JP3974021B2 - Method for producing vegetable pudding and vegetable pudding - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業的に製造されるプリンの製造方法、及び該製造方法により得られる野菜プリンに関するものである。さらに詳しくは、風味が良く、耐細菌性が高く保存性の良い野菜プリンの製造方法、及び該製造方法により得られる野菜プリンに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
野菜プリンを工業的に製造する場合、風味が良く保存性の良いものを製造するためには、野菜に付着する土壌菌を殺菌すること、及び野菜由来の不快味を適度に除くことが必要となる。
野菜の不快味は、シュウ酸、ホモゲンチジン酸、タンニン類、アルカロイド配糖体、ケトン類、アルカリ金属等に由来し、これらの複合味であるといわれている。このような野菜の不快味は、除かれることが好ましいが、完全に除去しようとすると野菜特有の風味も共に失われてしまうため、不快味の適度な除去は困難である。
【0003】
従来から、野菜等の農産物を使用したプリン及びその製法としては、以下のようなものが知られている。
農産物を使用したプリンとしては、例えば、大豆蛋白とゲル化剤の組合せによるプリン(特許文献1参照。)、豆乳に呈味成分を混合した後、豆腐凝固剤で固化させる豆腐プリン(特許文献2参照。)、麦、青汁、スイートコーン及び牛乳の混合液の呈味成分と凝固剤(ゼラチン)を混合して製造するプリン(特許文献3参照。)、α化米とスィートコーンを用いた米プリン(特許文献4参照。)、エンドウとトウモロコシ澱粉をゲル化剤として使用するプリン(特許文献5参照)、そば粉を配合したプリン(特許文献6参照)等が開示されている。
また、農産物を使用したプリンの製造方法としては、煎茶の抽出液でプリンに必要な成分を溶解して製造するプディングの製法が開示されている(特許文献7参照。)。さらに、小麦胚芽と豆乳を凝固剤により固める方法がプリンにも応用できること(特許文献8参照。)や、海藻ペーストの製造方法がプリンに応用できること(特許文献9参照。)等が開示されている。
しかしながら、上述の農産物を使用したプリンや、プリンの製造方法においては、農産物に付着する耐熱性菌の殺菌方法や野菜由来の不快味を除く方法は開示されていなかった。
【0004】
また、野菜入りムースが開示されており(特許文献10参照。)、その中で、塩を添加することにより野菜特有の匂いが緩和されることが述べられているが、この方法を野菜プリンの製法に応用しようとすると、野菜プリンの味には塩は必須要素ではなく、むしろ味作りの邪魔になってしまうという欠点となる。
【0005】
野菜プリンの原料となる野菜に付着している土壌菌を殺菌するためには、予め殺菌された野菜原料を使用することが考えられる。
殺菌された野菜原料としては、例えば、野菜缶詰を使用することが挙げられる。野菜缶詰は115〜120℃で20〜100分程度加熱処理されており、殺菌状態は致死値(F値)が6〜22程度(非特許文献1参照。)で、滅菌レベルとなっている。このような加熱処理を経た野菜を原料にして野菜プリンを製造とすると、野菜由来の細菌による腐敗は無く保存性は良好であり、野菜由来の不快味も少なくなるが、野菜の特徴的な風味と食感も少なくなるという欠点が生じる。
【0006】
これに対して、野菜風味を残すために、生または冷凍野菜を原料として使用するという方法が考えられる。生野菜の場合は加熱処理を行わず、冷凍野菜の場合はブランチング処理を行う。ブランチングとは85〜100℃で1〜15分程度熱湯浸漬又は蒸気蒸しする処理(非特許文献2参照。)で、前記の缶詰よりはるかに低温の熱処理条件である。しかし、このような生または冷凍野菜を原料にして、野菜プリン製造すると、野菜由来の耐熱性菌による腐敗の確率が高く、野菜原料由来の不快味が発生するという欠点が生じる。
また、野菜の不快味を除く方法として、アク抜きという調理の一工程があるが、アクを除き過ぎると、コクの無い味の野菜になることが知られている(非特許文献3参照。)。
【0007】
上述のような問題点から、野菜の旨味と食感を維持しつつ殺菌を行う方法が、以下のように種々提案されている。
(1)野菜を加熱殺菌する前に、直接蒸気に接触させる方法(特許文献11参照。)。
(2)野菜に細胞分解酵素を作用させ、単細胞からなる液体にし、旨味を閉じ込め、不快味の漏出を低減し、その後殺菌または滅菌するという方法(特許文献12参照。)。
(3)甘蔗抽出物を消臭剤として添加し、野菜の不快臭を消臭する方法(特許文献13参照。)。
(4)野菜を圧力チャンバー内で減圧、蒸気加圧・加熱、真空冷却し、その後小分けしてレトルト殺菌するという方法(特許文献14参照。)。
(5)野菜を密閉槽内で加圧・減圧を繰り返した後、蒸気加熱調理を行うという方法(特許文献15参照。)。
(6)野菜を400MPa以上の超高圧殺菌する方法(特許文献16参照。)。
【0008】
しかしながら、これらの方法を野菜プリンの製造において、原料の野菜の殺菌に応用しようとすると以下のように問題がある。(1)の方法は、蒸気に接触させる工程とその後レトルト殺菌機などに移し変えて殺菌する工程の二つから成り立っており工程が煩雑であり、連続的に処理できない。(2)の方法は、酵素による細胞分解工程と殺菌工程の二工程が必要で煩雑になること、及び細胞レベルより大きい固形物を含む野菜原料が必要な場合には適用できない。(3)の方法は、この方法は、消臭剤という添加物を必要とする方法で、添加物の原料費は発生することが欠点であり、また、殺菌または滅菌への応用方法は開示されていない。(4)の方法は、圧力チャンバーでの処理とレトルト殺菌という二工程が必要で煩雑なこと、及び連続的に処理できない。(5)の方法は、密閉槽内で処理するため、連続的に処理できない。(6)の方法は、超高圧殺菌機が高価な機械装置であるうえに、超高圧に耐える小容積の密閉槽内に非殺菌物を収容して殺菌する装置であるため、1回の処理量が僅かでしかも連続的に処理できない。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な殺菌処理により風味が良く保存性の良い野菜プリンを製造する方法、及び風味が良く、耐細菌性が高く保存性の良い野菜プリンを提供することを課題とする。
【0010】
【特許文献1】
特開昭53−88360号公報
【特許文献2】
特開昭59−216558号公報
【特許文献3】
特開昭58−179453号公報
【特許文献4】
特開昭62−245号公報
【特許文献5】
特開平4−229147号公報
【特許文献6】
特開平5−123123号公報
【特許文献7】
特開昭62−122564号公報
【特許文献8】
特開昭61−119153号公報
【特許文献9】
特開平6−181722号公報
【特許文献10】
特開平6−253756号公報
【特許文献11】
特開平11−155513号公報
【特許文献12】
特開平9−220079号公報
【特許文献13】
特開平11−155516号公報
【特許文献14】
特開平8−256739号公報
【特許文献15】
特開平11−32701号公報
【特許文献16】
特開平11−169103号公報
【非特許文献1】
稲垣長典、「缶びん詰・レトルト食品辞典」、朝倉書店、1984年、p106
【非特許文献2】
稲垣長典、「缶びん詰・レトルト食品辞典」、朝倉書店、1984年、p40
【非特許文献3】
河野友美、「野菜・藻類(新・食品辞典5)」、真珠書院、1991年、p37
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、野菜と乳製品との混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌する工程を設けることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の発明は、野菜と乳製品との混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌する工程を含むことを特徴とする野菜プリンの製造方法である。
また、本発明の第2の発明は、前記製造方法により得られる野菜プリンである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について、具体的に説明する。
本発明の野菜プリンにおいて、野菜原料としては種々の野菜を用いることができるが、例えば、ニンジン、ほうれん草、かぼちゃ、キャベツ、グリーンピース、たまねぎ、大豆、サツマイモ、じゃがいも、トウモロコシ等を用いることができる。これらの野菜原料は、必要に応じて、すりつぶしてピューレ状にしたり、砕いてクラッシュ状にしたり、絞って汁状にしたり、乾燥させて粉末状にしたりするなどの前処理が行われたものを使用することが好ましい。
【0013】
本発明の野菜プリンの製造方法は、野菜と乳製品との混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌する工程を含むことを特徴とする。バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌することにより、耐細菌性の強い保存性に優れた野菜プリンを製造することができる。また、この方法によれば、野菜の不快味を適度に除去することができ風味のよい野菜プリンを製造することができる。
本発明の製造方法により製造することができる本発明にかかる野菜プリンとしては、例えば、卵成分の加熱ゲル化により固化させる野菜プリンや、ゲル化剤により固化させる野菜プリンが挙げられる。
【0014】
まず、卵成分の加熱ゲル化により固化させる野菜プリンの製造方法について説明する。
卵成分の加熱ゲル化により固化させる野菜プリンにおいて、野菜以外の原料としては、卵成分、乳製品、砂糖等、従来公知のものを用いることができる。卵成分としては、全卵、卵黄、卵白等が使用できる。乳製品としては、牛乳、バター、クリーム、脱脂粉乳等を用いることができる。その他の成分として、砂糖以外の甘味料、色素、調味料、香料、果汁等を前記原料液に含有させてもよい。また、必要に応じて乳化剤を用いることもできる。
【0015】
卵成分の加熱ゲル化により固化させる野菜プリンを製造する場合、野菜プリンの原料のうち少なくとも野菜と乳製品とを含む第一の原料群を混合して流動状混合物を調製し、該流動状混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌した後、さらに、卵成分を含む第2の原料群を混合して、蒸す及び/又は焼くことによって製造することが好ましい。
卵成分は60〜70℃で熱凝固するため、加熱殺菌の前に卵成分を混合し、耐熱性菌を殺菌するために60〜70℃以上の加熱を行うと卵成分のゲル化性が失われてしまう。従って、卵成分は加熱殺菌した後に混合することが好ましいのである。
【0016】
具体的な製造方法としては、まず、野菜プリンの原料のうち少なくとも野菜と乳製品とを含む第一の原料群を混合して流動状混合物を調製する。ここで、第一の原料群としては、上述の原料のうち少なくとも野菜と乳製品とを含んでいればよく、さらに、砂糖、甘味料等を含んでいることが好ましい。この第一の原料群には、卵成分は含まれない。混合は、例えば、ミキサー、プロペラ攪拌機、エジェクター、シェアポンプなどを用いて行うことができる。
【0017】
次に、上記のようにして調製した流動状混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌する。バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機とは、直接蒸気を殺菌対象物と接触させて熱交換し、殺菌対象物を加熱殺菌した後、減圧したバキュームチャンバー内で混合した蒸気と同量の水分を蒸発させる装置である。バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機としては、例えば、スチームインジェクション式、スチームインフュージョン式の殺菌機が挙げられる。スチームインジェクション式とは、殺菌対象物の中に加圧蒸気を直接吹き込む方式である。スチームインフュージョン式とは、蒸気の充満した容器の中に殺菌対象物を噴射する方式である。これらのバキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機は、蒸気により殺菌温度まで急速に加熱保持した後、速やかにバキュームチャンバー内で冷却されるため、殺菌対象物の熱変性を最小限に留めることが可能である。加熱殺菌の条件としては、温度は、120〜150℃、好ましくは125〜130℃の範囲であり、時間は、1〜30秒、好ましくは、10〜20秒の範囲である。
【0018】
上記のような条件で、流動状混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌することにより、野菜の不快味を適度に除去することができる。野菜原料を、乳製品と混合することなく単独で、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌する場合、野菜の不快味だけではなく、野菜特有の好ましい香り等も失われるおそれがあるが、本発明では野菜と乳製品とを混合した後に加熱殺菌しているため、不快味を適度に除去することができると考えられる。これは、野菜と乳製品との混合物の状態で殺菌することにより、野菜由来の揮発しやすい成分が乳製品に吸着されて揮発し難くなり、過度のあく抜き状態にならないからであると推測される。
【0019】
次いで、加熱殺菌の終了した流動状混合物を60〜80℃程度まで冷却する。冷却は任意の方法で行うことができるが、バキュームチャンバー、プレート式熱交換器、チューブ式熱交換器等により行うことが好ましい。また、冷却後、必要に応じて均質化を行う。均質化は、均質機で加圧して行い、均質化する際の圧力は5〜15MPaが好ましい。
そして、卵成分を含む第二の原料群を混合する。第二の原料群は、卵成分を含んでいればよいが、必要に応じて、調味料、香料等が含まれていてもよい。混合は、例えば、ミキサー、プロペラ攪拌機、エジェクター、シェアポンプなどを用いて行うことができる。
【0020】
このように、卵成分を含む第二の原料群を混合した後、容器に充填して、蒸す及び/又は焼くことによって野菜プリンを製造する。
本発明の方法において、蒸しは、公知の器具、例えば蒸し器、蒸煮釜等を用いて行うことができる。また、焼きは、公知の器具を用いて行うことができるが、例えば、オーブンを用いる方法が好ましい。具体的には、原料液を充填した容器を例えばアルミトレーのようなトレーに並べた後、トレーごとオーブン内に配置する。このとき、トレーに、容器が浸漬しない程度に少量の水又は温湯を張っておくこともできる。さらに、蒸し及び焼きとして、コンベクションオーブン等を用いた蒸し焼きを行うこともできる。
上記の焼成及び/又は蒸しの工程において、加熱は、100〜180℃、好ましくは120〜150℃の温度で、45〜60分間、好ましくは50〜55分間行うことが好ましい。このとき、野菜プリン原料混合液の中心温度が85〜90℃で15〜25分間保持できるように、ヒーターを調整して加熱することがより好ましい。
【0021】
上記のような方法により野菜プリンを製造する場合、第一の原料群を混合した流動状混合物を加熱殺菌した後に卵成分を含む第2の原料群を混合するため、第2の原料群、特に卵成分の細菌除去が問題となる。
通常、新鮮な卵の内部は無菌であるため、卵の細菌汚染は、割卵以降におこなわれるものであり、汚染の大部分は、割卵の際に卵殻の外側に接触することによる。しかしながら、工業的に製造されるプリンに使用される卵原料としては、割卵前に卵殻が厳重に洗浄・殺菌(塩素殺菌)され、清潔性に十分配慮された設備で製造された、耐熱性菌による汚染レベルの低いものが使用される。従って、卵原料に由来する耐熱性菌による野菜プリンの保存性の問題は少ない。
【0022】
次に、ゲル化剤により固化させる野菜プリンの製造方法について説明する。
ゲル化剤により固化させる野菜プリンにおいて、野菜以外の原料としては、ゲル化剤、乳製品、砂糖等、従来公知のものを用いることができる。ゲル化剤としては、カラギナン、寒天、ゼラチン、ローカストビーンガムとキサンタンガムの混合物、アルギン酸ナトリウム、ファーセルラン、ローメトキシルペクチン、ジェランガム等を用いることができる。乳製品としては、牛乳、バター、クリーム、脱脂粉乳等を用いることができる。その他の成分として、砂糖以外の甘味料、色素、調味料、香料、果汁等を前記原料液に含有させてもよい。また、必要に応じて乳化剤を用いることもできる。
【0023】
ゲル化剤により固化させる野菜プリンを製造する場合、野菜プリンの原料のうち少なくとも野菜、乳製品及びゲル化剤とを混合して流動状混合物を調製し、該流動状混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌した後、冷却ゲル化させて製造することが好ましい。
原料のうち少なくとも野菜、乳製品及びゲル化剤とを混合してからバキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌することにより、耐細菌性が高くて保存性に優れ、かつ風味がよい野菜プリンを製造することができる。
【0024】
具体的な製造方法としては、まず、野菜プリンの原料のうち少なくとも野菜、乳製品及びゲル化剤とを混合して流動状混合物を調製する。ここで混合する原料としては、少なくとも野菜、乳製品及びゲル化剤が含まれていればよく、必要に応じて砂糖、甘味料、調味料等を含有させてもよい。混合は、例えば、ミキサー、プロペラ攪拌機、エジェクター、シェアポンプなどを用いて行うことができる。
上記のように調製した流動状混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌する。加熱殺菌は、上述の卵成分を固化させて製造する野菜プリンの場合と同様の殺菌機を用い、同様の殺菌条件で行うことができる。
加熱殺菌終了後、バキュームチャンバー等を用いて70〜90℃に冷却し、必要に応じて、香料、調味料等を加えた後、均質化を行う。均質化は、均質機で加圧して行い、均質化する際の圧力は5〜15MPaが好ましい。
そして、均質化後、容器に充填し、冷蔵庫で1〜10℃に冷却することにより、野菜プリンを製造する。
【0025】
本発明の製造方法によれば、野菜と乳製品との混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌することにより、耐細菌性の強い保存性に優れた野菜プリンを製造することができる。また、野菜の不快味を適度に除去することができ、風味のよい野菜プリンを製造することができる。すなわち、食品官能検査を行った場合に、野菜の風味が感じられつつ香りがよいと感じられており、不快味とは感じられず、総合的に判断して風味がよいものとなるのである。
また、本発明の製造方法によれば、複雑な殺菌工程は必要なく、簡易な方法で野菜プリン原料の殺菌を行うことができるため、大量の原料を処理することが可能であり、工業生産に好適である。さらに、特別な添加物等も必要ないため、低コストで製造を行うことができる。
【0026】
【実施例】
以下本発明の実施例及び試験例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例及び試験例に限定されるものではない。なお、各製造原料の括弧内に購入先を記載する。
試験例1
(目的)
この試験は、ゲル化剤を使用して固化させる野菜プリンを製造する場合において、種々の殺菌機を用いた場合に風味と保存性に及ぼす影響を調べる目的で実施した。
(試料の調製)
まず、冷凍ニンジンピューレ(兼松)20質量部、牛乳(森永乳業)67.8質量部、砂糖(東洋精糖)12質量部、カラギナン(三栄源FFI)0.2質量部を混合して、野菜プリン原料混合液を調製した。この野菜プリン原料混合液を5分割し、以下に示す試験番号1乃至5の5種の試験を行った。すなわち、表1に示す5種の殺菌器と殺菌条件により殺菌を行った後、容器に充填して密封し、冷蔵庫で静置冷却して5種類の野菜プリン試料を調製した。
なお、試験番号1に用いたバッチパストライザー(ヤスダファインテ製)とは、胴体部にジャケットをつけた殺菌機であり、ジャケットに蒸気を通して、胴体内部の殺菌対象物を加熱保持して殺菌するような装置である。試験番号2に用いたチューブラー(ヤスダファインテ製)とは、間接加熱方式の殺菌機であり、殺菌対象物が通液する配管の外側に蒸気を通し、殺菌対象物を加熱保持して殺菌するような装置である。また、試験番号3に用いたレトルト(日阪製作所製)とは、加圧釜を用いて加圧加熱殺菌する殺菌機であり、殺菌対象物をレトルトパウチ容器等に充填して密封した後、加圧釜内に収容して、蒸気または熱水等で加熱保持して殺菌するような装置である。
【0027】
【表1】

Figure 0003974021
【0028】
(評価方法)
風味評価は、順位法の検定表を用いる方法(古川秀子、おいしさを測る−食品官能検査の実際−、p28、幸書房、1994年)に基づいて行った。すなわち、まず、20人の味覚審査員に「野菜味の強い順位」、「香りの良い順位」の2項目について、試料に順位をつけさせ、各試料の順位合計を求める。そして、各試料間の順位合計差の絶対値を求め、その数値から順位法の検定表をもとに有意水準を判定した。
保存性評価は、試料調製直後及び15℃インキュベーターで7日間保持増菌後において、腐敗した試料の個数を官能検査により調べた。一回の検体数は試験番号ごとに10個である。
これら試験番号1乃至5の結果を表2及び3に示す。
【0029】
【表2】
Figure 0003974021
【0030】
【表3】
Figure 0003974021
【0031】
(結果)
表2より、野菜の風味が強いのは、試験番号2≧4≧5>1≧3の順であり、香りが良いのは、試験番号5≧4>2≧1≧3の順であった。(≧は、記号の左右で左側が上位であるが統計的に有意差なし、>は、記号の左右で左側が上位で統計的に有意差があることを示す。)
また、表3より、15℃で7日間保持増菌後に腐敗を認めたものは、試験番号1であった。
(考察)
この結果より、試験番号4のスチームインジェクション及び試験番号5のスチームインフュージョンで殺菌して製造した野菜プリンは、野菜味が比較的強く感じられ、かつ香りは最もよいと感じられるものであった。すなわち、野菜味の強さと香りのよさとを総合的に判断すると、試験番号4及び5の野菜プリンは、不快味はなく香りがよいと感じられる程度に野菜味が感じられ、風味がよいものであるといえる。また、保存性については、試験番号1のバッチパストライザーで保存したものでは腐敗を認めるが、その他の殺菌方法では、腐敗が無く保存性は良好であった。
以上より、ゲル化剤を使用して固化させる野菜プリンの製造方法において、野菜の風味がよく、保存性もよい殺菌方法は、スチームインジェクション又はスチームインフュージョン殺菌機、すなわちバキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機による殺菌であることが分かった。
【0032】
試験例2
(目的)
この試験は、蒸し焼きにより卵成分を固化させる野菜プリンを製造する場合において、種々の殺菌機による、風味と保存性に及ぼす影響を調べる目的で実施した。
(試料の調製)
まず、冷凍ニンジンピューレ(兼松製)20質量部、牛乳(森永乳業製)48質量部、砂糖(東洋精糖製)12質量部、を混合して、野菜プリン原料混合液を調製した。この野菜プリン原料混合液を5分割し、以下に示す試験番号11乃至15の5種の試験を行った。すなわち、表1に示す5種の殺菌器と殺菌条件により殺菌を行った後、殺菌全卵(キューピー製)20質量部を混合し、容器に充填した。水を張ったトレーに原料液の充填された容器を配し、電熱オーブン(久電舎製)で、製品の中心温度が85℃で15分保持できるように電熱ヒーターの出力を調整して焼成した。焼成後、クリーンルームにて10℃に冷却し、蓋を被せて密封して、5種類の野菜プリン試料を調製した。
【0033】
(評価方法)
試験例1と同一の方法で評価した。この結果を表4、5に示す。
【0034】
【表4】
Figure 0003974021
【0035】
【表5】
Figure 0003974021
【0036】
(結果)
表4より、野菜の風味が強いのは、試験番号15≧14≧12>11≧13の順であり、香りが良いのは、試験番号15≧14>12≧11≧13の順である。(≧は、記号の左右で左側が上位であるが統計的に有意差なし、>は、記号の左右で左側が上位で統計的に有意差があることを示す。)
また、表5より、15℃で7日間増菌後に腐敗を認めたものは、試験番号11であった。
(考察)
この結果より、試験番号14のスチームインジェクション及び試験番号15のスチームインフュージョンで卵以外の成分を殺菌して製造した野菜プリンは、野菜味が比較的強く感じられ、かつ香りは最もよいと感じられるものであった。すなわち、野菜味の強さと香りのよさとを総合的に判断すると、試験番号14及び15の野菜プリンは、不快味はなく香りがよいと感じられる程度に野菜味が感じられ、風味がよいものであるといえる。また、保存性については、試験番号11のバッチパストライザーで保存したものでは腐敗を認めるが、その他の殺菌方法では、腐敗が無く保存性は良好であった。
以上より、卵成分を蒸し焼きにより固化させる野菜プリンの製造方法において、野菜の風味がよく、保存性もよい殺菌方法は、スチームインジェクション又はスチームインフュージョン殺菌機、すなわちバキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機による殺菌であることが分かった。
【0037】
試験例3
(目的)
本試験例では、異なる10種類の野菜を原料として用いて、ゲル化剤で固化させて野菜プリンを製造した。その際、バキュームチャンバーを有する直接加熱殺菌機で殺菌することにより、野菜の不快味を除く効果が得られる野菜の種類を調べた。
(試料の調製)
種々の野菜原料を用いて表6に示す割合で原料を混合し、異なる10種類の野菜プリンを製造して、試験を行った。
【0038】
【表6】
Figure 0003974021
【0039】
試験番号21,31では冷凍ニンジンピューレ(兼松)、試験番号22,32では冷凍ほうれん草ピューレ(サンヨーフーズ)、試験番号23,33ではかぼちゃクラッシュ(花太刀食品)、試験番号24,34ではキャベツ汁(サンヨーフーズ)、試験番号25,35ではグリーンピースペースト(花太刀食品)、試験番号26,36ではたまねぎ汁(兼松)、試験番号27,37では大豆粉(富士プロテイン)、試験番号28,38ではサツマイモピューレ(太陽化学)、試験番号29,39ではジャガイモクラッシュ(三栄源FFI)、試験番号30,40ではトウモロコシペースト(花太刀食品)を、それぞれ野菜原料として用いた野菜プリンを製造した。
上記のうち、試験番号21〜30は、試験例1に使用したものと同一のバッチパストライザー(ヤスダファインテ製)で加熱し、90℃で10分の保持殺菌を行った後、50℃に冷却し、容器に充填し密閉し、冷蔵庫にて10℃に冷却して野菜プリンを調製した。試験番号31〜40は、試験1に使用したものと同一のスチームインフュージョン殺菌機(APV製)で125℃、15秒の殺菌を行った後、50℃に冷却し、容器に充填し密閉し、冷蔵庫にて10℃に冷却して調製した。
【0040】
(評価方法)
風味評価は2点嗜好試験法(古川秀子、おいしさを測る−食品官能検査の実際−、p21,幸書房、1994年)に従い、試験番号.21と31、22と32、23と33、24と34、25と35、26と36、27と37、28と38、29と39及び30と40をそれぞれ対にし、20人の味覚審査員に「風味が良い方」を選択させ、2点嗜好試験法検定表により有意水準を検定した。
保存性評価は試験例1と同一の方法で評価した。これらの結果を表7、8に示す。
【0041】
【表7】
Figure 0003974021
【0042】
【表8】
Figure 0003974021
【0043】
(結果)
表7より、風味が良いのは、試験番号21<31、22<32、23<33、24<34、25<35、26<36、27<37、28≦38、29≦39、30≦40である。(≦は、記号の左右で右側が上位であるが統計的に有意差なし、<は、記号の左右で右側が上位で統計的に有意差があることを示す。)
また、表8より、試験番号21〜30で腐敗が認められるものの、試験番号31〜40では、腐敗が認められず保存性は良好であった。
(考察)
この結果より、試験した10種類のどの野菜プリンについてもインフュージョン殺菌機で殺菌した方が、風味が良いが、有意差をもって良いのは、野菜が、ニンジン、ほうれんそう、かぼちゃ、キャベツ、グリーンピース、たまねぎ、大豆であることが分かった。
【0044】
試験例4
(目的)
本試験例では、異なる10種類の野菜を原料として用いて、焼き蒸しによって野菜プリンを製造した。その際、卵以外の成分をバキュームチャンバーを有する直接加熱殺菌機で殺菌することにより、野菜の不快味を除く効果が得られる野菜の種類を調べた。
(試料の調製)
種々の野菜原料を用いて表9に示す割合で原料を混合し、異なる10種類の野菜プリンを製造して、試験を行った。
【0045】
【表9】
Figure 0003974021
【0046】
野菜原料としては、試験例3と同様に10種類の野菜原料を使用した。表9の配合割合に従い、卵を除く原料の混合液を調製し、試験番号41〜50は、試験例1に使用したものと同一のバッチパストライザイー(ヤスダファインテ製)で加熱し、90℃で10分の保持殺菌を行い50℃に冷却した後、卵を混合し、容器に充填し、水を張ったトレーに容器を入れ、電熱オーブン(久電舎製)で、製品の中心温度が85℃で15分保持できるように電熱ヒーターの出力を調整して焼成した。焼成後、クリーンルームにて10℃に冷却し、蓋を被せてシールして密封して調製した。
試験番号51〜60は、表9の配合割合に従い、卵を除く原料の混合液を調製し試験例1に使用したものと同一のスチームインフュージョン殺菌機(APV製)で125℃、15秒の殺菌を行い50℃に冷却した後、卵を混合し、容器に充填し、水を張ったトレーに容器を入れ、電熱オーブン(久電舎製)で、製品の中心温度が85℃で15分保持できるように電熱ヒーターの出力を調整して焼成した。焼成後、クリーンルームにて10℃に冷却し、蓋を被せてシールして密封して調製した。
【0047】
(評価方法)
試験番号41と51、42と52、43と53、44と54、45と55、46と56、47と57、48と58、49と59及び50と60をそれぞれ対にして、試験例3と同一の方法で評価した。
保存性評価は試験1と同一の方法で評価した。この結果を表10、11に示す。
【0048】
【表10】
Figure 0003974021
【0049】
【表11】
Figure 0003974021
(結果)
表10より、風味が良いのは、試験番号.41<51、42<52、43<53、44<54、45<55、46<56、47<57、48≦58、49≦59、50≦60である。(≦は、記号の左右で右側が上位であるが統計的に有意差なし、<は、記号の左右で右側が上位で統計的に有意差があることを示す。)表11より、試験番号41〜50で腐敗が認められるものの、試験番号51〜60では、腐敗が認められず保存性は良好である。
(考察)
この結果より、試験した10種類のどの野菜プリンについてもインフュージョン殺菌機で殺菌した方が、風味が良いが、有意差をもって良いのは、野菜が、ニンジン、ほうれんそう、かぼちゃ、キャベツ、グリーンピース、たまねぎ、大豆であることが分かった。
【0050】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
大豆粉(富士プロテイン)5質量部、砂糖(東洋製糖)8質量部、オレンジオイル(高砂香料)0.1質量部、脱脂粉乳(森永乳業)8質量部、バター(森永乳業)4質量部、寒天(伊那食品)0.3質量部、水74.6質量部を混合し、スチームインジェクション殺菌機(試験例1に使用したものと同一の殺菌機)で125℃15秒の殺菌を行った。次いで、バキュームチャンバーで85℃に冷却し、均質機で15MPaの圧力で均質化し、50℃に冷却し、容器に充填し、密封して、冷蔵庫にて10℃に冷却して大豆入りプリンを製造した。このプリンは、大豆の青臭さが適度に軽減されていて、風味良好であった。また、保存性については、20個のサンプルを10℃で14日間保存して、腐敗したものは無く、細菌的な保存性も良好であった。
【0051】
実施例2
かぼちゃペースト(花太刀食品)20質量部、砂糖(東洋製糖)10質量部、脱脂粉乳(森永乳業)8質量部、バター(森永乳業)8質量部、水34質量部を混合し、スチームインフュージョン殺菌機(試験例1において使用したものと同一の殺菌機)で125℃15秒の条件で殺菌した。次いで、バキュームチャンバーで85℃に冷却し、均質機で10MPaの圧力で均質化し、60℃に冷却した後、殺菌全卵(キューピー)19.85質量部、カスタードフレーバー(高砂香料)0.15質量部を混合し、容器に充填し、水を張ったトレーに容器を入れ、連続式オーブン(久電舎製)で、製品の中心温度が85℃で15分保持できるようにバーナーの出力を調整して焼成した。焼成後、クリーンルームにて10℃に冷却し、蓋を被せてシールして密封して、かぼちゃプリンを製造した。
このかぼちゃプリンは、適度にかぼちゃの風味を有し風味良好なプリンであった。また、保存性については、20個のサンプルを10℃で14日保存して、腐敗したものは無く、細菌的な保存性も良好であった。
【0052】
実施例3
冷凍にんじんピューレ(兼松)20質量部、クリーム(森永乳業)35質量部、牛乳(森永乳業)20質量部を混合し、スチームインジェクション殺菌機(試験例1で使用したものと同一の殺菌機)で125℃15秒の殺菌した。次いで、バキュームチャンバーで85℃に冷却した後、60℃に冷却し、殺菌全卵(キューピー)10質量部、加糖卵黄(キューピー)15質量部を混合し、容器に充填して、蒸気式蒸し器に入れ、製品の中心温度が85℃で15分保持できるように蒸気の出力を調整して蒸煮した。蒸煮後、クリーンルームにて10℃に冷却し、蓋を被せてシールして密封して、にんじんプリンを製造した。
このにんじんプリンは、適度ににんじんの風味を有し、味良好なプリンであった。
また、保存性については、20個のサンプルを10℃で14日保存して、腐敗したものは無く、細菌的な保存性も良好であった。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、野菜と乳製品との混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌することにより、簡易な処理によって、耐細菌性の強い保存性に優れた野菜プリンを製造することができる。また、野菜の不快味を適度に除去することができ、風味のよい野菜プリンを製造することができる。
また、本発明の製造方法により製造された野菜プリンは、風味が良く、耐細菌性が高く保存性の良い野菜プリンである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an industrially produced pudding and a vegetable pudding obtained by the production method. More specifically, the present invention relates to a method for producing vegetable pudding having a good flavor, high bacterial resistance and good storage stability, and a vegetable pudding obtained by the production method.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
When producing vegetable pudding industrially, it is necessary to sterilize the soil bacteria adhering to the vegetable and moderately remove the unpleasant taste derived from the vegetable in order to produce a savory and well-preserved product. Become.
The unpleasant taste of vegetables is derived from oxalic acid, homogentisic acid, tannins, alkaloid glycosides, ketones, alkali metals and the like, and is said to be a complex taste of these. Such an unpleasant taste of the vegetable is preferably removed, but if it is to be completely removed, the vegetable-specific flavor is also lost, so it is difficult to remove the unpleasant taste appropriately.
[0003]
Conventionally, the following are known as puddings using agricultural products such as vegetables and the production method thereof.
Examples of pudding using agricultural products include pudding (see Patent Document 1), which is a combination of soy protein and gelling agent, and a tofu pudding (Patent Document 2) that is solidified with a tofu coagulant after mixing taste components with soy milk. ), Pudding (see Patent Document 3) produced by mixing a taste component of a mixed solution of wheat, green juice, sweet corn and milk and a coagulant (gelatin), pre-gelatinized rice and sweet corn were used. Rice pudding (see Patent Document 4), pudding (see Patent Document 5) using peas and corn starch as gelling agents, pudding (see Patent Document 6) containing buckwheat flour, and the like are disclosed.
In addition, as a method for producing pudding using agricultural products, a pudding production method is disclosed in which components necessary for pudding are dissolved in an extract of sencha (see Patent Document 7). Furthermore, it is disclosed that a method of solidifying wheat germ and soy milk with a coagulant can be applied to pudding (see Patent Document 8), a method for producing a seaweed paste can be applied to pudding (see Patent Document 9), and the like. .
However, in the pudding using the above-mentioned agricultural products and the method for producing the pudding, a method for sterilizing heat-resistant bacteria adhering to the agricultural products and a method for removing unpleasant taste derived from vegetables have not been disclosed.
[0004]
In addition, a mousse containing vegetables is disclosed (see Patent Document 10), and it is stated that the odor peculiar to vegetables is alleviated by adding salt. When trying to apply to the manufacturing method, salt is not an essential element for the taste of vegetable pudding, but rather it is a disadvantage that it interferes with the taste preparation.
[0005]
In order to sterilize the soil bacteria adhering to the vegetable used as the raw material for vegetable pudding, it is conceivable to use a vegetable raw material sterilized in advance.
Examples of the sterilized vegetable raw material include the use of canned vegetables. Canned vegetables are heat-treated at 115 to 120 ° C. for about 20 to 100 minutes, and the sterilized state has a lethal value (F value) of about 6 to 22 (see Non-Patent Document 1), which is a sterilization level. When vegetable pudding is produced from vegetables that have undergone such heat treatment, there is no spoilage due to bacteria derived from vegetables, the preservation is good, and the unpleasant taste derived from vegetables is reduced, but the characteristic flavor of vegetables This causes the disadvantage of less texture.
[0006]
On the other hand, in order to leave a vegetable flavor, the method of using raw or frozen vegetables as a raw material can be considered. In the case of fresh vegetables, heat treatment is not performed, and in the case of frozen vegetables, blanching processing is performed. Blanching is a treatment (see Non-Patent Document 2) in which hot water is immersed or steamed at 85 to 100 ° C. for about 1 to 15 minutes, and is a heat treatment condition much lower than the above canned food. However, when vegetable pudding is produced using such raw or frozen vegetables as raw materials, there is a high probability of spoilage due to the heat-resistant bacteria derived from vegetables, and the disadvantage that unpleasant taste derived from vegetable raw materials occurs.
In addition, as a method of removing the unpleasant taste of vegetables, there is a step of cooking called removing acupuncture, but it is known that if the excess is removed, the vegetables will have a rich taste (see Non-Patent Document 3). .
[0007]
From the above problems, various methods have been proposed for sterilization while maintaining the deliciousness and texture of vegetables as follows.
(1) A method in which vegetables are directly brought into contact with steam before heat sterilization (see Patent Document 11).
(2) A method in which a cytolytic enzyme is allowed to act on vegetables to make a liquid consisting of single cells, confine umami, reduce leakage of unpleasant taste, and then sterilize or sterilize (see Patent Document 12).
(3) A method of adding a sweet potato extract as a deodorant to deodorize the unpleasant odor of vegetables (see Patent Document 13).
(4) A method in which vegetables are depressurized, steam-pressurized and heated, vacuum-cooled in a pressure chamber, and then subdivided and sterilized by retort (see Patent Document 14).
(5) A method of performing steam heating cooking after repeatedly pressing and depressurizing vegetables in a closed tank (see Patent Document 15).
(6) A method of sterilizing vegetables at an ultrahigh pressure of 400 MPa or more (see Patent Document 16).
[0008]
However, when these methods are applied to the sterilization of raw vegetables in the production of vegetable pudding, there are the following problems. The method (1) is composed of two steps: a step of contacting with steam and a step of sterilization by transferring to a retort sterilizer and the like. The method is complicated and cannot be continuously processed. The method (2) is not applicable when the two steps of the enzymatic cell decomposing step and the sterilizing step are necessary and complicated, and the vegetable raw material containing solids larger than the cell level is necessary. The method (3) is a method that requires an additive called a deodorant and has the disadvantage that the raw material cost of the additive is incurred. Also, an application method for sterilization or sterilization is disclosed. Not. The method (4) requires two steps of processing in a pressure chamber and retort sterilization, and is complicated and cannot be processed continuously. Since the method (5) is processed in a closed tank, it cannot be continuously processed. In the method (6), since the ultra-high pressure sterilizer is an expensive mechanical device and is a device that sterilizes by storing non-sterilized materials in a small-volume sealed tank that can withstand ultra-high pressure, it can be treated once. The amount is small and cannot be processed continuously.
[0009]
The present invention has been made in view of the problems of the prior art, and a method for producing a vegetable pudding having a good flavor and good storage by a simple sterilization treatment, and a good flavor, high bacterial resistance and high storage stability. The challenge is to provide good vegetable pudding.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-53-88360
[Patent Document 2]
JP 59-216558 A
[Patent Document 3]
JP 58-179453 A
[Patent Document 4]
JP-A-62-245
[Patent Document 5]
JP-A-4-229147
[Patent Document 6]
JP-A-5-123123
[Patent Document 7]
Japanese Patent Laid-Open No. 62-122564
[Patent Document 8]
Japanese Patent Laid-Open No. 61-119153
[Patent Document 9]
JP-A-6-181722
[Patent Document 10]
JP-A-6-253756
[Patent Document 11]
JP-A-11-155513
[Patent Document 12]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-220079
[Patent Document 13]
JP-A-11-155516
[Patent Document 14]
JP-A-8-256739
[Patent Document 15]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-32701
[Patent Document 16]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-169103
[Non-Patent Document 1]
Naganori Inagaki, “Canned and Retort Food Dictionary”, Asakura Shoten, 1984, p. 106
[Non-Patent Document 2]
Naganori Inagaki, “Canned and Retort Food Dictionary”, Asakura Shoten, 1984, p40
[Non-Patent Document 3]
Tomomi Kono, “Vegetables / Algae (New Food Dictionary 5)”, Pearl Shoin, 1991, p37
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have solved the above problems by providing a step of heat sterilizing a mixture of vegetables and dairy products with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber. As a result, the present invention has been completed.
That is, the first invention of the present invention is a method for producing vegetable pudding characterized by including a step of heat sterilizing a mixture of vegetables and dairy products with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber.
Moreover, 2nd invention of this invention is vegetable pudding obtained by the said manufacturing method.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be specifically described.
In the vegetable pudding of the present invention, various vegetables can be used as the vegetable raw material. For example, carrot, spinach, pumpkin, cabbage, green peas, onion, soybean, sweet potato, potato, corn, and the like can be used. These vegetable ingredients are pre-treated, such as ground and pureed, crushed into crush, squeezed into juice, dried and powdered as necessary. It is preferable to use it.
[0013]
The method for producing vegetable pudding of the present invention includes a step of heat sterilizing a mixture of vegetables and dairy products with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber. By sterilizing with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber, a vegetable pudding having a high bacterial resistance and excellent storage stability can be produced. Moreover, according to this method, the unpleasant taste of vegetables can be removed moderately and a vegetable pudding with good flavor can be manufactured.
Examples of the vegetable pudding according to the present invention that can be produced by the production method of the present invention include vegetable pudding that is solidified by heating gelation of egg components and vegetable pudding that is solidified by a gelling agent.
[0014]
First, a method for producing vegetable pudding that is solidified by heating gelation of egg components will be described.
In vegetable pudding that is solidified by heating gelation of egg ingredients, as ingredients other than vegetables, egg ingredients, Dairy products Conventionally known materials such as sugar can be used. As the egg component, whole egg, egg yolk, egg white and the like can be used. Dairy products As such, milk, butter, cream, nonfat dry milk and the like can be used. As other components, sweeteners other than sugar, pigments, seasonings, fragrances, fruit juices and the like may be included in the raw material liquid. Moreover, an emulsifier can also be used as needed.
[0015]
When producing vegetable pudding to be solidified by heating gelation of egg components, a fluid mixture is prepared by mixing a first ingredient group including at least vegetables and dairy products among the ingredients of vegetable pudding, and the fluid mixture It is preferable to manufacture by heating and sterilizing with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber, and then mixing and steaming and / or baking a second raw material group containing egg components.
Since egg components are thermally coagulated at 60 to 70 ° C., the egg components lose their gelation properties when they are mixed before heat sterilization and heated to 60 to 70 ° C. or higher to sterilize heat-resistant bacteria. I will be broken. Therefore, it is preferable to mix egg components after heat sterilization.
[0016]
As a specific manufacturing method, first, a fluid mixture is prepared by mixing a first raw material group including at least vegetables and dairy products among raw materials of vegetable pudding. Here, the first raw material group only needs to include at least vegetables and dairy products among the above-described raw materials, and preferably includes sugar, sweeteners, and the like. This first raw material group does not contain egg components. Mixing can be performed using a mixer, a propeller stirrer, an ejector, a shear pump, etc., for example.
[0017]
Next, the fluid mixture prepared as described above is heat sterilized with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber. A direct-heating sterilizer with a vacuum chamber is a heat exchanger where direct steam is brought into contact with the object to be sterilized, and the object to be sterilized is heated and sterilized. It is a device to evaporate. Examples of the direct heating type sterilizer having a vacuum chamber include a steam injection type and a steam infusion type sterilizer. The steam injection method is a method in which pressurized steam is directly blown into an object to be sterilized. The steam infusion method is a method in which an object to be sterilized is injected into a container filled with steam. Directly heated sterilizers with these vacuum chambers can be quickly heated to the sterilization temperature with steam and then quickly cooled in the vacuum chamber, minimizing thermal denaturation of the sterilization target. It is. As conditions for heat sterilization, the temperature is in the range of 120 to 150 ° C., preferably 125 to 130 ° C., and the time is in the range of 1 to 30 seconds, preferably 10 to 20 seconds.
[0018]
Under the conditions described above, the unpleasant taste of vegetables can be appropriately removed by heat sterilizing the fluid mixture with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber. Vegetable ingredients Dairy products In the case of heat sterilization with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber alone without mixing with, there is a risk that not only the unpleasant taste of vegetables, but also the preferred fragrance peculiar to vegetables may be lost. Dairy products It is thought that the unpleasant taste can be removed moderately because it is heat sterilized after mixing. By sterilizing in the state of a mixture of vegetables and dairy products, the components derived from vegetables are easily volatilized. Dairy products It is presumed that it is difficult to volatilize by being adsorbed on the surface and does not become excessively exposed.
[0019]
Next, the fluid mixture after heat sterilization is cooled to about 60 to 80 ° C. Although cooling can be performed by any method, it is preferably performed by a vacuum chamber, a plate heat exchanger, a tube heat exchanger or the like. Further, after cooling, homogenization is performed as necessary. Homogenization is performed by pressurizing with a homogenizer, and the pressure at the time of homogenization is preferably 5 to 15 MPa.
And the 2nd raw material group containing an egg component is mixed. Although the 2nd raw material group should just contain the egg component, a seasoning, a fragrance | flavor, etc. may be contained as needed. Mixing can be performed using a mixer, a propeller stirrer, an ejector, a shear pump, etc., for example.
[0020]
Thus, after mixing the 2nd raw material group containing an egg component, it fills with a container, and vegetable pudding is manufactured by steaming and / or baking.
In the method of the present invention, steaming can be performed using a known device such as a steamer or a steamer. Moreover, although baking can be performed using a well-known instrument, the method using an oven is preferable, for example. Specifically, after the containers filled with the raw material liquid are arranged on a tray such as an aluminum tray, the trays are placed in the oven. At this time, a small amount of water or hot water can be placed on the tray so that the container is not immersed. Further, steaming and baking can be performed using a convection oven or the like.
In the baking and / or steaming step, the heating is preferably performed at a temperature of 100 to 180 ° C., preferably 120 to 150 ° C., for 45 to 60 minutes, preferably 50 to 55 minutes. At this time, it is more preferable to adjust and heat the heater so that the center temperature of the vegetable pudding raw material mixture can be maintained at 85 to 90 ° C. for 15 to 25 minutes.
[0021]
In the case of producing vegetable pudding by the method as described above, the second raw material group, particularly the second raw material group, in particular, for mixing the second raw material group containing the egg component after heat sterilization of the fluid mixture in which the first raw material group is mixed Removal of bacteria from egg components becomes a problem.
Usually, since the inside of a fresh egg is aseptic, bacterial contamination of the egg occurs after cleavage, and most of the contamination is due to contact with the outside of the eggshell during cleavage. However, as an egg ingredient used in industrially produced pudding, the egg shell is carefully washed and sterilized (chlorine sterilized) before breaking, and is manufactured in a facility with sufficient consideration for cleanliness. Those with a low level of contamination by bacteria are used. Therefore, there are few problems with the storage stability of vegetable pudding by heat-resistant bacteria derived from egg raw materials.
[0022]
Next, the manufacturing method of vegetable pudding solidified with a gelling agent is demonstrated.
In vegetable pudding solidified by a gelling agent, as raw materials other than vegetables, gelling agent, Dairy products Conventionally known materials such as sugar can be used. As the gelling agent, carrageenan, agar, gelatin, a mixture of locust bean gum and xanthan gum, sodium alginate, farcellulan, low methoxyl pectin, gellan gum and the like can be used. Dairy products As such, milk, butter, cream, nonfat dry milk and the like can be used. As other components, sweeteners other than sugar, pigments, seasonings, fragrances, fruit juices and the like may be included in the raw material liquid. Moreover, an emulsifier can also be used as needed.
[0023]
When producing vegetable pudding to be solidified with a gelling agent, a fluid mixture is prepared by mixing at least vegetables, dairy products and gelling agent among the raw materials of vegetable pudding, and the fluid mixture has a vacuum chamber. It is preferable to manufacture by cooling and gelling after directly sterilizing with a direct heating sterilizer.
Vegetables with high bacterial resistance, excellent storage stability, and good flavor by mixing at least vegetables, dairy products and gelling agent among the raw materials and then heat sterilizing with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber Pudding can be produced.
[0024]
As a specific manufacturing method, first, at least a vegetable, a dairy product, and a gelling agent among raw materials for vegetable pudding are mixed to prepare a fluid mixture. As a raw material to mix here, at least vegetables, dairy products, and a gelling agent should just be contained, and you may contain sugar, a sweetener, a seasoning, etc. as needed. Mixing can be performed using a mixer, a propeller stirrer, an ejector, a shear pump, etc., for example.
The fluid mixture prepared as described above is heat sterilized by a direct heating sterilizer having a vacuum chamber. The heat sterilization can be performed under the same sterilization conditions using the same sterilizer as in the case of vegetable pudding produced by solidifying the above-described egg components.
After completion of the heat sterilization, the mixture is cooled to 70 to 90 ° C. using a vacuum chamber or the like, and after adding a fragrance, seasoning or the like as necessary, homogenization is performed. Homogenization is performed by pressurizing with a homogenizer, and the pressure at the time of homogenization is preferably 5 to 15 MPa.
And after homogenization, it fills a container and manufactures vegetable pudding by cooling to 1-10 degreeC with a refrigerator.
[0025]
According to the production method of the present invention, vegetables and Dairy products Can be produced by heat sterilization with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber. Moreover, the unpleasant taste of vegetables can be removed moderately and a vegetable pudding with good flavor can be manufactured. That is, when the food sensory test is performed, it is felt that the fragrance is good while the flavor of the vegetable is felt, it is not felt that it is unpleasant, and the taste is good as a result of comprehensive judgment.
In addition, according to the production method of the present invention, a complicated sterilization step is not required, and vegetable pudding raw materials can be sterilized by a simple method, so that a large amount of raw materials can be processed, and industrial production is possible. Is preferred. Furthermore, since no special additives are required, the production can be performed at a low cost.
[0026]
【Example】
EXAMPLES Examples and test examples of the present invention will be described below, but the scope of the present invention is not limited to these examples and test examples. The purchaser is described in parentheses of each manufacturing raw material.
Test example 1
(the purpose)
This test was conducted for the purpose of investigating the effects on flavor and storage stability when using various sterilizers in the production of vegetable pudding to be solidified using a gelling agent.
(Sample preparation)
First, 20 parts by mass of frozen carrot puree (Kanematsu), 67.8 parts by mass of milk (Morinaga Milk Industry), 12 parts by mass of sugar (Toyo Sugar), and 0.2 parts by mass of carrageenan (San-Eigen FFI) are mixed. A raw material mixture was prepared. This vegetable pudding raw material mixture was divided into five, and five types of tests Nos. 1 to 5 shown below were performed. That is, after sterilizing with the five types of sterilizers and sterilization conditions shown in Table 1, the container was filled and sealed, and allowed to stand still in a refrigerator to prepare five types of vegetable pudding samples.
The batch pasterizer (manufactured by Yasuda Finete) used for test number 1 is a sterilizer with a jacket on the body, and steam is passed through the jacket to sterilize the object to be sterilized by heating. Such a device. Tubular (manufactured by Yasuda Finete) used for test number 2 is an indirect heating type sterilizer, passing steam outside the pipe through which the object to be sterilized passes, and sterilizing the object to be sterilized by heating. It is a device that does. The retort (manufactured by Nisaka Manufacturing Co., Ltd.) used for test number 3 is a sterilizer that sterilizes by heat using a pressure kettle. After filling the sterilization object in a retort pouch container or the like and sealing it, It is an apparatus that is housed in a pressure cooker and heated and held with steam or hot water to sterilize.
[0027]
[Table 1]
Figure 0003974021
[0028]
(Evaluation methods)
The flavor evaluation was performed based on a method using a rank method test table (Hideko Furukawa, measuring deliciousness-practical food sensory test-, p28, Koshobo, 1994). That is, first, the 20 taste judges are assigned to the samples for the two items of “ranking with strong vegetable taste” and “ranking with good fragrance”, and the total rank of each sample is obtained. Then, the absolute value of the total rank difference between the samples was determined, and the significance level was determined from the numerical value based on the rank method test table.
For the storage stability evaluation, the number of samples that were spoiled was examined by a sensory test immediately after sample preparation and after retention and enrichment for 7 days in a 15 ° C. incubator. The number of samples at one time is 10 for each test number.
The results of these test numbers 1 to 5 are shown in Tables 2 and 3.
[0029]
[Table 2]
Figure 0003974021
[0030]
[Table 3]
Figure 0003974021
[0031]
(result)
From Table 2, the vegetable flavor is strong in the order of test number 2 ≧ 4 ≧ 5> 1 ≧ 3, and the fragrance is good in the order of test number 5 ≧ 4> 2 ≧ 1 ≧ 3. . (≧ indicates that the left side of the symbol is higher on the left side but is not statistically significant, and> indicates that the left and right side of the symbol is higher on the left side and is statistically significant.)
Moreover, from Table 3, the test number 1 was confirmed to be spoiled after holding and enrichment at 15 ° C. for 7 days.
(Discussion)
From this result, the vegetable pudding manufactured by sterilizing with the steam injection of Test No. 4 and the steam infusion of Test No. 5 felt a relatively strong vegetable taste and the best aroma. That is, when judging the strength of the vegetable taste and the good fragrance, the vegetable puddings of Test Nos. 4 and 5 have a vegetable taste and a good taste to the extent that they feel unpleasant and fragrant. You can say that. In addition, with respect to the storage stability, the samples stored with the tester No. 1 batch pasterizer showed rot, but the other sterilization methods had no rot and the storage stability was good.
As mentioned above, in the manufacturing method of vegetable pudding solidified using a gelling agent, the sterilization method with a good vegetable flavor and good preservability is a steam injection or steam infusion sterilizer, that is, a direct heating type having a vacuum chamber. It turned out to be sterilization by a sterilizer.
[0032]
Test example 2
(the purpose)
This test was conducted for the purpose of investigating the effects of various sterilizers on flavor and shelf life when producing vegetable pudding that solidifies egg components by steaming.
(Sample preparation)
First, 20 parts by mass of frozen carrot puree (manufactured by Kanematsu), 48 parts by mass of milk (manufactured by Morinaga Milk Industry), and 12 parts by mass of sugar (manufactured by Toyo Seika) were mixed to prepare a vegetable pudding raw material mixture. This vegetable pudding raw material mixture was divided into five, and five types of tests Nos. 11 to 15 shown below were performed. That is, after sterilizing with 5 types of sterilizers and sterilizing conditions shown in Table 1, 20 parts by mass of sterilized whole eggs (made by Kewpie) were mixed and filled into a container. Place a container filled with the raw material liquid on a tray filled with water, and bake by adjusting the output of the electric heater so that the center temperature of the product can be held at 85 ° C for 15 minutes in an electric heating oven (manufactured by Kudensha) did. After baking, it was cooled to 10 ° C. in a clean room, covered with a lid and sealed to prepare five types of vegetable pudding samples.
[0033]
(Evaluation methods)
Evaluation was performed in the same manner as in Test Example 1. The results are shown in Tables 4 and 5.
[0034]
[Table 4]
Figure 0003974021
[0035]
[Table 5]
Figure 0003974021
[0036]
(result)
From Table 4, the vegetable flavor is strong in the order of test number 15 ≧ 14 ≧ 12> 11 ≧ 13, and the fragrance is good in the order of test number 15 ≧ 14> 12 ≧ 11 ≧ 13. (≧ indicates that the left side of the symbol is higher on the left side but is not statistically significant, and> indicates that the left and right side of the symbol is higher on the left side and is statistically significant.)
Moreover, from Table 5, it was test number 11 that rot was recognized after enrichment for 7 days at 15 degreeC.
(Discussion)
From this result, the vegetable pudding produced by sterilizing components other than eggs with the steam injection of test number 14 and the steam infusion of test number 15 feels a relatively strong vegetable taste and the best aroma. It was a thing. That is, when judging the strength of the vegetable taste and the good fragrance, the vegetable puddings of Test Nos. 14 and 15 have a vegetable taste and a good taste to the extent that they feel unsavory and fragrant. You can say that. In addition, with respect to the storage stability, the sample stored with the batch pasterizer of Test No. 11 was rotted, but the other sterilization methods had no rot and the storage stability was good.
From the above, in the vegetable pudding manufacturing method in which the egg component is solidified by steaming, the sterilization method with good vegetable flavor and good storage stability is a steam injection or steam infusion sterilizer, that is, a direct heating sterilizer having a vacuum chamber. It turned out to be sterilization.
[0037]
Test example 3
(the purpose)
In this test example, ten different kinds of vegetables were used as raw materials and solidified with a gelling agent to produce vegetable pudding. In that case, the kind of vegetable from which the effect which removes the unpleasant taste of vegetables was acquired by sterilizing with the direct heat sterilizer which has a vacuum chamber was investigated.
(Sample preparation)
Using various vegetable raw materials, the raw materials were mixed at the ratios shown in Table 6 to produce 10 different types of vegetable pudding and tested.
[0038]
[Table 6]
Figure 0003974021
[0039]
Test numbers 21 and 31 are frozen carrot puree (Kanematsu), test numbers 22 and 32 are frozen spinach puree (Sanyo Foods), test numbers 23 and 33 are pumpkin crush (flower sword food), and test numbers 24 and 34 are cabbage juice ( Sanyo Foods), green pea paste (flower sword food) for test numbers 25 and 35, onion soup (Kanematsu) for test numbers 26 and 36, soy flour (Fuji protein) for test numbers 27 and 37, and test numbers 28 and 38 Vegetable pudding was produced using sweet potato puree (Taiyo Kagaku), potato crush (San-Eigen FFI) in test numbers 29 and 39, and corn paste (flower sword food) in test numbers 30 and 40, respectively.
Among the above, test numbers 21 to 30 were heated with the same batch pasterizer (manufactured by Yasuda Finete) as used in Test Example 1, and after holding and sterilizing at 90 ° C. for 10 minutes, then to 50 ° C. Cooled, filled in a container, sealed, and cooled to 10 ° C. in a refrigerator to prepare vegetable pudding. Test numbers 31 to 40 were sterilized at 125 ° C. for 15 seconds with the same steam infusion sterilizer (APV) used in Test 1, then cooled to 50 ° C., filled into a container and sealed. It was prepared by cooling to 10 ° C. in a refrigerator.
[0040]
(Evaluation methods)
The flavor evaluation was conducted according to the two-point preference test method (Hideko Furukawa, measuring deliciousness-practical food sensory test-, p21, Koshobo, 1994). 21 and 31, 22 and 32, 23 and 33, 24 and 34, 25 and 35, 26 and 36, 27 and 37, 28 and 38, 29 and 39, and 30 and 40, respectively, and 20 taste judges “The one with the better flavor” was selected, and the significance level was tested using a two-point preference test method test table.
The storage stability was evaluated by the same method as in Test Example 1. These results are shown in Tables 7 and 8.
[0041]
[Table 7]
Figure 0003974021
[0042]
[Table 8]
Figure 0003974021
[0043]
(result)
According to Table 7, the flavors are good for test numbers 21 <31, 22 <32, 23 <33, 24 <34, 25 <35, 26 <36, 27 <37, 28 ≦ 38, 29 ≦ 39, 30 ≦. 40. (≤ indicates that there is no statistically significant difference between the left and right sides of the symbol, and <indicates that there is a statistically significant difference between the left and right sides of the symbol and the upper side.)
Moreover, although corruption was recognized by the test numbers 21-30 from Table 8, in the test numbers 31-40, corruption was not recognized but the preservability was favorable.
(Discussion)
From this result, it is better to sterilize any of the 10 types of vegetable pudding tested with an infusion sterilizer, but the difference is that the vegetables are carrot, spinach, pumpkin, cabbage, green peas, It turned out to be onion and soy.
[0044]
Test example 4
(the purpose)
In this test example, vegetable pudding was manufactured by baking and steaming using 10 different types of vegetables as raw materials. At that time, the components other than eggs were sterilized by a direct heat sterilizer having a vacuum chamber, and the types of vegetables that could eliminate the unpleasant taste of the vegetables were examined.
(Sample preparation)
Using various vegetable raw materials, the raw materials were mixed at the ratios shown in Table 9 to produce 10 different types of vegetable pudding and tested.
[0045]
[Table 9]
Figure 0003974021
[0046]
As vegetable raw materials, 10 types of vegetable raw materials were used as in Test Example 3. According to the blending ratio in Table 9, a mixture of raw materials excluding eggs was prepared. Test Nos. 41 to 50 were heated with the same batch path tri-zai (manufactured by Yasuda Finete) as used in Test Example 1. After holding and sterilizing at 50 ° C. for 10 minutes and cooling to 50 ° C., eggs are mixed, filled into containers, placed in a tray filled with water, and the center temperature of the product in an electric heating oven (Kudensha) Was baked by adjusting the output of the electric heater so that it could be held at 85 ° C. for 15 minutes. After firing, it was cooled to 10 ° C. in a clean room, covered with a lid, sealed and sealed.
Test Nos. 51 to 60 were prepared at 125 ° C. for 15 seconds using the same steam infusion sterilizer (manufactured by APV) as prepared in Test Example 1 after preparing a mixture of raw materials excluding eggs according to the blending ratios in Table 9. After sterilization and cooling to 50 ° C, eggs are mixed, filled into a container, placed in a tray filled with water, and placed in an electric heating oven (manufactured by Kudensha) at a product center temperature of 85 ° C for 15 minutes. Firing was performed by adjusting the output of the electric heater so that it could be maintained. After firing, it was cooled to 10 ° C. in a clean room, covered with a lid, sealed and sealed.
[0047]
(Evaluation methods)
Test No. 41 and 51, 42 and 52, 43 and 53, 44 and 54, 45 and 55, 46 and 56, 47 and 57, 48 and 58, 49 and 59, and 50 and 60, respectively, were tested. Was evaluated by the same method.
The storage stability was evaluated by the same method as in Test 1. The results are shown in Tables 10 and 11.
[0048]
[Table 10]
Figure 0003974021
[0049]
[Table 11]
Figure 0003974021
(result)
From Table 10, the taste is good with the test number. 41 <51, 42 <52, 43 <53, 44 <54, 45 <55, 46 <56, 47 <57, 48 ≦ 58, 49 ≦ 59, 50 ≦ 60. (≤ indicates that there is no statistically significant difference on the right and left sides of the symbol, and <indicates that there is a statistically significant difference between the left and right sides of the symbol and the upper side.) From Table 11, the test number Although spoilage is observed at 41 to 50, in test numbers 51 to 60, spoilage is not observed and the preservability is good.
(Discussion)
From this result, it is better to sterilize any of the 10 types of vegetable pudding tested with an infusion sterilizer, but the difference is that the vegetables are carrot, spinach, pumpkin, cabbage, green peas, It turned out to be onion and soy.
[0050]
EXAMPLES Next, although an Example is shown and this invention is demonstrated further in detail, this invention is not limited to a following example.
Example 1
5 parts by weight of soy flour (Fuji protein), 8 parts by weight of sugar (Toyo Sugar), 0.1 parts by weight of orange oil (Takasago fragrance), 8 parts by weight of skim milk powder (Morinaga Milk), 4 parts by weight of butter (Morinaga Milk) 0.3 parts by mass of agar (Ina Food) and 74.6 parts by mass of water were mixed, and sterilized at 125 ° C. for 15 seconds with a steam injection sterilizer (the same sterilizer used in Test Example 1). Next, it is cooled to 85 ° C in a vacuum chamber, homogenized at a pressure of 15 MPa in a homogenizer, cooled to 50 ° C, filled into a container, sealed, and cooled to 10 ° C in a refrigerator to produce soybean pudding. did. This pudding had a good flavor with a moderately reduced blue odor of soybeans. As for the storage stability, 20 samples were stored at 10 ° C. for 14 days, none of them decayed, and the bacterial storage stability was also good.
[0051]
Example 2
Steam infusion is made by mixing 20 parts by weight of pumpkin paste (Hana Tachi Food), 10 parts by weight of sugar (Toyo Sugar), 8 parts by weight of skim milk powder (Morinaga Milk), 8 parts by weight of butter (Morinaga Milk), and 34 parts by weight of water. Sterilized with a sterilizer (the same sterilizer used in Test Example 1) at 125 ° C. for 15 seconds. Next, after cooling to 85 ° C. in a vacuum chamber, homogenizing at a pressure of 10 MPa with a homogenizer and cooling to 60 ° C., 19.85 parts by mass of sterilized whole egg (Cuppy), 0.15 mass of custard flavor (Takasago flavor) Mix the parts, fill the container, put the container in a tray filled with water, and adjust the output of the burner so that the center temperature of the product can be maintained at 85 ° C for 15 minutes with a continuous oven (manufactured by Kudensha) And fired. After firing, the mixture was cooled to 10 ° C. in a clean room, covered with a lid, sealed and sealed to produce pumpkin pudding.
This pumpkin pudding had a moderately pumpkin flavor and a good flavor. As for storage stability, 20 samples were stored at 10 ° C. for 14 days, none of the samples was spoiled, and the bacterial storage stability was also good.
[0052]
Example 3
Mix 20 parts by weight of frozen carrot puree (Kanematsu), 35 parts by weight of cream (Morinaga Milk Industry), and 20 parts by weight of milk (Morinaga Milk Industry), using a steam injection sterilizer (the same sterilizer used in Test Example 1). Sterilized at 125 ° C. for 15 seconds. Next, after cooling to 85 ° C. in a vacuum chamber, it is cooled to 60 ° C., 10 parts by mass of sterilized whole egg (Cuppy) and 15 parts by mass of sweetened egg yolk (Cuppy) are mixed, filled into a container, and placed in a steam steamer. The steam was adjusted and steamed so that the center temperature of the product could be maintained at 85 ° C. for 15 minutes. After cooking, it was cooled to 10 ° C. in a clean room, covered with a lid, sealed and sealed to produce carrot pudding.
This carrot pudding had a moderately carrot flavor and a good taste.
As for storage stability, 20 samples were stored at 10 ° C. for 14 days, none of the samples was spoiled, and the bacterial storage stability was also good.
[0053]
【The invention's effect】
As explained above, according to the production method of the present invention, vegetables and Dairy products By sterilizing the mixture with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber, a vegetable pudding having high bacterial resistance and excellent storage stability can be produced by a simple treatment. Moreover, the unpleasant taste of vegetables can be removed moderately and a vegetable pudding with good flavor can be manufactured.
Moreover, the vegetable pudding produced by the production method of the present invention is a vegetable pudding having a good flavor, high bacterial resistance, and good storage stability.

Claims (5)

野菜と乳製品との混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌する工程を含むことを特徴とする野菜プリンの製造方法。  A method for producing vegetable pudding, comprising a step of heat sterilizing a mixture of vegetables and dairy products with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber. 卵成分の加熱ゲル化により固化させる野菜プリンの製造方法であって、野菜プリンの原料のうち少なくとも野菜と乳製品とを含む第一の原料群を混合して流動状混合物を調製し、該流動状混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌した後、さらに、卵成分を含む第二の原料群を混合して、蒸す及び/又は焼くことによって製造することを特徴とする請求項1に記載の野菜プリンの製造方法。  A method for producing vegetable pudding that is solidified by heating gelation of an egg component, wherein a fluid mixture is prepared by mixing a first raw material group containing at least vegetables and dairy products among raw materials of vegetable pudding, and the flow The mixture is produced by heating and sterilizing with a direct heating sterilizer having a vacuum chamber, and further mixing and steaming and / or baking a second raw material group containing egg components. Item 2. A method for producing a vegetable pudding according to Item 1. ゲル化剤により固化させる野菜プリンの製造方法であって、野菜プリンの原料のうち少なくとも野菜、乳製品及びゲル化剤とを混合して流動状混合物を調製し、該流動状混合物を、バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機で加熱殺菌した後、冷却ゲル化させて製造することを特徴とする請求項1に記載の野菜プリンの製造方法。  A method for producing vegetable pudding solidified by a gelling agent, comprising preparing a fluid mixture by mixing at least a vegetable, a dairy product and a gelling agent among the raw materials of vegetable pudding, and then adding the fluid mixture to a vacuum chamber The method for producing vegetable pudding according to claim 1, wherein the vegetable pudding is produced by cooling and gelation after heat sterilization using a direct heating sterilizer. 前記バキュームチャンバーを有する直接加熱式殺菌機が、スチームインジェクション式又はスチームインフュージョン式の殺菌機であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の野菜プリンの製造方法。  The method for producing vegetable pudding according to any one of claims 1 to 3, wherein the directly heated sterilizer having the vacuum chamber is a steam injection type or a steam infusion type sterilizer. 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により得られる野菜プリン。  Vegetable pudding obtained by the production method according to any one of claims 1 to 4.
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