JP3979012B2 - メモリカード、装着装置及び装着システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、装着装置に装着されて情報信号の書き込み又は読み出しが行われるメモリカードとこのメモリカードが装着される装着装置とからなるメモリカード装着システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
メモリチップを内蔵し、このメモリチップに情報信号を記憶するメモリカードは、外部システムとの電気的接点となる外部接続用端子を備えている。メモリカードは、外部接続用端子を介して電源の供給が行われこの外部接続用端子を介して内部のメモリチップに対し情報信号の入出力が行われる。
【0003】
メモリカードに設けられる外部接続用端子は、内部のメモリチップに電気的に接続されているので、メモリカード使用時に容易に、手指などの異物が接触しないようにすることが必要である。すなわち、外部接続用端子に異物が直接触れるとにより静電気が発生し、この静電気が外部接続用端子からメモリチップに伝達されてメモリチップを破壊してしまうことがある。したがって、外部接続用端子は容易に異物が接触しないように静電気対策を行うことが必要とされる。
【0004】
また、メモリカードは可搬性を有することを特徴としており、携帯の利便性を考慮して、小型化が進められている。メモリカードの小型化に伴い外部接続用端子も細くなり、狭ピッチ化されている。外部接続用端子は、このように細くなり、狭ピッチ化されると、異物が軽く触れただけで容易に変位し破損してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、この種のメモリカードにおいては、カード本体の内部に外部接続用端子を埋設し、カード本体にこの外部接続用端子に連通する小さな穴を設け、この穴を介して外部接続用端子を外部に臨ませるようにしたものや、カード本体のカード挿入方向前端側に凹状部を形成し、この凹状部の底部に外部接続用端子を配置して外部接続用端子の保護を図るようにしたものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カード本体に小さな穴を設けて外部接続用端子を外部に臨ませるようにしたメモリカードは、穴の内部に塵埃等が侵入すると容易に除去することができなくなる。穴に塵埃等が詰まったまま装着装置に装着されると、装着装置との確実な電気的な接続が阻害され、さらには装着装置の接続端子を変形させてしまうおそれがある。また、この種のメモリカードは、構造が複雑となり製造が困難となってしまう。
【0007】
構造の複雑化を防止するため、カード本体に凹状部を形成し、この凹状部内に外部接続用端子を配置するようにしたメモリカードが提案されている。このメモリカードにあっては、凹状部の形状によっては外部接続用端子の保護が不完全となり、また凹状部の隅に塵埃等が溜まりやすく、装着装置との確実な接続が阻害されてしまうおそれがある
そこで、本発明は、簡単な構造でメモリカードに設けた外部接続用端子の保護が確実に行えるとともに、塵埃等を容易に除去して装着装置との確実な接続を図ることができ、さらに、メモリカードに内蔵したメモリチップの保護を図ることができるメモリカード装着システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、メモリチップを内蔵する平面形状が略長方形のカード本体と、上記カード本体の挿入方向に沿って並列して配置された複数の外部接続用端子とを備え、上記カード本体は、2つの主面、挿入方向に平行な第1の側面、および挿入方向に平行な第2の側面を有し、上記第1の側面の両側端部に装着用の切欠部が形成されるとともに、上記第2の側面の両側端部に装着用の切欠部が形成されている。
【0009】
上記切欠部は、矩形の凹部であり、カード本体の主面に臨まないように形成されている。
【0010】
また、本発明は、メモリカードが装着される装着用凹部を備える装着装置において、上記メモリカードが、メモリチップを内蔵し平面形状が略長方形をなし側面に装着用の切欠部が形成されたカード本体と、上記カード本体の挿入方向に沿って並列して配置された複数の外部接続用端子と、上記装着用凹部は、メモリカードの主面が外部に臨むように開口され、その側壁に上記メモリカードの側面に形成された切欠部と係合する突出部を備えている。
【0011】
上記突出部は、装着用凹部の側壁の両端に形成され、メモリカードの側面の両端部に形成された切欠部に係合する。
【0012】
また、本発明は、メモリカードと、メモリカードが装着される装着装置とを有するシステムにおいて、上記メモリカードは、メモリチップを内蔵し平面形状が略長方形をなし側面に装着用の切欠部が形成されたカード本体と、上記カード本体の挿入方向に沿って並列して配置された複数の外部接続用端子とを備え、上記装着装置は、メモリカードの主面が外部に臨むように装着される装着用凹部を備え、上記装着用凹部の側壁に上記メモリカードの側面に形成された切欠部と係合する突出部を備える。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るメモリカード及びこのメモリカードが装着される装着装置を含むメモリカード装着システムを図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
まず、本発明を構成するメモリカードを説明すると、本発明を構成するメモリカード1は、コンピュータや音響機器等の外部システムの装着装置に装着されて情報信号の書き込み又は読み出しが行われる記憶媒体であり、図1に示すように、カード本体2の内部に、情報信号を記憶する複数個のメモリチップ3と、このメモリチップ3への情報信号の書き込み又はこのメモリチップ3からの情報信号の読み出しを制御する制御集積回路4とが内蔵されている。
【0025】
このメモリカード1は、図2に示すように、装着装置に装着されたときに、装着装置の接続端子と電気的に接続されて、制御集積回路4に電源を供給し、また情報信号及び各種制御信号を伝達するための外部接続用端子5を備えている。ここに示すメモリカード1は、シリアルインターフェースを採用し、外部接続用端子5が9本設けられている。
【0026】
カード本体2は、例えば合成樹脂等により平面形状を長方形となす薄肉のカード状に形成されてなる。本例のメモリカード1は、シリアルインターフェースを採用して外部接続用端子5を9本設けたことにより、カード本体2の小型化が図られており、図3に示すように、短辺方向の長さL1が長辺方向の長さL2の1/2以下とされている。
【0027】
カード本体2の図2及び図3中矢印A方向の装着装置に対する挿入方向側の後端部には、誤消去防止部材6が取り付けられている。誤消去防止部材6は、カード本体2の内部に収容された図示しない誤消去防止スイッチに係合され、カード本体2の挿入方向と直交する方向にスライド操作されることにより、誤消去防止スイッチのON/OFFの切り換えを行う。また、カード本体2の装着装置への挿入方向と平行な一方の側面には、メモリカード1が装着装置に装着された際に、メモリカード1が装着装置から脱落しないようにするための円弧状のロック用切欠部7が形成されている。このロック用切欠部7は、メモリカード1が装着装置に装着された際に、図示しない装着装置のロック用突部に係合されてメモリカード1の脱落を防止する。
【0028】
カード本体2の挿入方向前端側の一方の側端部には、図2に示すように、挿入方向に対して斜めに切り欠かれた切欠部8が形成されている。この切欠部8は、メモリカード1を装着装置に装着する際の誤挿入を防止する誤挿入防止部として機能する。
【0029】
さらに、カード本体2の挿入方向前端側には、図2に示すように、凹状部9が形成されている。凹状部9は、カード本体2の挿入方向前端側にて上面から所定の段差をもって形成されることにより、三方の壁面と底面とにより囲まれ、カード本体2の挿入方向前端からカード本体2の上面にわたり開口した形状とされている。この凹状部9の前端側開口部と平行な壁面9aは、図5に示すように、凹状部9の底面9bから所定の仰角をもって傾斜する傾斜面とされる。
【0030】
メモリカード1は、このように凹状部9の前端側開口部と平行な壁面9aを傾斜面とすることにより、装着装置に装着される際に、凹状部9内の塵埃等をこの傾斜面を介して容易に外部へ排出することができる。
【0031】
凹状部9内には、図2に示すように、カード本体2が装着装置に装着された際に装着装置の接続端子と接続される複数の外部接続用端子5が配置されている。これら外部接続用端子5は、薄い金属板が打ち抜き成形されること又はプリント基板に形成される配線パターンの一部により構成され、カード本体2の挿入方向に沿って凹状部9の底面9b上に並列に載置されて外部に露出するように設けられている。
【0032】
本例のメモリカード1は、上述したように、シリアルインターフェースを採用したことにより、外部接続用端子5の数が9本とされている。すなわち、このメモリカード1は、凹状部9内に、デジタル信号入出力端子と同期信号入力端子とステータス信号入力端子と4本の電圧供給端子と2本のリザーブ端子とからなる9本の外部接続用端子5が配置されている。
【0033】
そして、凹状部9内には、図2に示すように、外部接続用端子5間に位置して外部から外部接続用端子5に手指など異物が接触することを防止するための突起部10が形成されている。この突起部10は、図2に示すように、凹状部9内の領域を三等分するように、凹状部9の前面側開口部からこれと平行な壁面9aに亘って形成される。突起部10によって分割された凹状部9の3つの領域には、それぞれ外部接続用端子5が3本ずつ配置される。
【0034】
メモリカード1は、このように凹状部9内の領域を突起部10により分割し、外部接続用端子5の配置領域を細分化することにより、装着装置への装着時等にユーザが誤って外部接続用端子5を触ってしまうといった不都合が回避され外部接続用端子5の保護が図られる。また、突起部10によって分割された凹状部9の3つの領域にそれぞれ配置された3本の外部接続用端子5のうち中央の外部接続用端子5は、グランドに接続されていることが望ましい。
【0035】
メモリカード1は、このように3つの領域の中央の外部接続用端子5をグランドに接続することにより、仮にユーザの手指が分割された凹状部9内の領域に入ることがあっても、手指はグランドに接続された外部接続用端子5を触ることになり、接触時に発生する静電気の放電によりメモリチップ3が破壊されるといった事故を防止することができる。
【0036】
また、メモリカード1は、図4に示すように、突起部10を外部接続用端子5の数に対応して設け、突起部10により分割される凹状部9内の領域にそれぞれ外部接続用端子5を1本ずつ配置するようにしてもよい。メモリカード1は、このように外部接続用端子5の数に対応して突起部10を設けることにより、外部接続用端子5への手指などの異物の接触をより確実に防止することができる。
【0037】
なお、本発明に係るメモリカード1は、外部接続用端子5の数を10本としてもよい。外部接続用端子5の数を10本とすることにより、リザーブ用端子の数を3本にすることができる。このようにリザーブ用端子の数を3本としたメモリカード1は、例えばこれら3本のリザーブ用端子を信号入力用又は出力用端子として使用することで、上述したデジタル信号入出力端子と合わせて4本の信号入力用又は出力用端子を用いたパラレルインターフェースによる接続を行うことが可能となる。
【0038】
なお、以上は、外部接続用端子5への接触を防止するために、凹状部9内に突起部10を形成した例について説明したが、本発明に係るメモリカード1は、図5(A)に示すように、開閉動作して凹状部9を閉塞又は開放するシャッタ部材11を設け、装着装置に装着されないときは、凹状部9がシャッタ部材11により閉塞されるようにして、外部接続用端子5への接触を防止するようにしてもよい。この場合、凹状部9の前面側開口部と平行な壁面9aからカード本体2の内部に亘ってシャッタ部材11の移動を可能とするための溝部を形成する。
【0039】
シャッタ部材11は、例えば合成樹脂等により凹状部9の上面側開口部の開口面積よりやや大きい面積を有する矩形の板状に形成され、カード本体2の前端側に、メモリカード1の装着装置への挿入方向に沿って移動可能に取り付けられている。このシャッタ部材11は、メモリカード1が装着装置に装着されないときは、バネ部材12によりカード本体2の挿入方向前端側に付勢され、凹状部9の上面側開口部を閉塞するように凹状部9上に配設される。
【0040】
シャッタ部材11は、メモリカード1が装着装置に挿入される際に、前端部が後述する装着装置の摺動突部に当接する。そして、シャッタ部材11は、図5(B)に示すように、メモリカード1が挿入されるに従って、摺動突部によりバネ部材12の付勢力に抗して図5(B)中矢印B方向に押し込まれ、上記溝部内に移動して凹状部9の上面側開口部を開放する。
【0041】
このメモリカード1は、装着装置に装着されないときは、凹状部9がシャッタ部材11により閉塞されるので、外部接続用端子5への外部からの接触が防止され、外部接続用端子5の保護が図られる。
【0042】
また、このメモリカード1においても、凹状部9の前面側開口部と平行な壁面9aは、底面9bから所定の仰角をもって傾斜する傾斜面とする。さらに、シャッタ部材11の前端部も同様の傾斜面とすることが望ましい。
【0043】
メモリカード1は、このように、凹状部9の前面側開口部と平行な壁面9a、さらにはシャッタ部材11の前端部を傾斜面とすることにより、装着装置に装着される際に、凹状部9内の塵等をこの傾斜面から容易に外部へ排出することができる。
【0044】
このメモリカード1においても、図6(A)及び図6(B)に示すように、凹状部9内に突起部10を形成し、凹状部9内の領域を分割するようにしてもよい。メモリカード1は、このように、突起部10により凹状部9内の領域を分割することにより、装着装置に装着されないときに誤ってシャッタ部材11を開放してしまった場合においても、外部接続用端子5への接触が防止され、外部接続用端子5の保護をより確実に図ることができる。なお、図6(A)は、凹状部9の上面側開口部がシャッタ部材11により閉塞された状態を示し、図6(B)は、シャッタ部材11が開動作し、凹状部9の上面側開口部が開放された状態を示している。
【0045】
以上のように構成されるメモリカード1は、図7及び図8に示すような装着装置20に装着されて情報信号の記録再生が行われる。
【0046】
装着装置20は、前面側にメモリカード1が挿入される開口部21を有している。この装着装置20には、開口部21から装置内部に亘り図7中矢印Cで示すメモリカード1の挿入方向に沿ってメモリカード1が装着される装着用凹部22が設けられている。この装着用凹部22内には、図7及び図8に示すように、外部システムと電気的に接続されている複数の接続端子23の先端側が臨まされている。
【0047】
接続端子23は、例えば金属板等を打ち抜き折り曲げて形成され、基端側が装着装置20内に埋設されて支持され、装着されたメモリカード1の外部接続用端子5を押圧する方向に付勢力を有する板バネとして構成されている。この接続端子23の装着用凹部22内に突出する先端側には、図7に示すように、メモリカード1の外部接続用端子3と当接する当接部23aが折り曲げ形成されている。この接続端子23は、メモリカード1の外部接続用端子5の数に対応して複数設けられている。本例の装着装置20においては、9本の外部接続用端子5に対応して、9本の接続端子23が装着用凹部22内に配設されている。
【0048】
装着用凹部22内に配置される接続端子23の前方、すなわちメモリカード1の挿入方向基端側には、図7及び図8に示すように、メモリカード1が挿入される際にメモリカード1の外部接続用端子5上を摺動する摺動突部24が設けられている。この摺動突部24は、接続端子23と同様にメモリカード1の外部接続用端子5の数に対応して複数設けられ、それぞれが接続端子23の前方に配設されている。本例の装着装置20においては、9本の外部接続用端子5に対応して、9個の摺動突部24がそれぞれ接続端子23の前方に設けられている。この摺動突部24は、図9に示すように、装着装置20にメモリカード1が挿入されると、接続端子23に先行してメモリカード1の外部接続用端子5上を摺動する。そして、摺動突部24は、メモリカード1の凹状部9内の塵埃30等を、傾斜面とされたメモリカード1の凹状部9の壁面9aから外部に排出する。
【0049】
この装着装置20は、メモリカード1が挿入される際に、摺動突部24が接続端子23に先行してメモリカード1の外部接続用端子5上を摺動し、外部接続用端子5上の塵等を除去した後に接続端子23が外部接続用端子3に接続されるので、接続端子23と外部接続用端子5との電気的な接続を確実なものとすることができる。
【0050】
また、この装着装置20は、複数の摺動突部24をそれぞれメモリカード1の外部接続用端子5に対応して接続端子23の前方に設けるようにしているので、凹状部9内の領域を突起部10により外部接続用端子5ごとに分割したメモリカード1に適応することができ、さらに、凹状部9内の領域を突起部10により3等分したメモリカード1にも適応することができる。
【0051】
さらに、この装着装置20は、凹状部9の上面側開口部をシャッタ部材11により閉塞して外部接続用端子5の保護を図るようにしたメモリカード1にも適応することができる。装着装置20は、シャッタ部材を備えたメモリカード1が挿入される際は、図10に示すように、摺動突部24の前面側がシャッタ部材11の前端部に当接し、メモリカード1の挿入にともなってシャッタ部材11を開放動作させる。
【0052】
また、この装着装置20は、図11に示すように、カード本体2の装着装置20に対する挿入方向前端側に凹状部9を設け、突起部やシャッタ部材を設けることなく、凹状部9内に外部接続用端子5を配置しただけの構成のメモリカードにも対応できることはいうまでもない。
【0053】
この装着装置20は、以上のように汎用性を有するので、メモリカード1の形状による制約を受けずに広い用途に用いることができる。
【0054】
ところで、本発明に係るメモリカードは、以下に示すように構成したものであってもよい。
【0055】
このメモリカードの一例を示す平面図を図12に示す。また、図12に示されるメモリカードのX1−X2線断面図を図13に示す。
【0056】
このメモリカード100は、平面形状が略長方形をしており、4カ所の頂点のうち、図12及び図13中矢印Dで示すカード挿入方向前端部の一方の頂点101a及び同図中矢印Dで示されるカード挿入方向の挿入方向後端部の両側端部の頂点101b,101cが、同図中矢印Dで示される挿入方向前端部の他方の頂点102よりも大きく面取りされている。このメモリカード100では、他方の大きな面取りが施されていない頂点102が検出されることにより、メモリカード100を装着装置に挿入する際の誤挿入が防止される。
【0057】
メモリカード100では、4カ所の頂点のうち、図12及び図13中矢印Dで示すカード挿入方向前端部の他方の頂点102は面取りされず、残りの3カ所の頂点101a、101b、101cは面取りされて例えば円弧状とされている。また、面取りされた3カ所の頂点のうち、図12及び図13中矢印Dで示すカード挿入方向前端部の一の頂点101aは、カード挿入方向後端部の両側端部の他の頂点101b、101cよりも大きく面取りされている。
【0058】
メモリカード100は、図14及び図15に示すような装着装置103に装着されて情報信号の記録再生が行われる。図14は、本発明に係る装着装置103の一例を示す平面図であり、図15は、図14に示す装着装置103のY1−Y2線断面図である。ここで、以下の説明に使用される図において、部材間の関係を明確にするために、平面図であってもハッチングを施した部分がある。
【0059】
この装着装置103は、前面側にメモリカード100が挿入される開口部104と、図14及び図15中矢印Eで示すメモリカード100の挿入方向に沿って上記開口部104から装置内部に形成されたメモリカード100が装着される装着用凹部105と、図14及び図15中矢印Eで示すメモリカード100の挿入方向に沿って上記開口部104の内方側に設けられた誤挿入防止部材106とを備える。
【0060】
誤挿入防止部材106は、開口部104側であってメモリカード100の挿入方向に略垂直とされた前面部107と、この前面部107の一方の側端側に形成した突出部108とを有する。この突出部108には、前面部107から開口部104に向かうに従って厚み及び幅が次第に小となるような傾斜面109が形成されている。この傾斜面109によりメモリカード100の頂点102を検出する。
【0061】
また、誤挿入防止部材106は、装着装置103に回動可能に軸支されるとともにコイルばね110によって図15中時計回り方向に回動付勢されている。さらに、誤挿入防止部材106は、装着装置103の非使用時に開口部104を閉塞して装着装置103の内部への塵埃等の侵入を防止している。
【0062】
図16、図17及び図18に、メモリカード100が正しく装着装置103に挿入された場合の様子を示す。メモリカード100を開口部104から、図16中矢印E方向に挿入していくと、頂点102が誤挿入防止部材106に設けられた突出部108に当接する。そして、図17に示すように、メモリカード100の頂点102の上側の角が、突出部108の傾斜面109を摺動することにより誤挿入防止部材106を図中上方に押し上げる。そして、頂点102は、図18に示すように、誤挿入防止部材106を逃がして、メモリカード100を装着装置103の内部にまで挿入することを可能とする。
【0063】
一方、図19及び図20に、メモリカード100が誤った向きに挿入された場合の様子を示す。メモリカード100を図中矢印E方向に挿入していくと、面取りした頂点101aが誤挿入防止部材106の突出部108に当接することなくメモリカード100の挿入方向の前端面が誤挿入防止部材106の前面部107に当接することになる。この誤挿入防止部材106の前面部107は、図中矢印Eで示されるメモリカード100の挿入方向に対し略垂直に形成されているため、メモリカード100前端面が突出部108に当設し誤挿入防止部材106を押し上げることができない。従って、メモリカード100が誤った方向に挿入された場合、頂点101aにより誤挿入防止部材106を逃がことができなくなり、メモリカード100の装着装置103の内部にまで挿入することができない。
【0064】
図19及び図20には、メモリカード100を裏返しに挿入した場合の例を示しているが、メモリカード100を前後逆向きに挿入した場合でも同様に、頂点101b及び101cは、誤挿入部材106を逃がしてメモリカード100を内部にまで挿入することができない。したがって、メモリカード100を装着装置103の内部にまで挿入できるのは、メモリカード100を正しく挿入した場合のみであり、メモリカード100の誤挿入が防止される。
【0065】
誤挿入防止の観点から、メモリカード100の3カ所の頂点101a,101b,101cは、誤挿入防止部材106の突出部108に当接しないように形成されいればよくその平面形状は問わない。例えば、図21に示すように、頂点102a,102b,102cを様々な大きさに面取りしたり、また面取りの形状も円弧状、直線状とすることができ、メモリカードにデザイン上の変化をつけることができる。
【0066】
また、本発明に係るメモリカードは、以下のように構成したものであってもよい。
【0067】
このメモリカードの一例を図22に示す。また、図22に示されるメモリカードのZ1−Z2線断面図を図23に示す。
【0068】
このメモリカード120は、図22に示すように略長方形に形成され、図22中矢印Fで示される挿入方向の前端部に切欠部121が形成されている。この切欠部121は、メモリカード120の挿入方向前端部の底面側がメモリカード120の短辺方向の全幅に亘って厚み方向に切り欠かれている。切欠部121は、平面によってメモリカード120から切り欠かれている。このメモリカード120は、切欠部121が検出されることにより装着装置に挿入する際の誤挿入が防止される。
【0069】
以上のように構成されるメモリカード120は、図24及び図25に示すような装着装置122に装着されて、情報信号の記録再生が行われる。図24は、装着装置122の一例を示す平面図であり、図25は図24に示す装着装置122のW1−W2線断面図である。この装着装置122は、前面側にメモリカード120が挿入される開口部123と、図中矢印Gで示すメモリカード120の挿入方向に沿って開口部123から装置内部に亘って形成され、メモリカード120が装着される装着用凹部124と、図中矢印Gで示すメモリカード120の挿入方向に沿って開口部123の内方に設けられた誤挿入防止部材125とを備える。
【0070】
誤挿入防止部材125は、図25に示すように、矢印G方向のメモリカード120の挿入方向に略垂直とされた第1の面126を有する防止板127と、この防止板127の上端部であって開口部123側に突設されメモリカード120挿入方向に略平行とされた第2の面128を有する突出部129とを備える。
【0071】
また、誤挿入防止部材125は、装着装置122に軸支されるとともにコイルばね130によって図25中時計回り方向に回動付勢されている。さらに、誤挿入防止部材125は、装着装置122にメモリカード120が装着されない非使用時に開口部123を閉塞して装着装置122内部へのゴミなどの侵入を防止している。
【0072】
メモリカード120が挿入されると、誤挿入防止部材125は、コイルばね130の付勢力に抗して図25中反時計回り方向に約90゜回転し、第1の面126が図26に示すようにメモリカード120挿入方向と略平行となる。
【0073】
メモリカード120が正しく挿入された場合、すなわち、メモリカード120の前端部の底面側に切欠部121が形成されている場合、図26に示すように、切欠部121の斜面が、突出部129を摺動することにより誤挿入防止部材125を押し下げる。そして、図27に示すように、切欠部121が誤挿入防止部材125を逃がし、メモリカード120を内部にまで挿入することができる。
【0074】
図28に示すようにメモリカード120が誤った向きに挿入された場合、すなわち、メモリカード120の前端部の底面側に切欠部121が形成されていない場合、メモリカード120の挿入方向の前端面は、突設部の第2の面128に当接する。このとき第2の面128は、図28中矢印Gで示されるメモリカード120の挿入方向に略垂直となっているため、メモリカード120の前端面は突出部129に当接して誤挿入防止部材125を押し下げることができない。したがって、メモリカード120が誤った方向に挿入された場合、誤挿入部材125を逃がしてメモリカード120を装着装置122の内部にまで挿入することができない。
【0075】
図28では、メモリカード120を裏返しに挿入した場合の例を示しているが、メモリカード120を前後逆向きに挿入した場合でも、同様に誤挿入防止部材125を逃がしてメモリカード120を内部にまで挿入することができない。したがって、メモリカード120を装着装置122の内部にまで挿入できるのは、メモリカード120を正しく挿入した場合のみであり、メモリカード120の誤挿入が防止される。
【0076】
メモリカード120は、誤挿入の検出が厚み方向の形状で行われるため、突出部129を摺動して誤挿入防止部材125を押し下げられる大きさに切欠部121が形成されていればよい。したがって、誤挿入防止を図るためには、メモリカード120の頂点の平面形状は問わない。例えば、図29に示すように、メモリカード120は、頂点を面取りしたり、また面取りの形状も円弧状、直線状など様々な形状とすることができ、デザイン上の変化をつけることができる。
【0077】
また、本発明に係るメモリカードは、装着装置の内部に挿入することにより装着する以外にも、装着装置の上面にはめ込むことにより装着することも可能である。
【0078】
このメモリカードの一例を図30に示し、メモリカード140を図30中H方向から見た図を図31に示し、メモリカード140を図30中I方向から見た図を図32に示す。このメモリカード140は、平面形状が略長方形をなすように形成されている。また、メモリカード140は、長辺方向の第1の側面141の両側端部に、装着用の切欠部143a,143bが形成されている。図31に示すように、第1の側面と平行な第2の側面142の両側端部にも、装着用の切欠部143c,143dが形成されている。
【0079】
メモリカード140は、上記切欠部143a,143b,143c,143dによって装着装置144にはめ込んで装着することもできる。
【0080】
図33に示すように、このような装着装置144の上面には、例えばメモリカード140が装着される装着用凹部145がその開口部を上方に向けて形成され、この装着用凹部145の側壁には突出部146が形成されている。メモリカード140を装着装置144に装着する際には、図34に示すように、メモリカード140の切欠部143(切欠部143a,143b,143c,143dを代表する)と、突出部146とを係合させて装着することができる。
【0081】
このメモリカード140は、記録再生装置に直接装着することもできる。また、フレキシブルディスクのような形状のアダプタにメモリカード140を装着し、このメモリカード140が装着されたアダプタを記録再生装置に装着するようにしてもよい。
【0082】
メモリカードを装着装置にはめ込んで装着することにより、装着装置の上蓋が不要となり、装着装置内部に挿入する場合よりも装着装置の厚さを薄くすることができ、装置の小型化が可能となる。また、メモリカードがはめ込まれて装着されるアダプタの厚さも薄くすることができる。
【0083】
【発明の効果】
本発明に係るメモリカードは、凹状部内に配置される複数の外部接続用端子間に突起部を設け、これら外部接続用端子を分離するようにしているので、外部接続用端子に手指が容易に接触することを防止でき、しかも、外部接続用端子の少なくとも1つがグランドに接続されているので、たとえ外部接続用端子に手指が接触した場合であっても、静電気の影響を受けることなく、カード本体に内蔵したメモリチップの保護を図ることができる。
【0084】
また、本発明は、凹状部をシャッタ部材で閉塞するという簡素な構成で外部接続用端子の保護を確実に行うことを可能とするとともに、凹状部の壁面を傾斜面とすることにより塵等を容易に外部に除去し、外部接続用端子を装着装置の接続端子に確実に接続させることができる。
【0085】
さらに、本発明に係るメモリカードは、隅部の1カ所の頂点を検出して誤挿入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムに用いられるメモリカードの内部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明システムに用いられるメモリカードの外観を示す斜視図である。
【図3】上記メモリカードの底面図である。
【図4】本発明システムに用いられるメモリカードの他の例を示す斜視図である。
【図5】本発明システムに用いられるメモリカードのさらに他の例を示す図であり、(A)はシャッタ部材が凹状部を閉塞している状態を示す要部平面図であり、(B)はシャッタ部材が凹状部を開放している状態を示す要部平面図である。
【図6】本発明システムに用いられるメモリカードのさらに他の例を示す図であり、(A)はシャッタ部材が凹状部を閉塞している状態を示す要部平面図であり、(B)はシャッタ部材が凹状部を開放している状態を示す要部平面図である。
【図7】本発明システムに用いられるメモリカードが装着される本発明システムを構成する着装置を示す断面図である。
【図8】上記装着装置の正面図である。
【図9】本発明システムに用いられるメモリカードを装着装置に装着した状態を示す断面図である。
【図10】本発明システムに用いられる他のメモリカードを装着装置に装着した状態を示す断面図である。
【図11】上記他のメモリカードの要部平面図である。
【図12】本発明システムに用いられるメモリカードの外形形状の一例を示す平面図である。
【図13】図12に示すメモリカードのX1−X2線断面図である。
【図14】本発明システムに用いられるメモリカードが装着される装着装置の一例を示す平面図である。
【図15】図14に示す装着装置のY1−Y2線断面図である。
【図16】本発明に係るシステムを構成する装着装置にメモリカードが正しく挿入される状態を示す平面図である。
【図17】本発明に係るシステムを構成する装着装置にメモリカードが正しく挿入される途中の状態を示す図16図のY3−Y4線断面図である。
【図18】上記装着装置にメモリカードが正しく挿入される途中の状態を示す図16図のY3−Y4線断面図である。
【図19】上記装着装置にメモリカードが誤挿入された状態を示す平面図である。
【図20】上記装着装置にメモリカードが誤挿入された状態を示す図19のY5−Y6線断面図である。
【図21】本発明システムに用いられるメモリカードの外形形状の一例を示す平面図である。
【図22】本発明システムに用いられるメモリカードの外形形状の一例を示す平面図である。
【図23】図22に示すメモリカードのZ1−Z2線断面図である。
【図24】本発明システムに用いられるメモリカードが装着される装着装置の一例を示す平面図である。
【図25】図24に示す装着装置のW1−W2線断面図である。
【図26】本発明に係るシステムを構成する装着装置にメモリカードが正しく挿入される状態を示す断面図である。
【図27】上記装着装置にメモリカードが正しく挿入される途中の状態を示す断面図である。
【図28】上記装着装置にメモリカードが誤挿入された状態を示す断面図である。
【図29】本発明システムに用いられるメモリカードの外形形状の一例を示す平面図である。
【図30】本発明システムに用いられるメモリカードの外形形状の一例を示す斜視図である。
【図31】図30に示すメモリカードを図中H方向から見た側面図である。
【図32】図30に示すメモリカードを図中I方向から見た背面図である。
【図33】メモリカードを装着装置に装着する状態を示す断面図である。
【図34】メモリカードが装着装置に装着された状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 メモリカード、 2 カード本体、 3メモリチップ、 5 外部接続用端子、 9 凹状部、 10 突起部、11 シャッタ部材、 20 装着装置、 21 開口部、 22 装着用凹部、 23 接続端子、 24 摺動突部
Claims (4)
- メモリチップを内蔵する平面形状が略長方形のカード本体と、
上記カード本体の挿入方向に沿って並列して配置された複数の外部接続用端子とを備え、
上記カード本体は、2つの主面、挿入方向に平行な第1の側面、および挿入方向に平行な第2の側面を有し、上記第1の側面の両側端部に装着用の切欠部が形成されるとともに、上記第2の側面の両側端部に装着用の切欠部が形成されることを特徴とするメモリカード。 - 上記切欠部は、矩形の凹部であり、カード本体の主面に臨まないことを特徴とする請求項1記載のメモリカード。
- メモリカードが装着される装着用凹部を備える装着装置において、
上記メモリカードは、メモリチップを内蔵し平面形状が略長方形をなし側面に装着用の切欠部が形成されたカード本体と、上記カード本体の挿入方向に沿って並列して配置された複数の外部接続用端子と、
上記装着用凹部は、メモリカードの主面が外部に臨むように開口され、その側壁に上記メモリカードの側面に形成された切欠部と係合する突出部を備え、
上記突出部は、装着用凹部の側壁の両端に形成され、メモリカードの側面の両端部に形成された切欠部に係合することを特徴とする装着装置。 - メモリカードと、メモリカードが装着される装着装置とを有するシステムにおいて、
上記メモリカードは、メモリチップを内蔵し平面形状が略長方形をなし側面に装着用の切欠部が形成されたカード本体と、上記カード本体の挿入方向に沿って並列して配置された複数の外部接続用端子とを備え、
上記装着装置は、メモリカードの主面が外部に臨むように装着される装着用凹部を備え、上記装着用凹部の側壁に上記メモリカードの側面に形成された切欠部と係合する突出部を備え、
上記突出部は、装着用凹部の側壁の両端に形成され、メモリカードの側面の両端部に形成された切欠部に係合することを特徴とする装着システム。
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