JP3971133B2

JP3971133B2 - Method for producing ink-jet textile fabric

Info

Publication number: JP3971133B2
Application number: JP2001201395A
Authority: JP
Inventors: 俊晴勝木; 晃生福田; 治和窪田
Original assignee: Seiren Co Ltd
Current assignee: Seiren Co Ltd
Priority date: 2000-07-26
Filing date: 2001-07-02
Publication date: 2007-09-05
Anticipated expiration: 2021-07-02
Also published as: JP2002105875A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット捺染用布帛及びその製造方法、及びその捺染物に関し、更に詳しくは、インクジェット方式による捺染により滲みがなくシャープで鮮明に染色でき、しかも目むきやいらつきを生じることのないインクジェット捺染用布帛及びその製造方法、及びその捺染物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、布帛に対して、インクジェット方式で印捺するインクジェット捺染の技術が開発され、改良が進んでいる。
インクジェット捺染は、シャープで鮮明な図柄の表現が可能であり、図柄の選定が自在で、表現できる色数が豊富であるなど、従来の布帛に対する捺染法すなわちローラー捺染、自動スクリーン捺染等と比較して多くの利点を有する。
【０００３】
しかも、従来の捺染法のように図柄ごとにスクリーンや彫刻ローラー等を変更する必要がないため、多品種少量生産が可能である。
こうした利点から、インクジェット捺染は、高度にファッション化し多様化するトレンドに応えるものとして注目されている。
【０００４】
しかし、このインクジェット方式による捺染も、これまでの捺染法と同様、布帛の印捺面でのインクの滲みという根本的な問題を抱えている。
そこで、インクの材料や材質の改良、インクの吐出方法や布帛の処理方法の改善など、様々な改良がなされてきた。
【０００５】
特に、布帛の処理方法に関しては、早くから改良が加えられ、初期には、インクの吐出と同時に布帛を加熱しておく方法等が提案された。
しかし、この方法でも滲みを防止できず、現在では、捺染の前処理として布帛にインク保持剤を付与したり印捺面にインク保持層を形成しておく方法が主流となっている（例えば特開昭６１−５５２７７号公報等参照）。
【０００６】
この場合、インク保持剤（層）は、インクに対して非染着性で且つインクを保持する能力（すなわちインク保持性）を有する物質が用いられる。
そして、インク保持剤（層）は、飛翔してきたインクを一時的に自らの中に吸収することで保持して滲みを抑え、捺染後、固着（発色）のために行われる湿熱等の処理の際、インクを繊維に移行させる働きをする。
【０００７】
それ以後の改良は、主に、インク保持剤（層）のインク保持性を向上させ、インクの滲みを防ぎながら染着性を改善しようというものであった（例えば特開平３−１３７２８３号公報等参照）。
そして、インク保持剤の材質や付与形態の改良が進み、現在、インクの滲みの問題に関しては大幅に改善が進んでいる。
【０００８】
しかし、このような改良の結果、非常に高いインク保持性を有するインク保持剤（層）が主に布帛の印捺面の表面にのみ付与されるため、インクが布帛の内部まで十分に浸透しなくなるという新たな問題が生じている。
【０００９】
そのため、布帛の中でも特に伸縮性布帛や立毛布帛を対象としたインクジェット捺染では、布帛内部の未染色や染着不足のために、伸縮性布帛を引き伸ばしたり、立毛布帛に触れたり曲げたりした時に「目むき」が目立つという事態を招いた。
ここで、目むきとは、引伸しにより伸縮性布帛の内部が露出したり、立毛布帛を曲げるなどして立毛部の毛元（根元）や地組織が露出することにより、染着していない地色（主に白色）の部分が印象付けられる現象である。
【００１０】
例えば、模様や柄を施した水着やＴシャツ（伸縮性布帛）を着た時、模様や柄に細かな白い割れ目が現れる。
また、ソファや車のシートのような構造物に立毛布帛を張ると、カーブした部分に地色が露出し、また人が触れて立毛部が倒れた部分で毛元や地組織の白さが目立ってしまう。
こうした目むきを生じる商品は、品質に対して粗悪感を印象づけ、高級感等の点で致命的な欠陥となる。
【００１１】
しかし、これまで、布帛に対するインクジェット捺染における目むき防止に関する発明はいくつか提案されている。
伸縮性布帛に対するものとしては、布帛に張力を与えて伸張するなどして捺染する方法（例えば特開平１０−２４５７８５号公報等参照）がある。
【００１２】
また、立毛布帛に対する目むき解消の試みとしては、撥水剤を配合した捺染糊を立毛部に塗布して印捺した後、立毛布帛の裏面を地染液面に載せ地組織のみを染色する方法（例えば特開平９−２７９４８６号公報等参照）がある。
しかし、前者では伸縮性布帛を引き伸ばすため印写面積が広くなり、元の形状に戻らなかったり破れたりするという問題があること、また後者では立毛部と地組織の色が異なる部分が生じるなど、問題の本質的な解決には至っていない。
【００１３】
一方、布帛内部へのインクの浸透不足は、結果として染色物の色相や濃度が不均一となるいわゆる「いらつき」の問題もしばしば発生させる。
そして、こうした目むきやいらつきの問題を解消するために、インクの吐出量を増加するなどして、いわゆる強いインクジェット捺染を行うと、インクが布帛を通り抜けて捺染設備を汚染するいわゆる「裏抜け」の問題を引き起こしてしまう。
【００１４】
これらの問題は、特に合成繊維を含む布帛で生じ易かった。
しかし、目むきやいらつきを防止するためには、どうしても強めの捺染を行う必要があるが、上記のような前処理だけでは、捺染を強くすると、どうしても裏抜けは避けられないのである。
【００１５】
このようなことから、少なくとも伸縮性布帛や立毛布帛に対するインクジェット捺染においては、インクの滲みを抑え且つ布帛内部までインクを浸透させるという二律背反的な課題をクリアできる布帛の前処理方法が強く望まれている。
そのためには、多少強めのインクジェット捺染を行っても、インクが滲まず裏抜けも起こさないような前処理方法が開発されなければならない。
【００１６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実情を背景に、上記の課題を克服するためになされたものである。
すなわち、滲みが生じない上、目むきやいらつき、及び裏抜けを防止できるインクジェット捺染用布帛およびその製造方法を提供することである。
また、立毛を有する布帛に対して、立毛部が均一に染色され且つ地組織も立毛部と同様に均一に染色され、しかも目むきやいらつき、及び裏抜けを防止できるインクジェット捺染用布帛およびその製造方法を提供することである。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、合成繊維または合成繊維を含む繊維よりなる布帛においては、合成繊維に対してインク保持剤のヌレ性の高低によるインク保持剤の合成繊維への付着の具合の違いを使い分けることにより布帛の内部でのインクの分布状態をコントロールできることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【００２３】
即ち、本発明は、（１）合成繊維または合成繊維を含む繊維よりなるインクジェット捺染用布帛の製造方法であって、合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与し浸透させる工程と、その後、布帛の非印捺面より合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与し浸透させる工程と、を有するインクジェット捺染用布帛の製造方法に存する。
【００２４】
そしてまた、（２）、合成繊維または合成繊維を含む繊維よりなり立毛部と地組織とを有するインクジェット捺染用布帛の製造方法であって、合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与して立毛部と地組織に浸透させる工程と、その後、非印捺面より合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与して地組織に浸透させる工程と、を有するインクジェット捺染用布帛の製造方法に存する。
【００２５】
そしてまた、（３）、合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液は、パディング法により付与されるインクジェット捺染用布帛の製造方法に存する。
【００２６】
そしてまた、（４）、合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液は、片面付与方法により布帛の非印捺面より付与されるインクジェット捺染用布帛の製造方法に存する。
【００２７】
そしてまた、（５）、合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液は、その粘度が１０〜２００ｃｐｓのものを用いるインクジェット捺染用布帛の製造方法に存する。
【００２９】
本発明はこの目的に沿ったものであれば、上記１〜５の中から選ばれた２つ以上を組み合わせた構成も当然採用可能である。
【００３０】
本発明のインクジェット捺染用布帛及びその製造方法によれば、布帛に少なくとも２種類のインク保持剤を付与してあるため、上記課題が解決される。
また、立毛布帛においても、地組織と立毛部とを均一に染色することができ、しかも立毛部を均一に染めることが可能となる。
【００３１】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明するが、「布帛」とは、立毛部を有さない布帛及び立毛部を有する布帛（立毛部と地組織とを有する布帛、すなわち立毛布帛）の両者をともに含むものとする。
また、布帛の表裏２面のうち、インクを吹き付けて捺染する面を「印捺面」、またその裏側の面を「非印捺面」といい、従って、立毛布帛においては、立毛部を有する面が印捺面、その裏側の地組織が露出している面が非印捺面となる。
【００３２】
また、「ヌレ性」とは、固体（合成繊維）と液体（乾燥前のインク保持剤）との界面における表面張力等の相互作用力の尺度をいう。
つまり、ヌレ性が高いインク保持剤（高ヌレ性のインク保持剤）は、合成繊維の表面に広がった状態（いわゆる濡れた状態）になり易く、ヌレ性が低いインク保持剤（低ヌレ性のインク保持剤）は、合成繊維との接触面積を小さくして凝集した状態（いわゆるはじいた状態）になり易い。
【００３３】
始めに、本発明のインクジェット捺染用布帛の構成および機能について説明する。
本発明のインクジェット捺染用布帛は、合成繊維若しくは合成繊維を含む繊維より形成された布帛よりなり、合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液と、合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液の、少なくとも２種類の処理液が、それぞれ別々に浸透されてなる。
しかも、合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液は、後述するように、布帛１の非印捺面より付与されてなる〔図１（ａ）（ｂ）参照〕。
【００３４】
布帛の内部においては、高ヌレ性のインク保持剤は浸透し易く、合成繊維１本１本の表面を被覆するように付着し〔図２（ｂ）参照〕、布帛の内部全体にほぼ均一に分布した状態となっている。
しかし、低ヌレ性のインク保持剤は、高ヌレ性のインク保持剤と比較して浸透性が劣り、布帛の非印捺面付近に偏って分布し、繊維と繊維の間の空間で凝集し網状に充填された状態となっている〔図２（ｃ）参照〕。
【００３５】
このような状態に形成しておくと、高ヌレ性のインク保持剤が合成繊維１本１本の表面を被覆しているために、インクジェット捺染の際、繊維の表面全体でインクを吸収できる。
そのため、繊維を均一に染めることが可能となる。
【００３６】
一方、低ヌレ性のインク保持剤は、前述の通り非印捺面付近にて繊維と繊維の間の空間で凝集し網状に充填された状態になっており、高ヌレ性のインク保持剤が吸収しきれなかったインクを低ヌレ性のインク保持剤が吸収する役割を果たす。
ここで、上記のような２種のインク保持剤を用いれば、インクジェット捺染において、布帛の内部まで十分染色ができ、従って目むきやいらつきを生じず、しかも裏抜けが生じないことについて説明する。
【００３７】
インクジェット捺染では、通常、インクは布帛の上方の空間から布帛の印捺面に略垂直に飛翔してくる。
そして、インクは、印捺面に到達後も、布帛の内部を印捺面に対し略垂直方向に浸透していく。
従って、強めのインクジェット捺染を行えば、布帛の内部まで十分染色することが可能となり、目むきやいらつきを防止できる。
【００３８】
しかし、前述の方法だけではインクの裏抜けについては解決できていない。
本発明では、低ヌレ性のインク保持剤が布帛の非印捺面付近で繊維と繊維の間の空間を網状に充填しているので、略垂直方向に浸透してきたインクを確実にキャッチする。
そのため、強めのインクジェット捺染を行っても、インクの裏抜けは十分防止できるのである。
【００３９】
因みに、面方向（水平方向）のインクの滲みについては、先述したようにインク保持剤の滲み防止機能が十分に高いので、上記高ヌレ性のインク保持剤で阻止できる。
このように、本発明によれば、滲みを生じることなく繊維を均一に染めることができるため、シャープで鮮明に染色することが可能となる。
しかも、布帛の内部まで十分染色できるため、目むきやいらつき、及びインクの裏抜けを防止することができるのである。
【００４０】
ここで、参考までに、布帛に高ヌレ性のインク保持剤を付与した後、仮に、さらに非印捺面からも高ヌレ性のインク保持剤を付与した場合には、非印捺面から布帛の内部に浸透してしまい、繊維と繊維の間の空間は網状に又は密に充填されない。
これでは、高ヌレ性で繊維を被覆しただけで繊維と繊維の間を充填するものが何もない場合と同じこととなり、先述のように略垂直方向に浸透してきたインクを確実にキャッチするものがなく、インクの裏抜けを許してしまう。
【００４１】
従って、繊維と繊維の間の空間を網状に充填しうる低ヌレ性のインク保持剤を非印捺面より付与することが必要となるのである。
すなわち、本発明の本質は、高ヌレ性のインク保持剤には繊維を均一に染める役割、また低ヌレ性のインク保持剤は裏抜けを防止する役割というそれぞれ別の機能を持たせることにあるのである。
【００４２】
さて、以上述べたことは立毛布帛においても当然成り立つが、特に立毛布帛の場合は、立毛部には出来るだけ高ヌレ性のインク保持剤のみを付与するようにし、低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液の浸透は少なくとも立毛部の毛元周辺までに抑えるように注意して付与しなければならない（図１（ｂ）参照）。
【００４３】
すなわち、立毛部は、高ヌレ性のインク保持剤が立毛部の合成繊維を被覆するように付着した状態になっているが、低ヌレ性のインク保持剤は毛元に僅か存在するだけでほとんど付着していない。
このようにしておけば、上記のインクジェット捺染の場合と同様に、飛翔してきたインクは、印捺面である立毛部に到達した後も、立毛部の長さ方向すなわち布帛の内部へ向けて印捺面に対し略垂直方向に浸透していく。
【００４４】
そして、インクは立毛部を浸透しながら、立毛部の毛先から毛元までの全ての部分に付着したインク保持剤で捕らえられ、立毛部全体を均一に染色することが可能となる。
しかも、強めのインクジェット捺染を行えば、インクは地組織まで到達することができ、立毛部と地組織とを均一に染めることが可能となる。
さらに、地組織には低インク保持剤が繊維と繊維の間の空間を網状に充填しているので、インクの裏抜けは十分防止することができるのである。
【００４５】
次に、布帛を形成する合成繊維は、主としてポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル等が挙げられる。
そして、布帛は、これらの合成繊維を１種類以上含むものであれば、合成繊維のみよりなるものでもよいし、合成繊維と他の天然繊維や再生繊維とより構成されたものであってもよい。
【００４６】
また、布帛中の合成繊維が占める比率は、本発明の効果を有効に発揮させるために、５０％以上が好ましく、８０％以上であれば更に効果的である。
合成繊維の比率が５０％より小さいと、上記のような合成繊維とインク保持剤とのヌレ性の効果が必ずしも十分発揮できず、染めムラが発生する場合も生じる。
【００４７】
布帛の形態としては、編物、織物、不織布等が採用されるが、本発明は、特に立毛布帛や伸縮性布帛に対して効果が大きい。
中でも、立毛布帛としては、具体的に、モケット、ベルベット、別珍等のパイル編織物、起毛加工して得られる起毛編織物、ダブルラッセル等、通常使用される立毛布帛が挙げられ、また伸縮性布帛としては、ポリウレタンやＰＢＴ等の弾性糸からなる編織物、捲縮加工糸等からなる編織物等が挙げられる。
【００４８】
インク保持剤は、安全性・安定性に優れ、コスト的に有利で、また環境に優しく、さらに作業をする上で取り扱いが容易な水溶性物質がより好ましく使用される。
一般的には、合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤は合成高分子であり、低ヌレ性のインク保持剤は、天然高分子あるいは半合成高分子が使用されることが多く、本発明も同様である。
【００４９】
合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤は、その中でも、固着時の湿熱処理等の際に保持していたインクを容易に手放して、極力、繊維に移行させ易いものがより好ましい。
例えば、高い親水性を有する水酸基、アミド基、カルボニル基のうちの少なくとも１種類の官能基を分子内に有する水溶性高分子であるインク保持剤であればより効果的である。
【００５０】
具体的には、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸アクリルアミド共重合体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシド、オキシエチレンオキシプロピレン共重合体、水溶性ポリエステル、ポリアミド、尿素樹脂、ポリウレタン、デンプン−アクリル酸共重合体等があげられる。
【００５１】
中でも、被覆強度に優れるポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸アクリルアミド共重合体、水溶性ポリエステル、ポリウレタンが好ましく使用されるが、当然、実際に使用されるインクや合成繊維等の条件を勘案して、最適なものが選ばれるべきである。
【００５２】
一方、合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤は、高ヌレ性のインク保持剤に吸収されなかったインクを吸収するという本発明における役割上、極力、インクを吸収し易いもの、すなわちインクの吸収性が高いものがより好ましい。
このため、低ヌレ性のインク保持剤は、水素結合によりゲル化して、極力、網状構造になり易いもの、例えば、アミロース鎖やセルロース鎖を主鎖に有するインク保持剤であるとより効果的である。
【００５３】
具体的には、でんぷん、グアーガム、アルギン酸ソーダ（以上天然高分子）、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン（以上半合成高分子）等が挙げられる。
【００５４】
中でも、ゲル化に優れるカルボキシメチルセルロースが好ましいが、この場合も、当然、使用されるインクや合成繊維の種類により最適なものが選ばれる。
また、高ヌレ性又は低ヌレ性のインク保持剤のイオン性は、インクと同性あるいはノニオン性（非イオン性）であるとより好ましい。
【００５５】
インク保持剤とインクのイオン性が反対だと、両者の間にイオン結合が生じ、必要以上に結び付きが強くなり過ぎるため、インクが繊維へ移行しにくくなり染着を妨げる。
このようなインク保持剤は、固着後のソーピング（洗浄）の際、インクを内包したまま流れ落ち、染色に寄与しないインクを大量に生み出すため、インクの染着効率を著しく低下させてしまうことになるためである。
【００５６】
次に、本発明のインクジェット捺染用布帛の製造方法について説明する。
まず、布帛の準備工程としては、精練工程や必要があれば漂白工程を経るが、通常の処理を行えばよい。
また、立毛布帛についても、準備工程として、精練工程、ヒートセット工程、及び必要に応じて起毛工程を経るが、その処理は、通常の立毛布帛の前処理条件に準じて行えばよい。
【００５７】
また、上記のインク保持剤を含有する処理液の他に、必要に応じて、ｐＨ調整剤、界面活性剤、均染剤、キャリアー、濃染剤、浸透剤、触媒、吸油剤、防腐剤、保持剤、可塑剤、熱硬化性樹脂、架橋剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、耐光向上剤、酸化防止剤、体質顔料、蛍光増白剤、吸着剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿剤、電解質、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤等を含む処理液を添加調整してもよい。
【００５８】
更に、染色のための色材（染料や顔料等）を、予め処理液に添加しておいてもよい。
処理液を付与する方法としては、浸漬法、パディング法等の全面付与方法、またはスクリーン法、ローラー法、コーティング法、スプレー法、ロータリー法、ラミネート法等の片面付与方法が挙げられる。
【００５９】
布帛に対する処理液の付与は、次の２つの工程に分けて行われる。
まず、第１工程は、布帛に合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与する工程である。
付与方法は、上記のいずれでもよいが、中でも、パディング法（マングルパット法ともいう）は、処理液を布帛全体に付与でき、しかも繊維の１本１本まで付与することが可能である点でより好ましく用いられる。
【００６０】
実際には、例えば、布帛に対しパディング法で高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与し、その後、１００〜２００℃で１〜１０分間加熱乾燥を行って、合成繊維上に被覆したように付着しているインク保持剤を固定する。
また、片面付与方法を用いる場合は、高ヌレ性のインク保持剤が布帛の印捺面付近に確実に付与されるように、布帛の印捺面より処理液を付与するのが好ましい。
【００６１】
次に、第２工程は、布帛の非印捺面より低ヌレ性のインク保持剤を付与する工程である。
先述のように、低ヌレ性のインク保持剤は、主に布帛の内部のより非印捺面に近い部分に偏って分布している方が、裏抜け防止により効果を発揮する。
従って、低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液は、布帛の非印捺面より付与し、しかも片面付与方法を用いることがより好ましい。
【００６２】
実際には、例えば、布帛に対し非印捺面よりロータリースクリーンプリント法等の片面付与方法で低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与する。
その後、１００〜２００℃で１〜１０分間加熱乾燥させて、繊維間に凝集させて網状にインク保持剤を固定する。
【００６３】
更に、高ヌレ性のインク保持剤で繊維を確実に被覆させるために、先に第１工程を行った後に、第２工程を行う方が好ましい。
ここで、図２に、繊維に対するインク保持剤の付与状態を模式的に示す。
第１工程により布帛内部で交絡する合成繊維の繊維（ａ）に浸透した高ヌレ性のインク保持剤が、繊維を被覆するように付着し固定される（ｂ）。
【００６４】
その後、第２工程により付与され浸透してきた低ヌレ性のインク保持剤が、繊維間で凝集し網状に固定されるのである（ｃ）。
ここで、立毛布帛の場合には、先述のように、低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液が少なくとも立毛部の上部までは浸透しないようにする必要があり（図１参照）、第２工程で非印捺面より該処理液を付与する際は、注意を要する。
【００６５】
以上の処理液の付与工程において、処理液の粘度は、インク保持剤を均一に付与しやすい１０〜２００ｃｐｓがより好ましい。
１０ｃｐｓ以下では繊維との密着性に乏しくインク保持剤の付与量不足やマイグレーションが起こりやすく、また、２００ｃｐｓ以上では付与したインク保持剤の付着ムラが起こりやすい。
【００６６】
さて、以上述べた本発明のインクジェット捺染用（立毛）布帛は、インクジェット捺染により、適宜色、模様等が施される。
インクジェット捺染を行う手段としては、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式、磁性インク方式等の連続方式、およびステメ方式、パルスジェット方式、バブルジェット方式、静電吸引方式、ドライジェット方式等のオンデマンド方式などがあげられる。
【００６７】
色、模様等が施された後は、通常、熱処理加工が行われ、又必要に応じた処理加工が行われて、最終的な捺染物が得られる。
熱処理の条件は、布帛の素材と染料の物性によって異なるが、通常、１００〜２００℃の範囲で湿熱処理される。
【００６８】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００６９】
〔実施例１〕
まず、以下の処方にて高ヌレ性の前処理液Ａ１を調製した。
ＰＶＡ２０５３部
（クラレ・製ポリビニルアルコール；合成高分子）
リアクタントＭＳ１部
（ユニ化成・製還元防止剤）
リンゴ酸（５０％水溶液）０．５部
ユニガードＥ−２００Ｎ１部
（第一工業製薬・製耐光向上剤）
水残部
計１００部
粘度８０ｃｐｓ
ポリエステル１００％のダブルラッセル立毛布帛（編物）に通常の糊抜き精練を行った。
次いで前記の前処理液Ａ１をパディング法で付与した。
その後、上記布帛を１８０℃で３分間熱風乾燥を行った。
【００７０】
次いで、以下の処方にて低ヌレ性の前処理液Ｂ１を調製した。
ファインガムＳＰ−１３部
（第一工業製薬・製カルボキシメチルセルロース；半合成高分子）
リアクタントＭＳ１部
リンゴ酸（５０％水溶液）０．５部
ユニガードＥ−２００Ｎ１部
水残部
計１００部
上記前処理液Ｂ１を布帛の非印捺面からスクリーン法にて付与した。
その後、上記布帛を１８０℃で３分間熱風乾燥した。
【００７１】
次いでインクジェット法にてインクを付与した。
処方及び条件を以下に示す。

【００７２】
インクジェット印写条件
印写装置：オンデマンド方式シリアル走査型印写装置
ノズル径：５０μｍ
駆動電圧：１００Ｖ
周波数：５ｋＨｚ
解像度：３６０ｄｐｉ
次いで、１８０℃で１０分間湿熱処理を行った。
【００７３】
その後、以下の条件で浴比１：１００の割合で洗浄液に浸し、８０℃で３０分間処理を行い、乾燥した。

【００７４】
〔実施例２〕
以下の処方にて高ヌレ性の前処理液Ａ２の調製を行った。
マーポゾールＭ−１５部
（松本油脂（株）製ポリアクリル酸エステル；合成高分子）
リアクタントＭＳ１部
リンゴ酸（５０％水溶液）０．５部
ユニガードＥ−２００Ｎ１部
水残部
計１００部
粘度；５０ｃｐｓ
ポリエステル１００％の立毛布帛の代わりに、ポリエステル８０％、綿２０％交編の立毛布帛を用い、前処理液Ａ１の代わりに前処理液Ａ２を用いる以外は実施例１に準じた。
【００７５】
〔実施例３〕
以下の処方にて低ヌレ性の前処理液Ｂ２を調製した。
キプロガムＦ５００５部
（日澱化学（株）製デンプン；天然高分子）
リアクタントＭＳ１部
リンゴ酸（５０％水溶液）０．５部
ユニガードＥ−２００Ｎ１部
水残部
計１００部
前処理液Ｂ１の代わりに前処理液Ｂ２を用いる以外は実施例１に準じた。
【００７６】
〔実施例４〕
ポリエステル１００％の立毛布帛の代わりに、ポリエステル１００％トリコット布帛を用いる以外は、実施例１に準じた。
【００７７】
〔実施例５〕
ポリエステル１００％の立毛布帛の代わりに、カチオン可染ポリエステル９５％ポリウレタン５％からなる伸縮性編物を用いる以外は、実施例１に準じた。
【００７８】
〔比較例１〕
前処理液Ａ１としてＰＶＡ２０５（合成高分子）の代わりに、マーポローズＭ−２５（松本油脂（株）製メチルセルロース；半合成高分子）を使用する以外は、実施例１と同様に処理を行った。
【００７９】
〔比較例２〕
前処理液Ａ１を付与する工程を省く以外は、実施例１と同様に処理を行った。
【００８０】
〔評価方法〕
（１）浸透度インクの浸透度を光学顕微鏡により測定し、以下の式により浸透度を求めた。
浸透度＝インクの浸透距離／布帛の厚み（パイルの長さ）×１００
ここで、数字が大きいほど浸透度が高いことを示す。
（２）濃度表面の染色濃度の反射率をＭＩＮＯＬＴＡ製ＳＰＥＣＴＲＯＰＨＯＴＯＭＥＴＥＲ（ＣＭ−１０００Ｒ）を用いて測定し、Ｋ／Ｓ値を求めた。
ここで、数字が大きいほど高濃度であることを示す。
（３）裏面汚染度布帛の裏面の汚染具合を目視により評価した。

（４）均染感布帛のいらつき感を目視により評価した。

（５）目むき布帛の目むき状態を目視により評価した。

【００８１】
【表１】

【００８２】
〔評価結果〕
表１の結果から、布帛の印捺面に高ヌレ性のインク保持剤を、非印捺面に低ヌレ性のインク保持剤を付与した場合、浸透度、濃度、裏面汚染度、均染性、目むき防止に優れた高品位の布帛が得られることがわかった。
【００８３】
【発明の効果】
本発明によれば、これまで布帛に対するインクジェット捺染において問題となっていたインクの滲みを抑え且つ布帛内部までインクを浸透させるという二律背反的な課題を一挙に解決することができ、しかも目むきやいらつき、裏抜けを的確に防止することができる。
【００８４】
この効果は、伸縮性布帛や立毛布帛において顕著である。
インクが布帛の内部まで十分に浸透するため、より深みがある画像を加工できるようになり、水着やＴシャツ等の衣類や自動車内装材等の産業資材、タペストリー、カーペット、椅子等といったインテリア資材での応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明のインクジェット捺染用布帛を表した模式図である。
【図２】図２は、非印捺面付近の繊維に対するインク保持剤の付与状態を表した模式図である。
【符号の説明】
１…布帛
２…繊維
３…合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤
４…合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤
Ａ…合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤が付与された部分
Ｂ…合成繊維に対して高ヌレ性および低ヌレ性のインク保持剤が付与された部分[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fabric for inkjet printing, a method for producing the same, and a printed product thereof. More specifically, the inkjet can be sharply and clearly dyed by inkjet printing without causing blurring or irritation. The present invention relates to a textile for printing, a method for producing the same, and a printed product thereof.
[0002]
[Prior art]
In recent years, ink-jet printing technology for printing on fabrics using an ink-jet method has been developed and improved.
Ink-jet printing is capable of expressing sharp and clear designs, allowing you to select designs freely and abundant in the number of colors that can be expressed. Compared with conventional textile printing methods such as roller printing and automatic screen printing. And has many advantages.
[0003]
Moreover, since it is not necessary to change the screen, engraving roller, etc. for each pattern as in the conventional textile printing method, it is possible to produce a variety of products in small quantities.
Because of these advantages, inkjet printing is attracting attention as a response to the trend of highly fashioned and diversified.
[0004]
However, textile printing by this ink jet method also has a fundamental problem of ink bleeding on the printing surface of the fabric, as in the conventional textile printing methods.
Accordingly, various improvements have been made, such as improvements in ink materials and materials, ink ejection methods, and fabric processing methods.
[0005]
In particular, with regard to the method of treating the fabric, improvements have been made from an early stage, and at the initial stage, a method of heating the fabric simultaneously with the ink ejection has been proposed.
However, even this method cannot prevent bleeding, and at present, a method in which an ink retaining agent is applied to a fabric or an ink retaining layer is formed on a printing surface as a pretreatment for printing (for example, special features). (See Kaiho 61-55277).
[0006]
In this case, the ink holding agent (layer) is made of a material that is non-dyeing to ink and has the ability to hold ink (ie, ink holding property).
The ink retaining agent (layer) holds the flying ink by temporarily absorbing it in itself to suppress bleeding, and after the printing, the process such as wet heat performed for fixing (coloring) In doing so, it serves to transfer the ink to the fibers.
[0007]
Improvements thereafter have been mainly aimed at improving the ink retention of the ink retention agent (layer) and improving dyeing properties while preventing ink bleeding (for example, JP-A-3-137283) reference).
Further, the material of the ink holding agent and the application form have been improved, and at present, the problem of ink bleeding is greatly improved.
[0008]
However, as a result of such improvements, the ink retaining agent (layer) having very high ink retention is mainly applied only to the surface of the printing surface of the fabric, so that the ink sufficiently penetrates into the interior of the fabric. There is a new problem of disappearing.
[0009]
Therefore, in the inkjet printing especially for stretchable fabrics and napped fabrics among the fabrics, when the stretchable fabric is stretched or touched or bent due to undyed or insufficient dyeing inside the fabric, Invite a situation where the eyes are conspicuous.
Here, the term “peel” means that the interior of the stretchable fabric is exposed by stretching, or the base (root) of the napped portion or the ground tissue is exposed by bending the napped fabric, etc. This is a phenomenon in which the color (mainly white) part is impressed.
[0010]
For example, when wearing a swimsuit or T-shirt (elastic fabric) with a pattern or pattern, fine white cracks appear in the pattern or pattern.
In addition, when a raised fabric is stretched on a structure such as a sofa or a car seat, the ground color is exposed in the curved part, and the whiteness of the base of the hair and the texture in the part where the raised part is touched and touched by the person. It will stand out.
Such a product that causes eye-opening gives an impression of inferiority in quality and becomes a fatal defect in terms of luxury and the like.
[0011]
However, several inventions related to prevention of blinding in ink jet printing on fabrics have been proposed so far.
As for the stretchable fabric, there is a method of printing by applying tension to the fabric and stretching the fabric (for example, see JP-A-10-245785).
[0012]
In addition, as an attempt to eliminate the dullness on the napped fabric, after applying and printing a printing paste containing a water repellent agent on the napped portion, the back surface of the napped fabric is placed on the ground dyeing surface to dye only the ground tissue. There is a method (for example, see JP-A-9-279486).
However, in the former, since the stretchable fabric is stretched, the printing area is widened, there is a problem that it does not return to the original shape or it is torn, and in the latter, there are portions where the napped portion and the color of the ground texture are different, etc. The problem has not been solved essentially.
[0013]
On the other hand, insufficient ink permeation into the fabric often causes a so-called “irritation” problem that results in uneven hue and density of the dyed product.
Then, in order to solve the problem of blurring and irritation, when so-called strong ink-jet printing is performed by increasing the amount of ink discharged, the so-called “back-through” in which the ink passes through the fabric and contaminates the printing equipment. Cause problems.
[0014]
These problems were particularly likely to occur with fabrics containing synthetic fibers.
However, in order to prevent blindness and annoyance, it is necessary to carry out strong printing, but by using only the pretreatment as described above, if printing is strengthened, it is unavoidable that the showthrough is unavoidable.
[0015]
For this reason, at least in inkjet printing on stretchable fabrics and napped fabrics, a fabric pretreatment method that can overcome the contradictory problem of suppressing ink bleeding and allowing ink to penetrate into the fabric is strongly desired. Yes.
For this purpose, a pre-treatment method must be developed so that the ink does not bleed and does not cause back-throwing even if a slightly stronger ink-jet printing is performed.
[0016]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in order to overcome the above-mentioned problems against the background of such circumstances.
That is, it is to provide a fabric for ink jet textile printing and a method for producing the same which can prevent blurring, flickering, and back-through.
In addition, a fabric for ink jet textile printing, in which the napped portion is uniformly dyed and the ground tissue is uniformly dyed in the same manner as the napped portion with respect to the fabric having napped hairs, and further, can prevent the eyes from being unsightly, irritated, and back-through. It is to provide a manufacturing method.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
Thus, as a result of intensive studies on the background of such problems, the present inventor has found that the wetting property of the ink retaining agent is high or low in the synthetic fiber or the fabric comprising the synthetic fiber. The present inventors have found that it is possible to control the distribution state of the ink inside the fabric by properly using the difference in the degree of adhesion of the ink retaining agent to the synthetic fiber, and the present invention has been completed based on this finding.
[0023]
  That is, the present invention provides (1)A method for producing a fabric for ink jet textile printing comprising a synthetic fiber or a fiber containing a synthetic fiber, the method comprising applying a treatment liquid containing a highly wettable ink retaining agent to the synthetic fiber and infiltrating the synthetic fiber; A method for producing a fabric for ink jet printing, comprising: applying a treatment liquid containing a low wetting ink retaining agent to a synthetic fiber from a printing surface.
[0024]
  and again,(2), A method for producing a fabric for ink jet printing comprising synthetic fibers or fibers containing synthetic fibers, and having raised portions and a ground texture, wherein a treatment liquid containing a highly slick ink retention agent is applied to the synthetic fibers. And a step of infiltrating the napped portion and the ground tissue, and then a step of applying a treatment liquid containing an ink retaining agent having a low wetting property to the synthetic fiber from the non-printing surface and infiltrating the ground tissue. It exists in the manufacturing method of the fabric for textile printing.
[0025]
  and again,(3), A treatment liquid containing an ink retaining agent having a high wetting property with respect to a synthetic fiber exists in a method for producing a fabric for ink jet printing applied by a padding method.
[0026]
  and again,(4), A treatment liquid containing an ink retaining agent having low repellency with respect to synthetic fibers exists in a method for producing a fabric for ink jet printing applied from a non-printing surface of a fabric by a single-side applying method.
[0027]
  and again,(5), A treatment liquid containing an ink retaining agent having a high wetting property with respect to a synthetic fiber exists in a method for producing a fabric for ink jet printing using a viscosity of 10 to 200 cps.
[0029]
  If the present invention meets this purpose, the above 1 to52 or more selected fromOf course, it is also possible to adopt a configuration combining the above.
[0030]
According to the fabric for ink jet textile printing and the method for producing the same according to the present invention, since the fabric is provided with at least two kinds of ink retaining agents, the above-mentioned problems are solved.
In the napped fabric, the ground tissue and the napped portion can be dyed uniformly, and the napped portion can be dyed uniformly.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. The term “fabric” refers to a fabric having no raised portion and a fabric having a raised portion (a fabric having a raised portion and a ground structure, ie, a raised fabric). ) Both.
Of the two front and back surfaces of the fabric, the surface that is printed by spraying ink is referred to as the “printing surface”, and the back surface is referred to as the “non-printing surface”. Therefore, the napped fabric has napped portions. The surface is the printing surface, and the surface where the texture on the back side is exposed is the non-printing surface.
[0032]
Further, “swelling” refers to a measure of interaction force such as surface tension at the interface between a solid (synthetic fiber) and a liquid (ink-retaining agent before drying).
In other words, an ink retaining agent having a high repellency (high repellency ink retaining agent) tends to spread on the surface of the synthetic fiber (so-called wet state), and an ink retaining agent having a low repellency (low repellency). The ink retaining agent) tends to be in an aggregated state (so-called repelled state) by reducing the contact area with the synthetic fiber.
[0033]
First, the configuration and function of the inkjet textile fabric of the present invention will be described.
The ink-jet printing fabric of the present invention is made of a fabric formed from synthetic fibers or fibers containing synthetic fibers, and includes a treatment liquid containing an ink retaining agent having a high wetting property with respect to the synthetic fibers, and a low wetting with respect to the synthetic fibers. At least two kinds of treatment liquids containing a water-soluble ink retaining agent are permeated separately.
Moreover, the treatment liquid containing an ink retaining agent having low repellency with respect to the synthetic fiber is applied from the non-printing surface of the fabric 1 (see FIGS. 1A and 1B), as will be described later.
[0034]
In the interior of the fabric, the highly wet ink retainer easily penetrates and adheres so as to cover the surface of each synthetic fiber (see FIG. 2B), and is almost uniformly distributed throughout the interior of the fabric. It is in a distributed state.
However, the low repellency ink retainer is inferior in permeability to the high repellency ink retainer, is distributed unevenly near the non-printing surface of the fabric, and aggregates in the space between the fibers. It is in a state of being filled in a net shape (see FIG. 2C).
[0035]
When formed in such a state, since the highly slick ink holding agent covers the surface of each synthetic fiber, the ink can be absorbed by the entire surface of the fiber during ink jet printing.
Therefore, it becomes possible to dye a fiber uniformly.
[0036]
On the other hand, the low repellency ink retaining agent is in a state of being aggregated in the space between the fibers near the non-printing surface and packed in a net shape, as described above. The ink that has not been absorbed can play a role of absorbing the ink retention agent having low repellency.
Here, it will be described that if two kinds of ink holding agents as described above are used, the inside of the fabric can be sufficiently dyed in ink jet textile printing, so that no eye-opening or irritation occurs, and further, there is no show-through. .
[0037]
In ink-jet printing, ink usually flies from a space above the fabric substantially perpendicular to the printing surface of the fabric.
Even after reaching the printing surface, the ink permeates the inside of the fabric in a direction substantially perpendicular to the printing surface.
Therefore, if strong ink jet textile printing is performed, it is possible to sufficiently dye the inside of the fabric, and it is possible to prevent blindness and irritation.
[0038]
However, ink penetration cannot be solved by the above method alone.
In the present invention, since the low swell ink retaining agent fills the spaces between the fibers in the vicinity of the non-printing surface of the fabric in a net-like manner, the ink that has permeated in the substantially vertical direction is reliably caught.
For this reason, even if a strong ink jet printing is performed, it is possible to sufficiently prevent the ink from passing through.
[0039]
Incidentally, the ink bleeding in the surface direction (horizontal direction) can be prevented with the above-mentioned highly slick ink holding agent because the ink holding agent bleeding prevention function is sufficiently high as described above.
As described above, according to the present invention, the fibers can be dyed uniformly without causing bleeding, so that it is possible to dye sharply and clearly.
In addition, since the inside of the fabric can be sufficiently dyed, it is possible to prevent the eyes from being irritated and irritated and the ink from falling through.
[0040]
Here, for reference, if a highly slick ink retaining agent is applied to the fabric, and if a highly slick ink retaining agent is further applied from the non-printing surface, the fabric from the non-printing surface is used. And the space between the fibers is not filled in a mesh or tightly.
This is the same as when there is nothing to fill between the fibers just by covering the fibers with high wettability, and reliably catches ink that has penetrated in the substantially vertical direction as described above. There is no ink, allowing ink to pass through.
[0041]
Therefore, it is necessary to apply an ink retaining agent having a low wetting property that can fill the space between the fibers in a net shape from the non-printing surface.
That is, the essence of the present invention is to provide the high repellency ink holding agent with different functions of uniformly dyeing fibers, and the low nuisance ink holding agent to prevent back-through. It is.
[0042]
The above description is naturally valid also for a napped fabric, but in the case of a napped fabric, in particular, the napped portion should be provided with only a highly slick ink retaining agent as much as possible. It must be applied with care so as to suppress the penetration of the treatment liquid to be contained at least to the vicinity of the base of the raised portion (see FIG. 1B).
[0043]
In other words, the napped portion is in a state where the high retention ink retaining agent is attached so as to cover the synthetic fiber of the napped portion, but the low retention ink retaining agent is almost present only at the base of the hair. It is not attached.
In this way, as in the case of the above-described ink jet printing, the flying ink is printed in the length direction of the raised portion, that is, toward the inside of the fabric even after reaching the raised portion that is the printing surface. It penetrates in a direction substantially perpendicular to the printing surface.
[0044]
Then, while penetrating the napped portion, the ink is captured by the ink holding agent attached to all the portions from the hair tip to the base of the napped portion, and the entire napped portion can be dyed uniformly.
In addition, if strong ink jet printing is performed, the ink can reach the ground texture, and the napped portion and the ground texture can be dyed uniformly.
Furthermore, since the low ink retention agent fills the space between the fibers in a net-like pattern in the ground structure, the ink can be prevented from falling through.
[0045]
Next, as for the synthetic fiber which forms a fabric, polyester, polyamide, polyacryl, etc. are mainly mentioned.
As long as the fabric includes one or more kinds of these synthetic fibers, the fabric may be composed only of synthetic fibers, or may be composed of synthetic fibers and other natural fibers or regenerated fibers. .
[0046]
Further, the ratio of the synthetic fiber in the fabric is preferably 50% or more, and more effective if it is 80% or more in order to effectively exhibit the effects of the present invention.
When the ratio of the synthetic fiber is smaller than 50%, the effect of the wettability between the synthetic fiber and the ink holding agent as described above cannot be sufficiently exhibited and dyeing unevenness may occur.
[0047]
As the form of the fabric, a knitted fabric, a woven fabric, a non-woven fabric or the like is adopted, but the present invention is particularly effective for a napped fabric or a stretchable fabric.
Among these, as the raised fabric, specifically, pile fabrics such as moquettes, velvets, and other rarities, raised fabrics obtained by raising, double rassels, and the like are used. Examples thereof include a knitted fabric made of elastic yarn such as polyurethane and PBT, and a knitted fabric made of crimped yarn.
[0048]
As the ink retaining agent, a water-soluble substance that is excellent in safety and stability, is advantageous in terms of cost, is environmentally friendly, and is easy to handle for further work is more preferably used.
In general, a high repellency ink retainer for synthetic fibers is a synthetic polymer, and a low repellency ink retainer is often a natural polymer or a semi-synthetic polymer. The invention is similar.
[0049]
Among them, the ink retention agent having high repellency with respect to the synthetic fiber is more preferably one that easily releases the ink retained at the time of wet heat treatment or the like at the time of fixation, and can be easily transferred to the fiber as much as possible.
For example, an ink holding agent which is a water-soluble polymer having at least one functional group among a hydroxyl group, an amide group and a carbonyl group having high hydrophilicity in the molecule is more effective.
[0050]
Specifically, polyacrylamide, polyacrylic acid ester, acrylic acid acrylamide copolymer, polyacrylic acid, polyvinyl alcohol, polyethylene glycol, polypropylene oxide, oxyethylene oxypropylene copolymer, water-soluble polyester, polyamide, urea resin, Examples thereof include polyurethane and starch-acrylic acid copolymer.
[0051]
Of these, polyacrylamide, polyacrylic acid ester, acrylic acrylamide copolymer, water-soluble polyester, and polyurethane, which are excellent in coating strength, are preferably used. Naturally, the conditions such as the actually used ink and synthetic fiber are taken into consideration. The best one should be chosen.
[0052]
On the other hand, an ink retaining agent having low repellency with respect to synthetic fibers absorbs ink that has not been absorbed by the high repellency ink retaining agent, so that it absorbs ink as much as possible. Those having high absorbability are more preferred.
For this reason, it is more effective if the ink retention agent having low repellency is gelled by hydrogen bonding and easily forms a network structure, for example, an ink retention agent having an amylose chain or cellulose chain in the main chain. is there.
[0053]
Specific examples include starch, guar gum, sodium alginate (natural polymer), methyl cellulose, ethyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, carboxymethyl cellulose, carboxymethyl starch (semi-synthetic polymer) and the like.
[0054]
Among them, carboxymethyl cellulose excellent in gelation is preferable, but in this case as well, the optimum one is naturally selected according to the type of ink and synthetic fiber used.
Further, it is more preferable that the ionicity of the ink retaining agent having high or low repellency is the same as that of the ink or nonionic (nonionic).
[0055]
If the ionicity of the ink retaining agent and the ink is opposite, an ionic bond is formed between the two, and the bond becomes excessively stronger than necessary, so that the ink does not easily transfer to the fibers and prevents dyeing.
Such an ink retaining agent flows down while containing the ink during soaping (washing) after fixing, and generates a large amount of ink that does not contribute to dyeing, and thus significantly reduces the ink dyeing efficiency. Because.
[0056]
Next, the manufacturing method of the fabric for inkjet textile printing of this invention is demonstrated.
First, as a fabric preparation step, a scouring step and, if necessary, a bleaching step are performed, but a normal treatment may be performed.
In addition, the raised fabric is also subjected to a scouring step, a heat setting step, and a raising step as necessary as a preparation step, and the treatment may be performed in accordance with the pretreatment conditions of a normal raised fabric.
[0057]
In addition to the treatment liquid containing the ink retaining agent, a pH adjuster, a surfactant, a leveling agent, a carrier, a thick dye, a penetrating agent, a catalyst, an oil absorbing agent, an antiseptic, Retaining agent, plasticizer, thermosetting resin, crosslinking agent, infrared absorber, ultraviolet absorber, light resistance improver, antioxidant, extender pigment, fluorescent whitening agent, adsorbent, reduction inhibitor, sequestering agent, A treatment liquid containing a bulking agent, a hygroscopic agent, an electrolyte, a fragrance, an antibacterial agent, a deodorant, an insect repellent and the like may be added and adjusted.
[0058]
Furthermore, coloring materials (dyes, pigments, etc.) for dyeing may be added to the treatment liquid in advance.
Examples of the method for applying the treatment liquid include a full-side application method such as an immersion method and a padding method, or a single-side application method such as a screen method, a roller method, a coating method, a spray method, a rotary method, and a laminate method.
[0059]
Application of the treatment liquid to the fabric is performed in the following two steps.
First, the first step is a step of applying a treatment liquid containing a highly slick ink retaining agent to a synthetic fiber.
Any of the above-described application methods may be used, but among these, the padding method (also referred to as the mangled pad method) is capable of applying the treatment liquid to the entire fabric, and can apply up to one fiber. More preferably used.
[0060]
Actually, for example, a treatment liquid containing a highly slick ink retention agent is applied to the fabric by a padding method, and then heat-dried at 100 to 200 ° C. for 1 to 10 minutes to coat the synthetic fiber. The adhering ink holding agent is fixed.
In the case of using the single-side application method, it is preferable to apply the treatment liquid from the printing surface of the fabric so that the highly slick ink retaining agent is reliably applied in the vicinity of the printing surface of the fabric.
[0061]
Next, the second step is a step of applying an ink retaining agent having a lower sag than the non-printing surface of the fabric.
As described above, when the ink retention agent having low repellency is mainly distributed in a portion closer to the non-printing surface than the inside of the fabric, the effect is exerted by preventing the back-through.
Therefore, it is more preferable to apply the treatment liquid containing the low repellency ink retaining agent from the non-printing surface of the fabric and use the single-side application method.
[0062]
Actually, for example, a treatment liquid containing a low swell ink retaining agent is applied to the fabric from the non-printing surface by a single-side application method such as a rotary screen printing method.
Thereafter, the ink is dried by heating at 100 to 200 ° C. for 1 to 10 minutes, and is aggregated between the fibers to fix the ink retaining agent in a net shape.
[0063]
Further, it is preferable to perform the second step after performing the first step in order to reliably coat the fiber with the highly slick ink retaining agent.
Here, FIG. 2 schematically shows an application state of the ink retaining agent to the fibers.
The highly slick ink retaining agent that has penetrated into the fiber (a) of the synthetic fiber entangled inside the fabric in the first step is adhered and fixed so as to cover the fiber (b).
[0064]
Thereafter, the low repellency ink retaining agent applied and permeated in the second step is aggregated between the fibers and fixed in a net shape (c).
Here, in the case of a napped fabric, as described above, it is necessary to prevent the treatment liquid containing the low retention ink retaining agent from penetrating at least to the upper portion of the napped portion (see FIG. 1). Care must be taken when applying the treatment liquid from the non-printing surface in the process.
[0065]
In the treatment liquid application step described above, the viscosity of the treatment liquid is more preferably 10 to 200 cps at which it is easy to uniformly apply the ink retaining agent.
If it is 10 cps or less, the adhesion to the fiber is poor and the amount of the ink holding agent applied is insufficient or migration tends to occur, and if it is 200 cps or more, adhesion unevenness of the applied ink holding agent tends to occur.
[0066]
The ink-jet printing (napped) fabric of the present invention described above is appropriately colored, patterned, etc. by ink-jet printing.
As a means for performing inkjet printing, a charge modulation method, a micro dot method, a charge ejection control method, an ink mist method, a continuous method such as a magnetic ink method, a stem method, a pulse jet method, a bubble jet method, an electrostatic suction method, Examples include an on-demand method such as a dry jet method.
[0067]
After the color, the pattern, etc. are applied, heat treatment is usually performed, and a treatment according to need is performed to obtain a final printed matter.
The heat treatment conditions vary depending on the material of the fabric and the physical properties of the dye, but are usually wet heat treated in the range of 100 to 200 ° C.
[0068]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
The present invention is not limited to these examples.
[0069]
[Example 1]
First, a highly wet pretreatment liquid A1 was prepared according to the following formulation.
PVA205 3 parts
(Kuraray Polyvinyl alcohol; synthetic polymer)
Reactant MS 1 part
(UNI-Chemical and anti-reduction agent)
Malic acid (50% aqueous solution) 0.5 parts
Uniguard E-200N 1 part
(Daiichi Kogyo Pharmaceutical Co., Ltd., light resistance improver)
Water balance
100 copies in total
Viscosity 80cps
Normal 100% polyester double raschel upholstery fabric (knitted fabric) was subjected to normal desizing and scouring.
Next, the pretreatment liquid A1 was applied by a padding method.
Thereafter, the fabric was dried with hot air at 180 ° C. for 3 minutes.
[0070]
Next, a low wet pretreatment liquid B1 was prepared according to the following formulation.
Fine Gum SP-1 3 parts
(Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd., carboxymethylcellulose; semi-synthetic polymer)
Reactant MS 1 part
Malic acid (50% aqueous solution) 0.5 parts
Uniguard E-200N 1 part
Water balance
100 copies in total
The pretreatment liquid B1 was applied by a screen method from the non-printed surface of the fabric.
Thereafter, the fabric was dried with hot air at 180 ° C. for 3 minutes.
[0071]
Next, ink was applied by an inkjet method.
The formulation and conditions are shown below.

[0072]
Inkjet printing conditions
Printing equipment: On-demand serial scanning printing equipment
Nozzle diameter: 50 μm
Drive voltage: 100V
Frequency: 5kHz
Resolution: 360 dpi
Next, wet heat treatment was performed at 180 ° C. for 10 minutes.
[0073]
Thereafter, the film was immersed in a cleaning solution at a bath ratio of 1: 100 under the following conditions, treated at 80 ° C. for 30 minutes, and dried.

[0074]
[Example 2]
A high wet pretreatment liquid A2 was prepared according to the following formulation.
Marposol M-1 5 parts
(Matsumoto Yushi Co., Ltd. polyacrylic acid ester; synthetic polymer)
Reactant MS 1 part
Malic acid (50% aqueous solution) 0.5 parts
Uniguard E-200N 1 part
Water balance
100 copies in total
Viscosity: 50 cps
The same procedure as in Example 1 was used, except that an 80% polyester and 20% cotton knit knitted fabric was used instead of the 100% polyester raised fabric, and the pretreatment liquid A2 was used instead of the pretreatment liquid A1.
[0075]
Example 3
A low wet pretreatment liquid B2 was prepared according to the following formulation.
Cyprogum F500 5 parts
(Starch made by Nissho Chemical Co., Ltd .; natural polymer)
Reactant MS 1 part
Malic acid (50% aqueous solution) 0.5 parts
Uniguard E-200N 1 part
Water balance
100 copies in total
Example 1 was followed except that the pretreatment liquid B2 was used instead of the pretreatment liquid B1.
[0076]
Example 4
Example 1 was followed except that a 100% polyester tricot fabric was used instead of the 100% polyester raised fabric.
[0077]
Example 5
The procedure of Example 1 was followed except that a stretch knitted fabric made of 5% of a cationic dyeable polyester 95% polyurethane was used in place of the 100% polyester raised fabric.
[0078]
[Comparative Example 1]
The treatment was performed in the same manner as in Example 1 except that Marporose M-25 (Methylcellulose; semi-synthetic polymer manufactured by Matsumoto Yushi Co., Ltd.) was used instead of PVA205 (synthetic polymer) as the pretreatment liquid A1.
[0079]
[Comparative Example 2]
The treatment was performed in the same manner as in Example 1 except that the step of applying the pretreatment liquid A1 was omitted.
[0080]
〔Evaluation methods〕
(1) Penetrance The penetrability of the ink was measured with an optical microscope, and the penetrability was determined by the following equation.
Penetration degree = ink penetration distance / fabric thickness (pile length) × 100
Here, the larger the number, the higher the penetration.
(2) Density The reflectance of the staining density on the surface was measured using SPECTROTOPOMETER (CM-1000R) manufactured by MINOLTA, and the K / S value was determined.
Here, the larger the number, the higher the concentration.
(3) Back surface contamination degree The degree of contamination on the back surface of the fabric was visually evaluated.

(4) Feeling of level dyeing The feeling of irritation of the fabric was visually evaluated.

(5) Opening The open state of the fabric was evaluated visually.

[0081]
[Table 1]

[0082]
〔Evaluation results〕
From the results shown in Table 1, when a high wetting ink retaining agent is applied to the printed surface of the fabric and a low wetting ink retaining agent is applied to the non-printing surface, the penetrability, concentration, back surface contamination, leveling property It was found that a high-quality fabric excellent in prevention of blinding can be obtained.
[0083]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to solve the contradictory problem of suppressing ink bleeding, which has been a problem in ink jet textile printing on fabrics, and penetrating the ink into the fabric, at once. Therefore, it is possible to accurately prevent the show-through.
[0084]
This effect is significant in stretchable fabrics and raised fabrics.
Since the ink penetrates sufficiently into the fabric, it is possible to process deeper images, such as clothing such as swimsuits and T-shirts, industrial materials such as automobile interior materials, and interior materials such as tapestry, carpets, and chairs. The application of can be expected.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a fabric for ink jet printing according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic view showing an application state of an ink retaining agent to fibers near the non-printing surface.
[Explanation of symbols]
1 ... Fabric
2 ... fiber
3 ... High retention ink retainer for synthetic fibers
4 ... Ink retainer with low repellency against synthetic fibers
A: A portion to which a highly slick ink retaining agent is applied to a synthetic fiber
B: A portion where a high repellency and low repellency ink retaining agent is applied to the synthetic fiber

Claims

A method for producing a fabric for ink jet printing comprising a synthetic fiber or a fiber containing a synthetic fiber, the step of applying a treatment liquid containing a highly wet ink retaining agent to the synthetic fiber and infiltrating the synthetic fiber; A method for producing a fabric for ink jet printing, comprising a step of applying and infiltrating a treatment liquid containing an ink retaining agent having low repellency to a synthetic fiber from a printing surface.

A method for manufacturing a fabric for ink jet printing comprising a synthetic fiber or a fiber containing a synthetic fiber and having a napped portion and a ground texture, wherein the napped fiber is formed by applying a treatment liquid containing a highly wet ink retaining agent to the synthetic fiber. And a step of infiltrating into the ground texture, and then a step of applying a treatment liquid containing a low swell ink retention agent to the synthetic fiber from the non-printing surface and penetrating into the ground texture. A method for producing an inkjet textile fabric.

Treatment liquid containing a high wettability of the ink holding agent to the synthetic fibers, the manufacturing method of the ink-jet printing cloth according to claim 1, wherein the imparted by padding method.

Treatment liquid containing a low wettability of the ink holding agent to the synthetic fibers, the manufacturing method of the ink-jet printing cloth according to claim 1, wherein the applied from the non-printing surface of the fabric by one-sided applying method.

Treatment liquid containing a high wettability of the ink holding agent to the synthetic fibers, the manufacturing method of the ink-jet printing cloth according to claim 1, wherein the viscosity is characterized by using those 10～200Cps.