JP3977969B2 - 燃料集合体 - Google Patents

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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉用の燃料集合体に係り、特に燃料集合体内部に異物が混入するのを防止するための異物捕捉手段を備えた燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉(以下、BWRと略す)に用いられる燃料集合体は、一般に、内部に多数の核燃料ペレットを有する複数本の核燃料棒(以下、燃料棒という)及び内部に中性子減速材が流れる水ロッドの上端を上部タイプレートで保持し、これらの下端を下部タイプレートで支持している。これら燃料棒と水ロッドとは、軸方向に並んだ複数のスペーサにより一定間隔に保持されており、冷却材(軽水)は下部タイプレート下端の開口部(入口ノズル)から流入し、核燃料集合体内部に供給される。
【0003】
ところで、原子力発電プラントの原子炉圧力容器の中には、なんらかの異物が混入する可能性がないとは言えず、このような異物が原子炉運転中に冷却材とともにプラント内を流れ、燃料集合体の燃料棒周辺に流入した場合、燃料棒の間やスペーサに係留され、その流動振動によるフレッティング摩耗によって燃料棒被覆管を損傷し悪影響を与える可能性がある。
【0004】
上記したように、冷却材は下部タイプレートから燃料集合体へ流入する。このとき下部タイプレートでは、冷却材は下端にある入口ノズルから流入し、下部タイプレート内部を通過した後、上端にある燃料棒支持格子部に形成された冷却材流路から下部タイプレート外へ流出する。燃料集合体の燃料棒周辺への異物の侵入を阻止するために、この下部タイプレートでの冷却材流路に異物捕捉手段(異物フィルタ)を設けた従来技術として、例えば、特開平4−230892 号公報,特開平7−159567号公報、及び特開平7−306284号公報がある。
【0005】
特開平4−230892 号公報では、下部タイプレートのある部分に、波板を一定の間隔で並べたフィルタを配置し、波板の湾曲部で異物を捕捉する技術が開示されている。特開平7−159567 号公報では、下部タイプレートの上部端にある燃料棒支持格子部の冷却材流路をラビリンス形状にし、異物の通過を阻止する構造が開示されている。特開平7−306284 号公報には、下部タイプレートの燃料支持格子部の冷却材流路に複数の小孔を有する格子を設置し、異物を捕獲する構造が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。すなわち、特開平7− 306284号公報では、異物捕捉手段として小孔形状としているが、異物が線状の形状をしていて冷却材流れに沿って流れてきた場合には、その異物を捕捉することが困難である。
【0007】
また、特開平7−159567 号公報では、異物が線状の形状をしていて冷却材流れに沿って流れてきた場合にもその異物を捕捉することは可能であるが、冷却材の流速が速い燃料棒支持格子部に異物フィルタを設置し、異物フィルタによって冷却材流れをさらに絞ったり曲げたりしているため、圧力損失が大幅に増加するという問題がある。
【0008】
また、特開平4−230892号公報では、特開平7−159567号公報と同様に、異物が線状の形状をしていて冷却材流れに沿って流れてきた場合にもその異物を捕捉することは可能であり、かつ、冷却材の流速が遅い下部タイプレート矩形部に異物フィルタを設置することで圧力損失もかなり小さくすることが可能である。しかし、より小さな異物を捕捉するためには、波板の間隔をより小さくする、あるいは波板の湾曲率をより大きくする必要があり、圧力損失が増加してしまう。したがって、より小さな異物を捕捉する時でも、できるだけ圧力損失の増加を小さくしたいという課題がある。
【0009】
以上のように、上記3つの従来技術では、より小さな線状の異物を捕捉でき、かつ、下部タイプレートでの圧力損失の増加をできるだけ小さくする構造としては不十分である。特に、圧力損失が大きく増加すると、冷却材流量が減少して燃料棒の冷却能力が低下するため、健全性を維持するのが困難となり、好ましくない。
【0010】
本発明の目的は、より小さな線状の異物が冷却材流れに沿って流れてきた場合にも異物を捕捉でき、かつ、下部タイプレートでの圧力損失の増加量を十分に低減できる異物捕捉手段を備えた燃料集合体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料集合体は、燃料棒の下端部が挿入される複数の挿入部及びこれらの挿入部を相互に連結する複数の連結部を有する下部タイプレートが、冷却材によって運ばれる異物を捕捉するための異物フィルタを、その挿入部及び連結部よりも下方で内部に設け、この異物フィルタが、複数の第1平板とこれらの第1平板と直交する方向に配置された複数の第2平板を組合せて構成された格子を含む一対の平板集合体を備え、それぞれの平板集合体において、各第1平板が下部タイプレートの軸方向と並行に配置され、各第2平板がその軸方向に対して同じ向きに傾斜して配置され、一対の平板集合体のうちの一方である第1の平板集合体が、軸方向において、他方の第2の平板集合体よりも燃料棒側に配置されており、隣り合う第2平板間に形成される流路が、その軸方向に対して斜めになるように、その入口から出口まで真っ直ぐに形成されており、第2平板集合体に形成される流路が、第1平板集合体に形成される流路と方向に傾斜されており、第1平板集合体の第1平板の下端が第2平板集合体の第1平板の上端と接触しており、第2平板集合体の流路の出口における第2平板の位置が、第1平板集合体の流路の入口におけるほぼ中央に配置され、第2平板集合体の流路の入口における第2平板の位置が、第2平板集合体の流路の出口におけるほぼ中央に配置される。
【0012】
好ましくは、前記異物フィルタが下部タイプレート下端の入口ノズルと下部タイプレート上端の燃料棒支持格子部の中間の矩形部に設置される。
【0013】
線状の異物が冷却材に含まれる場合、その異物は冷却材流れに沿って縦になって流れることが一般的に知られている。また、平板集合体1つは、冷却材流れ方向に対して斜めに傾斜してはいるが、真っ直ぐな大きな流路を持っている。したがって、冷却材流れに沿って縦に流れてきた線状異物はその方向を変えて傾斜した流路を通過すると考えられるので、平板集合体1つでは異物を捕捉することはできない。冷却材流れに沿って縦に流れてきた線状異物を捕捉するためには、冷却材流れ方向に対して真っ直ぐな流路を無くす必要がある。
【0014】
2つの平板集合体を用意し、流路の傾斜方向が逆になるように冷却材流れ方向に重ねると、冷却材流れ方向に真っ直ぐに貫通する流路を無くすことができる。捕捉したい異物の大きさに応じて、平板の間隔,平板の高さ,流路の傾斜角度を選定し、決定する。以上より、2つの平板集合体の流路を、流路の傾斜方向が逆になるように冷却材流れ方向に重ねることで、線状の異物が冷却材流れに沿って流れてきた場合にも、異物を捕捉することができる。
【0015】
圧力損失については、次式が成り立つ。
【0016】
ΔP=Kv2 …(数1)ここで、ΔP:圧力損失、K:圧力損失係数、v:最大流速である。圧力損失係数Kは、流路の拡大,縮小や曲げによって決まる定数である。また、最大流速vは、流路が一番絞られている部分での流速である。Kもvも、小さい方が圧力損失ΔPは小さくなる。
【0017】
上記圧力損失の数1と図11から図14を使って、異物フィルタに従来技術と同等の異物捕捉性能を持たせるときに、圧力損失の増加量をより小さくできる本発明の利点を説明する。
【0018】
図11は特開平4−230892 号公報に記載されている異物フィルタの典型的な冷却材流れ方向の断面構造を示したものであり、図12は本発明の異物フィルタの冷却材流れ方向の断面構造を示したものである。図11の30が捕捉できる線状異物の最小長さを示しており、その時の傾斜角度,横流路間隔,横平板間隔がそれぞれ31,32,33で示される。図12の34が捕捉できる線状異物の最小長さを示しており、その時の傾斜角度,横流路間隔,横平板間隔がそれぞれ35,36,37で示される。図12の捕捉できる線状異物の最小長さ34と傾斜角度35を、それぞれ図11の捕捉できる線状異物の最小長さ30と傾斜角度31と同じにした場合、図12の横流路間隔36は図11の横流路間隔32よりも大きくなる。
【0019】
図13は図11のCC断面構造を示したものであり、図14は図12のDD断面構造を示したものである。図13の38が捕捉できる板状異物の最小幅を示しており、その時の縦流路間隔と縦平板間隔がそれぞれ39と40で示される。図14の41が捕捉できる板状異物の最小幅を示しており、その時の縦流路間隔と縦平板間隔がそれぞれ42と43で示される。図14の捕捉できる板状異物の最小幅41を、図13の捕捉できる板状異物の最小幅38と同じにした場合、図
14の縦流路間隔42は、図13の縦流路間隔39よりも大きくなる。
【0020】
全体に占める流路の割合は、(横流路間隔×縦流路間隔)/(横平板間隔×縦平板間隔)となり、これが大きいほど流速が遅くなる。図11から図14を用いて従来技術の構造と本発明の構造を比べると、本発明の(横流路間隔36×縦流路間隔42)/(横平板間隔37×縦平板間隔43)は、従来技術の(横流路間隔32×縦流路間隔39)/(横平板間隔33×縦平板間隔40)よりも大きくなるので流速が遅くなる。数1から、流速が遅い方が圧力損失が小さくなるので、本発明の構造の方が従来技術の構造よりも流速の点から圧力損失が小さくなると言える。
【0021】
数1において、圧力損失係数Kの成分としては、流路入口での(a)縮小損失と(b)曲げ損失、流路中間での(c)曲げ損失、流路出口での(d)拡大損失と(e)曲げ損失の5つがある。図8から図11を用いて従来技術の構造と本発明の構造を比較すると、(a)縮小損失と(d)拡大損失は、本発明の構造が従来技術の構造よりも小さいと言える。また、(b),(c),(e)の各曲げ損失は、本発明の構造は従来技術の構造より、下流平板集合体の縦平板が、上流平板集合体の流路の中間に配置されていることから発生する曲げの効果によって、わずかに大きいと言える。しかし、一般的に圧力損失係数Kに対する曲げ損失の寄与は拡大・縮小損失の寄与に比べて小さいことが分かっている。よって、総合的に圧力損失係数Kは本発明の構造の方が従来技術の構造よりも小さいと言える。
【0022】
以上より、圧力損失係数Kも最大流速vも、本発明の構造の方が従来技術の構造より小さいので、本発明の構造の方が従来技術の構造より圧力損失ΔPが小さいと言える。
【0023】
一方、下部タイプレートの入口ノズルや燃料棒支持格子部は、下部タイプレート中間の矩形部に比べて冷却材流路面積が絞られているので、冷却材の流速が速くなっている。また、圧力損失の増加は、流速の2乗に比例することが一般的に知られている。したがって、好ましくは、異物フィルタを下部タイプレート中間の矩形部に設置することで、下部タイプレートで生じる圧力損失の増加量を十分低減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態による燃料集合体の全体構造を表す縦断面図を図2に示す。本燃料集合体1は、9行9列の正方格子状に配列された燃料棒2及び水ロッド3と、これら燃料棒2及び水ロッド3の下端を支持する燃料棒支持格子部4Aを備えた下部タイプレート4と、燃料棒2及び水ロッド3の上端を保持する上部タイプレート5と、燃料棒2及び水ロッド3を所定の間隔に保持するスペーサ6と、これらの構造物の外周部を取り囲むチャンネルボックス8とを有している。冷却材(軽水)は、図2中に矢印で示すように、下部タイプレート4の下端開口部である入口ノズル4Bから流入し、下部タイプレート4の内部の矩形部4C及び異物フィルタ9を通過した後、上端部の燃料棒支持格子部4Aから燃料棒2の周辺領域へと供給される。
【0025】
下部タイプレート4の詳細構造を表す図2の部分拡大縦断面図を図1に示す。図1において、下部タイプレート4の燃料棒支持格子部4Aは、各燃料棒2の下端がそれぞれ挿入される挿入口を備えた多数の挿入部材4Aaと、これら多数の挿入部材4Aa間をそれぞれ連結する多数の連結部材4Abとを備え、それら挿入部材4Aa及び連結部材4Abの間の領域に多数の冷却材流路10を形成している。
【0026】
本実施形態の最も大きな特徴は、下部タイプレート4の内部の矩形部4Cに、平板を一定間隔で配列して形成した異物フィルタ9が設けられていることである。この異物フィルタ9の詳細構造について、図1中のA部の部分拡大縦断面図を図3に、図1中のBB断面の部分拡大横断面図を図4に示す。
【0027】
図3と図4において、異物フィルタは冷却材流れの上流と下流に配置された2つの平板集合体より構成されている。上流平板集合体と下流平板集合体の構造は、流路の傾斜方向が逆であることを除いて、まったく同じである。平板集合体は縦平板11と横平板12を格子状に組立ててあり、流路入口13,流路出口14,斜めに傾斜した流路15を有している。流路の傾斜角度を16,縦平板間隔を17,横平板間隔を18,縦平板高さを19,横平板高さを20とする。本実施形態の平板集合体は、縦平板11の板厚は1.0mm、横平板12の板厚は1.0mm、流路の傾斜角度16は30°、縦平板間隔17は7.0mm 、横平板間隔18は4.0mm、縦平板高さ19は10mm、横平板高さ20は11.5mmとなっている。図5に縦平板11の単体の構造を示す。縦平板11には斜めスリット21が縦平板高さ19の半分まで切られており、左右両端には平板集合体枠に固定するための保持部22がある。縦平板11の上下両端は、圧力損失の増加を極力小さくするように、面取りあるいはR加工が施されている。
【0028】
図6に横平板12の単体の構造を示す。横平板12には垂直スリット23が横平板高さ20の半分まで切られており、左右両端には平板集合体枠に固定するための保持部24がある。横平板12の上下両端は、圧力損失の増加を極力小さくするように、面取りあるいはR加工が施されている。
【0029】
図7に平板集合体枠25の構造を示す。外巾26は下部タイプレート矩形部に納まるように約124mmとなっており、高さ27は縦平板高さの2倍の20mmとなっている。平板集合体枠25の2対の辺のうち対向する1対の辺には、縦平板11の保持部22がかみ合うように、垂直スリット28が約7mm間隔に切られている。垂直スリット28は平板集合体枠25の上下に約5mmずつの深さで切られており、その垂直スリット28の位置は上下で間隔7mmの半分の3.5mm ずつずれている。もう一方の対向する1対の辺には、横平板12の保持部24がかみ合うように、斜めスリット29が約4.0mm 間隔に切られている。斜めスリット
29は平板集合体枠25の上下に約5mmずつの深さで切られており、その斜めスリット29の位置は上下で間隔4.0mm の半分の2.0mm ずつずれている。
【0030】
平板集合体を組立てる際には、図7の平板集合体枠25の上流側に、まず図6の横平板12を上流側分全部組込む。その時、平板集合体枠の斜めスリット29に横平板の保持部24が入れ込まれる。次に、横平板12を組込んだ平板集合体枠25に、図5の縦平板11を上流側分全部組込む。その時、平板集合体枠の垂直スリット28に縦平板の保持部22が入れ込まれ、同時に横平板の垂直スリット23と縦平板の斜めスリット21とがかみ合わせられる。以上により、上流側分全部組立てられた状態となる。さらに、平板集合体枠25と縦平板の保持部
22および横平板の保持部24とを溶接で接合して一体化する。
【0031】
下流側についても同様に組立て、溶接して一体化する。平板集合体枠25の垂直スリット28と斜めスリット29は、予め上流側の縦平板11および横平板
12と下流側の縦平板11および横平板12の位置がずれるように切ってあるので、垂直スリット28および斜めスリット29に沿って縦平板11および横平板12を組込むことでずらすことができる。
【0032】
以上のように構成した異物フィルタ9を図8に示す下部タイプレート4の開口部4Dへ挿入する。開口部4Dは対面側にも同じ位置と大きさで存在する。異物フィルタ9と下部タイプレート4を溶接により接合する。
【0033】
以上のように構成した本実施形態の燃料集合体1の作用及び効果を以下に説明する。
【0034】
(1)平板集合体を2つ重ねた構造による異物捕捉性能の向上
上記構成の燃料集合体1において、冷却材は下部タイプレート4の入口ノズル4Bから流入し、下部タイプレート4の内部の矩形部4Cを通過した後、燃料棒支持格子部4Aの冷却材流路10を通過して、燃料棒2の周辺領域へと流入する。冷却材とともに流れてきた異物は、下部タイプレート4の入口ノズル4Bから下部タイプレート4の内部の矩形部4Cを介し燃料棒支持格子部4Aの冷却材流路10に流入しようとするが、下部タイプレートの内部の矩形部4Cにある異物フィルタ9で捕捉されて流入を阻止され、これによって燃料棒2の周辺領域への侵入が防止される。
【0035】
異物には板状,棒状,らせん状,かたまり状,線状など様々な形状が存在する。異物フィルタ9を平板集合体1つで形成すると、冷却材流れ方向に対して斜めに傾斜されてはいるが、真っ直ぐな流路が大きく存在するので、冷却材流れに沿って縦に流れてきた線状の異物を捕捉することができない。本実施形態においては、もう1つの平板集合体を流路の傾斜方向が逆になるように重ねることによって、冷却材流れ方向に真っ直ぐな流路無くすことができるので、冷却材流れに沿って縦に流れてきた線状の異物を捕捉することができる。この原理を図9と図
10を用いて具体的に説明する。
【0036】
図9は、平板集合体1つの時に冷却材流れ方向に真っ直ぐな流路が存在することを示し、図10は、平板集合体を2つ重ねた時に冷却材流れ方向に真っ直ぐな流路が存在しなくなることを示したものである。図9は、平板集合体1つを冷却材流れと垂直方向から見た断面図である。平板12aは、板厚1.0mm,間隔4.0mm,傾斜角度30°,高さ11.5mm とした。図中の矢印で示すように、流路は冷却材流れ方向と傾斜はしているが、真っ直ぐに貫通している。図10は、平板集合体を2つ重ねた時を冷却材流れと垂直方向から見た断面図である。追加で重ねた平板集合体の寸法形状は、図9で示した平板集合体と同じとし、傾斜の方向を逆にしている。図中の矢印で示すように、平板集合体を2つ重ねることで、冷却材流れ方向に真っ直ぐな流路を無くすことができる。
【0037】
(2)平板集合体をずらして重ねたことによる圧力損失の低減
前述したように、圧力損失を表す数1と図11から図14を使って、本発明の異物フィルタの構造は、異物フィルタに従来技術と同等の異物捕捉性能を持たせるときに、圧力損失の増加量をより小さくできる利点を持っていることを示すことができた。
【0038】
ここでは、定量的にどの程度の効果があるかを示す。圧力損失係数Kを定量的に評価することは難しいので、圧力損失係数Kが従来技術と本実施形態で同じであると仮定し、流速vのみを従来技術と本実施形態で比較して、圧力損失の違いを検討する。圧力損失係数Kを従来技術と本実施形態で同じとした仮定は保守的なものである。
【0039】
流速vについて、従来技術構造の流速を1とした時の本実施形態構造の流速を求める。本実施形態の平板集合体は、図3と図4において、縦平板11の板厚は1.0mm、横平板12の板厚は1.0mm、流路の傾斜角度16は30°、縦平板間隔17は7.0mm、横平板間隔18は4.0mm、縦平板高さ19は10mm、横平板高さ20は11.5mm となっている。この時の図12における線状異物の最小長さ34は約7.5mmと計算され、図14における板状異物の最小幅41は約2.7mmと計算される。
【0040】
図11と図13で示される従来技術の構造において、線状異物の最小長さ30が約7.5mm,板状異物の最小幅38が約2.7mmにするためには、縦平板の板厚1.0mm,横平板の板厚1.0mm,流路の傾斜角度30°を本実施形態の構造と同じにした場合、縦平板間隔は3.5mm、横平板間隔は3.2mmにしなければならない。
【0041】
これより、それぞれの流路面積の縮小割合は次のように求まる。
【0042】
(本実施形態構造の流路面積縮小割合)
=(縦平板間隔−板厚)×(横平板間隔−板厚)/(縦平板間隔)×(横平板間隔)
=(7.0−1.0)(4.0−1.0)/(7.0×4.0)=0.64
(従来技術構造の流路面積縮小割合)
=(縦平板間隔−板厚)×(横平板間隔−板厚)/(縦平板間隔)×(横平板間隔)
=(3.5−1.0)(3.2−1.0)/(3.5×3.2)=0.49
よって、従来技術構造の流速を1とした時の本実施形態構造の流速は、0.49/0.64=0.77倍となる。圧力損失の観点からすると、従来技術の構造の圧力損失を1とした時の本実施形態構造の圧力損失は、1×0.77×0.77=0.59倍となる。
【0043】
以上より、平板集合体をずらして重ねることが、同じ異物捕捉性能とした時の圧力損失増加量の低減に対して有効であることが示された。
【0044】
(3)異物フィルタを下部タイプレート矩形部に設置したことによる圧力損失の低減
下部タイプレート4の入口ノズル4Bや燃料棒支持格子部4Aは、下部タイプレート4の中でも流路面積が小さく、流速が速い部分である。それに比較して、下部タイプレート4の内部の矩形部4Cは、流路面積が大きく、流速が遅い部分である。よって、異物フィルタ設置による圧力損失の増加量を低減するためには、異物フィルタ9を下部タイプレート4の内部の矩形部4Cに設置することが有効である。
【0045】
例えば、下部タイプレートの矩形部の流路面積を1とした時の入口ノズルの流路面積は約1/3倍と小さい。よって、矩形部の流速を1とした時の入口ノズルの流速は約3倍と大きい。図3から図7で説明した本実施形態の構造の異物フィルタを矩形部に設置するかわりに入口ノズルに設置した場合の圧力損失は、圧力損失係数は同じで流速の2乗に比例するので、約9倍(=3×3)と大幅に大きくなってしまう。
【0046】
以上より、異物フィルタを下部タイプレートの矩形部に設置することが、圧力損失増加量の低減に対して有効であることが示された。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、線状の異物が冷却材流れに沿って流れてきた場合にも異物を捕捉でき、かつ下部タイプレートでの圧力損失の増加量を十分に低減できる異物捕捉手段を備えた燃料集合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による燃料集合体の下部タイプレートの詳細構造を表す部分拡大断面図である。
【図2】図1の下部タイプレートが備えられた燃料集合体の全体構造を表す縦断面図である。
【図3】図1のA部の部分拡大縦断面図である。
【図4】図1のBB断面による部分拡大横断面図である。
【図5】異物フィルタを構成する縦平板の部品構造を表す図である。
【図6】異物フィルタを構成する横平板の部品構造を表す図である。
【図7】異物フィルタを構成する平板集合体枠の構造を表す図である。
【図8】異物フィルタを挿入して形成される下部タイプレートの外観を表す図である。
【図9】平板集合体1つで真っ直ぐに貫通する流路が存在することを表す図である。
【図10】平板集合体を2つ重ねることによって真っ直ぐに貫通する流路を無くすことができることを表す図である。
【図11】従来技術の異物フィルタ部の部分拡大縦断面図を表す図である。
【図12】本実施形態の異物フィルタ部の部分拡大縦断面図を表す図である。
【図13】従来技術の異物フィルタ部の部分拡大横断面図を表す図である。
【図14】本実施形態の異物フィルタ部の部分拡大横断面図を表す図である。
【符号の説明】
1…燃料集合体、2…燃料棒、3…水ロッド、4…下部タイプレート、4A…燃料棒支持格子部、4Aa…挿入部材、4Ab…連結部材、4C…下部タイプレート矩形部、4D…異物フィルタ挿入孔、5…上部タイプレート、6…スペーサ、8…チャンネルボックス、9…異物フィルタ、10…冷却材流路、11…縦平板、12…横平板、13…流路入口、14…流路出口、15…傾斜流路、21…縦平板斜めスリット、22…縦平板保持部、23…横平板垂直スリット、24…横平板保持部、25…平板集合体枠、28…平板集合体枠垂直スリット、29…平板集合体枠斜めスリット。

Claims (2)

  1. 正方格子状に配列された複数の燃料棒と、これら複数の燃料棒の下端を支持する下部タイプレートと、前記燃料棒の上端を支持する上部タイプレートと、前記燃料棒の間隔を保持するスペーサとを備えた燃料集合体において、
    前記燃料棒の下端部が挿入される複数の挿入部及びこれらの挿入部を相互に連結する複数の連結部を有する前記下部タイプレートが、冷却材によって運ばれる異物を捕捉するための異物フィルタを、前記挿入部及び前記連結部よりも下方で内部に設けており
    前記異物フィルタが、複数の第1平板とこれらの前記第1平板と直交する方向に配置された複数の第2平板を組合せて構成された格子を含む一対の平板集合体を備え、
    それぞれの平板集合体において、各前記第1平板が前記下部タイプレートの軸方向と並行に配置され、各前記第2平板が前記軸方向に対して同じ向きに傾斜して配置され、
    前記一対の平板集合体のうちの一方である第1の平板集合体が、前記軸方向において、他方の第2の前記平板集合体よりも前記燃料棒側に配置されており、
    隣り合う前記第2平板間に形成される流路が、前記軸方向に対して斜めになるように、その入口から出口まで真っ直ぐに形成されており、
    前記第2平板集合体に形成される前記流路が、前記第1平板集合体に形成される前記流路と方向に傾斜されており、
    前記第1平板集合体の前記第1平板の下端が前記第2平板集合体の前記第1平板の上端と接触しており、
    前記第2平板集合体の前記流路の出口における前記第2平板の位置が、前記第1平板集合体の前記流路の入口におけるほぼ中央に配置され、前記第1平板集合体の前記流路の入口における第2平板の位置が、前記第2平板集合体の前記流路の出口におけるほぼ中央に配置されたことを特徴とする燃料集合体。
  2. 請求項1記載の燃料集合体において、前記異物フィルタが、下部タイプレート下端の入口ノズルと下部タイプレート上端の燃料棒支持格子部の中間の矩形部に設置されたことを特徴とする燃料集合体。
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