JP3987031B2 - フィールドイオン化素子およびその応用 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2001年6月25日出願の米国仮特許出願第60/301,092号の特典を請求する。
背景
イオン化システムは多様な応用が可能である。例えば、質量分析計のための、ポンプのない低質量サンプリングのシステムを形成することが望まれている。
従来の質量分析計は、イオン断片を生成する「ハードな」技法を用いることが多いが、その技法では、分子の特定部分を強制的に除去して、断片化イオンを形成する。例えば、紫外線、放射線および/または熱電子によるイオン化技法により断片を生成する。これらの技法によっては、特に熱による技法では、フィラメント源の寿命を延ばすのに真空が必要である。
イオン化を用いる様々なシステムが周知である。四重極および扇形磁場型または飛行時間型システムは、試料をイオン化してその内容を決定する。これらの装置は、動作にもサイズにも限界がある。この種の装置は、比較的低質量のサンプリング範囲について動作するだけのことが多い。これらの装置には効率の問題もあり、つまりイオンが効率よく形成されない。
これらのシステムは、機器を通過する間のイオン衝突を避けるために著しい高真空度を必要とすることも多い。例えば、システムは、10-6Torrのような真空レベルが必要である。真空ポンプを備えてこの真空度を維持しなければならない。真空ポンプは電力を消費し、重くなり、そしてまた比較的漏洩に自由な環境も必要である。これは、このような装置のサイズを小型化したいという通常の要求にそぐわない。
イオン化システムが十分に小型化されるなら、イオン化の他の応用が魅力的なものとなろう。しかし、既存のイオン化システムは、生産における問題および困難さを抱えていて、特定用途での使用が妨げられている。
概要
本出願は、特殊イオン化膜について記載し、この膜により容易となる特殊イオン化膜の応用についても併せて記載する。
第1の応用では質量分析計の一部としてイオン化膜を用いる。
もう一つの応用では、別の用途にイオン化膜を用いる。本発明の一局面によれば、特定ガス、例えば考察中のガスの平均自由行程よりも近接させて電極を形成する。これにより自由空間のガス分子がイオン化される。記載するこのソフトなイオン化技法の別の用途には、本システムを回転フィールド質量分析計等の質量分析計システムに用いることが含まれる。本システムは飛行時間システムで用いてもよい。
一実施の形態で、真空を形成するかまたはイオンを駆動するためのポンプを含まない、ポンプレス質量分析計を説明する。
別の実施の形態では、電気化学システムのために本システムを用いる場合を説明する。別の応用では本システムを推進に用いる場合を説明する。
詳細な説明
ガスは高い電場でイオン化される。アバランシェアークがガスイオン化により生成される。しかし、分子間の「平均自由行程」が電極間隔より大きい場合には、イオン化しか発生しないことを本発明者は発見した。
図1は、各種ガスに対するパッシェン曲線を示す。これは様々な特性点におけるガスの破壊電圧を表す。各パッシェン曲線の左側かつ下側で、本明細書で説明する特殊膜を用いたガスのイオン化が起きる。本技法は、イオン化されるガスの分子構造を断片化せずにイオン化するという意味で「ソフト」である。これは、大きな有機化合物が、より小さな原子断片に分解されずに分析できるということを意味している。
膜の詳細を図2A〜図2Cに示す。図2Aおよび図2Bは、図2Cの膜の断面を示す。小型のイオン化装置99は、比較的薄い膜105を貫通する小さな穴100のアレイをマイクロマシン加工することにより形成する。膜105は、例えば、サブミクロンの厚さでもよい。基板自体の材質106は、シリコンまたは他の加工容易な材質でもよい。金属電極120、122は膜100の両側に配置される。金属はクロムまたはチタンまたは金など任意の材質でよい。
膜99の形成で、130のような複数の穴が底部132から形成される。穴は、図示のように穴の上部133に向かって概ねテーパを付けてもよい。穴130の上部133は、例えば、2から3μの寸法137であってもよい。開口部は、上部金属被覆120、および底部金属被覆122に形成してもよい。穴は、例えば収束イオンビーム加工(マスクなし処理)により形成してもよい。
基板材料106は、例えば、窒化シリコン、アルミナ、または同様な絶縁破壊値を有する他の任意の類似材料による誘電体層134も含む。誘電体層の厚さ136により、金属電極120と122との間の距離を設定する。誘電体の厚さは、200〜300nmまででよい。誘電体は、実際は200nmより薄く、実際は任意の厚さでよく、50nmの厚さが可能である。
好ましいシステムでは、電極120、122間の距離は1μ未満である。この狭い間隔を維持すると、電極120、122間のポテンシャル差の各電圧に対してMV/mの範囲の電界強度が生成される。
本発明者は、薄いサブミクロンの素子では膜がどうしても形成されないことに注目した。上記のように形成される膜は、膜両面の圧力差を支持したり、あるいは小さな機械的ショックに耐えるには余りにも脆弱である。本実施の形態では、より厚い支持基板部105が用いられ、そして膜に達するまで背面エッチングされる。この方法で基板を形成することにより、すなわち100のような背面エッチングされた穴により隔てられた105/106のような比較的厚い基板部を有するので、電極間の比較的狭い間隔を保ちつつ、装置の構造を維持できる。
フィールドイオナイザアレイを用いる実施の形態をここで説明する。そのフィールドイオナイザアレイは、マイクロマシン加工されたフィールドイオナイザ膜でもよく、回転フィールド質量分析計と結合されている横方向加速器を有する。本実施の形態では、可動部分がない50Torr未満の大気圧の場合には、自己サンプリングまたはポンプレス質量分析計を用いてもよい。紫外線、放射性イオン化、もしくは熱電子源は不要である。それだけではなくガス搬送システムも不要である。一実施の形態では、スペクトロメータは、複合ガスへの単一電荷ガスイオンから、10億分の1のレンジで感度を有する大きなDNA断片まで広がる広大なダイナミックレンジを得てもよい。
このソリッドステート膜を質量分析計で用いる実施の形態を図3に示す。上記した形式のイオン化膜300を用いてもよい。上記のように、この膜は、イオン化される材料の平均自由行程未満の間隔だけ離れている電極を含んでもよい。電極には電圧源からのエネルギが印加され、その電圧源はMV/m程度のエネルギを電極両端に提供する。
次いで、膜300により生成されるイオンは、加速器グリッド304および他の静電部305によりイオン経路310に沿って静電偏向され収束される。
イオン経路の収束イオンは、キャビティセル315へ打ち込まれる。例えば、これは2×2×20mm程度の小さなセルであってもよい。セル315内では、回転電場の周波数Ωが変化してイオン質量の所望範囲全体を走査する。電界値毎に、現在の電界値と共鳴する質量/電荷を有するイオンは、周知の螺旋幾何に基づいて質量分析計を通過する。図4に螺旋幾何を更に詳細に示す。共鳴状態にあるイオンは、ファラデーカップ収集器320に着地する。共鳴状態にないイオンは他の素子に衝突する。従って、収集器に衝突するイオンの数は、選択された電界値と共鳴するイオンの数を示す。可能な全レベルに亘って電界値を掃引することにより、試料の内容を検出できる。
図4は、螺旋幾何がイオンに関する情報にどのように関連しているかの詳細を示す。走査周波数はイオンの質量と反比例して変化する。ファラデーカップの衝突検出は、イオンに関する情報を検出する。
本システムでは、印加されたRF電圧は1Vp-pと13Vp-pとの間にあるが、一般的には15V未満である。異なる検出では異なる周波数範囲を用いることになる。例えば、比較的軽いガス分子はMHz周波数で走査する。DNA有機体などの更に大きな有機体は、kHz周波数で走査する。一般に、軽い分子ほど高い周波数で走査する。重要なことは、本システムは如何なる磁場またはポンプも必要とせずに動作し得るということである。本システムは、静電偏向を用いてイオン経路を形成するので、低圧力で動作するとともに、イオンのための真空ポンプを必要としない。制御は、イオン源の部分的圧力は言うまでもないが、印加するRF電界にのみ依存する。
質量分析計の代替の実施の形態を図5に示す。本装置は、電子イメージセンサを用いて粒子の衝突位置を検出する。材料500は、フィルタを通って上記した形式のイオン化膜502へ入力される。次いで、イオン化された粒子は、陽極505を通過し、イオン光学系510を通り、そして最後に改良型アクティブピクセルセンサアレイ520の電極へ至る。アクティブピクセルセンサアレイは、米国特許第5,471,215号に記載されている形式のものであってもよく、また、従来のように各種のオンチップマトリックス処理を含んでもよい。本システムは、サブピクセル図心化および半径方向積分を有する、1024×1024ピクセルの電極センサを用いてもよい。アクティブピクセルセンサ自体は、10-17アンペアのオーダーの感度を有する。ピクセル電流処理を加えることにより、更に2オーダーの感度等級が向上できる。
本システムは、最小可能イオン質量(1原子質量単位の質量を有する水素)から、10,000AMUを超える質量を有する大きな断片までのサンプリングに対して用いることができる。
本方法の質量分析計の形成により、この種の他の装置よりも小型、軽量、そして低価格で装置を形成することが可能になる。これは、例えば現場での生物医学的サンプリングなどの、あらゆる範囲の応用を可能にする。一つの応用は、飲酒検知器に小型質量分析計を使用することである。電子ビームフィラメントなどがないので、どのシステムコンポーネントも、例えば、5から7Torr以上の比較的高い圧力で動作できる。ファラデーカップ電位計イオン検出器で、サブフェムトアンペアレベルの感度が得られる。更に、装置は比較的小型で低消費電力に作成できる。例えば、完成装置は、重量1kgで消費電力は10Wである。サブリッター/秒のイオンポンプ、またはメンブレン式機械ポンプは、十分低い圧力の圧送を提供する。本システムは、吐息の各種特性を見出すための携帯型装置として用いられよう。例えば、吐息中の一酸化炭素の検出は、糖尿病のスクリーニング診断として用いられる。
走査は、0.4MHzと50MHzとの間の周波数を掃引することにより実行できる。これは、全質量範囲をカバーするのに十分である。衝突過程は、イオンビームがシステムを通るときに、減衰式I−I0exp(-nQtotL)に基づいてイオンビームを減衰させる。ここで、nは背景ガス数密度、Lは経路長(20mm)、そしてQtotは中性ガスターゲットへの全イオン衝突損失効果による全断面積である。これらは、励起による弾性的散乱、非弾性的散乱を含み、Qelasticによる僅かな影響を処理する電荷交換は約1×10-16mm2であり、ほとんどの種に対するQinelasticは約10-15mm2である。従って、代表的な減衰分は0.0047である。最初のイオンビームは、ファラデーカップに2×10-11アンペアの電流を流すので、電流はフェムトアンペア分解能を有する電位計で直ちに測定できる。閉鎖システムでは、入ってくる全蒸気がイオン化膜を通過して全てイオン化されると、熱速度で移動する分子は僅かであり、余り注意を払う必要はないであろう。
本システムの別の応用は、図6に示すような小型イオン移動度スペクトロメータでの使用に対するものである。従来のイオン移動度スペクトロメータは、シャッターゲートを用いる。これはイオンの短パルスを提供する。イオンの短パルスは、検出に利用できるイオン全体の約1%に制限されることが多い。しかし、かかる装置の分解能は、イオンパルス幅と関連している。相応に分解能を低下させないでイオンパルス幅を増大することはできない。
図6の改良型システムでは、試料ガスの全イオン化および連続イオン化、ならびにチャンバへの全イオンの連続導入が可能である。試料ガスは、上記形式のイオン化膜605へ、600として導入される。一般に、イオン化膜605は単一穴のデバイスを含むか、またはデバイス内に多数の穴を有する。
膜からのイオン610は、イオン流として膜を出る。対照的に電子は膜の背面へ(つまり、膜の他の面へ)逆流して、入ってくるガスのイオン化に更に貢献する。原子または分子は、ガス搬送システム625によりスペクトロメータの本体を通って搬送される。ガス搬送システムは、上流の搬送ガス供給とベンチュリサンプラ、または下流の蠕動ポンプのいずれかを含む。
イオンは、イオンの横方向分散のために、交流および/または掃引DC電場を受けるフィルタ電極615に向かって吸引される。DC電場の繰り返し傾斜は、イオン種のスペクトル全体に亘って掃引する。
本装置の重要な特徴は、得られる高い電界強度である。例えば、100,000V/m未満の中程度の電界強度では、大気圧および中程度の圧力でイオンの移動度は一定である。しかし、例えば、200万V/m以上の高電界強度では、イオンの移動度は非線形である。移動度は、高移動度および低移動度のイオンについて異なった変化をする。この変化は、例えば20%である。従って、短時間で高電圧、および長時間で低電圧または負電圧を形成する波形をフィルタ電極に印加することにより、イオン種はフィルタ電極間で分配される。この波形は、時間平均電界がゼロになるように選択する。運転中は、イオンは搬送ガス流により横方向へ輸送される。低強度のDC電界を他の電界と逆に加えてもよい。フィルタ電極へ印加されるこの電界は、特定イオン種の軌跡を直線化して、フィルタを通過できるようにする。他のイオン種は電極に衝突する。DC電界の掃引により完全なイオンスペクトルの検出が容易になる。
検出器電極620はフィルタ電極615の下流に配置する。選択イオンは軌跡が直線化され、そして、これら検出器の電極620は、直線化された軌跡のイオンを、イオンを検出する検出電極へ偏向する。検出電流によりイオン数の直接測定ができる。イオン数は蒸気濃度と事実上比例する。
このガス搬送システムが、この様に上流または下流の何れにあってもよいことは言うまでもない。
別の実施の形態では、本イオン化技法を用いて自由空間イオン推進器を形成する。
更に別の実施の形態では、燃料電池におけるこの種のイオナイザの使用を説明する。従来の燃料電池プロトン交換膜は、白金または他の電子酸化触媒を使用してプロトンの移動を容易にした。本システムでは、単数または複数の酸化ガス700は、図7に示すような極端な高電界の下で膜705の穴を通過する。単数または複数の酸化ガス700は、膜を通過する際に完全にイオン化される。ガス708がイオン化されると、正に帯電された相を持つ。ガス708は膜710に流れ着き、そこで陰極を通過する性質がガスの電気酸化状態により高められる。このように原子種が膜を通って転送されることにより、イオナイザ705と膜710との間の圧力が一部減少し、酸化ガス702がイオナイザの穴を通って更に流入する。イオナイザの電位は、代替として陰極膜に対して正を維持して、加速器グリッドを形成する陰極膜に打ち込む前に、速度を高めるためにイオンを加速してもよい。
図8に示す別の実施の形態では、小型イオン推進器の一部としてこのイオン化膜を用いる。これは推進ガスを用いて推進システムを形成する。高電場の下で上記した形式の膜805の穴に推進ガス800を通過させてイオン化する。これはガスから正電荷イオン810を形成する。イオン809は、膜と加速器グリッド810との間の別の電場808に入る。この別の電場808は、イオンを加速して速度を高め、820のように推進器からイオンを発射する。
電子は膜の背後に逆行させられ、そこで弱い電場と磁場が直線的にかつ回転して周囲の電子ビームを加速し、推進器からの電子をイオンビームと同一ベクトルだが低速度で放出する。イオンおよび電子流は実質的に同一であるので、本システムは実質的に中性の電荷となる。
本システムは、石英などの誘電体を材料とする長さ1.5cm、直径2mmの細管820を用いる。管820は、膜805の上部に共融的に接着してもよい。マイクロ加工された導電性のグリッドも同様に管の上部に固定される。膜の底部も推進器ハウジング825に共融的に接着される。そのハウジングは、別の加速グリッド830および磁石を含んでもよい。
その構造の外観を図9に示す。この図に、任意の特殊加速器グリッド電位のための管を示す。エンジンの推力は膜の穴を通るガス流により決定される。本システムには、上記のような小型イオン化管を複数用いて、構造面全体に分配させてもよい。これらの管は回路に接続することにより個別または集合的に配置してもよい。これらの管のそれぞれからのイオンは、外周グリッドまでの最小距離を表すベクトルに沿う局在的な電場の影響のもとで加速される。総合推力は、接続したすべての自由空間イオン推進器の幾何積分質量モーメントである。
本実施の形態では、双極イオン推進器はイオン化膜上の電極電位を逆にできるので、電子は膜を通過し、一方、イオンは膜の背後に逆行する。高速度イオンは推進器の前部から発射され、電子は推進器の後部から発射される。つまり、この様にエンジンを逆にできる。
真空で用いる場合、低圧ガスを十分な速度で膜の開口に導入して、イオン化フィールドにガスを搬入する必要がある。図10は、ガスが真空中に広がるとともに、その分子が冷却されながら超音速にまで加速され、膜を通して導かれる様子の図を示す。一旦イオン化されると、イオン加速によりイオン背後に部分的な真空が生み出され、その部分的な真空は更に膜を通るガス流を促進する。膜背後に残るガスはイオン化され、その負のフィールドはこれらイオンを膜を通して導く。
本システムは、例えば、呼気分析器などの生物医学の用途、およびその他のシステムでの用途を含む多くの様々な用途を有する。それが持つ用途は、環境監視、個人監視、水質評価、自動車MAP制御、爆発物検出、化学的および生物学的薬品検出、および人工嗅覚型製品分野である。
これらの局面および他の局面を付帯の図面を参照して以下詳細に説明する。
各種ガスに対するパッシェン曲線を示す。 本システムの特殊イオン化膜の詳細を示す。図2Bは、図2Cの2B−2B線断面を示し、図2Aは、図2Bの穴の一つを拡大した詳細を示す。 本システムの特殊イオン化膜の詳細を示す。図2Bは、図2Cの2B−2B線断面を示し、図2Aは、図2Bの穴の一つを拡大した詳細を示す。 本システムの特殊イオン化膜の詳細を示す。図2Bは、図2Cの2B−2B線断面を示し、図2Aは、図2Bの穴の一つを拡大した詳細を示す。 ソリッドステート回転フィールド質量分析計のブロック図を示す。 ハーモニック双極型フィールドスペクトロメータを示す。 ソリッドステート用途に用いられる低圧回転フィールド質量分析計を示す。 イオン移動度スペクトロメータを示す。 電気化学装置で用いられるソリッドステートイオン化膜を示す。 推進システムとして用いられるイオン化膜を示す。 上下加速器グリッドを有するハウジングに納められた推進システムを示す。 イオン化フィールドへガスを搬送する窓を示す。

Claims (30)

  1. システムであって、
    イオン化装置を備え、前記イオン化装置が、少なくとも一つの開口部を有する基板と、前記基板の第1面に広がる第1の導電性電極および前記基板の第2面に広がる第2の導電性電極と、1μ未満の厚さを有し、前記少なくとも一つの開口部で前記第1および第2の導電性電極を分離するセパレータ絶縁素子とを備え、前記第1および第2の導電性電極は、前記少なくとも一つの開口部で前記セパレータ絶縁素子の厚さにより分離されるシステム。
  2. 前記第1および第2の導電性電極が、前記少なくとも一つの開口部で300nm未満だけ分離されている請求項1のシステム。
  3. 前記セパレータ絶縁素子が、誘電体である請求項1のシステム。
  4. 前記セパレータ絶縁素子が、窒化シリコンにより形成されている請求項3のシステム。
  5. 前記第1および第2の電極が、金、クロムまたはチタンのうちの一つにより形成されている請求項1のシステム。
  6. 更に、前記イオン化装置からイオンを受け取る素子を備える請求項1のシステム。
  7. 前記素子が、質量分析計システムである請求項6のシステム。
  8. 前記質量分析計システムが、実質的に大気圧で動作する請求項7のシステム。
  9. 前記質量分析計システムが、回転フィールドスペクトロメータを含む請求項8のシステム。
  10. 前記質量分析計システムが、イオンを検出するソリッドステート電極センサアレイを含む請求項8のシステム。
  11. 前記質量分析計システムが、飛行時間システムを含む請求項8のシステム。
  12. 前記素子が、電気化学装置である請求項7のシステム。
  13. 前記電気化学装置が、燃料電池である請求項12のシステム。
  14. 前記素子が、小型推進器装置である請求項7のシステム。
  15. 前記小型推進器装置が、前記ガスをイオン化するとともに、前記イオン化ガスに力を加えて、前記推力を発生させる請求項14のシステム。
  16. 前記小型推進器装置が、第1方向に推力を発生する第1の極で活性化されるとともに、前記第1方向と異なる第2方向に推力を発生する第2の極で活性化される請求項14のシステム。
  17. 前記小型推進器装置が、前記イオン化膜にガスを提供するガス源、ならびに第1の荷電粒子を受け取る上部加速器グリッド、および第2の荷電粒子を受け取る下部加速器グリッドを含む請求項14のシステム。
  18. 前記第1および第2の導電性電極が、分析されるガスの平均自由行程未満だけ分離されている請求項1のシステム。
  19. イオン化膜の製造方法であって、
    基板上に誘電体材料の層を形成するステップと、
    前記誘電体材料の前記第1表面上に第1電極を形成するステップであって、前記第1電極は金属材料により形成されるステップと、
    前記基板に少なくとも一個の穴を背面エッチングするステップと、
    少なくとも一個の背面エッチング穴を含む前記基板の第2表面に第2電極を形成するステップであって、前記第2の電極の少なくとも一部が、前記誘電体材料の第2表面にあるようにするステップと、
    前記第2電極、前記誘電体材料、および前記第1電極に穴を形成するステップであって、前記穴が、前記第1および第2電極が前記誘電体材料の厚さだけ分離している側面を有するステップとを含む方法。
  20. 前記誘電体材料が、前記イオン化膜によりイオン化されるべく意図された前記ガスの平均自由行程未満の厚さを有する請求項19の方法。
  21. 前記電極を形成するステップが、金を堆積するステップを含む請求項19の方法。
  22. 前記誘電体を形成するステップが、窒化シリコンを堆積するステップを含む請求項21の方法。
  23. 前記誘電体が、500nm未満の厚さを有する請求項19の方法。
  24. 前記誘電体が、300nm未満の厚さを有する請求項19の方法。
  25. 前記第1と第2電極との間に15V未満の電圧を印加して、前記第1と第2電極との間にMV/mの範囲の電界を形成するステップを更に含む請求項23の方法。
  26. 更に、質量分析計の一部として前記イオン化膜を用いるステップを含む請求項19の方法。
  27. 更に、前記誘電体にガスを通過させるステップと、前記膜により形成されるイオンの飛行時間を検出するステップとを含み、前記ガスの内容に関する情報を検出する請求項25の方法。
  28. 前記検出するステップが、ソリッドステートセンサを用いて前記イオンを検出するステップを含む請求項27の方法。
  29. 回転フィールド質量分析計であって、
    イオン化膜であって、支持部および前記支持部間の非支持部を有し、前記非支持部が、特定試料の平均自由行程未満の距離により分離された電極を含むとともに、前記イオン化膜を貫通する穴を含むイオン化膜と、
    前記イオン化膜からイオンを受け取り、前記イオンの特性を決定する回転フィールド質量分析計部分とを備える質量分析計。
  30. イオン源を形成する方法であって、
    基板上に誘電体材料の層を形成するステップと、
    前記誘電体材料の前記第1表面上に第1電極を形成するステップであって、前記第1電極は金属材料により形成されるステップと、
    前記基板に少なくとも一個の穴を形成するステップと、
    前記少なくとも一個の穴を含む前記基板の第2表面に第2電極を形成するステップであって、前記第2の電極の少なくとも一部が、前記誘電体材料の第2表面にあるようにするステップと、
    前記第2電極、前記誘電体材料、および前記第1電極に少なくとも一個の穴を形成するステップであって、前記少なくとも一個の穴が、前記第1および第2電極が前記誘電体材料の厚さだけ分離している側面を有するステップとを含む方法。
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