JP2012249098A - 地中通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボーリング孔の直径が小さい場合であってもこのボーリング孔を通して地中側装置を地中に設置することができるような地中通信装置を提供する。
【解決手段】センサを備え該センサで検出されたセンサ情報を含む信号を送信する機能を持つ第1の通信装置と、該第1の通信装置で送信した信号を受信する機能を持つ第2の通信装置とを備え、前記第1、第2の通信装置のうち、少なくとも第1の通信装置がボーリング孔中にある状態で1kHz〜10kHzの低周波電界信号を前記信号として通信を行なう地中通信装置であって、前記第1、第2の通信装置はそれぞれ、前記低周波電界信号を送信、受信するための少なくとも2つの電極からなるアンテナを有し、前記第1の通信装置における2つの電極はそれぞれ、その一部が油圧駆動機構によって駆動されてボーリング孔の孔壁に差し込まれる構造を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、地中間あるいは地中と地上との間の通信に適した通信装置に関する。
この種の通信装置の適用例として、地すべり監視システムがある。その一例を簡単に説明する。地すべりの発生が予想される、いわゆる地すべり地帯では地表面の動きを経時的に観測するために地表面の移動量を測定する地すべり計が用いられている。地すべり計には沈下計や傾斜計等のセンサが用いられるが、地上面に限らず地中に設置される場合もある。いずれにしても、有線通信方式の場合、地すべり地帯(地上面や地中)に設置された地すべり計は、そこから離れた場所に設置された監視装置本体とセンサケーブルを介して電気的に接続される。監視装置本体は、地すべり計からの検出信号を受信して処理し、地表面の移動量や、場合によっては地すべり警報等を監視センターに報知する。
しかしながら、有線通信方式では、地すべりによる崩壊が発生する前に地すべり計と監視装置本体を結ぶセンサケーブルが切断されてしまう場合がある。
そこで、地すべり計と監視装置本体の間を無線で結合する無線通信方式も提供されている。ただし、無線通信方式の場合、地すべり計が地中に設置されていると電波は地中をほとんど伝播しないので、磁気を利用した無線通信方式が用いられている。この種の無線通信方式は、例えば特許文献1においては「水中又は地中通信装置」として開示され、特許文献2においては「変位測定装置」として開示されている。
特許文献1、2の技術は、いずれも地中(あるいは水中)に設置した地中側装置において低周波磁界を発生させ、これに変調等の手段によりセンサで検出したセンサ情報を載せて低周波磁界信号として送信し、地上に設置した地上側装置においてその低周波磁界信号を検出(受信)して処理することでセンサ情報を得る低周波磁界通信方式となっている。
特許第3979640号公報 特許第4031127号公報
しかしながら、上記の低周波磁界通信方式では、地中側装置にあっては低周波磁界信号を発生させるためのコイル、地上側装置にあっては低周波磁界信号を受信するためのコイルをそれぞれ備えることが必要である。
低周波磁界信号を用いた通信方式においては、アンテナの近傍では、その形状がコイルの場合では磁界成分が卓越し、伝搬媒体(例えば土)に接触した電極では電界成分が卓越し伝搬していく。磁界成分を使用する通信方式では通信の到達距離を延ばすにはコイルの寸法を大きくする必要がある。また、コイル周辺を金属などの磁性材で囲むことは困難となることから機械的強度上の問題が生じる。
一方、電界成分を使用する通信方式では通信の到達距離を延ばすにはアンテナとなる電極間隔を広げればよい。また、送信機本体を金属で囲うことができるなど強度的な利点もある。
ところで、地中側装置は、通常、ボーリング孔を通して地中に設置される。ところが、ボーリング孔の直径は10cm以下というように細い場合が多く、地中側装置をボーリング孔の直径に合わせたサイズにする必要がある。
これに対し、前述したように、地中側装置の設置深度が大きくなるにつれて通信距離が長くなり、低周波磁界信号発生用のコイルもサイズが大きくなるので、地中側装置を、ボーリング孔を通して設置することが難しくなるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、ボーリング孔の直径が小さい場合であってもこのボーリング孔を通して地中側装置を地中に設置することができるような地中通信装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、コイルを用いることなく地中無線通信を実現することのできる地中通信装置を提供することにある。
本発明の態様によれば、センサを備え該センサで検出されたセンサ情報を含む信号を送信する機能を持つ第1の通信装置と、該第1の通信装置で送信した信号を受信する機能を持つ第2の通信装置とを備え、前記第1、第2の通信装置のうち、少なくとも第1の通信装置がボーリング孔中にある状態で1kHz〜10kHzの低周波電界信号を前記信号として通信を行なう地中通信装置であって、前記第1の通信装置は前記低周波電界信号を送信するための少なくとも2つの電極からなるアンテナを有し、前記第2の通信装置は前記低周波電界信号を受信するための少なくとも2つの電極を有し、前記第1の通信装置における2つの電極はそれぞれ、その一部が油圧駆動機構によって駆動されてボーリング孔の孔壁に差し込まれる構造を有することにより、電極自体のボーリング孔内での保持と地盤との電気的接触抵抗の低減を実現したことを特徴とする地中通信装置が提供される。
上記の態様による地中通信装置においては、前記第1の通信装置は、通信回路を導電性の金属ケースに収容してなるようにし、該金属ケースの一部を前記2つの電極のうちの一方として使用するようにしても良い。
上記の態様による地中通信装置においてはまた、前記第1の通信装置における2つの電極はそれぞれ油圧シリンダー機構を有し、該油圧シリンダー機構は、その油圧力により電極の一部を構成している部材をボーリング孔の孔壁に直角な方向に変位させてボーリング孔の孔壁に差し込むような構成であることが望ましい。
本発明によれば、ボーリング孔という狭い領域に設置されて信号送信手段として低周波電界信号を用いる際に、送信用のアンテナとして作用する電極の一部を構成している部材を、油圧駆動機構によって孔壁に差し込む構造とすることで、ボーリング孔内での電極の保持と、孔壁に対する電極の電気的接触抵抗の低減を実現することができ、これによって、数十m〜数百mの範囲の長距離地中通信が可能となる。
低周波磁界信号を用いる、いわゆる低周波磁界通信方式(図1a)と、本発明が適用される、低周波電界通信方式(図1b)の違いについて説明するための図である。 本発明の実施形態による地中通信装置における地上側装置の構成を示した図である。 本発明の実施形態による地中通信装置における地中側装置の構成を示した図である。 本発明の実施形態による地中通信装置の設置形態を示す断面図である。 図4に示された地中側装置を構成している送受信電極の第1の実施例の構造を説明するための図である。 図4に示された地中側装置を構成している2つの送受信電極のうち下側の送受信電極の周辺を拡大して示した断面図である。 図4に示された地中側装置を構成している2つの送受信電極のうち上側の送受信電極の周辺を拡大して示した断面図である。 地中側装置を構成している送受信電極の第2の実施例の構造を説明するための図である。
はじめに、図1を参照して、特許文献1に開示された低周波磁界通信方式(図1a)と、本発明が適用される、低周波電界通信方式(図1b)の違いについて説明する。便宜上、センサに接続される側を送信側(地中側)、監視装置本体に接続される側を受信側(地上側)として説明するが、後述されるように、センサに接続される側(地中側)、監視装置本体に接続される側(地上側)の双方が送受信機能を持つことが多い。
図1(a)の低周波磁界通信方式では、送信側の送信回路11からの交流発信信号にセンサで検出したセンサ情報を載せ送信コイル12を励磁することにより低周波磁界信号を発生する。この低周波磁界信号により受信側の受信コイル15には電気信号が誘起され、これを受信回路16で検出してセンサ情報を抽出する。低周波磁界信号の周波数は1kHz〜10kHzである。
これに対し、図1(b)の低周波電界通信方式では、送信側は送信回路21に送信電極22−1、22−2を接続した構成を有し、受信側は受信電極25−1、25−2に受信回路26を接続した構成を備える。送信電極22−1、22−2、受信電極25−1、25−2はそれぞれアンテナとして作用する。この構成により、送信側が地中に設置されていても、送信電極22−1、22−2の間に低周波電圧を印加することで周囲に低周波電界を形成し、その一部は地中を伝搬して地表まで拡がることから地表では電圧として検出することが可能である。しかも、送信電極22−1と22−2の間隔が大きくなると、送信電極22−1、22−2と受信電極25−1、25−2との間の距離、すなわち通信距離も大きくなる。
このようにして、送信側の送信回路21からの交流発信信号にセンサで検出したセンサ情報を載せて送信電極22−1、22−2に印加して、低周波電界信号(低周波電磁波)を発生する。この低周波電界信号を受信側の受信電極25−1、25−2で受信し、これを受信回路26で検出してセンサ情報を抽出する。低周波電界信号の周波数は1kHz〜10kHzである。
本発明の実施形態による地中通信装置は、ボーリング孔を通して地中に設置したセンサから得られるセンサ情報を地上側装置からの送信指令に応答して地上へ伝送する地中側装置と、地上から送信指令を発し地中側装置からのセンサ情報を受信する地上側装置とを有する。センサ情報を得るためのセンサとしては、孔内水位計、傾斜計や沈下計等があるが、これらは一例に過ぎない。
図2は、地上側装置の構成を示した図である。地上側装置30は、通信回路31とコンピュータ(監視装置本体)35を含む。通信回路31は、送信回路31−1、受信回路31−2(図1bの26)、送受切替回路31−3、送受信電極32、33(図1bの受信電極25−1、25−2を兼ねる)から成る。
送信回路31−1はコンピュータ35からの送信指令を受けると、送受切替回路31−3を経由して送受信電極32、33に低周波電界信号用の電圧を印加する。受信回路31−2は復調回路を有し、送受切替回路31−3を通して受信した低周波電界信号を復調してセンサ情報を抽出しコンピュータ35に出力する。通信回路31は図示しない回路基板に実装されてケース内に配置されている。送受信電極32、33は電極ケーブルを介して送受切替回路31−3からケース外に導出され、土中に差し込まれる。
通常、送受切替回路31−3は、送信回路31−1により送信回路31−1と送受信電極32及び33との間を接続するようにされている。コンピュータ35から出力される送信指令は送信回路31−1で変調等の所定の信号変換が行われて低周波電界信号用の電気信号に変換され、変換された電気信号は送受切替回路31−3を経由して送受信電極32、33に印加されて低周波電界が生成される。送信回路31−1は、送受信電極32、33を通して低周波電界信号に変換された送信指令が送信された後、送受切替回路31−3に対して受信回路31−2と送受信電極32、33との間を接続するように切り替えさせ、受信回路31−2が地中側装置からの低周波電界信号を受信するのを待機する。一定時間内に地中側装置からの低周波電界信号を受信できない場合、つまり受信回路31−2から信号受信を示す出力が得られない場合、送信回路31−1は送受切替回路31−3に対して送信回路31−1と送受信電極32、33との間を接続するように切り替えさせて、再度所定の信号変換を行ったうえで送信指令を出力させる。その結果、送受信電極32、33から低周波電界信号に変換された送信指令が再送信される。以上の動作は地中側装置から低周波電界信号が受信されるまで一定時間繰り返される。
受信待機中に地中側装置で発生した低周波電界信号が受信されると、送受信電極32、33からは低周波電界信号に応じた電気信号が得られる。この電気信号は受信回路31−2で復調されてセンサ情報が抽出される。受信回路31−2は送受信電極32、33で地中側装置からの低周波電界信号が受信されると、その旨を送信回路31−1に通知する。コンピュータ35は受信回路31−2から出力されるセンサ情報を記録、表示したり、場合によっては警報を発生したりする。
なお、地中間通信の場合は、コンピュータ35を除く構成要素が地中に埋設される。
図3は地中側装置の構成を示した図である。地中側装置40は通信回路42を備える。通信回路42は、センサ41に接続した測定回路42−1、受信回路42−2、送信回路42−3、送受切替回路42−4並びにこの送受切替回路42−4に接続した送受信電極43、44から成る。測定回路42−1はセンサ41からのセンサ情報を送信回路42−3経由で送受切替回路42−4に出力する。送信回路42−3は、測定回路42−1からのセンサ情報に対して変調等の所定の信号変換を行って低周波電界信号用の電気信号を生成する。受信回路42−2は復調回路を有し、送受切替回路42−4経由で受信した地上側装置30からの低周波電界信号を復調して得られた送信指令を送信回路42−3に与える。測定回路42−1、受信回路42−2、送信回路42−3、ならびに送受切替回路42−4は図示しない回路基板に実装されて筒形、例えば円筒形の金属ケース内に配置されている。金属ケースは、後述するボーリング孔の断面形状に合わせて作られるのが好ましい。送受信電極43、44はそれぞれ電極ケーブル46、47を介して金属ケースの外側に導出される。
通常、送信回路42−3は、送受切替回路42−4に対して受信回路42−2と送受信電極43、44とを接続するようにさせている。地上側装置30で発した、送信指令を有する低周波電界信号は地中を伝搬して地中側装置40に到達し、送受信電極43、44で低周波電界信号に応じた電気信号が得られる。この電気信号は送受切替回路42−4を経由して受信回路42−2に入力される。受信回路42−2は、入力された信号を復調して送信指令を得ると、これを送信回路42−3に送る。受信回路42−2からの送信指令を受けると、送信回路42−3は送受切替回路42−4に対して送信回路42−3と送受信電極43、44との間を接続するように切り替えさせる。また、送信回路42−3は測定回路42−1を介してセンサ41からのセンサ情報を取り入れ、変調等の所定の信号変換を行う。送受信電極43、44は送信回路42−3からの低周波電界信号を送受切替回路42−4経由で受けて低周波電界を発生する。
なお、図示していないが、地中側装置40ではバッテリを電源として内蔵している。また、センサ情報は、例えば2値位相変調(BPSK)方式や2値周波数変調(BFSK)方式を用いて搬送波信号を変調することで低周波電界信号に載せられる。つまり、この場合、地上側装置30、地中側装置40のいずれも、送信回路は、搬送波信号を発生すると共に、この搬送波信号を送信指令(地上側)、センサ情報(地中側)で変調する変調回路を有する。また、受信回路は、この変調回路に対応した復調回路を有する。
地中側装置40はまた、測定回路42−1を通して得られるセンサ情報を記憶する記憶回路を備えていることが好ましい。この場合、センサ41で検出されたセンサ情報を定期的にサンプリングして記憶しておき、必要に応じて送信回路42−3で読み出して地上側に送信することができる。
複数の地中側装置が設置される場合には、各地中側装置には個別にID番号が付与される。地中側装置と地上側装置との間で伝送される信号には、地中側装置を特定するためにID番号を示すID情報が含まれている。コンピュータ35は複数の地中側装置をID番号で識別する。
図4は本発明の実施形態による地中通信装置の設置形態を示す断面図である。
ここでは、地すべり、その他の測定を要する地中にボーリング孔100を形成し、このボーリング孔100を通して地中側装置40を設置している。また、地中側装置40は、図3で説明した通信回路42を収容している金属ケース50の下側に2つの送受信電極のうちの一方の送受信電極44を一体的に形成、あるいは組み付けると共に、この送受信電極44の下側に孔内水位計、傾斜計や沈下計等のセンサ41が組み付けられている。2つの送受信電極のうちの他方の送受信電極43は、送受信電極44との間の距離を大きくとるために、ボーリング孔100内で金属ケース50よりも上方の位置に配置されている。
ボーリング孔100に近い地上側には、通信回路31が設置されると共に、送受信電極32、33が地中に差し込まれている。
ところで、地中側装置40の上記各要素は、ボーリング孔100を通して設置されるのでボーリング孔100の断面サイズより小さい断面サイズを持つように作られている。そうすると、地中側装置40の上記各要素を、ボーリング孔100内の所望の深さ位置で保持する手段を講じる必要がある。
本発明の実施形態による地中通信装置は、地中側装置40の構成要素をボーリング孔100内の所望の深さ位置で保持する手段を、送受信電極43、44で実現できるようにした点に特徴を有する。つまり、下側に配置した送受信電極44により、これと一体の金属ケース50(つまり、通信回路42)とセンサ41をボーリング孔100内で保持できるようにし、上側に配置した送受信電極43は自身をボーリング孔100内で保持できるようにしている。
図5は、本発明による送受信電極の第1の実施例を示し、図4に示される地中側装置40側の送受信電極44の構造を説明するための図である。送受信電極43もまったく同じ構造を持つ。簡単に言えば、第1の実施例による送受信電極は、ボーリング孔内にある状態で油圧駆動機構により起こされてボーリング孔壁に食い込む複数の突起状部を備えることを特徴とする。
図5(a)において、送受信電極44は、上端部に外側に向けたフランジ44−1aを持つ内側シリンダー44−1を、下端部に内側に向けたフランジ44−2aを持つ外側シリンダー44−2に収容してなる。内側シリンダー44−1のフランジ44−1aの外周は外側シリンダー44−2の内壁に接する一方、外側シリンダー44−2のフランジ44−2aの内周は内側シリンダー44−1の外壁に接している。これにより、内側シリンダー44−1と外側シリンダー44−2が相対移動すると、内側シリンダー44−1の外壁と外側シリンダー44−2の内壁とフランジ44−1aとフランジ44−2aとで形成される環状のシリンダー空間の容積が変化するように構成されている。
図5(a)は外側シリンダー44−2が内側シリンダー44−1に対して最も上側にあってシリンダー空間が最も小さい状態にあり、図5(b)は外側シリンダー44−2が下動(又は内側シリンダー44−1が上動)して内側シリンダー44−1に対して最も下側にあってシリンダー空間が最も大きい状態にあることを示している。
第1の実施例による送受信電極44は、シリンダー空間に作動油を導入することにより、その油圧によって、内側シリンダー44−1に対して外側シリンダー44−2を強制的に下動させるように構成されている。このために、内側シリンダー44−1の上部に環状のシリンダー空間に作動油を導入するための作動油注入チューブ44−3が接続されている。また、内側シリンダー44−1のフランジ44−1aの外周、外側シリンダー44−2のフランジ44−2aの内周にはそれぞれ、シール用のO−リング44−9が装着されている。作動油注入チューブ44−3は、逆止支44−4を介して地上側の作動油供給源に接続されている。
次に、ボーリング孔内にある状態で上記の油圧駆動機構により起こされてボーリング孔壁に食い込む複数の突起状部について説明する。
ここでは、内側シリンダー44−1の外壁には、周方向に等角度間隔をおいて(90度で4枚であるが、2枚以上あれば良い)断面円弧形状の細長い第1の板材44−5が外側シリンダー44−2のフランジ44−2aより少し下側の位置から下端部まで延びるように取付けられている。特に、第1の板材44−5は、図5(c)の斜線部で示す領域、つまりその下端部のみを内側シリンダー44−1の外壁に溶接している。第1の板材44−5には、これより短めの長さの細長い2枚の第2の板材44−6a、44−6bが並べて取り付けられている。特に、第2の板材44−6a、44−6bは、図5(d)の斜線部で示す領域、つまり互いに反対側の端部のみを第1の板材44−5に溶接している。
このような構造によれば、第1の板材44−5に対して長さ方向に圧縮力が加えられると、第1の板材44−5はその一端が固着されているので、断面くの字形に折れ曲がる。この時、互いに反対側の一端のみが第1の板材44−5に固着されている第2の板材44−6a、44−6bはそれぞれ、折れ曲がった第1の板材44−5の板面に沿った状態となり、結果として、第2の板材44−6a、44−6bは、第1の板材44−5の折れ曲がりの頂点部で交差して突起状部を形成する。言うまでもなく、外側シリンダー44−2の下動距離が大きいほど第1の板材44−5の折れ曲がり角度は小さくなり、2枚の第2の板材44−6a、44−6bで形成される角度も小さくなって鋭くなる。
図5(e)は、第1の板材44−5と、第2の板材44−6a、44−6bのみを上から見た図である。
図5(a)に戻って、第1の板材44−5の上端は、外側シリンダー44−2が下動すると外側シリンダー44−2のフランジ44−2aに係合するようになっている。しかし、油圧駆動機構による油圧力が大きいことにより、外側シリンダー44−2の下動に伴って第1の板材44−5には大きな圧縮力が加わり、第1の板材44−5を折れ曲がるように変形させる。
外側シリンダー44−2が最も下側に移動した状態では、図5(b)に示すように、第1の板材44−5がくの字形に鋭角に折れ曲がり、2枚の第2の板材44−6a、44−6bは内側シリンダー44−1の外壁に平行な状態からほぼ直角に近い状態に起こされる。
以上のような変化をボーリング孔100内で起こさせることにより、変位した2枚の第2の板材44−6a、44−6bは、それらの先端がボーリング孔100の孔壁に突き刺さった状態となる。
図6は下側の送受信電極44とこれと一体の金属ケース50及びセンサ41が、送受信電極44からその直径方向の両側に突き出た2枚の第2の板材44−6a、44−6bによってボーリング孔100内に保持されている状態を示す。なお、送受信電極44と金属ケース50とを一体構造にする場合には、金属ケース50の一部を内側シリンダー44−1として利用することにより、送受信電極の構成要素の一部を省略することができる。
金属ケース50内の通信回路(測定回路42−1)とセンサ41はセンサケーブル48で接続され、金属ケース50内の通信回路(送受切替回路42−4)と内側シリンダー44−1は電極ケーブル47で接続されている。
図7は、上側の送受信電極43が、そこからその直径方向の両側に突き出た2枚の第2の板材によってボーリング孔100内に保持されている状態を示す。図4に示す金属ケース50内の通信回路(送受切替回路42−4)と送受信電極43の内側シリンダーは電極ケーブル46で接続されている。
なお、上記の送受信電極の構造は、ボーリング孔内での保持機能だけでなく、送受信電極を構成している部材の一部を孔壁に差し込むことで孔壁部との接触を改善し、送受信電極の電気的接触抵抗を低減する効果が高められる利点がある。これは、例えばボーリング孔にグラウトなどの改良材が注入される場合にもこれによるインピーダンスの影響を受けない。また送受信電極の電気的接触抵抗の低減は、通信距離を長くでき、通信品質の向上にも寄与する。このため、送受信電極のうち、図3の送受切替回路42−4に接続される部位は、電気的に導電性の金属材料で作られる。
図5(f)、(g)は、送受信電極44をボーリング孔100内に導入する吊り下げ手段について説明するための図である。
内側シリンダー44−1の外壁には、周方向に等角度間隔をおいた少なくとも2箇所にネジ44−7が取付けられており、このネジ44−7には吊り下げワイヤ44−8が接続されている。ネジ44−7の取り付け位置は、外側シリンダー44−2が最下動位置まで移動した時に、外側シリンダー44−2のフランジ44−2aと衝突して切断される高さ位置に設定される。なお、ネジ44−7の切断ではなく、ネジ44−7と外側シリンダー44−2のフランジ44−2aとの間に吊り下げワイヤ44−8が挟まれるようにして吊り下げワイヤ44−8を切断する構成としても良い。
以上のような構造を持つ送受信電極を有する、第1の実施例による地中側装置の設置方法について説明する。
図5(f)に示した送受信電極44のネジ44−7に吊り下げワイヤ44−8を結び、送受信電極44と一体化したセンサ41及び金属ケース(つまり通信回路42)をボーリング孔100内に投入し、続いて送受信電極43のネジに吊り下げワイヤを結んでボーリング孔100内に投入する。送受信電極44がボーリング孔100内の所望の深さ位置に到達したら、作動油注入チューブ44−3を通してシリンダー空間に作動油を注入し、第2の板材44−6a、44−6bをボーリング孔100の孔壁に食い込ませ、同時に、ネジ44−7を切断して吊り下げワイヤ44−8を切り離す。
続いて、送受信電極43がボーリング孔100内の所望の深さ位置に到達したら、作動油注入チューブ43−3を通してシリンダー空間に作動油を注入し、第2の板材をボーリング孔100の孔壁に食い込ませ、同時に、ネジを切断して吊り下げワイヤを切り離す。送受信電極の吊り下げワイヤは切断後、地上側に回収することで吊り下げワイヤが上下の送受信電極間のインピーダンスを低下させることを防止する効果もある。
以上で地中側装置の設置作業は終了する。作動油注入チューブは送受信電極に接続されたままであるが、2枚の第2の板材がボーリング孔の孔壁に食い込んでしまえば、油圧駆動機構の作用は終了しているので、万一、後で切断されるようなことがあったとしても問題は生じない。
以上説明した第1の実施例によれば、送受信電極に油圧駆動機構を組み合わせて油圧により送受信電極の一部を構成している部材をボーリング孔の孔壁に差し込むことで、送受信電極自体及びこれに組み合わされている他の構成要素をボーリング孔内に保持すると共に、送受信電極の構成部材と孔壁(土中)との接触を改善し、送受信電極の電気的接触抵抗を低減することが可能となる。
図8は、地中側の通信回路に接続される送受信電極の第2の実施例を示す。ここでも、2つの送受信電極は同じ構造であるので一方のみを図示して説明する。
第2の実施例による送受信電極も油圧駆動機構を用いて針状電極をボーリング孔の孔壁に差し込む構造となっている。この送受信電極は、作動油注入チューブ63を通して作動油が注入される圧力容器60に、周方向に90度の角度間隔をおいて4つのシリンダー室61を形成し、これらのシリンダー室61に作動油を注入することで針状電極62をピストンとして駆動させてボーリング孔100の孔壁に差し込む構造となっている。61−1はシールリングである。
ここでは、送受信電極を、通信回路を収容した金属ケースと分離して配置しているので、送受信電極における各針状電極61は、電極ケーブル65を介して地中側の通信回路42における送受切替回路42−4(図3)に接続されている。しかし、第1の実施例と同様、送受切替回路42−4に接続される2つの送受信電極の一方は地中側の通信回路42を収容している金属ケースと一体に形成されても良い。
以上、本発明を好ましい実施形態により説明したが、本発明は上記の実施形態、実施例に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では地中側装置、地上側装置がそれぞれ送受信機能を持つように構成しているが、地中側装置は送信機能のみ、地上側装置は受信機能のみを有する構成であっても良い。この場合、図1(b)で説明したように、地中側装置は、前述した送受信電極が送信電極として作用し、送信回路により定期的にセンサからのセンサ情報を収集して低周波電界信号により送信するように構成されていれば良い。勿論、記憶回路が組み合わされて良い。一方、地上側装置は、前述した送受信電極が受信電極として作用し、受信回路が地中側装置からの低周波電界信号を受信してセンサ情報を抽出するように構成されていれば良い。
本発明は、地すべり監視装置用の地中通信装置のほか、地中側装置を、ボーリング孔を通して設置する形態の通信装置全般に適用可能である。
32、33、43、44 送受信電極
41 センサ
44−1 内側シリンダー
44−1a、44−2a フランジ
44−2 外側シリンダー
44−3、63 作動油注入チューブ
44−4 逆止弁
44−7 ネジ
44−8 吊り下げワイヤ
46、47、65 電極ケーブル
50 金属ケース
60 圧力容器
61 針状電極
100 ボーリング孔

Claims (3)

  1. センサを備え該センサで検出されたセンサ情報を含む信号を送信する機能を持つ第1の通信装置と、該第1の通信装置で送信した信号を受信する機能を持つ第2の通信装置とを備え、前記第1、第2の通信装置のうち、少なくとも第1の通信装置がボーリング孔中にある状態で1kHz〜10kHzの低周波電界信号を前記信号として通信を行なう地中通信装置であって、
    前記第1の通信装置は前記低周波電界信号を送信するための少なくとも2つの電極からなるアンテナを有し、前記第2の通信装置は前記低周波電界信号を受信するための少なくとも2つの電極を有し、
    前記第1の通信装置における2つの電極はそれぞれ、その一部が油圧駆動機構によって駆動されてボーリング孔の孔壁に差し込まれる構造を有することにより、電極自体のボーリング孔内での保持と地盤との電気的接触抵抗の低減を実現したことを特徴とする地中通信装置。
  2. 請求項1に記載の地中通信装置において、前記第1の通信装置は、通信回路を導電性の金属ケースに収容してなり、該金属ケースの一部を前記2つの電極のうちの一方として使用することを特徴とする地中通信装置。
  3. 請求項1又は2に記載の地中通信装置において、前記第1の通信装置における2つの電極はそれぞれ油圧シリンダー機構を有し、該油圧シリンダー機構は、その油圧力により電極の一部を構成している部材をボーリング孔の孔壁に直角な方向に変位させてボーリング孔の孔壁に差し込むように構成されていることを特徴とする地中通信装置。
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