JP3986615B2 - Fiber molded body for fiber reinforced aluminum alloy cylinder block casting by die casting method, and method for producing fiber reinforced aluminum alloy cylinder block - Google Patents

Fiber molded body for fiber reinforced aluminum alloy cylinder block casting by die casting method, and method for producing fiber reinforced aluminum alloy cylinder block Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカスト法による繊維強化アルミ合金製シリンダブロック鋳造用繊維成形体、および繊維成形体を用いた繊維強化アルミ合金製シリンダブロックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維強化金属体、例えばアルミ合金製シリンダブロックを鋳造する場合、繊維成形体としては、その性状を成形体全体に亘り均一化したもの、例えば繊維体積分率Vfを成形体全体に亘って略一定に設定したものが用いられ、また鋳造方式としては、溶湯流のゲート速度を、例えば0.3m/sec に、加圧力を、例えば250kgf/cm2 にそれぞれ設定した低速充填中圧鋳造方式が採用されている。この場合、前記繊維体積分率Vfは、要求される摺動特性を考慮して、例えば15%≦Vf≦25%に設定される。
【0003】
しかしながら、前記低速充填中圧鋳造方式の採用下では、一般的なダイカスト装置を使用することができず、専用の鋳造装置を必要とするためその設備コストが高く、また溶湯流のゲート速度が遅いため鋳造のサイクルタイムが長く、生産能率が悪い、という問題があった。
【0004】
そこで、一般的なダイカスト装置を使用し、また溶湯のゲート速度を速めると共に加圧力を高めた高速充填高圧鋳造方式を採用することが試みられた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記のような繊維成形体に、ダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式を適用すると、繊維成形体全体が大きく圧縮変形してその厚さが大幅に減少すると共にその圧縮変形後の繊維成形体において、その厚さ方向に、金型の成形面側に在って繊維体積分率Vfが二次曲線的に増加する変化部と、その変化部に連なって繊維体積分率Vfが略一定である定常部とが発生し、しかも変化部の厚さと定常部の厚さとが略同等となる。
【0006】
前記変化部は削り取られる取り代部であって、前記定常部が繊維強化部として実用されるのであるが、前記のような厚さ変化が存在すると、繊維強化部が薄肉となって、繊維強化の目的を達成し得ない事態を生じるおそれがあった
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式に十分に対応して、必要厚さを持つ繊維強化部を確保することが可能な前記繊維強化アルミ合金製シリンダブロック鋳造用繊維成形体、並びにその繊維成形体を用いた繊維強化アルミ合金製シリンダブロックの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、シリンダボアを形成する内筒部と、その内筒部の外側に在ってそれと一体の外筒部とよりなるシリンダバレルを有するアルミ合金製シリンダブロックであって鋳造後には前記内筒部に設定した取り代部が削り取られるようにしたものをダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式を適用して鋳造するに当たり、前記内筒部を繊維強化するために用いられる繊維成形体において、金型の、前記内筒部内周面に対応した成形面に接する接触面およびその近傍を含んでいて、前記取り代部よりも厚さが小さい成形面側領域と、その成形面側領域の外周側に連なる主領域とを有して円筒状に形成されており、前記鋳造後に前記取り代部が削り取られても前記内筒部に必要厚さを持つ繊維強化部を確保するために、前記成形面側領域には、前記高速充填高圧鋳造方式の適用下での繊維成形体の圧縮変形を抑制し得るセラミック粒子を混在させ、前記主領域には前記セラミック粒子を混在させていないことを特徴とし、また請求項2の発明は、シリンダボアを形成する繊維強化された内筒部と、その内筒部の外側に在ってそれと一体の外筒部とよりなるシリンダバレルを有するアルミ合金製シリンダブロックをダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式を適用して鋳造し、その鋳造後に、前記内筒部に設定した所定厚さの取り代部を削り取るようにした繊維強化アルミ合金製シリンダブロックの製造方法であって、前記鋳造後に前記取り代部が削り取られても前記内筒部に必要厚さを持つ繊維強化部を確保するために、金型の、前記内筒部内周面に対応した成形面に接する接触面およびその近傍を含んでいて、前記取り代部よりも厚さが小さい成形面側領域に、前記高速充填高圧鋳造方式の適用下での繊維成形体の圧縮変形を抑制し得るセラミック粒子を混在させ、且つその成形面側領域の外周側に連なる主領域には前記セラミック粒子を混在させていない円筒状の繊維成形体を用いて、前記内筒部を繊維強化することを特徴とする。
【0009】
前記のように構成すると、繊維強化アルミ合金製シリンダブロック鋳造用の繊維成形体において、大きな圧縮力を受ける成形面側領域にセラミック粒子が混在しているので、ダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式の適用下では繊維成形体全体の圧縮変形が、硬質粒子による繊維相互間の密接を防止するスペーサ機能により抑制されて、その厚さ減少が小となる。また前記定常部、つまり実用繊維強化部の厚さが前記変化部、つまり取り代部の厚さを大幅に上回る。
【0010】
これにより、必要厚さを持つ繊維強化部を確保することが可能であり、したがって、前記繊維成形体を用いることによって、ダイカスト法の適用下で繊維強化の目的を十分に達成することができる。
【0011】
前記成形面側領域に混在させるセラミック粒子としては、粒径3〜10μmのセラミック粒子が用いられ、そのセラミック粒子には、Al2 3 粒子、SiO2 粒子、SiC粒子、グラファイト粒子等が該当する
【0012】
単層構造の繊維成形体の繊維体積分率Vfは、例えば15%≦Vf≦25%に設定される。
【0013】
これを基準にして、成形面側領域では前記セラミック粒子が追加されるものであり、したがって、成形面側領域における、セラミック粒子を含んでの繊維体積分率Vf1は30%≦Vf1≦40%に設定される。この場合、Vf1<30%では、ダイカスト法に対する成形面側領域の強化が不十分となり、一方、Vf1>40%では溶湯の浸透性が変化する。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜4において、繊維強化金属体としてのエンジン用サイアミーズ型シリンダブロックSは、4つのシリンダバレル11 〜14 を直列に結合してなるサイアミーズシリンダバレル1と、そのサイアミーズシリンダバレル1を囲繞する外壁部2と、外壁部2の下縁に連なるクランクケース3とより構成される。各シリンダバレル11 〜14 は、シリンダボア4を形成する内筒部5と、その内筒部5の外側に在ってそれと一体の外筒部6とよりなる。サイアミーズシリンダバレル1と外壁部2間の一連の空間は水ジャケット7であり、各外筒部6の下端側およびクランクケース3の上端側は水ジャケット7の底壁8を介して連なっている。水ジャケット7におけるシリンダヘッド側の開口部において、サイアミーズシリンダバレル1と外壁部2間は連結されておらず、したがってシリンダブロックSはオープンデッキ型に構成される。
【0015】
各シリンダバレル11 〜14 の内筒部5は円筒状繊維成形体と金属マトリックスとよりなる繊維強化部であり、また各シリンダバレル11 〜14 の外筒部6およびその他の構成部分はマトリックスを構成する金属のみからなる。繊維成形体は、アルミナ繊維およびカーボン繊維を主体とし、それら繊維間をバインダにより結合したものである。また前記金属としてはAl合金が用いられている。
【0016】
図5〜7は、シリンダブロックSをダイカスト法により鋳造するために用いられる鋳造装置Mを示す。その装置Mにおける金型9は昇降自在の上型10と、上型10の下方に配設された固定の下型11と、下型11上において摺動自在の第1および第2側型12,13とを有する。
【0017】
第1側型12は下型11上を摺動する型本体14を備え、その型本体14は第2側型13との対向面に、4つのシリンダボア成形用ボアピン15と、それらボアピン15を囲繞する水ジャケット成形用中子16とを有し、各ボアピン15の軸線は略水平である。
【0018】
第2側型13は下型11上を摺動する型本体17を備え、その型本体17は第1側型12との対向面に成形ブロック18を有する。成形ブロック18は、各シリンダバレル11 〜14 に対応する突出量の長い4つのかまぼこ状第1成形部19と相隣る両第1成形部19間及び両外側の第1成形部19の外側に位置する凸字状第2成形部20とを有する。
【0019】
各ボアピン15に繊維成形体21が嵌合され、型締め状態において、各ボアピン15および各繊維成形体21の先端面は、各第1成形部19の先端面に当てられている。
【0020】
上型10、下型11、第1側型12および第2側型13により形成されるキャビティ22は次のような各領域を有する。即ち、図7にも示すように、各ボアピン15回りに在って、繊維成形体21を設置する内筒部成形領域23と、各内筒成形領域23に隣接する、つまり各繊維成形体21および水ジャケット成形用中子16間およびその中子16から突出する繊維成形体21の先端部回りに在る外筒部成形領域24と、各第1,第2成形部19,20および上,下型10,11間に在るクランクケース成形領域25と、上,下型10,11および水ジャケット成形用中子16間に在る外壁部成形領域26と、クランクケース成形領域25を外筒部成形領域24および外壁部成形領域26にそれぞれ通じさせると共に水ジャケット16の底壁8を成形する底壁成形領域27とである。
【0021】
各第1成形部19によりクランクケース3内のクランクピンおよびクランクアーム用回転空間28(図2,4)が成形され、また各第2成形部20によりクランクケース3のクランクジャーナル用軸受ホルダ29(図2〜4)が成形される。
【0022】
下型11に、軸線を略水平にした第1シリンダ30が設けられ、その第1シリンダ30に給湯プランジャ31が摺動自在に嵌合される。その給湯プランジャ31の先端側に溶湯を一時溜める湯溜部32が形成され、その湯溜部32は、シリンダバレル配列方向に延びる1つのランナ33および複数のゲート34を介してクランクケース成形領域25の下部に連通する。
【0023】
第2側型13の型本体17に、軸線を略垂直に向けた第2シリンダ35が設けられ、その第2シリンダ35は通し孔36を介して湯溜部32に通じている。また型本体17に、第2シリンダ35の中間部に通じるように給湯管37が設けられる。
【0024】
さらに上型10に貫通孔38が、その軸線を第2シリンダ35の軸線に合致させると共にその第2シリンダ35に通じるように形成され、その貫通孔38にシールプランジャ39が摺動自在に嵌合される。
【0025】
下型11に複数のエジェクタピン40が摺動自在に嵌合され、それらエジェクタピン40は、外壁部成形領域26およびクランクケース成形領域25に突出してシリンダブロックSを離型するために用いられる。
【0026】
前記各内筒部成形領域23において、水ジャケット成形用中子16の長さ範囲aに収まる領域が実質的な繊維強化部成形領域Aである。これは、各内筒部5において、水ジャケット7から突出している部分5aは、ピストンと摺動関係にないので繊維強化する必要がないからである。したがって、各外筒部成形領域26において、水ジャケット成形用中子16の長さ範囲aに収まる領域が、繊維強化部成形領域Aに隣接する溶湯貯留領域Bである。さらにクランクケース成形領域(各軸受ホルダ29を成形する部分を含む)25および水ジャケット7の底壁成形領域27が溶湯流沈静領域Cである。
【0027】
ここで、溶湯貯留領域Bの容積、実施例では全部の溶湯流貯留領域Bの容積の和をV1 とし、溶湯流沈静領域Cの容積をV2 としたとき、両容積V1 ,V2 の関係はV2 ≧2V1 に設定される。実施例ではV1 :V2 =1:3.37である。
【0028】
図8,9に示すように、繊維成形体21は、その厚さtをt=3mmに設定されると共に、金型9、実施例ではボアピン15の成形面41に接する接触面42およびその近傍を含む、厚さt1 =0.8mmの成形面側領域43と、その領域43の外周側に連なる、厚さt2 =2.2mmの主領域44とを有する。成形面側領域43の繊維体積分率Vf1は、Vf1=35%に、また主領域44の繊維体積分率Vf2はVf2=20%にそれぞれ設定された。
【0029】
前記のような積層構造を有する繊維成形体21は、次のような方法を用いて製造された。
(1) 図10に示すように、シェル砂(粒度AFS35)を用いて通気性を有する円筒状成形型45を形成した。この成形型45はシェル砂より構成されているので、350〜400℃に高温加熱されると崩壊するという性質を有する。
(2) 図11に示すように、成形型45の両端開口部にそれぞれホルダ461 ,462 を接着、ボルト締め等により取付けてそれら開口部を閉じた。
(3) 図12に示すように、45重量%のアルミナ繊維および10重量%のカーボン繊維の両短繊維と、45重量%のAl2 3 粒子とを水に分散させた分散液47中に成形型45を浸漬し、真空ポンプ48により成形型45内に吸引作用を施して両短繊維およびAl2 3 粒子を成形型45の外周面に所定の厚さに付着させ、成形面側領域43に対応する下層49を成形した。
(4) 図13に示すように、成形型45を5重量%のアルミナを含むアルミナゾル(バインダ)50中に浸漬して、下層49にアルミナゾル50を含浸させた。
(5) 図14に示すように、成形型45をラバープレスの耐圧容器51内に設置し、空圧源52より加圧空気を耐圧容器51内に供給してラバー53を介し下層49を成形型45の外周面に押圧し、これにより下層49の形状を整え、同時に繊維体積分率を調整した。
(6) 下層49を有する成形型45を用いると共に、前記分散液47の代りに、80重量%のアルミナ繊維および20重量%のカーボン繊維の両短繊維を水に分散させた分散液を用いて、図12〜14の前記(3)〜(5)工程と同様の三工程を行い、これにより下層49の外周面に、主領域44に対応する上層54(図15参照)を成形した。
(7) 図15に示すように、成形型45より両ホルダ461 ,462 を取外した。
(8) 図16に示すように、成形型45を乾燥炉55内に設置し、上、下層54,49よりなる中間体56に120℃、1時間の乾燥処理を施して水分を蒸発除去した。
(9) 図17に示すように、成形型45を焼成炉57内に設置し、成形型45に350〜400℃にて1時間の崩壊処理を施した。この崩壊処理により成形型45はその略50%が崩壊した。残りの略50%は振動を加える等の手段により破壊除去した。この状態下にあっては中間体56は乾燥されて十分な保形性を有するので変形するようなことはなく、また成形型45の残部にはクラック等が無数に発生しているのでその除去が容易に行われる。
(10) 図18に示すように、少量で大きな接合強度を発揮し得るバインダであるポリカルボシラン(平均分子量1430、PCS)を1重量%含有するキシレン溶液58中に中間体56を浸漬してその中間体56にポリカルボシランを含浸させた。
(11) 中間体56を空気中に放置して自然乾燥した。
(12) 図19に示すように、中間体56を再び焼成炉57内に設置し、その中間体56に800℃、15分間の焼成処理を施した。これにより図8,9に示した繊維成形体21を得た。
【0030】
Al合金として、表1に示すJIS ADC12相当材を選定した。
【0031】
【表1】
【0032】
ダイカスト法によるシリンダブロックSの鋳造に当っては、溶解炉より670℃のAl合金の溶湯mを給湯管37に供給し、その溶湯mを第2シリンダ35を経て湯溜部32に一時溜めた。次いで、シールプランジャ39を下降させて、図5、鎖線示のように通し孔36を閉鎖した。その後給湯プランジャ31を前進させ、溶湯mをランナ33および各ゲート34を通じてキャビティ22に高速充填し、シリンダブロックSを高圧鋳造した。この場合、加圧力は900kgf/cm2 に、また溶湯流のゲート速度は40m/sec に、さらに溶湯開始から圧力上昇までの時間は1.5sec にそれぞれ設定された。
【0033】
この注湯過程で、各ゲート34を通過した乱流状態の溶湯流は溶湯流沈静領域Cにおいて静められ、その結果、各溶湯貯留領域Bへ導かれる溶湯流は略層流状態となり、その溶湯流における空気の巻込みが抑制される。そして、各溶湯貯留領域Bの溶湯が繊維成形体21にスムーズに充填される。
【0034】
この場合、繊維成形体21は、前記のように積層構造に構成されていて、大きな圧縮力を受ける成形面側領域43にAl2 3 粒子が混在しているので、前記ダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式の適用下では繊維成形体21全体の圧縮変形がAl2 3 粒子による繊維相互間の密接を防止するスペーサ機能により抑制されて、その厚さ減少が小となる。また前記定常部、つまり内筒部(実用繊維強化部)5の厚さが、前記変化部、つまり取り代部の厚さを大幅に上回る。これにより、必要厚さを持つ内筒部5を確保することが可能である。
【0035】
図20は、鋳放し状態のシリンダブロックSにおけるシリンダバレル内周面からの深さと繊維体積分率Vfとの関係を示す。図中、線L1 は鋳造前の積層構造繊維成形体21に該当し、また線L2 はその繊維成形体21を用いて前記ダイカスト法を行った場合に該当する。さらに線L3 は厚さが3mmで、且つ繊維体積分率Vfが20%の単層構造繊維成形体を用いて前記ダイカスト法を行った場合に該当する。
【0036】
各内筒部5における取り代は1mmであり、したがって、線L2 のごとく、前記積層構造繊維成形体21を用いると、厚さ約1.4mmの内筒部(繊維強化部)5を得ることができるが、線L3 のごとく、前記単層構造繊維成形体を用いた場合には内筒部の厚さは約0.8mmに減少する。このことから、成形面側領域43の存在意義が判る。
【0037】
なお、図20において、例えば線L2 の左端、つまり繊維強化された領域Dの端部と、シリンダバレル内周面との間の内周領域Eは、繊維を主体とするぼそぼそした領域であって、繊維体積分率Vfの測定は不可能である。
【0038】
鋳造条件における許容範囲は次の通りである。即ち、加圧力は850〜1000kgf/cm2 、ゲート速度は30〜45m/sec 、溶湯温度は650〜700℃、溶湯開始から圧力上昇までの時間は1〜2sec である。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、シリンダボアを形成する繊維強化された内筒部と、その内筒部の外側に在ってそれと一体の外筒部とよりなるシリンダバレルを有するアルミ合金製シリンダブロックをダイカスト法により鋳造するに当たり、そのダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式に十分に対応して、シリンダバレル内筒部において径方向に必要な厚さを持つ繊維強化部を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリンダブロックの平面図である。
【図2】 図1の2−2線断面図である。
【図3】 図1の3−3線断面図である。
【図4】 シリンダブロックを下方から見た斜視図である。
【図5】 鋳造装置の断面図で、図2に対応する。
【図6】 鋳造装置の断面図で、図3に対応する。
【図7】 図5の要部拡大図である。
【図8】 繊維成形体の斜視図である。
【図9】 図8の9−9線断面図である。
【図10】 成形型の断面図である。
【図11】 成形型にホルダを取付けた状態を示す断面図である。
【図12】 成形工程の断面図である。
【図13】 アルミナゾル含浸工程の断面図である。
【図14】 ラバープレス工程の断面図である。
【図15】 成形型からホルダを取外した状態を示す断面図である。
【図16】 乾燥工程の断面図である。
【図17】 成形型除去工程の断面図である。
【図18】 ポリカルボシラン含浸工程の断面図である。
【図19】 焼成工程の断面図である。
【図20】 シリンダバレル内周面からの深さと繊維体積分率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 〜14 シリンダバレル
5 内筒部
6 外筒部
15 金型のボアピン
21 繊維成形体
41 成形面
42 接触面
43 成形面側領域
44 主領域
1 厚さ
S シリンダブロック
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a fiber molded body for casting a fiber reinforced aluminum alloy cylinder block by a die casting method, and a method for manufacturing a fiber reinforced aluminum alloy cylinder block using the fiber molded body.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when a fiber reinforced metal body, for example, an aluminum alloy cylinder block is cast, the fiber molded body has a uniform property over the entire molded body, for example, a fiber volume fraction Vf over the entire molded body. An approximately constant set is used, and the casting method is a low-speed filling intermediate pressure casting method in which the gate speed of the molten metal flow is set to 0.3 m / sec, for example, and the applied pressure is set to 250 kgf / cm 2 , for example. Is adopted. In this case, the fiber volume fraction Vf is set to 15% ≦ Vf ≦ 25%, for example, in consideration of the required sliding characteristics.
[0003]
However, under the adoption of the low-speed filling medium pressure casting method, a general die casting apparatus cannot be used, and a dedicated casting apparatus is required, so that the equipment cost is high and the gate speed of the molten metal flow is slow. Therefore, there were problems that the casting cycle time was long and the production efficiency was poor.
[0004]
Therefore, an attempt was made to use a high-speed filling and high-pressure casting method in which a general die casting apparatus was used, and the molten metal gate speed was increased and the applied pressure was increased.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, when a high-speed filling and high-pressure casting method using a die casting method is applied to the fiber molded body as described above, the entire fiber molded body is greatly compressed and deformed, and the thickness thereof is greatly reduced. , In the thickness direction, there is a change part where the fiber volume fraction Vf increases in a quadratic curve on the molding surface side of the mold, and the fiber volume fraction Vf is substantially constant connected to the change part. A certain steady portion is generated, and the thickness of the changed portion is substantially equal to the thickness of the steady portion.
[0006]
The change part is a machining part to be scraped off, and the steady part is practically used as a fiber reinforced part. However, if there is a thickness change as described above, the fiber reinforced part becomes thin and fiber reinforced. There was a risk of a situation in which the above-mentioned purpose could not be achieved .
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a fiber molded body for casting a fiber reinforced aluminum alloy cylinder block capable of ensuring a fiber reinforced portion having a necessary thickness sufficiently corresponding to a high speed filling and high pressure casting method by a die casting method, and An object of the present invention is to provide a method for producing a fiber reinforced aluminum alloy cylinder block using a fiber molded body.
[0008]
In order to achieve the above-mentioned object, the invention of claim 1 is made of an aluminum alloy having an inner cylinder part that forms a cylinder bore and a cylinder barrel that is formed on the outer side of the inner cylinder part and is integrated with the outer cylinder part. Upon and after casting a cylinder block those as allowance portion set in the inner cylinder part is scraped off, cast by applying the fast filling pressure casting method that by the die casting, the inner cylindrical portion In a fiber molded body used for fiber reinforcement, molding includes a contact surface in contact with a molding surface corresponding to the inner peripheral surface of the inner cylinder portion and the vicinity thereof, and has a smaller thickness than the allowance portion It has a surface side region and a main region connected to the outer peripheral side of the molding surface side region, and is formed in a cylindrical shape. Even if the machining allowance portion is scraped off after the casting, the required thickness of the inner tube portion Secure fiber reinforced part with For, wherein the molding surface side region, wherein a mix of ceramic particles capable of suppressing the compressive deformation of the fiber molded body under application of high-speed filling pressure casting method, in the main area have a mix of the ceramic particles Further, the invention of claim 2 has a cylinder barrel comprising a fiber reinforced inner cylinder part forming a cylinder bore and an outer cylinder part which is outside the inner cylinder part and is integral therewith. the aluminum alloy cylinder block cast by applying the fast filling pressure casting method that by the die casting process, that after casting, fiber reinforced aluminum alloy to scrape off the stock removal portion having a predetermined thickness set in the inner cylinder part A method of manufacturing a cylinder block, wherein an inner periphery of the inner cylinder part of a mold is used to secure a fiber reinforced part having a required thickness in the inner cylinder part even if the machining allowance part is scraped off after the casting. surface It includes a contact surface and the vicinity thereof in contact with the molding surface corresponding to said allowance portion forming surface side region is smaller in thickness than the compressive deformation of the fiber molded body under application of the high-speed filling high pressure casting method The inner tube portion is fiber-reinforced using a cylindrical fiber molded body in which ceramic particles that can be suppressed are mixed and the ceramic region is not mixed in the main region continuous to the outer peripheral side of the molding surface side region. It is characterized by that.
[0009]
By configuring as above, the fiber preform for a fiber reinforced aluminum alloy cylinder block casting, since the molding surface side region subjected to large compressive forces ceramic particles are mixed, high-speed filling pressure casting method by die casting Under the application of the above, the compression deformation of the entire fiber molded body is suppressed by the spacer function for preventing the close contact between the fibers due to the hard particles, and the thickness reduction becomes small. In addition, the thickness of the stationary portion, that is, the practical fiber reinforced portion is significantly larger than the thickness of the changing portion, that is, the machining allowance portion.
[0010]
Accordingly, it is possible to secure a fiber reinforced portion having a necessary thickness. Therefore, by using the fiber molded body, the purpose of fiber reinforcement can be sufficiently achieved under the application of the die casting method.
[0011]
Ceramic particles having a particle diameter of 3 to 10 μm are used as the ceramic particles mixed in the molding surface side region, and the ceramic particles correspond to Al 2 O 3 particles, SiO 2 particles, SiC particles, graphite particles, and the like. .
[0012]
The fiber volume fraction Vf of the fiber molded body having a single layer structure is set to 15% ≦ Vf ≦ 25%, for example.
[0013]
Based on this, the ceramic particles are added in the region on the molding surface side. Therefore, the fiber volume fraction Vf1 including the ceramic particles in the region on the molding surface side is 30% ≦ Vf1 ≦ 40%. Is set. In this case, when Vf1 <30%, the strengthening of the molding surface side region with respect to the die casting method is insufficient, whereas when Vf1> 40%, the melt permeability changes.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 to 4, a siamese type cylinder block S for engine as a fiber reinforced metal body surrounds a siamese cylinder barrel 1 formed by connecting four cylinder barrels 11 to 14 in series, and the siamese cylinder barrel 1. The outer wall portion 2 and the crankcase 3 connected to the lower edge of the outer wall portion 2 are configured. Each cylinder barrel 1 1 to 1 4, the cylindrical portion 5 within which forms a cylinder bore 4, the more the outer cylindrical portion 6 therewith integral be outside of the inner cylinder portion 5. A series of spaces between the siamese cylinder barrel 1 and the outer wall portion 2 is a water jacket 7, and a lower end side of each outer cylinder portion 6 and an upper end side of the crankcase 3 are connected via a bottom wall 8 of the water jacket 7. In the opening on the cylinder head side in the water jacket 7, the siamese cylinder barrel 1 and the outer wall 2 are not connected, and therefore the cylinder block S is configured as an open deck type.
[0015]
The inner cylinder portion of the cylinder barrel 1 1 to 1 4 5 are more made fiber-reinforced portion and a cylindrical fiber molded body and the metal matrix, also the outer tube section 6 and the other components of the respective cylinder barrel 1 1 to 1 4 Consists of only the metals that make up the matrix. The fiber molded body is mainly composed of alumina fibers and carbon fibers, and the fibers are bonded by a binder. An Al alloy is used as the metal.
[0016]
FIGS. 5-7 shows the casting apparatus M used in order to cast the cylinder block S by the die-casting method. The mold 9 in the apparatus M includes an upper mold 10 that can be raised and lowered, a fixed lower mold 11 that is disposed below the upper mold 10, and first and second side molds 12 that are slidable on the lower mold 11. , 13.
[0017]
The first side mold 12 includes a mold main body 14 that slides on the lower mold 11, and the mold main body 14 surrounds four cylinder bore molding bore pins 15 on the surface facing the second side mold 13 and surrounds the bore pins 15. And the axis of each bore pin 15 is substantially horizontal.
[0018]
The second side mold 13 includes a mold main body 17 that slides on the lower mold 11, and the mold main body 17 has a molding block 18 on the surface facing the first side mold 12. Molding block 18, the first mold portion 19 of the cylinder barrel 1 1 to 1 between 4 long protrusion amount corresponding to 4 Tsunokamaboko form the first molding unit 19 phase Tonariru both first mold part 19 and two outer It has the convex-shaped 2nd formation part 20 located in the outer side.
[0019]
The fiber molded bodies 21 are fitted to the respective bore pins 15, and the front end surfaces of the respective bore pins 15 and the respective fiber molded bodies 21 are brought into contact with the front end surfaces of the respective first molded portions 19 in the clamped state.
[0020]
The cavity 22 formed by the upper mold 10, the lower mold 11, the first side mold 12, and the second side mold 13 has the following regions. That is, as shown also in FIG. 7, it exists around each bore pin 15, and is adjacent to each inner cylinder formation area | region 23 which installs the fiber molded body 21, and each inner cylinder formation area 23, ie, each fiber molded body 21 And the outer tube portion molding region 24 between the water jacket forming core 16 and around the tip of the fiber molded body 21 protruding from the core 16, and the first and second molding portions 19, 20 and above, A crankcase molding region 25 between the lower molds 10 and 11, an outer wall molding region 26 between the upper and lower molds 10 and 11 and the water jacket molding core 16, and a crankcase molding region 25 are arranged as outer cylinders. And a bottom wall forming region 27 for forming the bottom wall 8 of the water jacket 16 as well as communicating with the part forming region 24 and the outer wall portion forming region 26, respectively.
[0021]
The crank pins and the crank arm rotation space 28 (FIGS. 2 and 4) in the crank case 3 are formed by the first forming portions 19, and the crank journal bearing holder 29 ( 2-4) are formed.
[0022]
The lower die 11 is provided with a first cylinder 30 whose axis is substantially horizontal, and a hot water supply plunger 31 is slidably fitted to the first cylinder 30. A hot water reservoir 32 for temporarily storing the molten metal is formed on the distal end side of the hot water supply plunger 31, and the hot water reservoir 32 is connected to the crankcase forming region 25 via one runner 33 and a plurality of gates 34 extending in the cylinder barrel arrangement direction. It communicates with the lower part of.
[0023]
The mold body 17 of the second side mold 13 is provided with a second cylinder 35 whose axis is oriented substantially perpendicularly, and the second cylinder 35 communicates with the hot water reservoir 32 through a through hole 36. The mold body 17 is provided with a hot water supply pipe 37 so as to communicate with an intermediate portion of the second cylinder 35.
[0024]
Further, a through hole 38 is formed in the upper mold 10 so that the axis thereof matches the axis of the second cylinder 35 and communicates with the second cylinder 35, and the seal plunger 39 is slidably fitted into the through hole 38. Is done.
[0025]
A plurality of ejector pins 40 are slidably fitted to the lower mold 11, and the ejector pins 40 project into the outer wall portion forming region 26 and the crankcase forming region 25 and are used for releasing the cylinder block S.
[0026]
In each of the inner tube portion forming regions 23, a region that falls within the length range a of the water jacket forming core 16 is a substantial fiber reinforced portion forming region A. This is because the portion 5a protruding from the water jacket 7 in each inner cylinder portion 5 does not have a sliding relationship with the piston, so that it is not necessary to reinforce the fiber. Accordingly, in each outer cylinder portion forming region 26, a region that falls within the length range a of the water jacket forming core 16 is a molten metal storage region B adjacent to the fiber reinforced portion forming region A. Further, the crankcase forming region (including a portion for forming each bearing holder 29) 25 and the bottom wall forming region 27 of the water jacket 7 are the melt flow calming region C.
[0027]
Here, when the volume of the molten metal storage region B, in the embodiment, the sum of the volumes of all the molten metal flow storage regions B is V 1 and the volume of the molten metal flow calming region C is V 2 , both volumes V 1 , V 2 Is set so that V 2 ≧ 2V 1 . In the embodiment, V 1 : V 2 = 1: 3.37.
[0028]
As shown in FIGS. 8 and 9, the fiber molded body 21 has its thickness t set to t = 3 mm, and the contact surface 42 in contact with the molding surface 41 of the die 9 or the bore pin 15 in the embodiment and the vicinity thereof. Including a molding surface side region 43 having a thickness t 1 = 0.8 mm and a main region 44 having a thickness t 2 = 2.2 mm connected to the outer peripheral side of the region 43. The fiber volume fraction Vf1 of the molding surface side region 43 was set to Vf1 = 35%, and the fiber volume fraction Vf2 of the main region 44 was set to Vf2 = 20%.
[0029]
The fiber molded body 21 having the laminated structure as described above was manufactured using the following method.
(1) As shown in FIG. 10, a cylindrical mold 45 having air permeability was formed using shell sand (grain size AFS35). Since this mold 45 is made of shell sand, it has the property of collapsing when heated at a high temperature of 350 to 400 ° C.
(2) As shown in FIG. 11, holders 46 1 and 46 2 were attached to the opening portions at both ends of the mold 45 by attaching, bolting, etc., and the opening portions were closed.
(3) As shown in FIG. 12, in a dispersion 47 in which both short fibers of 45 wt% alumina fiber and 10 wt% carbon fiber and 45 wt% Al 2 O 3 particles are dispersed in water. The molding die 45 is immersed, and a suction action is applied to the molding die 45 by the vacuum pump 48 to adhere both short fibers and Al 2 O 3 particles to the outer peripheral surface of the molding die 45 to a predetermined thickness. A lower layer 49 corresponding to 43 was formed.
(4) As shown in FIG. 13, the mold 45 was immersed in an alumina sol (binder) 50 containing 5 wt% alumina, and the lower layer 49 was impregnated with the alumina sol 50.
(5) As shown in FIG. 14, the forming die 45 is installed in a pressure-resistant container 51 of a rubber press, and pressurized air is supplied into the pressure-resistant container 51 from an air pressure source 52 to form the lower layer 49 via the rubber 53. It pressed against the outer peripheral surface of the mold 45, thereby adjusting the shape of the lower layer 49 and simultaneously adjusting the fiber volume fraction.
(6) While using the shaping | molding die 45 which has the lower layer 49, instead of the said dispersion liquid 47, using the dispersion liquid which disperse | distributed both the 80 weight% alumina fiber and the carbon fiber of 20 weight% carbon fiber in water. 12 to 14, the same three steps as the steps (3) to (5) were performed, thereby forming the upper layer 54 (see FIG. 15) corresponding to the main region 44 on the outer peripheral surface of the lower layer 49.
(7) As shown in FIG. 15, both holders 46 1 and 46 2 were removed from the mold 45.
(8) As shown in FIG. 16, the mold 45 is placed in the drying furnace 55, and the intermediate body 56 composed of the upper and lower layers 54, 49 is subjected to a drying process at 120 ° C. for 1 hour to evaporate and remove moisture. .
(9) As shown in FIG. 17, the mold 45 was placed in the firing furnace 57, and the mold 45 was subjected to a disintegration treatment at 350 to 400 ° C. for 1 hour. As a result of this disintegration treatment, approximately 50% of the mold 45 disintegrated. The remaining almost 50% was broken and removed by means such as applying vibration. Under this condition, the intermediate body 56 is dried and has sufficient shape retention so that it does not deform, and the remaining part of the mold 45 has numerous cracks and the like removed. Is easily done.
(10) As shown in FIG. 18, the intermediate body 56 is immersed in a xylene solution 58 containing 1% by weight of polycarbosilane (average molecular weight 1430, PCS), which is a binder that can exhibit a large bonding strength in a small amount. The intermediate 56 was impregnated with polycarbosilane.
(11) The intermediate body 56 was left in the air and naturally dried.
(12) As shown in FIG. 19, the intermediate body 56 was again placed in the firing furnace 57, and the intermediate body 56 was subjected to a firing treatment at 800 ° C. for 15 minutes. As a result, a fiber molded body 21 shown in FIGS. 8 and 9 was obtained.
[0030]
As the Al alloy, a JIS ADC12 equivalent material shown in Table 1 was selected.
[0031]
[Table 1]
[0032]
In casting the cylinder block S by the die casting method, molten metal m of 670 ° C. was supplied from the melting furnace to the hot water supply pipe 37, and the molten metal m was temporarily stored in the hot water reservoir 32 through the second cylinder 35. . Next, the seal plunger 39 was lowered, and the through hole 36 was closed as shown in FIG. Thereafter, the hot water supply plunger 31 was advanced, the molten metal m was filled into the cavity 22 through the runner 33 and each gate 34 at high speed, and the cylinder block S was cast at high pressure. In this case, the applied pressure was set to 900 kgf / cm 2 , the gate speed of the molten metal flow was set to 40 m / sec, and the time from the start of the molten metal to the pressure increase was set to 1.5 seconds.
[0033]
In this pouring process, the turbulent molten metal flow that has passed through each gate 34 is calmed in the molten metal flow calming region C. As a result, the molten metal flow led to each molten metal storage region B becomes a substantially laminar flow state. Air entrainment in the flow is suppressed. And the molten metal of each molten metal storage area | region B is smoothly filled into the fiber molded object 21. FIG.
[0034]
In this case, the fiber molded body 21 is configured in a laminated structure as described above, and Al 2 O 3 particles are mixed in the molding surface side region 43 that receives a large compressive force. Therefore, high-speed filling by the die casting method is performed. Under the application of the high-pressure casting method, the compression deformation of the entire fiber molded body 21 is suppressed by the spacer function that prevents the fibers from being intimately bonded by the Al 2 O 3 particles, and the thickness reduction becomes small. In addition, the thickness of the stationary part, that is, the inner cylinder part (practical fiber reinforced part) 5 greatly exceeds the thickness of the changing part, that is, the machining allowance part. Thereby, it is possible to ensure the inner cylinder part 5 with required thickness.
[0035]
FIG. 20 shows the relationship between the depth from the inner peripheral surface of the cylinder barrel in the as-cast cylinder block S and the fiber volume fraction Vf. In the figure, the line L 1 corresponds to the laminated structure fiber molded body 21 before casting, and the line L 2 corresponds to the case where the die casting method is performed using the fiber molded body 21. Further, the line L 3 corresponds to the case where the die casting method is performed using a single layer structure fiber molded body having a thickness of 3 mm and a fiber volume fraction Vf of 20%.
[0036]
The allowance in each inner cylinder part 5 is 1 mm. Therefore, as shown by the line L 2 , when the laminated structure fiber molded body 21 is used, an inner cylinder part (fiber reinforced part) 5 having a thickness of about 1.4 mm is obtained. However, as shown by the line L 3 , when the single-layer structure fiber molded body is used, the thickness of the inner cylinder portion is reduced to about 0.8 mm. From this, the existence significance of the molding surface side region 43 can be understood.
[0037]
In FIG. 20, for example, the left end of the line L 2 , that is, the inner peripheral area E between the end of the fiber reinforced area D and the inner peripheral surface of the cylinder barrel is an area that is mainly a fiber. Thus, measurement of the fiber volume fraction Vf is impossible.
[0038]
The allowable range in casting conditions is as follows. That is, the applied pressure is 850 to 1000 kgf / cm 2 , the gate speed is 30 to 45 m / sec, the molten metal temperature is 650 to 700 ° C., and the time from the start of the molten metal to the pressure rise is 1 to 2 seconds.
[0039]
【The invention's effect】
According to the present invention, an aluminum alloy cylinder block having a cylinder barrel formed of a fiber-reinforced inner cylinder part forming a cylinder bore and an outer cylinder part integral with the inner cylinder part is die-casting. Therefore, it is possible to secure a fiber reinforced portion having a necessary thickness in the radial direction in the cylinder barrel inner cylinder portion, sufficiently corresponding to the high speed filling high pressure casting method by the die casting method.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a cylinder block.
2 is a cross-sectional view taken along line 2-2 of FIG.
3 is a cross-sectional view taken along line 3-3 in FIG.
FIG. 4 is a perspective view of a cylinder block as viewed from below.
FIG. 5 is a sectional view of a casting apparatus and corresponds to FIG.
6 is a cross-sectional view of a casting apparatus and corresponds to FIG.
7 is an enlarged view of a main part of FIG.
FIG. 8 is a perspective view of a fiber molded body.
9 is a cross-sectional view taken along line 9-9 of FIG.
FIG. 10 is a cross-sectional view of a mold.
FIG. 11 is a cross-sectional view showing a state where a holder is attached to a mold.
FIG. 12 is a cross-sectional view of a molding process.
FIG. 13 is a cross-sectional view of an alumina sol impregnation step.
FIG. 14 is a cross-sectional view of a rubber pressing process.
FIG. 15 is a cross-sectional view showing a state where the holder is removed from the mold.
FIG. 16 is a cross-sectional view of a drying process.
FIG. 17 is a cross-sectional view of a mold removal step.
FIG. 18 is a cross-sectional view of a polycarbosilane impregnation step.
FIG. 19 is a cross-sectional view of a firing process.
FIG. 20 is a graph showing the relationship between the depth from the inner peripheral surface of the cylinder barrel and the fiber volume fraction.
[Explanation of symbols]
1 1 to 1 4 Cylinder barrel 5 Inner cylinder part 6 Outer cylinder part 15 Die bore pin 21 Fiber molded body 41 Molding surface 42 Contact surface 43 Molding surface side region 44 Main region t 1 Thickness S Cylinder block

Claims (2)

シリンダボアを形成する内筒部(5)と、その内筒部(5)の外側に在ってそれと一体の外筒部(6)とよりなるシリンダバレル(11 〜14 )を有するアルミ合金製シリンダブロック(S)であって鋳造後には前記内筒部(5)に設定した取り代部が削り取られるようにしたものをダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式を適用して鋳造するに当たり、前記内筒部(5)を繊維強化するために用いられる繊維成形体において、
金型(15)の、前記内筒部(5)内周面に対応した成形面(41)に接する接触面(42)およびその近傍を含んでいて、前記取り代部よりも厚さ(t1 )が小さい成形面側領域(43)と、その成形面側領域(43)の外周側に連なる主領域(44)とを有して円筒状に形成されており、
前記鋳造後に前記取り代部が削り取られても前記内筒部(5)に必要厚さを持つ繊維強化部を確保するために、前記成形面側領域(43)には、前記高速充填高圧鋳造方式の適用下での繊維成形体の圧縮変形を抑制し得るセラミック粒子を混在させ、
前記主領域(44)には前記セラミック粒子を混在させていないことを特徴とする、ダイカスト法による繊維強化アルミ合金製シリンダブロック鋳造用繊維成形体。
Inner cylinder portion forming a cylinder bore (5) and its inner cylindrical portion (5) aluminum alloy having the same outer tubular portion of the integral be outside (6) and become more cylinder barrel (1 1 to 1 4) those after casting form-cylinder block (S) which is adapted allowance portion set in the inner cylinder portion (5) is scraped off, cast by applying the fast filling pressure casting method that by the die casting In the fiber molded body used to reinforce the inner cylinder part (5),
The mold (15) includes the contact surface (42) in contact with the molding surface (41) corresponding to the inner peripheral surface of the inner cylinder portion (5) and the vicinity thereof, and has a thickness (t 1 ) is formed in a cylindrical shape having a small molding surface side region (43) and a main region (44) connected to the outer peripheral side of the molding surface side region (43) ,
In order to secure a fiber reinforced portion having a necessary thickness in the inner cylinder portion (5) even if the cutting allowance portion is scraped off after the casting, the high-speed filling high-pressure casting is formed in the molding surface side region (43). Mixing ceramic particles that can suppress compressive deformation of the fiber molded body under application of the method,
A fiber molded body for cylinder block casting made of fiber reinforced aluminum alloy by a die casting method, wherein the ceramic particles are not mixed in the main region (44).
シリンダボアを形成する繊維強化された内筒部(5)と、その内筒部(5)の外側に在ってそれと一体の外筒部(6)とよりなるシリンダバレル(11 〜14 )を有するアルミ合金製シリンダブロック(S)をダイカスト法による高速充填高圧鋳造方式を適用して鋳造し、その鋳造後に、前記内筒部(5)に設定した所定厚さの取り代部を削り取るようにした繊維強化アルミ合金製シリンダブロックの製造方法であって、
前記鋳造後に前記取り代部が削り取られても前記内筒部(5)に必要厚さを持つ繊維強化部を確保するために、金型(15)の、前記内筒部(5)内周面に対応した成形面(41)に接する接触面(42)およびその近傍を含んでいて、前記取り代部よりも厚さ(t1 )が小さい成形面側領域(43)に、前記高速充填高圧鋳造方式の適用下での繊維成形体の圧縮変形を抑制し得るセラミック粒子を混在させ、且つその成形面側領域(43)の外周側に連なる主領域(44)には前記セラミック粒子を混在させていない円筒状の繊維成形体(21)を用いて、前記内筒部(5)を繊維強化することを特徴とする、繊維強化アルミ合金製シリンダブロックの製造方法。
Cylinder barrel (11 to 14 ) comprising a fiber reinforced inner cylinder part (5) forming a cylinder bore and an outer cylinder part (6) integral with the outer cylinder part ( 5 ). cast aluminum alloy cylinder block (S) by applying the high-speed filling pressure casting method that by the die casting with its after casting, the machining allowance of the predetermined thickness set in the inner cylinder portion (5) A method for manufacturing a fiber reinforced aluminum alloy cylinder block that is scraped off,
In order to secure a fiber reinforced part having a necessary thickness in the inner cylinder part (5) even if the machining allowance part is cut off after the casting, the inner circumference of the inner cylinder part (5) of the mold (15) The high-speed filling is performed on the molding surface side region (43) including the contact surface (42) in contact with the molding surface (41) corresponding to the surface and the vicinity thereof and having a thickness (t 1 ) smaller than the machining allowance portion. mix ceramic particles capable of suppressing the compressive deformation of the fiber molded body under application of high pressure casting method, and mixing the ceramic particles in the main region (44) thereof connected to the outer peripheral side of the molding surface side region (43) A method for producing a fiber-reinforced aluminum alloy cylinder block, wherein the inner cylindrical portion (5) is fiber-reinforced using an unshaped cylindrical fiber molded body (21).
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