JP3984074B2 - セラミックヒータの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジン始動用のグロープラグなどに使用されるセラミックヒータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ディーゼルエンジン始動用のグロープラグなどに使用されるセラミックヒータは、次のようにして製造されている。図1は、原料粉末からセラミックヒータが得られるまでの過程を示す説明図である。まず、予め微粉砕した導電性セラミック粉末3、絶縁性セラミック粉末5および焼結助剤粉末7と溶媒9とを、アトライターや攪拌ポット16などを用いて混合し、泥漿10を得る(1−1)。得られた泥漿10を浅箱12などの容器に入れ、静置式乾燥機14内に配置し、静置式乾燥機14内に熱風HGを循環させる(1−2)。これによって溶媒9を蒸発させ、ケーキ状乾燥物18を得る(符号OGは排出ガスを示す)。そして、ケーキ状乾燥物18を、メディア22(玉石)とともにボールミル20に入れて解砕する(1−3)。得られた発熱体原料粉末24をバインダ26と混合して混錬したのち、射出成形法により成形する(1−4)。それにより得られた未焼成の抵抗発熱体28を、未焼成のセラミック基体30内に収容させて、HIP法などの方法により焼成すれば、セラミックヒータ1が得られる(1−5,1−6)。このセラミックヒータ1に、主体金具32や端子金具34などの部品を組付けることにより、セラミックグロープラグ36を製造することができる(1−7)。
【0003】
従来から上記のように、静置式乾燥機14を用いて泥漿10を乾燥させる場合、その溶媒9としてアルコール類、ヘキサン、キシレンなどの有機溶媒が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで昨今、化学物質が環境にもたらす影響について盛んに議論されている。このような情勢において、有機溶媒は、その使用がますます制限される傾向にある。セラミックヒータの製造現場においても例外ではなく、有機溶媒を使用せずに発熱体原料粉末を得る方法の開発が急務となっている。
【0005】
一般に、絶縁性セラミック粉末のみの泥漿を調合する際には、溶媒として水が使用される。ところが、本発明者らが有機溶媒に替えて水を使用した泥漿を作り、前述した従来の方法によりグロープラグ用のセラミックヒータを作製したところ、通電加熱と放冷とを繰り返す通電耐久試験において、少ないサイクルで断線を生ずる低耐久品が多く発見された。そのようなセラミックヒータは、数万回におよぶ通電耐久性が要求されるグロープラグにはとても使用できない。
【0006】
本発明の課題は、通電耐久性に優れるセラミックヒータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために本発明のセラミックヒータの製造方法は、TiN、MoSi 2 、WSi 2 およびWCのグループから選択される1種からなる導電性セラミック粉末(3)、Si 3 N 4 からなる絶縁性セラミック粉末(5)および焼結助剤粉末(7)を溶媒(9)と混合し、得られた泥漿(10)を乾燥させて発熱体原料粉末(24)を得たのち、その発熱体原料粉末(24)を射出成形した抵抗発熱体(28)をセラミック基体(30)に埋設して焼成することにより得られるセラミックヒータ(1)の製造方法において、
前記溶媒(9)には主として水を使用し、かつ前記泥漿(10)は、流動層乾燥装置(50)、回転式乾燥装置(70)および振動式乾燥装置(40)から選択される1種の装置を用いて乾燥させ、その際に樹脂被覆したメディア(22)を併用することを特徴とする。
【0008】
そもそも、水を使用すると不具合があるから有機溶媒が使用されている。しかしながら、水を調合溶媒として用いると粉末の凝集性が強くなるので、図2(2−3)に示すように、硬質な2次粒子が生じる。また、導電性セラミック成分と絶縁性セラミック成分との比重差により、偏析が生じやすい(2−2参照)。そのような凝集や偏析の生じた原料粉末4を用いてセラミックヒータを製造すると、成分が均一分散していないこと起因して、セラミックヒータの抵抗値バラツキが大きくなったり異常発熱を引き起こしたりする(2−4参照)。好適な発熱体原料粉末とは、図2(2−1)に示すように、2次粒子が生じておらず、かつ導電性セラミック3と絶縁性セラミック5とが均一に分散している形態のものである。
【0009】
上記した本発明の方法は、水を溶媒とした泥漿を流動層、回転式、振動式など、粉末が絶えず流動状態となる動的方法で乾燥を試みるものであり、さらに、泥漿とともにメディアを容器内に投入して乾燥を試みるというものである。泥漿は、メディアとともに流動状態におかれ、さらにメディア表面に付着しながら分散される。分散された泥漿は、効率良く空気と接触するため、短い時間で蒸発・乾燥が行われる。メディアの表面上に残った固形分は、メディア同士の摩擦・衝突作用によりメディア表面から剥離する。このようにして、泥漿中に分散された固形分、すなわち導電性セラミック粒子、絶縁性セラミック粒子および焼結助剤粒子を、1次粒子の大きさで効率良く取り出すことができる。また、これらの方法によれば、静置式乾燥装置を用いて乾燥させるときのように、ケーキ状乾燥物を解砕する工程が必要とされないので、生産性も良好である。
【0010】
また、絶縁性セラミック粉末はSi3N4、導電性セラミック粉末はTiN、MoSi2、WSi2およびWCのグループから選択される1種からなるものを使用することができる。各成分の密度は、以下に示す通りである。Si3N4=3.2、TiN=5.43、MoSi2=6.24、WSi2=9.86、WC=15.8(単位:g/cm3)。これらの値から理解できるように、導電成分と絶縁成分との密度比は、1.7〜4.9と大きい。したがって、粉末の凝集傾向が強くなる水溶媒泥漿を調合する場合、後から解砕を行うとしても、比重差による偏析を再び均一化することが難しい静置式の乾燥法は不向きであり、泥漿を常に流動させつつ乾燥させる必要がある。
【0011】
なお、“主として水”とは、質量%で水を最も多く含むことを意味する。つまり、場合によっては親水性の有機溶媒、たとえばアルコール類と水との混合溶媒を使用することもできる。また、各粉末や泥漿に不可避不純物が含まれることは当然であり、本明細書中では実質的な構成成分についてのみ言及している。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
セラミックヒータの製造方法の概略は、乾燥工程を除いて図1に示したとおりである。以下、その図1に基づき各工程について具体的に説明する。
【0013】
(調合)
泥漿10は、導電性セラミック粉末3、絶縁性セラミック粉末5および焼結助剤粉末7をイオン交換水9に懸濁することにより得られる。絶縁性セラミック粉末はSi3N4、導電性セラミック粉末3はTiN、MoSi2、WSi2およびWCのグループから選択される1種の成分からなるものを好適に使用できる。各粉末は、予め個別に精製・粉砕が施されたものを使用するとよいが、泥漿10を作製する際に、ボールミルやアトライターを用いて粉末の微粉砕を行うようにしてもよい。たとえば、導電性セラミック粉末3としてWCを用いる場合、レーザー回折式粒度計によって測定される50%粒径が1μm程度に調製されたものを使用するのがよい。絶縁性セラミック粉末5として用いるSi3N4の場合は同じく50%粒径が1μm程度のものを使用するとよい。
【0014】
焼結助剤としては、高温での特性を向上させるため、希土類酸化物を主として周期律表の3A、4A、5A、3B(たとえばAl)および4B(たとえばSi)の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を酸化物の形で3〜15質量%の割合で混合するとよい。焼結助剤成分が3質量%未満では緻密な焼結体が得にくくなり、15質量%を超えると強度や靭性あるいは耐熱性の不足を招く。焼結助剤成分の含有量は、望ましくは5〜10質量%とするのがよい。焼結助剤粉末7についても、その50%粒径が予め5μm程度に調製されたものを使用するとよい。
【0015】
導電性セラミック粉末3を15〜40質量部、絶縁性セラミック粉末5を20〜50質量部、焼結助剤粉末7を1〜5質量部、イオン交換水9を25〜50質量部、各々秤量し、攪拌ポット16を用いて混ぜ合わせることにより泥漿10が得られる。また、後述する回転式乾燥装置または振動式乾燥装置を用いて泥漿10を乾燥させる場合、それらの乾燥装置に上記した個々の原料粉末と水とを直接投入することができる。流動層乾燥装置を用いる場合は、該装置において直接泥漿10を作ることはできないので、別途用意する。なお、導電性セラミックを用いてセラミックヒータを作製する場合、一般的な解膠剤は使用しない方がよい。なぜなら、Na等の成分が原料粉末に混入した場合、低融点のガラス相が生成され、セラミックヒータの高温耐久性を低下させるからである。
【0016】
(乾燥)
泥漿10の乾燥方法について、いくつか説明する。まず、図3は、振動式乾燥装置40を示す模式図である。振動式乾燥装置40は、中空の容器43がスプリング41で支持され、その容器43にジョイントされたロッド44を介してバイブレータ42で発生された振動が伝達されるように構成されている。メディア22は、容器43の容積の10〜80%程度充填する。この振動式乾燥装置40に、先に別途準備した泥漿10を供給する。ただし、この振動乾燥装置40および後述する回転式乾燥装置70に関していえば、各原料粉末3,5,7と水9とを直接投入することができる。つまり、各粉末が混ざり合うように振動あるいは回転を与えて十分に懸濁させた後、連続して乾燥を開始することができる。この方法によれば、泥漿10をいちいち調製する手間、輸送する手間が省けるため、生産性の向上が期待できる。ただしその方法では、泥漿10を次々と乾燥させる連続乾燥の実現は難しい。
【0017】
十分に懸濁させた泥漿10に対し、熱風HGを容器43内に送り込む。泥漿10は、激しく振動するメディア22により十分に分散され、メディア22の表面において薄膜状の形態を呈するとともに、水分が急速に蒸発する。泥漿10に含まれる水分は、排出ガスOGとともに飛散する。メディア同士の衝突による打撃作用により、2次粒子の発生が抑制され、各原料粉末が1次粒子の大きさで十分に混ざり合った発熱体原料粉末24が得られる。また、容器43を2重にし、内側の容器が密閉可能、内側容器と外側容器との間に加熱媒体を流通させることにより間接加熱が可能となるように構成すれば、減圧加熱もできる。乾燥が終了したのち、排出口46より発熱体原料粉末24を回収する。本実施形態ではバッチ式の装置を示したが、泥漿10を断続的に供給しつづける連続式も採用できる。このことは、以下に示すいくつかの方法についても同様である。
【0018】
また、熱風HGの温度は、泥漿10の乾燥が十分に進み、かつ原料粉末に熱変質等の不具合が生じない範囲、たとえば100〜200℃にて適宜設定される。泥漿10の溶媒が水のみ、あるいは水を主体とするものである場合、熱風温度が100℃未満になると、泥漿10の乾燥が十分進まず、得られる発熱体原料粉末24の水分含有量が高くなり過ぎて凝集を起こしやすくなる恐れがある。熱風HGの温度条件については、後述する別の乾燥方法においても同様にする。なお、熱風HGを供給する替わりに、赤外線ヒータなどで泥漿10を収容させる容器自体を加熱する方法も採用できる。
【0019】
また、メディア22は、実質的に泥漿10の分散と乾燥、さらには粉末の粉砕に寄与するもので、アルミナ、窒化珪素、ジルコニアなどのセラミック製ボールや、鋼球をウレタン樹脂やエポキシ樹脂で被覆したものが使用できる。通常の乾燥装置は、ステンレススチール製の容器本体を備えるので、金属不純物の混入をなるべく少なくするためにも、樹脂被覆した鋼球を使用するのが望ましい。樹脂ならば、原料粉末に混入したとしても焼成時に脱離されるため問題になりにくい。また、特に球である必要もなく、方形状、筒状、板状など形を適宜変更して使用することもできる。振動式乾燥装置40および後述する回転式乾燥装置70に使用するメディア22としては、たとえばφ25mm程度の樹脂コート鋼球が好適である。なお、乾燥装置における容器内部がウレタン樹脂などでライニングされていると一層望ましい。
【0020】
次に、図4は、流動層乾燥装置50を示す模式図である。該装置50は、縦に配置された筒状の容器54を有し、その下方に熱風HGの流入口55が設けられている。容器54内には、熱風HGの通過を許容しメディア22の通過は許容しない気体流通体、たとえば網や穴明き板等で構成されたメディア保持部47が設けられている。そして、そのメディア保持部47上に、メディア22が層状に集積されている。容器54内において、熱風HGはメディア保持部47の下側からメディア22を躍動させつつ上側に抜けるように流通される。他方、泥漿10は、ノズル51を通じてメディア22に対し、上方から落下供給される。これにより、泥漿10が熱風HGにより乾燥されてメディア2の表面に原料粉末が付着する。そして、熱風HGの流通により、メディア22は躍動・落下を繰り返して相互に打撃を加え合い、さらにその打撃による擦れ合いにより、粉末の凝集が抑制される。一定以下の粒径の原料粉末は、熱風HGとともに飛散して、サイクロン52およびバグフィルタ53に捕集される。
【0021】
なお、この流動層乾燥装置50において使用するメディア22は、熱風HGを流通させた際に、躍動が十分起こるとともに、原料粉末に十分な打撃力を付与できる重さ・大きさに調整されていることが重要である。さらに、なるべく大きさの揃ったものを使用することが、メディア間に適度な隙間を形成して、熱風流通時のメディアの運動を促進する上で望ましい。
【0022】
次に、図5は、回転式乾燥装置70を示す模式図である。回転式乾燥装置70は、水平から少し傾斜した回転軸Oを有するように支持された長筒状の容器68を備える。容器68は、ギアリング71を介してモータ72により回転駆動される。熱風HGは、回転軸O方向における容器68の一端側から流入される。泥漿10は、回転軸O方向における一端側かつ上方に位置する側から、容器68に流入される。この回転式乾燥装置70は、泥漿10の流入口と熱風HGの流入口とが同じ側にあり、泥漿10の進行方向と熱風HGの進行方向とが一致する並流方式が採用されていが、泥漿10の進行方向と熱風HGの進行方向とが逆になる向流式も当然採用できる。泥漿10は、容器68の回転運動により躍動中のメディア22に分散されつつ容器68内を下流側に向かって進み、水分の蒸発が促進される。泥漿10の乾燥により生成された発熱体原料粉末24は、容器68における下流側に配置された回収部73に集められる。発熱体原料粉末は排出ガスOGにも含まれるが、サイクロンやバグフィルタにより完全に捕集される。
【0023】
以上、いずれかの乾燥装置により泥漿10を乾燥させて発熱体原料粉末24を得る。図1に示すように、その発熱体原料粉末24はバインダ26とともに混錬されたのち、射出成形装置25において金型29に射出される(1−4)。本実施形態に示す方法によれば、静置式乾燥法で必要とされる解砕工程を行う必要はない。金型29より未焼成の抵抗発熱体28を取り出し、別途用意した未焼成のセラミック基体30に埋設する。セラミック基体30を構成する絶縁性セラミックとして、本実施形態では窒化珪素質セラミックが採用されている。窒化珪素質セラミックの組織は、窒化珪素(Si3N4)を主成分とする主相粒子が、前述した焼結助剤成分等に由来した粒界相により結合された形態のものである。なお、主相は、SiあるいはNの一部が、AlあるいはOで置換されたもの、さらには、相中にY等の金属原子が固溶したものであってもよい。窒化珪素質セラミックには、前述した焼結助剤成分を同程度に含有させることができる。それら抵抗発熱体28とセラミック基体30とをHIP法などの方法により焼成することにより、セラミックヒータ1が得られる。
【0024】
【実験例】
(実験例1)
本発明の効果を確かめるために以下の実験を行った。まず、WC粉末5vol%(平均粒径1μm)、Si3N4粉末19vol%(平均粒径1μm)、Er2O3粉末0.8vol%(平均粒径5μm)、SiO2粉末0.2vol%(平均粒径5μm)、イオン交換水75vol%の割合で各々を攪拌ポット16に入れて懸濁し、泥漿10を得た。この泥漿10を、▲1▼静置式乾燥+乾式解砕(ボールミル)、▲2▼振動式乾燥(メディア使用)の2種の方法によりそれぞれ乾燥させて発熱体原料粉末24を得た。▲1▼および▲2▼の方法により得られた発熱体原料粉末24をそれぞれバインダと混合し、射出成形法により成形して未焼成の抵抗発熱体28を得た。それを窒化珪素質セラミック基体30に埋設したのち、焼成してセラミックヒータ1を得た。
【0025】
次に、それらのセラミックヒータ1について通電耐久性を調べた。通電耐久性は、セラミックヒータ1に対し一定の電圧により1分間通電した後、30秒室温で放冷する工程を1サイクルとしてこれを繰返し、断線を生じた時点でのサイクル数を耐久限界として記録した。なお、通電電圧は、1回目通電時におけるヒータの最高到達温度がそれぞれ1300℃、1350℃、1400℃、1450℃となるように設定した。各温度における通電耐久試験は、5つのサンプルについて実施した。結果を表1および表2に示す。表1(比較例)は乾燥法▲1▼、表2(実施例)は乾燥法▲2▼の結果を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
発熱温度を1400℃に設定した試験について着目し、静置式乾燥(表1)、メディアを併用した振動乾燥(表2)、のそれぞれについて5つのサンプルの耐久回数平均を求めるとそれぞれ、4733回、41600回であった。この結果から、原料や他の工程が全く同一でも、乾燥方法の相違により著しい性能の差が生じることが分かる。静置式乾燥では、泥漿10の乾燥中に成分が偏析したことにより不均一組織が発生し、断線の原因となる異常発熱を引き起こしたものと考えられる。他方、本実施形態の方法によればそのような不具合は生じず、十分な通電耐久性を有するセラミックヒータ1を製造することができた。以上より、水を溶媒としてセラミックヒータ1を製造する際の泥漿10の乾燥は、本実施形態において説明した方法のいずれかにより、注意深く行わなければならないと言える。
【0029】
(実験例2)
次に、導電性セラミック粉末として、TiN、MoSi2、WSi2およびWCを使用し、実施例1と同様の方法によりセラミックヒータ1を作製した。用いた導電成分と乾燥方法とにより分類されるセラミックヒータ1について、3点曲げ抗折試験を実施した。抗折試験は、セラミックヒータ1の先端の丸め部に隣接した定径部において、スパン12mm、クロスヘッドスピード0.5mm/secとして測定した。なお、セラミックヒータの定径部における直径は3.5mmである。結果を表3および表4に示す。表3(比較例)は前述の乾燥法▲1▼、表4(実施例)は乾燥法▲2▼の結果を示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
静置式乾燥を採用した場合(表3参照)に比べ、本実施形態での乾燥方法を採用した場合、低強度品はほとんど発生せず、安定して高強度(具体的には1000MPa以上の3点曲げ抗折強度)を有するセラミックヒータ1が得られた。エンジンの燃焼室内という苛酷な環境に曝されるグロープラグ用セラミックヒータには、1000MPa以上の3点曲げ抗折強度が必要である。そうだとすれば、水を溶媒にする場合には、本実施形態で示した方法により泥漿10を乾燥させて発熱体原料粉末24を得るとよい。
【0033】
なお、本明細書の特許請求の範囲において各要件に付与した符号は、添付の図面の対応部分に付された符号を援用して用いたものであるが、あくまでも発明の理解を容易にするために付与したものであり、特許請求の範囲における各構成要件の概念をなんら限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料粉末からセラミックヒータが得られるまでの過程を示す説明図。
【図2】発熱体原料粉末が示すいくつかの形態と、発熱体原料粉末の形態に応じてセラミックヒータに発生する不具合を説明する図。
【図3】振動式乾燥装置を示す模式図。
【図4】流動層乾燥装置を示す模式図。
【図5】回転式乾燥装置を示す模式図。
Claims (1)
- TiN、MoSi 2 、WSi 2 およびWCのグループから選択される1種からなる導電性セラミック粉末(3)、Si 3 N 4 からなる絶縁性セラミック粉末(5)および焼結助剤粉末(7)を溶媒(9)と混合し、得られた泥漿(10)を乾燥させて発熱体原料粉末(24)を得たのち、その発熱体原料粉末(24)を射出成形した抵抗発熱体(28)をセラミック基体(30)に埋設して焼成することにより得られるセラミックヒータ(1)の製造方法において、
前記溶媒(9)には主として水を使用し、かつ前記泥漿(10)は、流動層乾燥装置(50)、回転式乾燥装置(70)および振動式乾燥装置(40)から選択される1種の装置を用いて乾燥させ、その際に樹脂被覆したメディア(22)を併用することを特徴とするセラミックヒータ(1)の製造方法。
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