JP3987694B2 - Casting method for cast iron molded products - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳鉄製成形品の鋳造方法に関し、一層詳細には、加工性が良好な鋳鉄製成形品を効率よく得ることが可能な鋳鉄製成形品の鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用シリンダブロックのシリンダボアに配置されるシリンダスリーブ等の鋳鉄製成形品は、例えば、砂型を用いる重力鋳造法により製造されている。この鋳造法によれば、切削加工性が良好なシリンダスリーブを得ることができる。しかしながら、重力鋳造法には、砂型を作製するという煩雑でかつ長時間を要する作業が必要であり、しかも、鋳造作業時間が長いので生産効率が低いという欠点がある。
【0003】
シリンダスリーブを成形する他の方法としては、回転動作させた円筒状金型の内部で溶湯を冷却固化させる遠心鋳造法が挙げられる。遠心鋳造法は、砂型を作製する必要がなく、また、円筒状金型の内部(キャビティ)に導入された溶湯の冷却速度が重力鋳造法に比して大きいためにシリンダスリーブの生産効率が比較的高くなるという利点を有する。なお、円筒状金型は、通常、溶湯が冷却固化される際に冷却水等で強制冷却される。
【0004】
しかしながら、遠心鋳造法により成形されたシリンダスリーブは、切削加工性に乏しい。このため、切削加工用刃具の寿命が短くなるので、切削加工コストが高騰するという不具合がある。そこで、特開昭58−161748号公報および特開平8−176722号公報には、切削加工性や耐摩耗性に優れた鋳鉄製成形品とするために、該鋳鉄製成形品を構成する金属組織の各成分の割合を規定することが提案されている。また、特開平9−209072号公報には、金型の内面における塗型剤の塗布厚みを設定して溶湯の冷却速度を制御することにより、切削加工性や耐摩耗性に優れた鋳鉄製成形品が得られることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の各公報に記載された組織を得るようにしたり、塗型剤の塗布厚みを設定したりしても、充分な切削加工性を有する鋳鉄製成形品は未だなお得られていない。
【0006】
以上から諒解されるように、鋳鉄製成形品を得る際の生産効率と得られた鋳鉄製成形品の加工性はトレードオフの関係にあり、加工性に優れた鋳鉄製成形品を効率よく得ることができる鋳造方法はこれまでのところ確立されていない。
【0007】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、鋳鉄製成形品を効率よく得ることができ、しかも、得られた鋳鉄製成形品が良好な加工性を示す鋳鉄製成形品の鋳造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、まず、重力鋳造法により成形された鋳鉄製成形品と、遠心鋳造法により成形された鋳鉄製成形品とで加工性に差異がある理由につき検討した。そして、前者と後者の各金属組織を調査したところ、ともにフェライトからなる層とセメンタイトからなる層とが交互に並んだ層状組織、すなわち、パーライトから構成されているが、その層間間隔が互いに異なるという知見が得られた。すなわち、前者における層間間隔は0.8〜1.0μm程度であり、一方、後者では0.4〜0.6μm程度であった。
【0009】
そして、本発明者らによるさらなる検討の結果、パーライトの層間間隔にこのような差異が生じる理由は、成分が同一である場合、両鋳造法における溶湯の冷却速度が互いに異なるためであることが見出された。すなわち、前者における冷却速度は150℃/分程度であり、後者では250℃/分程度である。遠心鋳造法での冷却速度が大きい理由は、円筒状金型の熱伝導度が砂型に比して高いためであると考えられる。
【0010】
このような知見に基づき、本発明者らは、遠心鋳造法で鋳鉄製成形品を成形する場合においても、該鋳鉄製成形品を構成する金属組織中に含まれるパーライトの層間間隔が0.8〜1.0μmとなるような冷却速度につき鋭意検討を重ね、本発明をするに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、回転動作させた円筒状金型の内部で鋳鉄の溶湯を冷却固化させる遠心鋳造法によって円筒形状で且つ金属組織中に片状黒鉛を含む成形品とする鋳鉄製成形品の鋳造方法において、
前記溶湯が冷却固化することにより成形された鋳鉄製成形品の温度が下降してA1変態点を通過する際の冷却速度を30〜200℃/分とすることを特徴とする。
【0012】
A1変態点を通過する際の冷却速度がこのように規定された場合、得られた鋳鉄製成形品を構成する金属組織中には、層間間隔が0.8〜1.0μm程度のパーライトが主に含まれる。しかも、金属組織中に含まれる黒鉛の形態や粒度、およびフェライトやステダイトの割合等も、加工性が良好となる形態または範囲となる。したがって、鋳鉄製成形品としては、加工性が良好なものとなる。
【0013】
ここで、A1変態点とは、以下の反応式(1)で示される共析反応の開始温度として定義され、ハンセンのFe−C系平衡状態図によれば、その値は723℃である。
【0014】
【数1】
【0015】
なお、反応式(1)において、γ、αは、それぞれ、γ−Fe(オーステナイト)、α−Fe(フェライト)を表す。また、Fe3Cは、セメンタイトと指称される準安定化合物である。
【0016】
冷却速度を上記の範囲内に設定するには、例えば、前記鋳鉄製成形品の温度が共晶点より低くA1変態点より高い範囲内にある際に当該鋳鉄製成形品を前記金型から取り出すようにすればよい。この場合、金型を冷却するための冷媒の温度を調整する等の煩雑な作業を行うことなく簡便かつ容易に冷却速度を制御することができるからである。
【0017】
ここで、共晶点とは、以下の反応式(2)で示される共晶反応の開始温度として定義され、ハンセンのFe−C系平衡状態図によれば、その値は1147℃である。
【0018】
【数2】
【0019】
反応式(2)において、Lは液相を表す。
【0020】
なお、鋳鉄製成形品の好適な例としては、内燃機関用シリンダブロックのシリンダボアに配置されるシリンダスリーブを挙げることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る鋳鉄製成形品の鋳造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
本実施の形態に係る鋳鉄製成形品の鋳造方法を、シリンダスリーブを遠心鋳造法にて成形する場合を例として説明する。
【0023】
遠心鋳造法は、図1にその要部概略断面が示される遠心鋳造装置により遂行される。すなわち、遠心鋳造装置10は、回転用ローラ12a、12bと、型枠14と、円筒状金型16と、溶湯注入機構18とを備え、円筒状金型16の両開口端部には蓋部材20a、20bがそれぞれ嵌合されている。両蓋部材20a、20bには貫通孔22a、22bがそれぞれ設けられており、溶湯注入機構18の先端部は、一方の貫通孔22aを通されて円筒状金型16の内部(キャビティ)に挿入されている。また、型枠14には、円筒状金型16を冷却するための冷却水が流通される通路24が放射状に設けられている。
【0024】
キャビティに鋳鉄の溶湯が導入される際には、図示しないマニホールドを回して通路24に冷却水が流通された後、回転用ローラ12a、12bが回転付勢されることにより型枠14および円筒状金型16が回転動作される。この状態で、溶湯注入機構18から溶湯がキャビティへと注入される。
【0025】
注入された溶湯は、円筒状金型16が回転動作しているので、遠心力の作用によって該円筒状金型16の内周壁部に集積される。このため、蓋部材20a、20bの開口部から溶湯が流出してしまうことはない。
【0026】
溶湯は、回転動作している円筒状金型16のキャビティで冷却固化される。その結果、シリンダスリーブSV(鋳鉄製成形品)が成形される。
【0027】
ここで、本実施の形態においては、温度が下降している最中のシリンダスリーブSVのA1変態点前後における冷却速度を規定する。具体的には、溶湯が冷却固化してその温度が共晶点よりも低くなった時点で、成形されたシリンダスリーブSVを円筒状金型16から取り出すことでシリンダスリーブSVの冷却速度を30〜200℃/分に設定する。これにより、シリンダスリーブSVの加工性が優れたものとなる。
【0028】
なお、上記反応式(2)から諒解されるように、共晶点以上の温度では、キャビティには液相と固相とが混在している。したがって、この温度範囲で成形品を取り出すと、溶湯の一部が流出してしまうので完全な形状のシリンダスリーブSVが得られなくなる。換言すれば、共晶点未満の温度では液相が消失してオーステナイトとセメンタイトとからなる固相のみとなっているので、この温度範囲でシリンダスリーブSVを取り出しても溶湯が流出してしまうことはない。すなわち、完全な形状のシリンダスリーブSVを得ることができる。
【0029】
温度が共晶点未満となった直後に円筒状金型16から取り出されたシリンダスリーブSVは、その後、冷却速度が30〜200℃/分となるような環境下で冷却される。
【0030】
このように、本実施の形態では、シリンダスリーブSVの温度が共晶点未満となったときに該シリンダスリーブSVを円筒状金型16から取り出すようにしている。すなわち、円筒状金型16を冷却する冷却水の温度を調整することなくシリンダスリーブSVの冷却速度を制御するようにしている。このため、冷却水の温度を調整するという煩雑な作業を行う必要がない。また、冷却水の温度を調整するための温度調整機構を設ける必要がないので、鋳造コストが高騰することもない。
【0031】
シリンダスリーブSVの温度がさらに下降してA1変態点よりも低くなると、オーステナイトからフェライトとセメンタイトとが析出して、フェライトからなる層とセメンタイトからなる層とが交互に並んだ層状組織、すなわち、パーライトが形成される。
【0032】
パーライトにおける層間間隔は、A1変態点を通過する際の冷却速度が30〜200℃/分である場合、0.8〜1.0μm程度となる。層間間隔がこの程度のシリンダスリーブSVは、良好な切削加工性を示すようになる。
【0033】
シリンダスリーブSVを構成する金属組織中には、パーライトの他、黒鉛、フェライト、Fe−Fe3C−Fe3Pの3元系化合物であるステダイトも含まれる。冷却速度が上記のように設定された場合、黒鉛は、ASTM(American Society for Testing and Materials)規格のA型黒鉛およびB型黒鉛が併せて70%以上を占める組織を形成し、かつその粒度が4級〜6級(ASTM規格)となる。また、金属組織におけるフェライトの割合は、5%以下となる。さらに、ステダイトの割合は、0.5〜5%となる。
【0034】
黒鉛の型および粒度、フェライトおよびステダイトの各割合が上記のようである場合、シリンダスリーブSVの切削加工性が一層良好となる。
【0035】
このように、本実施の形態においては、遠心鋳造法であっても切削加工性が良好なシリンダスリーブSVを成形することができる。したがって、シリンダスリーブSVの生産効率を確保しながらその切削加工性を向上させることができる。
【0036】
なお、A1変態点を通過する際の冷却速度が30℃/分よりも遅い場合、金属組織中にフェライトや黒鉛が多く含まれるようになるので、シリンダスリーブSVとしては、低硬度で耐摩耗性に乏しいものとなる。また、A1変態点を通過する際の冷却速度が200℃/分を超える場合、パーライトの層間間隔が0.8μmよりも狭くなり、切削加工が困難なシリンダスリーブSVとなる。
【0037】
上記した実施の形態においては、シリンダスリーブSVを鋳鉄製成形品として成形する場合を例示して説明したが、特にこれに限定されるものでないことはいうまでもない。
【0038】
【実施例】
長さ2000mm、外径156mm、内径94mmの円筒状金型16の内周壁部に、厚みを約1.0mmとして塗型剤を塗布した。その後、円筒状金型16を270℃まで昇温した。
【0039】
次いで、通路24に冷却水を流通した後、円筒状金型16の内部(キャビティ)に、炭素当量が3.95〜4.15%、炭素の割合が3.25〜3.45%、Siの割合が1.95〜2.25%、Mnの割合が0.5〜0.7%、Pの割合が0.1〜0.2%、Sの割合が0.12%以下、Crの割合が0.08〜0.15%(各数字は重量%)である亜共晶組成の鋳鉄の溶湯を21kg注入した。この際の溶湯の温度は、約1400℃であった。
【0040】
次いで、回転用ローラ12a、12bの作用下に型枠14および円筒状金型16を50秒間回転動作させた後に30秒間静置し、円筒状金型16からシリンダスリーブSVを取り出して室温まで自然放冷した。取り出した際、溶湯は完全に固化していた。
【0041】
このようにして成形されたシリンダスリーブSVの金属組織を電子顕微鏡で観察したところ、パーライトの層間間隔がおよそ0.8μmであること、粒度が4級〜6級のA型黒鉛およびB型黒鉛が黒鉛組織の70%以上を占めていること、金属組織におけるフェライト、ステダイトの割合がそれぞれ5%以下、およそ2%であることが認められた。
【0042】
次に、このシリンダスリーブSVに対して、直径3mmの切削加工用刃具により切削加工を施し、総切削距離と該切削加工用刃具の摩耗量との関係を調べた。切削加工条件は、切削速度を700m/分、送り量を0.1mm/回転とした。これを実施例とする。
【0043】
また、砂型を使用して重力鋳造法によりシリンダスリーブSVを成形した。このシリンダスリーブSVにおける金属組織中のパーライトの層間間隔は、およそ1.0μmであった。これを比較例1とする。
【0044】
その一方で、円筒状金型16を回転動作させた後に250秒間静置することによりA1変態点を通過する際の冷却速度を225℃/分以上としたことを除いては上記実施例に準拠して、遠心鋳造法によりシリンダスリーブを成形した。このシリンダスリーブにおける金属組織中のパーライトの層間間隔は、0.4〜0.6μm程度であった。これを比較例2とする。
【0045】
そして、比較のために、比較例1、2の各シリンダスリーブについても上記と同一の条件下で切削加工を行った。結果を図2に併せて示す。この図2から、実施例と比較例1とでは摩耗量が略同等であること、また、総切削距離が100kmの時点において、実施例と比較例2とでは摩耗量に約6倍の差があることが諒解される。すなわち、図2から、冷却速度を設定してパーライトの層間間隔を制御することにより、切削加工性が良好なシリンダスリーブが得られることが明らかである。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る鋳鉄製成形品の鋳造方法によれば、遠心鋳造法等の金型を使用する鋳造作業時に鋳鉄製成形品の温度が下降してA1変態点を通過する際の冷却速度が30〜200℃/分となるようにしている。これにより該鋳鉄製成形品を構成する金属組織中のパーライトの層間間隔を0.8〜1.0μm程度に制御することができるので、加工性が良好な鋳鉄製成形品を効率よく得ることができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】遠心鋳造装置の要部概略断面図である。
【図2】各鋳造方法により得られたシリンダスリーブを切削加工した際の総切削距離と切削加工用刃具の摩耗量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…遠心鋳造装置 12a、12b…回転用ローラ
16…円筒状金型 18…溶湯注入機構
24…通路 SV…シリンダスリーブ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a casting method of a cast iron molded product, and more particularly to a cast iron molded product casting method capable of efficiently obtaining a cast iron molded product having good workability.
[0002]
[Prior art]
A cast iron molded product such as a cylinder sleeve disposed in a cylinder bore of a cylinder block for an internal combustion engine is manufactured by, for example, a gravity casting method using a sand mold. According to this casting method, a cylinder sleeve with good machinability can be obtained. However, the gravity casting method has a drawback that it requires a complicated and time-consuming operation of producing a sand mold, and the production efficiency is low due to a long casting operation time.
[0003]
As another method for forming the cylinder sleeve, there is a centrifugal casting method in which the molten metal is cooled and solidified inside a cylindrical mold that is rotated. The centrifugal casting method does not require the production of a sand mold, and the cooling rate of the molten metal introduced into the inside (cavity) of the cylindrical mold is larger than that of the gravity casting method, so the cylinder sleeve production efficiency is compared. It has the advantage of becoming higher. The cylindrical mold is usually forcibly cooled with cooling water or the like when the molten metal is cooled and solidified.
[0004]
However, the cylinder sleeve formed by the centrifugal casting method has poor cutting workability. For this reason, since the lifetime of the cutting tool is shortened, there is a problem that the cutting cost increases. Therefore, Japanese Patent Laid-Open Nos. 58-161748 and 8-176722 disclose a metal structure constituting the cast iron molded product in order to obtain a cast iron molded product excellent in cutting workability and wear resistance. It has been proposed to prescribe the proportion of each component. Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-209072 discloses cast iron molding having excellent cutting workability and wear resistance by setting the coating thickness of the coating agent on the inner surface of the mold and controlling the cooling rate of the molten metal. It is described that a product can be obtained.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, even if the structure described in each of the above publications is obtained or the coating thickness of the coating agent is set, a cast iron molded article having sufficient cutting workability has not yet been obtained.
[0006]
As can be understood from the above, production efficiency when obtaining cast iron molded products and workability of the obtained cast iron molded products are in a trade-off relationship, and cast iron molded products with excellent workability can be obtained efficiently. No casting method has been established so far.
[0007]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems, and is capable of efficiently obtaining a cast iron molded product, and in addition, the cast iron molded product in which the obtained cast iron molded product exhibits good workability. It aims to provide a method.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors first examined the reason why there is a difference in workability between a cast iron molded product molded by the gravity casting method and a cast iron molded product molded by the centrifugal casting method. And when each of the former and the latter metal structures was investigated, it was composed of a layered structure in which ferrite layers and cementite layers were alternately arranged, that is, composed of pearlite, but the interlayer spacing was different from each other. Knowledge was obtained. That is, the interlayer spacing in the former was about 0.8 to 1.0 μm, while that in the latter was about 0.4 to 0.6 μm.
[0009]
As a result of further studies by the present inventors, the reason why such a difference occurs in the interlayer spacing of pearlite is that when the components are the same, the cooling rate of the molten metal in both casting methods is different from each other. It was issued. That is, the cooling rate in the former is about 150 ° C./min, and in the latter is about 250 ° C./min. The reason why the cooling rate is high in the centrifugal casting method is considered to be because the thermal conductivity of the cylindrical mold is higher than that of the sand mold.
[0010]
Based on such knowledge, the present inventors, even when forming a cast iron molded article by the centrifugal casting method, the interlayer spacing of pearlite contained in the metal structure constituting the cast iron molded article is 0.8. The inventors of the present invention have been intensively studied for a cooling rate of ˜1.0 μm.
[0011]
That is, the present invention relates to a cast iron molded product that is formed into a cylindrical shape and includes a flake graphite in a metal structure by a centrifugal casting method in which a molten cast iron is cooled and solidified inside a rotating cylindrical mold. In the casting method,
The molten metal, characterized in that the cooling rate at which the temperature of the cast iron molding formed passes through the A 1 transformation point is lowered and the 30 to 200 ° C. / min by cooling and solidified.
[0012]
When the cooling rate at the time of passing through the A 1 transformation point is defined in this way, pearlite having an interlayer spacing of about 0.8 to 1.0 μm is present in the metal structure constituting the obtained cast iron molded product. Mainly included. In addition, the form and particle size of graphite contained in the metal structure, the ratio of ferrite and steadite, and the like are also in the form or range in which workability is good. Accordingly, the cast iron molded product has good workability.
[0013]
Here, the A 1 transformation point is defined as the starting temperature of the eutectoid reaction represented by the following reaction formula (1), and the value is 723 ° C. according to Hansen's Fe—C equilibrium diagram. .
[0014]
[Expression 1]
[0015]
In the reaction formula (1), γ and α represent γ-Fe (austenite) and α-Fe (ferrite), respectively. Fe 3 C is a metastable compound called cementite.
[0016]
The cooling rate is set within the above range, for example, the cast iron moldings from the mold when the temperature of the cast iron molded article is within the range higher than the low A 1 transformation point than the eutectic point You just have to take it out. In this case, the cooling rate can be easily and easily controlled without performing a complicated operation such as adjusting the temperature of the refrigerant for cooling the mold.
[0017]
Here, the eutectic point is defined as the starting temperature of the eutectic reaction represented by the following reaction formula (2), and its value is 1147 ° C. according to Hansen's Fe—C equilibrium diagram.
[0018]
[Expression 2]
[0019]
In the reaction formula (2), L represents a liquid phase.
[0020]
A suitable example of the cast iron molded product is a cylinder sleeve disposed in a cylinder bore of a cylinder block for an internal combustion engine.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Preferred embodiments of the cast iron molded product casting method according to the present invention will be described below in detail with reference to the accompanying drawings.
[0022]
A method for casting a cast iron molded product according to the present embodiment will be described by taking as an example a case where a cylinder sleeve is formed by a centrifugal casting method.
[0023]
Centrifugal casting is performed by a centrifugal casting apparatus whose main part schematic cross section is shown in FIG. That is, the
[0024]
When a molten cast iron is introduced into the cavity, the
[0025]
Since the
[0026]
The molten metal is cooled and solidified in the cavity of the
[0027]
Here, in this embodiment, it defines the cooling rate before and after the A 1 transformation point of the cylinder sleeve SV of while the temperature is falling. Specifically, when the molten metal is cooled and solidified and its temperature becomes lower than the eutectic point, the cylinder sleeve SV is taken out of the
[0028]
In addition, as understood from the reaction formula (2), at a temperature equal to or higher than the eutectic point, a liquid phase and a solid phase are mixed in the cavity. Therefore, when the molded product is taken out in this temperature range, a part of the molten metal flows out, so that a complete cylinder sleeve SV cannot be obtained. In other words, at a temperature lower than the eutectic point, the liquid phase disappears and only a solid phase composed of austenite and cementite is formed. Therefore, even if the cylinder sleeve SV is taken out in this temperature range, the molten metal flows out. There is no. That is, a complete cylinder sleeve SV can be obtained.
[0029]
The cylinder sleeve SV taken out from the
[0030]
Thus, in this embodiment, when the temperature of the cylinder sleeve SV becomes less than the eutectic point, the cylinder sleeve SV is taken out from the
[0031]
When the temperature of the cylinder sleeve SV is further lowered lower than the A 1 transformation point, and precipitation and ferrite and cementite from austenite, layered tissue and a layer consisting of a layer and cementite made of ferrite is alternating, i.e., Perlite is formed.
[0032]
The interlayer spacing in pearlite is about 0.8 to 1.0 μm when the cooling rate when passing through the A 1 transformation point is 30 to 200 ° C./min. The cylinder sleeve SV with the interlayer spacing of this level exhibits good cutting workability.
[0033]
In addition to pearlite, the metal structure constituting the cylinder sleeve SV includes steadite, which is a ternary compound of graphite, ferrite, and Fe—Fe 3 C—Fe 3 P. When the cooling rate is set as described above, graphite forms a structure in which ASTM (American Society for Testing and Materials) standard A-type graphite and B-type graphite together occupy 70% or more, and its particle size is Grade 4 to 6 (ASTM standard). Moreover, the ratio of the ferrite in a metal structure will be 5% or less. Furthermore, the ratio of steadite is 0.5 to 5%.
[0034]
When the graphite mold and particle size, and the proportions of ferrite and steadite are as described above, the machinability of the cylinder sleeve SV is further improved.
[0035]
As described above, in the present embodiment, it is possible to mold the cylinder sleeve SV with good cutting workability even by the centrifugal casting method. Therefore, it is possible to improve the cutting workability while ensuring the production efficiency of the cylinder sleeve SV.
[0036]
When the cooling rate when passing through the A 1 transformation point is slower than 30 ° C./min, the metal structure contains a large amount of ferrite and graphite. Therefore, the cylinder sleeve SV has low hardness and wear resistance. It becomes scarce. When the cooling rate when passing through the A 1 transformation point exceeds 200 ° C./min, the pearlite interlayer spacing becomes narrower than 0.8 μm, and the cylinder sleeve SV is difficult to cut.
[0037]
In the above-described embodiment, the case where the cylinder sleeve SV is formed as a cast iron molded product has been described as an example, but it is needless to say that the present invention is not particularly limited thereto.
[0038]
【Example】
A coating agent having a thickness of about 1.0 mm was applied to the inner peripheral wall portion of the
[0039]
Next, after circulating cooling water through the
[0040]
Next, the
[0041]
When the metal structure of the cylinder sleeve SV thus formed was observed with an electron microscope, the pearlite interlayer spacing was about 0.8 μm, and the A-type graphite and B-type graphite having a particle size of 4th to 6th grades were obtained. It was confirmed that it accounted for 70% or more of the graphite structure, and the ratio of ferrite and steadite in the metal structure was 5% or less and approximately 2%, respectively.
[0042]
Next, the cylinder sleeve SV was cut with a cutting tool having a diameter of 3 mm, and the relationship between the total cutting distance and the wear amount of the cutting tool was examined. Cutting conditions were a cutting speed of 700 m / min and a feed amount of 0.1 mm / rotation. This is an example.
[0043]
Further, a cylinder sleeve SV was formed by a gravity casting method using a sand mold. The interlayer spacing of pearlite in the metal structure in the cylinder sleeve SV was approximately 1.0 μm. This is referred to as Comparative Example 1.
[0044]
On the other hand, after rotating the
[0045]
For comparison, the cylinder sleeves of Comparative Examples 1 and 2 were also cut under the same conditions as described above. The results are also shown in FIG. From FIG. 2, the wear amount in Example and Comparative Example 1 is substantially equal, and when the total cutting distance is 100 km, the difference in wear amount between Example and Comparative Example 2 is about 6 times. It is understood that there is. That is, it is clear from FIG. 2 that a cylinder sleeve with good machinability can be obtained by setting the cooling rate to control the interlayer spacing of pearlite.
[0046]
【The invention's effect】
As described above, according to the cast iron molded product casting method of the present invention, the temperature of the cast iron molded product decreases and passes through the A1 transformation point during the casting operation using a mold such as a centrifugal casting method. The cooling rate is 30 to 200 ° C./min. As a result, the interlayer spacing of the pearlite in the metal structure constituting the cast iron molded product can be controlled to about 0.8 to 1.0 μm, so that a cast iron molded product with good workability can be efficiently obtained. The effect of being able to be achieved is achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view of a main part of a centrifugal casting apparatus.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between the total cutting distance and the amount of wear of a cutting tool when a cylinder sleeve obtained by each casting method is cut.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記溶湯が冷却固化することにより成形された鋳鉄製成形品の温度が下降してA1変態点を通過する際の冷却速度を30〜200℃/分とすることを特徴とする鋳鉄製成形品の鋳造方法。 In a casting method of a cast iron molded product, which is a cylindrical shape and a molded product containing flake graphite in a metal structure by a centrifugal casting method in which a molten cast iron is cooled and solidified inside a rotating cylindrical mold,
Cast iron moldings, characterized in that the melt temperature of the cast iron molding formed is to 30 to 200 ° C. / min cooling rate when passing through the A 1 transformation point is lowered by cooling and solidifying Casting method.
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