JP3983593B2 - 磁性粒子懸濁液測定装置 - Google Patents

磁性粒子懸濁液測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性粒子懸濁液測定装置に関し、特に、磁性粒子が懸濁する液で、該磁性粒子が捕獲した種々の目的物質または標識化された目的物質についての光測定を行う場合に用いる磁性粒子懸濁液測定装置に関する。本発明は、例えば、工学分野、食品、農産、水産加工等の農学分野、薬学分野、衛生、保健、免疫、疾病、遺伝等の医学分野、化学もしくは生物学等の理学等のあらゆる分野に関係するものである。本発明は、遺伝子、免疫系、蛋白質等の生体高分子を扱う分野、特に、遺伝子の変異解析、多型解析、マッピング、塩基配列解析、発現解析等において適した磁性粒子懸濁液測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁性粒子を用いて、種々の目的物質を捕獲させ、磁場の作用で該磁性粒子をピペットチップの内壁に吸着して移動し、他容器内の液体に再懸濁することによって、該目的物質の抽出、分離、単離、測定等の処理を行うようになった。そのようにして抽出、分離等された磁性粒子に捕獲された目的物質またはその標識物質について、その吸光度、発光等の測定を行う場合には、磁性粒子と目的物質等とを切断して磁性粒子を除去する作業をした後か、磁性粒子と目的物質との間を切断して除去しない場合には、磁性粒子が存在する懸濁液中で行わなければならないことが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、懸濁液中に磁性粒子が存在すると、目的物質または標識物質により液体が呈する色彩、その濃度や標識物質の発する光が、磁性粒子という異物の存在により吸収、反射、遮蔽等により測定の妨げとなり精度の高い測定を行うことができないという問題点を有していた。また、測定前に、該磁性粒子を該懸濁液から除去する作業を行わなければならないという問題点を有していた。さらに、前記標識物質が蛍光物質の場合には、該標識物質への励起を十分に行うことができないという問題点を有していた。
【0004】
そこで、本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、磁性粒子が懸濁する液体中で、目的物質や標識物質による、その懸濁液の呈する発色、濃度、発光等の測定を確実かつ高い信頼性を持って行うことができる磁性粒子懸濁液測定装置を提供することである。
【0005】
第2の目的は、簡単な構成で、安価に製造することができるとともに、液体接触部分であるマイクロプレート部分が磁石部分と着脱可能に設けて、液体接触部分を使い捨て可能とすることによって、クロスコンタミネーションの確実な防止を図ることができる磁性粒子懸濁液測定装置を提供することである。
【0006】
第3の目的は、多数の検体を一括して測定することができる効率の高い磁性粒子懸濁液測定装置を提供することである。
【0007】
第4の目的は、前記マイクロプレートを所定位置に移動するだけで、該マイクロプレートのウェルから磁性粒子を除去する作業を行うことなく、簡単かつ高い精度の測定を行うことができる磁性粒子懸濁液測定装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の技術的課題を解決するために、第1の発明は、複数のウェルが設けられたマイクロプレートを載置可能な載置部と、前記載置部に設けられ、前記マイクロプレートが前記載置部に載置された際に、各ウェルの外壁に近接しまたは接触して、各ウェル内に磁力を及ぼす磁力要素を配列した磁力部と、各ウェル内からの光を受光する受光部と、を有する磁性粒子懸濁液測定装置である。
【0009】
ここで、「複数のウェルが設けられたマイクロプレート」としては、例えば、48個、96個、384個等のウェルがマトリクス状等の平面状に配列されたものである。該マイクロプレートの各ウェルは、透明、半透明または不透明の場合がありうる。少なくとも底部が透明のウェルの場合には、前記マイクロプレートの下方または上方から光を照射して、マイクロプレートを挟んで、その反対側で受光することができる。「マイクロプレートを載置可能」なのであるから、該マイクロプレートは、前記載置部から載置した後に、該載置部から除去することが可能である。「載置」は、必ずしも、そのウェルの底部が載置部に接触する必要はなく、マイクロプレートの基板や、その枠が載置部に接触して載置されるものであっても良い。
【0010】
磁力要素が「各ウェルの外面に近接しまたは接触して、各ウェル内に磁力を及ぼす」のであるから、側方から磁力を及ぼす場合には、隣接するウェルの外面間には空隙が設けられていることになる。「外面」は、外壁または外底部またはこれらの一部を含む。磁力が及ぼされた外面の内面側に磁性粒子が吸着する。「受光部」としては、各ウェルごとにまたは全マイクロプレートを覆うように設けられた受光素子またはCCD撮像素子等がある。複数の「磁力要素」は、各々別体に設けられた永久磁石または電磁石であったり、または、プレート状に形成された磁石に複数の孔が開けられたものであって該孔に前記ウェルが接触しまたは接近するものであっても良い。この場合は該孔またはその周辺部が磁力要素であり、磁石としては一体に形成されたものである。
【0011】
第2の発明は、前記ウェルは、マトリクス状に配列され、前記磁力要素は、前記ウェルの配列に応じてマトリクス状に配列された磁性粒子懸濁液測定装置である。
【0012】
第3の発明は、前記磁力要素は、前記マイクロプレートが載置部に載置された際に、4個の前記ウェルごとにその配列の略中央に位置するように設けられた磁性粒子懸濁液測定装置である。
【0013】
第4の発明は、前記各ウェルは透明であり、前記載置部を挟んで、前記受光部と反対側に発光部を設けるとともに、前記マイクロプレートが前記載置部に載置された際に、前記各ウェルの底部に対応する前記載置部の位置に光が透過可能な孔が設けられた磁性粒子懸濁液測定装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を図面に基づいて説明する。各実施の形態の説明は、特に指定のない限り、本発明を制限するものと解釈してはならない。
【0015】
図1に基づいて、第1の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置1を説明する。
【0016】
図1(a)は、第1の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置1を示すものである。該装置1は、下側に突出する複数(この例では、96個)の透明なウェル2がマトリクス状(この例では、12行×8列)に配列されたマイクロプレート3と、該マイクロプレート3を前記ウェル2の平らな底部2aを支えることで載置する板状の載置部4を有している。該載置部4は、前記マイクロプレート3を載置した際に、各ウェル2に対してその側方から磁場を及ぼすように、各ウェル2の外壁5に接触するようにマトリクス状(12行×8列)に配列され上方に突出して設けられた複数(この例では、96個)の前記磁力要素としての角柱状の磁石6を有している。
【0017】
また、前記載置部4には、前記ウェル2の配列に対応して、前記ウェル2の底部2aの外径よりもやや小さい内径を持つ孔7であって、下方から照射された光が該ウェル2に達するようにするためのものである。なお、符号3aは、前記マイクロプレート3の基板である。
【0018】
図1(b)は、予め、磁性粒子が懸濁する懸濁液が各ウェル2内に収容されている前記マイクロプレート3を前記載置部4に載置した場合に、前記磁石6と、前記各ウェル2の外壁5および該ウェル2の内壁に磁力によって吸着されペレット状の粒子塊9との関係を上側から示す平面図である。
【0019】
図1(c)は、前記磁石6と、前記各ウェル2と、前記粒子塊9との関係を断面図で示すものである。
【0020】
この状態で、該磁性粒子が除去された残液10が収容されたウェル2を有するマイクロプレート3および前記載置部4に対して、下方から、光を照射して測定を行う。すると、前記磁性粒子によって妨害されることなく通過した光を上方で図示されていない受光部によって、高い強度で受光されることになる。
【0021】
その際、前記磁性粒子は、目的物質を捕獲したままの場合もあるし、目的物質が磁性粒子から切り離された状態の場合もある。標識化された目的物質の標識物質の発光や呈色を測定する場合には、前記目的物質または標識物質と磁性粒子とは切り離されるべきである。一方、捕獲された目的物質や標識物質が試薬等との反応の結果、懸濁液が呈する色彩等の状態を測定する場合には、目的物質と磁性粒子とは切り離される必要はない。
【0022】
続いて、図2に基づいて、第2の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置11を説明する。なお、図1と同一のものは、同一の符号で表すので説明を省略する。
【0023】
図2(a)は、第2の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置11を示すものである。該装置11は、前述したマイクロプレート3を載置する板状の載置部12を有している。該載置部12は、前記マイクロプレート3を前記ウェル2の平らな底部2aを支えることで載置した際に、正方形状または菱形状に配列された4個のウェル2ごとに、その配列の略中央部で4個の各ウェル2に対してその側方から磁場を及ぼすように、各ウェル2の外壁5に接近するようにマトリクス状(6行×4列)に配列され上側に突出して設けられた複数(この例では、24個)の前記磁力要素としての直方体状の磁石13を有している。
【0024】
また、前記載置部12には、前記ウェル2の配列に対応して、前記ウェル2の底部2aの外径よりもやや小さい内径をもつ測光用の孔14であって、下方から照射された光が該ウェル2に達するようにするためのものである。
【0025】
図2(b)は、予め、磁性粒子が懸濁する懸濁液が各ウェル2内に収容されている前記マイクロプレート3を前記載置部12に載置した場合に、前記磁石13と前記各ウェル2の外壁5および該ウェル2の内壁に磁力によって吸着されたペレット状の粒子塊9との関係を上側から示す平面図である。
【0026】
図2(c)は、前記磁石13と、前記各ウェル2と、前記粒子塊9との関係を断面図で示すものである。
この状態で、該磁性粒子が除去された残液10が収容されたウェル2を有するマイクロプレート3および前記載置部12の前記孔14を通して、下方から、光を照射して測定を行う。すると、該光は、前記磁性粒子によって妨害されることなく上方で図示されていない受光部によって、高い強度で受光されることになる。
【0027】
本実施の形態によれば、磁石の個数を削減することができるので、製造の手間や製造コストを削減することができる。
【0028】
続いて、第3の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を、図3に基づいて説明する。なお、図1と同一の符号は、同一のものを表すので説明を省略する。
【0029】
図3(a)は、第3の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置15を示すものである。該装置15は、前述したマイクロプレート3を前記基板3aを支えることによって載置する板状の載置部16を有している。該載置部16は、前記マイクロプレート3の各ウェル2に対応した位置に、前記各ウェル2の外径よりもやや大きい内径をもつ円形の孔17が設けられている。前記マイクロプレート3を該載置部16に載置すると、該マイクロプレート3の各ウェル2は、該孔17を貫いて、載置部16の下側に突出する。その際に、各ウェル2に対してその側方から磁場を及ぼすように、各ウェル2の外壁5に近接するようにマトリクス状(12行×8列)に配列され、下方に突出して設けられた複数(この例では、96個)の角柱状の磁石18を、前記各孔17の縁に沿った所定位置に設けている。該磁石18が前記磁力要素に相当する。
【0030】
図3(b)は、予め、磁性粒子が懸濁する懸濁液が各ウェル2内に収容されている前記マイクロプレート3を前記載置部16に載置した場合に、前記磁石18と、前記各ウェル2の外壁5および該ウェル2の内壁に磁力によって吸着されペレット状の粒子塊9との関係を上側から示す平面図である。
【0031】
図3(c)は、前記磁石18と、前記各ウェル2の外壁と、前記粒子塊9との関係を断面図で示すものである。
【0032】
この状態で、該磁性粒子が除去された残液10が収容されたウェル2を有するマイクロプレート3および前記載置部16に対して、下方から、光を照射して測定を行う。すると、該光は、前記磁性粒子によって妨害されることなく上方で図示されていない受光部によって、高い強度で受光されることになる。
【0033】
本実施の形態によれば、各磁石18は、載置部16の裏側に設けられているため、マイクロプレート3を載置する際の下方向の移動による接触により磁石18が損傷を受ける事態を防止することができる。また、各ウェル2が孔17に挿入される為、位置決めが確実である。
【0034】
また、載置部16により、下方からの光を遮断しないので、各ウェル2に対して、強度の高い光を照射することができる。
【0035】
なお、第3の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置15の磁石18の代わりに、前記マイクロプレート3を載置した際に、正方形状または菱形状に配列された4個のウェル2ごとに、その配列の略中央部で4個の各ウェル2に対してその側方から磁場を及ぼすように、各ウェル2の外壁5に接近するようにマトリクス状(6行×4列)に配列した下側に突出して設けられた複数の直方体状の磁石を設けるようにしても良い。
【0036】
続いて、図4に基づいて、第4の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置20を説明する。なお、図1と同一の符号は、同一のものを表すので、説明を省略する。
【0037】
図4(a)は、第4の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置20を示すものである。該装置20は、下側に突出する複数(この例では、96個)の透明なウェル21がマトリクス状(この例では、12行×8列)に配列されたマイクロプレート22と、該マイクロプレート22を前記ウェル21の曲面状の底部21aを支えることで載置する略板状の載置部23を有している。
【0038】
該載置部23は、プレート状磁石またはシート状の磁石を有するものであって、前記マイクロプレート22を載置した際に、該マイクロプレート22の各ウェル21に対応した位置に、各ウェル21の外径よりもやや小さい内径をもつ円形の孔24が設けられている。該孔24は、前記磁力要素に対応している。
前記底部21aは該孔24にその先端が挿入された状態で載置部23に支えられ、その外面28が、前記孔24の内周に近接または接触している。
【0039】
図4(b)は、予め、磁性粒子が懸濁する懸濁液が各ウェル21内に収容されている前記マイクロプレート22を前記載置部23に載置した場合に、前記各ウェル21の内壁29(内底部に近い)に磁力によって吸着されたペレット状のリング状粒子塊25との関係を上側から示す平面図である。該リング状粒子塊25のリングの径は、前記孔24の内径にほぼ等しい。該リング状粒子塊25の略中央が測光可能な測光領域26である。
【0040】
前記マイクロプレート22を前記載置部23に載置すると、該マイクロプレート22の各ウェル21の底部21a、21bの形状に応じて、図4(c)に示すように、その内面に磁性粒子のペレット状のリング状粒子塊25が、前記磁力要素の孔24の縁にある磁石部分に沿って形成される。
【0041】
本実施の形態によれば、プレート状またはシート状の磁石を用いているので、突状の磁石を用いる必要がなく、前記ウェル21との接触による損傷のおそれが小さい。また、磁力を底部の一部に対し下方向から、または底部に近い側壁に対し斜め下方向から及ぼすようにしているので、隣接するウェル間に必ずしも磁石を設けるための空隙が必要でない。
【0042】
図5に基づいて、第5の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置30を説明する。なお、図4と同一の符号は、同一のものを表すので、説明を省略する。
【0043】
図5(a)は、第5の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置30を示すものである。該装置30は、前記マイクロプレート22をその底部21aまたは図示しないマイクロプレート22の枠を支えることで載置する略板状の載置部31を有している。該載置部31に、前記マイクロプレート22を載置した際に、正方形状または菱形形状に配列された4個のウェル21ごとに、その配列の略中央部で、4個の各ウェル21に対してその、下側方から磁場を及ぼすように、各ウェル21の底部21aに接近しまたは接触するようにマトリクス状(6行×4列)に配列され上側に突出して設けられた複数(この例では、24個)の前記磁力要素としての円柱状磁石32を有している。
【0044】
また、前記載置部31には、前記ウェル21の配列に対応して、前記ウェル21の底部21aの外径よりもやや小さい内径をもつ測光用の孔33であって、下方から照射された光が該ウェル21に達するようにするためのものである。
【0045】
図5(b)には、予め、磁性粒子が懸濁する懸濁液が各ウェル21内に収容されている前記マイクロプレート22を前記載置部31に載置した場合に、前記各ウェル21の内壁29に磁力によって吸着されたペレット状の粒子塊34と前記磁石32との位置関係を上側から示す平面図である。各ウェル21内の領域35が測光領域である。
【0046】
図5(c)は、前記マイクロプレート22を前記載置部31に載置した場合の、断面図を示すものである。
【0047】
本実施の形態によれば、ウェル21を4個ごとに、1個の円柱状の磁石を設ければ足りるので、磁石の個数を削減することができ、製造の手間や製造コストを削減することができる。また、底部の一部に対し下方向から、または底部に近い側壁に対して、底面の湾曲を利用して、斜め下方向から磁力を及ぼすようにしているので、ウェルの側面間に磁石を設ける隙間がないかまたは小さい場合であっても測光することができる。
【0048】
続いて、図6に基づいて、第1の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を用いた検査について説明する。該検査は、患者の体液中に所定抗原36が存在するか否かの検査である。
【0049】
図6(1)は、複数の患者から抽出した体液中に所定抗原36が存在する場合の体液、すなわち、陽性検体を示すものであり、図6(2)は、該体液中に所定抗原36が存在しない患者の体液、すなわち、陰性検体を示すものである。
【0050】
ステップS1で、マイクロプレートの各ウェル41、41(例えば、12行×8列の中から選んだ)に、複数の患者から抽出した体液を含有する液42、42を収容しておく。ここで、符号38は、前記所定抗原36と異なる別種の抗原を表す。ステップS2で、各ウェル41、41中に、前記抗原36と所定部位で特異的に結合する所定抗体40を固定した磁性粒子39を添加する。
【0051】
これらの検体の分注や、磁性粒子39の添加は、例えば、前記マイクロプレートのウェルの配列に応じた配列をもつ複数のノズルに、使い捨て可能なピペットチップを着脱自在に装着し、該ピペットチップの外部から磁力を及ぼしかつ除去することが可能な磁力手段を設けた図示しない磁力手段付分注機によって行う。次に、ステップS3で、前記磁力手段付分注機を用いて、該ウェル41,41から液42、42を吸引する際に磁力を及ぼすことによって、ピペットチップの内壁に吸着させることによって磁気分離を行う。
【0052】
ステップS4で、磁性粒子39をピペットチップとともに、別のマイクロプレートのウェル43、43に移動して、前記ピペットチップ内に磁力を及ぼさない状態にして、該各ウェル43、43内にある液44、44の吸引吐出を繰り返すことによって再懸濁する。
【0053】
ステップS5で、前記所定抗原36の前記磁性粒子39と結合する部位と異なる部位で特異的に結合可能な抗体45を有する標識物質46を、前記ピペットチップを用いて該ウェル43、43に添加する。該標識物質46は、発色によって標識を行う物質であって、例えば、ペルオキシダーゼ(POD)という酵素を用いたものである。
【0054】
ステップS6で、前記ピペットチップで、前記ウェル43、43から前記液44、44を吸引する際に、磁力を及ぼすことによって、該ピペットチップの内壁に前記磁性粒子39を含む複合粒子47を吸着した状態で、該液44、44の残液を吐出して除去する。
【0055】
ステップS7で、該複合粒子47または抗体40が結合した磁性粒子39を該ピペットチップの内壁に吸着したまま、他の液48、48が収容されているマイクロプレート3の前記ウェル2、2にまで移動し、磁力を除去した状態で該液48、48の吸引吐出を繰り返すことによって、該ウェル2、2中に再懸濁する。
【0056】
ステップS8で、前記分注機を用いて、該各ウェル2、2に前記複合粒子47または抗体40が結合した磁性粒子39から前記磁性粒子39を切断するための乖離剤および前記標識物質を発色させる為の発色試薬として、テトラメチルベンゼン(TMB)という色原性基質を添加する。
【0057】
ステップS9で、該マイクロプレート3を前記磁性粒子懸濁液測定装置1の前記載置部4に載置させることによって、各マイクロプレート3の各ウェル2、2の側面から該各ウェル2、2内に磁力を及ぼす。
【0058】
すると、該磁性粒子39は、前記ウェル2、2の各磁石6が設けられている側の内壁に吸着し、前記ウェル2、2内には、該磁性粒子39が除去され、前記抗原36の存在により、発色試薬によって発色した標識物質46が呈する色彩のついた残液49、49が各ウェル2、2に収容されることになる。そこで、ステップS10で、該載置部4の下方から照射された光が、該ウェル2、2を透過する際に該残液49、49を通過する光を前記受光部で受光することによって、その吸光度を測定する。すると、図6(1)の場合には、該色彩の波長について高い吸光度を測定することにより、前記抗原36の存在を検出することができる。一方、図6(2)の場合には、抗原36が存在しないので、何ら発色が起こらず、低い吸光度が測定されることになる。
【0059】
以上説明した各実施の形態は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば、以上の説明では、96個のウェルを有するマイクロプレートを用いた場合のみを説明したが、該場合に限られることなく、種々のウェル数のマイクロプレートに適用することができる。例えば、1列×複数行のウェルが配列されたマイクロプレートであっても良い。
【0060】
また、呈色した液の吸光度の測定についてのみ説明したが、該場合に限られず、例えば、前記標識物質として蛍光物質、例えば、Cy5、FITC等を用いた場合、または、化学発光物質を用いた場合、さらには、放射性物質を用いた場合であっても良い。蛍光物質の場合には、前記発光部としては、該蛍光物質を励起させるための光を照射する必要がある。その場合には発色試薬に相当するものは必要ではない。
【0061】
また、化学発光には、化学発光性化合物を標識する化学発光アッセイと、酵素を標識し、その酵素活性を化学発光法で測定する化学発光酵素アッセイに大別される。
【0062】
化学発光アッセイの場合には、前記標識物質として、例えば、アクジリニウムエステル誘導体、またはイソルミノール誘導体等を用いて直接前記抗体または抗原を用い、発色試薬の代わりに、アクジリニウムエステル誘導体の場合には、過酸化水素水を、また、イソルミノール誘導体の場合には、過酸化水素水およびマイクロペルオキシダーゼ(m−POD)を添加して発光させる。
【0063】
一方、化学発光酵素アッセイの場合には、前記標識物質として、酵素を用い、前記発色試薬の代わりに基質を用いて、該酵素の活性を化学発光法で検出するものである。例えば、酵素として、西洋ワサビペルオキシダーゼを用い、基質としてルミノール/過酸化水素水を用いたもの、または、酵素として、グルコースオキシダ−ゼを用い、基質としてグルコース/TCPO/ANSまたはグルコース/イソルミノール/m−PODを用いるものがある。
【0064】
また、以上の各構成要素、部品、装置等は、適当に変形しながら任意に組み合わせることができる。例えば、前記載置部、マイクロプレートのウェル、磁力要素の形状、位置、または受光部または発光部の有無等について適当に変形しながら任意に組み合わせることができる。
【0065】
【発明の効果】
第1の発明によれば、マイクロプレートを前記載置部に載置するのみで、磁性粒子が懸濁する液に対して、目的物質または標識物質によって変化した懸濁液の呈色等の状態、目的物質の濃度や、標識化された目的物質の標識物質の発光を、高精度で、かつ高い信頼性で行うことができる。
【0066】
また、マイクロプレートのみを交換することによって、安価に、クロスコンタミネーションを防止しながら、連続して、迅速に種々の試料に対して測定を行うことができる。
【0067】
さらに、多数の検体を一括して測定することができるので効率が高い。
また、マイクロプレートの各ウェルから磁性粒子を除去する作業を行うことなく、マイクロプレートを前記載置部に移動するという簡単な操作のみで、簡単かつ高い精度の測定を行うことができる。
【0068】
第2の発明によれば、マトリクス状に磁力要素を配列することによって、汎用性があり、かつコンパクトな装置を提供することができる。
【0069】
第3の発明によれば、4個の前記ウェルごとに1つの磁力要素を設けることによって、効率良く、かつコンパクトな装置を提供することができる。
【0070】
第4の発明によれば、磁性粒子が除去された残液について、例えば、吸光度、蛍光物質の励起による発光の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を示す図
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を示す図
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を示す図
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を示す図
【図5】本発明の第5の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を示す図
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る磁性粒子懸濁液測定装置を用いた検査の流れ図
【符号の説明】
1、11、15、20、30 磁性粒子懸濁液測定装置
2、2、2、21、41、41、43、43 ウェル
3、22 マイクロプレート
4、12、16、23、31 載置部
5(28) 外壁(外面)
6、13、18、32 磁石
7、14、17、24、33 孔
8、29 内壁
9、34 粒子塊
10、48、48 残液
39 磁性粒子
46 標識物質

Claims (5)

  1. 複数のウェルが設けられたマイクロプレートを載置可能な載置部と、前記載置部に設けられ、前記マイクロプレートが前記載置部に載置された際に、各ウェルの外面に近接しまたは接触して、各ウェル内に磁力を及ぼす複数の磁力要素を配列した磁力部と、各ウェル内からの光を受光する受光部と、を有するとともに、
    前記各ウェルは透明であって、前記マイクロプレートが前記載置部に載置された際に、前記各ウェルの底部に対応する前記載置部の位置に光が透過可能な孔が設けられ、かつ、各ウェルはその孔に挿入可能であることを特徴とする磁性粒子懸濁液測定装置。
  2. 前記孔は、前記各ウェルの外形よりもやや大きい内径をもつ円形に設けられ、前記マイクロプレートを該載置部に載置した際に、前記各ウェルは、該孔を貫いて載置部の下側に突出し、前記磁性要素は、前記ウェルに対してその側方から磁場をおよぼすように、各ウェルの外壁に近接するように配列され、下方に突出して前記各孔の縁に沿った所定位置に設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の磁性粒子懸濁液測定装置。
  3. 前記ウェルは、マトリクス状に配列され、前記磁力要素は、前記ウェルの配列に応じてマトリクス状に配列されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁性粒子懸濁液測定装置。
  4. 前記磁力要素は、前記マイクロプレートが載置部に載置された際に、4個の前記ウェルごとにその配列の略中央に位置するように設けられたことを特徴とする請求項に記載の磁性粒子懸濁液測定装置。
  5. 記載置部を挟んで、前記受光部と反対側に発光部を設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の磁性粒子懸濁液測定装置。
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