JP3986491B2 - 無線通信システム、無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラム及び無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラム - Google Patents

無線通信システム、無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラム及び無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP3986491B2
JP3986491B2 JP2003381246A JP2003381246A JP3986491B2 JP 3986491 B2 JP3986491 B2 JP 3986491B2 JP 2003381246 A JP2003381246 A JP 2003381246A JP 2003381246 A JP2003381246 A JP 2003381246A JP 3986491 B2 JP3986491 B2 JP 3986491B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
signal
radio
signals
array antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003381246A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005150820A (ja
Inventor
幸宏 神谷
孝 大平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Original Assignee
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ATR Advanced Telecommunications Research Institute International filed Critical ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Priority to JP2003381246A priority Critical patent/JP3986491B2/ja
Publication of JP2005150820A publication Critical patent/JP2005150820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3986491B2 publication Critical patent/JP3986491B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Radio Transmission System (AREA)

Description

この発明は、無線装置の位置特定が可能な無線通信システム、無線通信空間において無線通信を行なう無線通信システム、無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラム及び無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
従来、複数の無線装置が無線アドホックネットワークにおいて無線通信を行なう無線通信システムが知られている。この無線通信システムにおいては、複数の無線装置の各々は、次の手順によって無線アドホックネットワークに存在する周囲の無線装置を認識し、その認識した周囲の無線装置との間で無線通信を行なう。
(1)各無線装置は、指向性アンテナを用いて360度空間走査を行ないながら待ち受ける。
(2)各無線装置は、キャリアセンスの結果、他のキャリアを検出しなければ無指向性アンテナでセットアップパケットを送信する。
(3)セットアップパケットを受信した無線装置は、受信信号電力と受信方向とからなる表を作成する。
上述した(1)〜(3)の手順を繰返すことにより、複数の無線装置の全てにおいて、到来角度対受信信号表(AST:Angle−Signal Table)が作成され、周囲の無線装置の位置情報が各無線装置において把握される。
そして、各無線装置は、到来角度対受信信号表を参照して、送信の相手先を選択し、その選択した送信先の無線装置との間で無線通信を行なう(非特許文献1)。
植田 哲郎,"ソンプラカシュ パンディオパダイ",蓮池和夫,"無線アドホックネットワークにおけるスマートアンテナを用いた適応型メディアアクセス制御プロトコルとシステム評価",信学論(B),vol.J85−B,no.12,pp.2189−2187,Dec.2002
しかし、従来の無線通信システムにおいては、キャリアセンスを行なって他のキャリアが存在しないことを確認してセットアップパケットを送信するため、無線装置の台数が増大すると各無線装置の位置情報を取得するために長時間を要するという問題がある。
また、ネットワークのトポロジーが変化したり、ユーザが新規に参入したりするたびに上述した手続きを繰返さなければならず、到来角度対受信信号表の作成のためのパケットのやり取りがネットワークに与える負荷が大きくなるという問題もある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、所望の受信信号強度が得られる通信の相手先をできるだけ簡単に発見できる無線通信システムを提供することである。
また、この発明の別の目的は、所望の受信信号強度が得られる通信の相手先をできるだけ簡単に発見して相手先と無線リンクを確立可能な無線通信システムを提供することである。
更に、この発明の別の目的は、所望の受信信号強度が得られる無線装置を発見して各無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することである。
更に、この発明の別の目的は、所望の受信信号強度が得られる通信の相手先をできるだけ簡単に発見して無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することである。
この発明によれば、無線通信システムは、無線通信空間において相互に無線通信を行なう複数の無線装置の位置特定が可能な無線通信システムであって、方向特定無線装置と、n(nは自然数)個の無線装置とを備える。方向特定無線装置は、指向性を電気的に切換え可能なアレーアンテナを介してPN系列によりスペクトル拡散した所定の信号を全方向に送信し、アレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号のうち所望の電力が得られる信号の到来方向を無線装置の位置として特定する。n個の無線装置の各々は、アレーアンテナを介して所定の信号を受信し、その受信した所定の信号を方向特定無線装置へ送信する。
好ましくは、方向特定無線装置は、同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号をn個の無線装置へ送信する。n個の無線装置の各々は、受信した所定の信号を同一のPN系列により復調し、その復調した信号を同一のPN系列によりスペクトル拡散して方向特定無線装置へ送信する。
好ましくは、アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなる。第1のアレーアンテナは、方向特定無線装置に装着される。第2のアレーアンテナは、n個の無線装置の各々に装着される。n個の無線装置の各々は、第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号を同一のPN系列により復調した複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に第2のアレーアンテナの指向性を設定して同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を送信する。
好ましくは、方向特定無線装置は、n個の無線装置に対応して選択された相互に異なるn個のPN系列により信号をスペクトル拡散し、そのスペクトル拡散したn個の信号をそれぞれ対応するn個の無線装置へ送信し、n個の無線装置から受信したn個の信号をそれぞれ対応するPN系列で復調して各PN系列において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向をn個の無線装置の位置として特定する。n個の無線装置の各々は、受信した所定の信号を自己に与えられた固有PN系列により復調し、その復調した信号を固有PN系列によりスペクトル拡散して方向特定無線装置へ送信する。
好ましくは、アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなる。第1のアレーアンテナは、方向特定無線装置に装着される。第2のアレーアンテナは、n個の無線装置の各々に装着される。n個の無線装置の各々は、第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号を固有PN系列により復調した複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に第2のアレーアンテナの指向性を設定して固有PN系列によりスペクトル拡散した信号を送信する。
好ましくは、方向特定無線装置は、同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号をn個の無線装置へ送信し、n個の無線装置から受信したn個の信号を相互に識別するように同時に復調し、その復調したn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向をn個の無線装置の位置として特定する。n個の無線装置の各々は、受信した所定の信号を同一のPN系列により復調し、その復調した信号を同一のPN系列によりスペクトル拡散して方向特定無線装置へ送信する。
好ましくは、アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなる。第1のアレーアンテナは、方向特定無線装置に装着される。第2のアレーアンテナは、n個の無線装置の各々に装着される。n個の無線装置の各々は、第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号を相互に識別するように同時に復調し、その復調した複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に第2のアレーアンテナの指向性を設定して同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を送信する。
好ましくは、方向特定無線装置は、n個の無線装置に対応して選択された相互に異なるn個のPN系列により信号をスペクトル拡散し、そのスペクトル拡散したn個の信号をそれぞれ対応するn個の無線装置へ送信し、n個の無線装置から受信したn個の信号をそれぞれ対応するPN系列で相互に識別するように同時に復調し、その復調したn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向をn個の無線装置の位置として特定する。n個の無線装置の各々は、受信した所定の信号を自己に与えられた固有PN系列により復調し、その復調した信号を固有PN系列によりスペクトル拡散して方向特定無線装置へ送信する。
好ましくは、アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなる。第1のアレーアンテナは、方向特定無線装置に装着される。第2のアレーアンテナは、n個の無線装置の各々に装着される。n個の無線装置の各々は、第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号を相互に識別するように同時に復調し、その復調した複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に第2のアレーアンテナの指向性を設定して固有PN系列によりスペクトル拡散した信号を送信する。
また、この発明によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムは、無線通信空間において相互に無線通信を行なう複数の無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、複数の無線装置のうちの1つである方向特定無線装置が指向性を電気的に切換え可能なアレーアンテナを介してPN系列によりスペクトル拡散された所定の信号を全方向に送信する第1のステップと、複数の無線装置に含まれ、方向特定無線装置以外の無線装置であるn(nは自然数)個の無線装置の各々が方向特定無線装置から所定の信号を受信し、その受信した所定の信号を方向特定無線装置へ送信する第2のステップと、方向特定無線装置がアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号のうち所望の電力が得られる信号の到来方向を無線装置の位置として特定する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
好ましくは、第2のステップは、n個の無線装置の各々が方向特定無線装置から受信した所定の信号を方向特定無線装置におけるPN系列と同一のPN系列により復調する第1のサブステップと、復調された復調信号を同一のPN系列によりスペクトル拡散して方向特定無線装置へ送信する第2のサブステップとを含む。
好ましくは、アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなる。第1のアレーアンテナは、方向特定無線装置に装着される。第2のアレーアンテナは、n個の無線装置の各々に装着される。プログラムの第1のサブステップは、n個の無線装置の各々が第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に変えながら信号を受信するステップと、受信された複数の信号を同一のPN系列により復調するステップとを含む。第2のサブステップは、復調された複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に第2のアレーアンテナの指向性を設定するステップと、同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を指向性を設定された第2のアレーアンテナを介して送信するステップとを含む。
好ましくは、第1のステップは、方向特定無線装置が、n個の無線装置に対応して選択された相互に異なるn個のPN系列により信号をスペクトル拡散する第1のサブステップと、スペクトル拡散されたn個の信号をそれぞれ対応するn個の無線装置へ送信する第2のサブステップとを含む。第2のステップは、n個の無線装置の各々が、受信した所定の信号を自己に与えられた固有PN系列により復調する第3のサブステップと、復調された信号を固有PN系列によりスペクトル拡散して方向特定無線装置へ送信する第4のサブステップとを含む。第3のステップは、n個の無線装置から受信したn個の信号をそれぞれ対応するPN系列で復調する第5のサブステップと、復調されたn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向をn個の無線装置の位置として特定する第6のサブステップとを含む。
好ましくは、アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなる。第1のアレーアンテナは、方向特定無線装置に装着される。第2のアレーアンテナは、n個の無線装置の各々に装着される。第3のサブステップは、n個の無線装置の各々が、第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信するステップと、受信された複数の信号を固有PN系列により復調するステップとを含む。第4のサブステップは、復調された複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に第2のアレーアンテナの指向性を設定するステップと、固有PN系列によりスペクトル拡散した信号を指向性が設定された第2のアレーアンテナを介して送信するステップとを含む。第5のサブステップは、第1のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながらn個の信号を受信するステップと、受信されたn個の信号をぞれぞれ対応するPN系列によって復調するステップとを含む。
好ましくは、第2のステップは、n個の無線装置の各々が方向特定無線装置から受信した所定の信号を方向特定無線装置におけるPN系列と同一のPN系列により復調する第1のサブステップと、復調された復調信号を同一のPN系列によりスペクトル拡散して方向特定無線装置へ送信する第2のサブステップとを含む。第3のステップは、n個の無線装置から受信したn個の信号を相互に識別するように同時に復調する第3のサブステップと、復調されたn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向を前記n個の無線装置の位置として特定する第4のサブステップとを含む。
好ましくは、アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなる。第1のアレーアンテナは、方向特定無線装置に装着される。第2のアレーアンテナは、n個の無線装置の各々に装着される。プログラムの第1のサブステップは、n個の無線装置の各々が、第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信するステップと、受信された複数の信号を相互に識別するように同時に復調するステップとを含む。第2のサブステップは、復調された複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に第2のアレーアンテナの指向性を設定するステップと、同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を指向性が設定された第2のアレーアンテナを介して送信するステップとを含む。第3のサブステップは、第1のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながらn個の信号を受信するステップと、受信されたn個の信号を復調してn個の復調信号を識別するステップとを含む。
好ましくは、第1のステップは、方向特定無線装置が、n個の無線装置に対応して選択された相互に異なるn個のPN系列により信号をスペクトル拡散する第1のサブステップと、スペクトル拡散されたn個の信号をそれぞれ対応するn個の無線装置へ送信する第2のサブステップとを含む。第2のステップは、n個の無線装置の各々が、受信した所定の信号を自己に与えられた固有PN系列により復調する第3のサブステップと、復調された信号を固有PN系列によりスペクトル拡散して方向特定無線装置へ送信する第4のサブステップとを含む。第3のステップは、n個の無線装置から受信したn個の信号をそれぞれ対応するPN系列により相互に識別するように同時に復調する第5のサブステップと、復調されたn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向をn個の無線装置の位置として特定する第6のサブステップとを含む。
好ましくは、アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなる。第1のアレーアンテナは、方向特定無線装置に装着される。第2のアレーアンテナは、n個の無線装置の各々に装着される。プログラムの第3のサブステップは、n個の無線装置の各々が、第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信するステップと、受信された複数の信号を相互に識別するように復調するステップとを含む。第4のサブステップは、復調された複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に第2のアレーアンテナの指向性を設定するステップと、同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を指向性が設定された第2のアレーアンテナを介して送信するステップとを含む。第5のサブステップは、第1のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながらn個の信号を受信するステップと、受信されたn個の信号をそれぞれ対応するPN系列により復調してn個の復調信号を識別するステップとを含む。
更に、この発明によれば、無線通信システムは、無線通信空間において相互に無線通信を行なう複数の無線装置を備える無線通信システムであって、送信元無線装置と、n(nは自然数)個の無線装置とを備える。送信元無線装置は、第1のPN系列によりスペクトル拡散した所定の信号をアンテナを介して全方向に送信し、アンテナを介して受信した信号に基づいて送信の相手先である送信先無線装置を特定し、第1のPN系列と異なる第2のPN系列によりデータをスペクトル拡散して送信先無線装置へ送信する。
n個の無線装置の各々は、アンテナを介して所定の信号を受信し、その受信した所定の信号を第1または第2のPN系列で復調およびスペクトル拡散して送信元無線装置へ送信する。
好ましくは、送信元無線装置は、第1のPN系列である所定のPN系列によりスペクトル拡散した信号をn個の無線装置へ送信する。n個の無線装置の各々は、送信元無線装置において使用される所定のPN系列により受信した所定の信号を復調し、その復調した信号を所定のPN系列によりスペクトル拡散して送信元無線装置へ送信する。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置の各々は、送受信の対象となる信号に第1のPN系列を乗算してスペクトル拡散及び復調を行なう。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置の各々は、複数の信号を相互に識別するように同時に復調する復調処理によって、受信した信号を復調する。
好ましくは、第1のPN系列は、n個の無線装置に対応して設けられ、相互に異なるn個の固有PN系列からなる。送信元無線装置は、n個の固有PN系列によりスペクトル拡散したn個の信号をそれぞれn個の無線装置へ送信する。n個の無線装置の各々は、受信した信号を自己に対応する固有PN系列により復調し、その復調した信号を固有PN系列によりスペクトル拡散して送信元無線装置へ送信する。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置の各々は、送受信の対象となる信号に各固有PN系列を乗算してスペクトル拡散及び復調を行なう。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置の各々は、複数の信号を相互に識別するように同時に復調する復調処理によって、受信した信号を復調する。
更に、この発明によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムは、無線通信空間に配置された複数の無線装置間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、複数の無線装置の1つである送信元無線装置が第1のPN系列によりスペクトル拡散した所定の信号をアンテナを介して全方向に送信し、送信元無線装置以外のn(nは自然数)個の無線装置の中から送信先無線装置を特定する第1のステップと、送信元無線装置が第1のPN系列と異なる第2のPN系列によりデータをスペクトル拡散して送信先無線装置との間で前記アンテナを介して無線通信を行なう第2のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
好ましくは、第1のステップは、送信元無線装置がセットアップパケットを第1のPN系列によりスペクトル拡散して全方向に送信する第1のサブステップと、n個の無線装置の各々がスペクトル拡散されたセットアップパケットを受信して第1のPN系列により復調し、返答パケットを第1のPN系列によりスペクトル拡散して送信元無線装置へ送信する第2のサブステップと、送信元無線装置がn個の無線装置からスペクトル拡散されたn個の返答パケットを受信して第1のPN系列により復調し、その復調したn個の返答パケットに対応するn個の受信電力のうち所望の受信電力が得られた返答パケットを送信した無線装置を送信先無線装置として特定する第3のサブステップとを含む。第2のステップは、送信先無線装置を特定する第1の情報と第2のPN系列の使用を指示する第2の情報とを含む送信要求パケットを第1のPN系列によりスペクトル拡散して送信する第4のサブステップと、送信先無線装置がスペクトル拡散された送信要求パケットを第1のPN系列により復調して第1及び第2の情報を取得する第5のサブステップと、送信先無線装置が第1及び第2の情報に応じて、送信許可パケットを第2のPN系列によりスペクトル拡散して送信元無線装置へ送信する第6のサブステップと、送信先無線装置がスペクトル拡散された送信許可パケットを第2のPN系列により復調し、その復調した送信許可パケットに応じて第2のPN系列によりデータをスペクトル拡散して送信先無線装置との間で無線通信を行なう第7のサブステップとを含む。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置は、第1のPN系列として同じPN系列を用いて各種のパケットをスペクトル拡散し、または復調する。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置の各々は、送受信の対象となる信号に第1のPN系列を乗算してスペクトル拡散及び復調を行なう。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置の各々は、複数の信号を相互に識別するように同時に復調する復調処理によって、受信した信号を復調する。
好ましくは、第1のPN系列は、n個の無線装置に対応して設けられ、相互に異なるn個の固有PN系列からなる。送信元無線装置は、n個の固有PN系列によりスペクトル拡散したn個の信号をそれぞれn個の無線装置へ送信する。n個の無線装置の各々は、受信した信号を自己に対応する固有PN系列により復調し、その復調した信号を固有PN系列によりスペクトル拡散して送信元無線装置へ送信する。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置の各々は、送受信の対象となる信号に各固有PN系列を乗算してスペクトル拡散及び復調を行なう。
好ましくは、送信元無線装置及びn個の無線装置の各々は、複数の信号を相互に識別するように同時に復調する復調処理によって、受信した信号を復調する。
この発明による無線通信システムにおいては、PN系列によってスペクトル拡散されたスペクトル拡散信号が方向特定無線装置から複数の無線装置へ送信され、スペクトル拡散信号を受信した複数の無線装置から方向特定無線装置へスペクトル拡散信号が送信される。そして、方向特定無線装置は、複数の無線装置からのスペクトル拡散信号を指向性アンテナの指向性を変化させながら受信して所望の受信信号電力が得られる方向を複数の無線装置の位置として特定する。
従って、この発明によれば、複数の無線装置の位置を簡単に特定できる。その結果、通信の相手先を簡単に発見できる。
また、この発明による無線通信システムにおいては、第1のPN系列によってスペクトル拡散されたスペクトル拡散信号が送信元無線装置から複数の無線装置へ送信され、スペクトル拡散信号を受信した複数の無線装置から送信元無線装置へスペクトル拡散信号が送信される。そして、送信元無線装置は、複数の無線装置からのスペクトル拡散信号を指向性アンテナの指向性を変化させながら受信して所望の受信信号電力が得られる信号を送信した無線装置を通信相手として選択する。そして、送信元無線装置は、第2のPN系列によってスペクトル拡散されたスペクトル拡散信号により、選択した無線装置と無線通信を行なう。
従って、この発明によれば、通信の相手先をできるだけ簡単に発見して相手先と無線通信できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1による無線通信システムの概略ブロック図である。実施の形態1による無線通信システム100は、無線装置11〜15からなる。無線装置11〜15は、無線通信空間30に配置される。そして、無線装置11〜15は、それぞれ、アレーアンテナ21〜25が装着される。
アレーアンテナ21〜25の各々は、指向性を電気的に切換え可能なアンテナである。そして、アレーアンテナ21〜25の各々は、給電素子1と、無給電素子2〜7とからなる。6本の無給電素子2〜7は、給電素子1を取り囲むように相互に等間隔(1/4波長)に配置される。
無給電素子2〜7には可変容量素子であるバラクタダイオード(図示せず)が装荷されており、そのバラクタダイオードに印加する直流電圧を制御することにより、アレーアンテナ21〜25は、適応ビーム形成が可能である。
即ち、アレーアンテナ21〜25は、それぞれ、無線装置11〜15に含まれるバラクタダイオードに印加する直流電圧を変えることによって指向性が変えられる。従って、アレーアンテナ21〜25は、電気的に指向性を切換え可能なアンテナである。
無線装置11〜15は、通信の対象となる信号をPN系列によりスペクトル拡散し、そのスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を、それぞれ、指向性を電気的に切換え可能なアレーアンテナ21〜25を介して周囲の無線装置との間で送受信する。
以下においては、無線装置11〜15のうちの1つの無線装置が周囲の無線装置の位置を特定するとともに、周囲の無線装置から送信先の無線装置を選択してその送信先の無線装置との間で無線通信を行なうことについて説明する。従って、無線装置11〜15のうち、無線装置13を送信元の無線装置であることを意味する「S局」と呼び、無線装置11,12,14,15を「周囲の無線装置」と呼ぶ。
A.各無線装置が通常のスペクトル拡散受信機を備える場合
(A−a)S局と周囲の無線装置との間で同一のPN系列が用いられる場合
図2は、図1に示す無線装置11〜15の概略ブロック図である。S局と周囲の無線装置との間で同一のPN系列が用いられる場合、無線装置11〜15の各々は、バラクタダイオード31〜36と、指向性制御部37と、スペクトル拡散受信機38と、出力信号電力計算部39と、電力値記録部40と、制御部41と、スペクトル拡散送信機42とを含む。
バラクタダイオード31〜36は、それぞれ、アレーアンテナ21〜25の無給電素子2〜7に接続される。指向性制御部37は、バラクタダイオード31〜36に所定の電圧を印加してバラクタダイオード31〜36の容量を変化させ、アレーアンテナ21〜25の指向性を複数種類に切換える機能を持ち、この指向性制御部37は、制御部41から信号DTEを受けると、アレーアンテナ21〜25の指向性を所定の指向性に設定するための所定の電圧をバラクタダイオード31〜36に印加する。
スペクトル拡散受信機38は、アレーアンテナ21〜25の給電素子1から受信電波を受け、その受信した受信電波をデジタル信号に変換するとともに、その変換した信号にPN系列を乗算してスペクトル逆拡散し、スペクトル拡散信号を復調する。そして、スペクトル拡散受信機38は、復調した復調信号を出力信号電力計算部39へ出力する。
出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機38から受けた復調信号の電力を計算し、その計算結果を電力値記録部40へ出力する。電力値記録部40は、出力信号電力計算部39から受けた電力値を各到来方向に対応付けて記録し、表1に示す到来角度対受信信号表を作成する。
Figure 0003986491
図3は、図1に示すアレーアンテナ21の平面図である。給電素子1を中心にして無給電素子2〜7を時計回りに配置し、無給電素子2から時計回りにとった角度ψにより到来角度を定義する。
従って、電力値記録部40は、図3に示すように定義された到来角度と受信信号電力との対応関係を示す到来角度対受信信号表を作成し、その作成した到来角度対受信信号表を制御部41へ出力する。
制御部41は、出力値記録部40からの到来角度対受信信号表に基づいて、受信信号電力が最大である到来角度を検出し、その検出した到来角度を示す信号DTEを生成して指向性制御部37へ出力するとともに、各種の制御信号を生成してスペクトル拡散送信機42へ出力する。
スペクトル拡散送信機42は、制御部41からの制御信号に応じて、各種のパケットを発生し、その発生したパケットからなる信号をデジタル信号に変換する。そして、スペクトル拡散送信機42は、デジタル変換されたデジタル信号にスペクトル拡散受信機38において用いられたPN系列と同じPN系列を乗算してデジタル信号をスペクトル拡散してアレーアンテナ21〜25の給電素子1に供給する。
表2は、バラクタダイオード31〜36に直流電圧を印加したときのリアクタンス値の組合せx1〜x6と、生成されるビームの角度(0度及び−30度)との関係を示す。
Figure 0003986491
図4は、表2に示すリアクタンス値の2つの組合せに対応するアレーアンテナ21〜25の指向性を示す図である。図4の(a)及び(b)において、横軸は、信号の到来角度であり、縦軸は、信号の相対レベルである。
また、図4の(a)は、ビームの到来角度が0度の場合を示し、図4の(b)は、ビームの到来角度が−30度の場合を示す。リアクタンス値の組合せx1〜x6が表2の上段に示す組合せからなるとき、ビームは、0度の到来角度において相対レベルが最大になっている(図4の(a)参照)。また、リアクタンス値の組合せx1〜x6が表2の下段に示す組合せからなるとき、ビームは、−30度の到来角度において相対レベルが最大になっている(図4の(b)参照)。従って、アレーアンテナ21〜25は、無給電素子2〜7に装荷されるリアクタンス値の組合せが変化することにより、その指向性が変化する。
図5は、図2に示すスペクトル拡散受信機38の構成図である。スペクトル拡散受信機38は、A/D変換器370と、遅延素子380〜38N(Nは、自然数)と、乗算器390〜39Nと、加算器400とを含む。A/D変換器370は、アレーアンテナ21〜25の給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換して遅延素子38Nへ出力する。
遅延素子381〜38Nは、入力信号を遅延し、その遅延した遅延信号をそれぞれ遅延素子380〜38N−1及び乗算器391〜39Nへ出力する。また、遅延素子380は、入力信号を遅延して乗算器390へ出力する。
乗算器390〜39Nは、それぞれ、遅延素子380〜38Nから受けた遅延信号とNビットのPN系列=[c,c,・・・,cN−1,c]の各要素とを乗算し、その乗算結果を加算器400へ出力する。
加算器400は、乗算器390〜39NからのN+1個の乗算結果を加算して復調信号を出力する。
遅延素子380〜38Nは、タップ付遅延線(TDL:Tapped Delay Line)を構成する。そして、スペクトル拡散受信機38は、A/D変換器370によってデジタル信号に変換されたスペクトル拡散信号をタップ付遅延線に入力し、タップ付遅延線の出力信号にPN系列を乗算してスペクトル拡散信号を復調して復調信号を出力する。
図6は、図1に示す無線通信システム100において無線装置13(S局)が4個の周囲の無線装置11,12,14,15の位置を特定する動作を説明するためのフローチャートである。また、図7は、図1に示すアレーアンテナ21〜25において形成されるビームの平面図である。
無線装置11,12,14,15の位置を特定する動作が開始されると、無線装置11,12,14,15は、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の無給電素子2〜7のリアクトル値の組み合わせを変化させ、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性を時計回りに回転させる。即ち、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性は、それぞれ、指向性21A→21F,22A→22F,24A→24F,25A→25Fのように時計回りに回転される(図7参照)。これにより、無線装置11,12,14,15は、指向性アンテナを用いて360度空間走査を行ないながら電波を待ち受ける(ステップS1)。
一方、無線装置13(S局)のスペクトル拡散送信機42は、送信データをデジタル信号に変換して送信信号を生成し、PN系列CNで送信信号をスペクトル拡散して所定の信号をアレーアンテナ23の給電素子1へ供給する。なお、PN系列CNは、無線装置13と無線装置11,12,14,15との間の無線通信の対象信号であるスペクトル拡散信号を生成するために用いられるので、「同一PN系列」と言う。制御部41は、アレーアンテナ23を用いて無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわず、制御部41は、アレーアンテナ23を無指向性アンテナとして機能させるように指向性制御部37を制御する。指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってアレーアンテナ23を無指向性アンテナとして機能させるための直流電圧を無給電素子2〜7に印加し、アレーアンテナ23は、無指向性23NDのビームを出射する(図7参照)。これにより、無線装置13は、PN系列CNでスペクトル拡散した所定の信号をキャリアセンスを行なわずに全方向に送信する(ステップS2)。
無線装置11,12,14,15の各々において、各制御部41は、上述したようにアレーアンテナ21,22,24,25の指向性をそれぞれ指向性21A→21F,22A→22F,24A→24F,25A→25Fのように時計回りに回転させるように指向性制御部37を制御する。そして、指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってアレーアンテナ21,22,24,25の指向性を指向性21A→21F,22A→22F,24A→24F,25A→25Fのように時計回りに回転させるように無給電素子2〜7に装荷されるリアクタンス値の組み合わせを変化させる。
アレーアンテナ21,22,24,25は、指向性を指向性21A→21F,22A→22F,24A→24F,25A→25Fのように回転させて無線装置13からの所定の信号を受信する。そして、アレーアンテナ21,22,24,25の各給電素子1は、受信した信号を各スペクトル拡散受信機38へ供給する。
スペクトル拡散受信機38は、給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、無線装置13においてスペクトル拡散信号を生成するために用いられたPN系列CNと同じPN系列CNをデジタル信号に乗算してスペクトル拡散信号を復調する(ステップS3)。この場合、無線装置11のスペクトル拡散受信機38は、各指向性21A〜21Fでアレーアンテナ21が受信したスペクトル拡散信号を復調し、その復調した複数の復調信号を出力信号電力計算部39へ出力する。同様に、他の無線装置12〜15のスペクトル拡散受信機38も、それぞれ、各指向性22A〜22F;24A〜24F;25A〜25Fでアレーアンテナ22〜25が受信したスペクトル拡散信号を復調し、その復調した複数の復調信号を各出力信号電力計算部39へ出力する。
各出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機38からの複数の復調信号の電力を計算し、その計算した複数の電力を電力値記録部40へ出力する。電力値記録部40は、出力信号電力計算部39からの複数の電力を用いて、上述した到来角度対受信信号表を作成して制御部41へ出力する。
また、各制御部41は、電力値記録部40からの到来角度対受信信号表に基づいて、受信信号電力が最大となる到来角度、即ち、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性を検出する。この場合、無線装置11,12,14,15においては、それぞれ、指向性21C,22E,24B,25Fが検出される。
そして、無線装置11,12,14,15の制御部41は、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性を指向性21C,22E,24B,25Fに設定するように指向性制御部37を制御し、各指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってそれぞれアレーアンテナ21,22,24,25の指向性が指向性21C,22E,24B,25Fになるように無給電素子2〜7に装荷されるリアクタンス値を調整する。これにより、無線装置11,12,14,15において、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性が無線装置13(S局)の方向に設定される(ステップS4)。
その後、無線装置11,12,14,15において、各制御部41は、無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわず、スペクトル拡散送信機42は、スペクトル拡散受信機38から復調信号を受け、その受けた復調信号をPN系列CNでスペクトル拡散し、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の給電素子1へ供給する。これにより、無線装置11,12,14,15は、無線装置13(S局)へ所定のスペクトル拡散信号をキャリアセンスを行なわずに送信する(ステップS5)。
無線装置13の制御部41は、アレーアンテナ23の指向性を指向性23A→23Fのように時計回りに回転させるように指向性制御部37を制御し、指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってアレーアンテナ23の指向性を指向性23A→23Fのように時計回りに回転させるべく無給電素子2〜7に装荷されるリアクタンス値の組み合わせを変化させる。
これにより、無線装置13(S局)は、指向性アンテナを用いて360度空間走査を行ないながら所定のスペクトル拡散信号を受信し、アレーアンテナ23の給電素子1は、受信した信号をスペクトル拡散受信機38へ供給する。
無線装置13のスペクトル拡散受信機38は、給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、PN系列CNをデジタル信号に乗算してスペクトル拡散信号を復調する(ステップS6)。この場合、スペクトル拡散受信機38は、各指向性23A〜23Fで受信された複数のスペクトル拡散信号を復調し、その復調した複数の復調信号を出力信号電力計算部39へ出力する。出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機38からの複数の復調信号の電力を計算し、その計算した複数の電力を電力値記録部40へ出力する。電力値記録部40は、出力信号電力計算部39からの複数の電力を用いて、上述した到来角度対受信信号表を作成して制御部41へ出力する(ステップS7)。
無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15からのスペクトル拡散信号を同時に受信すれば、到来角度対受信信号表は一度に作成され、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15からのスペクトル拡散信号を異なるタイミングで受信すれば、到来角度対受信信号表は、タイムラグを持って作成される。いずれにしても、電力値記録部40は、到来角度対受信信号表を作成して制御部41へ出力する。
到来角度対受信信号表を受け取った制御部41は、その到来角度対受信信号表に基づいて、受信信号電力が最大となる到来角度、即ち、アレーアンテナ23の指向性を検出する。この場合、無線装置11,12,14,15に対して、それぞれ、指向性23F,23A,23E,23Cが検出される。そして、制御部41は、受信信号電力が最大となる指向性23F,23A,23E,23Cの方向を信号到来方向と特定する(ステップS8)。これにより、一連の動作は終了する。
このように、無線装置11〜15が通常のスペクトル拡散受信機38を搭載し、同じPN系列CNを用いてスペクトル拡散された信号が無線装置13(S局)と無線装置11,12,14,15との間で無線通信される場合、無線装置13(S局)は、図6に示すフローチャートに従って無線装置11,12,14,15の位置を特定できる。この場合、無線装置13は、「方向特定無線装置」を構成し、無線通信システム100は、無線装置11,12,14,15の位置を特定する無線通信システムを構成する。
なお、無線装置13(S局)における無線装置11,12,14,15の位置を特定する動作は、実際にはCPU(Central Processing Unit)によって実行され、CPUは、図6に示す各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読み出し、その読み出したプログラムを実行して図6に示すフローチャートに従って無線装置11,12,14,15の位置を特定する。
従って、図6に示す各ステップを備えるプログラムは、無線装置11,12,14,15の位置特定をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムである。
図8は、図1に示す無線通信システム100における無線通信の動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、図6に示すフローチャートのステップS1における動作と同じ動作によって、無線装置11,12,14,15は、指向性アンテナを用いて360度空間走査を行ないながら電波を待ち受ける(ステップS11)。
そして、無線装置13(S局)のスペクトル拡散送信機42は、セットアップパケットSETUPからなる信号をデジタル信号に変換して送信信号を生成し、PN系列CN1で送信信号をスペクトル拡散して所定の信号をアレーアンテナ23の給電素子1へ供給する。
無線装置13(S局)の制御部41は、アレーアンテナ23を用いて無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわず、アレーアンテナ23を無指向性アンテナとして機能させるように指向性制御部37を制御する。即ち、指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってアレーアンテナ23を無指向性アンテナとして機能させるための直流電圧を無給電素子2〜7に印加し、アレーアンテナ23は、無指向性23NDのビームを出射する(図7参照)。これにより、無線装置13(S局)は、PN系列CN1でスペクトル拡散したセットアップパケットSETUPをキャリアセンスを行なわずに全方向に送信する(ステップS12)。
無線装置11,12,14,15の各々は、図6に示すフローチャートのステップS3における動作と同じ動作によってアレーアンテナ21,22,24,25の指向性をそれぞれ指向性21A→21F,22A→22F,24A→24F,25A→25Fのように時計回りに回転させながら、無線装置13からのセットアップパケットSETUPを受信し、その受信したセットアップパケットSETUPを無線装置13(S局)において用いられるPN系列CN1と同じPN系列で復調する(ステップS13)。
そして、無線装置11,12,14,15の各々は、図6に示すフローチャートのステップS4,S5における動作と同じ動作に従って、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性を無線装置13(S局)の方向へ設定し、PN系列CN1でスペクトル拡散された応答パケットREPLYをキャリアセンスを行なわずに無線装置13(S局)へ送信する(ステップS14)。
無線装置13(S局)は、図6に示すフローチャートのステップS6の動作と同じ動作に従って、アレーアンテナ23の指向性を指向性23A→23Fのように時計回りに回転させながら、無線装置11,12,14,15から応答パケットREPLYを受信し、PN系列CN1で復調する(ステップS15)。
そして、無線装置13(S局)は、図6に示すフローチャートのステップS7の動作と同じ動作に従って、各指向性23A〜23Fに対する受信信号電力を示す到来角度対受信信号表を作成し、その作成した到来角度対受信信号表に基づいて、受信信号電力が最大である方向を検出する。即ち、無線装置13は、所望の電力の信号を送信して来る無線装置を検出し、その検出した無線装置を通信の相手先であるD局として特定する(ステップS16)。
その後、無線装置13(S局)の制御部41は、D局が特定されたか否かを判定し(ステップS17)、D局が特定されなかったとき、上述したステップS11〜S17が繰返し実行される。なお、ステップS16において、無線装置12がD局として特定されたものとする。
ステップS17において、D局が特定されたと判定されると、無線装置13(S局)の制御部41は、D局を特定する情報及びPN系列を変えることをD局に指示する内容を含む送信要求パケットRTSを生成してスペクトル拡散送信機42へ出力する。スペクトル拡散送信機42は、制御部41から送信要求パケットRTSを受け、その受けた送信要求パケットRTSをPN系列CN1でスペクトル拡散してアレーアンテナ21の給電素子1に供給する。また、制御部41は、無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわず、アレーアンテナ21を無指向性アンテナとして機能させるように指向性制御37を制御し、指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってアレーアンテナ21を無指向性アンテナとして機能させる。
これにより、無線装置13(S局)は、キャリアセンスを行なわずに送信要求パケットRTSを全方向に送信する(ステップS18)。
無線装置12(D局)は、アレーアンテナ22の指向性を無線装置13(S局)の方向に向けて送信要求パケットRTSを受信し、その受信した送信要求パケットRTSをPN系列CN1で復調する(ステップS19)。そして、無線装置12(D局)は、送信要求パケットRTSに含まれる「D局を特定する情報」に基づいて自己がD局として選択されたことを認識し、送信要求パケットRTSに含まれる「PN系列を変えることをD局に指示する内容」に基づいてスペクトル拡散に用いるPN系列をPN系列CN1からPN系列CN2に変える。
また、D局以外の無線装置11,14,15は、それぞれ、アレーアンテナ21,24,25の指向性を無線装置13(S局)の方向に向けて送信要求パケットRTSを受信し、その受信した送信要求パケットRTSをPN系列CN1で復調する。そして、無線装置11,14,15は、送信要求パケットRTSに含まれる「D局を特定する情報」に基づいて、自己がD局として選択されなかったことを認識し、無線通信を停止する(ステップS20)。
一方、無線装置12(D局)のスペクトル拡散送信機42は、指定されたPN系列CN2で送信許可パケットCTSをスペクトル拡散して無線装置13(S局)へ送信する(ステップS21)。
無線装置13(S局)は、送信許可パケットCTSを無線装置12(D局)から受信し、その受信した送信許可パケットCTSを変更したPN系列CN2で復調する(ステップS22)。そして、無線装置13(S局)は、データDATAを変更したPN系列CN2でスペクトル拡散して無線装置12(D局)へ送信する(ステップS23)。
無線装置12(D局)は、データDATAを無線装置13(S局)から受信し、その受信したデータDATAをPN系列CN2で復調する(ステップS24)。そして、無線装置12(D局)は、確認応答パケットACKをPN系列CN2でスペクトル拡散して無線装置13(S局)へ送信する(ステップS25)。無線装置13(S局)は、無線装置12(D局)から確認応答パケットACKを受信し、その受信した確認応答パケットACKをPN系列CN2で復調する(ステップS26)。
これにより、無線装置13(S局)と無線装置12(D局)との間の無線通信が終了する。
図8に示すフローチャートにおいて、ステップS11〜S17までの動作は、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15の中からD局を選択する動作であり、ステップS18〜S20までの動作は、無線装置13(S局)が選択したD局を無線装置11,12,14,15に知らせる動作であり、ステップS21〜S26は、無線装置13(S局)が選択したD局と無線通信を行なう動作である。
そして、無線装置11,12,14,15の中からD局を選択する動作においては、無線装置11〜15においてスペクトル拡散用のPN系列として同一のPN系列CN1が用いられ、無線装置13(S局)とD局との無線通信においては、同一のPN系列CN1と異なるPN系列CN2が用いられる。
このように、無線通信システム100においては、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15の中から送信の相手先であるD局を選択するまでは、無線装置11〜15において同一のPN系列CN1を用いて信号をスペクトル拡散し、無線装置13(S局)と無線装置12(D局)との無線通信においては、同一のPN系列CN1と異なるPN系列CN2を用いて信号をスペクトル拡散することを特徴とする。
この特徴により、無線装置13(S局)は、無線装置11,12,14,15の中からD局を簡単に選択できる。
また、無線装置13(S局)は、その選択したD局との間で正確に無線通信を行なうことができる。D局として選択されなかった無線装置11,14,15は、通信を停止するからである(ステップS20参照)。
なお、無線通信システム100における無線通信の制御は、実際にはCPUによって実行され、CPUは、図8に示す各ステップを備えるプログラムをROMから読み出し、その読み出したプログラムを実行して図8に示すフローチャートに従って無線通信を制御する。
従って、図8に示す各ステップを備えるプログラムは、無線通信システム100における無線通信の制御をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムである。
(A−b)S局と周囲の無線装置との間で異なるPN系列が用いられる場合
図9は、図1に示す無線装置11〜15の他の概略ブロック図である。S局と周囲の無線装置との間で異なるPN系列が用いられる場合、無線装置11〜15の各々は、図2に示す無線装置11〜15の構成においてスペクトル拡散受信機38をスペクトル拡散受信機431〜43M(Mは自然数)に代え、スペクトル拡散送信機42をスペクトル拡散送信機441〜44Mに代えたものであり、その他は、図2に示す構成と同じである。
なお、スペクトル拡散受信機431〜43M及びスペクトル拡散送信機441〜44Mの個数は、通信相手である無線装置の個数に応じて決定される。
スペクトル拡散受信機431〜43Mの各々は、図5に示すスペクトル拡散受信機38と同じ構成からなる。そして、スペクトル拡散受信機431〜43Mは、それぞれ、相互に異なるPN系列CN1〜CNMによってスペクトル拡散信号を復調し、その復調した復調信号を出力信号電力計算部39へ出力する。
また、スペクトル送信機441〜44Mは、送信データをデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号をPN系列CN1〜CNMによってスペクトル拡散してアレーアンテナ21〜25の給電素子1へ供給する。
なお、制御部41は、スペクトル拡散送信機441〜44Mを制御する。また、出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機431〜43Mから複数の復調信号を受け、その受けた複数の復調信号の電力を計算し、複数の復調信号に対応する複数の電力を電力値記録部40へ出力する。そして、電力値記録部40は、出力信号電力計算部39からの複数の電力を各到来角度に対応させ、表3に示す到来角度対受信信号表を作成する。
Figure 0003986491
即ち、電力値記録部40は、相互に異なるM個のPN系列CN1〜CNMの各PN系列毎に到来角度と受信電力とを対応させた到来角度対受信信号表を作成する。
制御部41は、表3に示す到来角度対受信信号表に基づいて、各PN系列毎に受信信号電力が最大である到来角度を検出する。
図10は、図1に示す無線通信システム100において無線装置13(S局)が他の4個の無線装置11,12,14,15の位置を特定する動作を説明するための他のフローチャートである。図10に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートのステップS2,S3,S5〜S8をそれぞれステップS2A,S3A,S5A〜S8Aに代えたものであり、その他は、図6に示すフローチャートと同じである。
なお、無線装置13(S局)は、それぞれ、無線装置11,12,14,15と無線通信する際、それぞれ、PN系列CN1,CN2,CN3,CN4を用いて信号をスペクトル拡散し、またはスペクトル拡散信号を復調する。そして、無線装置11〜15の各々は、通信相手である無線装置11,12,14,15の個数に応じて、スペクトル拡散受信機431〜434及びスペクトル拡散送信機441〜444を備える。
一連の動作が開始され、上述したステップS1が実行された後、無線装置13(S局)のスペクトル拡散送信機441〜444は、送信データをデジタル信号に変換して送信信号を生成し、それぞれPN系列CN1〜CN4で送信信号をスペクトル拡散して所定の信号をアレーアンテナ23の給電素子1へ供給する。
制御部41は、アレーアンテナ23を用いて無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわず、アレーアンテナ23を無指向性アンテナとして機能させるように指向性制御部37を制御する。
指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってアレーアンテナ23を無指向性アンテナとして機能させるための直流電圧を無給電素子2〜7に印加し、アレーアンテナ23は、無指向性23NDのビームを出射する(図7参照)。これにより、無線装置13(S局)は、送信相手毎に異なるPN系列でスペクトル拡散した所定の信号をキャリアセンスを行なわずに全方向に送信する(ステップS2A)。
無線装置11,12,14,15の各々において、制御部41は、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性をそれぞれ指向性21A→21F,22A→22F,24A→24F,25A→25Fのように時計回りに回転させるように指向性制御部37を制御する。そして、指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってアレーアンテナ21,22,24,25の指向性を指向性21A→21F,22A→22F,24A→24F,25A→25Fのように時計回りに回転させるように無給電素子2〜7に装荷されるリアクタンス値の組み合わせを変化させる。
アレーアンテナ21,22,24,25は、指向性を指向性21A→21F,22A→22F,24A→24F,25A→25Fのように回転させて無線装置13(S局)からの所定の信号を受信する。そして、アレーアンテナ21,22,24,25の給電素子1は、受信した信号をスペクトル拡散受信機431〜434へ供給する。
スペクトル拡散受信機431〜434は、給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、それぞれPN系列CN1〜CN4をデジタル信号に乗算してスペクトル拡散信号を復調する(ステップS3A)。この場合、スペクトル拡散受信機431〜434は、給電素子1から各PN系列CN1〜CN4でスペクトル拡散された信号を受けるが、それぞれ、異なるPN系列でスペクトル拡散信号を復調するので、正確に復調できるのは、自己が復調に用いるPN系列と同じPN系列でスペクトル拡散された信号だけである。
そして、スペクトル拡散受信機431〜434は、復調した復調信号を出力信号電力計算部39へ出力する。
出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機431〜434からの複数の復調信号の電力を計算し、その計算した複数の電力を電力値記録部40へ出力する。電力値記録部40は、出力信号電力計算部39からの複数の電力を用いて、表3に示す到来角度対受信信号表を作成して制御部41へ出力する。
制御部41は、電力値記録部40からの到来角度対受信信号表に基づいて、受信信号電力が最大となる到来角度を各PN系列毎に検出する。この場合、無線装置11,12,14,15においては、それぞれ、PN系列CN1〜CN4において受信信号電力が最大となる到来角度が検出され、その検出された到来角度に対応する指向性は、それぞれ、図7に示す指向性21C,22E,24B,25Fである。
そして、無線装置11,12,14,15の制御部41は、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性を指向性21C,22E,24B,25Fに設定するように指向性制御部37を制御し、指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってそれぞれアレーアンテナ21,22,24,25の指向性が指向性21C,22E,24B,25Fになるように無給電素子2〜7に装荷されるリアクタンス値の組み合わせを調整する。これにより、無線装置11,12,14,15において、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の指向性が無線装置13(S局)の方向に設定される(ステップS4)。
無線装置11,12,14,15において、制御部41は、無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわず、スペクトル拡散送信機441〜444は、それぞれPN系列CN1〜CN4で復調信号をスペクトル拡散し、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の給電素子1へ供給する。これにより、無線装置11,12,14,15は、無線装置13(S局)へ所定のスペクトル拡散信号をキャリアセンスを行なわずに送信する(ステップS5A)。
無線装置13(S局)の制御部41は、アレーアンテナ23の指向性を指向性23A→23Fのように時計回りに回転させるように指向性制御部37を制御し、指向性制御部37は、制御部41からの制御に従ってアレーアンテナ23の指向性を指向性23A→23Fのように時計回りに回転させるように無給電素子2〜7に装荷されるリアクタンス値の組み合わせを変化させる。
これにより、無線装置13(S局)は、指向性アンテナを用いて360度空間走査を行ないながら所定のスペクトル拡散信号を受信し、アレーアンテナ23の給電素子1は、受信した信号をスペクトル拡散受信機431〜434へ供給する。
無線装置13(S局)のスペクトル拡散受信機431〜434は、給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、それぞれPN系列CN1〜CN4をデジタル信号に乗算してスペクトル拡散信号を復調する(ステップS6A)。
出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機431〜434からの複数の復調信号の電力を計算し、その計算した複数の電力を電力値記録部40へ出力する。電力値記録部40は、出力信号電力計算部39からの複数の電力を用いて、表3に示す到来角度対受信信号表を作成して制御部41へ出力する(ステップS7A)。
無線装置13(S局)の制御部41は、電力値記録部40からの到来角度対受信信号表に基づいて、受信信号電力が最大となる到来角度を各PN系列毎に検出する。この場合、PN系列CN1〜CN4において、受信信号電力が最大となる到来角度に対応する指向性として、それぞれ、指向性23F,23A,23E,23Cが検出される。そして、制御部41は、受信信号電力が最大となる指向性23F,23A,23E,23Cの方向を信号到来方向と特定する(ステップS8A)。これにより、一連の動作は終了する。
このように、無線装置11〜15が通常のスペクトル拡散受信機38を搭載し、異なるPN系列CN1〜CN4を用いてスペクトル拡散された信号が無線装置13と無線装置11,12,14,15との間で無線通信される場合、無線装置13は、図10に示すフローチャートに従って無線装置11,12,14,15の位置を特定できる。特に、無線装置13(S局)は、それぞれ異なるPN系列によってスペクトル拡散した信号を用いて無線装置11,12,14,15との間で無線通信を行なうので、ステップS6Aにおいて無線装置11,12,14,15から同時に複数の信号を受信しても、その複数の信号を識別可能である。この場合、無線装置13(S局)は、「方向特定無線装置」を構成し、無線通信システム100は、無線装置11,12,14,15の位置を特定する無線通信システムを構成する。
なお、無線装置13(S局)における無線装置11,12,14,15の位置を特定する動作は、実際にはCPUによって実行され、CPUは、図10に示す各ステップを備えるプログラムをROMから読み出し、その読み出したプログラムを実行して図10に示すフローチャートに従って無線装置11,12,14,15の位置を特定する。
従って、図10に示す各ステップを備えるプログラムは、無線装置11,12,14,15の位置特定をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムである。
図11は、図1に示す無線通信システム100における無線通信の動作を説明するための他のフローチャートである。図11に示すフローチャートの説明においても、PN系列CN1,CN2,CN3,CN4が用いられ、無線装置11〜15の各々は、スペクトル拡散受信機431〜434及びスペクトル拡散送信機441〜444を備える。
図11に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートのステップS15,S16をそれぞれステップS15A,S16Aに代えたものであり、その他は、図8に示すフローチャートと同じである。なお、図11に示すフローチャートのステップS12〜S14,S18,S19においては、それぞれ、異なるPN系列CN1〜CN4を用いてスペクトル拡散または復調が行なわれる。また、ステップS21〜S26においては、D局として選択された無線装置が使用するPN系列を用いてスペクトル拡散または復調が行なわれる。
一連の動作が開始され、上述したステップS11〜S14が実行されると、無線装置13は、図6に示すフローチャートのステップS6の動作と同じ動作に従って、アレーアンテナ23の指向性を指向性23A→23Fのように時計回りに回転させながら、無線装置11,12,14,15から応答パケットREPLYを受信する。スペクトル拡散受信機431〜434は、それぞれ異なるPN系列CN1〜CN4で応答パケットREPLYを復調し、復調信号を出力信号電力計算部39へ出力する。出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機431〜434からの複数の復調信号の電力を計算し、複数の電力を電力値記録部40へ出力する。電力値記録部40は、出力信号電力計算部39からの複数の電力に基づいて、表3に示す到来角度対受信信号表を作成し、制御部41は、電力値記録部40からの到来角度対受信信号表に基づいて、受信信号電力が大きくなっている到来角度を検出して無線装置11,12,14,15を特定する(ステップS15A)。
そして、無線装置13(S局)の制御部41は、応答パケットREPLYに含まれる無線装置11,12,14,15の特定情報に基づいて、次にデータを送信したい相手先の無線装置を特定し、その無線装置をD局として特定する(ステップS16A)。
その後、上述したステップS17〜S26が実行され、一連の動作は終了する。
なお、ステップS18においては、送信要求パケットRTSは、それぞれ異なるPN系列CN1〜CN4でスペクトル拡散され、無線装置11,12,14,15へ送信されるので、無線装置12は、自己がD局として選択されたことを知ることができ、無線装置11,14,15は、自己がD局として選択されなかったことを知って通信を停止する。
また、無線通信システム100における無線通信の制御は、実際にはCPUによって実行され、CPUは、図11に示す各ステップを備えるプログラムをROMから読み出し、その読み出したプログラムを実行して図11に示すフローチャートに従って無線通信を制御する。
従って、図11に示す各ステップを備えるプログラムは、無線通信システム100における無線通信の制御をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムである。
B.各無線装置がBRAKE受信機を備える場合
(B−a)S局と周囲の無線装置との間で同一のPN系列が用いられる場合
図12は、図1に示す無線装置11〜15の更に他の概略ブロック図である。各無線装置11〜15がBRAKE受信機45を備え、S局と周囲の無線装置との間で同一のPN系列が用いられる場合、無線装置11〜15の各々は、図2に示す無線装置11〜15の構成においてスペクトル拡散受信機38をBRAKE受信機45に代えたものであり、その他は、図2に示す構成と同じである。
BRAKE受信機45は、アレーアンテナ21〜25の給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号の逆拡散及び等化を同時に行なう。即ち、BRAKE受信機45は、アレーアンテナ21〜25の給電素子1から複数の信号を同時に受けても、複数の信号を相互に識別するように複数の信号を復調する。そして、BRAKE受信機45は、復調信号を出力信号電力計算部39へ出力する。
図13は、図12に示すBRAKE受信機45の構成図である。BRAKE受信機45は、A/D変換器440と、遅延素子451〜45M−1と、サンプリング素子461〜46Mと、乗算器471〜47Mと、加算器480と、評価値計算部481と、CMA処理コントローラ482とを含む。
A/D変換器440は、入力信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号を遅延素子451、サンプリング素子461及びCMA処理コントローラ482へ出力する。遅延素子451〜45M−2は、入力信号を遅延し、その遅延した遅延信号をそれぞれ遅延素子452〜45M−1及びサンプリング素子462〜46M−1へ出力するとともに、CMA処理コントローラ482へ出力する。遅延素子45M−1は、入力信号を遅延し、その遅延した遅延信号をサンプリング素子46MおよびCMA処理コントローラ482へ出力する。
サンプリング素子461は、A/D変換器440からのデジタル信号を受け、その受けたデジタル信号をダウンサンプリングして乗算器471へ出力する。サンプリング素子462〜46Mは、それぞれ、遅延素子451〜45M−1から遅延信号を受け、その受けた遅延信号をダウンサンプリングしてそれぞれ乗算器472〜47Mへ出力する。
乗算器471〜47Mは、それぞれ、サンプリング素子461〜46Mからのサンプリング信号u1DS〜uMDSとCMA処理コントローラ482からの重み係数W〜Wとを受け、その受けた重み係数W〜Wとサンプリング信号u1DS〜uMDSとを乗算し、その乗算結果を加算器480へ出力する。
加算器480は、乗算器471〜47Mからの複数の乗算結果を加算し、その加算結果を出力信号y[n]として出力するとともに、評価値計算部481へ出力する。
評価値計算部481は、加算器480からの出力信号y[n]を次式に代入して評価関数εCMA[n]を演算する。
εCMA[n]=||y[n]|−σ・・・(1)
なお、σは、定数である。
そして、評価値計算部481は、演算した評価関数εCMA[n]をCMA処理コントローラ482へ出力する。CMA処理コントローラ482は、A/D変換器440からのデジタル信号と、遅延素子451〜45M−1からの遅延信号と、評価値計算部481からの評価関数εCMA[n]とに基づいて、最急降下法によって評価関数εCMA[n]が最小になるように重み係数W〜Wを演算し、その演算した重み係数W〜Wをそれぞれ乗算器471〜47Mへ出力する。
BRAKE受信機45は、図13に示す構成によってアレーアンテナ21〜25の給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、評価関数εCMA[n]が最小になるように重み係数W〜Wを演算してデジタル信号の逆拡散及び等化を同時に行なう。
無線装置11〜15がBRAKE受信機45を備える場合に、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15の位置を特定する動作は、図6に示すフローチャートに従って行なわれる。そして、無線装置11,12,14,15のBRAKE受信機45は、図6に示すフローチャートのステップS3において、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の給電素子1から受けた複数の信号(切換えた指向性の数に対応する複数の信号)をデジタル信号に変換して逆拡散及び等化を同時に行ない、複数の信号を相互に識別するように復調する。そして、複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうちの所望の電力に対応する指向性を無線装置13(S局)の方向に対応する指向性として決定する。
また、無線装置13(S局)のBRAKE受信機45は、図6に示すフローチャートのステップS6において、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15から受信した複数のスペクトル拡散信号をアレーアンテナ23の給電素子1から受け、その受けた複数のスペクトル拡散信号をデジタル信号に変換して逆拡散及び等化を同時に行ない、複数のスペクトル拡散信号を相互に識別するように復調する。これにより、無線装置13(S局)は、無線装置11,12,14,15から所定の信号を同時に受信しても、その受信した複数の信号を相互に識別可能に同時に復調でき、無線装置11,12,14,15の位置を特定できる。
無線装置11〜15がBRAKE受信機45を備える場合に、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15の中からD局を選択し、その選択したD局と通信を行なう動作は、図8に示すフローチャートに従って行なわれる。そして、無線装置11,12,14,15のBRAKE受信機45は、図8に示すフローチャートのステップS13,S19において、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号の逆拡散及び等化を同時に行ない、受信信号を復調する。
また、無線装置12(D局)のBRAKE受信機45は、図8に示すフローチャートのステップS24において、アレーアンテナ22の給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号の逆拡散及び等化を同時に行ない、受信信号を復調する。
更に、無線装置13(S局)のBRAKE受信機45は、図8に示すフローチャートのステップS15,S22において、アレーアンテナ23の給電素子1から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号の逆拡散及び等化を同時に行ない、受信信号を復調する。
その他は、上述したとおりである。
(B−b)S局と周囲の無線装置との間で異なるPN系列が用いられる場合
無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15との間で異なるPN系列CN1〜CN4を用いて信号をスペクトル拡散し、またはスペクトル拡散信号を復調する場合、無線装置11〜15の各々は、図12に示す無線装置11〜15の構成と同じ構成からなる。そして、無線装置13(S局)は、図10に示すフローチャートに従って無線装置11,12,14,15の位置を特定する。
この場合、無線装置11,12,14,15のBRAKE受信機45は、図10に示すフローチャートのステップS3Aにおいて、それぞれ、アレーアンテナ21,22,24,25の給電素子1から受けた複数の信号(切換えた指向性の数に対応する複数の信号)をデジタル信号に変換して異なるPN系列で逆拡散及び等化を同時に行ない、複数の信号を相互に識別するように復調する。そして、複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうちの所望の電力に対応する指向性を無線装置13(S局)の方向に対応する指向性として決定する。
また、無線装置13(S局)のBRAKE受信機45は、図10に示すフローチャートのステップS6Aにおいて、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15から受信した複数のスペクトル拡散信号をアレーアンテナ23の給電素子1から受け、その受けた複数のスペクトル拡散信号をデジタル信号に変換して異なるPN系列で逆拡散及び等化を同時に行ない、複数のスペクトル拡散信号を相互に識別するように復調する。これにより、無線装置13(S局)は、無線装置11,12,14,15から所定の信号を同時に受信しても、その受信した複数の信号を相互に識別可能に同時に復調でき、無線装置11,12,14,15の位置を特定できる。
また、無線装置13(S局)は、図11に示すフローチャートに従って無線装置11,12,14,15の中からD局を選択し、その選択したD局と無線通信を行なう。この場合、無線装置13(S局)は、図11に示すフローチャートのステップS15Aにおいて、無線装置11,12,14,15からの4個のスペクトル拡散信号(応答パケットREPLY)をマルチステージ化BRAKE法により復調して識別する。
即ち、無線装置13(S局)は、アレーアンテナ23の給電素子1から受けた受信信号を図13に示すA/D変換器440によってデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号を遅延素子451〜45M、サンプリング素子461〜46M、乗算器471〜47M、加算器480、評価値計算部481及びCMA処理コントローラ482によって復調して出力信号y[n](m:1〜4)を出力し、その出力した出力信号y[n]を再び遅延素子451〜45M、サンプリング素子461〜46M、乗算器471〜47M、加算器480、評価値計算部481及びCMA処理コントローラ482によって復調して出力信号ym−1[n]を出力する。以下、4個の復調信号y[n],ym−1[n],ym−2[n],ym−3[n]が得られるまで、遅延素子451〜45M、サンプリング素子461〜46M、乗算器471〜47M、加算器480、評価値計算部481及びCMA処理コントローラ482による復調を繰返すことにより、無線装置11,12,14,15から受信した4個のスペクトル拡散信号を識別できるように復調可能である。
このように、遅延素子451〜45M、サンプリング素子461〜46M、乗算器471〜47M、加算器480、評価値計算部481及びCMA処理コントローラ482による復調処理を繰り返し行なうことをマルチステージ化BRAKE法による復調処理という。
なお、上記においては、無線装置11,12,14,15は、電気的に指向性を切換え可能なアレーアンテナ21,22,24,25を備えると説明したが、この発明においては、無線装置11,12,14,15は、無指向性のアンテナを備えていてもよい。無線装置11,12,14,15が無指向性のアンテナを備えていても、無線装置13(S局)が指向性のアンテナを備えていれば、無線装置13(S局)は、受信信号電力が最大となる信号の到来方向を特定できるからである。
また、無線装置13(S局)は、「送信元無線装置」を構成する。
実施の形態1においては、無線装置11〜15が電気的に指向性を切換え可能なアレーアンテナ21〜25を備え、同一PN系列または異なるPN系列を用いて信号をスペクトル拡散し、またはスペクトル拡散信号を復調する場合に、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15の位置を特定するとともに、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15の中からデータを送信したい相手先の無線装置(D局)を選択して無線通信を行なう場合について説明した。そして、無線装置11〜15は、通常のスペクトル拡散受信機またはBRAKE受信機を備えている。
従って、実施の形態1によれば、通常のスペクトル拡散受信機またはBRAKE受信機を備える無線装置13(S局)は、同一PN系列または異なるPN系列を用いて信号をスペクトル拡散または復調して無線装置11,12,14,15の位置を特定できるとともに、無線装置11,12,14,15の中からデータを送信したい相手先の無線装置(D局)を選択して無線通信を行なうことができる。
[実施の形態2]
図14は、実施の形態2による無指向性アンテナを用いた無線通信システムの概略ブロック図である。実施の形態2による無線通信システム200は、無線装置51〜55からなる。無線装置51〜55は、無線通信空間30に配置される。そして、無線装置51〜55は、それぞれ、アンテナ61〜65が装着される。アンテナ61〜65の各々は、無指向性アンテナである。
無線装置51〜55は、通信の対象となる信号をPN系列によりスペクトル拡散し、そのスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を、それぞれ、アンテナ61〜65を介して周囲の無線装置との間で送受信する。
以下においては、無線装置51〜55のうちの1つの無線装置が周囲の無線装置から送信先の無線装置を選択してその送信先の無線装置との間で無線通信を行なうことについて説明する。従って、無線装置51〜55のうち、無線装置53を送信元の無線装置であることを意味する「S局」と呼び、無線装置51,52,54,55を「周囲の無線装置」と呼ぶ。
C.各無線装置が通常のスペクトル拡散受信機を備える場合
(C−a)S局と周囲の無線装置との間で同一のPN系列が用いられる場合
図15は、図14に示す無線装置51〜55の概略ブロック図である。S局と周囲の無線装置との間で同一のPN系列が用いられる場合、無線装置51〜55の各々は、スペクトル拡散受信機38と、出力信号電力計算部39と、制御部41と、スペクトル拡散送信機42とを含む。スペクトル拡散受信機38、出力信号電力計算部39、制御部41、及びスペクトル拡散送信機42については、図2において説明したとおりである。この場合、スペクトル拡散受信機38は、アンテナ61〜65から受信信号を受け、その受けた受信信号をPN系列CN1またはCN2で復調する。また、スペクトル拡散送信機42は、送信信号をPN系列CN1またはCN2でスペクトル拡散してアンテナ61〜65へ供給する。
図16は、図14に示す無線通信システム200における無線通信の動作を説明するためのフローチャートである。無線通信システム200における無線通信の動作が開始されると、無線装置53(S局)のスペクトル拡散送信機42は、セットアップパケットSETUPからなる送信データをデジタル信号に変換して送信信号を生成し、PN系列CN1で送信信号をスペクトル拡散して所定の信号をアンテナ63へ供給する。
この場合、無線装置53(S局)の制御部41は、アンテナ63を用いて無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわない。これにより、無線装置53は、PN系列CN1でスペクトル拡散したセットアップパケットSETUPをキャリアセンスを行なわずに全方向に送信する(ステップS31)。
無線装置51,52,54,55の各々において、アンテナ61,62,64,65は、セットアップパケットSETUPを受信してスペクトル拡散受信機38へ供給する。
スペクトル拡散受信機38は、アンテナ61,62,64,65から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、無線装置53においてスペクトル拡散信号を生成するために用いられたPN系列CN1と同じPN系列CN1をデジタル信号に乗算してスペクトル拡散信号を復調する(ステップS32)。
そして、無線装置51,52,54,55において、制御部41は、無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわず、スペクトル拡散送信機42は、応答パケットREPLYをPN系列CN1でスペクトル拡散し、それぞれ、アンテナ61,62,64,65へ供給する。これにより、無線装置51,52,54,55は、キャリアセンスを行なわずに応答パケットREPLYを無線装置53(S局)へ送信する(ステップS33)。
無線装置53(S局)のアンテナ63は、応答パケットREPLYを受信し、その受信した受信信号をスペクトル拡散受信機38へ供給する。スペクトル拡散受信機38は、アンテナ63から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、PN系列CN1をデジタル信号に乗算してスペクトル拡散信号を復調する(ステップS34)。
出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機38から受けた復調信号の電力を計算し、その計算した受信信号電力を制御部41へ出力する。そして、制御部41は、出力信号電力計算部39から受けた受信信号電力に基づいて、最大の受信信号電力を検出し、その最大の受信信号電力が得られたときの応答パケットREPLYから所望の電力の信号を送信して来る無線装置をD局として特定する(ステップS35)。
ここでは、無線装置54がD局として特定されるものとする。
その後、無線装置53の制御部41は、D局が特定されたか否かを判定し(ステップS36)、D局が特定されなかったとき、上述したステップS31〜S36が繰返し実行される。
ステップS36において、D局が特定されたと判定されると、無線装置53の制御部41は、D局を特定する情報及びPN系列を変えることをD局に指示する内容を含む送信要求パケットRTSを生成してスペクトル拡散送信機42へ出力する。スペクトル拡散送信機42は、制御部41から送信要求パケットRTSを受け、その受けた送信要求パケットRTSをPN系列CN1でスペクトル拡散してアンテナ63に供給する。また、制御部41は、無線通信空間30におけるキャリアセンスを行なわない。これにより、無線装置53は、キャリアセンスを行なわずに送信要求パケットRTSを全方向に送信する(ステップS37)。
無線装置51,52,54,55は、アンテナ61,62,64,65により送信要求パケットRTSを受信し、その受信した送信要求パケットRTSをPN系列CN1で復調する(ステップS38)。そして、無線装置54は、送信要求パケットRTSに含まれる「D局を特定する情報」に基づいて自己がD局として選択されたことを認識し、送信要求パケットRTSに含まれる「PN系列を変えることをD局に指示する内容」に基づいてスペクトル拡散に用いるPN系列をPN系列CN1からPN系列CN2に変える。
また、D局以外の無線装置51,52,55は、送信要求パケットRTSに含まれる「D局を特定する情報」に基づいて、自己がD局として選択されなかったことを認識し、無線通信を停止する(ステップS39)。
一方、無線装置54(D局)のスペクトル拡散送信機42は、指定されたPN系列CN2で送信許可パケットCTSをスペクトル拡散して無線装置53(S局)へ送信する(ステップS40)。
無線装置53(S局)は、送信許可パケットCTSを無線装置54(D局)から受信し、その受信した送信許可パケットCTSを変更したPN系列CN2で復調する(ステップS41)。そして、無線装置53(S局)は、変更したPN系列CN2でデータDATAをスペクトル拡散して無線装置54(D局)へ送信する(ステップS42)。
無線装置54(D局)は、データDATAを無線装置53(S局)から受信し、その受信したデータDATAをPN系列CN2で復調する(ステップS43)。そして、無線装置54(D局)は、確認応答パケットACKをPN系列CN2でスペクトル拡散して無線装置53(S局)へ送信する(ステップS44)。無線装置53(S局)は、無線装置54(D局)から確認応答パケットACKを受信し、その受信した確認応答パケットACKをPN系列CN2で復調する(ステップS45)。
これにより、無線装置53(S局)が無線装置51,52,54,55の中からD局として無線装置54を選択し、その選択した無線装置54(D局)との間で無線通信を行なう動作が終了する。
なお、無線通信システム200における無線通信の制御は、実際にはCPUによって実行され、CPUは、図16に示す各ステップを備えるプログラムをROMから読み出し、その読み出したプログラムを実行して図16に示すフローチャートに従って無線通信を制御する。
従って、図16に示す各ステップを備えるプログラムは、無線通信システム200における無線通信の制御をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムである。
(C−b)S局と周囲の無線装置との間で異なるPN系列が用いられる場合
図17は、図14に示す無線装置51〜55の他の概略ブロック図である。S局と周囲の無線装置との間で異なるPN系列が用いられる場合、無線装置51〜55の各々は、スペクトル拡散受信機431〜43Mと、出力信号電力計算部39と、制御部41と、スペクトル拡散送信機441〜44Mとを含む。スペクトル拡散受信機431〜43M、出力信号電力計算部39、制御部41、及びスペクトル拡散送信機441〜44Mについては、図9において説明したとおりである。この場合、スペクトル拡散受信機431〜43Mは、アンテナ61〜65から受信信号を受け、その受けた受信信号をそれぞれPN系列CN1〜CNMで復調する。また、スペクトル拡散送信機441〜44Mは、送信信号をそれぞれPN系列CN1〜CNMでスペクトル拡散してアンテナ61〜65へ供給する。
図18は、図14に示す無線通信システム200における無線通信の動作を説明するための他のフローチャートである。図18に示すフローチャートは、図16に示すフローチャートのステップS34,S35をそれぞれステップS34A,S35Aに代えたものであり、その他は、図16に示すフローチャートと同じである。
図18に示すフローチャートの説明においても、PN系列CN1,CN2,CN3,CN4が用いられ、無線装置51〜55の各々は、スペクトル拡散受信機431〜434及びスペクトル拡散送信機441〜444を備える。
なお、図18に示すフローチャートのステップS31〜S33,S37,S38においては、それぞれ、異なるPN系列CN1〜CN4を用いてスペクトル拡散または復調が行なわれる。また、ステップS40〜S45においては、D局として選択された無線装置が使用するPN系列を用いてスペクトル拡散または復調が行なわれる。
一連の動作が開始され、上述したステップS31〜S33が実行されると、無線装置53(S局)は、図16に示すフローチャートのステップS34の動作と同じ動作に従って、無線装置51,52,54,55から応答パケットREPLYを受信する。そして、スペクトル拡散受信機431〜434は、それぞれ異なるPN系列CN1〜CN4で応答パケットREPLYを復調し、復調信号を出力信号電力計算部39へ出力する。出力信号電力計算部39は、スペクトル拡散受信機431〜434からの複数の復調信号の電力を計算し、複数の電力を制御部41へ出力する。制御部41は、出力信号電力計算部39からの複数の電力に基づいて、最大の受信信号電力を検出し、その最大の受信信号電力が得られたときのPN系列の違いから各受信信号を分離して各無線装置を特定する(ステップS34A)。
そして、無線装置53(S局)の制御部41は、無線装置51,52,54,55の特定情報に基づいて、次にデータを送信したい相手先の無線装置を特定し、その無線装置をD局として特定する(ステップS35A)。
その後、上述したステップS36〜S45が実行され、一連の動作は終了する。
なお、ステップS37においては、送信要求パケットRTSは、それぞれ異なるPN系列CN1〜CN4でスペクトル拡散され、無線装置51,52,54,55へ送信されるので、無線装置54は、自己がD局として選択されたことを知ることができ、無線装置51,52,55は、自己がD局として選択されなかったことを知って通信を停止する。
また、無線通信システム200における無線通信の制御は、実際にはCPUによって実行され、CPUは、図18に示す各ステップを備えるプログラムをROMから読み出し、その読み出したプログラムを実行して図18に示すフローチャートに従って無線通信を制御する。
従って、図18に示す各ステップを備えるプログラムは、無線通信システム200における無線通信の制御をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムである。
D.各無線装置がBRAKE受信機を備える場合
(D−a)S局と周囲の無線装置との間で同一のPN系列が用いられる場合
図19は、図14に示す無線装置51〜55の更に他の概略ブロック図である。各無線装置51〜55がBRAKE受信機を備え、S局と周囲の無線装置との間で同一のPN系列が用いられる場合、無線装置51〜55の各々は、出力信号電力計算部39と、制御部41と、スペクトル拡散送信機42と、BRAKE受信機45とを含む。
出力信号電力計算部39、制御部41、スペクトル拡散送信機42、及びBRAKE受信機45については、上述したとおりである。
無線装置51〜55がBRAKE受信機45を備える場合に、無線装置13(S局)が無線装置11,12,14,15の中からD局を選択し、その選択したD局と通信を行なう動作は、図16に示すフローチャートに従って行なわれる。そして、無線装置51,52,54,55のBRAKE受信機45は、図16に示すフローチャートのステップS32,S38において、それぞれ、アンテナ61,62,64,65から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号の逆拡散及び等化を同時に行ない、受信信号を復調する。
また、無線装置54(D局)のBRAKE受信機45は、図16に示すフローチャートのステップS43において、アンテナ64から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号の逆拡散及び等化を同時に行ない、受信信号を復調する。
更に、無線装置53(S局)のBRAKE受信機45は、図16に示すフローチャートのステップS34,S41において、アンテナ63から受けた受信信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号の逆拡散及び等化を同時に行ない、受信信号を復調する。
その他は、上述したとおりである。
(D−b)S局と周囲の無線装置との間で異なるPN系列が用いられる場合
無線装置53(S局)が無線装置51,52,54,55との間で異なるPN系列CN1〜CN4を用いて信号をスペクトル拡散し、またはスペクトル拡散信号を復調する場合、無線装置51〜55の各々は、図19に示す無線装置51〜55の構成と同じ構成からなる。
そして、無線装置53(S局)は、図18に示すフローチャートに従って無線装置51,52,54,55の中からD局を選択し、その選択したD局と無線通信を行なう。この場合、無線装置53(S局)は、図18に示すフローチャートのステップS34Aにおいて、無線装置51,52,54,55からの4個のスペクトル拡散信号(応答パケットREPLY)を上述したマルチステージ化BRAKE法により復調して識別する。
実施の形態2においては、無線装置51〜55が無指向性のアンテナ61〜65を備え、同一PN系列または異なるPN系列を用いて信号をスペクトル拡散し、またはスペクトル拡散信号を復調する場合に、無線装置53(S局)が無線装置51,52,54,55の中からデータを送信したい相手先の無線装置(D局)を選択して無線通信を行なう場合について説明した。そして、無線装置51〜55は、通常のスペクトル拡散受信機またはBRAKE受信機を備えている。
従って、実施の形態2によれば、通常のスペクトル拡散受信機またはBRAKE受信機を備える無線装置53(S局)は、同一PN系列または異なるPN系列を用いて信号をスペクトル拡散または復調して無線装置51,52,54,55の中からデータを送信したい相手先の無線装置(D局)を選択して無線通信を行なうことができる。
なお、上記においては、無線通信システム100,200は、それぞれ、5個の無線装置11〜15,51〜55からなると説明したが、この発明による無線通信システムは、2以上の無線装置から構成されていればよい。少なくとも2個の無線装置が存在すれば、無線装置の位置を特定することができ、通信相手の無線装置が存在すれば、D局を選択して無線通信を行なうことができるからである。
また、無線装置53(S局)は、「送信元無線装置」を構成する。
更に、上記においては、S局は、データを送信したい相手先の無線装置(D局)を複数の無線装置の中から選択する場合、受信信号電力が最大となる信号を送信して来る無線装置をD局として選択すると説明したが、この発明は、これに限らず、S局は、複数の無線装置をD局として選択してもよい。この場合、D局を選択するときの基準は、D局として選択する無線装置の個数に応じて変えられる。例えば、D局として3個の無線装置を選択する場合、受信信号電力が大きい方から3番目以内となる信号を送信した無線装置がD局として選択される。
更に、この発明においては、送信対象のデータの内容に応じてD局として選択する無線装置の個数を変えてもよい。この場合、送信対象のデータの内容が多くのユーザに知られたくないときは、D局を選択する基準となる受信信号電力は相対的に大きくなり、送信対象のデータの内容が多くのユーザに知らせたいときは、D局を選択する基準となる受信信号電力は相対的に小さくなる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、所望の受信信号強度が得られる通信の相手先をできるだけ簡単に発見できる無線通信システムに適用される。また、この発明は、所望の受信信号強度が得られる通信の相手先をできるだけ簡単に発見して相手先と無線リンクを確立可能な無線通信システムに適用される。更に、この発明は、所望の受信信号強度が得られる無線装置を発見して各無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラムに適用される。更に、この発明は、所望の受信信号強度が得られる通信の相手先をできるだけ簡単に発見して無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラムに適用される。
実施の形態1による無線通信システムの概略ブロック図である。 図1に示す無線装置の概略ブロック図である。 図1に示すアレーアンテナの平面図である。 表2に示すリアクタンス値の2つの組合せに対応するアレーアンテナの指向性を示す図である。 図2に示すスペクトル拡散受信機の構成図である。 図1に示す無線通信システムにおいて無線装置(S局)が他の4個の無線装置の位置を特定する動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示すアレーアンテナにおいて形成されるビームの平面図である。 図1に示す無線通信システムにおける無線通信の動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示す無線装置の他の概略ブロック図である。 図1に示す無線通信システムにおいて無線装置(S局)が他の4個の無線装置の位置を特定する動作を説明するための他のフローチャートである。 図1に示す無線通信システムにおける無線通信の動作を説明するための他のフローチャートである。 図1に示す無線装置の更に他の概略ブロック図である。 図12に示すBRAKE受信機の構成図である。 実施の形態2による無指向性アンテナを用いた無線通信システムの概略ブロック図である。 図14に示す無線装置の概略ブロック図である。 図14に示す無線通信システムにおける無線通信の動作を説明するためのフローチャートである。 図14に示す無線装置の他の概略ブロック図である。 図14に示す無線通信システムにおける無線通信の動作を説明するための他のフローチャートである。 図14に示す無線装置の更に他の概略ブロック図である。
符号の説明
1 給電素子、2〜7 無給電素子、11〜15,51〜55 無線装置、21〜25 アレーアンテナ、21A〜21F,22A〜22F,23A〜23F,24A〜24F,25A〜25F 指向性、23ND 無指向性、30 無線通信空間、31〜36 バラクタダイオード、37 指向性制御部、38,431〜43M スペクトル拡散受信機、39 出力信号電力計算部、40 電力値記録部、41 制御部、42,441〜44M スペクトル拡散送信機、45 BRAKE受信機、61〜65 アンテナ、100 無線通信システム、370,440 A/D変換器、380〜38N,451〜45M−1 遅延素子、390〜39N,471〜47M 乗算器、400 加算器、461〜46M サンプリング素子、481 評価値計算部、482 CMA処理コントローラ。

Claims (33)

  1. 無線通信空間において相互に無線通信を行なう複数の無線装置の位置特定が可能な無線通信システムであって、
    指向性を電気的に切換え可能なアレーアンテナを介してPN系列によりスペクトル拡散した所定の信号を全方向に送信し、前記アレーアンテナの前記指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号のうち所望の電力が得られる信号の到来方向を前記無線装置の位置として特定する方向特定無線装置と、
    各々が前記アレーアンテナを介して前記所定の信号を受信し、その受信した所定の信号を前記方向特定無線装置へ送信するn(nは自然数)個の無線装置とを備える無線通信システム。
  2. 前記方向特定無線装置は、同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を前記n個の無線装置へ送信し、
    前記n個の無線装置の各々は、前記受信した所定の信号を前記同一のPN系列により復調し、その復調した信号を前記同一のPN系列によりスペクトル拡散して前記方向特定無線装置へ送信する、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなり、
    前記第1のアレーアンテナは、前記方向特定無線装置に装着され、
    前記第2のアレーアンテナは、前記n個の無線装置の各々に装着され、
    前記n個の無線装置の各々は、前記第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号を前記同一のPN系列により復調した複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に前記第2のアレーアンテナの指向性を設定して前記同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を送信する、請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記方向特定無線装置は、前記n個の無線装置に対応して選択された相互に異なるn個のPN系列により信号をスペクトル拡散し、そのスペクトル拡散したn個の信号をそれぞれ対応するn個の無線装置へ送信し、前記n個の無線装置から受信したn個の信号をそれぞれ対応するPN系列で復調して各PN系列において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向を前記n個の無線装置の位置として特定し、
    前記n個の無線装置の各々は、前記受信した所定の信号を自己に与えられた固有PN系列により復調し、その復調した信号を前記固有PN系列によりスペクトル拡散して前記方向特定無線装置へ送信する、請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなり、
    前記第1のアレーアンテナは、前記方向特定無線装置に装着され、
    前記第2のアレーアンテナは、前記n個の無線装置の各々に装着され、
    前記n個の無線装置の各々は、前記第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号を前記固有PN系列により復調した複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に前記第2のアレーアンテナの指向性を設定して前記固有PN系列によりスペクトル拡散した信号を送信する、請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 前記方向特定無線装置は、同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を前記n個の無線装置へ送信し、前記n個の無線装置から受信したn個の信号を相互に識別するように同時に復調し、その復調したn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向を前記n個の無線装置の位置として特定し、
    前記n個の無線装置の各々は、前記受信した所定の信号を前記同一のPN系列により復調し、その復調した信号を前記同一のPN系列によりスペクトル拡散して前記方向特定無線装置へ送信する、請求項1に記載の無線通信システム。
  7. 前記アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなり、
    前記第1のアレーアンテナは、前記方向特定無線装置に装着され、
    前記第2のアレーアンテナは、前記n個の無線装置の各々に装着され、
    前記n個の無線装置の各々は、前記第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号を相互に識別するように同時に復調し、その復調した複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に前記第2のアレーアンテナの指向性を設定して前記同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を送信する、請求項6に記載の無線通信システム。
  8. 前記方向特定無線装置は、前記n個の無線装置に対応して選択された相互に異なるn個のPN系列により信号をスペクトル拡散し、そのスペクトル拡散したn個の信号をそれぞれ対応するn個の無線装置へ送信し、前記n個の無線装置から受信したn個の信号をそれぞれ対応するPN系列で相互に識別するように同時に復調し、その復調したn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向を前記n個の無線装置の位置として特定し、
    前記n個の無線装置の各々は、前記受信した所定の信号を自己に与えられた固有PN系列により復調し、その復調した信号を前記固有PN系列によりスペクトル拡散して前記方向特定無線装置へ送信する、請求項1に記載の無線通信システム。
  9. 前記アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなり、
    前記第1のアレーアンテナは、前記方向特定無線装置に装着され、
    前記第2のアレーアンテナは、前記n個の無線装置の各々に装着され、
    前記n個の無線装置の各々は、前記第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号を相互に識別するように同時に復調し、その復調した複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に前記第2のアレーアンテナの指向性を設定して前記固有PN系列によりスペクトル拡散した信号を送信する、請求項8に記載の無線通信システム。
  10. 無線通信空間において相互に無線通信を行なう複数の無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記複数の無線装置のうちの1つである方向特定無線装置が指向性を電気的に切換え可能なアレーアンテナを介してPN系列によりスペクトル拡散された所定の信号を全方向に送信する第1のステップと、
    前記複数の無線装置に含まれ、前記方向特定無線装置以外の無線装置であるn(nは自然数)個の無線装置の各々が前記方向特定無線装置から前記所定の信号を受信し、その受信した所定の信号を前記方向特定無線装置へ送信する第2のステップと、
    前記方向特定無線装置が前記アレーアンテナの前記指向性を複数種類に切換えながら信号を受信し、その受信した複数の信号のうち所望の電力が得られる信号の到来方向を前記無線装置の位置として特定する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 前記第2のステップは、
    前記n個の無線装置の各々が前記方向特定無線装置から受信した前記所定の信号を前記方向特定無線装置におけるPN系列と同一のPN系列により復調する第1のサブステップと、
    前記復調された復調信号を前記同一のPN系列によりスペクトル拡散して前記方向特定無線装置へ送信する第2のサブステップとを含む、請求項10に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 前記アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなり、
    前記第1のアレーアンテナは、前記方向特定無線装置に装着され、
    前記第2のアレーアンテナは、前記n個の無線装置の各々に装着され、
    前記プログラムの前記第1のサブステップは、
    前記n個の無線装置の各々が前記第2のアレーアンテナの前記指向性を複数種類に変えながら信号を受信するステップと、
    前記受信された複数の信号を前記同一のPN系列により復調するステップとを含み、
    前記第2のサブステップは、
    前記復調された複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に前記第2のアレーアンテナの指向性を設定するステップと、
    前記同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を前記指向性を設定された第2のアレーアンテナを介して送信するステップとを含む、請求項11に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 前記第1のステップは、
    前記方向特定無線装置が、前記n個の無線装置に対応して選択された相互に異なるn個のPN系列により信号をスペクトル拡散する第1のサブステップと、
    前記スペクトル拡散されたn個の信号をそれぞれ対応するn個の無線装置へ送信する第2のサブステップとを含み、
    前記第2のステップは、
    前記n個の無線装置の各々が、前記受信した所定の信号を自己に与えられた固有PN系列により復調する第3のサブステップと、
    前記復調された信号を前記固有PN系列によりスペクトル拡散して前記方向特定無線装置へ送信する第4のサブステップとを含み、
    前記第3のステップは、
    前記n個の無線装置から受信したn個の信号をそれぞれ対応するPN系列で復調する第5のサブステップと、
    前記復調されたn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向を前記n個の無線装置の位置として特定する第6のサブステップとを含む、請求項10に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  14. 前記アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなり、
    前記第1のアレーアンテナは、前記方向特定無線装置に装着され、
    前記第2のアレーアンテナは、前記n個の無線装置の各々に装着され、
    前記第3のサブステップは、
    前記n個の無線装置の各々が、前記第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信するステップと、
    前記受信された複数の信号を前記固有PN系列により復調するステップとを含み、
    前記第4のサブステップは、
    前記復調された複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に前記第2のアレーアンテナの指向性を設定するステップと、
    前記固有PN系列によりスペクトル拡散した信号を前記指向性が設定された第2のアレーアンテナを介して送信するステップとを含み、
    前記第5のサブステップは、
    前記第1のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら前記n個の信号を受信するステップと、
    前記受信されたn個の信号をぞれぞれ対応するPN系列によって復調するステップとを含む、請求項13に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  15. 前記第2のステップは、
    前記n個の無線装置の各々が前記方向特定無線装置から受信した前記所定の信号を前記方向特定無線装置におけるPN系列と同一のPN系列により復調する第1のサブステップと、
    前記復調された復調信号を前記同一のPN系列によりスペクトル拡散して前記方向特定無線装置へ送信する第2のサブステップとを含み、
    前記第3のステップは、
    前記n個の無線装置から受信したn個の信号を相互に識別するように同時に復調する第3のサブステップと、
    前記復調されたn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向を前記n個の無線装置の位置として特定する第4のサブステップとを含む、請求項10に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  16. 前記アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなり、
    前記第1のアレーアンテナは、前記方向特定無線装置に装着され、
    前記第2のアレーアンテナは、前記n個の無線装置の各々に装着され、
    前記プログラムの前記第1のサブステップは、
    前記n個の無線装置の各々が、前記第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信するステップと、
    前記受信された複数の信号を相互に識別するように同時に復調するステップとを含み、
    前記第2のサブステップは、
    前記復調された複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に前記第2のアレーアンテナの指向性を設定するステップと、
    前記同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を前記指向性が設定された第2のアレーアンテナを介して送信するステップとを含み、
    前記第3のサブステップは、
    前記第1のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら前記n個の信号を受信するステップと、
    前記受信されたn個の信号を復調してn個の復調信号を識別するステップとを含む、請求項15に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  17. 前記第1のステップは、
    前記方向特定無線装置が、前記n個の無線装置に対応して選択された相互に異なるn個のPN系列により信号をスペクトル拡散する第1のサブステップと、
    前記スペクトル拡散されたn個の信号をそれぞれ対応するn個の無線装置へ送信する第2のサブステップとを含み、
    前記第2のステップは、
    前記n個の無線装置の各々が、前記受信した所定の信号を自己に与えられた固有PN系列により復調する第3のサブステップと、
    前記復調された信号を前記固有PN系列によりスペクトル拡散して前記方向特定無線装置へ送信する第4のサブステップとを含み、
    前記第3のステップは、
    前記n個の無線装置から受信したn個の信号をそれぞれ対応するPN系列により相互に識別するように同時に復調する第5のサブステップと、
    前記復調されたn個の復調信号の各々において所望の電力が得られる方向を検出し、その検出したn個の方向を前記n個の無線装置の位置として特定する第6のサブステップとを含む、請求項10に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  18. 前記アレーアンテナは、指向性を電気的に切換え可能な第1及び第2のアレーアンテナからなり、
    前記第1のアレーアンテナは、前記方向特定無線装置に装着され、
    前記第2のアレーアンテナは、前記n個の無線装置の各々に装着され、
    前記プログラムの前記第3のサブステップは、
    前記n個の無線装置の各々が、前記第2のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら信号を受信するステップと、
    前記受信された複数の信号を相互に識別するように復調するステップとを含み、
    前記第4のサブステップは、
    前記復調された複数の復調信号に対応する複数の電力を検出し、その検出した複数の電力のうち所望の電力が得られる方向に前記第2のアレーアンテナの指向性を設定するステップと、
    前記同一のPN系列によりスペクトル拡散した信号を前記指向性が設定された第2のアレーアンテナを介して送信するステップとを含み、
    前記第5のサブステップは、
    前記第1のアレーアンテナの指向性を複数種類に切換えながら前記n個の信号を受信するステップと、
    前記受信されたn個の信号をそれぞれ対応するPN系列により復調してn個の復調信号を識別するステップとを含む、請求項17に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  19. 無線通信空間において相互に無線通信を行なう複数の無線装置を備える無線通信システムであって、
    第1のPN系列によりスペクトル拡散した所定の信号をアンテナを介して全方向に送信し、前記アンテナを介して受信した信号に基づいて送信の相手先である送信先無線装置を特定し、前記第1のPN系列と異なる第2のPN系列によりデータをスペクトル拡散して前記送信先無線装置へ送信する送信元無線装置と、
    各々が前記アンテナを介して前記所定の信号を受信し、その受信した所定の信号を第1または第2のPN系列で復調およびスペクトル拡散して前記送信元無線装置へ送信するn(nは自然数)個の無線装置とを備える無線通信システム。
  20. 前記送信元無線装置は、前記第1のPN系列である所定のPN系列によりスペクトル拡散した信号を前記n個の無線装置へ送信し、
    前記n個の無線装置の各々は、前記送信元無線装置において使用される前記所定のPN系列により前記受信した所定の信号を復調し、その復調した信号を前記所定のPN系列によりスペクトル拡散して前記送信元無線装置へ送信する、請求項19に記載の無線通信システム。
  21. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置の各々は、送受信の対象となる信号に前記第1のPN系列を乗算してスペクトル拡散及び復調を行なう、請求項19または請求項20に記載の無線通信システム。
  22. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置の各々は、複数の信号を相互に識別するように同時に復調する復調処理によって、前記受信した信号を復調する、請求項19または請求項20に記載の無線通信システム。
  23. 前記第1のPN系列は、前記n個の無線装置に対応して設けられ、相互に異なるn個の固有PN系列からなり、
    前記送信元無線装置は、前記n個の固有PN系列によりスペクトル拡散したn個の信号をそれぞれ前記n個の無線装置へ送信し、
    前記n個の無線装置の各々は、前記受信した信号を自己に対応する固有PN系列により復調し、その復調した信号を前記固有PN系列によりスペクトル拡散して前記送信元無線装置へ送信する、請求項19に記載の無線通信システム。
  24. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置の各々は、送受信の対象となる信号に前記各固有PN系列を乗算してスペクトル拡散及び復調を行なう、請求項23に記載の無線通信システム。
  25. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置の各々は、複数の信号を相互に識別するように同時に復調する復調処理によって、前記受信した信号を復調する、請求項23に記載の無線通信システム。
  26. 無線通信空間に配置された複数の無線装置間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記複数の無線装置の1つである送信元無線装置が第1のPN系列によりスペクトル拡散した所定の信号をアンテナを介して全方向に送信し、前記送信元無線装置以外のn(nは自然数)個の無線装置の中から送信先無線装置を特定する第1のステップと、
    送信元無線装置が前記第1のPN系列と異なる第2のPN系列によりデータをスペクトル拡散して前記送信先無線装置との間で前記アンテナを介して無線通信を行なう第2のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  27. 前記第1のステップは、
    前記送信元無線装置がセットアップパケットを前記第1のPN系列によりスペクトル拡散して全方向に送信する第1のサブステップと、
    前記n個の無線装置の各々が前記スペクトル拡散されたセットアップパケットを受信して前記第1のPN系列により復調し、返答パケットを前記第1のPN系列によりスペクトル拡散して前記送信元無線装置へ送信する第2のサブステップと、
    前記送信元無線装置が前記n個の無線装置から前記スペクトル拡散されたn個の返答パケットを受信して前記第1のPN系列により復調し、その復調したn個の返答パケットに対応するn個の受信電力のうち所望の受信電力が得られた返答パケットを送信した無線装置を前記送信先無線装置として特定する第3のサブステップとを含み、
    前記第2のステップは、
    前記送信先無線装置を特定する第1の情報と前記第2のPN系列の使用を指示する第2の情報とを含む送信要求パケットを前記第1のPN系列によりスペクトル拡散して送信する第4のサブステップと、
    前記送信先無線装置が前記スペクトル拡散された前記送信要求パケットを前記第1のPN系列により復調して前記第1及び第2の情報を取得する第5のサブステップと、
    前記送信先無線装置が前記第1及び第2の情報に応じて、送信許可パケットを前記第2のPN系列によりスペクトル拡散して前記送信元無線装置へ送信する第6のサブステップと、
    前記送信先無線装置が前記スペクトル拡散された送信許可パケットを前記第2のPN系列により復調し、その復調した送信許可パケットに応じて前記第2のPN系列によりデータをスペクトル拡散して前記送信先無線装置との間で無線通信を行なう第7のサブステップとを含む、請求項26に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  28. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置は、前記第1のPN系列として同じPN系列を用いて前記各種のパケットをスペクトル拡散し、または復調する、請求項27に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  29. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置の各々は、送受信の対象となる信号に前記第1のPN系列を乗算してスペクトル拡散及び復調を行なう、請求項28に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  30. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置の各々は、複数の信号を相互に識別するように同時に復調する復調処理によって、前記受信した信号を復調する、請求項28に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  31. 前記第1のPN系列は、前記n個の無線装置に対応して設けられ、相互に異なるn個の固有PN系列からなり、
    前記送信元無線装置は、前記n個の固有PN系列によりスペクトル拡散したn個の信号をそれぞれ前記n個の無線装置へ送信し、
    前記n個の無線装置の各々は、前記受信した信号を自己に対応する固有PN系列により復調し、その復調した信号を前記固有PN系列によりスペクトル拡散して前記送信元無線装置へ送信する、請求項27に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  32. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置の各々は、送受信の対象となる信号に前記各固有PN系列を乗算してスペクトル拡散及び復調を行なう、請求項31に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
  33. 前記送信元無線装置及び前記n個の無線装置の各々は、複数の信号を相互に識別するように同時に復調する復調処理によって、前記受信した信号を復調する、請求項31に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2003381246A 2003-11-11 2003-11-11 無線通信システム、無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラム及び無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラム Expired - Lifetime JP3986491B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003381246A JP3986491B2 (ja) 2003-11-11 2003-11-11 無線通信システム、無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラム及び無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003381246A JP3986491B2 (ja) 2003-11-11 2003-11-11 無線通信システム、無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラム及び無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005150820A JP2005150820A (ja) 2005-06-09
JP3986491B2 true JP3986491B2 (ja) 2007-10-03

Family

ID=34690674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003381246A Expired - Lifetime JP3986491B2 (ja) 2003-11-11 2003-11-11 無線通信システム、無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラム及び無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3986491B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005150820A (ja) 2005-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7242937B2 (en) Mobile communication terminal apparatus
EP0767976B1 (en) Phased array spread spectrum system and method
CA2210859C (en) Spectrally efficient high capacity wireless communication systems
US8374132B2 (en) Base station device, method for controlling base station device, receiving device, adaptation algorithm control method, radio communication device, and radio communication method
US20080242243A1 (en) Transmission Directional Antenna Control System, Base Station, And Transmission Directional Antenna Control Method Used For System And Base Station
JP3679000B2 (ja) 無線送信装置及び無線送信方法
KR101011751B1 (ko) 수신기에서의 신호 분리를 지원하기 위한 복수의 동시 전송기를 위한 기복형 전송 패턴
JP2004507151A (ja) フィードバック信号を利用する適応ビーム整形
WO2001091491A1 (fr) Appareil de station radio fixe et procede de radiocommunication
JP2004104206A (ja) 空間分割多重アクセス制御方法、無線通信システム、基地局、および移動局
WO1999039458A1 (fr) Procede de reception directionnelle au moyen d'une antenne-reseau et d'une unite d'antenne-reseau auto-adaptable
JPWO2007004490A1 (ja) 送信装置、受信装置及び通信方法
JPH10285092A (ja) 適応送信ダイバーシチ装置及び適応送信ダイバーシチ方法
US7075909B1 (en) Radio spectrum management apparatus for base stations
EP1091504A1 (en) Radio receiver and reception timing detection method
WO2006020423A1 (en) Method and system for using angular hopping in wireless communication systems
JP3920794B2 (ja) 送信方法およびそれを利用した無線装置
KR20010112321A (ko) 무선 기지국 장치, 통신 단말 장치 및 무선 통신 방법
JP2003258770A (ja) 送信装置
JP3986491B2 (ja) 無線通信システム、無線装置の位置特定をコンピュータに実行させるためのプログラム及び無線通信空間における無線通信をコンピュータに実行させるためのプログラム
WO2007139064A1 (ja) 移動体通信システム、基地局装置、及び干渉波判定方法
KR100679435B1 (ko) 초기단계부터 지향성 빔의 우수한 수신품질을 갖는 적응형안테나 수신 장치
EP0932986B1 (en) Spectrally efficient high capacity wireless communication systems with spatio-temporal processing
KR20090012711A (ko) 무선통신시스템에서 다중 안테나 서비스를 지원하기 위한장치 및 방법
WO2005048627A1 (ja) 送信装置及び利得制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050418

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050420

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050428

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3