JP3984783B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の現像装置及び画像形成装置に係り、詳しくは、回動可能なトナー収容器のトナー量を検知するトナー検知機構を有する現像装置及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置に用いる現像装置としては、複数の現像器を回動支持体に固定し、該回動支持体を回動させ、使用する現像器だけを感光体に対向させて現像を行う現像装置が知られている。この現像装置は、感光体の小径化が可能である、装置全体の小型化が可能であるなどの利点を有している。この現像装置では、各現像器に補給するトナーを収容するトナー収容器を備えており、このトナー収容器は各現像器と一体的に回動するように上記回動支持体に固定されている。
【0003】
上記現像装置において高品質な現像を行うために、各現像器内のトナー濃度を所定濃度に維持する必要がある。このトナー濃度の維持のために、各現像器に対応させて所定量のトナーを収容したトナー収容器を設け、所定のタイミングで、例えば該現像器内のトナー濃度が規定濃度以下に低下したタイミングで、該トナー収容器内のトナーを対応する現像器に補給することが考えられる。ところが、トナー収容器内にトナーがなくなった状態で現像装置を使用し続けると、現像器に必要なトナー量が供給されず、結果として、高品質な現像を行うことができない。このため、トナー収容器内のトナーの有無を正確に検知するトナー検知機構が重要となる。このトナー検知機構の検知結果に基づいて、トナー収容器へのトナー補充を行うタイミングをユーザに知らせたり、制御部において自動判定したりすることにより、高品質な現像を保つことができる。
【0004】
上述のようなトナー検知機構としては、上記トナー収容器内のトナーを光の透過又は反射を利用して光学的に検知する光センサが知られている。この光センサからなるトナー検知機構では、例えば光センサの発光部からトナー収容器へ入射させた光は、該トナー収容器内のトナー検知領域に面して露出している光透過可能な光入射側露出面まで案内された後、該露出面を透過して該トナー検知領域へ到達する。このトナー検知領域を透過した光は、該トナー検知領域に面して露出している光透過可能な光出射側露出面へ入射し、該トナー収容器の外へ案内され、該光センサの受光部で受光される。このとき、該光センサにおける受光量に基づいて、該トナー収容器内のトナーを検知する。例えば、トナー収容器内にトナーがあるときは、上記発光部から発せられた光が該トナー検知領域のトナーによって遮光され、上記受光部において所定の受光量が得られないので、該光センサからトナー有りの信号が出力される。一方、トナー収容器内にトナーがないときは、上記発光部から発せられた光が上記トナー検知領域においてトナーによって遮光されずに、上記光センサの受光部において所定の光量が受光され、該光センサからトナー無しの信号が出力される。
以上のように、上記光センサからなるトナー検知機構は、該トナー収容器内の上記トナー検知領域において透過又は反射する光の光量で該トナー収容器内のトナーを検知することができる。
【0005】
上記トナー収容器内におけるトナー検知領域は、例えば、上記トナー検知領域へ入射する光入射側露出面、若しくは上記トナー検知領域から出射する光出射側露出面を境界として、両露出面の間で形成される光路によって構成される。このトナー検知領域におけるトナーの有無に応じて、上述のように該トナー収容器内のトナーの有無の判定を行う。ところが、トナー収容器内にはトナーがほとんどなくなっているにもかかわらず、該光出射側露出面や該光入射側露出面にトナーが付着していると、該トナーによって光路が遮断されてしまい、上記トナー検知領域を透過する光量が著しく減少してしまう。よって、光センサが受光する光量も減少してしまうので、本来、上記トナー収容器内にトナーがないにも拘わらず、光センサはトナー無しの信号を出力してしまう場合がある。このように、上記光センサによるトナー検知機構は、本来、上記トナー検知領域におけるトナーによる光路遮断によってトナー収容器内のトナーの有無を正しく検知する機構であるが、上記光出射側露出面や上記光入射側露出面へのトナー付着によって光路が遮断されてしまい、光センサで光量が正しく受光されず誤検知することがある。このため、該光出射側露出面や該光入射側露出面に付着したトナーを清掃する清掃部材を設けることが必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記清掃部材を上記トナー収容器の外部から駆動しようとすると、清掃部材の駆動機構が複雑になってしまう。特に、複数の現像器を有する現像装置の場合は、個々の現像器のトナー収容器について上記清掃部材を駆動する必要があり、非常に複雑な機構となる。よって、コスト高になるとともに、現像装置が大型化したり、上記清掃部材の設計が制限され効果的な設計が制限されてしまったりする。したがって、上記トナー収容器内のトナー検知領域に露出している上記光出射側露出面や上記光入射側露出面に付着したトナーを清掃する機能が低下してしまい、結果として、トナー検知の精度が劣化するおそれがあった。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、上記トナー収容器の外部からの駆動を必要としない機構で、高い精度でトナー検知を行うことができる現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、現像器に補給するトナーを収容する回動可能なトナー収容器と、該トナー収容器内のトナー検知領域に面した光透過可能な露出面を有し該露出面と該トナー収容器の外部との間で光を案内する光案内路を形成するトナー検知用光学部材と、該トナー検知用光学部材に向けて光を発するとともに該トナー検知用光学部材から戻ってきた光を受けることで該トナー収容器内のトナーを検知する光センサと、該トナー検知用光学部材の露出面を清掃するための清掃部、及び、該トナー収容器の回動に応じて該清掃部が該露出面に当接した状態で該露出面に沿って移動するように該清掃部を支持する支持部を有する清掃部材とを備え、該清掃部材が、該支持部の端部を支点として、該トナー検知領域を通過する光の光路を妨げる姿勢と妨げない姿勢をとるように、所定の動作角をもって回転動作するように構成された現像装置において、上記トナー検知用光学部材として、上記トナー検知領域を間に挟んで対向する光入射側露出面及び光出射側露出面をそれぞれ有する一対の光学部材を用い、上記清掃部材の清掃部が該トナー検知用光学部材の光入射側露出面と光出射側露出面との間でU字形に撓んだ状態で該光入射側露出面及び該光出射側露出面に対して弾性的に常時当接するように構成し、該清掃部の回転動作円周方向の長さ寸法が外周から内周に向かって小さくなるように形成されていることを特徴とするものである。
この現像装置においては、上記トナー収容器の回動にともなって、上記清掃部材の清掃部が上記トナー検知用光学部材の露出面に当接した状態で該露出面に沿って移動することにより、該清掃部が該露出面に付着したトナーを除去する。このとき、該清掃部と該露出面とが常時当接しているため、トナー収容器の回動に応じて該露出面の清掃動作が確実に行われる。また、該清掃部が該露出面に弾性的に当接しているため、清掃時における該清掃部と該露出面との摺動抵抗が小さく、該清掃部材の清掃部が確実に移動できる。さらに、該トナー検知用光学部材の配置によって該露出面の位置に寸法誤差が発生したり、該清掃部の支持部のガタ等によって該清掃部に該露出面と離れる方向の力が働いたりしても、該清掃部と該露出面とが弾性的に常時当接しているため、清掃性への影響が小さい。
また、この現像装置においては、上記清掃部材の清掃部が上記トナー検知用光学部材の光入射側露出面と光出射側露出面との間でU字形に撓んだ状態で該両露出面に当接し、上記光入射側露出面と上記光出射側露出面との間の上記清掃部の幅寸法を、対向する該光入射側露出面と該光出射側露出面との間隔に合わせて調整することができるため、トナー収容器の回動に応じて該露出面の清掃動作が確実に行われる。
更に、この現像装置においては、上記トナー収容器が上記光センサにより該トナー収容器内のトナーを検知可能なトナー検知位置にあるときに、上記清掃部材の清掃部が所定の動作角をもって回転動作し、該清掃部材が上記トナー検知領域を通過する光の光路を妨げない姿勢をとる。このとき、上記清掃部の回転動作円周方向の長さ寸法が外周から内周に向かって小さくなるように形成されているため、該清掃部の長さ寸法が外周と内周とで同等に形成されている場合に比べ、該動作角が小さくてすむ。つまり、清掃部材は該清掃部の長さ寸法を外周から内周に向かって小さくすることにより、より小さな動作角で該トナー検知用光学部材の両露出面間の光案内路を確保することができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記清掃部材の清掃部が単一のウレタンシートから構成されることを特徴とするものである。
【0017】
この現像装置においては、上記清掃部材の清掃部に単一のウレタンシートを用いることにより、該清掃部が露出面に対して弾性的に常時当接可能である。
【0018】
請求項3の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、上記現像手段として、請求項1又は2の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
【0019】
この画像形成装置においては、上記現像装置によって、トナー検知を確実にしながら画像形成を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、本実施形態に係るカラープリンタの全体の構成について説明する。
図1は本実施形態のカラープリンタ全体の概略構成を示す断面図である。このカラープリンタには、像担持体としての可撓性のベルト状感光体(以下、感光体ベルトという)1が、回動ローラ2、3間に張架された状態で設けられている。感光体ベルト1は、この回動ローラ2、3の回転駆動により、図中矢印A方向(時計周り方向)に回転する。上記感光体ベルト1の周囲には、感光体ベルト1の表面を均一に帯電する帯電手段としての帯電チャージャ4と、該感光体ベルト1表面に静電潜像を形成する露光手段としてのレーザー書き込み系ユニット(以下、書き込みユニットという)5と、感光体ベルト1上の静電潜像を現像してトナー像を形成する回転型現像装置としてのリボルバ現像装置6と、感光体ベルト1の表面をクリーニングするクリーニング手段としての感光体ベルト用クリーニングユニット7等が設けられている。上記感光体ベルト用クリーニングユニット7は、上記感光体ベルト1表面に常時接触して該表面の一次転写残トナーを掻き取るクリーニングブレード7aと、該クリーニングブレード7aによって掻き取った廃棄トナーを回収する廃棄トナー回収容器7b等を備えている。
【0021】
また、感光体ベルト1の図中右側方には、該感光体ベルト1に接触するように、中間転写体としての中間転写ベルト10が配置されている。この中間転写ベルト10は、回動ローラ11、12の間に張架されており、これら回動ローラ11,12の駆動により、図中矢印B方向(反時計周り方向)に回転する。図1において、中間転写ベルト10は、左上方に傾斜した状態で配置されており、その左下側の展張部分が上記回動ローラ3に捲き付いた感光体ベルト1の部分に接触している。この接触部分で、感光体ベルト1上に形成されたトナー像が、中間転写ベルト10の内側に設けられた一次転写手段としてのバイアスローラ13に転写バイアスが印加されることによって、該中間転写ベルト10上に一次転写される。このバイアスローラ13は、中間転写ベルト10の裏面に所定の条件で接触している。上記回動ローラ11、12のうち、鉛直方向上側に位置する回動ローラ11に巻き付いた中間転写ベルト10の部分には、該中間転写ベルト10に対して接離可能な二次転写部材としての二次転写ローラ14と、該中間転写ベルト10表面に残留した二次転写残トナーをクリーニングする中間転写ベルト用クリーニングユニット15とが設けられている。
【0022】
上記二次転写ローラ14は、通常は中間転写ベルト10から離れているが、中間転写ベルト10上に形成された4色重ねのトナー像が転写紙Pに一括転写されるタイミングを見計らって転写紙Pを中間転写ベルト10に押圧する。そして、その二次転写ローラ14に所定の転写バイアスが印加されることによって、中間転写ベルト10上に形成されたトナー画像が転写紙P上に二次転写される。上記中間転写ベルト用クリーニングユニット15は、上記中間転写ベルト10の表面に当接し、該表面の二次転写残トナーを掻き取るクリーニングブレード15aを備えている。このクリーニングブレード15aは、接離機構としての図示しないソレノイドにより、画像形成中には中間転写ベルト10の表面から離間した位置に保たれ、二次転写後のクリーニング時のみ、図示のように中間転写ベルト10の表面に当接するように構成されている。また、上記回動ローラ11の上方には、二次転写終了後に該転写紙P上のトナー画像を定着する定着装置16と、該定着装置16を通過した転写紙Pを排紙する排紙ローラ対17a、17bと、排紙された転写紙をスタックする排紙スタック部18等が設けられている。
【0023】
なお、上記感光体ベルト1、上記帯電チャージャ4、上記中間転写ベルト10、及び上記中間転者ベルトベルト用クリーニングユニット15等は、プロセスカートリッジ19として一体に組み込まれ、このプロセスカートリッジ19はカラープリンタ本体に着脱可能に構成されている。プロセスカートリッジ19のカートリッジ外装部分は、転写紙搬送ガイドとしての機能も備えている。また、上記廃棄トナー回収容器7bは、プロセスカートリッジ19に対して交換可能に組み込まれている。
【0024】
次に、このプリンタの画像形成動作について説明する。
図1において、感光体ベルト1の表面は帯電チャージャ4により一様に帯電された後、書き込みユニット5により、画像情報に基づいて走査露光されて静電潜像を担持する。この画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。また、上記走査露光は、これら画像情報に基づいて図示しない半導体レーザーから発射されたレーザービームLが、光学装置により走査及び光路調整されたものである。
【0025】
感光体ベルト1の表面に担持された単色の上記静電潜像は、リボルバ現像装置6によりイエロー、シアン、マゼンタ又は黒トナーで単色現像され、感光体ベルト1上にそれぞれ所定の色画像が順次形成される。感光体ベルト1上に形成された各色のトナー画像は、感光体ベルト1の回転と同期して回転する中間転写ベルト10上に、イエロー、シアン、マゼンダ、及び黒の単色毎に、上記バイアスローラ13に印加された所定の転写バイアスにより順次重ね合わせて転写される。
【0026】
中間転写ベルト10上の重ね合わせて転写されたトナー像は、給紙カセット20から給紙ローラ21、搬送ローラ対22a、22b、レジストローラ対23a、23bを経て、二次転写領域へ搬送された転写紙P上に二次転写ローラ14により一括転写される。転写終了後、転写紙Pは、定着装置16により定着されて、フルカラー画像が完成し、排紙ローラ対17a、17bを経て排紙スタック部18にプリント画像を排出する。
【0027】
一次転写後の感光体ベルト1の表面は、上記クリーニングブレード7aにより残留トナーがクリーニングされる。二次転写後の中間転写ベルト10の表面は、図示しないソレノイドによって該ベルト表面に当接される上記クリーニングブレード15aにより残留トナーがクリーニングされる。
【0028】
次に、上記リボルバ現像装置6について詳述する。図2(a)は本実施形態に係る現像装置を示す斜視図である。図2(b)は同現像装置の回動支持体を示す斜視図である。図2(c)は同現像装置の1組の現像器及びトナー収容器としてのトナーホッパを示す斜視図である。
リボルバ現像装置6は、図2に示すように、4つのイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びブラック(B)の各トナーの現像を行う現像器8Y、8C、8M、8Bが、回転支持体30の回転軸30a周りに着脱自在に取り付けられる、外周がほぼ円筒状の現像器ユニット31と、これら現像器8Y、8C、8M、8Bに一対一で対応し、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びブラック(B)の各トナーを収容したトナーホッパ40Y、40C、40M、40Bが該現像器ユニット31と同軸上になるように取り付けられて一体に回転する、外周がほぼ円筒状のトナー収容器ユニット41とを備えている。
【0029】
現像器8Y、8C、8M、8Bとトナーホッパ40Y、40C、40M、40Bとはそれぞれ連通しており、トナーホッパ40Y、40C、40M、40Bから現像器8Y、8C、8M、8Bにトナーがそれぞれ供給されるようになっている。各現像器8Y、8C、8M、8B内には、図1及び図2に示すように、現像剤担持体としての現像ローラ9aY、9aC、9aM、9aB、該現像ローラ9aに現像剤を供給する現像剤供給部材としての供給ローラ9bY、9bC、9bM、9bB、該現像ローラ9a上のトナー層を均一かつ所定厚みに形成する規制部材としてのブレードとがそれぞれ備えられている。上記回動支持体30は、図2に示すように、回動軸30aに一対の現像器用支持板30bと一対のトナーホッパ用支持板30cとがそれぞれ直交するように固定されており、現像器用支持板30bの端部に円盤状の側板部30dが、現像器用支持板30bとトナーホッパ用支持板30cとの間に円盤状の側板部30eがそれぞれ固定されている。そして、この回転支持体30は、図示しないモータにより回転制御され、所定のタイミングで所定の現像器を感光体ベルト1と対向する現像位置に移動させる。図1は、イエロー現像器8Yが現像位置にある状態を示している。これにより、リボルバ現像装置6は、感光体ベルト1表面に形成されたイエロー、シアン、マゼンタ、黒の潜像を現像する。
【0030】
次に、上記トナーホッパ40Y、40C、40M、40Bの構成を説明する。なお、トナーホッパ40Y、40C、40M、40Bは同様の構成を有しているので、以下では、各部材の符号に添え字Yを付し、イエロー(Y)のトナーを用いるトナーホッパ40Yについて説明する。
【0031】
図3(a)は、トナーホッパ内にトナーが入っていない場合のトナー検知の説明図であり、図3(b)は、トナーホッパ内にトナーが入っている場合のトナー検知の説明図である。
トナーホッパ40Yがトナー検知位置にあるとき、該トナーホッパ40Yの底部中央のトナー検知領域に対向する位置には、トナーホッパ40内のトナーを検知する光センサとしてのトナーエンドセンサ50が取り付けられている。このトナーエンドセンサ50は、装置本体側に取り付けられ、光を発光する発光部(例えば赤外LED)51と、この光を受光する受光部(例えばリモコン用受光素子)52とを有する。
トナーホッパ40Yの底部中央には、一対のトナー検知用光学部材として、トナーエンドセンサ50の発光部51側に位置する反射偏光板53Yと、トナーエンドセンサ50の受光部52側に位置する反射偏光板54Yとが対向して設けられている。これらの反射偏光板53Y及び反射偏光板54Yは四角柱状で、トナーエンドセンサ50の発光部51側でトナー検知領域に面した光透過可能な光入射側露出面(以下「発光側露出面」という)55Y、トナーエンドセンサ50の受光部52側でトナー検知領域に面した光透過可能な光出射側露出面(以下「受光側露出面」という)56Yと、これら発光側露出面55Y及び受光側露出面56Yに対して45度の傾斜角を有し、光を反射する反射面57Y及び反射面58Yとをそれぞれ有している。なお、これらの発光側露出面55Yと発光側露出面56Yとの間のトナーホッパ40Y内の光伝搬路がトナー検知領域を構成している。
【0032】
上記構成で、トナーホッパ40Y内にトナーTが入っていない場合、図3(a)に示すように、トナーエンドセンサ50が発光部51から光を発光すると、発光された光が反射偏光板53Yに入射する。反射偏光板53Yに入った光は反射面57Yで反射され、発光側露出面55Yから出射する。出射した光はトナーTで遮光されず、受光側露出面56Yに入射する。反射偏光板54Yに入った光は、反射面58Yで反射して反射偏光板54Yから出射する。出射した光が受光部52に到達すると、トナーエンドセンサ50は受光信号を図示しない制御部に送信する。該制御部ではトナーエンドセンサ50からの受光信号に基づいてトナーホッパ40Y内にトナーTがないと判断する。
また、トナーホッパ40Y内にトナーTが入っている場合、図3(b)に示すように、トナーエンドセンサ50が発光部20から光を発光すると、発光された光が反射偏光板53Yに入射する。反射偏光板53Yに入った光は反射面57Yで反射され、発光側露出面55Yから出射する。出射した光はトナーTで遮光される。このため、受光部52では所定量の光を受光できず、トナーエンドセンサ50は所定の受光信号を上記制御部に送信しない。よって、該制御部ではトナーホッパ40Y内にトナーTがあると判断する。
【0033】
ところで、上記トナー検知用光学部材としての反射偏光板53Y、54Yの近傍には、該反射偏光板53Yの発光側露出面55Yと、反射偏光板54Yの受光側露出面56Yとに付着したトナーを清掃する清掃部材60Yが設けられている。図4は、トナーホッパの内部及びトナーエンドセンサを正面からみた概略構成図である。トナーホッパ40Yは、図2(c)及び図4に示すように、回動軸30aの軸方向に所定幅を有する周壁42Yと、正面視で円弧状の外周を有する一対の前後側壁43Yと、V字状の底壁44Yとから構成されている。図4に示すように、トナーホッパ40Yの周壁42Yの底部中央には、上記反射偏光板53Y、54Yと、該反射偏光板53Y、54Yの両露出面55Y、56Yとを清掃する清掃部材60Yとが配設されている。
【0034】
図5(a)は、上記清掃部材が反射偏光板の露出面を清掃する様子を説明する正面図である。図5(b)は、トナー検知位置にあるトナーホッパ内の清掃部材の様子を説明する正面図である。図6は、上記清掃部材の概略構成を示す側面図である。
上記清掃部材60Yは、反射偏光板53Y、54Yの露出面55Y、56Yを清掃する清掃部としてのスクレーパ61Yと、該スクレーパ61Yを支持して揺動する支持部としてのスクレーパ支持部62Yとにより構成されている。上記スクレーパ61Yは、弾性材料、例えば単一のウレタンシートにより構成され、その中央部がスクレーパ支持部62Yに設けられた溝62aYに嵌着され、反射偏光板53Yの発光側露出面55Yと反射偏光板54Yの受光側露出面56Yとの間でU字形に撓んだ状態で、該両露出面55Y、56Yに対して弾性的に常時当接可能なように形成されている。
【0035】
このように形成される清掃部材60Yは、トナーホッパ40Yの周壁42Yに突設された清掃部材用支持部45Yに軸装された支軸63Yを支点として、回転動作する。後述するように、清掃部材60Yは、トナーホッパ40Yの回動に応じてスクレーパ支持部62Yの自由端に取り付けられたおもり64が重力によって移動することによって、スクレーパ支持部62Yが支軸63Yを支点として図中矢印で示すように回転動作し、スクレーパ61Yが上記両露出面55Y、56Yに接触した状態で該露出面55Y、56Yに沿って揺動する。なお、このスクレーパ支持部62Yには、スクレーパ61Yが発光側露出面55Yと受光側露出面56Yとの間から外れないように、スクレーパ支持部62Yの回転動作角を規制する規制手段としての突起部65Yが設けられている。この突起部65Yは、スクレーパ支持部62Yが図中右回りに回動しようとすると、トナーホッパ40Yの周壁42Yの内面に当接し、スクレーパ61Yが発光側露出面55Yと受光側露出面56Yとの間から外れないように、スクレーパ支持部62Yの回転動作角を規制している。
【0036】
図7は、スクレーパの撓み角を説明する説明図である。図7に示すように、上記スクレーパ61Yは、上記スクレーパ支持部62Yの溝62aYに嵌着された中央部61aYと両先端部61bY、61cYとを結ぶ線と、該中央部61aYを通る水平線との間の角を撓み角θ1、θ2とすると、この撓み角(θ1+θ2)が90〜180度となるように撓められている。この撓み角が90度より小さくなると、清掃時におけるスクレーパ61Yと発光側露出面55Y及び受光側露出面56Yとの摺動抵抗が大きくなり、スクレーパ61Yと発光側露出面55Y及び受光側露出面56Yとの抵抗により動作不良が発生しやすくなる。
【0037】
以下、トナー収容器ユニット41を回動させたとき、反射偏光板53Y、54Yの両露出面55Y、56Yを清掃する清掃部材60Yの動作について図8に基づき説明する。なお、トナーホッパ40Yが回動され、現像位置、トナー検知位置、現像待機前位置及び現像待機位置をそれぞれとった場合について説明することにする。
トナーホッパ40Yが現像待機前位置(図8で左位置)にあるとき、スクレーパ支持部62Yは、重力により支軸63Yの下方に位置し、周壁51Yに押圧されている。トナーホッパ40Yが現像待機前位置から現像待機位置(図8で上位置)に回動されると、トナーホッパ40Y内のトナーはV字状底壁54Yに移動する。そして、スクレーパ支持部62Yは、重力によりおもり64Yが支軸63Yの垂直下方に位置し、支軸63Yで釣支された状態となる。この際、スクレーパ61Yが発光側露出面55Y及び受光側露出面56Yを摺動しながら、露出面55Y及び受光側露出面56Yに付着したトナーを払い除ける。
【0038】
次に、トナーホッパ40Yが現像待機位置から現像位置に回動する。トナーホッパ40Yが現像位置にくると、スクレーパ支持部62Yは水平状態となる。この時、スクレーパ61Yは、現像待機前位置と同様の位置にあり、その全面が該両露出面55Y、56Yに当接した状態にある。
さらに、トナーホッパ40Yが現像位置からトナー検知位置に回動された際、スクレーパ支持部62Yは図中時計方向に回転して、突起部65Yが周壁42Yに当接した状態で止まる。スクレーパ61Yは、両露出面55Y、56Yから退避した位置まで移動した状態にあり、スクレーパ61Y自体が反射偏光板53Yの発光側露出面55Yと反射偏光板54Yの受光側露出面56Yとの間で光路を遮断することがないようになっている。この際、スクレーパ61Yは、発光側露出面55Y及び受光側露出面56Yを摺動しながら、該両露出面55Y、56Yから退避した位置まで移動する。これによって、スクレーパ61Yは発光側露出面120Yと受光側露出面110Yとに付着したトナーを払い除けて清掃する。
【0039】
そして、スクレーパ61Yが該両露出面55Y、56Yから退避した状態で、トナーエンドセンサ50の発光部51から発光された光は、反射偏光板53Yに入射する。反射偏光板53Yに入った光は反射面57Yで反射され、発光側露出面55Yから出射する。この発光側露出面55Yに付着したトナーはスクレーパ61Yで払い除けられており、光が該トナーによって妨げられることはない。また、この光が該トナーによって遮断されず、受光側露出面56Yに到達した場合も、この受光側露出面56Yに付着したトナーもまたスクレーパ61Yで払い除けられており、光の受光側露出面56Yへの入射が妨げられることがない。
このように、トナーホッパ40Yが現像位置からトナーエンド検知位置に回動する際、スクレーパ61Yは発光側露出面55Y及び受光側露出面56Yに付着したトナーを払い除けて清掃する。これにより、トナーエンドセンサ50によるトナーホッパ40Y内のトナーの有無検知が正しく行われる。
【0040】
以上、上述したように、本実施形態においては、清掃部材60Yのスクレーパ61Yが、反射偏光板53Yの発光側露出面55Yと反射偏光板54Yの受光側露出面56Yとの間でU字形に撓んだ状態で、該両露出面55Y、56Yに当接しているため、発光側露出面55Yと受光側露出面56Yとの間のスクレーパ61Yの幅寸法を、対向する該発光側露出面55Yと受光側露出面56Yとの間隔に合わせて調整することができるため、スクレーパ61Yと該露出面55Y、56Yとが常時当接可能な状態にあり、両露出面55Y、56Yの清掃動作が確実に行われる。また、同様の理由により、清掃時におけるスクレーパ61Yと該両露出面55Y、56Yとの摺動抵抗が小さくてすむため、スクレーパ61Yが確実に移動できる。さらに、反射偏光板53Yと反射偏光板54Yとの配置によって、発光側露出面55Yとの受光側露出面56Yとの間の幅寸法に寸法誤差が発生した場合にも、スクレーパ61Yの撓みにより、これが吸収されるためスクレーパ61Yと該露出面55Y、56Yとが常時当接可能な状態にあり、清掃性への影響が小さい。スクレーパ支持部62Yが支軸63Yの軸方向のガタによって片側に寄り、スクレーパ61Yの中心位置が発光側露出面55Y又は受光側露出面56Y側に寄った場合にも、スクレーパ61Yの撓みによりこれが吸収されるため、清掃性への影響が小さい。
【0041】
なお、上述した実施形態の現像装置において、清掃部としての上記スクレーパ61の形状は正面視で長方形状だが、スクレーパの形状はこれに限定されるものではない。
図9は、変形例に係るスクレーパの概略構成を示す正面図である。以下、同一部材には、同一符号を付しその説明を省略する。例えば、図9に示すように、清掃部材70Yのスクレーパ71Yは、回転動作円周方向の長さ寸法を外周から内周に向かって小さくなるように形成し、正面視で台形になるように形成されている。これにより、反射偏光板53Yの発光側露出面55Yと反射偏光板54Yの受光側露出面56Yとの間の光案内路を確保するために、スクレーパ71Yが該両露出面55Y、56Yから退避するように清掃部材70Yが回転動作する動作角が、具体的にはトナーホッパ40Yが現像位置からトナー検知位置に移動する際に清掃部材70Yが回転動作する回転動作角が、図5(b)に示すようにスクレーパ61Yの長さ寸法が外周と内周とで同等に形成されている場合に比べ小さくてすむ。つまり、清掃部材70Yは、スクレーパ71Yの長さ寸法を外周から内周に向かって小さくすることにより、より小さな動作角で反射偏光板53Y、54Yの両露出面55Y、56Y間の光案内路を確保することができる。また、スクレーパ71Yの外周側程、スクレーパ71Yと両露出面55Y、56Yとの摺動抵抗が大きくなりやすいが、上述したように、スクレーパ71Yの長さ寸法を外周から内周に向かって小さくすることにより、スクレーパ71Yの外周側で両露出面55Y、56Yとスクレーパ71Yとの当接圧が小さくなるため(当接圧は発光側露出面55Yと受光側露出面56Yとの間のスクレーパ71Yの幅寸法が大きくなるほど小さくなるため)、スクレーパ71Yと両露出面55Y、56Yとの摺動抵抗を均一にすることができる。なお、スクレーパ71の内周側の長さ寸法は、両露出面55Y、56Yのトナー検出領域に面した領域を清掃するのに、十分な長さ寸法を有していることは言うまでもない。
【0042】
また、本実施形態では、スクレーパ61Yが反射偏光板53Yの発光側露出面55Yと反射偏光板54Yの受光側露出面56Yとの間でU字形に撓んだ状態で、該両露出面55Y、56Yに当接している形態について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、スクレーパは、反射偏光板53Yの発光側露出面55Yと反射偏光板54Yの受光側露出面56Yとの間で楕円形状、すなわちU字形の開口部を閉じた形状で撓んだ状態で該両露出面55Y、56Yに当接するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
請求項1乃至3の発明によれば、トナー収容器の外部からの駆動を必要としない機構で、トナー検知用光学部材の露出面に付着したトナーを清掃部材の清掃部で清掃して除去することができる。この際、該清掃部が該露出面に弾性的に常時当接しているため、かつ該清掃部と該露出面との摺動抵抗が小さいため、該清掃部が該露出面に沿って確実に移動でき、該清掃部によって該露出面の清掃動作が確実に行われる。また、該トナー検知用光学部材の配置によって該露出面の位置に寸法誤差が発生したり、該清掃部に該露出面と離れる方向の力が働いたりしても、清掃性への影響が小さい。したがって、上記露出面の上記清掃部による清掃が確実なものとなり、光センサの光が上記露出面に付着したトナーによって遮断されることを確実に防止し、高い精度でトナー検知を行うことができるという優れた効果がある。
また、請求項1乃至3の発明によれば、清掃部材の回転動作方向の清掃部の長さ寸法が外周から内周に向かって小さくなるように形成されているので、より小さな動作角でトナー検知用光学部材の両露出面間の光案内路を確保することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す断面図。
【図2】(a)は本発明の実施形態に係る現像装置を示す斜視図。
(b)は同現像装置の回動支持体を示す斜視図。
(c)は同現像装置の1組の現像器及びトナー収容器としてのトナーホッパを示す斜視図。
【図3】(a)は同トナーホッパ内にトナーが入っていない場合のトナーエンドセンサによるトナー検知の説明図。
(b)は同トナーホッパ内にトナーが入っている場合のトナーエンドセンサによるトナー検知の説明図。
【図4】同現像装置のトナーホッパの内部及びトナーエンドセンサを正面からみた概略構成図。
【図5】(a)は、清掃部材が反射偏光板の露出面を清掃する様子を説明する正面図。
(b)は、トナー検知位置にあるトナーホッパ内の清掃部材の様子を説明する正面図。
【図6】清掃部材の概略構成を示す側面図。
【図7】スクレーパの撓み角を説明する説明図。
【図8】トナーホッパの回動にともなって清掃部材が露出面露出面を清掃する動作を説明する概略構成図。
【図9】変形例に係る清掃部材の概略構成を示す正面図。
【符号の説明】
6 リボルバ現像装置
8 現像器
40 トナーホッパ
50 トナーエンドセンサ
51 発光部
52 受光部
53、54 反射偏光板
55 発光側露出面
56 受光側露光面
60 清掃部材
61 スクレーパ
62 スクレーパ支持部
63 支軸
64 おもり
Claims (3)
- 現像器に補給するトナーを収容する回動可能なトナー収容器と、
該トナー収容器内のトナー検知領域に面した光透過可能な露出面を有し該露出面と該トナー収容器の外部との間で光を案内する光案内路を形成するトナー検知用光学部材と、
該トナー検知用光学部材に向けて光を発するとともに該トナー検知用光学部材から戻ってきた光を受けることで該トナー収容器内のトナーを検知する光センサと、
該トナー検知用光学部材の露出面を清掃するための清掃部、及び、該トナー収容器の回動に応じて該清掃部が該露出面に当接した状態で該露出面に沿って移動するように該清掃部を支持する支持部を有する清掃部材とを備え、
該清掃部材が、該支持部の端部を支点として、該トナー検知領域を通過する光の光路を妨げる姿勢と妨げない姿勢をとるように、所定の動作角をもって回転動作するように構成された現像装置において、
上記トナー検知用光学部材として、上記トナー検知領域を間に挟んで対向する光入射側露出面及び光出射側露出面をそれぞれ有する一対の光学部材を用い、
上記清掃部材の清掃部が該トナー検知用光学部材の光入射側露出面と光出射側露出面との間でU字形に撓んだ状態で該光入射側露出面及び該光出射側露出面に対して弾性的に常時当接するように構成し、
該清掃部の回転動作円周方向の長さ寸法が外周から内周に向かって小さくなるように形成されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記清掃部材の清掃部が単一のウレタンシートから構成されることを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
上記現像手段として、請求項1又は2の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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