JP3984631B2 - 環境的観点よりコロナ放電の発生を抑止する電力系統システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統システム並びに電力系統運用方法に関するものであり、環境的観点よりコロナ放電の発生を抑止し、人体に有害な紫外線の放出を防止する電力系統システム、並びにそのシステムに使用されるコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、当該プログラムを格納したサーバ及び電力系統運用方法を提供することを目的とする。
図8は、大規模な電力系統システムの基本構成図である。図8に示すように、大規模な電力系統システムは、基本的には電力の発生、輸送と分配機能を持つ設備から構成される。すなわち、電力系統システムは発電所と送電線・変電所・配電線等から成る流通設備を主構成要素として、それに正常な運転状態を維持するための神経系統に相当する給電・通信装置、保護・制御装置などを備えている。
図8に示すように、電力系統システムは発電所G1、G2、・・・、Gn、電源系統の送電線H1、H2、・・・、Hk、変電所T1、T2、・・・、Tm,連係系統の送電線C1、C2、・・・、Cj、配電系統への送電線D1、D2、・・・、Dh、配電系統U1、U2、・・・、Uaを主要構成要素とする。発電所G1、G2、・・・、Gnは原子力発電所、水力発電所、火力発電所等で構成される。これらの発電所は立地難のため需要地である大都市から遠くなれたところに建設される。発電された電力は送電損失を少なくするため高電圧(500KV,275KV,220KV,187KV等)に変電され電源系統の送電線H1、H2、・・・、Hkによって大都市近郊まで送電される。大都市近郊まで送電された電力は変電所T1、T2、・・・、Tm,連係系統の送電線C1、C2、・・・、Cj、により一体的に連係される。各地域の需給の不均衡を解消するとともに、系統内の各種電源と統合して経済的に安定した電力を供給するためである。一体化された電力は変電所T1、T2、・・・、Tm,を経て低い電圧に変電されて(154KV〜22KV)配電系統への送電線D1、D2、・・・、Dhにて配電系統U1、U2、・・・、Uaに送電され各需要家に供給される。
電力系統システムについては永年研究がなされ、安定した電力の供給がなされて、今日の文明社会の重要な基盤となっている。高電圧で電力を送配電する場合に発生するコロナ放電についても研究がなされ、実用化されている送配電システムではコロナ放電の発生は通常の気象条件では発生しないよう配慮されている。
しかし、従来からの電力系統システムにおけるコロナ放電に関しての研究は主にコロナ損失、コロナ雑音、コロナ騒音、機器の損傷に関するものであり、人体に及ぼす影響についての研究はなされていなかった。ところが、1979年ワートハイマーとリーパーは小児白血病と家までの配電線指標との関連を報告した。それ以来この重大な結果を追跡するため、多くの研究が実施された。1996年米国国立科学アカデミーによるこれらの報告をまとめて分析した結果、電力線近くの住民では、小児白血病のリスクが上昇することが判明した。
この現象について、超低周波(300HZ以下の周波数)電磁界が原因であるとの説がいつの間にか主流となった。このためその後の議論は(発明者が調査した限りではヨーロッパの中世における魔女狩りのように)超低周波電磁界が原因である否かを中心に議論がされている。1996年に世界保健機関(WHO)は、電磁界の暴露に伴う健康問題に取り組むために、国際電磁界(EMF)プロジェクトを立ち上げた。国際電磁界プロジェクトは現在も、超低周波電磁界暴露の研究結果の再評価とリスク評価を行っている。
WHOのがん研究の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、WHOの健康リスク評価プロセスの第一段階として2001年6月に超低周波電磁界について、人へのがんを引き起こすかどうかという証拠の強さに基づいて分類した。その結果、人、動物及び実験的な証拠に重み付けして評価する標準的なIARCの分類基準を用いて評価したところ、超低周波磁界は、小児白血病に関する疫学研究結果に基づき、人に対して発がん性がある可能性があると分類された。WHO資料NO.263によると、疫学研究に関するプール分析の結果、平均磁界暴露が0.3から0.4μT(マイクロテスラ)を超える住民では、それ以下の暴露下にある住民に対して子供の白血病の発生が2倍になるかもしれないことを示唆していると記載されている。なお、多くのデータベースにもかかわらず、小児白血病の発生増を説明し得るものが磁界暴露なのかあるいは他の何らかの因子なのかについて、いくつかの不確実性が残っているとも記されている。
日本においても、家庭内での磁界と小児白血病及び脳腫瘍との関係を明らかとするために大規模な疫学調査が文部科学省の予算で国立環境研究所主導により行われ、2003年6月に総合報告が行われた。報告によると、小児白血病の症例で大部分を占める、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)の初症例(年齢15歳未満)について調査された。
調査結果、以下のような点が示されたと報告されている。
(1)「寝室の磁界レベル」の小児白血病(ALL+AML)に対するリスクは0.4μT付近までは上昇傾向はみられず、0.4μT以上でのみ上昇する傾向を示し、調整オッズ比は2.63(95%信頼区間:0.77−8.96)であった。なお、小児白血病をALLとAMLに分けて同様な解析を行うと、ALLのみが0.4μT以上でより大きなリスク上昇を示し、調整オッズ比は4.73(95%信頼区間:1.14−19.7)で有意であった。
(2)高圧送電線の距離が50m以内の小児白血病に対するリスクは、100m以上を基準とした場合には、有意な上昇を示した。すなわち、小児白血病のリスクに関する調整オッズ比は、住居から最寄の送電線までの距離が100m超を参照カテゴリーとすると、50から100m及び50m未満のカテゴリーで、それぞれ1.56(95%信頼区間:0.87−2.91)と3.26(95%信頼区間:1.39−7.54)であった。同様に、ALLのみでは、それぞれ1.36(95%信頼区間:0.70−2.65)と3.68(95%信頼区間:1.47−9.21)であったことから、高圧送電線近傍でのリスク上昇が示唆される。
一方、これに前後して行われた動物・細胞を対象にした実験研究からは磁界と生物学的な作用変化との関連が認められないため、電磁界暴露が健康にリスクをもたらす科学的証拠は弱いと米国国立健康科学研究所では結論付けている。又日本における動物実験でも、超低周波磁界をかけた場合に小児白血病に対応する現象は見られていない。したがって、他の要因があるのではないかとの意見が見られるようになった。
これらの問題について、発明者は0.4μTの超低周波磁界の電磁力が電極分子に及ぼす影響について電磁気学の理論により試算した。その結果電磁力は非常に弱い力であり分子生物学でいわれるDNAを切断するには至らないのではないかと考えた。又、0.4μTの超低周波磁界により発生するジュール熱も非常に小さい値であり生体に影響を及ぼすとは考えにくいことに気がついた。また、0.4μT程度の超低周波磁界は家庭電化機器よりも発生する。
この点についてシンポジュウムで議論になったとき、「高圧送電線からでる磁界と通常の家庭電化機器から発生する磁界とは異なる、知らないのか。」と医療の専門家から堂々と述べられた。このような医療の専門家が言う考え方は現代の物理学(電磁気学、量子力学、素粒子論)、物理化学の理論では説明できず、大変疑問に感じた。そこで、発明者が関連分野を調査したところ、下記のような事実が判明した。
(1)コロナ放電によって、紫外線が発生する。コロナ放電は電圧を上げるに従い、グローコロナ、ブラシコロナ、ホッスコロナと発達する。グローコロナ発生により、紫外線が発生する。昼間は太陽光の影響により発生していても目に見えないおそれがある。電子と窒素分子との衝突により、波長202.3nmに相当する共振電圧に励起されるか、波長80nmに相当する電離電圧の電離分子となる。したがって、フランクーコンドンの原理(Franck−Condon principle)よりこれらよりすこし長い波長の紫外線がそれぞれ発生すると考えられる。加速された電子の運動エネルギーが大きければ衝突によってエネルギー順位が高く励起されより波長の短い電磁波を放出する。
(2)非特許文献11によればグロー放電で315nm,337nm,357nm,391nm,427nmの紫外線が放出され、ストリーマコロナ放電により315nm,337nm,357nmの紫外線が放出される。また、82.6nmから124.2nmの紫外線が放出されるとの報告がある(非特許文献12)。
(3)コロナ放電により、オゾン、NOガス、NO2ガスも発生する。NOガスに起因して230nm,240nmの紫外線が放出されるとの報告も有る(非特許文献13)。又、窒素分子や酸素分子が電離し、電子が付着する。この際電子と電離した分子が送電線の導体に衝突すると、交流電圧の上に高周波が重なり、無線周波数の雑音源となる。気象環境、送電線に傷があったり水滴がついたりしてもコロナ放電の発生電圧は大きく変動する。
(4)従来問題とされてきたコロナ放電はラジオ、テレビで障害となるコロナ雑音がでるか、音として聞こえるコロナ騒音が出るか、さらにもっと高い電圧で発生するコロナ損失の場合が問題とされており、グローコロナの段階で紫外線が発生していることはあまり注目されなかった。
(5)また、コロナ放電は放電が開始することにより電界電圧が下がることに特徴があり長い時間持続する。したがって、近くにいる人は紫外線の照射を長時間受けるおそれが高い。一方、WHO資料205では、騒音、オゾン、コロナについても検討されている。しかし、コロナ放電により紫外線が発生するとの認識がないまま議論されたのではないかと考えられる。文面では「その騒音レベルやオゾン濃度では健康に影響を与えることはありません。」とのみ記載されている。コロナ放電から発生する紫外線に関してはなんら言及がない。もし、審議していないのであれば、この要因についても再度審議すべきあると考える。また、高圧送電線より送電中は超低周波磁界も発生するが、同時にコロナ放電が発生した時は有害な紫外線も発生する。
一方紫外線については、一時期は健康に良いような風評があり、あまり一般には問題視されていなかった。しかし、近年紫外線の健康に及ぼす影響が問題となり、皮膚、目、免疫系に影響を及ぼすことが指摘されている。特に子供は、紫外線の被曝により、これらのリスクが高いとされ、WHOより2001年7月にN−261として勧告が発行されている。ただし、どの程度の紫外線の被曝まで問題ないかとの見解は示されていない。
量子力学の理論で説明されるように、波長λの電磁波はhc/λのエネルギーを持つ。ここにhはプランク定数であり、cは光の速度である。紫外線は波長が短いので非常に大きなエネルギーを持ち、生体中のDNAを破壊するに足るエネルギーを持っている(非特許文献17)。
紫外線には波長が長い方からUV−A(400nmから315nm)、UV−B(315nmから280nm)、UV−C(280nmから100nm)がある。
太陽光からの紫外線は大気中の酸素、オゾンに吸収され、地表ではUV−Aと強度の弱くなったUV−Bしか観測されない。したがって、通常紫外線の健康への影響が報告されているのはUV−Aと一部地表に到達したUV−Bについてである。UV−Bの紫外線については有害であり、DNAを損傷し、免疫機能を低下させると報告されている。UV−Cについては殺菌用として使用されており、人体をUV−Cにさらすことは非常に危険である。上記のように、コロナ放電から発生する紫外線ではUV−B,UV−Cも含まれている。このうちUV−Bはオゾンにより吸収され、UV−Cはオゾン、酸素原子により吸収される。UV−Bは、コロナ放電の発生領域を離れると大気中の濃度が低いので、遠くまで到達する。一方、UV−Cは地表にかなりある酸素分子により急速に吸収される。しかし、それでも200から300mまで到達するとされる。したがって、コロナ放電の発生した送電線より近い住民は、コロナ放電は長時間続く場合があるので、放出された紫外線(特にUV−B,UV−C)を長時間被曝し、人体に重大な影響を及ぼすと考えられる。
分子生物学の観点から見た場合、紫外線UV−B,UV−Cにより人体のDNAは損傷されるが、通常はいくつもの修復系で修復される。しかし幼児ではこの修復が十分機能しない場合がある。又長時間浴びた場合は修復の限度を超える場合がある。さらに、紫外線は体内の免疫機能にも影響をあたえる。紫外線が免疫機能を低下させるメカニズムは次のように考えられる。皮膚の表皮には、「ランゲルハンス細胞」という手のひらを広げたような細胞がある。この細胞は異物が侵入した情報をキャッチし、リンパ節に移動してその情報をリンパ球に伝え、異物をやっつけてもらう仲介役のような役割をしている。しかし、ランゲルハンス細胞が紫外線によってダメージを受けると、異物の情報をキャッチできなくなるためリンパ球に情報が伝わらず、免疫機能が働かなくなる。
以上の調査より、従来あまり問題とされていなかったグローコロナの段階でも紫外線が発生する。又これらには人体に有害なUV−B,UV−Cの紫外線が含まれている。近くに住民が生活している場合は、有害な紫外線による被曝と同様な症状が出ることが予想される。また、紫外線はWHOの資料NO.263によっても「ヒトにたいして恐らく発がん性がある」と分類されている。
以上のように高圧送電線の近くで小児白血病のリスクが疫学の調査の結果認められることの主原因はコロナ放電による人体に有害な紫外線であると考える。したがって、グローコロナが発生した場合も状況によっては速やかに電圧を下げる等の対策によりコロナ放電の発生を止める必要がある。長年の電気技術者等の努力で築き上げた「電気は安全で便利なもの」との信頼を維持するためにも大切であると考える。
紫外線の発生を抑止する観点より、送配電系統中でコロナ放電を抑止する方法・技術は従来の文献等には見当たらない。従来はコロナ放電を抑止するのは主に電力機器の損傷防止、放送機器への電波障害の防止、コロナ損の抑止を目的とするものである。
特開平11−038078 特開平10−038957 電気学会「電気工学ハンドブック 第6版」 485〜486ページ、1005〜1023ページ、1225〜1226ページ。 電気学会「電離気体論」 28〜51ページ、103〜114ページ。 世界保健機関(WHO) 資料NO.263 電磁界と公衆衛生 超低周波とがん。 世界保健機関(WHO) 資料NO.205 電磁界と公衆衛生 超低周波(ELF)。 世界保健機関(WHO) 資料N−261 紫外線放射からの子供の保護。 国立環境研究所「生活環境中電磁界による小児の健康リスク評価に関する研究」兜 真徳 電力中央研究所「電力中研レビューNO.47」56ページ。 電力中央研究所「送電線のコロナ騒音」 T01 福島充男。 電力中央研究所「UHV交流送電線のコロナ特性」 T04 笹野他。 丸善株式会社「分子生物学」田沼誠一編81ページ。 室蘭工大「コロナ放電プラズマによる排ガス中ベンゼンの分解」 佐藤孝紀他 「Tables of vacuum ultraviolet emission band systems of molecular nitorogen from 82.6 to 124.2nm」J−Y.Roncin and F.Launay A&A Supplement series,Vol.128,march 1 1998,361−362 Texas Instruments「Use of Spectrograph−based OES for SiN Etch Selectivity and Endpoint Optimization」F.G.Celii and C.Huffman el.all 紫外線保健指導マニュアル、環境省ホームページ DHC出版「子どもと皮膚と太陽」市橋正光 http://www.intl−light.com「Light Measurement Handbook」Alex Ryer 東京化学同人「アトキンス物理化学(下)」P.W.ATKINS著、千原秀昭他訳
解決しようとする課題は、人体の健康上問題となる(例えば、小児白血病の原因となる)紫外線を発生するコロナ放電の発生をシステム的に抑止し、一方で電力供給を安定して行うことのできる電力系統システムを提供することである。コロナ放電開始電圧は気象状況、送電線を架線する際の傷の付き具合、風化の状況により変動する。このため、コロナ放電が一切発生しないようにシステム全体で低い電圧で送配電することは送電容量が著しく制限されるため経済的でない。
また、電力の送電線は非常に長距離におよぶので、全区域でコロナ放電の発生の有無を検出することは現実的に不可能である。従って、実現可能な方法により経済的かつ効果的にコロナ放電の発生を抑止することが望ましい。
本発明では、送電線ごとにコロナ放電開始に関連する項目のデータを事前に記憶手段に記憶しておき、一定時間ごとに気象予報のデータを地域ごとにコンピュータに入力し、コンピュータにより送電線ごとにコロナ放電開始予想電圧を演算する。コロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧以下の場合はあらかじめ記憶されている対策電圧をその送電線の設定送電電圧とする。すべての送電線について演算して設定送電電圧を決め、設定送電電圧を電力系統解析手段に入力し、電力系統解析手段は設定送電電圧を前提としてシステムの各機器の負担を解析する。解析した結果により各機器に具体的な対策を指令する。その結果、コロナ放電を発生することなく需要家に安定して電力を供給する。
本発明の別な解決方法では、人間の居住地、職場等などの近くの送電線でのコロナ放電の発生を検出する検出手段、検出結果を送信する送信手段を設ける。コロナ放電を検出した場合は検出結果を電力系統解析手段に送信する。電力系統解析手段は、コロナ放電が発生した送電線の電圧を下げるか送電を止める措置を取ることを前提として安定した電力を供給するための各機器、全送電線の負担を解析する。解析した結果を各機器に指令する。その結果人に対して有害な紫外線の発生を短い時間で止めるとともに電力の安定供給をすることが出来る。
本発明により、人間の健康に影響を及ぼす紫外線を長い時間にわたって発生するおそれのあるコロナ放電の発生を抑止することが出来る。
電力系統システムにおいて、各送電線の敷設地域における気温、気圧、天候等の気象データを入力する気象データ入力手段、各送電線のデータ、演算結果を記憶する記憶手段、各送電線のコロナ放電開始電圧を演算し各送電の設定送電電圧を決定する演算手段、各送電線の送電電圧を設定送電電圧に調整出来る装置、電力系統解析手段を備え、一定時間ごとに気象予報データを入力し、当該気象予報データにより各送電線のコロナ放電開始予想電圧を演算し、演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧以下であった場合はあらかじめ定めた低い対策電圧を設定送電電圧とし、演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧をこえていた場合は通常送電電圧を設定送電電圧とし、各送電線に設定された設定送電電圧を前提として、電力系統解析手段によりシステムに属する各機器の負担を計算し、解析結果により具体的に各機器に指令しコロナ放電が発生しないと予想される設定送電電圧で送電することにより経済的、効果的にコロナ放電の発生を抑止することが出来る。
コンピュータプログラムにおいて、各送電線の気温、気圧、天候等の気象データを入力する気象データ入力手段、各送電線のデータを記憶する記憶手段、各送電線のコロナ放電開始電圧を演算する演算手段、各送電の送電可能電圧を決定する決定手段、各送電線の送電可能電圧を出力する出力手段を備えた電子計算機において、気象データを入力するステップ、上記気象データにより各送電線のコロナ放電開始予想電圧を演算するステップ、演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧以下であった場合は低い対策電圧を設定送電可能電圧とするステップ、演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧をこえていた場合は通常送電電圧を設定送電電圧とするステップ、全送電線の設定送電電圧を出力または送信するステップを含むコンピュータプログラムを構成する。運用されている電力の総合自動化システムのなかで、本発明のコンピュータプログラムにより決定された全送電線でコロナ放電が発生しないと予想される設定送電電圧で送電することを条件とする運用により、経済的・効果的にコロナ放電の発生を抑止することが出来る。
又、電力系統システムにおいて、人間の居住地、職場等などの近くにコロナ放電発生検出手段を設け、検出結果を電力系統解析手段に送信し、コロナ放電の発生した回線の送電電圧を下げるか、送電を止めることによりコロナ放電を短時間で止め、電力系統内で送電経路を再計算して送電することにより安定した電力を供給することを特徴とする。コロナ放電検出手段は紫外線レベルの電磁波を検出する素子により構成する。当該素子を検出しようとする送電線からコロナ放電により発する紫外線を受光するように構成する。この場合昼間でもコロナ放電を検出するために、太陽により発生する紫外線と区別する必要がありより波長の短い紫外線(例えば、波長が100nmから315nm)のみを検出するようにソーラー・ブラインド・バキュウム・ホトダイオード(Solar−Blind Vacuum Photodiode)用いることが望ましい。
図1は本発明の実施の形態に係る電力系統システムのブロック図である。図2は、本発明の演算手段の処理の内容を表すフローチャート図である。図3は気象予報データの1例であり、図4は各送電線データの1例であり、図5は各送電線の設定送電電圧の1例である。
図1の実施例では、明細書の背景技術の所で説明した図8の電力系統システムの基本構成において、気象データ入力手段7、演算手段8、記憶手段9が追加された構成となる。さらに基本構成においても電力系統解析手段10、送電電圧調整手段11が後で説明する設定送電電圧で運用できるように変更されていることを要する。気象データ入力手段7は通信回線を介して図3に示すような気象予報データを演算手段8に入力する手段であり、市販のモデム(例えば日本電気製 Aterm IT21L)をパーソナルコンピュータに接続することにより実現することが出来る。演算手段8は図2に示す処理を行う装置であり、8ビット以上の中央演算機能を持つパーソナルコンピュータによって実現することが出来る。または、演算手段8はデジタルシグナルプロセッサーによっても実現できる。記憶手段9は各送電線のデータを記憶し、演算手段8によって演算された設定送電電圧を記憶する。記憶手段はハードデイスク装置または半導体記憶装置等にて実現することが出来る。または、パーソナルコンピュータに内蔵されている記憶装置を流用してもよい。電力系統解析手段10は電力系統の規模に対応して高速な計算機により構成されるが、上記のように設定送電電圧を前提としてシステム上の各機器の負担を決定して必要な指令または制御信号を出す。送電電圧調整手段11は設定送電電圧にて送電する機能を有し、停電せずにタップ切り替えの出来る負荷時電圧調整変圧器にて構成することが出来る。なお、送電電圧調整手段11は2回線以上の送電線が並列に敷設されている場合等で、一方の送電線における送電を止めても電力供給が行える場合はシステム上省略できる。
次に、演算手段8の処理内容について図2にしたがって説明をする。演算手段8のソフトウエアがスタートすると、演算手段8は最初にnを1にセットする(S10)。次に演算手段8は気象予報データを気象データ入力手段7により読み込む(S20)。気象予報データは図3に示すように送電線の敷設地域ごとの気温、気圧、天候のデータであり、2時間ごとに入力して演算することが望ましい。その後記憶手段9により1番最初に記録された送電線21のデータが読み込まれる(S30)。各送電線のデータ例を図4に示す。各送電線のデータにはコロナ放電抑止対象か否か、過去データを使用するか否か、通常送電電圧、敷設地域、電線表面係数m0と送電線の設計により決まる数kの乗数、対策電圧が記憶されている。コロナ放電抑止対象か否かをデータとしたのは送電線によっては人のいない地域に敷設されている場合もあり、人の健康のためには対象とする必要がないからである。過去データを使用するか否かを決めているのは、実際にコロナ放電を観測している場合はその条件とデータを入れる方が望ましいからである。送電線が長い距離にまたがることもあるので、敷設地域は場合によっては複数の地域となることもある。
読み込まれた送電線のデータにより当該送電線がコロナ放電抑止対象か否か判断される(S40)。コロナ放電抑止対象でない場合はデータに記憶されていた通常送電電圧が設定される(S100)。コロナ放電抑止対象の場合は過去のデータを使用するか否かを読み込まれたデータにより演算手段8は判断をする。過去のデータを使用する場合は記憶されていた過去のデータを放電開始電圧とする(S60)。
過去のデータを使用しない場合は、当該送電線のコロナ放電開始電圧Voを気象予報データ・送電線データを計算式に入力することにより計算する(S70)。計算式は現時点では下記の計算式を用いることが望ましい。ここにm1は天候係数であり現在では晴れの場合1.0が雨、雪、霧では0.8が取られる。但しm1の値はさらにデータを積み上げてより細かく設定することが望ましい。またm0:電線表面係数、k:送電線の構成により決まる定数、r:送電線を構成する素導体半径(cm)、b:気圧(hPa)、t:気温(C)である。
コロナ放電開始電圧Voと通常送電電圧Vnが比較される(S80)。通常送電電圧Vnよりコロナ放電開始電圧Voが同等かより低い場合はあらかじめ記憶されたコロナ放電開始電圧Vo以下の対策電圧が設定される(S90)。それ以外の場合は通常送電電圧Vnが設定される(S100)。そして1番目の送電線の設定送電電圧が記憶手段9に記憶される(S110)。次に全送電線について設定したか判定され(S120)、全送電線について設定されていなければnに1つ加算して(S130)次の送電線のデータを読み込む(S30)。このようにして順次送電線の送電電圧を設定して全送電線(コロナ放電の発生が予想される相電圧22KV以上送電線が対象となる。)の電圧が設定された場合は全送電線のデータが電力系統解析手段10に送られる。
電力系統解析手段10により、系統内の各機器の負担が全送電線の設定された電圧を前提として決定される。その結果にもとづき各機器の負担が指令されるとともに、当該送電線の電圧が送電電圧調整手段11により調整される。この結果コロナ放電の発生が事前に抑止される。したがって人体に有害なコロナ放電による紫外線の発生が抑えられる。一方事前に電力系統の解析が行われるので安定した電力の供給が行われる。
上記の実施例の別な形として、気象データ入力手段、記憶手段、演算手段、出力手段を備えたコンピュータ上で動作する図2に示したのと同様な機能を持つプログラムとして実現することも出来る。この場合は当該プログラムを用いて演算した全送電線の設定送電電圧を電力系統システムに入力して、同様な効果を得ることも出来る。この場合は当該コンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または当該プログラムを格納したサーバを電力事業者に提供することによっても実現することが出来る。
図6は、別の実施例を表す電力系統システムのブロック図である。この実施例でも明細書の背景技術の所で説明した図8の電力系統システムの基本構成に、コロナ放電検出手段12、演算手段13、送信手段14を加えた構成となる。さらに基本構成においても電力系統解析手段10−2、送電電圧調整手段11−2が後で説明するように動作するよう改良を加える必要がある。
コロナ放電検出手段12は、送電線においてコロナ放電が発生したことを検出する手段である。コロナ放電検出手段12は人の居住する近くに設置した紫外線検出素子によるのが従来からの電力系統システムに与える影響が少ない点で最も望ましい。紫外線検出素子はソーラー・ブラインド・バキュウム・ホトダイオード(Solar−Blind Vacuum Photodiode)が現時点ではもっとも望ましいが、その他半導体ホトダイオード、光電子管、光導電形センサ、光起電力形センサ等によっても実現することができる。さらに、昼間の太陽からの紫外線と区別するために特別なフィルターを用いて、太陽からの紫外線を遮断して、コロナ放電による紫外線のみを検出することも出来る。また、コロナ放電検出手段12は紫外線のうち人体に特に有害な波長100nmから320nm(UV−C,UV−B)を検出して行うことにより、より効果的に有害なコロナ放電が発生しているか否かを検出する事も出来る。さらに、コロナ放電検出手段12はコロナ雑音を検出する手段、コロナ騒音を検出する手段によっても実現できる。
演算手段13は、コロナ放電検出手段12によって検出した情報を上位の電力系統解析手段10−2の必要とする情報に変換する手段である。演算手段13は市販のマイクロコンピュータを用いた回路と付随するソフトウエアにより実現することが出来る。送信手段14は、演算手段13により変換された情報を電力系統解析手段10―2に送信する手段である。送信手段14は有線でも無線でも、その他これに代わる手段でもよい。
コロナ放電検出手段12によって監視対象の送電線にコロナ放電が発生したことが検出されると、発生したことが演算手段13により電力系統解析手段10−2の必要とする情報に変換される。変換された情報は送信手段14により電力系統解析手段10−2に伝えられる。電力系統解析手段10−2は送られた情報を基づき電力系統に必要な他の条件を解析して各機器の負担を決定して、各機器に指令を出す。その一環として送電電圧調整手段11―2にも指令が出さる。送電電圧調整手段11ー2は指令にもとづき、送電電圧を下げる。または、コロナ放電の検出された送電線の送電を止める方法もある。その結果送電電圧は下がり、コロナ放電は止まる。止まらない場合は、コロナ放電検出手段12よりの情報と演算手段13に記憶された情報から再度電力系統解析手段10−2に伝えられる。電力系統解析手段10−2は再度送られた情報を元に電力系統に必要な他の条件を解析して各機器の負担を決定して、各機器に指令を出す。送電電圧調整手段11―2は指令にもとづき、さらに送電電圧を下げる。その結果送電電圧は下がり、コロナ放電は止まる。したがって人体に有害なコロナ放電による紫外線の発生が短時間に止まる。一方送電電圧を下げる前に電力系統の解析が行われるので安定した電力の供給が行われる。
一方、コロナ放電が発生しないような条件となったときも送電電圧を下げたままでは不経済である。このため、簡単な方法としては送電電圧を下げてから一定時間後(気象条件が変動する時間が一つの目安となる。)に電圧を復帰させる。復帰させてもコロナ放電が発生しない場合はその状態で送電を続ける。コロナ放電が発生する場合は上記のコロナ放電が発生した場合と同じ措置をとる。
別な解決法を図7に示す。図7の構成では、図6の構成に気象状態検出手段16が追加されている。気象状態検出手段12は気温、気圧、湿度等コロナ放電の発生電圧に影響を与える気象状態を検出する手段である。さらに検出された情報を演算手段13に伝える手段を含む。気温、気圧、湿度の検出は公知の機器のうちから小型で適したものを選択することにより実現することが出来る。コロナ放電検出手段12によりコロナ放電が発生した時の気象状態を気象状態検出手段16により検出して演算手段13により情報を変換して記憶手段15に記憶する。上記で説明した手順によりコロナ放電が止まった後、気象状態検出手段16により検出した気象状態が記憶されているコロナ放電開始時の状態と異なり、コロナ放電が発生しないと予測される時は送電電圧を元に復帰させることが出来る。
さらに、記憶手段15に記憶された情報により各送電線においてどのような条件でコロナ放電が発生するのかのデータが蓄積される。この蓄積されたデータを実施例1でのべた送電線データに適用することが出来る。
本発明は、その精神および必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。例えば電力系統システムは大規模な例で説明したが、もっと小規模なシステムでも本発明を適用することが出来る。又システム中一部人が操作する方法によっても実現することが出来る。
したがって、本明細書に記載した実施例は例示的なものであり限定的なものではない。発明の範囲は請求の範囲によって示されており、それらの請求の範囲の中に含まれるすべての変形例は本発明に含まれるものである。
本発明の実施の形態に係る電力系統システムのブロック図である。 本発明の演算手段の処理の内容を表すフローチャート図である。 気象予報データの1例である。 各送電線データの1例である。 各送電線の設定送電電圧の1例である。 実施例3を表す電力系統システムのブロック図である。 別の実施例を表す電力系統システムのブロック図である。 大規模な電力系統システムの基本構成図である。
符号の説明
G1、G2、・・・、Gn 電力系統の発電所
H1、H2、・・・、Hk 電源系統の送電線
T1、T2、・・・、Tm 変電所
C1、C2、・・・、Cj 連係系統の送電線
D1、D2、・・・、Dh 配電系統への送電線
U1、U2、・・・、Ua 配電系統
7 気象データ入力手段
8 演算手段
9 記憶手段
10 電力系統解析手段
11 送電電圧調整手段
12 コロナ放電検出手段
13 演算手段
14 送信手段
15 記憶手段
16 気象状態検出手段

Claims (10)

  1. 電力系統システムにおいて、
    各送電線の敷設地における気温、気圧、天候等の気象予報データを予め定められた時間ごとに入力する気象データ入力手段
    各送電線がコロナ放電抑制の対象であるか否かの情報と、各送電線における過去の気象データにおけるコロナ放電開始電圧の蓄積データと、当該送電線の対策電圧とを記憶する記憶手段
    各送電線のコロナ放電開始電圧を演算し、演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧以下であった場合は前記対策電圧を設定送電電圧とし、演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧をこえていた場合は通常送電電圧を設定送電電圧として各送電の設定送電電圧を決定する演算手段
    各送電線に設定された設定送電電圧を前提として、システムに属する各機器の負担を計算する電力系統解析手段を備え、
    計算結果に基づき各機器の運転ならびに送電することを特徴とする電力系統システム。
  2. 各送電線のコロナ放電開始電圧の演算は演算手段により、
    (1)当該送電線が前記記憶手段に記憶されているコロナ放電抑制の対象であるか否かの情報を読み出して判定し、
    (2)記憶手段に記憶されている当該送電線の過去の気象データにおけるコロナ放電開始電圧の蓄積データを読み出して使用するか否かを決定し、
    (3)使用しない場合は、前記気象予報データを前記記憶手段に記憶されている数式に代入することにより演算される請求項1に記載の電力系統システム。
  3. 演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧以下であった場合は、当該送電線の送電を止める請求項1または2に記載の電力系統システム。
  4. 電力系統システムにおいて、
    監視対象の送電線にコロナ放電が発生したことを検出するコロナ放電検出手段と、
    当該送電線にコロナ放電が発生したことを電力系統解析手段が必要とする情報に変換する演算手段と、
    変換された情報を電力系統解析手段に送信する送信手段と、
    送信された情報に基づき、コロナ放電の発生した送電線の送電電圧を下げるか送電を止めることによりコロナ放電を短時間で止め、各機器の負担を再調整し、各機器の負担を決定し、各機器に指令を出す電力系統解析手段と、
    を備え、
    再調整した条件で各機器を運転することにより電力を供給することを特徴とする電力系統システム。
  5. 監視対象の送電線の近傍の気象条件を検出する気象条件検出手段と、
    コロナ放電の発生した前後の前記気象条件を記憶させる記憶手段とをさらに備え、
    前記気象条件がコロナ放電しないと予想される条件となった場合に送電電圧を元に戻すことを特徴とする請求項4に記載の電力系統システム。
  6. コロナ放電検出手段を紫外線検出素子によることを特徴とする請求項4または5に記載の電力系統システム。
  7. コロナ放電検出手段に波長100nmから320nmの紫外線を検出する紫外線検出素子を使用することを特徴とする請求項6に記載の電力系統システム
  8. 送電電圧を下げるか送電を止めた後に予め定められた時間後に当該送電線の送電電圧を復帰させることを特徴とする請求項4に記載の電力系統システム。
  9. 電力系統運用方法であって、
    各送電線の敷設地における気温、気圧、天候等の気象予報データを予め定められた時間ごとに入力する気象データ入力ステップと、
    各送電線がコロナ放電抑制の対象であるか否かの情報と、各送電線における過去の気象データにおけるコロナ放電開始電圧の蓄積データと、各送電線の対策電圧とを記憶する記憶ステップと
    各送電線のコロナ放電開始電圧を演算し、演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧以下であった場合は前記対策電圧を設定送電電圧とし、演算されたコロナ放電開始予想電圧が通常送電電圧をこえていた場合は通常送電電圧を設定送電電圧として各送電の設定送電電圧を決定する演算ステップと、
    各送電線に設定された設定送電電圧を前提として、システムに属する各機器の負担を計算する電力系統解析ステップとを有し、
    計算結果に基づき各機器の運転ならびに送電することを特徴とする電力系統運用方法。
  10. 電力系統運用方法であって、
    監視対象の送電線にコロナ放電が発生したことを検出するコロナ放電検出ステップと、
    当該送電線にコロナ放電が発生したことを電力系統解析手段が必要とする情報に変換する演算ステップと、
    変換された情報を電力系統解析手段に送信する送信ステップと、
    送信された情報に基づき、コロナ放電の発生した送電線の送電電圧を下げるか送電を止めることによりコロナ放電を短時間で止め、各機器の負担を再調整し、各機器の負担を決定し、各機器に指令を出す電力系統解析ステップと、
    を有し、
    再調整した条件で各機器を運転することにより電力を供給することを特徴とする電力系統運用方法。
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