JP3984324B2 - ハンガー付き容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体あるいは粉体の容器として利用する。本発明は、液状洗浄剤(具体的には全身洗浄料あるいは毛髪洗浄料)の容器として開発されたものであるが、液状洗浄剤以外にも、内容物を少量づつ取り出して使用するための容器として広く利用できる。本発明は、又、弾性変形可能な容器本体と、その開口に設けられた弁とを含む容器であり、本体に外から手指などで加えられる圧力により、本体に収容された内容物を弁から少量づつ吐出させる構造の容器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック成形され弾性変形可能な本体と、この本体の開口に設けられた弁とを備えた容器が液状洗浄剤などの容器として広く知られている。この弁はその本体が開口を下向きに保持された状態でも内容物が流出することなく、しかも、その本体に手指の力により弾性変形する圧力が加えられたときに、少量の内容物を吐出するようにその弁の弾性復元力が設定されている。
【0003】
このような容器は、内容物を取り出すときに開口を下向きにして、手指により本体に圧力を加えることが必要である。たとえばシャワーを浴びているときに、このような容器から液状石鹸を取り出すには、台あるいは棚などに開口を上向きにして置いてある容器本体を手でつかみ、開口を下向きにして押圧し石鹸を取り出し、また開口を上向きにして棚に戻すことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この容器本体にハンガーを取付けて、このハンガーをシャワーの横に設けたフックなどに掛けて使用する構造が考えられる。その場合には、開口の位置を常に下向きの状態にして使用することができるようにすれば便利である。すなわち本発明は、液状石鹸などが入った容器を開口が下向きになるようにして保持する使用に便利な構造を提供することを目的とする。
【0005】
この構造では、必ずハンガーを使用するわけではなく、棚の上あるいは台の上などに載置しておきそれを手で掴んで使用することもある。したがって本発明は、ハンガーにより容器本体を吊り下げる構造であって、しかもそのハンガーを使用しないときに、ハンガーをじゃまにならないように収納することができる構造を提供することを目的とする。
【0006】
この構造では、ハンガーが収納された状態で、容器本体に手指により押圧し変形を与えると、ハンガーが収納溝から飛び出してくることがあり、これはわずらわしいことである。すなわち本発明は、容器本体が変形してもハンガーが離脱しない構造を提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本発明はハンガーを使用するときには、ハンガーを容器本体の表面から簡単に離脱させることができる構造を提供することを目的とする。本発明は、濡れた手指で手探りにより操作しても、ハンガーを簡単に容器本体の収納位置から取り出すことができる構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弾性変形可能な本体(1)に弾性変形する圧力が加えられたときに少量の内容物を吐出する構造である容器であって、その本体(1)の表面に嵌め込み溝(4)が形成され、その嵌め込み溝内にハンガー(5)が着脱自在に収容され、そのハンガーの一端はその本体に回転自在に取付けられ、そのハンガー(5)はリング形状であることを特徴とする。
【0009】
ハンガーの形状としては「?」の形状も考えられるが、その場合にはハンガー全体がかなり太い丈夫な構造であることが必要であるところ、リング形状とすることによりハンガーの部材を薄く形成することが可能になる。
【0010】
本発明のハンガー(5)は長円形のリング形状であることが望ましく、前記嵌め込み溝(4)にはそのリング形状の外縁に沿ってそのハンガー(5)をその溝内に保持するためのリブ(7)が複数個形成され、さらにその嵌め込み溝(4)にはそのリング形状の内縁に沿って取付け位置(8)から最遠位置に1箇所のみそのハンガーをその溝内に保持するためのリブ(9)が形成された構造が望ましい。
【0011】
この構造により、本体に変形を与えないときには、ハンガーをその嵌め込み溝内に保持し、長円形のリング内側を手指で圧縮したときにも、リング状のハンガーは本体表面から離脱しない。
【0012】
この嵌め込み溝(4)の一部に連通して、収容されているハンガーを指先で持ち上げるための凹部(12)が形成された構造が望ましい。この構造により、ハンガーを使用しようとするときには、濡れた手指でも簡単にハンガーを溝から取り出すことができる。
【0013】
このハンガー(5)は板状のリング形状であり、その凹部近傍でその厚みが他の部分の厚みより薄く形成されることが望ましい。この構造により、手探りでも、濡れた手指でも、ハンガーを溝から簡単に取り出すことができる。
【0014】
本体の開口には容器が下向きに保持された状態で内容物が流出しないように弁(2)が設けられ、前記ハンガーの取付け位置(8)はその本体がそのハンガーより吊り下げられたとき重力にしたがって容器開口が下向きになるように選定されたことが望ましい。この構造により、容器本体をハンガーによりつり下げて容器の開口を下向きとし、使用者が内容物を必要な量だけ下向きに吐出して使用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0016】
【実施例】
図1は本発明実施例容器の斜視図である。この容器は弾性変形可能な本体1と、この本体1の開口に設けられた弁2とを備える。この弁2はその本体1が開口を下向きに保持された状態で内容物が流出することなく、かつその本体1に弾性変形する圧力が加えられたときに、少量の内容物を吐出する構造である。この弁2には、蓋3を着脱自在に被せることができるようにしてあり、本体1が倒れたときに内容物が流出することがないように、また使用しない状態で弁2が乾燥して付着した内容物が固化することがないように構成されている。
【0017】
本発明の特徴とするところは、この本体1の表面に嵌め込み溝4が形成され、その嵌め込み溝4の中にハンガー5が着脱自在に収容され、そのハンガー5の一端は圧入軸11により枢着位置(取付け位置)8でその本体1に取付けられているところにある。そして、その枢着位置8はその本体1がそのハンガー5により吊り下げられたとき重力にしたがって容器開口が下向きになるように設定されている。さらにこのハンガー5はリング形状であることを特徴とする。このハンガー5は、指先で持ち上げることにより、嵌め込み溝4から離脱させて、矢印で示すように枢着位置8を中心にして回動させることができる。
【0018】
図2は、本発明実施例ハンガー付き容器の使用例を示す図である。すなわち、シャワー室の壁面に設けたフックにこのリング状のハンガー5を掛け、手指で容器本体1を押すことにより、内容物である液状石鹸を必要な量だけ下向きに吐出させることができる。
【0019】
図3に、本発明実施例ハンガー付き容器の平面図を示す。すなわち、このハンガー5は長円形のリング形状であり、前記嵌め込み溝4にはそのリング形状の外縁に沿ってそのハンガー5をその嵌め込み溝4内に保持するためのリブ7が全部で5個形成され、そのリング形状の内縁に沿って前記枢着位置8から最遠位置に1箇所のみそのハンガー5をその嵌め込み溝4内に保持するためのリブ9が形成されている。
【0020】
図3に表示するA−A部分拡大断面図を図4に示す。すなわち、この構造は、リング状のハンガー5を嵌め込み溝4に保持している状態であり、内容物を弁2から吐出させようとして、本体1の中心部分に手指で圧力を加えても、リブ7からハンガー5が外れてしまうことがないようにしたものである。中心部分に圧力を加えるとその部分が凹むが、リングに沿ってその内縁にはリブ9が最も遠い位置に1箇所のみであり、圧力を加えることにより凹む部分の近傍にはリブがないからハンガー5は離脱する可能性が低くなる。これは、発明者らが繰り返し試験をしたところ、内容物を吐出させるために容器本体1の中央部に対して手指で加える程度の通常の変形では、ハンガー5が離脱することはほとんどなく、内縁に沿ってさらに多数のリブを設けた場合に比べてきわめて良好であった。また、内縁には枢着位置8から遠い位置にリブ9を1箇所のみ設けたが、このリブ9がないと本体1の変形に対してハンガー5が離脱しやすくなることもわかった。圧力を加える手指の位置がやや開口に近い位置になると、リブ9に影響があるが、ハンガー5により囲まれた部分は長円形であり、その長手方向の変形は小さく、その長手方向の最遠端にリブ9を設けることが最も有効である。
【0021】
図5は図3に示すB−B断面の拡大断面図である。図5に示すように、本発明の容器は、嵌め込み溝4の一部に連通して、収容されているハンガー5を指先で持ち上げるための凹部12が形成されたところにある。さらに、ハンガー5は板状のリング形状であり、その凹部12の近傍でこのハンガー5の厚みが他の部分の厚みt1 より段差を設けて厚みt2 となるように薄く形成されたことを特徴とする。この構造により、手探りのままハンガー5を手指でリフトアップすることが可能になり、シャワーを使いながらこの容器を操作するなどの場合にきわめて便利で有効である。
【0022】
図6にC−C断面の拡大図を示す。すなわち、この位置ではリブ7は嵌め込み溝4の外側のみに形成され、内側には形成されていないことを図示する。
【0023】
図7はD−D断面の拡大図である。ハンガー5の一端に設けられた圧入軸11が本体1の凹部に圧入されることにより枢着された構造を示す。このハンガー5を利用するときには、ハンガー5をフックなどに掛けると、ハンガー5が本体1に対してこの圧入軸11まわりに回動する構造を理解することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば液状石鹸などが入った容器を開口が下向きになるようにして保持する使用に便利な構造を提供することができる。また、本発明は、ハンガーにより容器本体の開口を下向きにして保持する構造であって、しかもそのハンガーを使用しないときに、ハンガーをじゃまにならないように収納することができる構造を提供することができる。さらに、本発明によりこのハンガーが収納された状態で、容器本体に手指により押圧し変形を与えてもハンガーが収納溝から飛び出してくることがなく、しかも、ハンガーを使用するときには、ハンガーを容器本体の表面から簡単に離脱させることができるとともに、濡れた手指で手探りにより操作しても、ハンガーを簡単に容器本体の収納位置から取り出すことができる使用するに便利な構造が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例ハンガー付き容器の全体構造を示す斜視図。
【図2】本発明実施例ハンガー付き容器の使用例を示す斜視図。
【図3】本発明実施例ハンガー付き容器の平面図。
【図4】本発明実施例ハンガー付き容器のA−A部分拡大断面図。
【図5】本発明実施例ハンガー付き容器のB−B部分拡大断面図。
【図6】本発明実施例ハンガー付き容器のC−C部分拡大断面図。
【図7】本発明実施例ハンガー付き容器のD−D部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 本体
2 弁
3 蓋
4 嵌め込み溝
5 ハンガー
7 リブ(外縁に設けた)
8 枢着位置(取付け位置)
9 リブ(内縁に設けた)
11 圧入軸
12 凹部
Claims (3)
- 本体(1)を輪切りにした断面がほぼ楕円形状をなし、胴部の表面および裏面がほぼ平坦な偏平な形状であり、表面および裏面に弾性変形する圧力を加えて内容量を少量吐出させる構造の容器であって、
前記本体の表面に長円形のリング形状の嵌め込み溝(4)が形成され、その嵌め込み溝内に長円形のリング形状のハンガー(5)が着脱自在に収容され、そのハンガーの一端はその本体に回転自在に取付けられ、
前記嵌め込み溝にはそのリング形状の外円に沿ってそのハンガーをその溝内に保持するためのリブ(7)が形成され、
前記嵌め込み溝の一部に連通して、収容されているハンガーを指先で持ち上げるための凹部(12)が形成され、
前記ハンガー(5)は板状のリング形状であり、その凹部近傍で前記ハンガーの厚みが他の部分の厚みより薄く形成された
ことを特徴とするハンガー付き容器。 - 前記嵌め込み溝にはそのリング形状の内縁に沿って取付け位置(8)から最遠位置に1箇所のみそのハンガーをその溝内に保持するためのリブ(9)が形成された請求項1記載のハンガー付き容器。
- 前記本体の開口には容器が下向きに保持された状態で内容物が流出しないように弁(2)が設けられ、前記ハンガーの取付け位置(8)はその本体がそのハンガーより吊り下げられたとき重力にしたがって容器開口が下向きになるように選定された請求項1または2記載のハンガー付き容器。
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JP16449797A JP3984324B2 (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | ハンガー付き容器 |
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JPH1111488A JPH1111488A (ja) | 1999-01-19 |
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Family Applications (1)
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JP16449797A Expired - Fee Related JP3984324B2 (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | ハンガー付き容器 |
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Families Citing this family (1)
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GB0902297D0 (en) * | 2009-02-12 | 2009-04-01 | Gordon Michael J | Dispensing container with support member |
-
1997
- 1997-06-20 JP JP16449797A patent/JP3984324B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1111488A (ja) | 1999-01-19 |
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