JP3978597B2 - 表皮付成形部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表皮付成形部材に関し、更に詳細には、基材角部が略直角をなす表皮装着面を予備成形した基材と、成形時に付与された圧縮形状が成形後に保持される裏面弾力層を有する表皮とからなり、前記表皮装着面を前記裏面弾力層に押付けて前記基材を前記表皮に圧着させることで、前記基材角部に沿って略直角をなす表皮角部が該表皮に形成されている表皮付成形部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等の車両における乗員室内には、インストルメントパネル、ドアトリム、フロアコンソール、ピラーガーニッシュ等の種々の車両内装部材が装備されている。これら車両内装部材は、その構成から分類すると、(a)所要形状に予備成形された合成樹脂製の基材から構成された単層タイプ、(b)所要形状に予備成形された合成樹脂製の基材と、この基材の外面に全体的または部分的に被着される表皮とから構成された複層タイプ、等に大別され、(b)の複層タイプは「表皮付成形部材」とも称される。
【0003】
例えば図7は、単純形状で例示した表皮付成形部材の概略斜視図であり、図8は、図7のVIII−VIII線断面図であり、図9は、図7に示した表皮付成形部材を構成する基材および表皮を分離した状態で示した概略斜視図である。この表皮付成形部材10は、前述したように、所要形状に予備成形された合成樹脂製の基材12と、この基材12の外面に全体的に被着される表皮20とから構成されている。この表皮20は、その外表面に本革等の風合いを出すためのシボ模様等が形成されていると共に適度の弾力性を有しており、当該表皮付成形部材10の質感向上および触感向上を図る目的に前記基材12に被着するようになっている。
【0004】
前記基材12は、図8および図9に示すように、当該表皮付成形部材10の所要輪郭形状をなすと共に、その外面をなす表皮被着面14は、複数の凹部16等が形成されて複雑な3次元凹凸形状を呈している。すなわち前記表皮被着面14は、その外縁輪郭端部や前記凹部16の内縁周囲に、略直角をなす基材角部18が所要長に亘って延在している。従って、このような基材角部18を有する表皮被着面14に対して被着された前記表皮20には、前記基材角部18に沿って略直角をなす表皮角部26が形成されている。
【0005】
ここで前記基材12が、例えば(a)ABS製の射出成形部材、(b)PP製の射出成形部材、(c)繊維・ウッド製の圧縮成形部材、等から形成され、また前記表皮20が、表面層22および裏面弾力層24からなる2層タイプであって例えば(1)PVC+PEフォームの2層タイプ、(2)PVC+PPフォームの2層タイプ、(3)TPO+PPフォームの2層タイプ、等から形成されている場合には、当該基材12の表皮被着面14に対して前記表皮20を被着する方法として、公知技術である「凹引き真空圧着成形方法」が好適に採用可能である。この凹引き真空圧着成形方法とは、図10〜図12に例示した作業工程を経て基材12の表皮被着面14に対して表皮20を被着するもので、真空引き状態を形成可能な第1成形型42および該第1成形型42に型閉め可能な第2成形型46からなる成形型40を使用するようになっている。
【0006】
具体的には、先ず図10(a)に示すように、基材角部18が略直角をなす表皮被着面14を予備成形した前記基材12を、該表皮被着面14に適宜の接着剤を塗布したもとで第2成形型46のセット部48にセットする。次いで図10(b)に示すように、表面層22および裏面弾力層24からなる2層タイプで総厚がWとされる表皮20を、該裏面弾力層24を第2成形型46へ指向させた向きで両成形型42,46の間に位置決めする。そして図11(a)に示すように、第1成形型42を真空引き状態としたもとで前記第2成形型46を第1成形型42に近接移動させることで、表皮20が第1成形型42の表皮成形面44に真空吸着されると共に、この表皮20の裏面弾力層24に前記基材12の表皮被着面14を近接させる。更に図11(b)に示すように、第1成形型42に対して第2成形型46を完全に型閉めすることで、表皮被着面14が裏面弾力層24に押付けられるようになり、基材12を表皮20に圧着させ得るようになる。
【0007】
ここで、前述したフォーム材からなる裏面弾力層24は、適度の弾力性を有しているものの、圧着成形時に付与された圧縮形状が圧着成形後に保持されるようになっているため、基材12の表皮被着面14および第1成形型42の表皮成形面44によって適度に挟圧された表皮20には、前記基材角部18に沿って略直角をなす表皮角部26が形成されるようになる。そして、表皮20の圧着作業が完了して前記成形型40から脱型した後、基材12の外縁輪郭端部に沿って表皮20を切断して不要部分を取除くことで、当該基材12の表皮被着面14に対する表皮20の被着が完了する(図12)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年に至り、前述したインストルメントパネル等の車両内装部材に対して、シャープでエッジが効いた外形形状に成形することが要求されるようになってきており、これは前記表皮20を被着した表皮付成形部材としての車両内装部材についても同様である。このため図13(a)に示すように、前記基材12の基材角部18に対応して前記表皮20に形成された表皮角部26のコーナー半径Rを可能な限り小さくすることで、前述したシャープでエッジが効いた外形形状を得る工夫がなされている。しかしながら、表皮角部26のコーナー半径Rを小さく設定すると、例えば該表皮角部26を矢印方向へ指先等で押圧した場合(外側から押圧力が加わった場合)、図13(b)に示すように、この押圧が解除されても前記裏面弾力層24が原形に復帰せず、変形した状態に保持されてしまう不都合が生じていた。すなわち、表皮角部26に所謂「角部潰れ」が発生してしまい、この表皮角部26に隣接した部位に皺状の表皮凹部28が形成されるので、当該表皮付成形部材10の質感低下を招来することとなっていた。
【0009】
ここで、前記表皮角部26における「角部潰れ」の発生要件に関しては、本願出願人が行なった試作実験データを分析した結果、被着状態における表皮20の厚みW1(以下、「被着厚み」と云う)およびコーナー半径Rの寸法に次のような相関関係があることが判明した。すなわち、表皮20の被着厚みW1よりも表皮角部26のコーナー半径Rの方が小さい場合(W1>R)には、前述した「角部潰れ」が極めて発生し易くなる。しかしながら、表皮20の被着厚みW1と表皮角部26のコーナー半径Rとが同等あるいは該コーナー半径Rの方が大きい場合(W1≦R)には、前述した「角部潰れ」が殆ど発生しない。
【0010】
すなわち、シャープでエッジが効いた外形形状に成形するべく前記表皮角部26のコーナー半径Rを小さくした場合、前述した「角部潰れ」の発生を防止するためには、凹引き真空圧着成形時における前記表皮20の圧着(挟圧)度合を高めて、基材12の表皮被着面14に被着される該表皮20の被着厚みW1を小さくすればよいことになる。しかしながら、表皮付成形部材10の意匠面全体に亘って表皮20の被着厚みW1を小さく設定した場合には、該表皮20が具有している弾力性が大きく阻害されてしまうので、当該表皮付成形部材10に要求される触感の低下を招来する不都合があった。
【0011】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適にに解決するべく提案されたものであって、表皮の裏面弾力層に基材の表皮被着面を圧着させて該基材に該表皮を被着した際に、表皮に形成された表皮角部に対応した部位に高圧縮領域を形成することで、触感低下を防止しつつも表皮角部の変形を規制し得るよう構成した表皮付成形部材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、基材角部が略直角をなす表皮被着面を予備成形した基材と、成形時に付与された圧縮形状が成形後に保持される裏面弾力層を有する表皮とからなり、前記表皮被着面を前記裏面弾力層に押付けて前記基材を前記表皮に圧着させることで、前記基材角部に沿って略直角をなす表皮角部が該表皮に形成されている表皮付成形部材において、
前記表皮被着面に所要長に亘って延在する前記基材角部を、該表皮被着面から所要量だけ突出するよう形成し、
前記基材を前記表皮に圧着させるに際し、前記突出形成された基材角部が前記裏面弾力層に押付けられることで、前記表皮角部の裏側に該押付けによる高圧縮領域が形成され、これにより該表皮角部の変形が規制され得るよう構成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る表皮付成形部材につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、本願が対象とする表皮付成形部材とは、主として、インストルメントパネル、ドアトリム、フロアコンソール、ピラーガーニッシュ等、所要形状に予備成形された合成樹脂製の基材と、この基材の外面に全体的または部分的に被着される表皮とから構成される車両内装部材とされるが、勿論これ以外の用途で実施されるものも対象とされる。そこで実施例では、図7〜図9に単純形状で例示した表皮付成形部材と同一形状のものを例示して説明する。
【0014】
図1は、好適実施例に係る表皮付成形部材を単純形状で例示した概略斜視図であり、図2は、図1のII−II線断面図であり、図3は、図1に示した表皮付成形部材を構成する基材および表皮を分離した状態で示した概略斜視図である。実施例の表皮付成形部材10は、前記表皮20によって被覆される前記基材12の形状を後述するように変更したもので、成形完了後の外形形状は図7に図示した従来の表皮付成形部材10と同一形状を呈している。
【0015】
実施例の表皮付成形部材10は、基材角部18が略直角をなす表皮被着面14を予備成形した基材12と、成形時に付与された圧縮形状が成形後に保持される裏面弾力層24を有する表皮20とからなり、前記表皮被着面14を前記裏面弾力層24に押付けて前記基材12を前記表皮20に圧着させることで(凹引き真空圧着成形を行なうことで)、前記基材角部18に沿って略直角をなす表皮角部26が該表皮20に形成されている。
【0016】
前記基材12は、例えばPP(ポリプロピレン)等の合成樹脂を所要形状に射出成形した単一の成形部材であって、当該表皮付成形部材10の所要輪郭形状をなすと共に、その外面をなす表皮被着面14は、複数の凹部16等を形成した複雑な3次元凹凸形状を呈している。そして前記表皮被着面14には、その外縁輪郭端部や前記凹部16の内縁周囲に、略直角をなす基材角部18が所要長に亘って延在形成されている。
【0017】
前記表皮20は、表面層22および裏面弾力層24からなる2層タイプとされて、例えば該表面層22は、厚みWa=約0.5mmのTPO(熱可塑性のオレフィン系エラストマ)であり、前記裏面弾力層24は、厚みWb=約3mmのポリエチレンフォームまたはポリプロピレンフォームとされ、基材12に対する被着前では全厚W=3.5mm程度となっている。前記表面層22は、その外表面に本革等の風合いを出すためのシボ模様等が形成されていて、表皮付成形部材10の外面に露出して該成形部材10の質感向上に寄与するようになっている。また前記裏面弾力層24は、適度の弾力性を有していて当該表皮付成形部材10の触感向上に寄与するようになっていると共に、所要温度に加熱された成形時に付与された圧縮形状が、冷却された成形後にそのまま保持される特性を有している。
【0018】
そして実施例の表皮付成形部材10では、図2〜図4に示すように、基材12における前記表皮被着面14に所要長に亘って延在する前記基材角部18を、該表皮被着面14から突出量Hに突出した状態に形成してある。これに伴い、前記基材12を前記表皮20に圧着させるに際しては、前記突出形成された基材角部18が前記裏面弾力層24に押付けられるようになり、これにより基材12に被着された表皮20には、前記表皮角部26の裏側に該押付けによる高圧縮領域24aが形成されている。すなわち、基材12に被着された表皮20では、前記表皮角部26に対応した部位の厚み(以下、「圧縮厚み」と云う)W2が、前記基材角部18の突出量H分だけ被着厚みW1より小さく設定されている。従って、前記表皮角部26の裏側に、圧縮度合が高められて弾力性および柔軟性が低下し、適度に硬くなっている前記高圧縮領域24aが存在しているので、該表皮角部26は、外力が作用しても変形が規制され得るようになっている。
【0019】
なお前記基材角部18は、前記表皮被着面14において、略直角方向に延在する第1被着面14Aおよび第2被着面14Bの境界縁に沿って所要の幅Sで帯状に突設された凸部30,30から形成されている。また、前記表皮被着面14に対する前記基材角部18(凸部30)の突出量Hは、少なくとも、被着状態にある前記表皮20における裏面弾力層24の厚みより小さく設定されている。これにより、基材の表皮被着面14に当該表皮20が被着された際には、図1に示すように、該凸部30の存在が該表皮20の外側から全く認識されることがない。そして、凸部30,30と表皮被着面14との境界部分は、緩やかな傾斜面32として形成されている。なお実施例では、前記第1被着面14Aおよび第2被着面14Bの両方に前記凸部30を夫々突設した場合を例示したが、この凸部30は、変形規制効果が大きく発現される第1被着面14Aのみに突設するようにしてもよい。
【0020】
ここで、各々の寸法を具体的に例示すると、基材12の表皮被着面14に被着されている表皮20の被着厚みW1=2.5mm、凸部30の幅S=5mm、該凸部30の突出量H=1mm、よって凸部30に対応した表皮角部26における表皮20の圧縮厚みW2=1.5mmとなっている。そして、表面層22の厚みが約0.5mmとなっているので、凸部30の押付けにより形成された前記高圧縮領域24aの実質的な厚みは1mm程度となっている。すなわち表皮20は、凹引き真空圧着成形時に裏基材12を適度に圧着することで、前記裏面弾力層24における一般部位が1.0mm程度圧縮され、また凸部30に対応した高圧縮領域24aが2.0mm程度圧縮されることになる。
【0021】
これにより、図13(a)に示した従来の場合には、基材12の表皮被着面14に被着されている表皮20における表皮角部26の厚みは、被着厚みW1と同一の2.5mm(裏面弾力層24の厚みが2mm)であったのに対し、本実施例の場合には、表皮20における表皮角部26の厚みが、圧縮厚みW2と同一の1.5mm(高圧縮領域24aの厚みが1mm)となっている。すなわち前述したように、シャープでエッジが効いた外形形状に成形するべく前記表皮角部26のコーナー半径Rを1.5mmとした場合、従来ではW1>Rとなって「角部潰れ」が発生する不都合があったが、本実施例ではW1≦Rとなって「角部潰れ」の発生が好適に防止される(図5)。
【0022】
なお実施例の表皮付成形部材10では、前記基材角部18を形成する凸部30により、この凸部30に対応した部位の表皮20の厚みが前記圧縮厚みW2とされて1.5mmとなっており、一般部位の該表皮20の厚みが前記被着厚みW1とされて2.5mmとなっており、表皮角部26に隣接した部位では、前記高圧縮部位24aの存在により弾力性および柔軟性が阻害されて触感が若干低下している。しかしながら換言すると、触感の低下が起こっている部位は前記表皮角部26に隣接した部位だけであって、これ以外の一般部位では表皮20の弾力性が阻害されていないので、触感低下による不都合は殆どないと云える。
【0023】
なお実施例の表皮付成形部材10では、前記基材12の表皮被着面14に設けた前記凸部30の突出量Hの設定を変更することで、表皮角部26に対応した部位における表皮20の圧縮厚みW2を調整できる。すなわち前記実施例では、凸部30の突出量Hを1mmとすることで表皮20の圧縮厚みW2が1.5mmになるよう設定したが、例えば凸部30の突出量Hを1.5mmとすれば表皮20の圧縮厚みW2は実質的に1mmとなる。従って、凸部30の突出量Hを1.5mmに設定した場合、前記表皮角部26のコーナー半径Rを1mmにしても、前述した「角部潰れ」の発生が好適に防止されることになる。
【0024】
このように実施例の表皮付成形部材10では、表皮20の裏面弾力層24に基材12の表皮被着面14を圧着させて該基材12に該表皮20を被着した際に、該表皮被着面14に突出形成された前記基材角部18が該裏面弾力層24に押付けられることで、前記表皮角部26の裏側に該押付けによる高圧縮領域24aが形成されるため、触感低下を防止しつつも該表皮角部26の変形を好適に規制することが可能である。従って、表皮角部26のコーナー半径Rを小さく設定しても、該表皮角部26の変形による質感低下を好適に防止することができる。
【0025】
(変更例)
図6は、変更例に係る表皮付成形部材の要部断面図であって、この変更例の表皮付成形部材10では、前記表皮被着面14において、略直角方向に延在する第1被着面14Aおよび第2被着面14Bの境界縁に沿って突出した突片34により、基材角部18を形成したものである。ここで、表皮20の被着厚みW1を2.5mmとした場合、前記突片34の突出量(表皮被着面14に対する鉛直方向への突出量)Hを1mmと設定すれば、表皮角部26における表皮20の圧縮厚みW2が1.5mm(裏面弾力層24における高圧縮領域24aの厚みが1mm)となるので、前記表皮角部26におけるコーナー半径Rを1.5mmとしても「角部潰れ」の発生を好適に防止し得る。また表皮20の厚みは、表皮角部26に隣接した部位が被着厚みW1と同等となっているので、例えば表皮角部26に隣接した部位でも充分な弾力性が確保されるようになり、この表皮角部26に隣接した部位の触感が重要視される表皮付成形部材の場合には有効と云える。
【0026】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る表皮付成形部材によれば、表皮の裏面弾力層に基材の表皮被着面を圧着させて該基材に該表皮を被着した際に、該表皮被着面に突出形成された基材角部が該裏面弾力層に押付けられることで、表皮角部の裏側に該押付けによる高圧縮領域が形成されるため、触感低下を防止しつつも表皮角部の変形を好適に規制することが可能となる利点がある。従って、表皮角部のコーナー半径を小さく設定しても、該表皮角部の変形による質感低下を好適に防止することができる等の有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係る表皮付成形部材を単純形状で例示した概略斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1に示した表皮付成形部材を構成する基材および表皮を分離させた状態で示した概略斜視図である。
【図4】基材に被着する前の表皮と、基材の表皮被着面に被着された表皮とを示した説明断面図である。
【図5】図2のA部拡大図であって、表皮角部を押圧しても該表皮角部が変形し難くなっていることを示している。
【図6】変更例に係る表皮付成形部材の要部を示した説明断面図である。
【図7】従来の表皮付成形部材を単純形状で例示した概略斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】図7に示した表皮付成形部材を構成する基材および表皮を分離させた状態で示した概略斜視図である。
【図10】凹引き真空圧着成形方法に基いて図7に示した表皮付成形部材を成形する工程を示した説明図であって、(a)は、成形型の第2成形型に予備成形した基材をセットする状態を示し、(b)は、第1成形型と第2成形型との間に表皮を位置決めした状態を示している。
【図11】凹引き真空圧着成形方法に基いて図7に示した表皮付成形部材を成形する工程を示した説明図であって、(a)は、第1成形型を真空引き状態としたもとで第2成形型を第1成形型に近接移動させる状態を示し、(b)は、表皮が第1成形型の表皮成形面に真空吸着されると共に、この表皮の裏面弾力層に基材の表皮被着面が押付けられた状態を示している。
【図12】基材の表皮被着面に対する表皮の被着が完了した後に、該表皮の不要部分を取除くことで表皮付成形部材の成形が完了することを示している。
【図13】 (a)は、図8のB部拡大図であり、(b)は、表皮に形成された表皮角部を押圧することで、該表皮角部が変形してしまう不都合を示した説明断面図である。
【符号の説明】
12 基材
14 表皮被着面
14A 第1被着面
14B 第2被着面
18 基材角部
20 表皮
24 裏面弾力層
24a 高圧縮領域
26 表皮角部
30 凸部
34 突片
H 突出量
S 幅
Claims (4)
- 基材角部(18)が略直角をなす表皮被着面(14)を予備成形した基材(12)と、成形時に付与された圧縮形状が成形後に保持される裏面弾力層(24)を有する表皮(20)とからなり、前記表皮被着面(14)を前記裏面弾力層(24)に押付けて前記基材(12)を前記表皮(20)に圧着させることで、前記基材角部(18)に沿って略直角をなす表皮角部(26)が該表皮(20)に形成されている表皮付成形部材において、
前記表皮被着面(14)に所要長に亘って延在する前記基材角部(18)を、該表皮被着面(14)から所要量だけ突出するよう形成し、
前記基材(12)を前記表皮(20)に圧着させるに際し、前記突出形成された基材角部(18)が前記裏面弾力層(24)に押付けられることで、前記表皮角部(26)の裏側に該押付けによる高圧縮領域(24a)が形成され、これにより該表皮角部(26)の変形が規制され得るよう構成した
ことを特徴とする表皮付成形部材。 - 前記基材角部(18)は、前記表皮被着面(14)において、略直角方向に延在する第1被着面(14A)および/または第2被着面(14B)の境界縁に沿って所要幅(S)で突設された凸部(30)により形成されている請求項1記載の表皮付成形部材。
- 前記基材角部(18)は、前記表皮被着面(14)において、略直角方向に延在する第1被着面(14A)および/または第2被着面(14B)の境界縁に沿って突出した突片(34)により形成されている請求項1記載の表皮付成形部材。
- 前記表皮(20)の裏面弾力層(24)は、ポリエチレンフォームまたはポリプロピレンフォーム等から形成されている請求項1〜3の何れかに記載の表皮付成形部材。
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