JP3979640B2 - 水中又は地中通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号の伝送媒体として低周波磁界を用いる水中又は地中通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、海底軟弱地盤に盛土を行う場合、地盤の沈下や側方移動等の変化あるいは変位(以下、まとめて変位と称する)が問題とされていた。この場合、地盤の変位を測定するために沈下計や傾斜計といった測定センサが使用されている。測定センサと海上の測定装置との間の信号伝送には、以下の2つの方式が知られている。第1の方式はケーブルによる伝送方式である。第2の方式は測定センサに電池を内蔵させて測定センサの出力信号を無線で海上へ伝送する方式である。
【0003】
第1の伝送方式は、海底地盤の沈下量や側方移動量が大きい所ではケーブルが切断されることが多く、伝送方式としては不適切とされることが多かった。また、波や潮流があるため、長期にわたる計測を行う場合にはケーブルの機械的強度を高める必要があり、コストが高くなる。以上の点からケーブルを用いずに無線で出力信号を送る伝送方式が必要となっている。
【0004】
第2の伝送方式では電波や音波を用いることが考えられている。しかし、電波を用いる伝送方式では海水や地盤による減衰によって出力信号を検出することが不可能になるという欠点があった。一方、音波を用いる伝送方式では送信部上方にある盛土や地盤中を伝搬する際の減衰により出力信号を検出することがほどんど不可能という欠点があった。
【0005】
このような理由から低周波磁界を信号の伝送媒体として用いる磁気信号伝送方式が一般的に用いられる傾向になりつつある。低周波磁界というのは、周波数範囲が1kHz〜10kHz程度の周波数による磁界のことである。
【0006】
磁気信号伝送方式ではループ寸法が波長に比べて十分短い微小ループアンテナが採用されている。このような微小ループアンテナによる放射電磁界は下記の数1〜数3で示される。
【0007】
【数1】
Figure 0003979640
【数2】
Figure 0003979640
【数3】
Figure 0003979640
【0008】
但し、HθとHは磁界を示し、Eφは電界を示す。また、ωは角周波数、Iは微小ループアンテナに流れる電流、λは波長、Sは微小ループアンテナの面積、kは波数(k=2π/λ)、rは微小ループアンテナの中心からの距離、η0 は特性インピーダンス、μは透磁率をそれぞれ示す。
【0009】
ここで、磁気信号伝送方式ではkr<<1の関係が成り立つ領域を使用しているので、数1、数2、数3はそれぞれ以下の数4、数5、数6に近似することができる。
【0010】
【数4】
Figure 0003979640
【数5】
Figure 0003979640
【数6】
Figure 0003979640
【0011】
いずれにしても磁気信号伝送方式では、磁界成分の卓越した低周波磁界を信号の伝送媒体とすることで、従来の無線方式では伝送が不可能であった、海上と海中との間や海上と地盤中との間の無線データ伝送を可能としている。このような技術は、例えば特開平09−053958号公報に開示されている。
【0012】
図9は磁気信号伝送方式を利用した従来の水中通信装置の一例を説明するための図である。この水中通信装置は、海底側装置100と海上側装置200とを含む。海底側装置100は、海底に設置した測定センサ101から得られる地盤情報を海上側装置200からの送信指令に応答して海上へ伝送する。海上側装置200は、海底側装置100へ送信指令を発して海底側装置100からの地盤情報を受信する。
【0013】
海底側装置100は、測定センサ101、測定センサ101に接続された通信回路102、通信回路102に接続された送信用ソレノイドコイル103及び受信用ソレノイドコイル104を有する。通信回路102、送信用ソレノイドコイル103、受信用ソレノイドコイル104は耐圧容器105に収納されている。測定センサ101は用途に応じて耐圧容器105の内部または外部に設置される。
【0014】
海上側装置200は、通信回路201、通信回路201に接続された送信用ソレノイドコイル202及び受信用ソレノイドコイル203を有する。送信用ソレノイドコイル202、受信用ソレノイドコイル203は、それぞれ個別の容器204、205に収納されている。通信回路201にはコンピュータ206が接続されている。
【0015】
コンピュータ206から出力された送信指令は通信回路201で電気信号に変換され、この電気信号は送信用ソレノイドコイル202で磁気信号に変換される。送信用ソレノイドコイル202の発生した磁気信号は海中を伝搬して海底側装置100に到達し、受信用ソレノイドコイル104で磁気信号から電気信号に変換される。この電気信号は通信回路102で送信指令として判定される。
【0016】
通信回路102は、送信指令の入力を判定すると、測定センサ101からの地盤情報を取り入れて電気信号に変換する。送信用ソレノイドコイル103は通信回路102からの電気信号を受けてこれを磁気信号に変換する。
【0017】
送信用ソレノイドコイル103の発生した磁気信号は海中を伝搬して海上側装置200に到達し、受信用ソレノイドコイル203で磁気信号から電気信号に変換される。この電気信号は通信回路201で地盤情報に変換される。コンピュータ206は通信回路201から出力される地盤情報を記録したり、表示したりする。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の水中通信装置では、送信時に、ソレノイドコイルの発生する強い磁界が通信回路を誤動作させる問題が生じていた。加えて、受信時に、通信回路の発生する電界ノイズをソレノイドコイルが受けて磁気信号から電気信号への変換において信号対雑音比が低下する問題が生じていた。
【0019】
本発明の課題は、ソレノイドコイルの発生する磁界や、通信回路の発生する電界ノイズの影響を受けない水中又は地中通信装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、低周波磁界を伝送媒体として地中又は水中に設置して通信を行う水中又は地中通信装置であって、センサに接続した通信回路と、該通信回路に接続して電気信号から磁気信号への変換または磁気信号から電気信号への変換を行うソレノイドコイルとを容器に収納してなる水中又は地中通信装置に適用される。
【0021】
本発明の態様による水中又は地中通信装置は、前記ソレノイドコイルの内側に配置した中空の磁性体の内側に前記通信回路を配置し、前記電気信号から磁気信号への変換と前記磁気信号から電気信号への変換を1つのソレノイドコイルで行うようにしたことを特徴とする。
【0023】
本発明による水中又は地中通信装置は、具体的には、水上又は地上側に配置される水上又は地上側装置と水底または地中側に配置される水底又は地中側装置とを含む。前記水底又は地中側装置は前記通信回路と前記ソレノイドコイルと前記中空の磁性体とを前記容器に収納してなり、前記水上又は地上側装置は、送信指令を受信する水上又は地上側通信回路と、該水上又は地上側通信回路に接続し電気信号から磁気信号への変換及び磁気信号から電気信号への変換を行う水上又は地上側ソレノイドコイルとを水上又は地上側容器に収納してなる。
【0024】
前記水上又は地上側装置は、送信指令を受信するとこれを前記水上又は地上側ソレノイドコイルにより送信指令を示す磁気信号に変換して前記水底又は地中側装置に送信し、前記水底又は地中側装置では、前記ソレノイドコイルにより前記送信指令を示す磁気信号が送信指令を示す電気信号に変換され、前記通信回路は前記送信指令を示す電気信号を受けると前記センサからの測定量を示す電気信号を前記ソレノイドコイルに送り、該ソレノイドコイルは前記測定量を示す電気信号を測定量を示す磁気信号に変換して前記水上又は地上側装置に送信し、前記水上又は地上側装置では、前記水上又は地上側ソレノイドコイルにより前記測定量を示す磁気信号が測定量を示す電気信号に変換され、変換された電気信号が前記水上又は地上側通信回路から出力されることを特徴とする。
【0025】
【作用】
本水中又は地中通信装置においては、中空の磁性体の外側にソレノイドコイルが巻かれていることから、送信時にはソレノイドコイルの発生する磁束は中空の磁性体に集中し、中空の磁性体の内側を通過する磁束は大きく減少する。
【0026】
一方、受信時には通信回路の発生する電界ノイズは中空の磁性体によりソレノイドコイルに対して遮蔽される。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明を水中通信装置として使用する場合の実施の形態を示す図である。以下では、海中で使用する場合について説明するが、河川、湖沼等の水中で使用する場合もまったく同じである。
【0028】
本水中通信装置は、海底に設置した測定センサ11から得られる地盤情報を海上側装置20からの送信指令に応答して海上へ伝送する海底側装置10と、海上から送信指令を発し海底側装置10からの地盤情報を受信する海上側装置20とを有する。地盤情報を得るための測定センサ11には、傾斜計や沈下計等が使用される。
【0029】
海底側装置10は、測定センサ11に接続した通信回路12と、通信回路12に接続し送受信両方に用いる一つのソレノイドコイル13と、これらを収容した耐圧容器14とを備える。通信回路12は、磁性体、ここでは円筒形の珪素鋼板製ボビン(以下、ボビンと略称する)15の内側に配置されている。そして、耐圧容器14とボビン15との間にソレノイドコイル13が配置されている。言い換えれば、ソレノイドコイル13はボビン15の外側に巻かれている。測定センサ11は用途に応じて耐圧容器14の内部または外部に設置される。
【0030】
海上側装置20は、通信回路21と、通信回路21に接続し送受信両方に用いる一つのソレノイドコイル22と、これらを収容した容器23とを備える。通信回路21も、磁性体、ここでは円筒形の珪素鋼板製ボビン(以下、ボビンと略称する)24の内側に配置されている。そして、容器23とボビン24との間にソレノイドコイル22が配置されている。通信回路21には、送信指令を出力したり、測定結果を記録したり、表示したりするためのコンピュータ25が接続されている。
【0031】
コンピュータ25から出力される送信指令は通信回路21で所定の信号変換が行われる。変換された電気信号はソレノイドコイル22で磁気信号に変換される。ソレノイドコイル22の発生した磁気信号は海中を伝搬して海底側装置10に到達し、ソレノイドコイル13で磁気信号から電気信号に変換される。この電気信号は通信回路12で送信指令として判定される。
【0032】
通信回路12は、送信指令の入力を判定すると、測定センサ11からの地盤情報を取り入れて電気信号に変換する。ソレノイドコイル13は通信回路12からの電気信号を磁気信号に変換する。ソレノイドコイル13の発生した磁気信号は海中を伝搬して海上側装置20に到達し、ソレノイドコイル22で磁気信号から電気信号に変換される。この電気信号は通信回路21で地盤情報に変換される。コンピュータ25は通信回路21から出力される地盤情報を記録したり、表示したりする。
【0033】
なお、図示していないが、海底側装置10ではバッテリを電源として内蔵している。また、電気信号を2値位相変調(BPSK)方式や2値周波数変調(BFSK)方式を用いて磁気信号に変調している。例えば、海上側装置20について言えば、通信回路21は、搬送波信号を発生すると共に、この搬送波信号を送信指令で変調する変調回路を有する。海底側装置10の通信回路12はこの変調回路に対応した復調回路を有する。一方、海底側装置1について言えば、通信回路12は、搬送波信号を発生すると共に、この搬送波信号を地盤情報で変調する変調回路を有する。海上側装置20の通信回路21はこの変調回路に対応した復調回路を有する。通常、海底には複数の海底側装置が設置され、各海底側装置には個別にID番号が付与される。海底側装置と海上側装置との間で伝送される信号には、海底側装置を特定するためにID番号を示すID情報が含まれている。コンピュータ25は複数の海底側装置をID番号で識別する。
【0034】
図2は、図1に示された海上側装置20における通信回路21の構成を示した図である。通信回路21は、送信回路21−1、受信回路21−2、送受切替回路21−3から成る。送信回路12−1はコンピュータ25からの送信指令を受けると、送受切替回路21−3を経由してソレノイドコイル22を励磁する。受信回路21−2は復調回路を有し、送受切替回路21−3を通して受信した信号を復調してコンピュータ25に出力する。通信回路21は図示しない回路基板に実装されて円筒形のボビン24の内側に配置されている。容器23とボビン24との間にはソレノイドコイル22が配置されている。
【0035】
通常、送受切替回路21−3は、送信回路21−1により送信回路21−1とソレノイドコイル22との間を接続するようにされている。コンピュータ25から出力される送信指令は送信回路21−1で所定の信号変換が行われ、この電気信号は送受切替回路21−3を経由してソレノイドコイル22で磁気信号に変換される。送信回路21−1は、ソレノイドコイル22により磁気信号に変換された送信指令が送信された後、送受切替回路21−3に対して受信回路21−2とソレノイドコイル22との間を接続するように切り替えさせ、受信回路21−2が海底側装置10からの磁気信号を受信するのを待機する。一定時間内に海底側装置10からの磁気信号を受信できない場合、つまり受信回路21−2から信号受信を示す出力が得られない場合、送信回路21−1は送受切替回路21−3に対して送信回路21−1とソレノイドコイル22との間を接続するように切り替えさせて、再度所定の信号変換を行った送信指令を出力する。ソレノイドコイル22は、磁気信号に変換した送信指令を送信する。以上の動作は海底側装置10から磁気信号が受信されるまで繰り返される。
【0036】
受信待機中に海底側装置10のソレノイドコイル13の発生した磁気信号が受信されると、ソレノイドコイル22で磁気信号から電気信号に変換される。この電気信号は受信回路21−2で地盤情報に復調される。受信回路21−2はソレノイドコイル22で海底側装置10からの磁気信号が受信されると、その旨を送信回路21−1に通知する。コンピュータ25は受信回路21−2から出力される地盤情報を記録したり、表示したりする。
【0037】
図3は図1に示された海底側装置10における通信回路12の構成を示した図である。通信回路12は、測定センサ11に接続した測定回路12−1、受信回路12−2、送信回路12−3ならびに送受切替回路12−4から成る。測定回路12−1は測定センサ11からの地盤情報を送信回路12−3経由で送受切替回路12−4に出力する。受信回路12−2は復調回路を有し、送受切替回路12−4経由で受信した信号を復調して得られた送信指令を送信回路12−3に与える。測定回路12−1、受信回路12−2、送信回路12−3、ならびに送受切替回路12−4は図示しない回路基板に実装されて円筒形のボビン15の内側に配置されている。耐圧容器14とボビン15との間にはソレノイドコイル13が配置されている。測定センサ11は用途に応じて耐圧容器14の内部または外部に設置される。
【0038】
通常、送信回路12−3は、送受切替回路12−4に対して受信回路12−2とソレノイドコイル13とを接続するようにさせている。海上側装置20で発した磁気信号は海中を伝搬して海中側装置10に到達し、ソレノイドコイル13で磁気信号から電気信号に変換される。この電気信号は送受切替回路12−4を経由して受信回路12−2に入力される。受信回路12−2は、入力された信号を復調して送信指令を得ると、これを送信回路12−3に送る。受信回路12−2からの送信指令を受けると、送信回路12−3は送受切替回路12−4に対して送信回路12−3とソレノイドコイル13との間を接続するように切り替えさせる。また、送信回路12−3は測定回路12−1を介して測定センサ11から地盤情報を取り入れ、所定の信号変換を行う。ソレノイドコイル13は送信回路12−3からの電気信号を送受切替回路12−4経由で受けて磁気信号に変換する。
【0039】
図4は本発明による水中又は地中通信装置において、海底側装置10あるいは海上側装置20におけるソレノイドコイルを送信用として使用した場合の磁束を説明するための図である。本図では海上側装置20の場合について説明するが、海底側装置10の場合もまったく同じである。
【0040】
ソレノイドコイル22を円筒形のボビン24と容器23との間に配置し、回路基板に実装された通信回路21をボビン24の内側に配置する。ソレノイドコイル22を送信用として使用する場合、その内側に透磁率の高い材料によるボビン24を配置することでソレノイドコイル22から出た磁束はボビン24に集中して通過しやすい。その結果、ボビン24の内側を通過する磁束は減少する。従って、ボビン24の内側において通信回路21が受けるノイズも減少し、通信回路21の動作が安定することになる。ここで、珪素鋼板製ボビンに代わる磁性材料として、例えばフェライトを使用した場合でも同様な効果が得られる。
【0041】
図5は本発明による水中通信装置において、海底側装置10あるいは海上側装置20におけるソレノイドコイルを受信用として使用した場合に、通信回路が発生する電磁波を説明するための図である。本図では海底側装置10の場合について説明するが、海上側装置20の場合もまったく同じである。
【0042】
ソレノイドコイル13を円筒形のボビン15と耐圧容器14(図示省略)との間に配置し、回路基板に実装された通信回路12を円筒形のボビン15の内側に配置する。ソレノイドコイル13は微小な磁気信号を検出するためのものであるので、ソレノイドコイル13の中心部に配置した通信回路12の放射する微小な電磁波であってもノイズとなる可能性がある。しかし、ソレノイドコイル13の内側に配置したボビン15が閉回路を形成することで、通信回路12の発生する電磁波はボビン15の外部に出ない。これにより、ソレノイドコイル13は信号対雑音比を低下させることなく磁気信号から電気信号への変換を行うことができる。
【0043】
図6は本発明による水中通信装置において、海上側装置20のソレノイドコイル22を送信用として使用する場合に、送受切替回路21−3の動作を説明するためのブロック図である。送受切替回路21−3は、送信回路21−1の出力側に接続されたFETドライバD1とFET1〜FET4とから成る。FET1〜FET4の各制御端子には、FETドライバD1からのドライブ出力が接続されている。FET1とFET2との直列回路、FET3とFET4との直列回路がそれぞれバッテリ電源VCCとアースとの間に接続されている。FET1とFET2との接続部とFET3とFET4との接続部との間には、ソレノイドコイル22及びこれと直列共振回路を形成するコンデンサC1が接続されている。
【0044】
FETドライバD1は送信回路21−1からの制御信号、つまり送信指令を受けてFET1〜FET4に対して二種類の動作状態を作り出す。第一の動作状態では、FET1とFET4とをオン状態にしてバッテリ電源VCC−FET1−コンデンサC1−ソレノイドコイル22−FET4−アースの回路を形成し、FET2とFET3とをオフ状態とする。第二の動作状態では、FET1とFET4とをオフ状態にし、FET2とFET3とをオン状態としてバッテリ電源VCC−FET3−ソレノイドコイル22−コンデンサC1−FET2−アースの回路を形成する。第一及び第二の動作状態を送信回路21−1において指令信号で変調した搬送波信号で切り替えることでソレノイドコイル22とコンデンサC1との直列共振回路に交流電圧が印加され、ソレノイドコイル22は磁気信号を発生する。なお、受信回路21−2は送受切替回路21−3、つまりFET3とFET4との接続部に接続されているが、送信回路21−1は送信動作を行っている間は、受信回路21−2から信号を受信したとしてもこれを無視する。
【0045】
上記の説明は、海上側装置20の送受切替回路21−3の説明であるが、海底側装置10の送受切替回路12−4も同じ構成で良く、各構成要素の参照番号の横に付した括弧内の参照番号は送受切替回路12−4の場合の構成要素の番号を示している。但し、海底側装置10の送受切替回路12−4の場合、送信回路12−3からは地盤情報で変調された搬送波信号が出力され、FETドライバD1はこれに対応したドライブ出力をFET1〜FET4に与える。つまり、ソレノイドコイル13は送信回路12−3からの地盤情報で変調された搬送波信号を磁気信号に変換する。
【0046】
図7は本発明による水中通信装置において、海上側装置20のソレノイドコイル22を受信用として使用する場合に、送受切替回路21−3の動作を説明するためのブロック図である。
【0047】
送信指令を発した後、送信回路21−1は、送受切替回路21−3を磁気信号入力の待機状態に移行させるために、FETドライバD1に対してFET2のみをオンとする状態にさせる。図7はその等価回路を示し、バッテリ電源VCC、FET1、FET3、FET4等は図示を省略している。受信回路21−2は、電流−電圧変換回路21−21とバンドパスフィルタ21−22と復調回路21−23とから成る。
【0048】
詳しく説明すると、送受切替回路21−3のFETドライバD1は送信回路21−1からの送信指令を受けて図6で説明した送信のための切替え動作を行った後は、FET1、FET3、FET4をオフ状態とし、FET2のみをオン状態にして磁気信号入力の待機状態に移行させる。また、ソレノイドコイル22とコンデンサC1とで決まる共振周波数の外部磁界が作用するとソレノイドコイル22には電流が誘起され、電流一電圧変換回路21−21の出力には電圧が発生する。電流−電圧変換回路21−21の出力は所定の周波数帯域以外のノイズを除去するバンドパスフィルタ21−22を経由して復調回路21−23に出力されて地盤情報を示す電気信号に復調される。この電気信号はコンピュータ25に出力される。
【0049】
上記の説明は、海上側装置20の送受切替回路21−3の説明であるが、海底側装置10の送受切替回路12−4も同じ構成で良く、各構成要素の参照番号の横に付した括弧内の参照番号は送受切替回路12−4の場合の構成要素の番号を示している。但し、海底側装置10の送受切替回路12−4の場合、ソレノイドコイル13からは送信指令に基づく電気信号が得られ、受信回路12−2ではこれを復調して送信指令を送信回路12−3に出力する。その結果、送信回路12−3は送受切替回路12−4に対して地盤情報送信のために図6で説明した状態に移行させる。
【0050】
なお、上記の実施の形態では、送信と受信とを1つのソレノイドコイルで行う場合について説明したが、図9で説明したように送信用のソレノイドコイルと受信用のソレノイドコイルとを個別に備えるようにしても良い。この場合、送信用のソレノイドコイルと受信用のソレノイドコイルと同心状に配置してその内側に通信回路を配置するか、あるいは送信用のソレノイドコイルと受信用のソレノイドコイルとを並列配置する場合にはその一方の内側に通信回路を配置すれば良い。
【0051】
図8は本発明による水中通信装置において、2値位相変調(BPSK)方式を用いた場合の送信指令や地盤情報の信号変換の様子を示す波形図である。ここで、搬送波信号の位相変調は、変調信号が「1」ならば搬送波信号の位相を180°反転させ、「0」ならば搬送波信号の位相を保持している。
【0052】
以上、本発明を水中通信装置として使用する場合の実施の形態について説明したが、本発明は地中通信装置にも適用可能である。この場合、図1に示した海底側装置10は地中側装置として地中に配置され、海上側装置20は地上側装置として地上に配置される。地中通信装置としての動作は、上述した水中通信装置の動作とまったく同じである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による水中又は地中通信装置では、通信回路を中空の磁性体の内側に配置し、ソレノイドコイルを中空の磁性体と容器との間に配置している。これにより、送信時は磁束が磁性体内部を通過しやすいことから強磁界から内部の電子回路を保護し、受信時は通信回路の発生するノイズを遮蔽する効果がある。
【0054】
また、ソレノイドコイルを送受信用として併用可能としている。ソレノイドコイルの磁束への変換効率は直径と長さに比例することから、容積いっぱいのアンテナ形状が得られる効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を水中通信装置に適用した場合の実施の形態を説明するための図である。
【図2】図1に示された水中通信装置における海上側装置を説明するための図である。
【図3】図1に示された水中通信装置における海底側装置を説明するための図である。
【図4】本発明による水中通信装置のソレノイドコイルを送信用として使用した場合の磁束を説明するための図である。
【図5】本発明による水中通信装置のソレノイドコイルを受信用として使用した場合に、通信回路が発生する電磁波を説明するための図である。
【図6】本発明による水中通信装置における送受切替回路の送信時の動作を説明するための図である。
【図7】本発明による水中通信装置における送受切替回路の受信時の動作を説明するための図である。
【図8】本発明による水中通信装置において、2値位相変調(BPSK)方式を用いた場合の送信指令や地盤情報の信号変換の様子を示す波形図である。
【図9】従来の水中通信装置の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 海底側装置
11 測定センサ
12、21 通信回路
13、22 ソレノイドコイル
14 耐圧容器
15、24 珪素鋼板製ボビン
20 海上側装置
23 容器
25 コンピュータ

Claims (2)

  1. 低周波磁界を伝送媒体として水中又は地中に設置して通信を行う水中又は地中通信装置であって、センサに接続した通信回路と、該通信回路に接続して電気信号から磁気信号への変換または磁気信号から電気信号への変換を行うソレノイドコイルとを容器に収納してなる水中又は地中通信装置において、
    前記ソレノイドコイルの内側に配置した中空の磁性体の内側に前記通信回路を配置し
    前記電気信号から磁気信号への変換と前記磁気信号から電気信号への変換を1つのソレノイドコイルで行うことを特徴とする水中又は地中通信装置。
  2. 請求項1に記載の水中又は地中通信装置において、
    水上又は地上側に配置される水上又は地上側装置と水底または地中側に配置される水底又は地中側装置とを含み、
    前記水底又は地中側装置は前記通信回路と前記ソレノイドコイルと前記中空の磁性体とを前記容器に収納してなり、
    前記水上又は地上側装置は、送信指令を受信する水上又は地上側通信回路と、該水上又は地上側通信回路に接続し電気信号から磁気信号への変換及び磁気信号から電気信号への変換を行う水上又は地上側ソレノイドコイルとを水上又は地上側容器に収納してなり、
    前記水上又は地上側装置は、送信指令を受信するとこれを前記水上又は地上側ソレノイドコイルにより送信指令を示す磁気信号に変換して前記水底又は地中側装置に送信し、
    前記水底又は地中側装置では、前記ソレノイドコイルにより前記送信指令を示す磁気信号が送信指令を示す電気信号に変換され、前記通信回路は前記送信指令を示す電気信号を受けると前記センサからの測定量を示す電気信号を前記ソレノイドコイルに送り、該ソレノイドコイルは前記測定量を示す電気信号を測定量を示す磁気信号に変換して前記水上又は地上側装置に送信し、
    前記水上又は地上側装置では、前記水上又は地上側ソレノイドコイルにより前記測定量を示す磁気信号が測定量を示す電気信号に変換され、変換された電気信号が前記水上又は地上側通信回路から出力されることを特徴とする水中又は地中通信装置。
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