JP3978230B2 - 再帰反射性シート加工成形法 - Google Patents

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Description

発明の背景
再帰反射性材料は、種々の安全と装飾の目的に用いられる。特にこれらの材料は、光の少ない状態でよく見えるようにすることが重要である夜間において役に立つ。完全な再帰反射性材料では、光線が必ず再帰反射性軸に略並行な通路を通って、光源に反射性される。多くの応用で、完全な再帰反射性は要求されない。むしろ、円錐状の発散において、十分な発散光が見る人の目に入るが、見る人の目における反射光の強さが不当に減るほどでない発散角とするという妥協をしなければならない。照明源が照明のない道路上の自動車のヘッドライトだけである場合、円錐状の発散を運転手の目に再帰反射させる能力が、安全性の面から重要である。
種々の目的のために多くの種類の再帰反射性材料がある。これらの再帰反射性材料は、チョッキやベルトのような衣類用の反射性テープや当て物として使える。また、ポスト、たる(barrels)、交通円錐カラー(traffic cone collars)、高速道路の標識、警告反射器(warning reflectors)などに再帰反射性バンドも用いられる。再帰反射性材料は、無秩序に配向したミクロン径の球のアレイ、あるいはぎっしり詰まった立方体の角(かど)形(プリズム状)のアレイからなるものとすることができる。
立方体の角形(cube-corner)すなわちプリズム状(prismatic)の再帰反射体は、1973年1月23日にStammに発行された米国特許3,712,706に記載されている。一般に、プリズムは、金属板あるいは他の適切な材料の平らな表面にマスターネガダイを形成して作られる。立方体の角形を形成するには、三つ続きの平行で等間隔の交差する60度離れたV型溝を平板に彫刻する。次いで、このダイを用いて、所望の立方体の角形アレイを剛体の(rigid)平らなプラスチック表面に加工する。
溝角度が70度31分43.6秒であると、二つの立方体面の交差によって生ずる角度(二面角)が90度で、入射光が光源へ反射されて戻る。自動車のヘッドライトに対する反射体では、この二面角を変えて、入射光が非直角に光源でなく運転者の方へ反射されるようにする。
再帰反射性構造体の効率とは、入射光が再帰反射性軸からの円錐状の内に戻る量の計測値である。プリズム構造体の歪は、効率に悪影響がある。例えば、プリズム構造体を熱可塑性物で作ると、過大な応力を受けた際に構造体が変形し、再帰反射性構造体の効率が減少する。一つの解決策は、硬質ポリマーでプリズム構造を作ることであるが、支持シートを熱可塑性材で作ると熱可塑性シートの間に適切な溶着を形成しにくく、できた構造体が溶着部沿いにちぎれやすくなる。さらに、立方体の角形の再帰反射性エレメントの再帰反射角は小さい、すなわちエレメントはほぼそれの光軸を中心とする狭い角度範囲内で当たる光だけしか明るく再帰反射しない。再帰反射角が小さいのは、これらのエレメントが、三つの相互に垂直な側面を有する三面体構造であるという固有の性質によって起こる。これらのエレメントは、再帰反射させる光がこれらの面によって画定される内部空間内に当たって、この当たる光がエレメントの面から面へ内部反射することによってその再帰反射が起こるように配置される。エレメントの光軸(これはエレメントの面によって画定される内部空間の三分割線である)からかなり離れて傾斜して当たる光は、それの臨界角よりも小さい角度で面に当たって、反射されないでその面を通る。
立方体の角形のミクロプリズムの構造と作用に関するこれ以上の詳細は、1972年8月15日にRowlandに発行された米国特許3,684,348に出ており、その教示内容を参照してここに取り入れた。再帰反射性シートを作る方法も、1972年9月5日にRowlandに発行された米国特許3,689,346に開示されており、その教示内容を参照してここに取り入れた。開示された方法は、共同するように構成した型で立方体の角形を形成するものである。プリズムは、その上に載せたシートに接着して立方体の角形形成物がシートの一表面から突出する複合構造体とする。
発明の概要
再帰反射性シート加工成形法は、第一熱可塑性ポリマー層を設け、その第一熱可塑性ポリマー層の上に剛体プリズムアレイを形成するステップを含むものである。第二熱可塑性層をこのプリズムアレイに当接する。多数列の溝からなる周辺部を有する多数のセルを含むシールパターンであって、隣接する溝間に溝の長手方向に間隔をあけて配置された仕切りを持つシールパターンを前記第一熱可塑性ポリマー層または第二熱可塑性ポリマー層に形成するためのダイを、前記第一熱可塑性ポリマー層または第二熱可塑性ポリマー層に当接して、剛体プリズムアレイの一部分を移動させることにより、その部分で第一熱可塑性層を第二熱可塑性層に接着させて、第一熱可塑性層を第二熱可塑性層に溶着する。
再帰反射性構造体は、第一熱可塑性ポリマー層と、第一熱可塑性ポリマー層に取り付けた剛体プリズムアレイとを含むものである。第二熱可塑性層には、プリズムアレイを介して第一熱可塑性層に溶着された一部分と、多数列の溝からなる周辺部を有する多数のセルを含むシールパターンであって、隣接する溝間に溝の長手方向に間隔をあけて配置された仕切りを持つシールパターンが形成される。
本発明には、シートを溶着部での引裂きに耐えるように溶着部の強度を大にすることを含む多くの利点がある。これらのプリズムアレイのエレメントは、引っ張り伸ばされた後に、非剛体エレメントよりも光学特性をより維持することができるように、剛体のポリマーで形成されている。運動服のような衣料の外表面に再帰反射性構造体を付けて、着用者の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、溶着前の本発明の再帰反射性構造体の第一実施形態の断面図である。
第2図は、溶着後の本発明の再帰反射性構造体の第一実施形態の断面図である。
第3図は、溶着後の本発明の再帰反射性構造体の第一実施形態の部分平面図である。
第4図は、本発明の再帰反射性構造体の第二実施形態の部分平面図である。
第5図は、本発明の再帰反射性構造体形成用型の第三実施形態の断面図である。
第6図は、型と、型が裏当てフィルムに伸び出ている再帰反射性構造体との断面図である。
第7図は、型と、型が裏当てフィルムを介してベースフィルムに伸び出ている再帰反射性構造体との断面図である。
発明の詳細な説明
ここで付属図面を参照して本発明の方法と装置の特徴その他の詳細をより具体的に説明し、請求の範囲に指摘する。異なった図に用いた同じ数字は同じものを表している。ところで本発明の特定の実施形態は例示にすぎず、何ら本発明をそれらに限定するものではない。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲を外れることなく種々の実施形態に採用できる。
再帰反射性構造体10は、第1図に示すように、変形温度の低いポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ウレタンフィルム、ポリフルオロカーボン(フッ素樹脂)ポリマー、などのような透明熱可塑性フィルムからなるベースフィルム12を有するものである。一実施形態においては、この低い変形温度が約180°F(82℃)と考えられている。変形温度とは、ポリマーが融けて流れ始める温度である。もう一つの実施形態においては、熱可塑性材はエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーである。ベースフィルム12は、可視光に透明でもよく、無色でも着色していてもよい。適切なベースフィルム12の一例は、商標Renoliot H1WシリーズとしてRenoliot社から入手できるポリ塩化ビニルフィルムである。ベースフィルム12の厚みは、約0.003〜0.02インチ(0.0076〜0.051cm)の範囲とする。好ましい一実施形態においては、この厚みは約0.0085〜0.022インチ(0.022〜0.056cm)の範囲である。選ばれる厚みは、高周波溶着あるいは超音波溶着のような製造法、選ばれる熱可塑性材、および再帰反射性構造体に望まれる特性による。
再帰反射性の立方体の角形(cube-corner)プリズムエレメント(要素)16を含みうるプリズムアレイ(列)14は、ベースフィルム12に形成する。プリズムアレイ14には、窓側18とファセット側20があり、窓側18でベースフィルム12に付着させられる。プリズムアレイ14は、ポリマーが融けて流れる温度である変形温度が高い透明なポリマーで作る。プリズムアレイ14のポリマーの変形温度はベースフィルムのポリマーの変形温度より十分高く、加熱源に当てる時にベースフィルムのポリマーがプリズムアレイのポリマーより先に融けるようになる。例えば、これら二つのポリマーの変形温度の差は約100°F(56℃)よりも大きいことが好ましく、約150°F(83℃)よりも大きいことがより好ましい。一実施形態においては、プリズムアレイ14のポリマーの変形温度は約350°F(177℃)である。ポリマーは形成された後は、室温で十分に剛体であり、すなわちほとんどたわまないものである。プリズムアレイのポリマーが剛体であるので、プリズムエレメントはそれらの光学特性を維持できる。プリズムアレイポリマーは伸びないもの、すなわち破壊することなしには、ほとんど伸ばされないものとする。このポリマーは、ウレタン、アクリル酸エステル、セルロースエステル、エチレン系不飽和ニトリル、硬質エポキシアクリレートなどのポリマーを含む多種多様のポリマーから選択される。他のポリマーには、ポリカーボネート、ポリエステルとポリオレフィン、アクリル化シラン、硬質ポリエステルウレタンアクリレートがある。ポリマーは、モノマーまたはオリゴマー重合を紫外線照射によって開始させてプリズム型で注型するのが好ましい。
プリズムアレイ14のプリズムエレメント16は、形状を立方体の角形と
し、各立方体側縁沿いの長さを約0.004〜0.02インチ(0.01〜0.051cm)の範囲とする。一実施形態においては、各立方体側縁の長さは、約0.006インチ(0.015cm)である。各立方体側縁の長さは、約0.004〜0.008インチ(0.01〜0.02cm)であるのが好ましい。
剛体プリズムエレメントが交差する谷22におけるプリズムアレイ14の厚みは、再帰反射性構造体に最小限度の力がかけられる時にプリズムアレイ14が谷22沿いにひび割れして裂けるほど十分に薄い。一実施形態においては、プリズムアレイの厚みは、約0.0028〜0.009インチ(0.007〜0.023cm)の範囲である。
ベースフィルム12は、プリズムエレメント16、好ましくはプリズムエレメント16の窓側を付着させる平滑な表面をもつプリズムアレイ14の基板となる。プリズムアレイ14は、透明な接着剤でベースフィルム12に積層されうる。別法として、プリズムアレイ14はベースフィルム12上に直接注型してもよい。
プリズムアレイ14のファセット側20に、裏当てフィルム24を置く。裏当てフィルム24は、変形温度がベースフィルム12と略同じである熱可塑性材で形成されうる。例えば、裏当てフィルム24は、変形温度の低いポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ウレタンフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーを含むポリフルオロカーボンポリマーなどのような熱可塑性材から形成されうる。裏当てフィルム24の熱可塑性材は、可視光に透明で、無色か色着きのいずれかでもよい。好適な実施形態においては、ベースフィルム12、裏当てフィルム24ともにポリ塩化ビニルを含んでいる。裏当てフィルム24の厚みは、約0.005〜0.02インチ(0.013〜0.051cm)の範囲とすることができる。
この構造体は、標準のビニル再帰反射性シートと違ってビニルだけから作られたものではない。両材料とも双極子構造で高周波(誘電)作用を受けやすいが、それらの変形温度は約190°F(106℃)よりも大きな差があることがある。変形温度とは、ポリマーが流れ始める温度である。非ビニル材料の変形温度は約350°F(177℃)となることがあるが、熱可塑性ベースフィルム12の変形温度は約180°F(82℃)である。
プリズムアレイ14は、第一層たるベースフィルム12の第二層たる裏当てフィルム24への溶着に障壁となるようである。シートを溶着して形成する効果的な方法は、プリズムを退けてベースフィルム12と裏当てフィルム24の熱可塑性材を接着させることである。プリズムがピラミッド形であると一層不安定で、ベースフィルム12を軟化させれば、プリズムは動いて転がり出る。
高周波溶着とは、分子摩擦によってもたらされる熱と圧力で溶融することによって二つの熱可塑性表面を接合することである。材料内の分子は、毎秒数百万回極性の変わる電場によって起こる内部応力を受ける。この熱が圧力を受けているベースフィルム12の融点(変形温度)を越えると、二つの表面がつぶれて融合し接合部ができる。
この溶着は、高周波誘電シール(radiation frequency or dielectric sealing)装置を用いて行うことができる。適切な溶着装置には、Thermatron、Kosmos、KiefelおよびCallaghanの商品名で売られている装置がある。この装置は、約27.12MHzで高周波エネルギーを出す発振器の原理に基づいて作動する。第2図に示すように、プレスはダイ28付き上プラテン26と下プラテン30を具備している。図示していないが、下プラテン30にもダイを具備できる。代替として、下プラテンだけがダイを具備してもよい。持ち上げたすなわち上の位置で、プリズムアレイを付けたベースフィルム12と裏当てフィルム24を、シールパターン32を有するダイ28に対して敷設する。プレスを閉じると高周波エネルギーをかけ、ベースフィルム12と裏当てフィルム24の極性分子をそれらの変形温度と融点になるまで攪拌加熱されるようにするが、この温度はプリズムアレイ14のポリマーが変形しないように十分低くする。
二つのフィルムに押しつけるダイ28には、ランド(lands)34とエッジ(edges,縁)35がある。プリズムエレメント16が動いて、二つのフィルムが合わさって融合しすなわち互いに接合できるようになる。この溶着の量は、時間、温度および高周波電力レベルによって調節される。例えば、アクリル化エポキシプリズムと強化ポリ塩化ビニル裏当てで毎秒6フィートの速度でポリマー塩化物シートを形成する際、プラテンの圧力は約50〜60psi、プラテン温度は約115〜125°F(46〜52℃)にできる。高周波エネルギーは約9.5kWattsにできる。プラテン電流は約1.5amp、グリッド電流は約0.9ampにできる。高周波に当てる前の約1秒の前シールステップ、次いでシートとプリズムに高周波エネルギーを当てる間の約2.4秒のシールステップ、次いで約1秒高周波エネルギーに当てた後の冷却ステップに、加熱プラテンによって圧力をかけることができる。
好適な一実施形態において、用いたダイは、黄銅をエッチングしたものである。このダイは、マグネシウム、エッチングした鋼、銅あるいはこの技術で知られているダイをつくるのに適切な他のあらゆる材料でつくることができる。ダイには、鋭い縁である外部チアシール(outer tear seal)がある。これにより、再帰反射性構造体10の周辺のスケルトン(skeleton)すなわち廃棄物から、形成された再帰反射性構造体を取り外すことができるようになる。マグネシウムダイについては、内部シール幅が線の太さ(line weight)で9ポイント(0.013インチ)とされているが、これはそれらのエッチング幅を示している。しかし、線の太さは約0.1〜3.0ポイント、すなわち約0.001〜0.042インチの範囲とすることができる。これらの内部シールは、次いで、内部セルを引き裂かないようにするためチアシールの高さよりも約0.014インチ(0.036cm)下まで加工して下げる。黄銅ダイの場合、内部シールをチアシールの表面よりも約0.008インチ下の高さに保つ。この黄銅ダイは、黄銅塊から加工するか、黄銅棒(rule)から作ることができる。
第3図に示すように、ダイ28の内部シールは、周辺が仕切りのある複数の溝状になっている多数のセル36(cells 36 with a multi-course, hatched pattern perimeter)を形成し、これらをベースフィルム12(第一熱可塑性ポリマー層)、プリズムアレイ14、および裏当てフィルム24(第二熱可塑性ポリマー層)に当接すると、プリズムアレイ14(第3図に示さず)の一部分が移動することにより、第一熱可塑性層が第二熱可塑性層に接着されることになる。セル36は、長さと幅が半ないし1インチであるのが好ましい。セル36の周辺は、仕切り(hatches)40のある複数の溝(multiple courses)38で形成されている。例えばテープのような製品には、一般に幅約0.25インチ(0.64cm)で両側をシールされた縁がある。このシールは気密で、あるパターンにつくられており、縁沿いに数層幅のれんが型が優れていることが分かった。他のパターンとして正方形、ダイヤモンド型、三角形などとしてもよい。一実施形態においては、このパターンは、長方形42の食い違った多数の列(れんがパターン)で、この長方形は約0.0625×0.125インチ(0.16×0.32cm)である。ダイ28のランド34は、平坦にして各長方形に均等なくぼみをつくることができる。食違った長方形が三列あるのが好ましい。他の例では、正方形の食違った多数の列でパターンをつくっており、また他の例では、第4図に示すように、三角形の列が形成されている。一実施形態では、その三角形の高さは約0.125インチ(0.32cm)である。
仕切りのある複数の溝状のパターンによって、シールした製品に強度が与えられる。また、各セル36にポケットもできて、製品の一部が引裂き、ほころびや漏れで壊れても、再帰反射性構造体の残部は、なお装飾的にも反射性能でも機能する。
もう一つの重要な考慮点は、ベースフィルム12の厚みである。ベースフィルム12の厚みは、約0.0085〜0.011インチ(0.022〜0.028cm)とするとよい。ベースフィルム12が薄すぎると、材料が十分な強度で互いに溶着されない。厚すぎるとプリズムが移動せず、材料が互いに溶着されない。
もう一つの実施形態においては、第5図に示すように、バーシールダイランド(bar seal die land)を平坦な表面から“M”形48に変える。この設計でプリズムの運動を助長し、ビニル基板で溶着ができるようになる。一実施形態においては、プラテンからのプロング(prong)の高さは約十分の一インチ(A)で、プラテンからの角度αを約120°とできる。プロング50の間隔(B)は約0.018インチ、深さ(C)は約0.015インチである。谷52の角度βは、約60°とする。ダイの厚み(D)は、約0.25インチ(0.064cm)である。この設計でアレイ中のプリズムが移動して、ベースフィルムと裏当てフィルムが溶着されるようになる。第6図は、ダイによるシール(die seal)が裏当てフィルム24中へ広がってところを示している。第7図においては、ダイによるシールはベースフィルム12を通って広がっている。
また、層を接合するためのエネルギーは、超音波エネルギー、赤外線エネルギーあるいは誘電加熱によっても供給できる。適切な超音波溶着装置には、BransonおよびDukaneの商品名で売られている装置がある。連続ウェブ(web)法においては、ベースフィルム12、プリズムアレイ14および約0.0085インチ(0.022cm)の裏当てフィルム24を合わせて、内部シールとダイヤモンド形かストリップ形のパターンとを有する回転ダイ中に入れる。それから、テープは第二加工部へ進み、そこで回転ホイールカッタで互いの縁が合わされてシールされる。ホイールカッタが回転していなければ、材料はシールされず、また内部シールと縁シールを同じ加工部でテープに設けることはできない。前に高周波シールした製品の縁をシールするのにも、超音波プランジシーラーを用いることができ、コーンかリングに溶着できる。例えば、超音波周波数は、約1,000〜2,000wattsの電力レベルで20kHzにできる。再帰反射性シートを、毎分10〜40フィートの速度で形成できる。
高周波溶着の熱は、上下プラテンの中間点で発生させられる。プリズム層のポリマーの融点が熱可塑性フィルムのほぼ二倍であるので、シール用ダイの形状によってプリズム構造体を退かせる運動を助長して、二つの構成部が加熱接着されるようにすることが重要である。
高周波エネルギーによって発生される熱を最大限に利用するため、ベースフィルム12、プリズムアレイ14および裏当てフィルム24の界面が確実に上下プラテンの中間点となるように注意しなければならない。この理由により、十分なビニルで溶着を形成するためには、一般に、すべてのビニル構造体で用いられるものよりも厚い裏当て材を用いる方がよい。
溶着部を形成するのに要するシール滞留(dwell)時間と誘電電流の設定は、従来の高周波溶着に用いる場合よりも一般に10〜20%多い。プロセス最適化を開始するベースラインとして、通常のシール滞留時間と誘電設定を用いるとよい。締付け圧力は、従来の高周波溶着の場合よりも低くする。高周波溶着機は、製造者ごとに、また同じ型でも機械の間で、出力と圧力の点で異なる。一般に設定が機械ごとに違うので、異なるダイと裏当てについて各機械の性能を評価するのが賢明である。
締付け圧力が高すぎるか、プラテン、ダイのいずれかまたは両方が不均等であると、オーバシールすることがある。オーバシールすると、溶着部の周りの材料が弱くなり、表面が不均等になって印刷しにくくなる。裏当てを通してシールされると、正面(前面、おもて面)がわずかに不均等になる。シールがあまり深くない、すなわち圧力をあまりかけないと、プリズムが十分に動かず、溶着が全然できなくなる。
非ビニルプリズムシートを溶着するには、プラテンとダイができるだけ平坦(level、水平)でなければならない。これは、バーシールの場合に特にそうである。ダイが基板にあまり押し込まれないように、下がり止めを用いるとよい。
溶着の強さは、下記の方法で試験できる。材料に切り込んで二つの基板を引き離す。フィルムのいずれかが溶着部より先に裂ければ、この溶着部は大抵の応用に十分である。再帰反射性構造体を室温水に24時間漬ける。セルのいずれかにでも漏れがあると欠陥があることになる。初期温度150°F(66℃)の水浴に再帰反射性構造体を漬けてから、浴を室温まで冷却させる。こうすると、溶着したセル中の空気が膨張して溶着部に応力がかかり、水が冷えると空気が収縮するので水がセルに引き込まれ材料が伸びる。一般に、最も信頼できる試験法は、試料に切り込んで基板を分離してみることである。シール用装置が適正に較正されており、ダイとプラテンが平坦で、プラテン温度と誘電設定が維持されておれば、溶着部の性能を確認するのに定期試験だけですむ。
均等物
好適な実施形態を参照して具体的に本発明を示し説明したが、付属の請求の範囲に規定する本発明の趣旨と範囲を出ることなく形式詳細を種々変更できることは、当業者に理解されるところである。

Claims (29)

  1. 再帰反射性シートを加工成形するための方法であって、
    a)第一熱可塑性ポリマー層を設ける工程と、
    b)その第一熱可塑性ポリマー層上に剛体プリズムアレイを形成する工程と、
    c)その剛体プリズムアレイに第二熱可塑性ポリマー層を当接する工程と、
    d)多数列の溝からなる周辺部を有する多数のセルを含むシールパターンであって、隣接する溝間に溝の長手方向に間隔をあけて配置された仕切りを持つシールパターンを前記第一熱可塑性ポリマー層または第二熱可塑性ポリマー層に形成するためのダイを、前記第一熱可塑性ポリマー層または第二熱可塑性ポリマー層に当接して、剛体プリズムアレイの一部分を移動させることにより、その部分で第一熱可塑性ポリマー層が第二熱可塑性ポリマー層に接着されるようにしながら、第一熱可塑性ポリマー層を第二熱可塑性ポリマー層に溶着する工程と
    からなる方法。
  2. 請求項1において、前記第一熱可塑性ポリマー層が、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンおよびポリフルオロカーボンを含む一群から選ばれたものからなる方法。
  3. 請求項2において、前記第二熱可塑性ポリマー層が、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンおよびポリフルオロカーボンを含む一群から選ばれたものからなる方法。
  4. 請求項1において、前記剛体プリズムアレイを、硬質エポキシポリアクリレート、ポリウレタン、ポリニトリル、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリオレフィンを含む一群から選ばれたポリマーで形成する方法。
  5. 請求項1において、前記剛体プリズムアレイを伸長しないようにコポリマーで形成する方法。
  6. 請求項1において、前記仕切りと溝とで長方形の辺が形成されている方法。
  7. 請求項1において、前記仕切りと溝とで正方形の辺が形成されている方法。
  8. 請求項1において、前記仕切りと溝とで三角形の辺が形成されている方法。
  9. 請求項1の方法で加工成形した再帰反射性構造体。
  10. 再帰反射性シートを加工成形するための方法であって、
    a)第一熱可塑性ポリマーを有する第一層を設ける工程と、
    b)変形温度が第一熱可塑性ポリマーよりも十分に高い第二熱可塑性ポリマーで、プリズムアレイを形成する工程と、
    c)変形温度が第一熱可塑性ポリマと略同じである第三熱可塑性ポリマーを有する第二層を、プリズムアレイに当接する工程と、
    d)多数列の溝からなる周辺部を有する多数のセルを含むシールパターンであって、隣接する溝間に溝の長手方向に間隔をあけて配置された仕切りを持つシールパターンを前記第一熱可塑性ポリマー層または第二熱可塑性ポリマー層に形成するためのダイを、前記第一熱可塑性ポリマー層または第二熱可塑性ポリマー層に当接して、プリズムアレイの一部分を移動させることにより、その部分で第一層が第二層に接着されるようにしながら、第一層を第二層に溶着する工程と
    からなる方法。
  11. 請求項10において、前記第一熱可塑性ポリマーと第三熱可塑性ポリマーが、同じポリマーを含む方法。
  12. 請求項10において、前記第一熱可塑性ポリマーが、ポリ塩化ビニルを含む方法。
  13. 請求項10において、前記第三熱可塑性ポリマーが、ポリ塩化ビニルを含む方法。
  14. 請求項10において、前記第二熱可塑性ポリマーが、エポキシまたはカーボネートを含む方法。
  15. 請求項10の方法で加工成形した再帰反射性構造体。
  16. a)第一熱可塑性ポリマー層と、
    b)その第一熱可塑性ポリマー層に付着させられた剛体プリズムアレイと、
    c)第二熱可塑性ポリマー層と、
    を備え、
    前記第二熱可塑性ポリマー層の一部分が、前記剛体プリズムアレイを介して前記第一熱可塑性ポリマー層に溶着されて、前記第一熱可塑性ポリマー層に、多数列の溝からなる周辺部を有する多数のセルを含むシールパターンであって、隣接する溝間に溝の長手方向に間隔をあけて配置された仕切りを持つシールパターンが形成された再帰反射性構造体。
  17. 請求項16において、前記第一熱可塑性ポリマー層が、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンおよびポリフルオロカーボンを含む一群から選ばれたものからなる再帰反射性構造体。
  18. 請求項16において、前記第二熱可塑性ポリマー層が、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンおよびポリフルオロカーボンを含む一群から選ばれたものからなる再帰反射性構造体。
  19. 請求項16において、前記剛体プリズムアレイが、硬質エポキシポリアクリレート、ポリウレタン、ポリニトリル、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリオレフィンを含む一群から選ばれたポリマーで形成された再帰反射性構造体。
  20. 請求項16において、前記剛体プリズムアレイが伸長しないようにコポリマーで形成された再帰反射性構造体。
  21. 請求項16において、前記仕切りと溝とで長方形の辺が形成されている再帰反射性構造体。
  22. 請求項16において、前記仕切りと溝とで正方形の辺が形成されている再帰反射性構造体。
  23. 請求項16において、前記仕切りと溝とで三角形の辺が形成されている再帰反射性構造体。
  24. a)第一熱可塑性ポリマーで形成した第一層と、
    b)変形温度が第一熱可塑性ポリマーよりも十分に高い第二熱可塑性ポリマーで形成され、第一層に付着させられたプリズムアレイと、
    c)変形温度が第一熱可塑性ポリマーと略同じである第三熱可塑性ポリマーで形成された第二層と
    を備え、
    プリズムアレイの一部分が移動されて、前記第二層の一部分が、前記プリズムアレイの一部分を介して前記第一層に溶着され、前記第一層の前記第二層との溶着部分には、多数列の溝が形成され、隣接する溝間に溝の長手方向に間隔をあけて配置された仕切りがある再帰反射性構造体。
  25. 請求項24において、前記第一熱可塑性ポリマーと第三熱可塑性ポリマーが、同じポリマーを含む再帰反射性構造体。
  26. 請求項24において、前記第一熱可塑性ポリマーが、ポリ塩化ビニルを含む再帰反射性構造体。
  27. 請求項24において、前記第三熱可塑性ポリマーが、ポリ塩化ビニルを含む再帰反射性構造体。
  28. 請求項24において、前記第二熱可塑性ポリマーが、エポキシまたはカーボネートを含む再帰反射性構造体。
  29. 外表面に請求項24の再帰反射性構造体を取り付けた衣服。
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