JP3987568B1 - 主機と副機を有する失語症練習支援装置 - Google Patents
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Abstract
自発的に所望する歌曲を演奏し、かつ歌うことで脳機能を回復させる療法は、失語症には効果的な療養とは言い難い。本発明の主機と副機を有する失語症練習支援装置は、主機と副機間でデータの転送が行え、練習者に適した練習メニューデータを作成し、練習者別言語カードデータの絵データに応じた練習音声データを録音し、その発音が正しくなされたかの合否を判定し、その練習結果を保存することにより言語回復練習の支援をおこなう。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、失語症の回復を支援する主機と副機からなる練習支援装置に関し、特に、主機で作成した言語回復練習の練習メニューを副機に転送して、副機で練習メニューの絵カードを表示し、その絵カードに応じた練習者の音声を録音し、その発音が正しくなされたかの合否を判定して、その判定結果を主機の記憶部に保存できる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脳機能障害を療養する装置は音楽療法を用いたものがあり、歌曲の旋律の楽音や、音声を発生して歌唱を促すものがある。
【0003】
特開平09−047510号公報では、要療養者の知っている楽曲が表示された表示部において、手、その他の身体の一部若しくはマウス等を用いて、該表示部に示された歌詞の表示の近傍を押下して順次指示し、これにより作動されたスイッチ手段が歌詞に対応する旋律を鳴らす音楽療法具が開示されている。これにより、要療養者が過去に馴染んでいる歌詞を順次指示して行くだけで歌詞に対応する旋律を鳴らせ、自発的に自ら所望する楽曲を演奏し、かつ歌うことで、機能を回復しうることが示されている。
【特許文献1】
特開平09−047510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の方法は、自発的に自ら所望する歌曲を演奏し、かつ歌うことで脳機能を回復させる療法であるため、大脳の言語機能に関与する部位に障害が生じ、言語に対しての理解あるいは言葉を出す機能が失われた状態の失語症には効果的な療養とは言い難い。失語症は、欠損した機能を、繰返し長期間の訓練を行うことで少しずつ良くなるため、言語聴覚士が症状や環境等に合わせたプログラムを作り、言語訓練を行う必要がある。しかし、言語聴覚士や言語訓練を実施している病院(あるいはリハビリテーションセンター)が少なかったり、言語訓練に通う病院が遠かったり、あるいは長期間にわたる言語訓練であるため、言語訓練を受けていない多数の在宅者が存在しているという問題がある。
【0005】
また、病院での言語訓練の時間は短く、言語訓練の不足を補うための自宅での練習が大部分を占める。言語訓練の不足を補う練習の一つに、磁気カードに録音された言葉を再生して聞き、真似して発音の練習を繰返すものがあるが、それでは発音を自己修正することは難しい。そのため、言語聴覚士の居ない環境であっても、言語聴覚士が居る環境と同様の言語訓練を行える練習支援装置の提供という課題を有する。
【0006】
更に、自宅での練習の成果が言語聴覚士には分かり難いため、練習成果が後から確認できる練習支援装置の提供という課題を有する。
【0007】
更に、言語訓練の不足を補うために、病院や自宅以外でも気軽に練習が行える携帯可能な練習支援装置の提供という課題を有する。
【0008】
更に、失語症の種類や程度は千差万別であるため、練習者の症状や程度に合わせて、言語訓練の練習量や練習の難易度を調整できる練習支援装置の提供という課題を有する。
【0009】
更に、言語訓練の訓練計画に沿った練習メニューを作成するために、写真、音あるいは音声を用いて言語訓練の教材が新しく作成できる練習支援装置の提供という課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上述した問題点に鑑みて為されたものであり、記憶媒体を介して各データベースのデータを共有する主機と副機であって、少なくとも絵データ、正しい音声データ、単語データとから成る言語カードデータを管理する言語カードデータベースから各失語症の練習者に応じた失語症の練習者別言語カードデータを抽出して練習メニューデータを作成し、前記練習メニューデータ及び練習結果データを管理する練習メニュー及び練習結果データベースへ保存する練習メニュー作成手段と、前記練習メニュー及び練習結果データベースから各失語症の練習者の練習内容に応じた失語症の前記練習メニューデータを抽出して前記記憶媒体へ転送する練習メニューデータ転送手段と、前記練習メニュー及び練習結果データベースから所望の前記練習メニューデータを抽出して、前記失語症の練習者別言語カードデータの少なくとも前記絵データを表示する練習画面表示手段と、前記失語症の練習者別言語カードデータに基づく失語症の練習者の練習音声データを録音する録音手段と、前記練習音声データと前記正しい音声データとの相違度合あるいは類似度合が失語症の練習者毎あるいは前記失語症の練習者別言語カードデータ毎に設定された合否判定の基準値内であるかを判定し、その判定結果の表示を行う判定結果表示手段と、前記判定結果と、前記失語症の練習者別言語カードデータが表示されてから前記合否判定が行われる迄の練習経過情報とを練習結果データとして、前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存する練習結果保存手段とを備えた前記主機と、前記練習メニューデータが保存された前記記憶媒体へアクセスし、前記失語症の練習者別言語カードデータの少なくとも前記絵データを表示する副機練習画面表示手段と、前記失語症の練習者別言語カードデータに基づく失語症の練習者の練習音声データを録音する副機録音手段と、前記練習音声データと前記正しい音声データとの相違度合あるいは類似度合が合否判定の基準値内であるかを判定し、その判定結果の表示を行う副機判定結果表示手段とを備えた前記副機とからなり、前記副機で前記練習メニューデータの前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示し、前記絵データに対する失語症の練習者の前記練習音声データを録音し、前記練習音声データが合否判定の基準値内であるかを判定し、前記判定結果を表示して失語症の練習者に前記合否判定を知らせることで解決するものである。
【0011】
また、本発明では、練習者情報作成手段により入力された失語症の練習者に関するデータを、失語症の練習者毎に管理する練習者情報データベースへ保存することを特徴とする。
【0012】
更に、本発明では、前記練習結果保存手段は、前記記憶媒体に保存された前記副機の練習結果データを前記練習メニュー及び練習結果データベースへ転送して前記主機と前記副機で共有することを特徴とする。
【0013】
更に、本発明では、前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段は、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示し、前記練習経過情報の記録を開始し、前記絵データに基づく失語症の練習者の練習音声を入力し、前記録音手段あるいは前記副機録音手段に前記失語症の練習者の練習音声の録音及び練習音声の入力レベルメータの表示を行わせることを特徴とする。
【0014】
更に、本発明では、前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段により、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示している間に、前記失語症の練習者別言語カードデータに応じた前記単語データのうち語頭の音声データだけをヒントとして出力することを特徴とする。
【0015】
更に、本発明では、前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段により、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示している間に、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記単語データを漢字あるいは仮名表記でヒントを表示させることを特徴とする。
【0016】
更に、本発明では、前記練習メニュー作成手段は、前記判定結果表示手段による前記練習音声データと前記正しい音声データとの合否判定の基準値を各練習者の失語症の症状や程度に応じて個別に設定することを特徴とする。
【0017】
更に、本発明では、前記言語カードデータベースは、前記絵データに対応した単語単位に保存されていることを特徴とする。
【0018】
更に、本発明では、前記練習メニュー及び練習結果データベースは、失語症の練習者毎に区分して、練習者の症状や程度に応じて作成された前記練習メニューデータが管理されていることを特徴とする。
【0019】
更に、本発明では、前記判定結果と、前記失語症の練習者別言語カードデータが表示されてから前記合否の判定が行われる迄の練習経過情報とを練習結果データとし、前記記憶媒体に保存する副機練習結果保存手段とを備え、前記副機練習結果保存手段で前記練習結果データを前記記憶媒体に保存し、前記練習結果保存手段で前記記憶媒体の前記練習結果データを前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存することを特徴とする。
【0020】
更に、本発明では、前記副機録音手段の失語症の練習者の前記練習音声データを前記記憶媒体へ保存し、前記判定結果表示手段で前記記憶媒体の前記練習音声データの合否を失語症の練習者毎あるいは前記失語症の練習者別言語カードデータ毎に設定した前記基準値を用いて判定し、前記練習結果保存手段で前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
前記課題を解決するために、本発明の主機と副機を有する失語症練習支援装置は、練習メニュー作成手段で練習者に応じた練習メニューデータを作成し、練習画面表示手段で主機用の練習メニューデータを抽出して、練習者別言語カードデータを表示させ、録音手段で練習者別言語カードデータに基づく練習音声データを録音する。そして、判定結果表示手段で練習音声データの合否を判定して判定結果を表示し、練習結果保存手段で練習結果データを練習メニュー及び練習結果データベースへ保存することにより、言語聴覚士の居ない環境であっても、言語聴覚士による言語訓練と同様の練習を支援することができる。
【0022】
また、練習メニューデータ転送手段で抽出した副機用の練習メニューデータを記憶媒体へ転送する。そして、副機練習画面表示手段で記憶媒体の練習メニューデータの練習者別言語カードデータを表示させ、副機録音手段で練習音声データを録音する。副機判定結果表示手段で合否を判定した結果を表示することにより、主機と異なる場所でも副機で練習できる。
【0023】
これにより、失語症の種類や程度に応じて1回の練習量、練習内容の難易度、あるいは合否判定の基準を調整した練習メニューデータを作成したり、合否判定の結果や録音された練習音声データを確認して発音を正しく自己修正したり、自宅での練習成果を言語聴覚士が確認できる。また、主機と副機で各データベースを共有するため一元で管理できる。
【0024】
更に、言語カード作成手段で練習者の症状や程度に適した言語カードデータを新たに作成して、単語単位で管理する言語カードデータベースへ追加保存することにより、追加した言語カードデータも含めてデータベース内のデータを並べ替えられる。これにより、練習者に適した言語カードデータを容易に抽出して練習メニューを作成できる。
【0025】
更に、練習画面表示手段で練習者別言語カードデータの絵データを表示している間に、話速を変えて正しい音声データを出力したり、単語データの語頭の音声データを出力したり、あるいは単語データを表示させたりすることにより、練習者に絵カードのヒントを与えることができる。これにより、絵データの単語が分からない場合には、状況に応じたヒントを取得し、単語が自然と認識できるようになるまで、練習できる。
【0026】
更に、練習メニュー及び練習結果データベースは、練習者毎に区分して練習メニューデータ及び練習結果データを管理するので、練習者毎に言語回復練習に関するデータの集計を行える。これにより、失語症の回復状況の把握や今後の練習計画の作成にデータを役立てることができる。
【0027】
更に、副機練習結果保存手段は、副機録音手段の練習音声データと、練習経過情報とを記憶媒体へ保存することにより、練習結果保存手段で記憶媒体の練習結果データを練習メニュー及び練習結果データベースに保存することができる。これにより、容易に副機の練習結果を練習メニュー及び練習結果データベースへ反映することができる。
【0028】
更に、副機録音手段の練習音声データを記憶媒体へ保存することにより、判定結果表示手段で記憶媒体の練習音声データの合否判定を行うことができる。これにより、主機の合否判定の基準を用いて練習結果データを取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、図面を参照にして、本発明の一実施の形態について説明する。
【0030】
まず、第1図(A)は、本発明の一実施の形態における主機と副機の言語回復練習を行う処理のブロック図の一例であり、第1図(B)は、言語回復練習の他の例を説明するブロック図である。
【0031】
第1図(A)に示すように、主機と副機を有する失語症練習支援装置における言語回復練習を行う処理は、言語カードデータベース1、練習メニュー及び練習結果データベース2、練習メニュー作成手段10、練習メニューデータ転送手段11、練習画面表示手段12、録音手段13、判定結果表示手段14、練習結果保存手段15とから構成される主機100と、副機練習画面表示手段20、副機録音手段21、副機判定結果表示手段22、副機練習結果保存手段23とから構成される副機200と、記憶媒体5とで構成される。
【0032】
主機100とは、言語聴覚士や言語訓練を実施している病院(あるいはリハビリテーションセンター)に設置された言語回復練習に利用されるコンピュータ装置をいう。
【0033】
具体的には、後述の手段を搭載した専用装置、あるいは後述の手段を有するアプリケーションがインストールされたパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと省略する)である。
【0034】
専用装置あるいはパソコンは、少なくとも、第1の入力部、第2の入力部、表示部、記憶部、演算部、出力部とを有する。第1の入力部は、キーボード、タブレット、マウス、指、専用のペン等である。第2の入力部は、音声を電気信号に変える装置であり、具体的にはマイクである。表示部は、ディスプレイあるいはタッチパネルである。記憶部は、コンピュータ内のデータやプログラムを記憶する装置である。演算部は、コンピュータの中で、各装置や各手段の制御、データの計算や加工を行う中枢部である。また、演算部は、記憶部のプログラムを実行する装置でもあり、第1の入力部や記憶部からデータを受け取り、演算や加工をした上で、出力部や表示部に出力をする。出力部は、電気信号を音に変える装置であり、具体的にはスピーカーである。
【0035】
副機200とは、持ち運び可能な言語回復練習に利用されるコンピュータ装置をいう。
【0036】
具体的には、後述の手段を搭載したPersonal Digital Assistants(以下、PDAと省略する)である。PDAは主機と同様に、少なくとも、第1の入力部(この場合は、指あるいは専用のペン)、第2の入力部、表示部(この場合は、タッチパネル)、記憶部、演算部、出力部とを有する。なお、具体的な制御については、主機と同様なので、ここでは省略する。
【0037】
言語カードデータベース1とは、言語回復練習で利用される言語カードデータを単語単位に管理するデータベースである。言語カードデータとは、単語に応じて描画された絵、あるいは添付された写真からなる言語カードに、音情報や文書情報を付加して電子データ化したものである。
【0038】
具体的には、言語カードデータベース1は、言語カードデータ番号、絵データ、合格基準点データ、正しい音声データ、単語データ、応用文データ、カテゴリーデータ等の集合であり、絵データには写真データも含まれる。合格基準点データは、後述する判定結果表示手段14の合否判定において合格の基準となる点数であり、この基準点以下(あるいは、基準点以上)であれば合格となる。具体的には、言語聴覚士(言葉や聞こえなど、コミュニケーションに障害のある方や周囲の方々に対して、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・教育関係者・療育関係者などと連携を取りながら、相談・評価・訓練・指導などの専門的な援助を行う人)が、事前に練習者の音声を判定しておき、その結果の相関で合格の基準となる点数を決める。単語データは、絵データに応じた単語を平仮名、片仮名、あるいは漢字で表記したものである。応用文データは、絵データに応じた単語の説明文、あるいはその単語を用いた例文からなる。なお、既存のイラストなどをスキャナーで読込み電子データ化し、絵データとして利用してもよい。
【0039】
練習メニュー及び練習結果データベース2とは、練習者に応じて作成された練習メニューデータと、練習メニューデータに応じた練習結果データを管理するデータベースである。練習メニューデータとは、練習者の症状や程度に応じて抽出された練習者別言語カードデータの集合である。練習結果データとは、練習者別言語カードデータに応じた練習音声や、発音の合否判定結果、練習の経過情報等の集合である。具体的には、練習メニューデータは、練習メニューデータ番号、練習者氏名、練習メニューの作成日、選択された練習者別言語カードデータ等の集合である。練習結果データは、練習メニューデータ番号、練習日時、練習音声データ、判定結果、練習経過情報等の集合である。
【0040】
記憶媒体5とは、主機100から副機200へ転送する練習メニューデータ、あるいは副機200から主機100へ転送する練習結果データや練習音声データを保存しておくための記録媒体であり、持ち運び可能な大きさである。具体的には、記録媒体は、フロッピーディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、メモリカード等が利用される。
【0041】
練習メニュー作成手段10とは、言語カードデータベース1から各練習者に応じた練習者別言語カードデータを抽出して練習メニューデータを作成し、作成した練習メニューデータを練習メニュー及び練習結果データベース2へ保存する手段である。具体的には、練習メニューデータは、主機用と副機用とに区別して作成され、それらを区別するフラグがセットされる。
【0042】
また、後述の判定結果表示手段14あるいは副機判定結果表示手段22における合否判定の基準を設定する手段でもある。合否判定の基準とは、練習音声データと正しい音声データの各音素が相違と判定される範囲を設定した値である。具体的には、合否判定の基準を20%と設定した場合、練習音声データと正しい音声データの各音素の相違度合が20%以上であれば、両者は相違の音素と判定される。一方、各音素の相違度合が20%未満であれば、両者は同じ音素と判定される。なお、ここでは、相違度合を用いて説明しているが、練習音声データと正しい音声データの各音素の類似度合を用いて、合否判定を行ってもよい。また、合否判定の基準は、練習者毎、あるいは練習者別言語カードデータ毎に設定されるが、合否判定の基準を設定しない場合は、デフォルト値が自動で設定されるようにしてもよい。
【0043】
練習メニューデータ転送手段11とは、練習メニュー及び練習結果データベース2から練習内容に応じた副機用の練習メニューデータを抽出して、記憶媒体5へ転送する手段である。データの転送方法には、無線を用いて行う方法、あるいはインターフェースを介して行う方法がある。具体的には、主機100と記憶媒体5(この場合は、メモリカードとする)はメモリカードリーダとインターフェース(この場合は、USB)を介して接続され、練習メニューデータ転送手段11で抽出した副機用の練習メニューデータをメモリカードへ転送し、保存する。
【0044】
練習画面表示手段12とは、練習メニュー及び練習結果データベース2から所望の主機用の練習メニューデータを抽出し、その練習メニューデータに含まれる練習者別言語カードデータの絵データをディスプレイ上の練習画面に表示し、練習経過情報の記録を開始する。そして、音声入力の指示を受けた後に、マイクを介して絵データに基づく練習音声データの入力を開始する手段である。具体的には、表示部のディスプレイはタッチパネルになっており、練習者はディスプレイ上の所望の個所を、指あるいは専用のペンといった入力部で触れて指示を出す。なお、表示部のディスプレイはタッチパネルでなくてもよく、その場合にはキーボード、タブレットあるいはマウスといった入力部を用いればよい。
【0045】
録音手段13とは、練習画面表示手段12で入力された練習音声データを録音し、その練習音声データに応じた入力音声のレベルメータを練習画面に表示する手段である。録音された練習音声データは、後述する練習結果保存手段15により、練習メニュー及び練習結果データベース2に練習結果データとして保存される。
【0046】
なお、録音手段13で録音された練習音声データは、練習音声データの再生の指示がなされた時に、スピーカーを通して出力される。練習音声データの再生の指示については、第5図で詳細に説明する。
【0047】
判定結果表示手段14とは、録音手段13で録音した練習音声データと、言語カードデータに含まれる正しい音声データとを比較し、練習音声データが正しい音声データと同じであるかを判定する。そして、同じと判定された場合には、練習画面に合格の表示を行い、不同と判定された場合には、練習画面に不合格の表示を行い、練習者に単語が正しく、かつ発音が正確に為されたかを知らせる手段である。
【0048】
具体的には、練習者別言語カードデータ(この場合は、「うし」とする)における練習音声データと正しい音声データの周波数スペクトルとレベルを、それぞれパラメータとした特徴ベクトルであらわし、各音素単位で特徴ベクトルを比較する。両者の相違度合が、合否判定の基準値(この場合は、20%とする)未満であれば、同じ音素と判定し、相違度合を数値に換算する(この場合は、「う」の相違度合が5、「し」の相違度合が10とする)。そして、各音素の相違度合の合計値(この場合は、5+10=15)が言語カードデータに含まれる合格基準点データ(この場合は、20とする)の点数より低い場合には合格となり、高い場合には不合格と判定される(この場合は、15<20なので合格)。そして、合格の場合には「よくできました」と練習画面に表示し、不合格の場合には「もう少しがんばろう」と練習画面に表示する。また、何回目で合格できたかをスコアに換算し(この場合は、1回目で合格なら3点、2回目で合格なら2点、3回目以上で合格なら1点とする)、練習メニュー及び練習結果データベース2に練習結果データの一部として保存してもよい。
【0049】
練習結果保存手段15とは、録音手段13で録音された練習音声データと、判定結果表示手段14の練習結果データ等を練習メニュー及び練習結果データベース2に練習結果データとして保存する手段である。なお、練習結果データは既に説明しているので、ここでは省略する。
【0050】
副機練習画面表示手段20とは、副機用の練習メニューデータが保存された記憶媒体5へアクセスし、その練習メニューデータに含まれる練習者別言語カードデータの絵データを副機200の練習画面に表示し、練習経過情報の記録を開始する。そして、音声入力の指示を受けた後に、マイクを介して絵データに基づく練習音声データの入力を開始する手段である。具体的には、表示部のディスプレイはタッチパネルになっており、練習者はディスプレイ上の所望の個所を、指あるいは専用のペンといった入力部で触れて指示を出す。なお、記憶媒体5が接続されていない場合には、画面にエラー表示するようにしてもよい。
【0051】
副機録音手段21とは、副機練習画面表示手段20で入力された練習音声データを録音し、その練習音声データに応じた入力音声のレベルメータを練習画面に表示する手段である。録音された練習音声データは、後述する副機練習結果保存手段23により、記憶媒体5に練習結果データとして保存される。
【0052】
なお、副機録音手段21で録音された練習音声データは、練習音声データの再生の指示がなされた時に、スピーカーを通して出力される。練習音声データの再生の指示については、第6図で詳細に説明する。
【0053】
副機判定結果表示手段22とは、副機録音手段21で録音した練習音声データと、練習者別言語カードデータに含まれる正しい音声データとを比較し、正しい音声データと同じであるかを判定する。そして、同じと判定された場合には、練習画面に合格の表示を行い、不同と判定された場合には、練習画面に不合格の表示を行い、練習者に単語が正しく、かつ発音が正確に為されたかを知らせる手段である。なお、具体的には判定結果表示手段14と同様であるので、ここでは説明は省略する。
【0054】
副機練習結果保存手段23とは、副機録音手段21で録音された練習音声データ、あるいは副機判定結果表示手段22の練習結果データ等を練習結果データとして記憶媒体5に保存する手段である。なお、練習結果データは既に説明しているので、ここでは省略する。
【0055】
第1図(B)は、言語回復練習の他の実施例であり、第1図(A)と異なる部分のみ説明をする。
【0056】
副機録音手段21は、練習音声データの録音、および入力音声のレベルメータを練習画面に表示する他に、録音した練習音声データを判定結果表示手段14で処理されるデータ形式(具体的には、WAVEファイルとする)に変換する手段である。変換後の練習音声データは、副機練習結果保存手段23により記憶媒体5へ保存される。
【0057】
そして、判定結果表示手段14により、記憶媒体5内の変換後の練習音声データを用いて合否判定が行なわれる。その後、練習結果保存手段15により、練習結果データを練習メニュー及び練習結果データベース2に保存する処理が行われる。
【0058】
このように、副機録音手段21の練習音声データを記憶媒体5へ保存し、判定結果表示手段14で合否判定を行うことで、副機200の練習音声データであっても、主機100の合否判定の基準を用いて評価できるようにしてもよい。
【0059】
次に、第2図(A)は、練習者情報の登録を行う処理のブロック図であり、第2図(B)は、言語カードデータの登録を行う処理のブロック図である。
【0060】
第2図(A)に示すごとく、練習者情報の登録を行う処理は、練習者情報データベース3と、練習者情報作成手段16とから構成される。
【0061】
練習者情報データベース3とは、言語回復練習を行う練習者の情報を管理するデータベースである。具体的には、練習者氏名、入院日、病名、練習開始日等のデータの集合である。
【0062】
練習者情報作成手段16とは、入力された言語回復練習を行う練習者情報を、練習者情報データベース3へ登録する手段である。
【0063】
第2図(B)に示すごとく、言語カードの登録を行う処理は、言語カードデータベース1、絵情報データベース4、言語カード作成手段17とから構成される。なお、言語カードデータベース1は既に説明しているので、ここでは省略する。
【0064】
絵情報データベース4とは、絵データあるいは写真データが管理されているデータベースである。具体的には、デジタルカメラで撮影した写真やスキャナーで読込んだ絵などを電子データ化したものが保存されている。
【0065】
言語カード作成手段17とは、絵情報データベース4の絵データあるいは写真データを用いて新たに言語カードデータを作成し、言語カードデータベース1へ追加保存する手段である。具体的には、絵情報データベース4から練習者の症状や程度に適した絵データあるいは写真データを抽出し、それに応じた正しい音声データ、単語データ、応用文データ、カテゴリーデータ等を登録して言語カードデータを作成する。
【0066】
次に、第3図(A)は、本発明の一実施の形態における主機と副機間のデータの流れを説明する図の一例であり、第3図(B)は、データの流れを説明する図の他の例である。なお、第3図(A)は第1図(A)に対応しており、第3図(B)は第1図(B)に対応している。
【0067】
第3図(A)に示すごとく、まず、練習メニューデータ転送手段11で練習メニュー及び練習結果データベース2から所望の副機用の練習メニューデータ30を抽出する(図中(1)の矢印参照)。練習メニューデータ転送手段11でインターフェースあるいは無線を介して練習メニューデータ30を記憶媒体5へ転送し、保存する(図中(2)の矢印参照)。
【0068】
次に、副機200により言語回復練習の処理が実行される。具体的には、副機練習画面表示手段20が記憶媒体5へアクセスして練習メニューデータ30を読込み(図中(3)の矢印参照)、練習者別言語カードデータの絵データを副機の練習画面に表示する。副機録音手段21で練習音声データを録音し、入力レベルメータの表示を行う。そして、副機判定結果表示手段22で練習音声データの合否判定をし、その結果を練習画面に表示する。そして、副機練習結果保存手段23で練習結果データ31を記憶媒体5に保存する(図中(4)の矢印参照)。
【0069】
最後に、練習結果保存手段15でインターフェースあるいは無線を介して記憶媒体5から練習結果データ31を抽出する(図中(5)の矢印参照)。そして、練習結果保存手段15で主機の練習メニュー及び練習結果データベース2へ練習結果データ31を保存する(図中(6)の矢印参照)。
【0070】
第3図(B)は、言語回復練習の他の実施例におけるデータの流れを説明する図であり、第3図(A)と異なる部分(図中(3)の矢印より後)を説明する。
【0071】
副機200により言語回復練習の処理が実行される。具体的には、副機練習画面表示手段20により絵データを練習画面に表示する。副機録音手段21で練習音声データの録音、入力レベルメータの表示、および練習音声データのデータ形式の変換を行う。そして、副機判定結果表示手段22で、合否判定の結果を表示し、副機練習結果保存手段23で変換後の練習音声データ32を記憶媒体5へ保存する(図中(4)の矢印参照)。
【0072】
そして、判定結果表示手段14でインターフェースあるいは無線を介して記憶媒体5から変換後の練習音声データ32を抽出し(図中(5)の矢印参照)、合否判定を行う。そして、練習結果保存手段15に練習結果データ31が渡され(図中(6)の矢印参照)、練習結果保存手段15で練習結果データ31を練習メニュー及び練習結果データベース2に保存する(図中(7)の矢印参照)。
【0073】
次に、第4図は、本発明の一実施の形態における主機の練習メニュー作成画面の一例を表した図である。
【0074】
第4図に示すごとく、主機の練習メニュー作成画面110は、言語カード一覧表示エリア111、言語カード選択エリア112、練習メニュー表示エリア113とから構成される。
【0075】
言語カード一覧表示エリア111は、言語カードデータベース1内のデータを表示方法に従って一覧表示するエリアである。表示方法には、全リスト、50音順、カテゴリー別、あるいは基本順があり、これらはプルダウンメニューにより選択される。全リストは、管理されている全データを並び替えの作業を行わずに表示する方法である。50音順は、単語データの語頭を50音順に並び替えて一覧表示する方法である。カテゴリー別は、単語データをカテゴリー(具体的には、動物のカテゴリー、植物のカテゴリー、食べ物のカテゴリー等)別に並び替えて一覧表示する方法である。基本順は、単語データを言葉の難易度が易しいものから難しいもの順に並び替えて一覧表示する方法である。なお、ここでは表示方法を50音順にした場合が図示されている。
【0076】
言語カード選択エリア112は、言語カードデータベース1から選択した練習者別言語カードデータを練習メニューへ移動したり、練習メニューから選択した練習者別言語カードデータを言語カードデータベース1へ戻したりするエリアである。選択した練習者別言語カードデータの絵データは、それぞれ図中の四角枠の中に表示される。
【0077】
練習メニュー表示エリア113は、作成した練習メニューデータの内容を表示するエリアである。具体的には、練習者名、練習メニューの作成日、練習者別言語カードデータの言語カード番号等が表示される。
【0078】
次に、第5図は、本発明の一実施の形態における主機の練習画面の一例を表した図である。なお、ここではタッチパネルの表示部に練習画面が表示されており、練習者が複数ある練習者別言語カードデータから「牛」を選択した場合を例に説明する。
【0079】
第5図に示すごとく、主機の練習画面120は、入力及び確認エリア121、ヒント取得エリア122、言語カードデータ選択エリア123、絵データ表示エリア124、終了ボタン、ST判定ボタンとから構成される。
【0080】
入力及び確認エリア121は、練習画面表示手段12に練習音声データの入力を指示したり、録音手段13に入力された練習音声データの入力レベルメータの表示を指示したり、録音手段13に録音された練習音声データの再生を指示したりするエリアである。具体的には、話すボタン121a、レベルメータ表示欄121b、確認ボタン121cを有する。話すボタン121aの押下により、練習画面表示手段12に練習音声データの入力が指示され、マイクより練習音声データが入力される。そして、録音手段13で練習音声データに応じた入力レベルメータをレベルメータ表示欄121bに表示する。そして、確認ボタン121cの押下により、録音手段13で録音された練習音声データがスピーカーより再生される。これにより、練習者は自分の発音を確認することができる。
【0081】
なお、絵データが表示された後、あるいは後述のヒントの取得をした後に、話すボタン121aを押下しなくても、自動的に練習画面表示手段12の練習音声データの入力指示が開始されるようにしてもよい。
【0082】
ヒント取得エリア122は、単語の語頭の音声データを出力したり、単語データを表示したり、単語の正しい音声データを出力して、練習者にヒントを与えるエリアである。また、絵データの単語の説明文や、絵データの単語を用いた例文などの応用文を音声出力するエリアでもある。なお、正しい音声データの出力において、練習者が聴取し難い場合は、その近傍にあるボタン(この場合は、ゆっくりボタン、あるいは速くボタン)を押下することにより、音程、音質を変えずに発音速度を変えられる。
【0083】
具体的には、語頭ボタン122a、文字ボタン122b、聞くボタン122c、応用ボタン122dを有し、各ボタンに応じたヒントが取得できる。一番効果的な練習方法としては、語頭ボタン122a→文字ボタン122b→聞くボタン122cの順にヒントを取得し、絵カードに応じた単語を認識していく方法である。
【0084】
語頭ボタン122aは、練習者別言語カードデータに応じた単語データの語頭の音声データ(この場合は、「う」の音声データ)をスピーカーより出力するボタンである。
【0085】
文字ボタン122bは、練習者別言語カードデータに応じた単語データを表示するボタンである。具体的には、文字ボタン122bを1回押下すると、文字ボタンの右側に位置する四角枠のエリアに、漢字あるいは片仮名表記(この場合は、「牛」)で表示される。更に1回、文字ボタン112bを押下すると、平仮名表記(この場合は、「うし」)で表示される。なお、ボタンを押下する度に、漢字(あるいは片仮名)表記と平仮名表記は繰返される。
【0086】
聞くボタン122cは、練習者別言語カードデータに応じた正しい音声データを出力するボタンである。
【0087】
応用ボタン122dは、練習者別言語カードデータに応じた説明文や例文の一覧を表示するボタンである。具体的には、応用ボタン122dを押下すると、練習者別言語カードデータの応用文データの一覧を表示する画面が展開される。練習者はその一覧より所望の応用文を選択し、説明文あるいは例文を音声データで聞くことができる。これにより、練習者は応用文を単語データに関連づけて覚えることができる。なお、応用文データの一覧表示画面を消す場合には、該画面にある終了ボタンを押下すればよい。
【0088】
言語カードデータ選択エリア123は、練習メニューデータの練習者別言語カードデータの一覧を表示し、所望の練習者別言語カードデータを選択するエリアである。具体的には、練習メニューデータの練習者別言語カードデータに1から順に番号を付しておき、その番号の一覧を表示する。なお、練習者別言語カードデータが多くある場合には、図中に示したように、番号の上方に前後へ移動させるボタンを配置し、番号の一覧をスクロールできるようにしてもよい。
【0089】
絵データ表示エリア124は、練習者別言語カードデータに応じた絵データを表示するエリアである。具体的には、図示したように「牛」の絵が表示される。なお、絵データ表示エリア124内をマウスあるいは専用のペン等でクリックすると、表示されていた絵データが非表示の状態になり、再度クリックすると絵データが表示の状態になるようにしてもよい。これにより絵データが非表示の状態で、上述の文字ボタン122bを押下して表示された単語データから「牛」の絵データを想像させたり、あるいは上述の聞くボタン122cを押下して出力された正しい音声データから「牛」の絵データを想像させる練習も可能となる。
【0090】
終了ボタンは、言語回復練習を終了するボタンである。
【0091】
ST(Speech Language Healing Therapist(言語聴覚士)の略)判定ボタンは、言語聴覚士が録音手段13により録音された練習音声データを聞いて、合否を判定するボタンである。具体的には、言語聴覚士が、入力及び確認エリア121の確認ボタン121cを押下して練習音声データを聞き、その合否を判定して結果を保存するボタンである。これにより、判定結果表示手段14では不合格であっても、言語聴覚士による判定では合格とすることができる。その言語聴覚士による判定結果(この場合は、合格)は、練習メニュー及び練習結果データベース2内に保存することもできる。なお、この言語聴覚士による判定結果は、判定結果表示手段14による判定結果(この場合は、不合格)を上書きして保存してもよい。
【0092】
次に、第6図(A)は、本発明の一実施の形態における副機の練習画面の一例を表した図であり、第6図(B)は、結果表示エリアの合格表示の一例を表した図であり、第6図(C)は、結果表示エリアの不合格表示の一例を表した図である。なお、ここではタッチパネルの表示部に練習画面が表示されており、複数ある練習者別言語カードデータから「牛」を選択した場合を例に説明する。
【0093】
第6図(A)に示すごとく、副機の練習画面210は、入力及び確認エリア211、文字ボタン212、言語カードデータ選択ボタン213、絵データ表示エリア214、結果表示エリア215、戻るボタンとから構成される。
【0094】
入力及び確認エリア211は、副機練習画面表示手段20に練習音声データの入力を指示したり、副機録音手段21に入力された練習音声データの入力レベルメータの表示を指示したり、副機録音手段21に録音された練習音声データの再生を指示したりするエリアである。具体的には、話すボタン211a、レベルメータ表示欄211b、確認ボタン211cを有する。話すボタン211aの押下後に、副機練習画面表示手段20の練習音声データの入力が指示され、マイクより練習音声データが入力される。そして、レベルメータ表示欄211bは、副機録音手段21で録音された練習音声データに応じた入力レベルメータが表示される。そして、確認ボタン211cの押下後に、副機録音手段21で録音された練習音声データがスピーカーより再生される。これにより、練習者は自分の発音を確認することができる。
【0095】
なお、主機と同様に、話すボタン211aを押下しなくても、自動的に副機練習画面表示手段20の練習音声データの入力指示が開始されるようにしてもよい。
【0096】
文字ボタン212は、練習者別言語カードデータに応じた単語データを表示して、練習者にヒントを与えるボタンである。具体的には、タッチパネルを指や専用のペンで一回触れると、漢字表記(この場合は、「牛」)され、もう一度触れると平仮名表記(この場合は、「うし」)と表示される。なお、タッチパネルに接触する度に漢字表記と平仮名表記は繰返して表示される。
【0097】
言語カードデータ選択ボタン213は、表示される練習者別言語カードデータを他の練習者別言語カードデータへ移動させるボタンである。具体的には、左ボタンを1回押下すると一つ前の練習者別言語カードデータが表示され、右ボタンを1回押下すると一つ後の練習者別言語カードデータが表示される。
【0098】
絵データ表示エリア214は、練習者別言語カードデータに応じた絵データを表示するエリアである。また、絵データ表示エリア214はボタンでもあり、タッチパネルに触れると、正しい音声データが出力される。正しい音声データは、絵データに応じた単語データを音声出力するものである。具体的には、絵データ表示エリア214には、図示したように「牛」の絵が表示される。該エリア内を指で触れると、絵データに応じた正しい音声データ(この場合は、「うし」の音声データ)が出力される。なお、出力された音声が聴取し難い場合には、副機の機能設定の画面で、出力音声の話速を変えられるようにしてもよい。主機と同様に、発音速度を変えても、音程、音質は変化しない。
【0099】
結果表示エリア215は、合否判定の結果を表示するエリアである。これにより、結果表示エリア215に合格あるいは不合格の表示を行い、練習者に単語が正しく、かつ発音が正確に為されたかを知らせる。具体的には、合格と判定された場合には、第6図(B)に示すような顔が表示され、不合格と判定された場合には、第6図(C)に示すような顔が表示される。なお、合格や不合格を表示する時に、同時に音(この場合は、合格なら「ピンポン」、不合格なら「ブー」という音)も出力して練習者に知らせるようにしてもよい。
【0100】
戻るボタンは、言語回復練習を終了させるボタンである。
【0101】
なお、図示はしていないが、主機と同様に語頭ボタンを設けて、練習者別言語カードデータに応じた単語データの語頭の音声データを出力するようにしてもよい。
【0102】
次に、第7図は、本発明の一実施の形態における主機側の言語回復練習の処理フロー図である。
【0103】
まず、練習メニュー作成手段10により、言語カードデータベース1の中から練習者に適した練習者別言語カードデータを抽出し、主機用あるいは副機用の練習メニューデータを作成する(ステップS1)。そして、その練習メニューデータを練習メニュー及び練習結果データベース2へ保存する(ステップS2)。
【0104】
次に、記憶媒体5へ練習メニューデータを転送するか否かの判断が行われる(ステップS3)。転送を行わない場合は(ステップS3のNo)、後述のステップS4の処理が実行される。一方、転送を行う場合は(ステップS3のYes)、練習メニューデータ転送手段11により、練習メニュー及び練習結果データベース2の中から副機用の練習メニューデータが選択され(ステップS14)、記憶媒体5へ転送されて(ステップS15)、主機側の言語回復練習に関する全ての処理が終了する。
【0105】
次に、練習画面表示手段12により練習メニュー及び練習結果データベース2の中から所望の主機用の練習メニューデータが選択される(ステップS4)。そして、主機の練習画面120が表示され(第5図参照)、言語カードデータ選択エリア123に表示された練習者別言語カードデータの一覧から所望の練習者別言語カードデータが選択される(ステップS5)。練習画面120の絵データ表示エリア124には、練習者別言語カードデータに応じた絵データが表示され、練習経過情報の記録が開始される(ステップS6)。
【0106】
次に、練習画面120上の各ボタンの押下に応じて、以下の処理が行われる。
【0107】
〔SW=ヒント取得処理の場合〕
ヒント取得エリア122内の所望のボタンが押下されると、ボタンに応じたヒント処理が行われる(ステップS7)。具体的には、語頭ボタン122aを押下した場合には、練習者別言語カードデータに応じた言語データの語頭の音声データが再生される。文字ボタン122bを押下した場合には、練習者別言語カードデータの言語データが、漢字表記あるいは平仮名表記で表示される。聞くボタン122cを押下した場合には、練習者別言語カードデータに応じた正しい音声データが出力される。正しい音声データの話速は聴取能力に応じて速めたり、遅くしたりできる。
【0108】
なお、これらのヒントを取得した後、処理はステップS6の直前へと戻り、練習画面120が表示される。絵データの単語が認識できるまで、ヒントを取得し続けてもよい。
【0109】
〔SW=応用文取得処理の場合〕
ヒント取得エリア122内の応用ボタン122dが押下されると、応用文データの一覧表示画面が表示される。一覧より所望の応用文が選択されると、応用文に応じた音声データが出力される。終了の指示が為されるまで、応用文データの選択及び音声データの出力は繰返される。
【0110】
なお、終了の指示が為された後は、処理はステップS6の直前へと戻り、練習画面120が表示される。
【0111】
〔SW=話す処理の場合〕
入力及び確認エリア121内の話すボタン121aが押下されると、絵データに基づく練習音声データの入力が開始され、録音手段13が起動し、絵データに応じた練習音声データの録音、及び練習音声データの入力レベルメータの表示が実行される(ステップS9)。そして、判定結果表示手段14により、練習音声データと正しい発音データとを比較して合否を判定し、その判定結果が画面に表示される(ステップS10)。そして、練習結果保存手段15により、練習結果データが練習メニュー及び練習結果データベース2に保存される(ステップS11)。練習結果データとは、ステップS9の録音された練習音声データと、ステップS10の判定結果と、ステップS6からステップS10の合否判定処理の間に行われた練習経過情報である。
【0112】
最後に、練習画面120に次の練習者別言語カードデータを表示するか否かの判断が行われる(ステップS12)。次の練習者別言語カードデータを表示する場合は(ステップS12のYes)、処理はステップS5の直前へと戻り、言語回復練習は続けられる。一方、次の練習者別言語カードデータを表示しない場合は(ステップS12のNo)、更に練習画面120の終了ボタンの押下が為されたか否かの判断が行われる(ステップS13)。終了ボタンが押下されない場合は(ステップS13のNo)、ステップS5の直前へ戻り、引き続き言語回復練習が行われる。一方、終了ボタンが押下された場合は(ステップS13のYes)、主機側の言語回復練習に関する全ての処理が終了する。
【0113】
次に、第8図(A)は、本発明の一実施の形態における練習者情報の登録を行う処理のフロー図であり、第8図(B)は、言語カードデータの登録を行う処理のフロー図である。
【0114】
第8図(A)に示すごとく、まず、練習者情報作成手段16により、練習者の名前や発病時期等の練習者情報が入力される(ステップS21)。そして、練習者情報を登録して良いか否かの判断が為される(ステップS22)。修正個所がある場合には(ステップS22のNo)、ステップS21の前へ処理は戻りデータの修正を行う。一方、登録をする場合には(ステップS22のYes)、練習者情報作成手段16により練習者情報は練習者情報データベース3へ保存される(ステップS23)。
【0115】
なお、図示はしないが、練習者情報データベースに登録済みの練習者情報の修正、あるいは削除の処理も、練習者情報作成手段16に行わせるようにしてもよい。
【0116】
第8図(B)に示すごとく、まず、主機の言語カード作成手段17により、絵情報データベース4から所望の絵データを選択する(ステップS31)。そして、単語データ、正しい音声データなどの設定を行う(ステップS32)。そして、言語カードデータを登録して良いか否かの判断が為される(ステップS33)。修正個所がある場合には(ステップS33のNo)、ステップS32の前へ処理は戻りデータの修正を行う。一方、登録をする場合には(ステップS33のYes)、言語カード作成手段17により、言語カードデータが言語カードデータベース1へ保存される(ステップS34)。
【0117】
次に、第9図は、本発明の一実施の形態における副機の言語回復練習の処理フロー図である。なお、副機で言語回復練習を行う場合には、事前に、前述した第7図のステップS14、およびステップS15の処理で記憶媒体5へ副機用の練習メニューデータを転送しておく必要がある。
【0118】
まず、副機練習画面表示手段20で記憶媒体5より副機用の練習メニューデータを読込む(ステップS41)。そして、副機の練習画面210が表示され(第6図(A)参照)、言語カードデータ選択ボタン213を用いて、所望の練習者別言語カードデータが選択される(ステップS42)。練習画面210の絵データ表示エリア214には、練習者別言語カードデータに応じた絵データが表示され、練習経過情報の記録が開始される(ステップS43)。
【0119】
次に、練習画面210上の各ボタンの押下に応じて、以下の処理が行われる。
【0120】
〔SW=単語データ取得処理の場合〕
文字ボタン212が押下されると、練習者別言語カードデータに含まれる単語データが、漢字表記あるいは平仮名表記で表示される(ステップS44)。なお、単語データを取得した後、処理はステップS43の直前へと戻り、練習画面210が表示される。絵データの単語が認識できるまで、単語データを取得し続けてもよい。
【0121】
〔SW=音声データ取得処理の場合〕
絵データ表示エリア214の一部が押下されると、練習者別言語カードデータに応じた正しい音声データが出力される(ステップS45)。正しい音声データの話速は、聴取能力に応じて速めたり、遅くしたりできる。話速の設定は、言語回復練習を開始する前に、副機の設定の画面で行えるようにしてもよい。
【0122】
なお、正しい音声データを取得した後、処理はステップS43の直前へと戻り、練習画面210が表示される。正しい音声データに応じた単語が認識できるまで、音声データを取得し続けてもよい。
【0123】
〔SW=話す処理の場合〕
入力及び確認エリア211内の話すボタン211aが押下されると、絵データに基づく練習音声データの入力が開始され、副機録音手段21が起動し、絵データに応じた練習音声データの録音、及び練習音声データの入力レベルメータの表示が実行される(ステップS46)。そして、副機判定結果表示手段22により、練習音声データと正しい発音データとを比較して合否を判定し、その判定結果が練習画面210の結果表示エリア215に表示される(ステップS47)。そして、副機練習結果保存手段23により、練習結果データが記憶媒体5に保存される(ステップS48)。練習結果データとは、ステップS46の録音された練習音声データ、ステップS47の判定結果、あるいはステップS43からステップS47の合否判定処理の間に行われた練習経過情報である。
【0124】
次に、練習画面210に次の練習者別言語カードデータを表示するか否かの判断が行われる(ステップS49)。次の練習者別言語カードデータを表示する場合は(ステップS49のYes)、ステップS42の直前へ戻り、引き続き言語回復練習が行われる。一方、次の練習者別言語カードデータを表示しない場合は(ステップS49のNo)、更に、記憶媒体5から主機へデータを転送するか否かの判断が行われる(ステップS50)。転送を行う場合は(ステップS50のYes)、練習結果保存手段15で記憶媒体5に保存された練習結果データを練習メニュー及び練習結果データベース2へ保存し(ステップS51)、副機の言語回復練習は終了する。一方、転送を行わない場合は(ステップS50のNo)、練習結果データは主機へ反映されずに、言語回復練習は終了する。
【0125】
なお、図示はしていないが、第1図(B)あるいは第3図(B)に示したような、言語回復練習における他の例の場合には、ステップS46で録音された練習音声データを判定結果表示手段14のデータ形式に変換する処理が追加される。そして、ステップS48では、変換後の練習音声データが記憶媒体5に保存される。変換後の練習音声データは、ステップS51の処理の前に判定結果表示手段14へ転送され、主機の合否判定の基準を用いて合否判定がなされ、練習結果データが作成される。その後、ステップS51で練習結果データが保存され、言語回復練習は終了する。
【0126】
以下に、本発明における実施の形態の練習メニューデータあるいは練習結果データを利用した管理表について、第10図乃至第11図を参照にして詳細に説明する。
【0127】
まず、第10図は、本発明の一実施の形態における練習結果データを一日単位で表示した日次管理表の一例である。
【0128】
第10図に示すごとく、日次管理表は、練習者氏名、練習日時、練習者別言語カードデータ番号および単語データ、練習結果データを一日単位で一覧にした表である。
【0129】
具体的には、練習結果データは、聞くボタンを押下した回数、音声データの話速においてゆっくりボタンを押下した回数、話すボタンを押下した回数、合格になるまでの回数、スコア、語頭ボタンを押下した回数、平仮名表記を指示した回数、漢字表記を指示した回数が表されている。なお、各項目については上述で説明しているので、ここでは省略する。また日次管理表は、縦軸を練習者別言語カードデータ、横軸を練習結果データとしてマトリクス状に表し、最終行で各項目の合計値を算出している。
【0130】
最後に、第11図(A)は、本発明の一実施の形態における練習結果データを月単位で表示した月次管理表の一例であり、第11図(B)は、月次管理表をグラフで表した一例である。
【0131】
第11図(A)に示すごとく、月次管理表は、上述した日次管理表の練習結果データの合計値と平均回数値を算出して、練習日時順に表示している。月次管理表は、縦軸を日時、横軸を練習結果データとしてマトリクス状に表し、最終行で各項目の合計値を算出している。なお、各項目については上述で説明しているので、ここでは省略する。
【0132】
第11図(B)に示すごとく、月次管理表のデータは、棒グラフや折れ線グラフ等の形式で表すことができる。具体的には、第11図(A)の月次管理表のデータを抽出して、専用機あるいはパソコンの記憶部、記憶媒体等へ保存する。その保存された月次管理表のデータと、グラフ作成が可能なアプリケーションとを利用して、図に示すようなグラフを作成する。なお、専用機あるいはパソコンには、予めグラフ作成が可能なアプリケーションをインストールしておく。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】第1図(A)は、本発明の一実施の形態における主機と副機の言語回復練習を行う処理のブロック図の一例であり、第1図(B)は、本発明の一実施の形態における主機と副機の言語回復練習を行う処理の他の例を説明するブロック図である。
【図2】第2図(A)は、本発明の一実施の形態における練習者情報の登録を行う処理のブロック図であり、第2図(B)は、本発明の一実施の形態における言語カードデータの登録を行う処理のブロック図である。
【図3】第3図(A)は、本発明の一実施の形態における主機と副機間のデータの流れを説明する図の一例であり、第3図(B)は、本発明の一実施の形態における主機と副機間のデータの流れを説明する図の他の例である。
【図4】第4図は、本発明の一実施の形態における主機の練習メニュー作成画面の一例を表した図である。
【図5】第5図は、本発明の一実施の形態における主機の練習画面の一例を表した図である。
【図6】第6図(A)は、本発明の一実施の形態における副機の練習画面の一例を表した図であり、第6図(B)は、本発明の一実施の形態における副機の結果表示エリアの合格表示の一例を表した図であり、第6図(C)は、本発明の一実施の形態における副機の結果表示エリアの不合格表示の一例を表した図である。
【図7】第7図は、本発明の一実施の形態における主機の言語回復練習の処理フロー図である。
【図8】第8図(A)は、本発明の一実施の形態における練習者情報の登録の処理フロー図であり、第8図(B)は、本発明の一実施の形態における言語カードデータの登録の処理フロー図である。
【図9】第9図は、本発明の一実施の形態における副機の言語回復練習の処理フロー図である。
【図10】第10図は、本発明の一実施の形態における練習結果データを一日単位で表示した日次管理表の一例である。
【図11】第11図(A)は、本発明の一実施の形態における練習結果データを月単位で表示した月次管理表の一例であり、第11図(B)は、本発明の一実施の形態における月次管理表をグラフで表した一例である。
【符号の説明】
【0134】
1 言語カードデータベース
2 練習メニュー及び練習結果データベース
3 練習者情報データベース
4 絵情報データベース
10 練習メニュー作成手段
11 練習画面表示手段
12 録音手段
13 判定結果表示手段
14 練習結果保存手段
15 練習者情報作成手段
16 言語カード作成手段
100 練習メニュー作成画面
110 練習画面
【0001】
本発明は、失語症の回復を支援する主機と副機からなる練習支援装置に関し、特に、主機で作成した言語回復練習の練習メニューを副機に転送して、副機で練習メニューの絵カードを表示し、その絵カードに応じた練習者の音声を録音し、その発音が正しくなされたかの合否を判定して、その判定結果を主機の記憶部に保存できる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脳機能障害を療養する装置は音楽療法を用いたものがあり、歌曲の旋律の楽音や、音声を発生して歌唱を促すものがある。
【0003】
特開平09−047510号公報では、要療養者の知っている楽曲が表示された表示部において、手、その他の身体の一部若しくはマウス等を用いて、該表示部に示された歌詞の表示の近傍を押下して順次指示し、これにより作動されたスイッチ手段が歌詞に対応する旋律を鳴らす音楽療法具が開示されている。これにより、要療養者が過去に馴染んでいる歌詞を順次指示して行くだけで歌詞に対応する旋律を鳴らせ、自発的に自ら所望する楽曲を演奏し、かつ歌うことで、機能を回復しうることが示されている。
【特許文献1】
特開平09−047510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の方法は、自発的に自ら所望する歌曲を演奏し、かつ歌うことで脳機能を回復させる療法であるため、大脳の言語機能に関与する部位に障害が生じ、言語に対しての理解あるいは言葉を出す機能が失われた状態の失語症には効果的な療養とは言い難い。失語症は、欠損した機能を、繰返し長期間の訓練を行うことで少しずつ良くなるため、言語聴覚士が症状や環境等に合わせたプログラムを作り、言語訓練を行う必要がある。しかし、言語聴覚士や言語訓練を実施している病院(あるいはリハビリテーションセンター)が少なかったり、言語訓練に通う病院が遠かったり、あるいは長期間にわたる言語訓練であるため、言語訓練を受けていない多数の在宅者が存在しているという問題がある。
【0005】
また、病院での言語訓練の時間は短く、言語訓練の不足を補うための自宅での練習が大部分を占める。言語訓練の不足を補う練習の一つに、磁気カードに録音された言葉を再生して聞き、真似して発音の練習を繰返すものがあるが、それでは発音を自己修正することは難しい。そのため、言語聴覚士の居ない環境であっても、言語聴覚士が居る環境と同様の言語訓練を行える練習支援装置の提供という課題を有する。
【0006】
更に、自宅での練習の成果が言語聴覚士には分かり難いため、練習成果が後から確認できる練習支援装置の提供という課題を有する。
【0007】
更に、言語訓練の不足を補うために、病院や自宅以外でも気軽に練習が行える携帯可能な練習支援装置の提供という課題を有する。
【0008】
更に、失語症の種類や程度は千差万別であるため、練習者の症状や程度に合わせて、言語訓練の練習量や練習の難易度を調整できる練習支援装置の提供という課題を有する。
【0009】
更に、言語訓練の訓練計画に沿った練習メニューを作成するために、写真、音あるいは音声を用いて言語訓練の教材が新しく作成できる練習支援装置の提供という課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上述した問題点に鑑みて為されたものであり、記憶媒体を介して各データベースのデータを共有する主機と副機であって、少なくとも絵データ、正しい音声データ、単語データとから成る言語カードデータを管理する言語カードデータベースから各失語症の練習者に応じた失語症の練習者別言語カードデータを抽出して練習メニューデータを作成し、前記練習メニューデータ及び練習結果データを管理する練習メニュー及び練習結果データベースへ保存する練習メニュー作成手段と、前記練習メニュー及び練習結果データベースから各失語症の練習者の練習内容に応じた失語症の前記練習メニューデータを抽出して前記記憶媒体へ転送する練習メニューデータ転送手段と、前記練習メニュー及び練習結果データベースから所望の前記練習メニューデータを抽出して、前記失語症の練習者別言語カードデータの少なくとも前記絵データを表示する練習画面表示手段と、前記失語症の練習者別言語カードデータに基づく失語症の練習者の練習音声データを録音する録音手段と、前記練習音声データと前記正しい音声データとの相違度合あるいは類似度合が失語症の練習者毎あるいは前記失語症の練習者別言語カードデータ毎に設定された合否判定の基準値内であるかを判定し、その判定結果の表示を行う判定結果表示手段と、前記判定結果と、前記失語症の練習者別言語カードデータが表示されてから前記合否判定が行われる迄の練習経過情報とを練習結果データとして、前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存する練習結果保存手段とを備えた前記主機と、前記練習メニューデータが保存された前記記憶媒体へアクセスし、前記失語症の練習者別言語カードデータの少なくとも前記絵データを表示する副機練習画面表示手段と、前記失語症の練習者別言語カードデータに基づく失語症の練習者の練習音声データを録音する副機録音手段と、前記練習音声データと前記正しい音声データとの相違度合あるいは類似度合が合否判定の基準値内であるかを判定し、その判定結果の表示を行う副機判定結果表示手段とを備えた前記副機とからなり、前記副機で前記練習メニューデータの前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示し、前記絵データに対する失語症の練習者の前記練習音声データを録音し、前記練習音声データが合否判定の基準値内であるかを判定し、前記判定結果を表示して失語症の練習者に前記合否判定を知らせることで解決するものである。
【0011】
また、本発明では、練習者情報作成手段により入力された失語症の練習者に関するデータを、失語症の練習者毎に管理する練習者情報データベースへ保存することを特徴とする。
【0012】
更に、本発明では、前記練習結果保存手段は、前記記憶媒体に保存された前記副機の練習結果データを前記練習メニュー及び練習結果データベースへ転送して前記主機と前記副機で共有することを特徴とする。
【0013】
更に、本発明では、前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段は、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示し、前記練習経過情報の記録を開始し、前記絵データに基づく失語症の練習者の練習音声を入力し、前記録音手段あるいは前記副機録音手段に前記失語症の練習者の練習音声の録音及び練習音声の入力レベルメータの表示を行わせることを特徴とする。
【0014】
更に、本発明では、前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段により、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示している間に、前記失語症の練習者別言語カードデータに応じた前記単語データのうち語頭の音声データだけをヒントとして出力することを特徴とする。
【0015】
更に、本発明では、前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段により、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示している間に、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記単語データを漢字あるいは仮名表記でヒントを表示させることを特徴とする。
【0016】
更に、本発明では、前記練習メニュー作成手段は、前記判定結果表示手段による前記練習音声データと前記正しい音声データとの合否判定の基準値を各練習者の失語症の症状や程度に応じて個別に設定することを特徴とする。
【0017】
更に、本発明では、前記言語カードデータベースは、前記絵データに対応した単語単位に保存されていることを特徴とする。
【0018】
更に、本発明では、前記練習メニュー及び練習結果データベースは、失語症の練習者毎に区分して、練習者の症状や程度に応じて作成された前記練習メニューデータが管理されていることを特徴とする。
【0019】
更に、本発明では、前記判定結果と、前記失語症の練習者別言語カードデータが表示されてから前記合否の判定が行われる迄の練習経過情報とを練習結果データとし、前記記憶媒体に保存する副機練習結果保存手段とを備え、前記副機練習結果保存手段で前記練習結果データを前記記憶媒体に保存し、前記練習結果保存手段で前記記憶媒体の前記練習結果データを前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存することを特徴とする。
【0020】
更に、本発明では、前記副機録音手段の失語症の練習者の前記練習音声データを前記記憶媒体へ保存し、前記判定結果表示手段で前記記憶媒体の前記練習音声データの合否を失語症の練習者毎あるいは前記失語症の練習者別言語カードデータ毎に設定した前記基準値を用いて判定し、前記練習結果保存手段で前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
前記課題を解決するために、本発明の主機と副機を有する失語症練習支援装置は、練習メニュー作成手段で練習者に応じた練習メニューデータを作成し、練習画面表示手段で主機用の練習メニューデータを抽出して、練習者別言語カードデータを表示させ、録音手段で練習者別言語カードデータに基づく練習音声データを録音する。そして、判定結果表示手段で練習音声データの合否を判定して判定結果を表示し、練習結果保存手段で練習結果データを練習メニュー及び練習結果データベースへ保存することにより、言語聴覚士の居ない環境であっても、言語聴覚士による言語訓練と同様の練習を支援することができる。
【0022】
また、練習メニューデータ転送手段で抽出した副機用の練習メニューデータを記憶媒体へ転送する。そして、副機練習画面表示手段で記憶媒体の練習メニューデータの練習者別言語カードデータを表示させ、副機録音手段で練習音声データを録音する。副機判定結果表示手段で合否を判定した結果を表示することにより、主機と異なる場所でも副機で練習できる。
【0023】
これにより、失語症の種類や程度に応じて1回の練習量、練習内容の難易度、あるいは合否判定の基準を調整した練習メニューデータを作成したり、合否判定の結果や録音された練習音声データを確認して発音を正しく自己修正したり、自宅での練習成果を言語聴覚士が確認できる。また、主機と副機で各データベースを共有するため一元で管理できる。
【0024】
更に、言語カード作成手段で練習者の症状や程度に適した言語カードデータを新たに作成して、単語単位で管理する言語カードデータベースへ追加保存することにより、追加した言語カードデータも含めてデータベース内のデータを並べ替えられる。これにより、練習者に適した言語カードデータを容易に抽出して練習メニューを作成できる。
【0025】
更に、練習画面表示手段で練習者別言語カードデータの絵データを表示している間に、話速を変えて正しい音声データを出力したり、単語データの語頭の音声データを出力したり、あるいは単語データを表示させたりすることにより、練習者に絵カードのヒントを与えることができる。これにより、絵データの単語が分からない場合には、状況に応じたヒントを取得し、単語が自然と認識できるようになるまで、練習できる。
【0026】
更に、練習メニュー及び練習結果データベースは、練習者毎に区分して練習メニューデータ及び練習結果データを管理するので、練習者毎に言語回復練習に関するデータの集計を行える。これにより、失語症の回復状況の把握や今後の練習計画の作成にデータを役立てることができる。
【0027】
更に、副機練習結果保存手段は、副機録音手段の練習音声データと、練習経過情報とを記憶媒体へ保存することにより、練習結果保存手段で記憶媒体の練習結果データを練習メニュー及び練習結果データベースに保存することができる。これにより、容易に副機の練習結果を練習メニュー及び練習結果データベースへ反映することができる。
【0028】
更に、副機録音手段の練習音声データを記憶媒体へ保存することにより、判定結果表示手段で記憶媒体の練習音声データの合否判定を行うことができる。これにより、主機の合否判定の基準を用いて練習結果データを取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、図面を参照にして、本発明の一実施の形態について説明する。
【0030】
まず、第1図(A)は、本発明の一実施の形態における主機と副機の言語回復練習を行う処理のブロック図の一例であり、第1図(B)は、言語回復練習の他の例を説明するブロック図である。
【0031】
第1図(A)に示すように、主機と副機を有する失語症練習支援装置における言語回復練習を行う処理は、言語カードデータベース1、練習メニュー及び練習結果データベース2、練習メニュー作成手段10、練習メニューデータ転送手段11、練習画面表示手段12、録音手段13、判定結果表示手段14、練習結果保存手段15とから構成される主機100と、副機練習画面表示手段20、副機録音手段21、副機判定結果表示手段22、副機練習結果保存手段23とから構成される副機200と、記憶媒体5とで構成される。
【0032】
主機100とは、言語聴覚士や言語訓練を実施している病院(あるいはリハビリテーションセンター)に設置された言語回復練習に利用されるコンピュータ装置をいう。
【0033】
具体的には、後述の手段を搭載した専用装置、あるいは後述の手段を有するアプリケーションがインストールされたパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと省略する)である。
【0034】
専用装置あるいはパソコンは、少なくとも、第1の入力部、第2の入力部、表示部、記憶部、演算部、出力部とを有する。第1の入力部は、キーボード、タブレット、マウス、指、専用のペン等である。第2の入力部は、音声を電気信号に変える装置であり、具体的にはマイクである。表示部は、ディスプレイあるいはタッチパネルである。記憶部は、コンピュータ内のデータやプログラムを記憶する装置である。演算部は、コンピュータの中で、各装置や各手段の制御、データの計算や加工を行う中枢部である。また、演算部は、記憶部のプログラムを実行する装置でもあり、第1の入力部や記憶部からデータを受け取り、演算や加工をした上で、出力部や表示部に出力をする。出力部は、電気信号を音に変える装置であり、具体的にはスピーカーである。
【0035】
副機200とは、持ち運び可能な言語回復練習に利用されるコンピュータ装置をいう。
【0036】
具体的には、後述の手段を搭載したPersonal Digital Assistants(以下、PDAと省略する)である。PDAは主機と同様に、少なくとも、第1の入力部(この場合は、指あるいは専用のペン)、第2の入力部、表示部(この場合は、タッチパネル)、記憶部、演算部、出力部とを有する。なお、具体的な制御については、主機と同様なので、ここでは省略する。
【0037】
言語カードデータベース1とは、言語回復練習で利用される言語カードデータを単語単位に管理するデータベースである。言語カードデータとは、単語に応じて描画された絵、あるいは添付された写真からなる言語カードに、音情報や文書情報を付加して電子データ化したものである。
【0038】
具体的には、言語カードデータベース1は、言語カードデータ番号、絵データ、合格基準点データ、正しい音声データ、単語データ、応用文データ、カテゴリーデータ等の集合であり、絵データには写真データも含まれる。合格基準点データは、後述する判定結果表示手段14の合否判定において合格の基準となる点数であり、この基準点以下(あるいは、基準点以上)であれば合格となる。具体的には、言語聴覚士(言葉や聞こえなど、コミュニケーションに障害のある方や周囲の方々に対して、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・教育関係者・療育関係者などと連携を取りながら、相談・評価・訓練・指導などの専門的な援助を行う人)が、事前に練習者の音声を判定しておき、その結果の相関で合格の基準となる点数を決める。単語データは、絵データに応じた単語を平仮名、片仮名、あるいは漢字で表記したものである。応用文データは、絵データに応じた単語の説明文、あるいはその単語を用いた例文からなる。なお、既存のイラストなどをスキャナーで読込み電子データ化し、絵データとして利用してもよい。
【0039】
練習メニュー及び練習結果データベース2とは、練習者に応じて作成された練習メニューデータと、練習メニューデータに応じた練習結果データを管理するデータベースである。練習メニューデータとは、練習者の症状や程度に応じて抽出された練習者別言語カードデータの集合である。練習結果データとは、練習者別言語カードデータに応じた練習音声や、発音の合否判定結果、練習の経過情報等の集合である。具体的には、練習メニューデータは、練習メニューデータ番号、練習者氏名、練習メニューの作成日、選択された練習者別言語カードデータ等の集合である。練習結果データは、練習メニューデータ番号、練習日時、練習音声データ、判定結果、練習経過情報等の集合である。
【0040】
記憶媒体5とは、主機100から副機200へ転送する練習メニューデータ、あるいは副機200から主機100へ転送する練習結果データや練習音声データを保存しておくための記録媒体であり、持ち運び可能な大きさである。具体的には、記録媒体は、フロッピーディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、メモリカード等が利用される。
【0041】
練習メニュー作成手段10とは、言語カードデータベース1から各練習者に応じた練習者別言語カードデータを抽出して練習メニューデータを作成し、作成した練習メニューデータを練習メニュー及び練習結果データベース2へ保存する手段である。具体的には、練習メニューデータは、主機用と副機用とに区別して作成され、それらを区別するフラグがセットされる。
【0042】
また、後述の判定結果表示手段14あるいは副機判定結果表示手段22における合否判定の基準を設定する手段でもある。合否判定の基準とは、練習音声データと正しい音声データの各音素が相違と判定される範囲を設定した値である。具体的には、合否判定の基準を20%と設定した場合、練習音声データと正しい音声データの各音素の相違度合が20%以上であれば、両者は相違の音素と判定される。一方、各音素の相違度合が20%未満であれば、両者は同じ音素と判定される。なお、ここでは、相違度合を用いて説明しているが、練習音声データと正しい音声データの各音素の類似度合を用いて、合否判定を行ってもよい。また、合否判定の基準は、練習者毎、あるいは練習者別言語カードデータ毎に設定されるが、合否判定の基準を設定しない場合は、デフォルト値が自動で設定されるようにしてもよい。
【0043】
練習メニューデータ転送手段11とは、練習メニュー及び練習結果データベース2から練習内容に応じた副機用の練習メニューデータを抽出して、記憶媒体5へ転送する手段である。データの転送方法には、無線を用いて行う方法、あるいはインターフェースを介して行う方法がある。具体的には、主機100と記憶媒体5(この場合は、メモリカードとする)はメモリカードリーダとインターフェース(この場合は、USB)を介して接続され、練習メニューデータ転送手段11で抽出した副機用の練習メニューデータをメモリカードへ転送し、保存する。
【0044】
練習画面表示手段12とは、練習メニュー及び練習結果データベース2から所望の主機用の練習メニューデータを抽出し、その練習メニューデータに含まれる練習者別言語カードデータの絵データをディスプレイ上の練習画面に表示し、練習経過情報の記録を開始する。そして、音声入力の指示を受けた後に、マイクを介して絵データに基づく練習音声データの入力を開始する手段である。具体的には、表示部のディスプレイはタッチパネルになっており、練習者はディスプレイ上の所望の個所を、指あるいは専用のペンといった入力部で触れて指示を出す。なお、表示部のディスプレイはタッチパネルでなくてもよく、その場合にはキーボード、タブレットあるいはマウスといった入力部を用いればよい。
【0045】
録音手段13とは、練習画面表示手段12で入力された練習音声データを録音し、その練習音声データに応じた入力音声のレベルメータを練習画面に表示する手段である。録音された練習音声データは、後述する練習結果保存手段15により、練習メニュー及び練習結果データベース2に練習結果データとして保存される。
【0046】
なお、録音手段13で録音された練習音声データは、練習音声データの再生の指示がなされた時に、スピーカーを通して出力される。練習音声データの再生の指示については、第5図で詳細に説明する。
【0047】
判定結果表示手段14とは、録音手段13で録音した練習音声データと、言語カードデータに含まれる正しい音声データとを比較し、練習音声データが正しい音声データと同じであるかを判定する。そして、同じと判定された場合には、練習画面に合格の表示を行い、不同と判定された場合には、練習画面に不合格の表示を行い、練習者に単語が正しく、かつ発音が正確に為されたかを知らせる手段である。
【0048】
具体的には、練習者別言語カードデータ(この場合は、「うし」とする)における練習音声データと正しい音声データの周波数スペクトルとレベルを、それぞれパラメータとした特徴ベクトルであらわし、各音素単位で特徴ベクトルを比較する。両者の相違度合が、合否判定の基準値(この場合は、20%とする)未満であれば、同じ音素と判定し、相違度合を数値に換算する(この場合は、「う」の相違度合が5、「し」の相違度合が10とする)。そして、各音素の相違度合の合計値(この場合は、5+10=15)が言語カードデータに含まれる合格基準点データ(この場合は、20とする)の点数より低い場合には合格となり、高い場合には不合格と判定される(この場合は、15<20なので合格)。そして、合格の場合には「よくできました」と練習画面に表示し、不合格の場合には「もう少しがんばろう」と練習画面に表示する。また、何回目で合格できたかをスコアに換算し(この場合は、1回目で合格なら3点、2回目で合格なら2点、3回目以上で合格なら1点とする)、練習メニュー及び練習結果データベース2に練習結果データの一部として保存してもよい。
【0049】
練習結果保存手段15とは、録音手段13で録音された練習音声データと、判定結果表示手段14の練習結果データ等を練習メニュー及び練習結果データベース2に練習結果データとして保存する手段である。なお、練習結果データは既に説明しているので、ここでは省略する。
【0050】
副機練習画面表示手段20とは、副機用の練習メニューデータが保存された記憶媒体5へアクセスし、その練習メニューデータに含まれる練習者別言語カードデータの絵データを副機200の練習画面に表示し、練習経過情報の記録を開始する。そして、音声入力の指示を受けた後に、マイクを介して絵データに基づく練習音声データの入力を開始する手段である。具体的には、表示部のディスプレイはタッチパネルになっており、練習者はディスプレイ上の所望の個所を、指あるいは専用のペンといった入力部で触れて指示を出す。なお、記憶媒体5が接続されていない場合には、画面にエラー表示するようにしてもよい。
【0051】
副機録音手段21とは、副機練習画面表示手段20で入力された練習音声データを録音し、その練習音声データに応じた入力音声のレベルメータを練習画面に表示する手段である。録音された練習音声データは、後述する副機練習結果保存手段23により、記憶媒体5に練習結果データとして保存される。
【0052】
なお、副機録音手段21で録音された練習音声データは、練習音声データの再生の指示がなされた時に、スピーカーを通して出力される。練習音声データの再生の指示については、第6図で詳細に説明する。
【0053】
副機判定結果表示手段22とは、副機録音手段21で録音した練習音声データと、練習者別言語カードデータに含まれる正しい音声データとを比較し、正しい音声データと同じであるかを判定する。そして、同じと判定された場合には、練習画面に合格の表示を行い、不同と判定された場合には、練習画面に不合格の表示を行い、練習者に単語が正しく、かつ発音が正確に為されたかを知らせる手段である。なお、具体的には判定結果表示手段14と同様であるので、ここでは説明は省略する。
【0054】
副機練習結果保存手段23とは、副機録音手段21で録音された練習音声データ、あるいは副機判定結果表示手段22の練習結果データ等を練習結果データとして記憶媒体5に保存する手段である。なお、練習結果データは既に説明しているので、ここでは省略する。
【0055】
第1図(B)は、言語回復練習の他の実施例であり、第1図(A)と異なる部分のみ説明をする。
【0056】
副機録音手段21は、練習音声データの録音、および入力音声のレベルメータを練習画面に表示する他に、録音した練習音声データを判定結果表示手段14で処理されるデータ形式(具体的には、WAVEファイルとする)に変換する手段である。変換後の練習音声データは、副機練習結果保存手段23により記憶媒体5へ保存される。
【0057】
そして、判定結果表示手段14により、記憶媒体5内の変換後の練習音声データを用いて合否判定が行なわれる。その後、練習結果保存手段15により、練習結果データを練習メニュー及び練習結果データベース2に保存する処理が行われる。
【0058】
このように、副機録音手段21の練習音声データを記憶媒体5へ保存し、判定結果表示手段14で合否判定を行うことで、副機200の練習音声データであっても、主機100の合否判定の基準を用いて評価できるようにしてもよい。
【0059】
次に、第2図(A)は、練習者情報の登録を行う処理のブロック図であり、第2図(B)は、言語カードデータの登録を行う処理のブロック図である。
【0060】
第2図(A)に示すごとく、練習者情報の登録を行う処理は、練習者情報データベース3と、練習者情報作成手段16とから構成される。
【0061】
練習者情報データベース3とは、言語回復練習を行う練習者の情報を管理するデータベースである。具体的には、練習者氏名、入院日、病名、練習開始日等のデータの集合である。
【0062】
練習者情報作成手段16とは、入力された言語回復練習を行う練習者情報を、練習者情報データベース3へ登録する手段である。
【0063】
第2図(B)に示すごとく、言語カードの登録を行う処理は、言語カードデータベース1、絵情報データベース4、言語カード作成手段17とから構成される。なお、言語カードデータベース1は既に説明しているので、ここでは省略する。
【0064】
絵情報データベース4とは、絵データあるいは写真データが管理されているデータベースである。具体的には、デジタルカメラで撮影した写真やスキャナーで読込んだ絵などを電子データ化したものが保存されている。
【0065】
言語カード作成手段17とは、絵情報データベース4の絵データあるいは写真データを用いて新たに言語カードデータを作成し、言語カードデータベース1へ追加保存する手段である。具体的には、絵情報データベース4から練習者の症状や程度に適した絵データあるいは写真データを抽出し、それに応じた正しい音声データ、単語データ、応用文データ、カテゴリーデータ等を登録して言語カードデータを作成する。
【0066】
次に、第3図(A)は、本発明の一実施の形態における主機と副機間のデータの流れを説明する図の一例であり、第3図(B)は、データの流れを説明する図の他の例である。なお、第3図(A)は第1図(A)に対応しており、第3図(B)は第1図(B)に対応している。
【0067】
第3図(A)に示すごとく、まず、練習メニューデータ転送手段11で練習メニュー及び練習結果データベース2から所望の副機用の練習メニューデータ30を抽出する(図中(1)の矢印参照)。練習メニューデータ転送手段11でインターフェースあるいは無線を介して練習メニューデータ30を記憶媒体5へ転送し、保存する(図中(2)の矢印参照)。
【0068】
次に、副機200により言語回復練習の処理が実行される。具体的には、副機練習画面表示手段20が記憶媒体5へアクセスして練習メニューデータ30を読込み(図中(3)の矢印参照)、練習者別言語カードデータの絵データを副機の練習画面に表示する。副機録音手段21で練習音声データを録音し、入力レベルメータの表示を行う。そして、副機判定結果表示手段22で練習音声データの合否判定をし、その結果を練習画面に表示する。そして、副機練習結果保存手段23で練習結果データ31を記憶媒体5に保存する(図中(4)の矢印参照)。
【0069】
最後に、練習結果保存手段15でインターフェースあるいは無線を介して記憶媒体5から練習結果データ31を抽出する(図中(5)の矢印参照)。そして、練習結果保存手段15で主機の練習メニュー及び練習結果データベース2へ練習結果データ31を保存する(図中(6)の矢印参照)。
【0070】
第3図(B)は、言語回復練習の他の実施例におけるデータの流れを説明する図であり、第3図(A)と異なる部分(図中(3)の矢印より後)を説明する。
【0071】
副機200により言語回復練習の処理が実行される。具体的には、副機練習画面表示手段20により絵データを練習画面に表示する。副機録音手段21で練習音声データの録音、入力レベルメータの表示、および練習音声データのデータ形式の変換を行う。そして、副機判定結果表示手段22で、合否判定の結果を表示し、副機練習結果保存手段23で変換後の練習音声データ32を記憶媒体5へ保存する(図中(4)の矢印参照)。
【0072】
そして、判定結果表示手段14でインターフェースあるいは無線を介して記憶媒体5から変換後の練習音声データ32を抽出し(図中(5)の矢印参照)、合否判定を行う。そして、練習結果保存手段15に練習結果データ31が渡され(図中(6)の矢印参照)、練習結果保存手段15で練習結果データ31を練習メニュー及び練習結果データベース2に保存する(図中(7)の矢印参照)。
【0073】
次に、第4図は、本発明の一実施の形態における主機の練習メニュー作成画面の一例を表した図である。
【0074】
第4図に示すごとく、主機の練習メニュー作成画面110は、言語カード一覧表示エリア111、言語カード選択エリア112、練習メニュー表示エリア113とから構成される。
【0075】
言語カード一覧表示エリア111は、言語カードデータベース1内のデータを表示方法に従って一覧表示するエリアである。表示方法には、全リスト、50音順、カテゴリー別、あるいは基本順があり、これらはプルダウンメニューにより選択される。全リストは、管理されている全データを並び替えの作業を行わずに表示する方法である。50音順は、単語データの語頭を50音順に並び替えて一覧表示する方法である。カテゴリー別は、単語データをカテゴリー(具体的には、動物のカテゴリー、植物のカテゴリー、食べ物のカテゴリー等)別に並び替えて一覧表示する方法である。基本順は、単語データを言葉の難易度が易しいものから難しいもの順に並び替えて一覧表示する方法である。なお、ここでは表示方法を50音順にした場合が図示されている。
【0076】
言語カード選択エリア112は、言語カードデータベース1から選択した練習者別言語カードデータを練習メニューへ移動したり、練習メニューから選択した練習者別言語カードデータを言語カードデータベース1へ戻したりするエリアである。選択した練習者別言語カードデータの絵データは、それぞれ図中の四角枠の中に表示される。
【0077】
練習メニュー表示エリア113は、作成した練習メニューデータの内容を表示するエリアである。具体的には、練習者名、練習メニューの作成日、練習者別言語カードデータの言語カード番号等が表示される。
【0078】
次に、第5図は、本発明の一実施の形態における主機の練習画面の一例を表した図である。なお、ここではタッチパネルの表示部に練習画面が表示されており、練習者が複数ある練習者別言語カードデータから「牛」を選択した場合を例に説明する。
【0079】
第5図に示すごとく、主機の練習画面120は、入力及び確認エリア121、ヒント取得エリア122、言語カードデータ選択エリア123、絵データ表示エリア124、終了ボタン、ST判定ボタンとから構成される。
【0080】
入力及び確認エリア121は、練習画面表示手段12に練習音声データの入力を指示したり、録音手段13に入力された練習音声データの入力レベルメータの表示を指示したり、録音手段13に録音された練習音声データの再生を指示したりするエリアである。具体的には、話すボタン121a、レベルメータ表示欄121b、確認ボタン121cを有する。話すボタン121aの押下により、練習画面表示手段12に練習音声データの入力が指示され、マイクより練習音声データが入力される。そして、録音手段13で練習音声データに応じた入力レベルメータをレベルメータ表示欄121bに表示する。そして、確認ボタン121cの押下により、録音手段13で録音された練習音声データがスピーカーより再生される。これにより、練習者は自分の発音を確認することができる。
【0081】
なお、絵データが表示された後、あるいは後述のヒントの取得をした後に、話すボタン121aを押下しなくても、自動的に練習画面表示手段12の練習音声データの入力指示が開始されるようにしてもよい。
【0082】
ヒント取得エリア122は、単語の語頭の音声データを出力したり、単語データを表示したり、単語の正しい音声データを出力して、練習者にヒントを与えるエリアである。また、絵データの単語の説明文や、絵データの単語を用いた例文などの応用文を音声出力するエリアでもある。なお、正しい音声データの出力において、練習者が聴取し難い場合は、その近傍にあるボタン(この場合は、ゆっくりボタン、あるいは速くボタン)を押下することにより、音程、音質を変えずに発音速度を変えられる。
【0083】
具体的には、語頭ボタン122a、文字ボタン122b、聞くボタン122c、応用ボタン122dを有し、各ボタンに応じたヒントが取得できる。一番効果的な練習方法としては、語頭ボタン122a→文字ボタン122b→聞くボタン122cの順にヒントを取得し、絵カードに応じた単語を認識していく方法である。
【0084】
語頭ボタン122aは、練習者別言語カードデータに応じた単語データの語頭の音声データ(この場合は、「う」の音声データ)をスピーカーより出力するボタンである。
【0085】
文字ボタン122bは、練習者別言語カードデータに応じた単語データを表示するボタンである。具体的には、文字ボタン122bを1回押下すると、文字ボタンの右側に位置する四角枠のエリアに、漢字あるいは片仮名表記(この場合は、「牛」)で表示される。更に1回、文字ボタン112bを押下すると、平仮名表記(この場合は、「うし」)で表示される。なお、ボタンを押下する度に、漢字(あるいは片仮名)表記と平仮名表記は繰返される。
【0086】
聞くボタン122cは、練習者別言語カードデータに応じた正しい音声データを出力するボタンである。
【0087】
応用ボタン122dは、練習者別言語カードデータに応じた説明文や例文の一覧を表示するボタンである。具体的には、応用ボタン122dを押下すると、練習者別言語カードデータの応用文データの一覧を表示する画面が展開される。練習者はその一覧より所望の応用文を選択し、説明文あるいは例文を音声データで聞くことができる。これにより、練習者は応用文を単語データに関連づけて覚えることができる。なお、応用文データの一覧表示画面を消す場合には、該画面にある終了ボタンを押下すればよい。
【0088】
言語カードデータ選択エリア123は、練習メニューデータの練習者別言語カードデータの一覧を表示し、所望の練習者別言語カードデータを選択するエリアである。具体的には、練習メニューデータの練習者別言語カードデータに1から順に番号を付しておき、その番号の一覧を表示する。なお、練習者別言語カードデータが多くある場合には、図中に示したように、番号の上方に前後へ移動させるボタンを配置し、番号の一覧をスクロールできるようにしてもよい。
【0089】
絵データ表示エリア124は、練習者別言語カードデータに応じた絵データを表示するエリアである。具体的には、図示したように「牛」の絵が表示される。なお、絵データ表示エリア124内をマウスあるいは専用のペン等でクリックすると、表示されていた絵データが非表示の状態になり、再度クリックすると絵データが表示の状態になるようにしてもよい。これにより絵データが非表示の状態で、上述の文字ボタン122bを押下して表示された単語データから「牛」の絵データを想像させたり、あるいは上述の聞くボタン122cを押下して出力された正しい音声データから「牛」の絵データを想像させる練習も可能となる。
【0090】
終了ボタンは、言語回復練習を終了するボタンである。
【0091】
ST(Speech Language Healing Therapist(言語聴覚士)の略)判定ボタンは、言語聴覚士が録音手段13により録音された練習音声データを聞いて、合否を判定するボタンである。具体的には、言語聴覚士が、入力及び確認エリア121の確認ボタン121cを押下して練習音声データを聞き、その合否を判定して結果を保存するボタンである。これにより、判定結果表示手段14では不合格であっても、言語聴覚士による判定では合格とすることができる。その言語聴覚士による判定結果(この場合は、合格)は、練習メニュー及び練習結果データベース2内に保存することもできる。なお、この言語聴覚士による判定結果は、判定結果表示手段14による判定結果(この場合は、不合格)を上書きして保存してもよい。
【0092】
次に、第6図(A)は、本発明の一実施の形態における副機の練習画面の一例を表した図であり、第6図(B)は、結果表示エリアの合格表示の一例を表した図であり、第6図(C)は、結果表示エリアの不合格表示の一例を表した図である。なお、ここではタッチパネルの表示部に練習画面が表示されており、複数ある練習者別言語カードデータから「牛」を選択した場合を例に説明する。
【0093】
第6図(A)に示すごとく、副機の練習画面210は、入力及び確認エリア211、文字ボタン212、言語カードデータ選択ボタン213、絵データ表示エリア214、結果表示エリア215、戻るボタンとから構成される。
【0094】
入力及び確認エリア211は、副機練習画面表示手段20に練習音声データの入力を指示したり、副機録音手段21に入力された練習音声データの入力レベルメータの表示を指示したり、副機録音手段21に録音された練習音声データの再生を指示したりするエリアである。具体的には、話すボタン211a、レベルメータ表示欄211b、確認ボタン211cを有する。話すボタン211aの押下後に、副機練習画面表示手段20の練習音声データの入力が指示され、マイクより練習音声データが入力される。そして、レベルメータ表示欄211bは、副機録音手段21で録音された練習音声データに応じた入力レベルメータが表示される。そして、確認ボタン211cの押下後に、副機録音手段21で録音された練習音声データがスピーカーより再生される。これにより、練習者は自分の発音を確認することができる。
【0095】
なお、主機と同様に、話すボタン211aを押下しなくても、自動的に副機練習画面表示手段20の練習音声データの入力指示が開始されるようにしてもよい。
【0096】
文字ボタン212は、練習者別言語カードデータに応じた単語データを表示して、練習者にヒントを与えるボタンである。具体的には、タッチパネルを指や専用のペンで一回触れると、漢字表記(この場合は、「牛」)され、もう一度触れると平仮名表記(この場合は、「うし」)と表示される。なお、タッチパネルに接触する度に漢字表記と平仮名表記は繰返して表示される。
【0097】
言語カードデータ選択ボタン213は、表示される練習者別言語カードデータを他の練習者別言語カードデータへ移動させるボタンである。具体的には、左ボタンを1回押下すると一つ前の練習者別言語カードデータが表示され、右ボタンを1回押下すると一つ後の練習者別言語カードデータが表示される。
【0098】
絵データ表示エリア214は、練習者別言語カードデータに応じた絵データを表示するエリアである。また、絵データ表示エリア214はボタンでもあり、タッチパネルに触れると、正しい音声データが出力される。正しい音声データは、絵データに応じた単語データを音声出力するものである。具体的には、絵データ表示エリア214には、図示したように「牛」の絵が表示される。該エリア内を指で触れると、絵データに応じた正しい音声データ(この場合は、「うし」の音声データ)が出力される。なお、出力された音声が聴取し難い場合には、副機の機能設定の画面で、出力音声の話速を変えられるようにしてもよい。主機と同様に、発音速度を変えても、音程、音質は変化しない。
【0099】
結果表示エリア215は、合否判定の結果を表示するエリアである。これにより、結果表示エリア215に合格あるいは不合格の表示を行い、練習者に単語が正しく、かつ発音が正確に為されたかを知らせる。具体的には、合格と判定された場合には、第6図(B)に示すような顔が表示され、不合格と判定された場合には、第6図(C)に示すような顔が表示される。なお、合格や不合格を表示する時に、同時に音(この場合は、合格なら「ピンポン」、不合格なら「ブー」という音)も出力して練習者に知らせるようにしてもよい。
【0100】
戻るボタンは、言語回復練習を終了させるボタンである。
【0101】
なお、図示はしていないが、主機と同様に語頭ボタンを設けて、練習者別言語カードデータに応じた単語データの語頭の音声データを出力するようにしてもよい。
【0102】
次に、第7図は、本発明の一実施の形態における主機側の言語回復練習の処理フロー図である。
【0103】
まず、練習メニュー作成手段10により、言語カードデータベース1の中から練習者に適した練習者別言語カードデータを抽出し、主機用あるいは副機用の練習メニューデータを作成する(ステップS1)。そして、その練習メニューデータを練習メニュー及び練習結果データベース2へ保存する(ステップS2)。
【0104】
次に、記憶媒体5へ練習メニューデータを転送するか否かの判断が行われる(ステップS3)。転送を行わない場合は(ステップS3のNo)、後述のステップS4の処理が実行される。一方、転送を行う場合は(ステップS3のYes)、練習メニューデータ転送手段11により、練習メニュー及び練習結果データベース2の中から副機用の練習メニューデータが選択され(ステップS14)、記憶媒体5へ転送されて(ステップS15)、主機側の言語回復練習に関する全ての処理が終了する。
【0105】
次に、練習画面表示手段12により練習メニュー及び練習結果データベース2の中から所望の主機用の練習メニューデータが選択される(ステップS4)。そして、主機の練習画面120が表示され(第5図参照)、言語カードデータ選択エリア123に表示された練習者別言語カードデータの一覧から所望の練習者別言語カードデータが選択される(ステップS5)。練習画面120の絵データ表示エリア124には、練習者別言語カードデータに応じた絵データが表示され、練習経過情報の記録が開始される(ステップS6)。
【0106】
次に、練習画面120上の各ボタンの押下に応じて、以下の処理が行われる。
【0107】
〔SW=ヒント取得処理の場合〕
ヒント取得エリア122内の所望のボタンが押下されると、ボタンに応じたヒント処理が行われる(ステップS7)。具体的には、語頭ボタン122aを押下した場合には、練習者別言語カードデータに応じた言語データの語頭の音声データが再生される。文字ボタン122bを押下した場合には、練習者別言語カードデータの言語データが、漢字表記あるいは平仮名表記で表示される。聞くボタン122cを押下した場合には、練習者別言語カードデータに応じた正しい音声データが出力される。正しい音声データの話速は聴取能力に応じて速めたり、遅くしたりできる。
【0108】
なお、これらのヒントを取得した後、処理はステップS6の直前へと戻り、練習画面120が表示される。絵データの単語が認識できるまで、ヒントを取得し続けてもよい。
【0109】
〔SW=応用文取得処理の場合〕
ヒント取得エリア122内の応用ボタン122dが押下されると、応用文データの一覧表示画面が表示される。一覧より所望の応用文が選択されると、応用文に応じた音声データが出力される。終了の指示が為されるまで、応用文データの選択及び音声データの出力は繰返される。
【0110】
なお、終了の指示が為された後は、処理はステップS6の直前へと戻り、練習画面120が表示される。
【0111】
〔SW=話す処理の場合〕
入力及び確認エリア121内の話すボタン121aが押下されると、絵データに基づく練習音声データの入力が開始され、録音手段13が起動し、絵データに応じた練習音声データの録音、及び練習音声データの入力レベルメータの表示が実行される(ステップS9)。そして、判定結果表示手段14により、練習音声データと正しい発音データとを比較して合否を判定し、その判定結果が画面に表示される(ステップS10)。そして、練習結果保存手段15により、練習結果データが練習メニュー及び練習結果データベース2に保存される(ステップS11)。練習結果データとは、ステップS9の録音された練習音声データと、ステップS10の判定結果と、ステップS6からステップS10の合否判定処理の間に行われた練習経過情報である。
【0112】
最後に、練習画面120に次の練習者別言語カードデータを表示するか否かの判断が行われる(ステップS12)。次の練習者別言語カードデータを表示する場合は(ステップS12のYes)、処理はステップS5の直前へと戻り、言語回復練習は続けられる。一方、次の練習者別言語カードデータを表示しない場合は(ステップS12のNo)、更に練習画面120の終了ボタンの押下が為されたか否かの判断が行われる(ステップS13)。終了ボタンが押下されない場合は(ステップS13のNo)、ステップS5の直前へ戻り、引き続き言語回復練習が行われる。一方、終了ボタンが押下された場合は(ステップS13のYes)、主機側の言語回復練習に関する全ての処理が終了する。
【0113】
次に、第8図(A)は、本発明の一実施の形態における練習者情報の登録を行う処理のフロー図であり、第8図(B)は、言語カードデータの登録を行う処理のフロー図である。
【0114】
第8図(A)に示すごとく、まず、練習者情報作成手段16により、練習者の名前や発病時期等の練習者情報が入力される(ステップS21)。そして、練習者情報を登録して良いか否かの判断が為される(ステップS22)。修正個所がある場合には(ステップS22のNo)、ステップS21の前へ処理は戻りデータの修正を行う。一方、登録をする場合には(ステップS22のYes)、練習者情報作成手段16により練習者情報は練習者情報データベース3へ保存される(ステップS23)。
【0115】
なお、図示はしないが、練習者情報データベースに登録済みの練習者情報の修正、あるいは削除の処理も、練習者情報作成手段16に行わせるようにしてもよい。
【0116】
第8図(B)に示すごとく、まず、主機の言語カード作成手段17により、絵情報データベース4から所望の絵データを選択する(ステップS31)。そして、単語データ、正しい音声データなどの設定を行う(ステップS32)。そして、言語カードデータを登録して良いか否かの判断が為される(ステップS33)。修正個所がある場合には(ステップS33のNo)、ステップS32の前へ処理は戻りデータの修正を行う。一方、登録をする場合には(ステップS33のYes)、言語カード作成手段17により、言語カードデータが言語カードデータベース1へ保存される(ステップS34)。
【0117】
次に、第9図は、本発明の一実施の形態における副機の言語回復練習の処理フロー図である。なお、副機で言語回復練習を行う場合には、事前に、前述した第7図のステップS14、およびステップS15の処理で記憶媒体5へ副機用の練習メニューデータを転送しておく必要がある。
【0118】
まず、副機練習画面表示手段20で記憶媒体5より副機用の練習メニューデータを読込む(ステップS41)。そして、副機の練習画面210が表示され(第6図(A)参照)、言語カードデータ選択ボタン213を用いて、所望の練習者別言語カードデータが選択される(ステップS42)。練習画面210の絵データ表示エリア214には、練習者別言語カードデータに応じた絵データが表示され、練習経過情報の記録が開始される(ステップS43)。
【0119】
次に、練習画面210上の各ボタンの押下に応じて、以下の処理が行われる。
【0120】
〔SW=単語データ取得処理の場合〕
文字ボタン212が押下されると、練習者別言語カードデータに含まれる単語データが、漢字表記あるいは平仮名表記で表示される(ステップS44)。なお、単語データを取得した後、処理はステップS43の直前へと戻り、練習画面210が表示される。絵データの単語が認識できるまで、単語データを取得し続けてもよい。
【0121】
〔SW=音声データ取得処理の場合〕
絵データ表示エリア214の一部が押下されると、練習者別言語カードデータに応じた正しい音声データが出力される(ステップS45)。正しい音声データの話速は、聴取能力に応じて速めたり、遅くしたりできる。話速の設定は、言語回復練習を開始する前に、副機の設定の画面で行えるようにしてもよい。
【0122】
なお、正しい音声データを取得した後、処理はステップS43の直前へと戻り、練習画面210が表示される。正しい音声データに応じた単語が認識できるまで、音声データを取得し続けてもよい。
【0123】
〔SW=話す処理の場合〕
入力及び確認エリア211内の話すボタン211aが押下されると、絵データに基づく練習音声データの入力が開始され、副機録音手段21が起動し、絵データに応じた練習音声データの録音、及び練習音声データの入力レベルメータの表示が実行される(ステップS46)。そして、副機判定結果表示手段22により、練習音声データと正しい発音データとを比較して合否を判定し、その判定結果が練習画面210の結果表示エリア215に表示される(ステップS47)。そして、副機練習結果保存手段23により、練習結果データが記憶媒体5に保存される(ステップS48)。練習結果データとは、ステップS46の録音された練習音声データ、ステップS47の判定結果、あるいはステップS43からステップS47の合否判定処理の間に行われた練習経過情報である。
【0124】
次に、練習画面210に次の練習者別言語カードデータを表示するか否かの判断が行われる(ステップS49)。次の練習者別言語カードデータを表示する場合は(ステップS49のYes)、ステップS42の直前へ戻り、引き続き言語回復練習が行われる。一方、次の練習者別言語カードデータを表示しない場合は(ステップS49のNo)、更に、記憶媒体5から主機へデータを転送するか否かの判断が行われる(ステップS50)。転送を行う場合は(ステップS50のYes)、練習結果保存手段15で記憶媒体5に保存された練習結果データを練習メニュー及び練習結果データベース2へ保存し(ステップS51)、副機の言語回復練習は終了する。一方、転送を行わない場合は(ステップS50のNo)、練習結果データは主機へ反映されずに、言語回復練習は終了する。
【0125】
なお、図示はしていないが、第1図(B)あるいは第3図(B)に示したような、言語回復練習における他の例の場合には、ステップS46で録音された練習音声データを判定結果表示手段14のデータ形式に変換する処理が追加される。そして、ステップS48では、変換後の練習音声データが記憶媒体5に保存される。変換後の練習音声データは、ステップS51の処理の前に判定結果表示手段14へ転送され、主機の合否判定の基準を用いて合否判定がなされ、練習結果データが作成される。その後、ステップS51で練習結果データが保存され、言語回復練習は終了する。
【0126】
以下に、本発明における実施の形態の練習メニューデータあるいは練習結果データを利用した管理表について、第10図乃至第11図を参照にして詳細に説明する。
【0127】
まず、第10図は、本発明の一実施の形態における練習結果データを一日単位で表示した日次管理表の一例である。
【0128】
第10図に示すごとく、日次管理表は、練習者氏名、練習日時、練習者別言語カードデータ番号および単語データ、練習結果データを一日単位で一覧にした表である。
【0129】
具体的には、練習結果データは、聞くボタンを押下した回数、音声データの話速においてゆっくりボタンを押下した回数、話すボタンを押下した回数、合格になるまでの回数、スコア、語頭ボタンを押下した回数、平仮名表記を指示した回数、漢字表記を指示した回数が表されている。なお、各項目については上述で説明しているので、ここでは省略する。また日次管理表は、縦軸を練習者別言語カードデータ、横軸を練習結果データとしてマトリクス状に表し、最終行で各項目の合計値を算出している。
【0130】
最後に、第11図(A)は、本発明の一実施の形態における練習結果データを月単位で表示した月次管理表の一例であり、第11図(B)は、月次管理表をグラフで表した一例である。
【0131】
第11図(A)に示すごとく、月次管理表は、上述した日次管理表の練習結果データの合計値と平均回数値を算出して、練習日時順に表示している。月次管理表は、縦軸を日時、横軸を練習結果データとしてマトリクス状に表し、最終行で各項目の合計値を算出している。なお、各項目については上述で説明しているので、ここでは省略する。
【0132】
第11図(B)に示すごとく、月次管理表のデータは、棒グラフや折れ線グラフ等の形式で表すことができる。具体的には、第11図(A)の月次管理表のデータを抽出して、専用機あるいはパソコンの記憶部、記憶媒体等へ保存する。その保存された月次管理表のデータと、グラフ作成が可能なアプリケーションとを利用して、図に示すようなグラフを作成する。なお、専用機あるいはパソコンには、予めグラフ作成が可能なアプリケーションをインストールしておく。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】第1図(A)は、本発明の一実施の形態における主機と副機の言語回復練習を行う処理のブロック図の一例であり、第1図(B)は、本発明の一実施の形態における主機と副機の言語回復練習を行う処理の他の例を説明するブロック図である。
【図2】第2図(A)は、本発明の一実施の形態における練習者情報の登録を行う処理のブロック図であり、第2図(B)は、本発明の一実施の形態における言語カードデータの登録を行う処理のブロック図である。
【図3】第3図(A)は、本発明の一実施の形態における主機と副機間のデータの流れを説明する図の一例であり、第3図(B)は、本発明の一実施の形態における主機と副機間のデータの流れを説明する図の他の例である。
【図4】第4図は、本発明の一実施の形態における主機の練習メニュー作成画面の一例を表した図である。
【図5】第5図は、本発明の一実施の形態における主機の練習画面の一例を表した図である。
【図6】第6図(A)は、本発明の一実施の形態における副機の練習画面の一例を表した図であり、第6図(B)は、本発明の一実施の形態における副機の結果表示エリアの合格表示の一例を表した図であり、第6図(C)は、本発明の一実施の形態における副機の結果表示エリアの不合格表示の一例を表した図である。
【図7】第7図は、本発明の一実施の形態における主機の言語回復練習の処理フロー図である。
【図8】第8図(A)は、本発明の一実施の形態における練習者情報の登録の処理フロー図であり、第8図(B)は、本発明の一実施の形態における言語カードデータの登録の処理フロー図である。
【図9】第9図は、本発明の一実施の形態における副機の言語回復練習の処理フロー図である。
【図10】第10図は、本発明の一実施の形態における練習結果データを一日単位で表示した日次管理表の一例である。
【図11】第11図(A)は、本発明の一実施の形態における練習結果データを月単位で表示した月次管理表の一例であり、第11図(B)は、本発明の一実施の形態における月次管理表をグラフで表した一例である。
【符号の説明】
【0134】
1 言語カードデータベース
2 練習メニュー及び練習結果データベース
3 練習者情報データベース
4 絵情報データベース
10 練習メニュー作成手段
11 練習画面表示手段
12 録音手段
13 判定結果表示手段
14 練習結果保存手段
15 練習者情報作成手段
16 言語カード作成手段
100 練習メニュー作成画面
110 練習画面
Claims (11)
- 記憶媒体を介して各データベースのデータを共有する主機と副機であって、
少なくとも絵データ、正しい音声データ、単語データとから成る言語カードデータを管理する言語カードデータベースから各失語症の練習者に応じた失語症の練習者別言語カードデータを抽出して練習メニューデータを作成し、前記練習メニューデータ及び練習結果データを管理する練習メニュー及び練習結果データベースへ保存する練習メニュー作成手段と、
前記練習メニュー及び練習結果データベースから各失語症の練習者の練習内容に応じた失語症の前記練習メニューデータを抽出して前記記憶媒体へ転送する練習メニューデータ転送手段と、
前記練習メニュー及び練習結果データベースから所望の前記練習メニューデータを抽出して、前記失語症の練習者別言語カードデータの少なくとも前記絵データを表示する練習画面表示手段と、
前記失語症の練習者別言語カードデータに基づく失語症の練習者の練習音声データを録音する録音手段と、
前記練習音声データと前記正しい音声データとの相違度合あるいは類似度合が失語症の練習者毎あるいは前記失語症の練習者別言語カードデータ毎に設定された合否判定の基準値内であるかを判定し、その判定結果の表示を行う判定結果表示手段と、
前記判定結果と、前記失語症の練習者別言語カードデータが表示されてから前記合否判定が行われる迄の練習経過情報とを練習結果データとして、前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存する練習結果保存手段とを備えた前記主機と、
前記練習メニューデータが保存された前記記憶媒体へアクセスし、前記失語症の練習者別言語カードデータの少なくとも前記絵データを表示する副機練習画面表示手段と、
前記失語症の練習者別言語カードデータに基づく失語症の練習者の練習音声データを録音する副機録音手段と、
前記練習音声データと前記正しい音声データとの相違度合あるいは類似度合が合否判定の基準値内であるかを判定し、その判定結果の表示を行う副機判定結果表示手段とを備えた前記副機とからなり、
前記副機で前記練習メニューデータの前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示し、前記絵データに対する失語症の練習者の前記練習音声データを録音し、前記練習音声データが合否判定の基準値内であるかを判定し、前記判定結果を表示して失語症の練習者に前記合否判定を知らせることを特徴とする主機と副機を有する失語症練習支援装置。 - 練習者情報作成手段により入力された失語症の練習者に関するデータを、失語症の練習者毎に管理する練習者情報データベースへ保存することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記練習結果保存手段は、前記記憶媒体に保存された前記副機の練習結果データを前記練習メニュー及び練習結果データベースへ転送して前記主機と前記副機で共有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段は、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示し、前記練習経過情報の記録を開始し、前記絵データに基づく失語症の練習者の練習音声を入力し、前記録音手段あるいは前記副機録音手段に前記失語症の練習者の練習音声の録音及び練習音声の入力レベルメータの表示を行わせることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段により、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示している間に、前記失語症の練習者別言語カードデータに応じた前記単語データのうち語頭の音声データだけをヒントとし て出力することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記練習画面表示手段あるいは前記副機練習画面表示手段により、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記絵データを表示している間に、前記失語症の練習者別言語カードデータの前記単語データを漢字あるいは仮名表記でヒントを表示させることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記練習メニュー作成手段は、前記判定結果表示手段による前記練習音声データと前記正しい音声データとの合否判定の基準値を各練習者の失語症の症状や程度に応じて個別に設定することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記言語カードデータベースは、前記絵データに対応した単語単位に保存されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記練習メニュー及び練習結果データベースは、失語症の練習者毎に区分して、練習者の症状や程度に応じて作成された前記練習メニューデータが管理されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記判定結果と、前記失語症の練習者別言語カードデータが表示されてから前記合否の判定が行われる迄の練習経過情報とを練習結果データとし、前記記憶媒体に保存する副機練習結果保存手段とを備え、前記副機練習結果保存手段で前記練習結果データを前記記憶媒体に保存し、前記練習結果保存手段で前記記憶媒体の前記練習結果データを前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
- 前記副機録音手段の失語症の練習者の前記練習音声データを前記記憶媒体へ保存し、前記判定結果表示手段で前記記憶媒体の前記練習音声データの合否を失語症の練習者毎あるいは前記失語症の練習者別言語カードデータ毎に設定した前記基準値を用いて判定し、前記練習結果保存手段で前記練習メニュー及び練習結果データベースに保存することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の主機と副機を有する失語症練習支援装置。
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WO2014162356A1 (ja) * | 2013-04-04 | 2014-10-09 | テルモ株式会社 | 言語リハビリテーション支援システム |
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Publication number | Publication date |
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WO2007129392A1 (ja) | 2007-11-15 |
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