JP3987118B2 - 接合装置に使用する供給ヘッド - Google Patents

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、自動接合装置または自動接合器具に関する。さらに詳しくは、そのような装置または器具に使用される接合具供給ヘッドに関する。
従来技術
本件特許出願人による従来の特許明細書ＰＣＴ/ＡＵ92/00621(ＷＯ93/09918)およびＰＣＴ/ＡＵ94/00013(ＷＯ94/15736)は、ともに自動接合装置または自動接合器具を開示している。それらの接合ヘッドはリベットまたは他の接合具を操作するものである。接合具は、パンチ等のリベット係合器具に対して位置合せされた状態で供給され、ワークピース(リベットを使用する場合には、ワークピースおよび据込みダイ)へ向けてパンチ(すなわち、リベット係合器具)によって前進せしめられる間、支持されている。
上記明細書に開示された接合装置または接合器具は市場において好評を博し、顧客は、特に、接合操作を行うことが困難で、時には極端に制限された状況においても、ワークピースを互いに接合できる他の範疇の接合装置についての新出願を行うよう要望している。各部品の寸法が限られる状況において古い技術に固執するならば、接合ヘッドやノース片内における接合具の位置合せ、心合せ、転倒防止が必要であること、特に、接合具の出口やそこに至るまでの途中においてそれらが必要であることには、対応できない。短いリベットを制御することが特に必要であって、従来技術では、この目的のためにスチールボールまたはジョーを提案した。もしこれらの技術を使用するとなると、リベットは、例えば転倒を防止するために、接合装置の前面つまりノーズに非常に近接した状態で供給されなければならない。そのようなボールや同様の機構を供給チューブの全長にわたって連続的に千鳥状に設けると非常に入り組んだ構成が必要となり、これによって、接合具供給ヘッドの前端の寸法を減じるにもその限度が制限されてしまう。
発明の目的
本発明の目的は、その前端寸法に関する上記不利益を解決する接合ヘッドを提供することである。他の目的および種々の利点は、以下に明らかとなるであろう。
発明の開示
本発明は、以下の接合具供給ヘッドを提供することによってその目的を達成する。すなわち、本発明の接合具供給ヘッドは、接合装置または接合器具に使用され、ワークピースに適用する接合具を供給するものであって、
自身を貫通する接合具通路を有するガイド手段と、
接合具通路内に進退可能に設けられた駆動手段と、
接合具通路内で駆動手段の前端側に配置された接合具係合手段と、
接合具を駆動手段に対して位置合せしつつ、接合具通路内へと接合具を供給する接合具供給手段と、を備えており、
ガス制御手段が接合具通路内にガス圧を生成し、駆動手段が接合具案内通路内を前進するとき、当該ガス圧によって接合具案内通路内における接合具の駆動手段に対する当接状態、位置合せ、方向が維持されることを特徴とする。
所望の結果を得るためには、接合具通路の断面寸法は、接合具の直径寸法(リベットの場合には、その頭部の寸法)に極めて近接していることが理想的である。上記のことは、接合具係合手段が接合具通路に十分に適合するように、接合具係合手段の寸法を注意深く設定し、これにより、接合具通路内に適度な気圧が発生しこれを維持できるようにすることによっても達成できる。接合具通路の前端とワークピースとの間にも同レベルのシールが必要となる。これらのことは、以後の記載からより明らかとなるであろう。
本発明の接合具供給ヘッドにおいては、接合具供給手段は、接合具を接合具通路へと推進させる圧縮ガス源に連結された接合具供給通路を備えており、ガイド手段と関連して、接合具通路を供給通路から選択的に遮断するゲート手段を備えていることが好ましい。本発明の接合具供給ヘッドは、ガイド手段内またはこれと関連するガス流手段を備えていることが理想的である。この場合、供給通路からのガスを、駆動手段から前方に間隔をおいた接合具通路の前端つまりノーズ端へと選択的に流し、これにより、駆動手段が接合具通路内を前進する間、圧縮ガスが接合具を駆動手段に当接した状態に維持できる。本発明の接合具供給ヘッドにおいては、上記ガス流手段はピストン駆動されるゲート手段を備えており、当該ゲート手段は、供給通路内のガスを、接合具通路の前端つまりノーズ端に至る流路内へと切り換えるものであることが好ましい。
本発明の接合具供給ヘッドにおいては、上記ガイド手段内では、１またはそれ以上のボール等が接合具通路内へと退避可能に延在して設けられており、当該ボール等は、供給通路と接合具通路との合流点において接合具通路の両側に対向して配置されており、接合具をパンチに対して位置合せまたは心合せすることを助けるものであることが好ましい。理想的には、接合具が供給チューブによって供給通路に供給され、供給チューブは、その内部プロファイルが接合具の形状に対応しており、接合具は、供給チューブ内を圧縮空気によって下方へと移動する。本発明の接合具供給ヘッドにおいては、上記ゲート手段は空気圧によって制御され、上記流路は、接合具通路内に向けられた１または２以上のポートをノーズ端近傍に供えており、ガイドブッシュまたは供給ブロックのノーズがワークピースに当接したとき、当該流路に流されたガスは、接合具係合手段に対する接合具の当接状態を維持するのに十分であることが理想的である。
本発明の接合具供給ヘッドにおいては、上記ガイド手段のノーズ端がワークピースに当接したとき、負圧手段が選択的に接合具通路を少なくとも部分的に吸引し、パンチが接合具案内通路内を前進する間、接合具をパンチに当接した状態に維持することが好ましい。また、供給通路内の接合具を接合具通路へ向けて推進させる圧縮ガス源と、接合具の供給後に接合具通路のノーズ端がワークピースに当接したとき、接合具供給通路を接合具案内通路から選択的に遮断するゲート手段と、選択的に接合具通路を少なくとも部分的に吸引し、接合具係合手段が接合具案内通路内を前進する間、接合具を接合具係合手段に当接した状態に維持する負圧手段と、を備えていることが理想的である。さらに、上記ガイド手段のノーズ端に、スロットまたは溝が少なくとも１つ設けられており、これにより、ノーズ端がワークピースに当接したとき空気が接合具通路に引き込まれることを許容すること、あるいは、上記接合具通路の壁部には、少なくとも１つのポートを介して負圧源に接続されたスロットまたは溝が少なくとも１つ設けられていることが、それぞれ理想的である。これらの場合、上記負圧源は、ガイド手段のノーズ端に設けた１または２以上の溝またはポートを介して、接合具案内通路内へと空気を引き込み、この空気が、接合具係合手段が接合具通路を通して接合具を駆動してワークピースに突き刺す間、接合具を接合具係合手段と当接した状態に維持する手段を生成する。
さらに、本発明によって以下の接合具供給ヘッドが提供される。すなわち、その接合具供給ヘッドにおいては、上記ガイド手段がガイドブッシュで、上記駆動手段がガイドブッシュ内を同軸に進退するように設けられたプランジャで、上記接合具係合手段がプランジャ前端に配置されたパンチであり、搬送テープ手段が接合具通路へとリベットを搬送し、ガイド手段に設けたガス通路またはポート手段が圧縮ガス供給源を接合具通路のノーズ端に接続して、圧縮ガスをパンチから間隔をおいた接合具案内通路内に導き、この圧縮ガスは、使用時に、パンチが接合具通路内を前進する間、リベットをパンチに当接した状態に維持するものである。上記ガス制御手段は、圧縮ガス供給源を接合具通路のノーズ端に接続する手段をガイド手段内に有しており、必要時に接合具を接合具係合手段に当接した状態に維持するために、圧縮ガスを切り換えることができるものであることが理想的である。上記圧縮ガス手段および負圧手段は、切換可能バルブまたはコンピュータ制御バルブによって選択的に制御できるものであってもよい。
本明細書において、「接合具」という語には、リベット、スクリュー、および同タイプの接合具、ナット、ワッシャ、および同様の製品が含まれる。同様の製品とは、ここに明らかにされる本発明の取扱い能力が必要となるような、軸長に対する半径の割合を有するものである。リベットを例にとって好ましい具体例を説明するが、他の接合具への応用に際しては、装置中で使用される接合具係合手段を変更するだけでよい。したがって、接合具としてスクリューを使用する場合に、好ましい具体例中におけるパンチをスクリュー用ドライバに置き替えることは、この分野における当業者にとって自明である。
【図面の簡単な説明】
本発明の完全な理解のために、添付の図面を参照して好ましい具体例の説明を行う。
図１、２および３は、本発明の接合具供給ヘッドの第１具体例を示す側方断面図であって、それぞれ異なる操作段階を示している。
図４は、本発明の第２具体例を示す断面図である。
図５は、図４の１−１線断面図である。
図６は、本発明の第３具体例を示す断面図である。
好ましい具体例
図１〜３を参照すると、接合装置100の接合具供給ヘッド10は、ガイド手段を備えている。ガイド手段は、この具体例では、接合具通路、すなわちボア12を備える(以下、接合具通路12を簡単にボア12と呼ぶ)。ボア12内には、プランジャ13等の駆動手段が同軸に配置されている(駆動手段は、どのようなタイプの接合具を使用するのかによって変更される。そして、それによって駆動手段の機能が異なる。以下、駆動手段を簡単にプランジャと呼ぶ)。プランジャ13は、図示したように、その前端に配置またはフィットさせたパンチ14等の接合具係合手段と協働する(接合具係合手段は、どのような接合具と係合するのかによって変更される。しかし、以下、接合具係合手段を簡単にパンチと呼ぶ)。プランジャ13は、ブッシュ11内において往復進退するように配置されている。ガイドブッシュ11には、その前端に固定したノーズ部16の前面17（すなわち、ガイドブッシュ11の前面17）に至る接合具通路15が形成されている。接合具通路15は、パンチ14と同軸に形成され前面17に開口しており、そこから接合具を外部に供給する。ガイドブッシュ11にフィットまたは取り付けた側方張出部(供給ブロック)19に、接合具を接合具通路15へと送る供給通路18を設けることができる。供給通路18は接合具通路15と機能的に連結されており、これら２つの通路の合流点は、パンチ14が完全に後退したときパンチ前端の下方側に位置する。供給チューブ20はリベット等の接合具の供給源(図示せず)に接続されており、接合具(この例ではリベット21)が供給チューブ20および供給通路18を通って進行する。この進行は、圧縮空気等の圧縮ガスを利用して行われる。
リベット21は、接合具通路15に入ると、適切な手段または機構によってパンチ14の前端に対して位置合せおよび心合せがされる。そのような手段または機構としては、従来より知られているあらゆるものを使用することができる。例えば、スプリング取付けされた複数のボール22等である。エアシリンダ24を備えたゲート23が設けられる。その先端がゲート23を構成するブレード25をこのエアシリンダ24が進退させることにより、供給通路18が接合具通路15から選択的に遮断される。また、これによって、供給通路18からの圧縮空気を接合具通路15の前面17付近の位置に送ることができる。このことは、空気通路26、27およびポート28等のポートを介する流れによって達成される（図３参照）。ガイドブッシュ11の前面17は、ワークピース30、31(この例においては、ワークピース30、31は互いにリベット接合される)等のワークピースに当接すると、接合具通路を有効にシールし、その中に空気圧を生成する。このとき、リベット21は自由浮遊するピストンとなり、パンチ14のノーズに押し付けられる。空気が漏れる割合は、接合具通路15への圧縮空気の供給割合よりも小さい。この後、パンチ14はリベット21を前進させ、リベット21は、ボール22を通過する。ボール22は、パンチの軸に対してリベットを心合せするものである。パンチが接合具通路15内を前進しワークピースに達するまで、リベットは、圧縮空気の力によってパンチと当接した状態に維持される。その後、リベット21はワークピース30、31に突き刺さり、据込みダイ(図示せず)による据込み(アップセット)が行われて、工程が終了する。パンチ14が後退すると、圧縮空気の供給が停止され、ブレード25も後退する。これで、装置は次のサイクルへの準備が完了する。他の具体例(図示せず)においては、ガイドブッシュ11に代えて、接合装置100のプランジャに取り付けられた供給ブロックが利用される。
図４および５の具体例を参照すると、ガイドブッシュ111は、「半径方向に延びる溝128をその前面117に有していること」および「直径を挟んで対向する２つのスロット129が接合具通路115の壁部に高さ方向に延在して設けられていること」を除いて、上述のガイドブッシュ11と同じである。スロット129は負圧通路130に接続されており、負圧通路130は、負圧生成手段131に接続されている。実際の操作では、リベット121等の接合具が供給通路118から接合具通路115に供給される(理想的には、圧縮空気によって前進する)。供給通路118は、パンチ114の前端に係合または配置されている。これらのことは、前述の第１具体例の場合とほぼ同様である。図４に示したように、ブレード125が前進して、接合具通路115を供給通路18から遮断する。そして、この時点で圧縮空気の供給が停止される。そして、負圧生成手段131が起動し、空気が接合具通路115内に引き込まれ、リベット121およびパンチ114を通過する(スロット129を介して)。この手段によって、接合具をパンチのノーズに当接させた状態に維持する圧力を生成するのに必要とされる圧力差が生じる。ガイドブッシュ111の前面117がワークピース130、131と当接すると、前面117に形成された半径方向に延びる溝128を通って空気が流れる。以上の構成により、接合ヘッドの動作中において、リベット121とパンチ114との間における所望の協働または当接関係が維持される。
パンチ114がリベットをワークピース130、131へ向けて前進させ、これを貫通させる(さらに、リベットは不図示の据込みダイによる据込みが行われる)と、負圧源131が停止され、ブレード125が後退し、パンチ114も後退し、したがって装置は、次のサイクルの開始準備が完了する。
図６を参照すると、ガイドブッシュ211は、リベット221等の接合具を運ぶ供給通路218を備えている。供給通路218内において、リベット221は、搬送テープ229によって搬送され、パンチ214および接合具通路215に対して位置合せされる。搬送テープ229の前進は、リミットスイッチ240のフィンガ241等の適切な手段で制御することができる。このリミットスイッチは、搬送テープ229を駆動する適切な駆動手段(図示せず)に接続されている。空気通路226は、ガイドブッシュ前面217の空気ポート228を圧縮空気の供給源(図示せず)に接続する。リベット221がパンチ214に対して位置合せされ、ガイドブッシュ前面217が上方のワークピース230に接すると、圧縮空気が空気通路226およびポート228を通してチャージされる。この結果、パンチ214が接合具通路215内をワークピース230、231に向かって移動する間、リベット221は、パンチ214のノーズ端に当接した状態に維持される。この具体例では、図４で示した心合せボール122を省略できることが理解できる。正確な心合せが不要であるため、リベット221は、接合具通路215内で浮かぶことができる。
既に説明した具体例における圧縮空気および負圧は、いずれもすべての具体例において使用することができ、それによって、接合具(つまり、リベット21、121、221)を各接合具係合手段(つまり、パンチ14、114、214)のノーズ上に維持することができる。接合具通路に沿って設けられ、またはガイドブッシュの前面17、117、217の近傍に設けられるボールまたはその代替手段(つまり、ボール22、122と類似の手段)は省略することができる。ガイドブッシュの前端つまりノーズの強度をより大きくすることができる(限られた空間内で、リベットまたは他の接合具をワークピース内に突き刺し、またはワークピースへ向けて搬送することが可能となる寸法を有しつつ)。
ここに説明し図示した具体例に対して、本発明の範囲から逸脱することなく、多様な変更および修正を為すことが可能である。

Claims (3)

1. 接合装置または接合器具に使用され、ワークピースに適用する接合具を供給する接合具供給ヘッドであって、
   自身を貫通する接合具通路を有するガイド手段と、
   接合具通路内に進退可能に設けられた駆動手段と、
   接合具通路内で駆動手段の前端側に配置された接合具係合手段と、
   接合具を接合具係合手段に対して位置合せしつつ、接合具通路内へと接合具を供給する接合具供給手段と、
   ピストンで進退駆動されるゲート手段と、を備えており、
   上記接合具供給手段は、第１出口から接合具通路へと接合具を推進させる圧縮ガス源に連結された接合具供給通路を備えるとともに、当該接合具供給通路は、接合具係合手段から前方に間隔をおいた接合具通路の前面付近の位置に形成した第２出口に至る分岐路を備えており、
   上記ゲート手段は、接合具が第１出口を通過して接合具通路内へと移動した後、当該第１出口を遮断し、その結果圧縮ガスは、上記分岐路を通って第２出口から接合具通路内に入り、接合具をガス圧によって接合具係合手段に押し付け、これにより、駆動手段が接合具通路内を前進するとき、接合具通路内における接合具の接合具係合手段に対する当接状態、位置合せ、方向が維持されることを特徴とする、接合具供給ヘッド。
2. 上記ガイド手段内では、１またはそれ以上のボールが接合具通路内へと退避可能に延在して設けられており、
   当該ボールは、接合具供給通路の第１出口において接合具通路の両側に対向して配置されており、接合具を接合具係合手段に対して位置合せまたは心合せすることを助ける、請求項１記載の接合具供給ヘッド。
3. 接合具が供給チューブによって接合具供給通路に供給され、供給チューブは、その内部プロファイルが接合具の形状に対応しており、
   接合具は、供給チューブ内を圧縮ガスによって下方へと移動する、請求項１記載の接合具供給ヘッド。

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