JP3975738B2 - 蓄電池の状態検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄電池の状態検出装置に関し、詳しくは蓄電池の状態を検出する状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の蓄電池の状態検出装置としては、蓄電池からの充放電電流を積算して算出される充電量(SOC;State Of Charge)と、蓄電池の電圧により算出される充電量とを組み合わせて蓄電池の充電量を算出するものが提案されている(例えば、特開2000−224701号公報や特開2000−217261号公報など)。即ち、蓄電池のSOCの変化に対する電圧の変化が大きい高SOC(例えば、約80%以上)や低SOC(例えば、約20%以下)では、蓄電池の電圧を用いて高い精度でSOCを算出し、蓄電池のSOCの変化に対する電圧の変化が小さい中間SOC(例えば、約20%から約80%までの間)では、蓄電池の電圧を用いて算出されたSOCに蓄電池の充放電電流を順次積算していくことでSOCを算出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単純に蓄電池の充放電電流を積算してSOCを算出するものでは、例えば、蓄電池の電池容量が反映されないから、経年使用などにより蓄電池の電池容量が低下すると、蓄電池の充放電電流を積算して算出されたSOCに大きな誤差が含まれているおそれがある。
【0004】
本発明の蓄電池の状態検出装置は、こうした問題を解決し、より正確に蓄電池の充電量を検出することを目的の一つとする。また、本発明の蓄電池の状態検出装置は、より正確に蓄電池の充電量を検出すると共に蓄電池の劣化を判定することを目的の一つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の蓄電池の状態判定装置は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の蓄電池の状態判定装置は、
蓄電池の状態を検出する状態検出装置であって、
前記蓄電池の充放電電流と劣化係数とを用いて該蓄電池の充電量を算出する電流方式充電量算出手段と、
前記蓄電池の電圧を用いて該蓄電池の充電量を算出する電圧方式充電量算出手段と、
前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が第1の所定値から該第1の所定値よりも大きい第2の所定値までの範囲内を外れるとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が第3の所定値から該第3の所定値よりも大きい第4の所定値までの範囲内を外れるとき、両充電量を比較して前記劣化係数を修正する劣化係数修正手段と、
前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量を前記蓄電池の充電量として決定する充電量決定手段と
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の蓄電池の状態検出装置では、劣化係数修正手段が、蓄電池の充放電電流と劣化係数とを用いて充電量を算出する電流方式充電量算出手段の充電量が第1の所定値から第2の所定値までの範囲内を外れるとき又は蓄電池の電圧を用いて充電量を算出する電圧方式充電量算出手段の充電量が第3の所定値から第4の所定値までの範囲内を外れるとき、両充電量を比較して劣化係数を修正する。蓄電池の電圧により精度良く蓄電池の充電量を算出できる領域であれば、蓄電池の電圧を用いて算出される充電量と蓄電池の充放電電流を用いて算出される充電量との比較結果は、蓄電池の電池容量と所定の関係を有する。したがって、両充電量の比較結果から蓄電池の電池容量に対応する劣化係数を修正すると共に修正された劣化係数を用いて蓄電池の充放電電流から蓄電池の充電量を算出すれば、この蓄電池の充電量の精度をより向上させることができる。
【0008】
こうした本発明の蓄電池の状態検出装置において、前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量と前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量との差に基づいて前記劣化係数を修正する手段であるものとすることもできる。
【0009】
充電量の差に基づいて劣化係数を修正する態様の本発明の蓄電池の状態検出装置において、前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第2の所定値を超えるとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第4の所定値を超えるときであって、前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量から前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量を減じた値が正の第1閾値を超えるとき、前記劣化係数に所定の第1加算値を加算することにより該劣化係数を修正する手段であるものとすることもできる。
【0010】
また、充電量の差に基づいて劣化係数を修正する態様の本発明の蓄電池の状態検出装置において、前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第1の所定値未満のとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第3の所定値未満のときであって、前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量から前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量を減じた値が負の第2閾値未満のとき、前記劣化係数に所定の第2加算値を加算することにより該劣化係数を修正する手段であるものとすることもできる。
【0011】
更に、充電量の差に基づいて劣化係数を修正する態様の本発明の蓄電池の状態検出装置において、前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第2の所定値を超えるとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第4の所定値を超えるときであって、前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量から前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量を減じた値が負の第3閾値未満であるとき、前記劣化係数に所定の第1減算値を減算することにより該劣化係数を修正する手段であるものとすることもできる。
【0012】
また、充電量の差に基づいて劣化係数を修正する態様の本発明の蓄電池の状態検出装置において、前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第1の所定値未満のとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第3の所定値未満のときであって、前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量から前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量を減じた値が正の第4閾値を超えるとき、前記劣化係数に所定の第2減算値を減算することにより該劣化係数を修正する手段であるものとすることもできる。
【0013】
また、上記各態様の本発明の蓄電池の状態検出装置において、前記劣化係数修正手段により修正された劣化係数に基づいて前記蓄電池の劣化を判定する劣化判定手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、劣化係数に基づいて蓄電池の劣化を判定することができる。この態様の本発明の蓄電池の状態検出装置において、前記劣化判定手段は、前記劣化係数が所定の上限値を超えたときに前記蓄電池が劣化したと判定する手段であるものとすることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明する。図1は、蓄電池12からの電力により負荷14を駆動する駆動システム10に本発明の一実施例である蓄電池の状態検出装置20を適用した場合の構成の概略を示す構成図である。図において、蓄電池12は、例えば、ニッケル水素系やリチウムイオン系の二次電池を複数直列接続した組電池であり、この電池と負荷14が電気的に接続されている。負荷14は、例えば、電気自動車などに搭載するインバータおよび電動機からなる構成やインバータおよび発電機からなる構成、二つのインバータを並列に接続して各インバータに各々電動機と発電機とを接続した構成などが含まれる他、これら電気自動車などの電動機や発電機に限られず、二次電池を搭載する電気機器などであってもよい。
【0015】
実施例の蓄電池の状態検出装置20は、図示するように、蓄電池12の端子間電圧を検出する電圧センサ22と、蓄電池12からの充放電電流を検出する電流センサ24と、蓄電池12の温度を検出する温度センサ26と、電圧センサ22,電流センサ24,温度センサ26の検出結果に基づいて蓄電池12の充電量(SOC)を演算すると共に蓄電池12の劣化を判定する電子制御ユニット30と、表示装置としてのLED40とを備える。
【0016】
電子制御ユニット30は、CPU32を中心としたワンチップマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM34と、一時的にデータを記憶するRAM36と、入出力ポート(図示せず)とを備える。この電子制御ユニット30には、電圧センサ22からの蓄電池12の端子間電圧Vや、電流センサ24からの蓄電池12の充放電電流I、温度センサ26からの蓄電池12の温度Tなどが入力ポートを介して入力されており、電子制御ユニット30からは、LED40への点灯信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0017】
こうして構成された実施例の蓄電池の状態検出装置20の動作について説明する。図2は、実施例の蓄電池の状態検出装置20の電子制御ユニット30により実行される電池状態検出処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、0.2msec毎)に繰り返し実行される。
【0018】
電池状態検出処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット30のCPU32は、まず、電圧センサ22により検出された蓄電池12の端子間電圧V,電流センサ24により検出された蓄電池12の充放電電流I,温度センサ26により検出された蓄電池12の温度Tを読み込む処理を行なう(ステップS100)。次に、読み込んだ電流Iを前回のルーチンで設定された蓄電池12の充電量SOCに加算すると共に前回のルーチンで設定された劣化係数Fを乗じて電流Iからの蓄電池12の充電量ISOCを算出し(ステップS102)、読み込んだ端子間電圧Vと温度Tとに基づいて電圧Vからの蓄電池12の充電量VSOCを算出する(ステップS104)。ここで、電流Iからの蓄電池12の充電量ISOCを算出する際に用いられる劣化係数Fは、電池容量に応じた蓄電池12の劣化の程度を表わす係数であり、蓄電池12の電池容量が低下するほど大きな値が設定される。なお、この劣化係数Fの初期値としては値1が設定されている。また、電圧Vからの蓄電池12の充電量VSOCは、実施例では、蓄電池12の端子間電圧Vと蓄電池12の充電量との関係を予めマップとしてROM34に記憶しておき、蓄電池12の端子間電圧Vが与えられたときに、ROM34に記憶されたマップから対応する充電量を導出すると共にこの充電量に対して蓄電池12の温度に応じた補正を行って算出するものとした。図3に、蓄電池12の端子間電圧Vと充電量との関係を示すマップの一例を示す。
【0019】
こうして電流Iからの充電量ISOCと電圧Vからの充電量VSOCとが算出されると、電流Iからの充電量ISOC又は電圧Vからの充電量VSOCが高い充電量であるか否か、即ち、電圧Vの充電量VSOCが閾値E(例えば、80%)を超えているか又は電流Iからの充電量ISOCが閾値F(例えば、90%)を超えているか否かを判定する処理を行なう(ステップS106)。図3に示すように、蓄電池12の充電量の高い領域や低い領域では、蓄電池12の電圧Vの変化率が大きいから、蓄電池12の電圧Vにより算出される充電量VSOCが高い場合にはその充電量VSOCは高い精度を有することがわかる。したがって、この高い精度を有する充電量VSOCと電流Iからの充電量ISOCとを比較すれば、充電量ISOCに誤差が含まれていないか否かを判断でき、蓄電池12の劣化の程度を判定できるのである。なお、電流Iからの充電量ISOCが閾値Fを超えているか否かを判定の対象とするのは、電圧Vからの充電量VSOCが閾値Fに達する前に、電流Iからの充電量ISOCが駆動システム10の制御に用いられる充電量範囲の限界点(上限)に達してしまうのを防止するためである。
【0020】
充電量VSOC又は充電量ISOCが高い充電量と判定されると、電圧Vからの充電量VSOCを電流Iからの充電量ISOCで減算した減算値が正の閾値A(例えば、5%)を超えるか否かを判定する(ステップS108)。減算値が閾値A以下のときには、前述の減算値が負の閾値B(例えば、−3%)未満であるか否かを判定する(ステップS110)。この減算値が負の閾値B以上のときには、充電量ISOCは許容範囲内の誤差しか含まれず充電量ISOCに基づいて駆動システム10を良好に駆動制御可能であると判断して、電流Iからの充電量ISOCを蓄電池12の充電量SOCに決定して(ステップS112)、本ルーチンを終了する。
【0021】
ステップS108の判定において、電圧Vからの充電量VSOCを電流Iからの充電量ISOCで減算した減算値が正の閾値Aを超えると判定されたときには、前回ルーチンで設定された劣化係数Fに所定の加算値(例えば、値0.2)を加算して劣化係数Fを修正し(ステップS114)、電圧Vからの充電量VSOCを蓄電池12の充電量SOCとして決定すると共に電流Iからの充電量ISOCを電圧Vからの充電量VSOCの値に設定(リセット)する(ステップS116)。ここで劣化係数Fを修正する処理は、電流Iからの充電量ISOCに含まれている誤差を打ち消す方向に劣化係数Fを修正する処理である。例えば、新品時の蓄電池12の20%〜80%の間で使用可能な電力量は、電池容量が新品時から50%低下(劣化)した蓄電池12の電力量に対して2倍の量となるから、電池容量が50%低下した蓄電池12の電力の出入りに伴う充電量の変化率は、新品時の蓄電池12の同じ量の電力の出入りに伴う充電量の変化率に対して2倍となる。このため、電池容量を考慮に入れないとき、即ち新品時の電池容量を前提として電流Iから蓄電池12の充電量を算出すると、電池容量低下に伴い蓄電池12の充電量の変化率は実際よりも小さくなるから、電圧Vからの充電量VSOCを電流Iからの充電量ISOCで減算した減算値は正の閾値Aよりも大きくなる。したがって、このときに電力の出入りに伴う蓄電池12の充電量の変化率を上昇させるように劣化係数Fを修正することで、電池容量が低下したときでも蓄電池12の充放電電流から精度の高い充電量を算出することができるのである。
【0022】
蓄電池12の充電量SOCが決定されると、修正後の劣化係数Fが閾値J(例えば、値2.0(新品時の蓄電池の電池容量に対して50%の容量にまで電池容量が低下した際の値))を超えるか否かを判定する(ステップS118)。劣化係数Fが閾値Jを超えるときには、蓄電池12は劣化したと判断して、蓄電池12の劣化を表示するLED40に点灯信号を出力して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。一方、劣化係数Fが閾値J以下であるときには、蓄電池12は正常であると判断して、本ルーチンを終了する。
【0023】
ステップS110の判定において、電圧Vからの充電量VSOCを電流Iからの充電量ISOCで減算した減算値が負の閾値B未満であると判定されたとき、前回のルーチンで設定された劣化係数Fに所定の減算値(例えば、値0.2)を減算して劣化係数Fを修正し(ステップS122)、電圧Vからの充電量VSOCを蓄電池12の充電量SOCに決定すると共に電流Iからの充電量ISOCを電圧Vからの充電量VSOCに設定(リセット)して(ステップS124)本ルーチンを終了する。ここで、劣化係数Fに所定の減算値を減算するのは、センサからの検出誤差などにより、劣化係数F自体が実際の蓄電池12の電池容量に対応していない場合に、劣化係数Fを修正するためである。
【0024】
ステップS106の判定において、電圧Vからの充電量VSOCが閾値E以下であり、且つ、電流Iからの充電量ISOCが閾値F以下であると判定されたときには、電圧Vからの充電量VSOC又は電流Iからの充電量ISOCが低い充電量であるか否か、即ち、電圧Vからの充電量VSOCが閾値G(例えば、20%)未満又は電流Iからの充電量ISOCが閾値H(例えば、10%)未満であるか否かを判定する(ステップS126)。図3に示すように、充電量VSOCが低いときでも、充電量VSOCが高いときと同様に、充電量VSOCは高い精度を有することがわかる。したがって、この高い精度を有する充電量VSOCと電流Iからの充電量ISOCとを比較すれば、充電量ISOCに誤差が含まれていないか否かを判断でき、蓄電池12の劣化の程度を判定できる。充電量VSOC又は充電量ISOCが低い充電量と判定されたときには、電圧Vからの充電量VSOCを電流Iからの充電量ISOCで減算した減算値が正の閾値C(例えば、3%)を超えているか否かを判定し(ステップS128)、超えていないと判定されたときには、上記減算値が負の閾値D未満(例えば、−5%)であるか否かを判定し(ステップS130)、負の閾値D以上であるときには、蓄電池12は正常であると判断して、電流Iからの充電量ISOCを蓄電池12の充電量SOCとして決定して(ステップS132)、本ルーチンを終了する。
【0025】
ステップS130の判定において、電圧Vからの充電量VSOCを電流Iからの充電量ISOCで減算した減算値が閾値D未満であるときには、前回のルーチンの劣化係数Fに加算値を加算して劣化係数Fを修正し(ステップS114)、電圧Vからの充電量VSOCを蓄電池12の充電量SOCに決定すると共に電流Iからの充電量ISOCを電圧Vからの充電量VSOCに設定する(ステップS116)。そして、修正後の劣化係数Fが閾値Jを超えているか否かを判定し(ステップS118)、劣化係数Fが閾値Jを超えていると判定されたときには、蓄電池12は劣化していると判断してLED40に点灯信号を出力し(ステップS120)、劣化係数Fが閾値J以下であると判定されたときには、蓄電池12は正常であると判断して本ルーチンを終了する。
【0026】
ステップS128の判定において、電圧Vからの充電量VSOCを電流Iからの充電量ISOCで減算した減算値が閾値Cを超えていると判定されたときには、前回のルーチンの劣化係数Fに減算値を減算して(ステップS122)、電圧Vからの充電量VSOCを蓄電池12の充電量SOCに決定すると共に電流Iからの充電量ISOCを電圧Vからの充電量VSOCに設定して(ステップS124)、本ルーチンを終了する。
【0027】
ステップS126の判定において、電圧Vからの充電量VSOCが閾値G以上であり、且つ、電流Iからの充電量ISOCが閾値H以上であるとき、即ち充電量VSOCが閾値Eから閾値Gまでの範囲内にあり、且つ、充電量ISOCが閾値Fから閾値Hまでの範囲内にあるとき、電圧Vからの充電量VSOCの精度があまり良くない範囲内であり、充電量VSOCと充電量ISOCとを比較するのは好ましくないと判断して、電流Iからの充電量ISOCを蓄電池12の充電量SOCとして決定して(ステップS132)本ルーチンを終了する。
【0028】
図4および図5は、劣化係数Fを用いて蓄電池12の充電量SOCを算出する様子を例示する説明図である。図4は、現在の蓄電池12の電池容量が新品時の蓄電池12の電池容量に対して50%の電池容量にまで低下した場合の蓄電池12の充電量SOCの推移を示している。図4に示すように、実線で示す蓄電池12の充電量SOCの変化率(傾きの絶対値)は、破線で示す真の充電量の変化率に対して小さくなっており両者に大きなずれが生じているが、劣化係数Fに所定の加算値を加算するにつれて蓄電池12の充電量SOCの変化率が真の充電量の変化率に近づいていることがわかる。即ち、蓄電池12の充電量SOCが現在の蓄電池12の電池容量に応じた真の充電量に次第に近づいており、劣化係数Fが収束した際には良好な精度で蓄電池12の充電量SOCを算出することができることがわかる。同時に、劣化係数Fが、例えば、値2に到達したときに、電池容量が低下し蓄電池12が劣化したと判断することができる。一方、図5では、現在の蓄電池12の充電量SOCの変化率(傾きの絶対値)が新品時(電池容量100%)における蓄電池12の充電量SOCの変化率よりも大きいときの蓄電池12の充電量SOCの推移を示している。図5に示すように、実線で示す現在の蓄電池12の充電量SOCの変化率が破線で示す真の蓄電池12の充電量SOCの変化率よりも大きい場合に劣化係数Fに所定の減算値を減算することにより、現在の蓄電池12の充電量SOCが次第に真の充電量SOCに近づくことがわかる。
【0029】
以上説明した実施例の蓄電池の状態検出装置20によれば、蓄電池12の端子間電圧Vから算出された充電量VSOCと、蓄電池12の充放電電流Iの積算値から算出された充電量ISOCとの差に基づいて、蓄電池12の電池容量に対応する劣化係数Fを順次修正していき、修正した劣化係数Fにより蓄電池12の充電量SOCを算出するから、蓄電池12の充電量SOCを蓄電池12の電池容量に応じたより正確なものとして算出することができる。同時に、劣化係数Fは蓄電池12の電池容量と対応しているから、この劣化係数Fに基づいて蓄電池12の劣化を判定することができる。したがって、この劣化判定に従って、適切な時期に蓄電池12の交換を行なうことができる。
【0030】
実施例の蓄電池の状態検出装置20では、蓄電池12の劣化を判定するものとしたが、劣化は判定しないものとしても構わない。
【0031】
実施例の蓄電池の状態検出装置20では、蓄電池12全体における充電量SOCを算出すると共に蓄電池12全体としての劣化を判定するものとしたが、蓄電池12の各単電池毎あるいは複数の単電池からなる複数のブロックにおける各ブロック毎に充電量SOCを演算する共に劣化を判定するものとしても構わない。この場合、電圧センサを各単電池毎あるいは各領域毎に配置すれば、実施例の蓄電池の状態検出装置20と同様の手法により、単電池毎あるいは領域毎に充電量SOCを算出できると共に電池の劣化を判定できる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明のこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 駆動システム10に本発明の一実施例である蓄電池の状態検出装置20を適用した場合の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 実施例の蓄電池の状態検出装置20の電子制御ユニット30により実行される電池状態検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】 蓄電池12の端子間電圧Vと充電量との関係を示すマップである。
【図4】 劣化係数Fを用いて蓄電池12の充電量SOCを算出する様子を例示する説明図である。
【図5】 劣化係数Fを用いて蓄電池12の充電量SOCを算出する様子を例示する説明図である。
【符号の説明】
10 駆動システム、12 蓄電池、14 負荷、20 蓄電池の状態検出装置、22 電圧センサ、24 電流センサ、26 温度センサ、30 電子制御ユニット、32 CPU、34 ROM、36 RAM、40 LED。
Claims (8)
- 蓄電池の状態を検出する状態検出装置であって、
前記蓄電池の充放電電流と劣化係数とを用いて該蓄電池の充電量を算出する電流方式充電量算出手段と、
前記蓄電池の電圧を用いて該蓄電池の充電量を算出する電圧方式充電量算出手段と、
前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が第1の所定値から該第1の所定値よりも大きい第2の所定値までの範囲内を外れるとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が第3の所定値から該第3の所定値よりも大きい第4の所定値までの範囲内を外れるとき、両充電量を比較して前記劣化係数を修正する劣化係数修正手段と、
前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量を前記蓄電池の充電量として決定する充電量決定手段と
を備える蓄電池の状態検出装置。 - 請求項1記載の蓄電池の状態検出装置であって、
前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量と前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量との差に基づいて前記劣化係数を修正する手段である蓄電池の状態検出装置。 - 請求項2記載の蓄電池の状態検出装置であって、
前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第2の所定値を超えるとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第4の所定値を超えるときであって、前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量から前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量を減じた値が正の第1閾値を超えるとき、前記劣化係数に所定の第1加算値を加算することにより該劣化係数を修正する手段である蓄電池の状態検出装置。 - 請求項2または3記載の蓄電池の状態検出装置であって、
前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第1の所定値未満のとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第3の所定値未満のときであって、前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量から前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量を減じた値が負の第2閾値未満のとき、前記劣化係数に所定の第2加算値を加算することにより該劣化係数を修正する手段である蓄電池の状態検出装置。 - 請求項3または4記載の蓄電池の状態検出装置であって、
前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第2の所定値を超えるとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第4の所定値を超えるときであって、前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量から前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量を減じた値が負の第3閾値未満であるとき、前記劣化係数に所定の第1減算値を減算することにより該劣化係数を修正する手段である蓄電池の状態検出装置。 - 請求項3ないし5いずれか記載の蓄電池の状態検出装置であって、
前記劣化係数修正手段は、前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第1の所定値未満のとき又は前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量が前記第3の所定値未満のときであって、前記電圧方式充電量算出手段により算出された充電量から前記電流方式充電量算出手段により算出された充電量を減じた値が正の第4閾値を超えるとき、前記劣化係数に所定の第2減算値を減算することにより該劣化係数を修正する手段である蓄電池の状態検出装置。 - 請求項1ないし6いずれか記載の蓄電池の状態検出装置であって、
前記劣化係数修正手段により修正された劣化係数に基づいて前記蓄電池の劣化を判定する劣化判定手段を備える蓄電池の状態検出装置。 - 請求項7記載の蓄電池の状態検出装置であって、
前記劣化判定手段は、前記劣化係数が所定の上限値を超えたときに前記蓄電池が劣化したと判定する手段である蓄電池の状態検出装置。
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