JP3988488B2 - フォトニック結晶を用いた光スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトニック結晶を用いた光スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォトニック結晶とは、誘電率の異なる2種類もしくはそれ以上の材料を光の波長程度の間隔で周期的に配列させてなる多次元周期構造であり、光の制御性を飛躍的に高めることができるという期待から次世代の光技術として精力的に研究開発が進められている。
【0003】
例えば、2次元周期構造を有するフォトニック結晶を用いた光スイッチが特開平10−90634号公報に記載されている。この光スイッチは、図17に示すように、フォトニック結晶1’に入射した光線(=入射光線)がフォトニック結晶を透過するON状態(透過)と入射光線の透過を阻止するOFF状態(反射)とを切り替えるためのものである。
【0004】
すなわち、2本の光ファイバ12a,12bから提供される光線は、コリメータレンズ14a,14bおよび偏光子15a,15bを介してフォトニック結晶1’に入射する。この光スイッチは、円偏光子22を介してフォトニック結晶1’へ制御光21を照射する手段を備えており、制御光21の照射によってフォトニック結晶1’のフォトニックバンド構造を変化させ、上記したON/OFF状態を切り替える仕組みになっている。ON状態においてフォトニック結晶1’を通過した透過光は、偏光子16a,16bを介して出力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記した光スイッチは、フォトニック結晶を入射光が透過するON状態と入射光がフォトニック結晶によって反射されるOFF状態とを切り替えることを目的としたものであるので、出力として透過光の有無を提供するにすぎない。これは、光スイッチの利用分野を狭めてしまう。
【0006】
一方、フォトニック結晶に入射する光線を偏向して、フォトニック結晶から提供される透過光の方向を制御できれば、入射光を受ける入力端と、各々がフォトニック結晶からの透過光を提供することができる複数の出力端とを有するフォトニック結晶を用いた新規の光学スイッチを実現できる可能性がある。そのような新しい光学スイッチによれば、入射光の偏向を制御することによって出力端の所望の一つから透過光を出力することができるので、この種の光学スイッチは広範な用途に使用されるだろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明の目的とするところは、フォトニック結晶の1側に入射した光線を制御された角度で偏向させ、所望の方向を有する透過光線をフォトニック結晶の他側から出力することができる小型光線偏向装置を用いた光スイッチを提供することにある。
【0008】
すなわち、この光スイッチは、入射される光線の波長とは異なるフォトニックバンドギャップ波長を有するように設計されるフォトニック結晶と、フォトニック結晶にエネルギーを印加し、フォトニック結晶の入射側に入射した光線を偏向させ、前記光線に対して所望の角度をなす透過光線をフォトニック結晶の前記入射側以外の他側から提供するための偏向制御手段とを具備してなる光線偏向装置を複数個配列させてなるマトリックス配列体と、前記マトリックス配列体の1側に設けられ、外部からの複数の光線を受けるための複数個の光入力端子と、前記マトリックス配列体の他側に設けられる複数個の光出力端子とを具備してなることを特徴とする
【0009】
フォトニック結晶が、屈折率の異なる少なくとも2種類の材料で構成される場合、上記制御手段は、前記エネルギーの印加によって前記材料間の屈折率の比を制御することが好ましい。あるいは、フォトニック結晶を構成する材料の少なくとも一方が電気光学材料である場合、制御手段は、エネルギーとしてフォトニック結晶に電界を印加することが好ましい。これらの場合は、前記エネルギーとして機械的な外力がフォトニック結晶に負荷されない。したがって、光線偏向装置を長期にわたって安定して作動させることができる。さらに、偏向制御手段が入射光線の偏向角を変えるため、フォトニック結晶に印加される電界の強さを電気的に制御する場合は、高速応答性を有する小型光線偏向装置を提供することができる。
【0010】
本発明によれば、光信号のクロストークを防止でき、高い伝送効率を確保することができる上記した光線偏向装置を用いた新規な光スイッチを提供することができる。
【0011】
また、フォトニック結晶を構成する材料の少なくとも一方は音響光学材料であり、上記制御手段は、エネルギーとして上記フォトニック結晶に超音波を印加することが好ましい。
【0012】
また、フォトニック結晶が半導体材料を含み、上記制御手段は、上記フォトニック結晶にキャリアを注入して屈折率を変化させることが好ましい。
【0013】
あるいは、フォトニック結晶が光屈折性材料を含み、上記制御手段は、上記フォトニック結晶に光を照射して屈折率を変化させることが好ましい
【0014】
本発明のさらなる目的および長所は、添付の図面を参照しながら、以下の発明の好ましい実施形態に基づいてより明確に理解されるだろう。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の光線偏向装置を用いた光スイッチを以下の好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
本発明に使用される光線偏向装置は、例えば、図1に示すように、入射される光線の波長とは異なるフォトニックバンドギャップ波長を有するように設計されるフォトニック結晶1と、このフォトニック結晶にエネルギーを印加し、フォトニック結晶の1側に入射した光線を偏向させ、入射光線5に対して所望の角度をなす透過光線をフォトニック結晶の他側から提供するための偏向制御手段4とを具備してなる。
【0017】
本発明に使用されるフォトニック結晶1は、誘電率の異なる少なくとも2種類の材料を光の波長程度の間隔で周期的に配列させてなる多次元周期構造である。換言すれば、フォトニック結晶1は、屈折率の異なる少なくとも2種類の物質からなり、フォトニック結晶への入射光の波長の2分の1程度の周期となるようにこれらの物質を配列させ、そのフォトニックバンド構造によって入射光に対する透過光の角度が決まる人工の周期もしくは準周期構造である。
【0018】
上記した光線偏向装置においては、例えば、図2(a)に示すフォトニック結晶1を使用することができる。このフォトニック結晶1は、第1材料でなる円柱体1dを所定周期で配列させた2次元周期構造体でなる。この場合、隣接する円柱体1dの間の空間には、第1材料とは誘電率が異なる第2材料が充填される。第2材料を空気としても良い。一方、図2(b)に示すフォトニック結晶1を用いても良い。このフォトニック結晶は、第2材料が固体材料であり、第1材料が空気であることを除いて実質的に図2(a)の構造と同じである。すなわち、図2(b)のフォトニック結晶は、第2材料でなる直方体と、この直方体中に所定周期で設けた複数の円柱状空隙1eとで構成される。
【0019】
また、図2(c)に示すフォトニック結晶1を使用することができる。このフォトニック結晶は、第1材料でなる微細な球体1cを所定の周期で3次元に配列させることにより得られる3次元周期構造である。この構造は、人工オパール構造とも呼ばれている。この場合、隣接する球体1c間には、第1材料とは誘電率が異なる第2材料が充填される。第2材料を空気としても良い。一方、図2(d)に示すフォトニック結晶1を用いても良い。このフォトニック結晶1は、第2材料が固体材料であり、第1材料が空気であることを除いて実質的に図2(c)の構造と同じである。すなわち、図2(d)のフォトニック結晶は、第2材料でなる立方体と、この立方体中に所定周期で設けた複数の球状空隙1hとで構成される。この構造は、反転オパール構造とも呼ばている。
【0020】
さらに、図2(e)に示すフォトニック結晶1を使用することができる。このフォトニック結晶は、六角形凹部(図示せず)が所定間隔で周期的に形成されているハニカム表面を有する基板(例えば、シリコン基板)10と、このハニカム表面に積層される所定数の薄膜とでなる人工積層構造である。薄膜の各々は、第1材料(例えば、アモルファスSi)からなる下層1aと、第2材料(例えば、SiO2)からなる上層1bとでなる。このように、基板10のハニカム表面には六角形凹部の2次元周期構造が設けられ、さらに基板10の高さ方向には下層1aと上層1bの互い違い配列による周期構造が設けられるので、これらは、全体として3次元周期構造を形成する。
【0021】
尚、本発明に使用される光線偏向装置用フォトニック結晶は、上記したフォトニック結晶に限定されない。他の構造を有する従来周知のフォトニック結晶や新規な構造を有するフォトニック結晶を光線偏向装置に用いることができる。
【0022】
上記した光線偏向装置に使用されるフォトニック結晶1は、フォトニック結晶に入射される光線(=入射光線5)の波長が、フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップ波長と異なるように設計される。したがって、予め使用する入射光線の波長が決定されれば、その波長とは異なるフォトニックバンドギャップ波長を有するようにフォトニック結晶の材料および構造が設計される。反対に、フォトニック結晶の材料や構造が予め決定されれば、入射光線としてはそのフォトニック結晶のフォトニックバンドギャップ波長とは異なる波長を有する光線が入射光線として使用される。仮に、フォトニックバンドギャップ波長を有する光線をフォトニック結晶の表面に入射させても、フォトニック結晶の他の表面から透過光は得られない。換言すれば、フォトニックバンドギャップ波長に等しい波長を有する入射光線は、フォトニック結晶の表面で反射し、フォトニック結晶を透過することができない。したがって、フォトニックバンドギャップ波長と異なる波長の光線をフォトニック結晶に入射させれば、フォトニック結晶から透過光を得ることができるのである。
【0023】
ところで、フォトニック結晶に固有の光学特性として、フォトニック結晶に入射される光線の波長がほんの1%変化すると、フォトニック結晶に入射した光線の屈折角が約50度も大きくなることが知られている。この現象は、1999年に発見され、スーパープリズム効果と呼ばれている。この現象は、入射光線の波長の微小変化がもたらすフォトニック分散面形状の大きな変化によって生じる。すなわち、その波長を1%程度変化させると、入射光線は異なる分散面を通過し、結果として入射光線の大きな偏向が得られる。しかしながら、フォトニック結晶を光スイッチのような光学装置に使用する場合は、特定の波長を有する入射光線を所望の角度で屈折させて出力光(すなわち、透過光)を提供することが必要になってくる。本発明は、この要請に以下に詳述する偏向制御手段によって対処している。
【0024】
これまで述べたように、本発明は、フォトニック結晶にそのフォトニックバンドギャップ波長以外の波長を有する入射光線を提供することによって、入射光線をフォトニック結晶から反射させることなく、フォトニック結晶内を透過させることを前提としている。この前提において、本発明の特徴は、フォトニック結晶の1側に入射させた入射光線を、フォトニック結晶にエネルギーを印加して偏向させ、入射光線に対して所望の角度をなす透過光線をフォトニック結晶の他面から提供する点にある。
【0025】
以下に、本発明の偏向制御手段の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0026】
本発明の偏向制御手段4は、フォトニック結晶1にエネルギーを印加してフォトニックバンド構造を変化させ、フォトニック結晶に入射した光線の光路(もしくは、偏向角)を変えるものである。偏向制御手段4を作動させることなく、特定の波長の入射光線をフォトニック結晶の1側に提供する場合、図3(a)や図4(a)において実線で示される光路Aに沿って入射光線5は伝搬し、フォトニック結晶の反対側の第1ポジションから透過光が出力される。この場合は、点線で示される光路Bに沿って入射光線は伝搬されない。次に、偏向制御手段4を作動させてフォトニック結晶のフォトニックバンド構造を変化させると、図3(b)や図4(b)において実線で示される光路Bに沿って入射光線が伝搬し、フォトニック結晶の反対側の第2ポジションから透過光が出力される。この場合は、点線で示される光路Aに沿って入射光線は伝搬されない。
【0027】
換言すれば、フォトニック結晶内を伝搬する光線の波長がある規定波長を有する場合、光線はフォトニック分散面のポテンシャル勾配の方向に進行する。したがって、フォトニック結晶1の周期構造の周期、もしくはフォトニック結晶1を構成する2つの物質の屈折率比を偏向制御手段により変化させれば、フォトニック分散面が変化してフォトニック結晶内を伝搬する光線は偏向される。
【0028】
フォトニック結晶1が屈折率の異なる少なくとも2種類の材料で構成される場合、偏向制御手段は、フォトニック結晶へのエネルギーの印加によって材料間の屈折率の比を変化させ、それにより入射光線に対して所望の角度をなす透過光線をフォトニック結晶から提供する。また、材料の少なくとも一方が電気光学材料でなる場合、偏向制御手段4は、エネルギーとしてフォトニック結晶に電界(光による電界を含む)を印加することが好ましい。
【0029】
例えば、図1(a)および図1(b)に示すように、偏向制御手段4は、フォトニック結晶1の対向する両側に配置された一対の平板電極50と、電極間に電圧を供給する電源(図示せず)と、電圧コントローラ(図示せず)とを含む。図中、番号41は、フォトニック結晶1および電極50を支持する支持体である。電極50および支持体41は入射光5に対して透明な材料により構成することが好ましい。
【0030】
フォトニック結晶1に使用される電気光学材料としては、電界強度に比例して屈折率が変化するポッケルス効果や、電界強度の2乗に比例して屈折率が変化する光カー効果(三次非線形光学効果)などの非線形光学効果を有する材料を使用することができる。例えば、ポッケルス係数が1×10-12〜1000×10-12m/Vの材料を用いことが望ましく、そのような電気光学材料としては、KH2PO4、KDS2PO4、NH42PO4、RbH2PO4、CsD2AsO4(DCDA)、BaTiO3、Ba1-xSrxTiO3、KNbO3、LiNbO3、KTiOPO4(KTP)、KTiOAsO4(KTA)、PbxLa1-x(TiyZr1-y)O3(PLZT)等がある。
【0031】
上記した偏向制御手段4によれば、電極50間に電圧を印加することでフォトニック結晶1に電界が印加される。印加された電界は、フォトニック結晶1を構成している2つの物質の屈折率の比を変化させ、結果としてフォトニック結晶のフォトニックバンド構造に変化をもたらす。本実施形態の偏向制御手段は4、上記屈折率比を0.1〜1%程度の大きさで変化させることができる。
【0032】
上記したように、本実施形態の偏向制御装置4は、フォトニック結晶1に印加される電界を制御することによってフォトニック結晶1の屈折率比を変化させる。屈折率比のこの変化は、フォトニック分散面の変化をもたらし、結果として入射光5の偏向角の制御が可能となる。このように、電極50間に印加する電圧の調節により偏向角が制御されるので、光線偏向装置の応答速度を高めることができる。また、本実施形態の偏向制御手段は、フォトニック結晶1に機械的な応力を負荷しないので、装置の信頼性を長期わたって維持しやすいという長所もある。
【0033】
本発明の偏向制御手段の別の実施形態として、フォトニック結晶1を構成する材料の少なくとも一つが音響光学材料である場合、偏向制御手段4はエネルギーとしてフォトニック結晶に超音波を印加することが好ましい。
【0034】
図5に示すように、この偏向制御手段4は、フォトニック結晶1に超音波を印加するための超音波印加手段52を具備する。例えば、超音波印加手段52は、超音波振動子(例えば、圧電素子など)を用いたトランスデューサと、このトランスデューサへ駆動電圧を供給する電源(図示せず)とを含んでなる。音響光学材料は、フォトニック結晶1に入射される光線の波長に応じて、HgS、Tl3AsS4、Ge、Te、ZnTe、Pb5Ge311のような材料から選択することができる。本実施形態の偏向制御手段は、上記屈折率比を0.1〜1%程度の大きさで変化させることができる。
【0035】
上記した偏向制御手段によれば、フォトニック結晶1に印加された超音波でフォトニック結晶の屈折率の周期的変化が誘発され、その結果、音子(フォノン)による光子(フォトン)の散乱(ブリルアン散乱)によって光が回折される。すなわち、超音波の印加によって屈折率の比を変化させると、結果的にフォトニックバンド構造に変化が生じるのである。超音波の周波数を調節することにより、フォトニック結晶に入射した光線の偏向角が制御されるので、比較的高い周波数まで応答する光線偏向装置を提供することができる。また、本実施形態の偏向制御手段は、フォトニック結晶1に機械的な応力を負荷しないので、装置の信頼性を長期わたって維持しやすいという長所もある。
【0036】
本発明の偏向制御手段の別の実施形態として、偏向制御手段4は、フォトニック結晶1の寸法変化を得るため、エネルギーとして外力をフォトニック結晶1に印加する外力印加手段を含むものであってもよい。例えば、外力印加手段は、フォトニック結晶に隣接して配置される圧電材料を含む。この場合は、圧電材料の使用によりフォトニック結晶の寸法を直接的に且つ均一に変化させることができるので、光線偏向装置の動作信頼性を高めることができる。
【0037】
例えば、図6(a)に示すように,偏向制御手段4を作動させない場合、フォトニック結晶は寸法H1、H2を有する。この時、フォトニック結晶の1側に入射した光線は、フォトニック結晶内を光路Aに沿って伝播し、フォトニック結晶の他側の第1ポジションから出力される。一方、図6(b)に示すように、偏向制御手段4を作動させる場合、フォトニック結晶寸法H1、H2は寸法H1’(>H1)、H2’(>H2)にそれぞれ変化する。このフォトニック結晶の寸法変化は、フォトニックバンド構造を変化させ、結果としてフォトニック結晶を構成する物質の屈折率の比を変化させる。したがって、フォトニック結晶の1側に入射した光線は、フォトニック結晶内を光路Bに沿って伝播し、フォトニック結晶の他側の第2ポジションから出力される。
【0038】
例えば、本実施形態の偏向制御装置4は、図7に示すように、フォトニック結晶の1側に配置される圧電材料42と、圧電材料の両面に配置される一対の電極43a,43bと、電極間に電圧を供給する電源と、電圧コントローラ(図示せず)とで主に構成され、電極43aが圧電材料42とフォトニック結晶1の間に配置される。図中、番号41は、フォトニック結晶1および圧電材料42を内部に収納するための支持体である。圧電材料42、電極43a,43bおよび支持体41は、入射光線5に対して透明な材料によって形成されることが好ましい。
【0039】
圧電材料42(ピエゾ材料)としては、例えば、Pb(Zr0.52,Ti0.48)O3のようなPZTセラミックスを用いることができる。尚、このPZTセラミックスは、−400×10-12〜1000×10-12m/Vの圧電定数を有することが好ましい。一例として、圧電材料として厚さ10mmのPZTセラミックスを用い、電極43a,43b間に電圧を印加して圧電材料42に1000V/mmの電界を印加すると、圧電材料42の厚み寸法が5μm程度変化する。ここで、フォトニック結晶1の厚みを5mmとすれば、その厚み寸法(H)は0.1%程度変化することになる。これは、フォトニック結晶1の周期を変化させるのに十分である。
【0040】
上記した偏向制御手段4においては、圧電素子42の厚み方向への伸縮を利用してフォトニック結晶1の寸法(=フォトニック結晶1の周期)を変化させる。圧電材料42の厚み方向における伸縮量は、電圧コントローラによって制御することができる。すなわち、両電極43a,43b間に電圧を印加しないで、所定波長の光線をフォトニック結晶に入射させると、図7の実線の矢印Aで示される第1光路に沿って、光線はフォトニック結晶1を透過する。一方、電極43a,43b間に電圧を印加すると、圧電材料42は、図7の複数個の矢印Cによって示されるようにフォトニック結晶1に圧縮応力を及ぼし、それによりフォトニックバンド構造が変化する。結果として、フォトニック結晶に入射した光線は偏向され、図7の破線の矢印Bで示される第2光路に沿ってフォトニック結晶を透過する。
【0041】
換言すれば、フォトニック結晶1に入射した光線が規定波長を有する場合、光線はフォトニック結晶1の波数空間でのバンドの等エネルギ面であるエネルギー分散面のポテンシャル勾配の方向に沿って伝播する。つまり、フォトニック結晶を伝搬する光はエネルギー分散面に交差する方向へ進行する。本実施形態では、フォトニック結晶1の周期の変化がフォトニック結晶を寸法変化させることによって得られ、その結果エネルギー分散面が変化(伸縮)し、入射光5が偏向される。
【0042】
このように、本実施形態における偏向制御手段4によれば、フォトニック結晶1の寸法変化量を調節することでフォトニック結晶に入射した光線の偏向角を制御することができる。また、圧電材料42を駆動することにより、フォトニック結晶の周期を高速で変化させることができるので、高速応答性を有する光線偏向装置を提供することが可能になる。さらに、従来周知の圧電素子を偏向制御手段に利用できるので、光線偏向装置のコストパフォーマンスの改善を図れるという長所もある。
【0043】
以下に、本発明の圧電材料を用いた偏向制御手段の変更例を紹介する。
【0044】
この偏向制御手段4は、図8に示すように、上面にフォトニック結晶1が形成される圧電材料製の基板47と、この基板の両側に配置される一対の電極48a,48bとを具備する。この場合は、圧電基板47の厚み方向における伸縮によってフォトニック結晶1の寸法変化がもたらされる。フォトニック結晶1を支持する基板と個別に圧電素子を設ける場合に比べ、本実施形態の偏向制御手段4は、さらに洗練された構造を有するとともに、優れたコストパフォーマンスを発揮する。尚、基板47および各電極48a,48bは入射光5に対して透明な材料により構成することが好ましい。
【0045】
一例として、5mmx5mmの正方形状のPZTセラミック製基板47を用い、電極48a,48bを介してこのPZTセラミック基板に2000V/mmの電界を印加すると、PZTセラミック基板47の厚み寸法が5μm程度変化する。この時、フォトニック結晶1の寸法は0.1%程度変化する。これは、フォトニック結晶1の周期を変化させるのに十分である。尚、本実施形態の偏向制御手段4は、図7の偏向制御手段と同様な手法により作動させることができる。
【0046】
本発明の別の実施形態に基づく偏向制御手段として、外力印加手段は、フォトニック結晶の両側に配置される一対の電磁石を含むことが好ましい。この場合は、電磁石間に発生する引力によってフォトニック結晶に機械的応力が印加される。
【0047】
例えば、本実施形態の制御手段は、図9に示すように、フォトニック結晶の両側に配置された一対の電磁石46a,46bと、電磁石のコイルへ電流を供給するための電源(図示せず)と、電流コントローラ(図示せず)とを具備してなる。この場合は、電磁石への通電によって発生する吸引力によりフォトニック結晶を寸法変化させている。したがって、電磁石の吸引力の大きさを調節すれば入射光線の偏向角を制御することができる。
【0048】
上記した偏向制御手段4によれば、電磁石46a,46bを励磁させることにより電磁石間の距離が小さくなるので、フォトニック結晶1は圧縮応力を受ける。この圧縮応力は、フォトニック結晶1に寸法変化をもたらし、結果としてフォトニック結晶1の周期が変化する。すなわち、電磁石46a,46bを励磁させないで所定波長の光線をフォトニック結晶に入射させると、光線は図9の実線の矢印Aで示される第1光路に沿ってフォトニック結晶を透過する。一方、電磁石を励磁させると、電磁石がフォトニック結晶1に圧縮応力を提供し、結果としてフォトニック結晶に入射した光線は偏向され、図9の破線の矢印Bで示される第2光路に沿ってフォトニック結晶を透過する。
【0049】
このように、本実施形態では、電磁石46a,46bへの通電量を調節することによりフォトニック結晶1の寸法変化を制御し、フォトニック結晶に入射した光線の所望の偏向角を提供するので、高速応答性を有する小型光線偏向装置を実現することができる。
【0050】
本発明のさらに別の実施形態として、偏向制御手段4は、上記フォトニック結晶を加熱する加熱手段と、上記フォトニック結晶の温度を変化させ、フォトニック結晶内に熱応力を発生させる加熱制御手段とを含むことが好ましい。
【0051】
例えば、この偏向制御手段4は、図10に示すように、フォトニック結晶1の両側に配置された一対のヒータ49と、これらのヒータに電流を供給するための電源と、電流コントローラ(図示せず)とを具備する。尚、ヒータ49は入射光5に対して透明な材料により形成することが好ましい。
【0052】
本実施形態では、フォトニック結晶1を構成する2つの材料は、比較的大きな線膨張係数を有する材料であることが好ましい。例えば、これらの材料として、ポリエチレン(線膨張係数:100×10-6〜200×10-6/K)とアクリル(線膨張係数:80×10-6/K程度)とを用いてもよい。この場合は、ヒータ49へ通電することにより、フォトニック結晶1に熱膨張がもたらされ、結果としてフォトニック結晶の寸法変化が生じる。したがって、ヒータへの通電量を調節すれば、フォトニック結晶内における入射光線の偏向角を制御することができる。このように、本実施形態では、外部から機械的な力をフォトニック結晶に負荷する代りに、フォトニック結晶自体の熱膨張によってフォトニック結晶の寸法を直接的に変化させている。
【0053】
例えば、フォトニック結晶1に入射した光線を偏向するために、フォトニック結晶1の寸法を0.1〜1%変化させる必要がある場合、ヒータ49によりフォトニック結晶1の温度を12.5〜125K程度上昇させることが好ましい。結果として生じたフォトニック結晶の熱膨張がそのフォトニックバンド構造を変化させる。
【0054】
尚、変更例として、フォトニック結晶に接触するように配置される高熱膨張率を有する材料でなる外力印加部材と、外力印加部材を加熱するためのヒーターと、ヒーターへ電流を供給するための電源、および電流コントローラとで上記偏向制御手段を構成してもよい。この場合は、加熱された外力印加部材の熱膨張によって、外力印加部材の体積増加がもたらされ、結果としてフォトニック結晶を寸法変化させることができる。したがって、外力印加部材の加熱温度を調節すれば、フォトニック結晶に入射した光線の偏向角を制御することができる。
【0055】
本発明の偏向制御手段4のさらに別の好ましい実施形態として、図11に示すような外力印加手段を使用しても良い。すなわち、この外力印加手段は、フォトニック結晶1に当接するように配置される押圧板44と、フォトニック結晶に圧縮応力を提供するため押圧板44をフォトニック結晶に向かって移動させる駆動手段45と、フォトニック結晶1、押圧板44および駆動手段45が内部に収容される支持体41とを具備する。この場合は、フォトニック結晶に向かう押圧板44の移動によりフォトニック結晶1を寸法変化させている。駆動手段45としては、空気圧、水圧、油圧などにより制御されるピストンなどの周知の加圧手段を用いることができる。また、押圧板44、駆動手段45および支持体41は、入射光5に対して透明な材料により形成することが好ましい。
【0056】
上記した偏向制御手段4において、駆動手段45を作動させないで所定波長の光線をフォトニック結晶に入射させると、図11の実線の矢印Aで示される第1光路に沿って光線はフォトニック結晶を透過する。一方、駆動手段45を作動させると、図11の複数の矢印Cに示されるように、押圧板44がフォトニック結晶1に圧縮応力を及ぼし、フォトニックバンド構造を変化させる。結果として、フォトニック結晶に入射した光線は偏向され、図11の破線の矢印Bで示される第2光路に沿ってフォトニック結晶を通過する。したがって、押圧板44の移動量、もしくは押圧板44を介してフォトニック結晶1に負荷される外力の大きさを調節することにより、フォトニック結晶に入射した光線の偏向角を制御することができる。
【0057】
本発明の偏向制御手段の別の好ましい実施形態として、フォトニック結晶がSi、GaAsのような半導体材料を含む場合、偏向制御手段は、フォトニック結晶にキャリアを注入して屈折率を変化させることが好ましい。
【0058】
例えば、この偏向制御手段4は、図12に示すように、フォトニック結晶に電子などのキャリアを注入するための電気回路60を具備する。この場合、フォトニック結晶のフォトニックバンド構造は、フォトニック結晶へのキャリア注入量に応じて変化する。したがって、電気回路60を流れる電流の量、すなわち、フォトニック結晶1へのキャリア注入量を調節すれば、フォトニック結晶に入射した光線の偏向角を制御することができる。
【0059】
本実施例においては、SiやGeのような集積回路によく用いられる元素をフォトニック結晶の構成材料として使用するので、フォトニック結晶を用いた光線偏向装置を製造するにあたって既存の半導体製造ラインを利用できるとともに、集積化も容易になるという長所がある。また、ns〜psオーダーの高スイッチング速度を有する光線偏向装置の実現が可能になる。
【0060】
本発明の偏向制御手段のさらに別の実施形態として、フォトニック結晶が光屈折性材料を含む場合、偏向制御手段は、フォトニック結晶に光を照射して屈折率を変化させることが好ましい。
【0061】
例えば、図13に示すように、この偏向制御手段4は、フォトニック結晶1に光を照射するための光照射手段(図示せず)を具備する。この場合、フォトニック結晶のフォトニックバンド構造は、フォトニック結晶に照射される光量に応じて変化する。したがって、この照射光量を調節すれば、フォトニック結晶に入射した光線の偏向角を制御することができる。光の照射は、上方もしくは側方からフォトニック結晶1に照射されれば良い。あるいは、フォトニック結晶に隣接して設けた導波管62を介して光(矢印C)をフォトニック結晶に照射しても良い。本実施形態の光線偏向装置は、ns〜psオーダーのスイッチング速度を提供できると共に、全光パケット交換型ネットワークにも対応可能である。
【0062】
上記した種々の偏向制御手段4の各々において、フォトニック結晶1は、図14に示すように、上記光線が入射する入射位置と透過光線が提供される出射位置との間の直線距離が実質的に同じである少なくとも2つの光学経路を提供する形状であることが好ましい。光学経路の長さを一定とすることで、位相のずれを防止することができる。図14においては、2本の矢印で示される光路が一定の長さを有するように、フォトニック結晶のコーナー部が除去されている。また、偏向制御手段4としては、上記した光照射手段により導波管62を介して光(矢印C)がフォトニック結晶1に照射される。
【0063】
上記した光線偏向装置を用いた光スイッチは、フォトニック結晶の入射側に設けられ、それを介して光線がフォトニック結晶に供給される光入力端子と、フォトニック結晶の前記入射側以外の他側に設けられ、透過光線が選択的に出力される複数の光出力端子とを具備してなる。
【0064】
光スイッチの一例を図15に示す。光学スイッチの入力側には、光ファイバ12から提供される光線をフォトニック結晶1の一側へ入射させるロッドレンズのような単一の光入力端子2があり、光学スイッチの出力側には、各々がフォトニック結晶1の他端から対応する光ファイバ13a,13b,13cに透過光を提供するロッドレンズのような3つの光出力端子3a,3b,3cがある。偏向制御手段4は、フォトニック結晶1の上下端に配置されている。
【0065】
この光スイッチは、フォトニック結晶1のフォトニックバンド構造を制御することにより単一の光入力信号が入射したフォトニック結晶内の複数光路の一つから選択的に光出力信号を提供するものである。すなわち、図15(a)の場合は、矢印で示されるように、透過光は出力端子3aを介して対応する光ファイバ13aに出力される。したがって、残りの出力端子3b,3cから透過光線は出力されない。同様に、図15(b)の場合は、矢印で示されるように、透過光は出力端子3cを介して対応する光ファイバ13cに出力される。したがって、残りの出力端子3a,3bから透過光線は出力されない。さらに、図15(c)の場合は、矢印で示されるように、透過光は出力端子3bを介して対応する光ファイバ13bに出力される。したがって、残りの出力端子3a,3cから透過光線は出力されない。本実施形態の変更例として、光学出力端子の数は、2つ、もしくは3つ以上であってもよい。
【0066】
上記した光スイッチにおいては、フォトニック結晶内において入射光に対して異なる角度をなす複数光路を切り替えることが可能になる。また、導波路を利用した従来の光スイッチに比べ、比較的大きな偏向角を実現しながら、光スイッチの小型化を図ることができる。さらに、光信号のクロストークを防止でき、高い伝送効率を確保できるという効果もある。
【0067】
本発明の光スイッチ実施形態を図16に示す。図15の光スイッチは、1個のフォトニック結晶1を用い、光線の入射したフォトニック結晶内の複数光路の一つから選択的に出力信号を提供するものである。一方、本実施形態の光スイッチは、フォトニック結晶1のマトリックス配列を用い、複数の光入力信号から同時に複数の光出力信号を提供する。
【0068】
すなわち、この光スイッチは、図16に示すように、上記の光線偏向装置を複数個配列させてなるマトリックス配列体と、マトリックス配列体の1側に設けられ、外部からの複数の光線を受けるための複数個の光入力端子(図示せず)と、マトリックス配列体の他側に設けられる複数個の光出力端子(図示せず)とを具備してなる。これらのフォトニック結晶1は単一の基板10‘上に形成される。図16においては、マトリックス配列中に使用されたフォトニック結晶1の数は16(=4x4)であり、4入力端子および4出力端子がマトリックス配列体のそれぞれの側に設けられている。尚、フォトニック結晶の数、入力端子の数、出力端子の数は、適宜決定することができる。
【0069】
本実施形態の光スイッチによれば、マトリックス配列体中の各光線偏向装置のフォトニック結晶に入射した光線の偏向角が上記した偏向制御手段によって制御されるので、マトリックス配列体内において多くの光路を切り替えることにより同時に異なる複数の光出力信号を提供することできる。また、複数の偏向ミラーの可動手段を有する従来の光スイッチと比較して、スイッチ動作の信頼性向上を図ることができる。さらに、多くのフォトニック結晶1を単一の基板10‘上に形成することができるので、光スイッチの大幅な小型化を図ることができる。
【0070】
【発明の効果】
上記した本発明の好ましい実施形態から理解されるように、偏向制御手段は、フォトニックバンド構造を変化させてフォトニック結晶に入射した光線(=入射光線)を偏向させるので、入射光線に対して比較的大きな角度をなす透過光線を出力する小型光線偏向装置を提供することができる。また、異なる複数の偏向角を採用することにより、1つの入射光に対して複数の光路を設定できるので、光信号のクロストークを防止し、高い伝送効率を確保することができるフォトニック結晶を用いた新しい光スイッチを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)および(b)は、本発明の好ましい実施形態に基づく光線偏向装置の概略断面図をおよび概略斜視図である。
【図2】 (a)〜(e)は光線偏向装置に使用可能なフォトニック結晶の構造を示す斜視図である。
【図3】 (a)および(b)は、図2(c)のフォトニック結晶内の光路を示す斜視図である。
【図4】 (a)および(b)は、図2(e)のフォトニック結晶内の光路を示す斜視図である。
【図5】 本発明の別の好ましい実施形態に基づく、超音波を用いた光線偏向装置の概略斜視図である。
【図6】 (a)および(b)は、外力印加手段を含む光線偏向装置の動作を示す概略斜視図である。
【図7】 本発明の別の好ましい実施形態に基づく、圧電材料を用いた光線偏向装置の概略断面図である。
【図8】 図7の光線偏向装置の変更例を示す概略断面図である。
【図9】 本発明の別の好ましい実施形態に基づく、電磁石を用いた光線偏向装置の概略斜視図である。
【図10】 本発明の別の好ましい実施形態に基づく、加熱手段を用いた光線偏向装置の概略断面図である。
【図11】 本発明の別の好ましい実施形態に基づく、外力印加手段を用いた光線偏向装置の概略断面図である。
【図12】 本発明の別の好ましい実施形態に基づく、キャリア注入手段を用いた光線偏向装置の概略斜視図である。
【図13】 本発明の別の好ましい実施形態に基づく、光照射手段を用いた光線偏向装置の概略斜視図である。
【図14】 光線偏向装置に使用されるフォトニック結晶の好ましい構造を示す概略斜視図である。
【図15】 (a)〜(c)は、光線偏向装置を用いた光学スイッチの動作を示す概略断面図である。
【図16】 本発明のマトリックス型光学スイッチの平面図である。
【図17】 フォトニック結晶を用いた従来の光学スイッチの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 フォトニック結晶
4 偏向制御手段
5 入射光
41 支持体
50 平板電極

Claims (13)

  1. 入射される光線の波長とは異なるフォトニックバンドギャップ波長を有するように設計されるフォトニック結晶と、前記フォトニック結晶にエネルギーを印加し、前記フォトニック結晶の入射側に入射した光線を偏向させ、前記光線に対して所望の角度をなす透過光線を前記フォトニック結晶の前記入射側以外の他側から提供するための偏向制御手段とを具備してなる光線偏向装置を複数個配列させてなるマトリックス配列体と、前記マトリックス配列体の1側に設けられ、外部からの複数の光線を受けるための複数個の光入力端子と、前記マトリックス配列体の他側に設けられる複数個の光出力端子とを具備してなることを特徴とする光スイッチ
  2. 上記フォトニック結晶は、屈折率の異なる少なくとも2種類の材料で構成され、上記制御手段は、前記エネルギーの印加によって前記材料間の屈折率の比を制御することを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ
  3. 上記材料の少なくとも一方は電気光学材料であり、上記制御手段は、エネルギーとして上記フォトニック結晶に電界を印加することを特徴とする請求項2に記載の光スイッチ
  4. 上記材料の少なくとも一方は音響光学材料であり、上記制御手段は、エネルギーとして上記フォトニック結晶に超音波を印加することを特徴とする請求項2に記載の光スイッチ
  5. 上記フォトニック結晶が半導体材料を含み、上記制御手段は、上記フォトニック結晶にキャリアを注入して屈折率を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ
  6. 上記フォトニック結晶が光屈折性材料を含み、上記制御手段は、上記フォトニック結晶に光を照射して屈折率を変化させることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ
  7. 上記制御手段は、上記エネルギーを印加してフォトニック結晶を寸法変化させることを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ
  8. 上記制御手段は、エネルギーとして外力を上記フォトニック結晶に印加する外力印加手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の光スイッチ
  9. 上記外力印加手段は、フォトニック結晶に隣接して配置される圧電材料を含むことを特徴とする請求項8に記載の光スイッチ
  10. 上記外力印加手段は、フォトニック結晶の両側に配置される一対の電磁石を含み、前記電磁石間に発生する引力によってフォトニック結晶に機械的応力を印加することを特徴とする請求項8に記載の光スイッチ
  11. 上記外力印加手段は、フォトニック結晶の接触するように配置される高熱膨張率を有する材料、および前記材料を加熱する加熱手段とを含み、前記加熱手段によって加熱された前記材料の熱膨張によってフォトニック結晶に上記外力を印加することを特徴とする請求項8に記載の光スイッチ
  12. 上記制御手段は、上記フォトニック結晶を加熱する加熱手段と、上記フォトニック結晶の温度を変化させ、フォトニック結晶内に熱応力を発生させる加熱制御手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ
  13. 上記フォトニック結晶は、上記光線が入射する入射位置と上記透過光線が提供される出射位置との間の直線距離が実質的に同じである少なくとも2つの光学経路を提供する形状でなることを特徴とする請求項1乃至12に記載の光スイッチ
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