JP3987926B2 - 電子機器の装着具 - Google Patents

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丈和 加藤
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表示画面を有する電子機器を、その表示画面が使用者に見られる状態で使用者の身体に装着することのできる電子機器の装着具に関するものである。例えば、ウェラブルコンピュータなどを、使用者が身体に装着する場合に好適に利用可能な電子機器の装着具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や携帯情報端末、または無線通信機能を備えたパーソナルコンピュータに代表されるように、無線通信によって情報を取得し、表示装置で使用者に取得した情報を伝える電子機器が広く普及し始めている。
【0003】
この種の電子機器を身に付けた状態で閲覧及び操作するには、特許文献1に記載されている「着用コンピュータ」のように、また、特許文献2に記載されている「ウェアラブルコンピュータ用ベース」のように、電子機器を衣服の中に据え付ける方法が取られていた。
【0004】
電子機器を身につけた状態では閲覧及び操作せず、身につけて携行するだけの技術としては、特許文献3に記載のように、肩掛け式入れ物の肩紐部に袋状の物を取り付けたもの、また、特許文献3に記載の「肩掛け式携帯電話機保持具」のように、肩に掛けて、腰ベルト部で固定するものがある。
【特許文献1】
特開平09−198164号公報
【特許文献2】
特開2000−357025号公報
【特許文献3】
特開2000−270915号公報
【特許文献4】
特開2001−112530号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子機器を衣服の中に据え付ける方法では、利用者が着用する衣服として特別に縫製される衣服を用いなければならず、また、その衣服の自重が増すうえに、電子機器が不必要な時や、また電子機器を持ち込むのが好ましく無い場所、さらに衣服のみを着替えたい場合には、電子機器の取り外しや付け替える作業が要求される。
【0006】
また、肩からぶら下げる方法や、腰に巻きつける方法では、電子機器が不安定な状態で持ち運ばれるうえ、瞬時に取り出すのが難しかった。
【0007】
表示装置を手で持ち続ける方法では、収納しない状態では、少なくとも片手を占有するうえ、収納場所を衣服のポケットまたは鞄などに頼っていて、携帯電話機の例で説明すれば、着信時などの緊急に閲覧および操作を要する場合に、瞬時に閲覧および操作することが難しい状態におかれる。
【0008】
この種の電気機器を腕時計型に構成すれば、腕時計の表示盤を表示装置として利用できるが、その場合には、閲覧時に片手が占有される。また、電子機器に対し操作を行う場合、両手は時計の操作に拘束されるので、片手でしか操作できない。また、ヘッドマウントディスプレイを用いる場合には、両手は使えるが、装着時の不快感がある上、瞬時に装着するのが困難である。
【0009】
本発明は、上記のような問題を改善するためになされたものであり、本発明の目的は、表示装置部を有する電子機器を手で持たず体に装着した状態で、表示画面の閲覧や機器の操作を可能にし、また、必要時に、表示装置部を有する電子機器本体を取り外して使用できる電気機器の装着具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため、本発明による電子機器の装着具は、基本的な構成として、表示装置部が折り畳み可能で開閉自在な電子機器の本体部を上下逆にして固定して着脱自在に保持する台座部と、前記台座部が端部に固定され利用者の肩部に載置可能なようにアーチ型形状に成形されたアーチ型弾性部材と、前記アーチ型弾性部材のアーチ形状の内側に設けられて前記アーチ型弾性部材を利用者の肩部に挟み込む固定する際のずれを防止する留具部材とから構成される
【0011】
この電子機器の装着具において、留具部材は、スポンジ材、エアクッション材、またはゴム部材を円筒状に成型したものである。このような留具部材を用いることにより、装着具のアーチ型弾性部材の末端部分が身体に食い込み苦痛を与えないようになる。
【0012】
発明の電子機器の装着具において、特徴的な構成では、前記アーチ型弾性部材には、端部に固定した台座部の上側に前記電子機器に対するデータ入力のための入力装置設けられる。これにより、片手によりデータ入力操作が行える。
【0014】
このような特徴を有する電子機器の装着具によれば、弾性のあるアーチ状のアーチ型弾性部材を、肩から掛け、当該アーチ型弾性部材の2つの端部の末端部分でそれぞれ胸側と背中側から体を挟み込み、胸側の末端において、電子機器を固定して保持する台座部を設けている。この台座部に、表示装置部が折り畳み可能で開閉自在な電子機器の本体部を上下逆にして固定する。このようにして、電子機器を取り付けると、この装着具を利用者が身体に固定し装着した状態で、利用者である装着者自身の胸を見下ろす形で、表示装置または表示装置を有する電子機器を閲覧または機器の操作を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施する場合の一形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明による電子機器の装着具を説明するための斜視図である。図1に示すように、本発明による電子機器の装着具は、表示装置部が折り畳み可能で開閉自在な電子機器4の本体部を上下逆にして固定して着脱自在に保持する台座部3と、前記台座部3が端部に固定され利用者の肩部に載置可能なようにアーチ型形状に成形されたアーチ型弾性部材1と、前記アーチ型弾性部材1のアーチ形状の内側に設けられて前記アーチ型弾性部材1を利用者の肩部に挟み込む固定する際のずれを防止する留具部材5とから構成される。
【0016】
この電子機器4の装着具において、留具部材5は、スポンジ材、エアクッション材、またはゴム部材を円筒状に成型したものである。このような留具部材を用いることにより、装着具のアーチ型弾性部材1の末端部分が身体に食い込み苦痛を与えないようにすることができる。
【0017】
また、この電子機器4の装着具において、アーチ型弾性部材1には、端部に固定した台座部3の上側に、電子機器4に対するデータ入力のための入力装置2が着脱自在に設けられる。そのために、装着部材(図示せず)が設けられるが、この入力装置2の装着部材には、例えば、面ファスナが用いられて固定できるようにする。この場合に、入力装置2と表示装置部を有する電子機器4とは、無線伝送によるデータリンクで結合される。また、無線伝送によるデータリンクで結合できない場合には、台座部3の底部分に電子機器4と電気的に結合されるコネクタを設け、台座部3の側部に入力装置2と電気的に結合されるコネクタが設けられるような構造とする。このような構造により、入力装置2が結合され、その入力装置2を用いて、片手によりデータ入力操作が行える。
【0018】
この電子機器4の装着具を使用する場合には、まず、台座部3に電子機器4を取り付け、アーチ型弾性部材1を使用者が肩から掛け、当該アーチ型弾性部材1の2つの端部の末端部分でそれぞれ胸側と背中側から体を挟み込み、胸側の末端において、電子機器4を固定し保持している台座部3に取り付けている電子機器4の表示装置部を開く。台座部3には、表示装置部が開かれた電子機器の本体部が上下逆に固定されている状態となるので、電子機器4が取り付けられた装着具は、当該装着具を利用者が身体に固定し装着した状態で、利用者である装着者は自身の胸を見下ろす形で、電子機器4の表示装置部を閲覧することができる。また、表示装置部を有する電子機器4の操作を行うことができる。
【0019】
図2は、本発明の一実施例による電子機器の装着具の使用例についての概略を説明する図である。図2の(A)の状態は、平時または不使用時の携行状態を表している。図2の(B)の状態は閲覧時の、閲覧者の姿勢や視線を表している。図2の(C)の状態は、表示装置または表示装置を有する電子機器4が、着脱可能であり、手で保持できることを表している。また、図2の(C)に示す状態の装着具は、電子機器4の折り畳み可能な表示装置部まで含めて、全体として取り付けて保持するような構造の台座部3としている。このような構造の台座部3を用いることにより、表示装置部を有する電子機器4は、台座部3に強固に取り付けられる。その電子機器4と台座部3の取り付け構造としては、着脱自在の取り付け構造とするため、ネジ止め構造、嵌め込み構造、面ファスナによる取り付け構造など、公知の構造が用いられる。
【0020】
図3は、本発明の一実施例による電子機器の装着具の使用例を詳細に説明する図である。図3に示すように、弾性のあるアーチ状のアーチ型弾性部材1に、入力装置2と、台座部3を取り付ける。ここでの台座部3は、表示装置または表示装置を有する電子機器4が素早く着脱可能なように溝レールによるスライド式の嵌め込み構造を用いている。すなわち、電気機器4を上から溝レールに嵌め込みスライドするだけで素早く装着できる構造を用いている。アーチ型弾性部材1を使用者の肩に上から掛けて、アーチ型弾性部材1の末端で胸側と背中側から挟みこむ形で装着する。
【0021】
図4は、本発明にかかる電子機器の装着具で用いる電子機器の他の例を説明する図である。図4に示すように、表示装置部を有する電子機器4として、表示装置部42と電子機器本体部41の接合部分6に、開閉と回転の機構があるものを用いることにより、使用者は、さらに簡単に電子機器4の表示装置部42を見やすい角度に調節できる。上述したように、装着具を用いて装着することで、装着した状態で表示装置部を有する電子機器4を使用者が自身の胸を見下ろす形で閲覧、または機器の操作が可能になる。
【0022】
前述したように、アーチ型弾性部材1の両端には、スポンジ、ゴム、エアクッション等の留具部材5が据え付けられており、留具部材5は、アーチ型弾性部材1の両端で、胸側と背中側から挟み込んだ時に、その両端が身体に食い込み苦痛を与えない、また、装着具を安定させる。また、装着具には、入力装置2を取り付けることにより、電子機器へ情報を片手で入力が可能になる。腕時計の表示盤を表示装置として使う方法と異なり、片手入力中、もう一方の手を占有することなく入力することができるものとなる。
【0023】
図5は、本発明の一実施例による電子機器の装着具から電子機器を取り外す使用例を説明する図である。また、この電子機器の装着具には、表示装置を有する電子機器4を素早く着脱可能な台座部3を取り付けているので、表示装置を有する電子機器4を、図5に示すように、台座部3から取り外し、片手または両手で保持し、データの入力が可能になる。装着具に取り付けられた表示装置部を有する電子機器4を素早く着脱可能な台座部3に、表示装置部を有する電子機器4の外部データポートと外部電源入力端子に対しての金属接点を取り付けることで、この接点を介して入力装置2と外部電源のバッテリから、データの入力または電源を、装着具から取り外し可能である表示装置を有する電子機器4に供給することができる。
【0024】
次に、本発明にかかる電子機器の装着具の別の実施例を説明する。図6は、本発明の他の実施例にかかる電子機器の装着具の構造を説明する図である。この実施例の構造では、表示装置部を有する電子機器4を、台座部を端部に設けたアーチ型弾性部材1に変えて、台座部31を、クリップや安全ピンの固定部材17で使用者の衣服の胸ポケット等に固定する。この台座部31は、電子機器本体41の筐体の底板に取り付ける。
【0025】
すなわち、図6に示すように、この他の実施例にかかる電子機器の装着具は、表示装置部が折り畳み可能で開閉自在な電子機器4の電子機器本体部41を上下逆にして固定して着脱自在に保持するための台座部31と、台座部31に固着されて当該台座部31を衣服の胸ポケットに固定するためのクリップや安全ピンの固定部材17とから構成される。台座部31としては、電子機器本体41の筐体の底板を用いる場合には、特に台座部31を設ける構造としなくても良い。その場合には、クリップや安全ピンの固定部材17を電子機器本体41の筐体の底板に直接に取り付ける。
【0026】
図7は、他の実施例にかかる電子機器の装着具の固定部材の構造の詳細を説明する図である。この固定部材17として用いるクリップや安全ピンの掛止具は、図7に示すように、一方を長く延長して、その部分を胸ポケットに挿入する。これにより、電子機器と留具とのバランスがとれるとともに、胸ポケットから誤って抜け落ちにくくすることができ、より確実に使用者の胸部分に電子機器を保持できるものとなる。
【0027】
【発明の効果】
以上に、説明した通り、本発明にかかる電子機器の装着具は、装着することも簡単で、表示装置部を有する電子機器が簡単に着脱可能であり、さらに入力ができるものである。この装着具を装着することにより、使用者が自身の胸を見下ろす形で表示装置部を有する電子機器を、両手が自由な状態で閲覧または操作することができる。
【0028】
表示装置部を有する電子機器を持ち歩く場合、衣服に表示装置部を装着すると衣服自体が重くなる問題や、また衣服のみを着替えたい時に表示装置の取り外す手間や時間が発生する問題が従来の方法であったが、本発明の電子機器の装着具によれば、着脱の容易性と衣服に直接固定しない点で解決している。
【0029】
また、携帯電話の着信時などの瞬時に使用が要求される場合でも、本発明の電子機器の装着具によれば、使用者が自身の胸を見下し閲覧する点、表示装置部を有する電子機器を容易に着脱が可能な台座部が付属している点、装着具に据え付けられた入力装置で電子機器へ情報を入力できる点で解決している。また、ヘッドマウントディスプレイの装着時の不快感および、瞬時に装着することへの難しさを、本発明は克服している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子機器の装着具を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による電子機器の装着具の使用例についての概略を説明する図、
【図3】本発明の一実施例による電子機器の装着具の使用例を詳細に説明する図、
【図4】本発明にかかる電子機器の装着具で用いる電子機器の他の例を説明する図である。
【図5】本発明の一実施例による電子機器の装着具から電子機器を取り外す使用例を説明する図である。
【図6】本発明の他の実施例にかかる電子機器の装着具の構造を説明する図である。
【図7】他の実施例にかかる電子機器の装着具の留具部材の構造の詳細を説明する図である。
【符号の説明】
1…アーチ状弾性部材
2…入力装置
3…台座部
4…電子機器
5…留具部材
6…接合部分
17…留具部材
31…台座部
41…電子機器本体部
42…表示装置部

Claims (2)

  1. 表示装置部が折り畳み可能で開閉自在な電子機器の本体部を上下逆にして固定して着脱自在に保持する台座部と、
    前記台座部が端部に固定され利用者の肩部に載置可能なようにアーチ型形状に成形されたアーチ型弾性部材と、
    前記アーチ型弾性部材のアーチ形状の内側に設けられて前記アーチ型弾性部材を利用者の肩部に挟み込む固定する際のずれを防止する留具部材と
    から構成される電子機器の装着具において、
    前記アーチ型弾性部材には、端部に固定した台座部の上側に前記電子機器に対するデータ入力のための入力装置を設けることを特徴とする電子機器の装着具。
  2. 請求項1に記載の電子機器の装着具において、
    留具部材は、スポンジ材、エアクッション材、またはゴム部材を円筒状に成型したものであることを特徴とする電子機器の装着具。
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