニウムと記載した際にはアルミニウム合金を含み、単に連続鋳造と記載した際には半連続鋳造も含んでいる。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウムの圧延材は、直方体形状のアルミニウムスラブを圧延することで製造され、係るスラブは、竪型半連続鋳造法(DC鋳造)により鋳造されている。係る竪型半連続鋳造法でアルミニウムスラブを鋳造する場合、図5(A)に示すように、半連続鋳造装置30における一対の長辺鋳型32とその両端付近に位置する一対の短辺鋳型35とに囲まれ且つこれらの下方にて昇降可能に位置する下型36に包囲されたキャビティCにアルミニウム合金の溶湯mを注下する。
そして、上記キャビティCに注下された溶湯mを、上記長辺・短辺鋳型32,35および下型36と、上記キャビティCの後方に位置する中空部34から斜め下向きで且つ上記キャビティCの下方向きに噴射されるよう図5(A)中の矢印で示す冷却水と、によって冷却する。これにより、周囲から徐々に凝固して直方体形状となるアルミニウムスラブMを半連続鋳造している。
【0003】
上記竪型半連続鋳造法において、長辺・短辺鋳型32,35の下方に下型36と共に降下するスラブ(鋳造材)Mに対する冷却が弱過ぎる(冷却速度が遅過ぎる)と、当該スラブMの周囲における凝固が不十分なため、図5(B)中の一点鎖線の矢印で示すように、内部のアルミニウム溶湯mが外部に漏れ出る漏れLを生じたり、係る内部の溶湯mにより周囲の凝固部分が再溶解して、同様な漏れLを生じることがあった。
一方、上記スラブMに対する冷却が強過ぎる(冷却速度が速過ぎる)と、当該スラブMが長辺・短辺鋳型32,35から離れた際に、未凝固である内部の溶湯mにより、周囲の凝固部分が再溶解して上記同様な漏れLを生じたり、図5(B)の下方に示すように、スラブMの周面や下隅部にクビレや反り(バットカール)Sが生じ、係る反りSにより短辺鋳型35とスラブMとが離れるため、両者の隙間から溶湯mが漏れることがあった。更に、係るスラブMの一部が下型36から外れたり、当該スラブSが曲がってしまう場合もあった。
【0004】
加えて、上記溶湯mの漏れLを生じると、品質の良いアルミニウムスラブMにならないだけでなく、漏れ出た溶湯mが当該スラブMの下側に位置する下型36の降下を妨げ、且つ係る下型36を含む半連続鋳造装置30を損傷に至らしめたりするおそれもあった。
一般に、アルミニウムスラブの半連続鋳造法にて得られるスラブのコーナ付近は、鋳型の長辺側および短辺側の双方から冷却水の噴射により冷却すると、当該スラブの各側面よりも冷却が過剰になるため、各コーナ付近に冷却水が噴射されないようにする幅可変鋳型装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−137045号公報 (第1〜8頁、図3〜5)
【0006】
【発明が解決すべき課題】
しかし、固液共存領域が狭い純アルミニウム系合金(JIS:A1000系)やAl−Fe系合金(JIS:A8000系)を半連続鋳造する際には、半連続鋳造の初期に、アルミニウムスラブのコーナ付近からアルミニウム溶湯の漏れが生じ得るため、前記幅可変鋳型装置を用いても係る漏れを防げない場合があった。
本発明は、以上に説明した従来の技術の問題点を解決し、アルミニウムスラブの連続鋳造の全工程で溶湯の漏れなどを確実に防止できるアルミニウムスラブの連続鋳造方法およびこれに用いる連続鋳造鋳型を提供する、ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、アルミニウムスラブの連続鋳造方法を初期鋳造工程と定常鋳造工程とに区分し、各工程ごとに鋳造されるスラブに対する冷却水の噴射パターンを設定する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明のアルミニウムスラブの連続鋳造方法(請求項1)は、アルミニウムスラブを連続鋳造するに際し、鋳造開始から定常状態に至るまでの初期鋳造工程では、連続鋳造鋳型の下方に降下する鋳造されたアルミニウムスラブの全周面に冷却水がほぼ均一に掛かるように冷却水を噴射して冷却し、定常状態に至った後の定常鋳造工程では、上記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部を除いた長辺・短辺側面に冷却水を噴射して冷却する、ことを特徴とする。
尚、上記コーナ付近の一部とは、冷却水が掛からないアルミニウムスラブの当該コーナにおける一方の(長辺側または短辺側の)辺のみであっても良い。
【0008】
これによれば、平面視でほぼ長方形に鋳造されるアルミニウムスラブは、初期鋳造工程では、その全周面を冷却水でほぼ均一に冷却されるため、そのコーナ付近の凝固組織が破れて内部のアルミニウム溶湯が外部に漏れる事態を確実に防ぐことができる。一方、定常鋳造工程では、係るスラブのコーナ付近またはその一部を除いた4つの長辺・短辺側面に冷却水が噴射され且つコーナ部付近またはその一部には冷却水が掛からないため、冷却が強過ぎにならず、前記クビレや反りがないアルミニウムスラブを安定して連続鋳造することができる。
【0009】
尚、前記初期鋳造工程とは、後述する鋳型内のキャビティにアルミニウムの溶湯を注下してから、得られるアルミニウムスラブと共に降下する下型の降下速度が一定になるまでの工程を指し、おおよそ上記スラブの鋳造方法の長さが約30cm位までになる時期である。また、前記定常鋳造工程とは、上記下型の降下速度が一定になった以降における平衡した連続鋳造状態を指す。
即ち、連続鋳造を開始する際、予め鋳型のキャビティ下部に下型をセットした状態でアルミニウムの溶湯を注下し、係る溶湯がキャビティにある程度溜まった時点で、下型を徐々に速度を速めながら降下させ、係る下型の降下速度が予め定めた一定の速度に達した時点からは、その速度で降下させている。これは、鋳造開始直後が最も溶湯の漏れなどのトラブルを生じ易いので、比較的ゆっくりしとた鋳造速度および下型の降下速度によって連続鋳造する必要があるためである。
【0010】
また、本発明には、前記初期鋳造工程における前記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部を除いた長辺・短辺側面に行う冷却水の噴射は、断続的な噴射である、アルミニウムスラブの連続鋳造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、上記スラブのコーナ付近を除いた長辺・短辺側面は、冷却水が断続的に噴射されることによるパルス冷却されるため、初期鋳造工程における冷却が強過ぎる(冷却速度が速すぎる)状態にならない。この結果、前記クビレや反りのないスラブを、再溶解による溶湯の漏れを生じることなく連続鋳造できる。
【0011】
一方、本発明のアルミニウムスラブの連続鋳造鋳型(請求項3)は、前記アルミニウムスラブの連続鋳造方法に用いられるアルミニウムスラブの連続鋳造鋳型であって、前記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部に噴射される冷却水を供給するコーナ用給水管と、係るコーナ付近またはその一部を除いた長辺・短辺側面に噴射される冷却水を供給する長辺・短辺用給水管とを含み、上記コーナ用給水管と長辺・短辺用給水管とが互いに相違すると共に、上記コーナ用給水管および長辺・短辺側給水管には、専用の開閉弁が個別に設置されている、ことを特徴とする。
これによれば、長辺・短辺用給水管とコーナ用給水管とを別個とし且つこれらに個別に開閉弁を設けているため、初期鋳造工程におけるアルミスラブの全周面を冷却水によってほぼ均一に冷却し、且つ定常鋳造工程における当該スラブのコーナ付近またはその一部を除いた4つの長辺・短辺側面を冷却水で冷却する前記連続鋳造方法を確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明には、前記長辺・短辺用給水管から前記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部を除いた長辺・短辺側面に噴射される冷却水は、ほぼ平行な一対の長辺鋳型と係る長辺鋳型の両端部間に接離可能に配置される一対の短辺鋳型とのキャビティ側面の下隅部のほぼ全長から、上記長辺・短辺側面に噴射されると共に、前記コーナ用給水管から上記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部に噴射される冷却水は、上記一対の短辺鋳型におけるキャビティ側面の両端部付近から、上記コーナ付近またはその一部に噴射される、アルミニウムスラブの連続鋳造鋳型(請求項4)も含まれる。
これによれば、前記初期鋳造工程では、前記スラブの全周面に冷却水を噴射できると共に、前記定常鋳造工程では係るスラブの短辺鋳型に隣接する短辺側面の両端の辺、即ち当該スラブのコーナ付近における短辺側への冷却水の噴射を停止し、且つ係る短辺側を除いた長辺・短辺側面に冷却水を噴射することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、本発明の幅可変鋳型(連続鋳造鋳型)1を示す平面図である。係る幅可変鋳型1は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を直方体形状のスラブに竪型半連続鋳造するものであり、図1(A)に示すように、互いにほぼ平行な一対の長辺鋳型2と、係る長辺鋳型2,2間の両端部付近で直角に配置される一対の短辺鋳型10と、を備えている。一対ずつの長辺・短辺鋳型2,10と、これらに囲まれ且つこれらの下端部間に上端が進入し且つ昇降可能な下型3との間には、直方体形状のキャビティCが形成される。
【0014】
長辺鋳型2は、図1(A)に示すように、アルミニウム合金からなる板状の鋳型本体4と、係る鋳型本体4の上記キャビティCの後方(背面)に取り付けた給水ジャケット5と、を備える。一対の鋳型本体4,4は、図1(A)で垂直方向の中間で対称に位置する緩くカーブした部分が図示しない機構により、その厚み方向に沿って弾性変形可能とされている。上記給水ジャケット5には、途中に開閉弁Vを設置する複数の長辺用給水管9が連通している。
また、一対の短辺鋳型10は、図1(A),(B)に示すように、アルミニウム合金からなる断面ほぼ箱形の鋳型本体12と、その両端に対称に固定した一対の密着片11と、を備え、図1(A)中の矢印で示すように、図示しない機構により互いに接近・離間可能とされている。各密着片11は、その鋭角部分が長辺鋳型2,2の鋳型本体4における端部4a,4aの内側面に密着可能とされている。
【0015】
更に、図1(B)に示すように、短辺鋳型10は、その鋳型本体12に断面ほぼ長方形の中空部14を当該本体12の長手方向に沿って内蔵し、且つ係る中空部14におけるキャビティC側の下隅には、斜め下向きで且つスリット状の噴射口15が鋳型本体12の長手方向に沿って形成されている。また、上記中空部14には、鋳型本体12の後方に接続し且つ途中に開閉弁Vを設置する短辺用給水管16が連通している。尚、図1(B)に示すように、短辺鋳型10の下方には、途中に開閉弁vを有するコーナ用給水管24、T字形継手23、一対の枝管22、および短辺鋳型10両端部の下方に水平に配管され且つ先端がキャビティC側に向いた一対の送水管20が配置されている。
【0016】
図2(A)に示すように、長辺鋳型2の給水ジャケット5は、その上辺5aにて鋳型本体4の背面4cに固定され、係る給水ジャケット5の背面5bに複数の給水管9が接続されている。係る給水管9は、鋳型本体4の背面4cと給水ジャケット5とに囲まれた中空部6に冷却水を給水可能としている。尚、給水ジャケット5および給水管9は、鋳型本体4の前記弾性変形に追従可能とされている。
また、中空部6は、図2(A)に示すように、鋳型本体4の下部4bと給水ジャケット5の下辺5cとの間の斜めの隙間7を介して、冷却水Wを噴射するスリット状の噴射口8と連通している。このため、図2(A)中の斜めの矢印で示すように、給水管9から中空部6に供給された冷却水Wは、上記隙間7を経て噴射口8から斜め下向きに水膜状に噴射される。
【0017】
一方、図1(B),図2(B)に示すように、開閉弁Vを含む短辺用給水管16から短辺鋳型10における中空部12に供給された冷却水Wは、噴射口15から斜め下向き水膜状にして噴射される。
即ち、図2(A),(B)に示すように、長辺・短辺鋳型2,10に囲まれた平面視がほぼ長方形のキャビティCにアルミニウムの溶湯mを注下すると、係る溶湯mは、キャビティCの下部に予め下側から進入していた下型3と長辺・短辺鋳型2,10との間で、これらに接して冷却される周囲から徐々に凝固し始める。
引き続いて、アルミニウムの溶湯mをキャビティC注下すると、長辺・短辺鋳型2,10により冷却されて凝固した周囲の部分は、断面ほぼ長方形のアルミニウムスラブMとなって下型3と共に降下する。係るスラブMは、長辺・短辺鋳型2,10から下側に抜け出た直後に、これらの噴射口8,15から斜め下向きに噴射された冷却水Wによって、更に冷却される。
【0018】
ところで、短辺鋳型10の両端に位置する前記密着片11からは、冷却水が噴射されないため、上記スラブMのコーナ付近が冷却されなくなる。
このため、図3(A)に示すように、短辺鋳型10の密着片11,11付近から冷却水wを噴射すべく、係る短辺鋳型10の下方にコーナ用給水管24が配置される。係る給水管24は、図1(B)および図3(A)に示すように、途中に開閉弁vを設置し、T字形継手23および左右一対の枝管22を経て、短辺鋳型10における両端部の下方に水平に配管される送水管20,20に連通している。
上記コーナ用給水管24は、前記長辺・短辺用給水管9,16とは別系統にされている。尚、上記給水管24、T字形継手23、一対の枝管22、および送水管20は、それらの上方に位置する短辺鋳型10と連動して移動可能とされている。また、上記送水管20の先端には、図示しないノズルを配置しても良い。
【0019】
従って、コーナ用給水管24から供給された冷却水wは、図3(A)に示すように、送水管20,20の先端から前記アルミニウムスラブMのコーナ付近に噴射される。そして、図3(B)に示すように、短辺鋳型10の噴射口15の全長に沿って噴射される前記冷却水Wと上記冷却水w,wとを併用すると、前記スラブMのコーナ付近をもほぼ均一に冷却することができる。
尚、図3(C)に示すように、先端寄りの部分が前記スラブMのコーナ側に傾斜した送水管21を短辺鋳型10の両端部に対称に貫通させ、且つその先端の図示しないノズルから冷却水w,wをほぼ円錐形状に噴射するようにしても良い。
【0020】
以下において、前記長辺・短辺用給水管9,16とコーナ用給水管24を含む連続鋳造鋳型1を用いたアルミニウムスラブの連続鋳造方法について説明する。図4(A)は、上記連続鋳造方法の初期鋳造工程におけるアルミニウムスラブMの冷却状態を示す水平断面図(概略図)である。
前記図2(A),(B)で示したように、長辺・短辺鋳型2,10に囲まれ且つ周囲から徐々に凝固し始めた薄い直方体形状のアルミニウムスラブMは、図4(A)に示すように、長辺・短辺鋳型2,10の下側に抜け出た直後に、その一対の長辺側面m1、短辺側面m2、および四隅のコーナ付近mcからなる全周面に、冷却水W,wがほぼ均一に噴射される。
【0021】
即ち、図4(A)に示すように、上記スラブMの長辺側面m1,m1には、前記長辺用給水管9から供給され且つ長辺鋳型2の噴射口8から噴射された冷却水Wが噴射される。また、上記スラブMの短辺側面m2,m2の両端部を除いた大部分には、前記短辺用給水管16から供給され且つ短辺鋳型10の噴射口15から噴射された冷却水Wが噴射される。更に、前記コーナ用給水管24から供給され且つ短辺鋳型10両端の送水管20(21)から放水される冷却水wが、上記スラブMのコーナmcの一辺である短辺側面m2,m2の両端部に隣接する部位に、噴射される。尚、冷却水wは、送水管20(21)から断続的に噴射しても良い。
【0022】
係る初期鋳造工程では、予め長辺用給水管9および短辺用給水管16途中の前記開閉弁Vや、コーナ用給水管24途中の前記開閉弁vは開放されている。
従って、初期鋳造工程では、上記スラブMの全周面が冷却水W,wにより、ほぼ均一且つ強制的に冷却されるため、当該スラブMは、その全周面に所要の厚みを有する凝固部分が形成され、ほぼ直方体の鋳造材として形づけられる。
鋳造方向が薄い直方体形状のアルミニウムスラブMとして下型3と共に一定高さまで降下した後の定常鋳造工程に至った際には、コーナ用給水管24途中の開閉弁vを閉鎖する。一方、前記長辺用給水管9および短辺用給水管16途中の前記開閉弁Vは、開放状態のまま維持する。尚、係る開閉弁V,vの開閉操作は、手動の他、センサやプログラムを含む自動制御によっても行うことができる。
【0023】
その結果、係る定常鋳造工程では、図4(B)に示すように、上記スラブMの長辺側面m1には、長辺鋳型2の噴射口8から冷却水Wが噴射され、上記スラブMの短辺側面m2の両端部を除いた大部分には、短辺鋳型10の噴射口15から冷却水Wが噴射される。しかし、開閉弁vが閉鎖されたため、短辺鋳型10両端の送水管20(21)からは、冷却水wが噴射されない。
この結果、定常鋳造工程では、前記スラブMの各コーナmc付近の一辺(一部)に冷却水wが噴射されないため、各コーナmc付近における凝固組織の冷却が強過ぎ(冷却速度が速過ぎ)にならない。従って、コーナ付近mcの凝固組織が破れて内部のアルミニウム溶湯mが外部に漏れ出る事態を確実に防ぐことができる。
【0024】
本発明は、以上において説明した形態に限定されるものではない。
例えば、前記送水管20,21の先端は、短辺鋳型10の両端に固定された密着片11の直下におけるキャビティC側の表面に開口しても良い。あるいは、係る送水管20,21の先端側を2分割以上に分割して、それらの先端を短辺鋳型10の鋳型本体12の両端部および密着片11の下方におけるキャビティC側の表面に開口させても良い。
また、長辺・短辺鋳型2,10の噴射口は、前記スリット状の噴射口8,15に限らず、多数の細孔を長辺・短辺鋳型2,10の長手方向に沿って連設した形態としても良い。
【0025】
更に、長辺鋳型2の噴射口8を部分的に塞ぎ且つその長手方向に沿ってスライド可能な冷却水噴射遮蔽体を前記隙間7に挿入し、前記定常鋳造工程において、前記スラブMの各コーナmc付近の両辺に、冷却水W,wが掛からないようにすることも可能である。尚、上記冷却水噴射遮蔽体の取手は、噴射口8を貫通し且つその下側に位置しており、前記初期鋳造工程では、長辺鋳型2の鋳型本体4の端部4a側に配置され、噴射口8からの冷却水Wの噴射の支障にはならない。
尚、本発明に用いる鋳型は、前記幅可変鋳型に限らず、長辺・短辺鋳型が所定の位置に固定された四角枠形状の連続鋳造鋳型も含まれる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の連続鋳造方法(請求項1)によれば、初期鋳造工程では前記スラブの全周面が冷却水によりほぼ均一に冷却され、コーナ付近の凝固組織が破れて内部のアルミニウム溶湯が外部に漏れる事態を確実に防ぐことができる。しかも、定常鋳造工程では、当該スラブのコーナ付近を除いた長辺・短辺側面に冷却水が噴射されるため、冷却が強過ぎにならず、クビレや反りのないスラブを確実に連続鋳造することができる。
また、請求項2の連続鋳造方法によれば、溶湯の漏れを生じることなく、クビレや反りのない前記スラブを一層確実に連続鋳造することができる。
一方、の連続鋳造鋳型(請求項3,4)によれば、上記連続鋳造方法を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の連続鋳造鋳型を示す平面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図。
【図2】(A)は図1(A)中の2A−2A線に沿った矢視における拡大断面図、(B)は(A)中の2B−2B線に沿った矢視における拡大断面図。
【図3】(A)は上記連続鋳造鋳型の短辺鋳型を示す平面図、(B)はその使用状態を示す概略図、(C)は上記短辺鋳型の変形形態を示す平面図。
【図4】 (A)は本発明の連続鋳造方法における初期鋳造工程を示す概略図、(B)はその定常鋳造工程を示す概略図。
【図5】(A),(B)は従来のアルミニウムスラブの半連続鋳造方法を示す概略図。
【符号の説明】
1………幅可変鋳型(連続鋳造鋳型)、 2………長辺鋳型、
9………長辺用給水管、 10……短辺鋳型、
16……短辺用給水管、 24……コーナ用給水管、
V,v…開閉弁、 M………アルミニウムスラブ、
m1……長辺側面、 m2……短辺側面、
mc……コーナ付近、 W,w…冷却水

Claims (4)

  1. アルミニウムスラブを連続鋳造するに際し、
    鋳造開始から定常状態に至るまでの初期鋳造工程では、連続鋳造鋳型の下方に降下する鋳造されたアルミニウムスラブの全周面に冷却水がほぼ均一に掛かるように冷却水を噴射して冷却し、
    定常状態に至った後の定常鋳造工程では、上記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部を除いた長辺・短辺側面に冷却水を噴射して冷却する、
    ことを特徴とするアルミニウムスラブの連続鋳造方法。
  2. 前記初期鋳造工程における前記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部を除いた長辺・短辺側面に行う冷却水の噴射は、断続的な噴射である、ことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウムスラブの連続鋳造方法。
  3. 請求項1または2のアルミニウムスラブの連続鋳造方法に用いられるアルミニウムスラブの連続鋳造鋳型であって、
    前記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部に噴射される冷却水を供給するコーナ用給水管と、係るコーナ付近またはその一部を除いた長辺・短辺側面に噴射される冷却水を供給する長辺・短辺用給水管とを含み、
    上記コーナ用給水管と長辺・短辺用給水管とが互いに相違すると共に、
    上記コーナ用給水管および長辺・短辺用給水管には、専用の開閉弁が個別に設置されている、ことを特徴とするアルミニウムスラブの連続鋳造鋳型。
  4. 前記長辺・短辺用給水管から前記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部を除いた長辺・短辺側面に噴射される冷却水は、ほぼ平行な一対の長辺鋳型と係る長辺鋳型の両端部間に接離可能に配置される一対の短辺鋳型とのキャビティ側面の下隅部のほぼ全長から、上記長辺・短辺側面に噴射されると共に、
    前記コーナ用給水管から上記アルミニウムスラブのコーナ付近またはその一部に噴射される冷却水は、上記一対の短辺鋳型におけるキャビティ側面の両端部付近から、上記コーナ付近またはその一部に噴射される、
    ことを特徴とする請求項3に記載のアルミニウムスラブの連続鋳造鋳型。
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