JP3969947B2 - 真空排気システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体製造工程で用いられる真空排気システムに関し、特に、真空処理室等から比較的大流量のガスを排気することができる真空排気システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体製造装置や液晶製造装置は、一般的に、例えば、エッチングやCVD処理等を行なう装置である真空チャンバと、真空チャンバ内からプロセスガスを排気し、且つ、真空チャンバを所望の圧力に減圧する真空ポンプから構成されている。真空ポンプとしては、中真空領域の到達圧力を有する、ルーツ型真空ポンプ等が一般的に用いられているが、更に高い真空度が求められる場合には、ターボ分子ポンプ等のターボ型真空ポンプをメインポンプとし、ルーツ型ドライポンプ等、中真空領域を到達圧力とする真空ポンプを補助ポンプとしてメインポンプの後流側に設置し、メインポンプ背圧を補助ポンプで許容背圧以下に排気することが広く行われている。このメインポンプと補助ポンプは、配管で接続され、この配管内に必要な弁装置が配置されている。ここでいうターボ型真空ポンプとしては、到達圧力が超高真空領域であり、大気圧への排気が不可であるターボ分子ポンプやモレキュラードラッグポンプがある。
【0003】
補助ポンプは、メインポンプの近傍に配置するのが通常であるが、場合によってはこれから離れた場所や、異なる階に設置する。補助ポンプ排気速度(L/min)については、メインポンプの排気速度(L/sec)と補助ポンプの排気速度((L/min)の比が0.2〜1.0程度のものが現在一般的に選定されており、補助ポンプは比較的大型で高コストである。
【0004】
メインポンプと補助ポンプの間を連絡する配管の径は、補助ポンプが装置ユニットから離れた場所や異なる階に設置されている場合であって配管長が長い場合は、通常、内径φ40mm以上の太い配管が用いられている。補助ポンプが装置ユニットの近傍に有って配管長が短い場合でも、内径φ25mm以上の配管が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような真空排気システムにおいて、配管径と補助ポンプの性能(特に、排気速度)は、プロセスガス流量、配管長、メインポンプの許容背圧を考慮して決定する。しかしながら、一般的に、メインポンプの許容背圧とは、その背圧条件で連続運転(警報の出力がなく、定格回転数を維持)が可能であることを意味しているだけである。例えば、メインポンプとして広域型ターボ分子ポンプを考えた場合、実際には、図6を参照して後述するように、背圧が許容背圧に到達する前に、低背圧時の排気性能を維持できなくなってしまう。
【0006】
従って、ポンプを実際の半導体製造装置や液晶製造装置で使う場合は、排気性能を十分発揮することができるように、許容背圧に対して十分なマージンを取らなければならず、その結果、配管径は大きくなってしまう。
【0007】
しかしながら、このような大径の配管を用いた排気系においては、特に配管長が長い場合に、配管自体がクリーンルーム内の高価なスペースを占有してしまい、工場設備コストを上昇させるという課題が有る。さらに、従来の大径配管の場合は、図21(b)に示すように、予め現場に合わせた長さの直管4a,4aと屈曲部Bを構成するエルボー4bを用意し、これを溶接していたが、これにはエルボー4b等の部品が必要になって、調達やハンドリングコストが嵩み、さらに、事前に現地の調査が必要であり、溶接による施工作業自体の他に多くの作業費がかかっていた。大径の場合には、ベンダーのような曲げ工具は使用できず、できた場合でも強度的な問題が生じる。これは、現合配管にフレキシブルチューブを用いる場合も同様である。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、全体としての省スペース化、及び配管施工作業の簡略化等を通してコストダウンを図ることができる真空排気システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、真空チャンバと、該真空チャンバにガスを導入する手段と、前記真空チャンバを排気して該真空チャンバの圧力を所望の圧力に減圧するメインポンプと、前記メインポンプの後流側に設置される補助ポンプと、前記メインポンプと前記補助ポンプを接続する配管を備え、前記メインポンプと補助ポンプを接続する配管としての連絡配管の外径は1/2inch(12.7mm)以下であり、前記連絡配管の長さと前記補助ポンプの能力は、前記メインポンプ背圧が5Torr以上になるように組み合わせられており、前記連絡配管には、配管昇温用のヒータまたは生成物除去用トラップが設けられていることを特徴とする真空排気システムである。
【0010】
以下に、この発明の概念を構成するに至る経過を説明する。連絡配管の前後における圧力と配管径及び長さの関係は、連絡配管を直管として扱うと、一般的に、次式(1)で表される。
【数1】
Figure 0003969947
Q :真空チャンバに導入されるガスの流量(Pa・m/S)
D :配管内径(m)
L :配管長(m)
:メインポンプ背圧 (Pa)
:補助ポンプ吸気口圧力(Pa)
補助ポンプ排気速度S(m/s)とすると、P=Q/S
η :真空チャンバに導入されるガスの粘性係数(Pa・S)
【0011】
真空処理室において、8inchのウエハをエッチングする場合を想定し、ガス流量条件をNガスを最大流量として流す場合、式(1)により計算されるメインポンプ背圧は、設置条件を考慮して配管長を設定した場合、従来の内径が25mm又は40mmの場合には表1に示すようになる。この場合、メインポンプの許容背圧は、2.0Torr以上あれば充分である。
【0012】
【表1】
Figure 0003969947
【0013】
一方、同じ条件に対して配管内径を現合が可能なφ10mmに小径化した場合の計算結果を表2に示す。ここで、現合配管とは、例えば、ベンダー等の配管用の曲げ工具を用い、装置が設置されている、あるいは設置される現地で配管を曲げて施工する配管方法を指す。例えば、図20に示すように、真空排気システムのうちメインポンプ3までを上階に設置し、補助ポンプ5を階下に設置する場合、図21(a)に示すように、屈曲部Bをベンダー等の曲げ工具で曲げて施工する。このような加工は、同一階に配置する場合でも、ほとんどの場合に必要である。なお、現合配管の方法として、連絡配管の外径が1/2inch(12.7mm)以下である場合には、フレキシブルチューブを用いることもできる。
【0014】
【表2】
Figure 0003969947
【0015】
表2の結果より、補助ポンプが装置から配管長2mの近傍に設置されている場合に、配管を内径φ10mm以下に小径化するには約5Torrの許容背圧を有するメインポンプが必要になる。また、補助ポンプが同一階で装置から離れた場所に設置されており、あるいは階上階下に設置されていて、それぞれ配管長が5m及び20mの場合に、配管を内径φ10mm以下に小径化するには、それぞれ、約7Torr、15Torrの許容背圧を有するメインポンプが必要になることが分かる。
【0016】
本発明は、このような認識に基づき、配管径を現合可能な小径とした配管経路と、その場合に想定される必要背圧を維持して運転できるような真空ポンプとを組み合わせた構成とした。
【0019】
請求項に記載の発明は、前記メインポンプは、回転翼と固定翼が交互に配置された翼排気部を有し、前記翼排気部の少なくとも一部は、前記回転翼又は固定翼の互いに対向する面の少なくとも一方に凹凸が形成された径方向翼排気部として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空排気システムである。
【0020】
このような新たなタイプのターボ型真空ポンプを用いることにより、比較的高い背圧条件でも安定な排気動作を行なうことができる。メインポンプを、前記翼排気部に加えてねじ溝排気部を設けた広域型としてもよい。
【0021】
メインポンプに、吸気口を開閉自在に覆う弁体と、該弁体を開閉駆動する弁駆動機構とを一体に設けてもよい。これにより、一つの弁装置で開閉弁(ゲートバルブ)と開度調整弁(APCバルブ)を兼用することができるので、チャンバ回りの排気系をコンパクトに構成することができる。
【0022】
メインポンプと補助ポンプをつなぐ配管部の任意位置に配管昇温用のヒータを設けてもよい。本発明の真空排気システムでは、メインポンプと補助ポンプ間の圧力が従来の真空排気システムに比べて高いため、排気ガスがメインポンプと補助ポンプ間に固形生成物として堆積しやすい。そこで、配管の閉塞等を防ぐために、配管温度を排気ガスの飽和蒸気圧温度以上に高めることが有効である。
【0023】
同様に、メインポンプと補助ポンプ間に生成物除去用の冷却トラップもしくは加熱型トラップの少なくとも一方を設けてもよい。これにより、排気ガスが固形生成物として配管に堆積する前に、強制的に冷却して固化させ、もしくは熱化学反応を起こさせて別物質にした後に除去することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照して、本発明が適用される真空排気システムを説明する。このシステムは、例えば、エッチングやCVD処理を行なうための真空チャンバ1と、真空チャンバ1内から配管2を介してプロセスガスを排気し、且つ、真空チャンバ1を所望の圧力に減圧するメインポンプ(ターボ型真空ポンプ)3と、メインポンプ3の後流側に連絡配管4を介して設置され、背圧を許容背圧以下に排気するための補助ポンプ5と、これらの配管2,4に配置された流量調整弁6、開閉弁7,8を有している。
【0025】
メインポンプ3と補助ポンプ5を連絡する連絡配管4は外径1/2inch以下となっており、その配管長さLは約2mである。このように、配管外径が小さいので、配管が占有するスペースが小さく、高価なクリーンルーム内の空間を有効利用することができる。また、配管外径が小さいので現合配管が可能であり、設備コストも大幅に低減することができる。
【0026】
このターボ型真空ポンプ3の許容背圧は少なくとも5Torrである。このターボ型真空ポンプ3は、図2に示すように、筒状のポンプケーシング10の内部にロータ(回転部)Rとステータ(固定部)Sが収容され、これらの間に軸方向翼排気部L及び径方向翼排気部Lが構成されている。ポンプケーシング10の上下端部にはフランジ12a,12bが形成され、上部フランジ12aには排気すべき真空チャンバ1から延びる配管2が接続されている。
【0027】
ステータSは、ポンプケーシング10の下部を覆うように下部フランジ12bに接合される基部14と、その中央に立設された筒状の固定筒状部16と、軸方向翼排気部L及び径方向翼排気部Lの固定側部分とを備え、基部14には排気口17が形成されている。また、ロータRは、固定筒状部16の内部に挿入された主軸18と、それに取り付けられた回転筒状部20を有している。
【0028】
主軸18の外周面と固定筒状部16の内周面には、ロータRを回転する駆動用モータ22と、ロータRを非接触で支持する上部ラジアル軸受24、下部ラジアル軸受26及びアキシャル軸受28が設けられている。アキシャル軸受28は主軸18の下端のターゲットディスク28aと、ステータS側の上下の電磁石28bを有している。このような構成によって、ロータRは5軸の能動制御を受けながら高速回転するようになっている。固定筒状部16の上下2ヶ所には、タッチダウン軸受29a,29bが形成されている。
【0029】
軸方向翼排気部Lの回転筒状部20の上部外周には円盤状の回転翼30が一体に形成され、ポンプケーシング10の内面には、固定翼32が回転翼30と交互に配置されて設けられている。各固定翼32は、その縁部を固定翼スペーサ34で上下から押さえられて固定されている。回転翼30には、内周部のハブ30aと外周部のフレーム30bの間に径方向に延びる傾斜した羽根(図示略)が放射状に設けられており、これの高速回転によって気体分子に軸方向の衝撃を与えて排気を行なうようになっている。
【0030】
径方向翼排気部Lは、軸方向翼排気部Lの下流側つまり下方に設けられており、軸方向翼排気部Lとほぼ同様に、回転筒状部20の外周に円盤状の回転翼36が一体に形成され、ポンプケーシング10の内面には、固定翼38が回転翼36と交互に配置されて設けられている。各固定翼38は、その縁部を固定翼スペーサ40で上下から押さえられて固定されている。
【0031】
固定翼38はそれぞれ中空の円板状に形成されており、図3に示すように、その表裏面に、中央の穴42と周縁部44の間に渡って螺旋状(渦巻状)の突条46が設けられ、それら突条46の間に溝48が形成されている。各固定翼38の表の面すなわち上側の面の螺旋状突条46は、図3(a)に矢印Aで示す回転翼36の回転に伴い、気体分子が、実線の矢印Bで示すように内側に向かって流れるように形成されており、一方、各固定翼38の裏の面すなわち下側の面の螺旋状突条46は、回転翼36の回転に伴い、気体分子が、破線の矢印Cで示すように外側に向かって流れるように形成されている。このような固定翼38は、通常半割体として形成し、これを回転翼36と交互になるように固定翼スペーサ40を介して組み上げてからケーシング10内に挿入する。
【0032】
上記のような構成によって、この実施の形態のターボ型真空ポンプでは、径方向翼排気部Lにおいて、軸方向の短いスパンの間に固定翼38と回転翼36の間をジグザグに上から下へ向かって進む長い排気経路が構成される。従って、全体として軸方向の長さを大きくすることなく、高い排気・圧縮性能を有するようなターボ型真空ポンプが提供される。
【0033】
以下、このようなターボ型真空ポンプをメインポンプ3として用いた真空排気システムの性能を、図4を参照しつつ説明する。ここでは、許容背圧が3.0Torr以下であるような従来の真空ポンプを用いた従来の真空排気システムと比較して説明する。図中、▲1▼がある条件(P,D,η,Q)に対する従来の真空排気システムの構成曲線である。従来の構成範囲は曲線の右側(下側)領域の組み合わせになる。ここで、配管内径をD(φ25mm以上)からD′(φ10mm以下)に小径化すると、▲2▼従来の真空排気システムの配管長Lのリミットは短くなって図の下側に下がり(図中▲3▼)、真空排気システムの構成領域はさらに狭まる。
【0034】
ここで、▲4▼は、同じ条件(P′(5.0Torr以上),D′(φ10mm以下),η,Q)に対する許容背圧がP′(5.0Torr以上)であるような真空ポンプをメインポンプ3とした本発明の真空排気システムの構成曲線であり、構成範囲は曲線の右側(下側)領域になる。このように、このターボ型真空ポンプを用いれば、従来の真空排気システムに比べてメインポンプの許容背圧が高いため、配管長Lを長く、また、補助ポンプ5の排気速度Sを小さくすることができる(図中▲6▼→▲7▼へ)。
【0035】
また、図5に示すように、上記のターボ型真空ポンプにおいては、背圧が15Torrの場合であっても、排気速度、到達真空度等の性能を維持しつつ運転することができる。これに対して、許容背圧が3.0Torrであるような従来のターボ分子ポンプでは、図6に示すように、背圧が3.0Torrの場合は、0.3Torrの場合に比べて排気速度が大きく低下してしまい、実用性が無い。
【0036】
特に、補助ポンプ排気速度Sの小さい領域の真空排気システム構成にすれば、上記配管径の小径化と合わせ、真空排気システムのコストダウンと省スペース化を達成することができる。また、その他のメリットとして、補助ポンプ5を小型化することにより、補助ポンプ5を階下等の離れたユーティリティ用のスペースに設置せず、装置ユニットの傍、または、メインポンプ3の傍(装置ユニット内)に設置することができ、図7に示すように、比較的狭い設置床9内に配置することができ、排気系の大幅な省スペース化あるいは、ユニット化を図ることができる。
【0037】
図8に示すのは、この発明の真空排気システムのメインポンプ3に用いることができる他の実施の形態のターボ型真空ポンプであり、ここでは螺旋状の突条50がロータ側に形成されている。すなわち、回転翼36表裏面の外縁部に形成されており、その間に螺旋状の溝52が形成され、固定翼38の表面は平坦に形成されている。各回転翼36の表の面すなわち上側の面の螺旋状突条50は、図8(a)に矢印Aで示す回転翼の回転に伴い、気体分子が、実線の矢印Bで示すように外側に向かって流れるように形成されており、一方、各回転翼36の裏の面すなわち下側の面の螺旋状突条50は、回転翼36の回転に伴い、気体分子が、破線の矢印Cで示すように内側に向かって流れるように形成されている。
【0038】
この実施の形態においても、先の場合と同様に、径方向翼排気部Lでは、図2の軸線を含む断面において、固定翼38と回転翼36の間をジグザグに上から下へ向かって進む長い排気経路が構成され、従って、全体として軸方向の長さを大きくすることなく、高い排気・圧縮性能を有するようなターボ型真空ポンプが提供される。
【0039】
このターボ型真空ポンプを従来のねじ溝排気部を有する広域型のターボ分子ポンプと比較すると、以下のような利点が有る。すなわち、従来のねじ溝排気部には、クリアランスがロータとステータの間に半径方向に形成されており、ロータ回転時の弾性変形、ロータ昇温時の熱変形、さらにはロータの高温での連続運転によるクリープ変形に伴って変化しやすいので、安定した性能を得ることが難しい。これに対して、この実施の形態のターボ型真空ポンプにおける径方向翼排気部Lにおいては、クリアランスは2枚のディスクの間に軸方向に形成されており、シャフト及びケーシングは、弾性負荷や温度変化を受けにくい。従って、弾性変形、熱変形、クリープ変形を起こしても、クリアランスが変化しにくい。従って、安定な性能を維持することができ、また、過負荷運転に対する耐久性に優れている。
【0040】
図9は、図2に示すターボ型真空ポンプの変形例を示すもので、この真空ポンプは、吸気口を開閉自在に覆う弁体62と、該弁体62を開閉駆動する弁駆動機構64とを有しており、弁駆動機構64はポンプ本体と一体に設けられている。この弁装置は、開度の調整が可能であり、一つの弁装置で開閉弁(ゲートバルブ)と開度調整弁(APCバルブ)を兼用することができる。このように、弁装置を一体化し、さらに開度調整弁を兼用することで、チャンバ回りの排気系をよりコンパクトに構成することができる。
【0041】
図10ないし図12はターボ型真空ポンプの他の実施の形態を示すもので、図10は、軸方向翼排気部Lと径方向翼排気部Lの間にねじ溝排気部Lを設けた3段の排気構成としたものである。すなわち、回転筒状部20の中段部分の外周面にねじ溝54aを有するねじ溝部54が形成され、ステータ側のこれに対向する箇所にはねじ溝排気部スペーサ56が設けられ、これによりロータの高速回転で気体分子をドラッグしながら排気するようになっている。図11は、ねじ溝排気部Lを径方向翼排気部Lの下流側に設けたものである。
【0042】
図12も、ねじ溝排気部Lを径方向翼排気部Lの下流側に設けた実施の形態である。このねじ溝排気部Lは径方向翼排気部Lを構成する回転筒状部20の裏面側に設けられている。すなわち、回転筒状部20の径方向翼排気部Lに対応する箇所の内側には、ステータSの固定筒状部16の外面との間に隙間が形成されており、ここに、外面にねじ溝54aが形成されたねじ溝排気部スリーブ58が挿入されている。ねじ溝排気部スリーブ58は下部のフランジ体58aを介して基部14の上に固定されている。
【0043】
このねじ溝54aは、ロータRの回転によるドラッグ作用により気体分子を下から上に向かって排気するように形成されている。これにより、径方向翼排気部Lの最下段から回転筒状部20とねじ溝排気部スリーブ58の間を上昇し、さらにねじ溝排気部スリーブ58と固定筒状部16の間の隙間を下降して排気口17に至る流路が形成される。この実施の形態によれば、径方向翼排気部Lとねじ溝排気部Lを軸方向に重複するように設けたことにより、全体として軸方向の長さを大きくすることなく、さらに高い排気・圧縮性能を有するようなターボ型真空ポンプが提供される。
【0044】
図13は、ターボ型真空ポンプの他の実施の形態を示すもので、軸方向翼排気部を設けておらず、全段が径方向翼排気部L2から構成されている多段式のターボ型真空ポンプを示すものである。この実施の形態は、上述の軸方向翼排気部との組み合わせのタイプに比べ、通常のターボ分子ポンプが用いられる分子流領域よりも圧力が高い領域において高流量を圧送することができるという効果を発揮する。
【0045】
図14は、図13の実施の形態の後段にねじ溝排気部Lを設けたもので、ここでは、回転筒状部20と固定筒状部16の間に溝排気部スリーブ(第2の固定筒状部)60を設け、この第2の固定筒状部の外面に螺旋状の突条60aを形成して、回転筒状部20と溝排気部スリーブ60の間にねじ溝排気部Lを形成している。これにより、軸方向に往復する排気流路を形成して、コンパクトでかつ高排気量を得られるポンプを構成することができる。
【0046】
図15は、この発明のさらに他の実施の形態のターボ型真空ポンプを示すもので、前段に、ねじ溝54aを有する筒状のねじ溝部54を有する溝排気部Lを設け、後段に径方向翼排気部Lを設けたものである。この実施の形態においては、図2に示す軸方向翼排気部Lと径方向翼排気部Lとの組み合わせに比較して、以下のような効果を奏する。すなわち、軸方向排気部は、分子流領域でより性能を発揮するのに対し、軸方向ねじ溝排気部は約1〜1000Paの圧力領域において有効に作用するので、より大気に近い粘性流領域での稼動が可能となる。
【0047】
なお、上記においては、径方向翼排気部Lは、図16Aに示すように固定翼38及び回転翼36の一方に所定形状の凹凸46,50を形成しているが、図16B〜D、図17A〜Eに示すように、凹凸46,50を固定翼38及び回転翼36の対向する面の少なくとも一方に適宜に配置してよく、また、そのような配置を径方向翼排気部Lの各段で変化させて適用してよい。
【0048】
図18は、この発明の実施の形態を示すもので、メインポンプ3と補助ポンプ5をつなぐ配管部の、開閉弁8を含む任意位置に配管昇温用のヒータ66を設けている。本発明の真空排気システムはメインポンプ3と補助ポンプ5間の圧力が従来の真空排気システムに比べ高いため、排気ガスがメインポンプ3と補助ポンプ5間に固形生成物として堆積しやすく、これにより、配管を閉塞させるような事態が生じやすい。これを防ぐために、ヒータを設け、配管温度を排気ガスの飽和蒸気圧温度以上に高めている。
【0049】
図19は、この発明の他の実施の形態を示すもので、メインポンプ3と補助ポンプ5間の配管4に生成物除去用トラップ68を設けたものである。これは、冷却トラップ68もしくは加熱型トラップの少なくとも一方であればよい。これにより、排気ガス中の固化しやすい成分が、固形生成物として配管に堆積する前に、強制的に冷却し、もしくは熱化学反応を起こさせて別物質にした後、除去することができる。
【0050】
なお、上記では、メインポンプ3と補助ポンプ5間の配管サイズを外径φ1/2inch以下としているが、メインポンプ3の排気口径、補助ポンプ5の吸気口径、その他メインポンプ3と補助ポンプ5間の真空部品のサイズにより、外径φ1/2inchよりも太い配管部が存在してもよく、あくまでメインの配管径が外径φ1/2inch以下であれば構わない。
【0051】
図20は、この発明が適用される他の真空排気システムを示すもので、この真空排気システムでは、真空チャンバ1からメインポンプ3までを上階に設置し、補助ポンプ5を階下に設置している。メインポンプ3と補助ポンプ5を連絡する連絡配管4は外径φ1/2inch以下となっており、その配管長さLは約20mである。連絡配管4は1つの屈曲部Bを有しており、これはベンダー等の曲げ工具で曲げて施工されている。この場合には、メインポンプ3の許容背圧は約15.0Torrである。
【0052】
なお、補助ポンプ5としては、一般的に油回転ポンプ、ドライ真空ポンプが使用される。ドライ真空ポンプとしては、ルーツ型真空ポンプ、スクリュー型真空ポンプ、クロー型真空ポンプ、スクロール型真空ポンプ、ねじ溝型真空ポンプ、ピストン型真空ポンプ、ダイヤフラム型真空ポンプが有る。補助ポンプ5の小型化を促進する対策としては、特に、ピストン型真空ポンプ、ダイヤフラム型真空ポンプは構造がシンプルで、ポンプサイズを非常に小型化することが可能である。
【0053】
また、各図において、メインポンプと補助ポンプは1対1の組み合わせになっているが、補助ポンプに対し複数のメインポンプが組み合わされていても構わない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、排気系を、施工時に配管どうしを現合することが可能な小径配管の配管経路と、その場合に想定される必要背圧を維持して運転できるような真空ポンプとを組み合わて構成し、配管自体が占めるのスペースの減少及び施工作業の簡略化を図り、真空排気システムの全体としてののコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明が適用される真空排気システムの全体構成と配置を示す図である。
【図2】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプの1つの実施の形態を示す断面図である。
【図3】 (a)図2の要部を示す図、(b)その断面図である。
【図4】 この発明の真空排気システムの性能を従来例と比較して示すグラフである。
【図5】 この発明の真空排気システムの排気速度線図である。
【図6】 従来の真空排気システムの排気速度線図である。
【図7】 この発明が適用される他の真空排気システムを示す図である。
【図8】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプの他の実施の形態の、(a)要部を示す図、(b)その断面図である。
【図9】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプのさらに他の実施の形態の断面図である。
【図10】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプのさらに他の実施の形態の断面図である。
【図11】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプのさらに他の実施の形態の断面図である。
【図12】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプのさらに他の実施の形態の断面図である。
【図13】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプのさらに他の実施の形態の断面図である。
【図14】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプのさらに他の実施の形態の断面図である。
【図15】 この発明の真空排気システムに用いるターボ型真空ポンプのさらに他の実施の形態の断面図である。
【図16】 A〜Dは、本発明のターボ分子ポンプの凹凸の付け方の変形例を示す断面図である。
【図17】 A〜Eは、本発明のターボ分子ポンプの凹凸の付け方の他の変形例を示す断面図である。
【図18】 この発明の真空排気システムの実施の形態を示す図である。
【図19】 この発明の真空排気システムの他の実施の形態を示す図である。
【図20】 この発明が適用される更に他の真空排気システムを示す図である。
【図21】 配管の屈曲部を拡大して示す図であり、(a)は本発明の場合、(b)は従来の場合を示す。
【符号の説明】
1 真空チャンバ
2 配管
3 メインポンプ
4 連絡配管
5 補助ポンプ
6 流量調整弁
7,8 開閉弁
9 設置床
10 ポンプケーシング
12a,12b フランジ
14 基部
16 固定筒状部
17 排気口
18 主軸
20 回転筒状部
22 駆動用モータ
24 上部ラジアル軸受
26 下部ラジアル軸受
28 アキシャル軸受
28a ターゲットディスク
28b 電磁石
29a,29b タッチダウン軸受
30 回転翼
30a ハブ
30b フレーム
32 固定翼
34 固定翼スペーサ
36 回転翼
38 固定翼
40 固定翼スペーサ
42 穴
44 周縁部
46 突条
48 溝
50 突条
52 溝
54a 溝
54 溝部
56 溝排気部スペーサ
58 溝排気部スリーブ
58a フランジ体
60 溝排気部スリーブ
60a 突条
62 弁体
64 弁駆動機構
66 ヒータ
68 トラップ
軸方向翼排気部
径方向翼排気部
溝排気部
B 屈曲部
R ロータ
S ステータ

Claims (2)

  1. 真空チャンバと、
    該真空チャンバにガスを導入する手段と、
    前記真空チャンバを排気して該真空チャンバの圧力を所望の圧力に減圧するメインポンプと、
    前記メインポンプの後流側に設置される補助ポンプと、
    前記メインポンプと前記補助ポンプを接続する配管を備え、
    前記メインポンプと補助ポンプを接続する配管としての連絡配管の外径は1/2inch(12.7mm)以下であり、
    前記連絡配管の長さと前記補助ポンプの能力は、前記メインポンプ背圧が5Torr以上になるように組み合わせられており、
    前記連絡配管には、配管昇温用のヒータまたは生成物除去用トラップが設けられていることを特徴とする真空排気システム。
  2. 前記メインポンプは、回転翼と固定翼が交互に配置された翼排気部を有し、前記翼排気部の少なくとも一部は、前記回転翼又は固定翼の互いに対向する面の少なくとも一方に凹凸が形成された径方向翼排気部として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空排気システム。
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