JP3969116B2 - 光伝送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信技術分野における光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
高速データ伝送信号(例えば、SDH/SONET伝送信号)を使った光伝送システムでは、標準伝送レート{9.9Gb/s:毎秒9.9Gbitの信号伝送(155.52 MHz×64倍)/2.5Gb/s(155.52 MHz×16倍)}と、更に伝送条件が厳しい場合に適用される誤り訂正(FEC:Forward Error Collection)対応の伝送レート(10.7Gb/s(標準レートの15/14倍の冗長bit付加)〜12.5Gb/s / 2.7Gb/s)が使用されている。
【0003】
一般には、個々の伝送レートに対応した光送信器(TX)、光受信器(RX)を使用したり、TX、RXに品種の数を少なくして、高速なFECレートに対応したTX、RXを標準レートに使用してコストを下げる対応をしている。
【0004】
ところが、FEC対応のRXを標準レートでの伝送に使用する場合、光を電気信号に変換した後の信号通過帯域が広いため、ノイズ雑音特性が劣化してしまう。このため、伝送特性において重要なパラメータである、電気信号(Signal)と雑音(Noise)の関係を表すSN比を劣化させてしまう。一般に、SN比特性は伝送距離に影響を与えるため、FEC対応で標準レートを伝送する際は、個々の伝送レートに対応したTX、RXを使った場合よりも伝送距離が短くなってしまうという問題点があり、コスト面と性能面の両立が困難となっている。
【0005】
このような課題について、RXにおいて電圧制御により帯域調整が可能な前置増幅器を用いて、RXの帯域調整を行う技術が特開2001−53565号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報では、伝送レートを検出し制御する装置については言及されておらず、当該公報に記載の技術では、帯域調整を行うにあたり、伝送レートの検出・制御装置が別に必要となり、装置サイズの小型化や装置コストの低減を図ることが困難となる。また、複数の検出・制御回路を使用するため、高速な制御が難しかった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、自動的に伝送レートを判別して当該伝送レートに応じた適正な帯域調整を行うことができる光伝送システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る光伝送システムは、伝送される主信号と当該主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号とを重畳し重畳後の信号を送信する機能を備えた光送信器と、前記光送信器からの前記重畳後の信号を受信する光受信器とを含んで構成された光伝送システムであって、前記光受信器は、第一の端子および第二の端子を有し、前記重畳後の信号を電気信号に変換する受光素子と、前記受光素子の前記第一の端子に接続され、前記重畳後の信号から前記制御監視信号を抽出する抽出手段と、抽出により得られた前記制御監視信号に基づいて前記主信号の伝送レートを判別する判別手段と、判別で得られた主信号の伝送レートに応じて制御信号を出力する出力手段と、前記受光素子の前記第二の端子に入力端子が接続され、前記制御信号に基づき帯域および利得が調整されるトランスインピーダンスアンプと、を含み、前記トランスインピーダンスアンプには、前記入力端子と出力端子との間に抵抗とPINダイオードとが互いに並列に接続されており、前記制御信号が、前記PINダイオードのバイアス電圧を前記トランスインピーダンスアンプの出力側で制御することによって、前記トランスインピーダンスアンプの帯域および利得を調整する、ことを特徴とする。
【0009】
この光伝送システムは、光送信器と光受信器とを含んで構成されており、光送信器は伝送される主信号と当該主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号とを重畳し重畳後の信号を送信する機能を備えている。この光伝送システムにおいて光送信器が、主信号と制御監視信号とを重畳し重畳後の信号を送信すると、光受信器では、第一の端子および第二の端子を有する受光素子が上記重畳後の信号を電気信号に変換し、受光素子の第一の端子に接続された抽出手段が重畳後の信号から制御監視信号を抽出し、判別手段が、抽出により得られた制御監視信号に設定された伝送レート情報より、主信号の伝送レートを判別する。そして、出力手段が、判別で得られた主信号の伝送レートに応じて主信号の帯域調整を行うための制御信号を出力すると、受光素子の第二の端子に入力端子が接続されたトランスインピーダンスアンプは上記制御信号に基づき帯域および利得が調整される。このトランスインピーダンスアンプには、入力端子と出力端子との間に抵抗とPINダイオードとが互いに並列に接続されている。上記制御信号は、PINダイオードのバイアス電圧をトランスインピーダンスアンプの出力側で制御することによって、トランスインピーダンスアンプの帯域および利得を調整する。
【0010】
このように、主信号と当該主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号とを重畳した信号を光送信器から送信し、光受信器において、重畳後の信号から制御監視信号を抽出し、当該制御監視信号から主信号の伝送レートを判別し、判別で得られた主信号の伝送レートに応じて主信号の帯域調整を行う構成としたので、自動的に伝送レートを判別することができるとともに、当該伝送レートに応じた適正な帯域調整を行うことができる。
【0011】
なお、主信号と制御監視信号とを重畳して送信する技術自体は、例えば、後述の波長多重伝送システム等で実績がある技術であり、この制御監視信号に主信号の伝送レート情報を設定することで比較的簡単な構成で実現することができる、という利点もある。
【0012】
より具体的には、上記光伝送システムは、出力手段が、制御信号として、主信号の伝送レートに応じた帯域調整用の設定電圧信号を上記トランスインピーダンスアンプと抵抗とPINダイオードとを含んで構成された例えば帯域調整手段に出力することができる。トランスインピーダンスアンプには例えば上記主信号が入力されることができる。PINダイオードは、トランスインピーダンスアンプの帰還抵抗として設けられていてもよく、上記設定電圧信号に応じた電流が流れるように構成されていてもよい。
【0013】
即ち、出力手段が、主信号の伝送レートに応じた帯域調整用の設定電圧信号を帯域調整手段に出力すると、PINダイオードには上記設定電圧信号に応じた電流が流れる。また、PINダイオードの高周波抵抗値は、図3に示すように、流れる電流との間に線形な関係(一次式で表される関係)があることが知られている。よって、設定電圧信号を調整することでPINダイオードに流れる電流値を調整し、当該PINダイオードの高周波抵抗値を調整することができる。
【0014】
従って、このPINダイオードは、主信号が入力されるトランスインピーダンスアンプの帰還抵抗として設けられていることから、主信号の伝送レートに応じて設定電圧信号を調整することで、PINダイオードの高周波抵抗値、即ち、トランスインピーダンスアンプの帰還抵抗値を調整することができ、当該トランスインピーダンスアンプの帯域を主信号の伝送レートに応じて適切に調整することができる。
【0015】
ところで、上記の発明は、以下のように光受信器として記載することもできる。即ち、光受信器は、伝送される主信号と当該主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号とを重畳し重畳後の信号を送信する光送信器から、前記重畳後の信号を受信する光受信器であって、第一の端子および第二の端子を有し、前記重畳後の信号を電気信号に変換する受光素子と、前記受光素子の前記第一の端子に接続され、前記重畳後の信号から前記制御監視信号を抽出する抽出手段と、抽出により得られた前記制御監視信号に基づいて前記主信号の伝送レートを判別する判別手段と、判別で得られた主信号の伝送レートに応じて制御信号を出力する出力手段と、前記受光素子の前記第二の端子に入力端子が接続され、前記制御信号に基づき帯域および利得が調整されるトランスインピーダンスアンプと、を含み、前記トランスインピーダンスアンプには、前記入力端子と出力端子との間に抵抗とPINダイオードとが互いに並列に接続されており、前記制御信号が、前記PINダイオードのバイアス電圧を前記トランスインピーダンスアンプの出力側で制御することによって、前記トランスインピーダンスアンプの帯域および利得を調整する、ことを特徴としてもよい。
【0016】
この光受信器では、主信号と当該主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号とを重畳した重畳後の信号が光送信器から受信されると、第一の端子および第二の端子を有する受光素子が上記重畳後の信号を電気信号に変換し、受光素子の第一の端子に接続された抽出手段が重畳後の信号から制御監視信号を抽出し、判別手段が、抽出により得られた制御監視信号に設定された伝送レート情報より、主信号の伝送レートを判別する。そして、出力手段が、判別で得られた主信号の伝送レートに応じて主信号の帯域調整を行うための制御信号を出力すると、受光素子の第二の端子に入力端子が接続されたトランスインピーダンスアンプは上記制御信号に基づき帯域および利得が調整される。このトランスインピーダンスアンプには、前記入力端子と出力端子との間に抵抗とPINダイオードとが互いに並列に接続されている。上記制御信号は、PINダイオードのバイアス電圧をトランスインピーダンスアンプの出力側で制御することによって、トランスインピーダンスアンプの帯域および利得を調整する。
【0017】
このように、光受信器において、上記重畳後の信号から制御監視信号を抽出し、当該制御監視信号から主信号の伝送レートを判別し、判別で得られた主信号の伝送レートに応じて主信号の帯域調整を行う構成としたので、自動的に伝送レートを判別することができるとともに、高速に当該伝送レートに応じた適正な帯域調整を行うことができる。
【0018】
より具体的には、上記の出力手段が、制御信号として、主信号の伝送レートに応じた帯域調整用の設定電圧信号を上記トランスインピーダンスアンプと抵抗とPINダイオードとを含んで構成された例えば帯域調整手段に出力することができる。トランスインピーダンスアンプには例えば上記主信号が入力されることができる。PINダイオードは、トランスインピーダンスアンプの帰還抵抗として設けられていてもよく、上記設定電圧信号に応じた電流が流れるように構成されていてもよい。
【0019】
即ち、出力手段が、主信号の伝送レートに応じた帯域調整用の設定電圧信号を帯域調整手段に出力すると、PINダイオードには上記設定電圧信号に応じた電流が流れる。また、PINダイオードの高周波抵抗値は、図3に示すように、流れる電流との間に線形な関係(一次式で表される関係)があることが知られている。よって、設定電圧信号を調整することでPINダイオードに流れる電流値を調整し、当該PINダイオードの高周波抵抗値を調整することができる。
【0020】
従って、このPINダイオードは、主信号が入力されるトランスインピーダンスアンプの帰還抵抗として設けられていることから、主信号の伝送レートに応じて設定電圧信号を調整することで、PINダイオードの高周波抵抗値、即ち、トランスインピーダンスアンプの帰還抵抗値を調整することができ、当該トランスインピーダンスアンプの帯域を主信号の伝送レートに応じて適切に調整することができる。
【0021】
なお、上記の帯域調整手段に着目して、以下のように帯域調整装置として記載することもできる。即ち、帯域調整装置は、伝送される主信号と当該主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号とを重畳し重畳後の信号を送信する光送信器から前記重畳後の信号を受信する光受信器、に設けられ、主信号の伝送レートに応じて主信号の帯域調整を行う帯域調整装置であって、前記光送信器からの前記重畳後の信号から前記制御監視信号を抽出し、抽出により得られた前記制御監視信号から主信号の伝送レートを判別し、判別で得られた主信号の伝送レートに応じた帯域調整用の設定電圧信号を出力する、前記光受信器に内蔵の中央処理部から、前記設定電圧信号が入力される構成とされ、且つ、前記主信号が入力されるトランスインピーダンスアンプと、前記トランスインピーダンスアンプの帰還抵抗として設けられ、前記入力された設定電圧信号に応じた電流が流れるように構成されたPINダイオードと、を含んで構成されたことを特徴としてもよい。
【0022】
この帯域調整装置では、主信号の伝送レートに応じた帯域調整用の設定電圧信号が中央処理部から入力されると、PINダイオードには上記設定電圧信号に応じた電流が流れる。また、PINダイオードの高周波抵抗値は、図3に示すように、流れる電流との間に線形な関係(一次式で表される関係)があることが知られている。よって、設定電圧信号を調整することでPINダイオードに流れる電流値を調整し、当該PINダイオードの高周波抵抗値を調整することができる。
【0023】
従って、このPINダイオードは、主信号が入力されるトランスインピーダンスアンプの帰還抵抗として設けられていることから、主信号の伝送レートに応じて設定電圧信号を調整することで、PINダイオードの高周波抵抗値、即ち、トランスインピーダンスアンプの帰還抵抗値を調整することができ、当該トランスインピーダンスアンプの帯域を主信号の伝送レートに応じて適切に調整することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る一実施の形態について説明する。
【0025】
まず、図1を用いて光伝送システム1の構成を説明する。図1に示すように、光伝送システム1は、光送信器10と光受信器20とを含んで構成されており、これら光送信器10と光受信器20は一例として光伝送路40を介して通信可能とされている。なお、光伝送路40以外にも、波長多重システム等を介して通信する構成を採用することもできる。
【0026】
光送信器10は、伝送される主信号と当該主信号の伝送レート情報等が設定された制御監視信号とを重畳し重畳後の信号を送信することを特徴とする。具体的には、光送信器10は、各構成部の動作制御・監視等を行うとともに当該主信号の伝送レート情報並びにクロック再生及び多重化処理の設定情報を制御監視信号に設定して出力するCPU13と、信号の整形や多重化処理(例えば、622Mbpsを16本束ねる処理)を行うクロック再生及び多重化装置14と、CPU13からの制御監視信号を主信号に重畳するLDバイアス回路17と、重畳した信号(以下、重畳信号という。)を光信号に変換して出力するレーザダイオード(LD)18と、LD18を駆動するLDドライバ16と、主信号の電圧を調整するエミッタ・カップルド・ロジック(ECL)12、15とを含んで構成されている。
【0027】
一方の光受信器20は、光送信器10からの重畳後の信号から制御監視信号を抽出し、得られた制御監視信号から主信号の伝送レートを判別し、当該伝送レートに応じて主信号の帯域調整を行うことを特徴とする。具体的には、受信した光信号を電気信号(重畳信号)に変換するフォトダイオード(PD)21と、このPD21のカソード側に接続され重畳信号から制御監視信号を抽出するローパスフィルタ22と、各構成部の動作制御・監視等を行うとともに、抽出された制御監視信号に基づいて主信号の伝送レートを判別し当該伝送レートに応じた帯域調整用の設定電圧信号を出力するCPU23と、PD21のアノード側に接続されPD21から重畳信号が入力されるトランスインピーダンスアンプ25と、トランスインピーダンスアンプ25の帰還抵抗を構成しCPU23からの設定電圧信号に基づいて主信号の帯域調整を行う帯域調整部24と、帯域調整後の主信号を増幅するポストアンプ26と、帯域調整後の主信号の電圧を調整するECL27、29と、信号の整形や分割処理(例えば、約10Gbpsを16本の622Mbpsに分割する処理)を行うクロック再生及び分割装置28とを含んで構成されている。
【0028】
なお、特許請求の範囲に記載した抽出手段はローパスフィルタ22に、判別手段及び出力手段はCPU23に、帯域調整手段は帯域調整部24及びトランスインピーダンスアンプ25に、それぞれ対応する。
【0029】
また、CPU23は、制御監視信号からクロック再生及び多重化処理の設定情報を解読して当該設定情報に応じたクロック再生及び分割処理の設定情報を作成し、作成したクロック再生及び分割処理の設定情報をクロック再生及び分割装置28へ通知する。クロック再生及び分割装置28は、このクロック再生及び分割処理の設定情報に基づいて信号の整形や分割処理を行う。
【0030】
図2に示す帯域調整部24では、端子24Iがトランスインピーダンスアンプ25の信号入力の上流側に、端子24Jがトランスインピーダンスアンプ25の信号出力の下流側に、それぞれ接続されている。この帯域調整部24は、トランスインピーダンスアンプ25に対する帰還抵抗を構成するためのPINダイオード24E及び抵抗24Hを含んでおり、これらはそれぞれトランスインピーダンスアンプ25に対し並列に設置されている。
【0031】
PINダイオード24Eのカソードと抵抗24Hの一端とはコンデンサ24Gを介して接続され、PINダイオード24Eのアノードと抵抗24Hの他端とはコンデンサ24Fを介して接続されている。これらコンデンサ24G、24Fは、主信号に前記制御信号が重畳するのを防止する役割を果たす。
【0032】
PINダイオード24Eのカソードはチョークコイル24Cと抵抗24Dを介して接地されており、PINダイオード24Eのアノードはチョークコイル24Bを介して端子24Aに接続されている。端子24Aには、図1のCPU23からの帯域調整用の設定電圧信号に応じた設定電圧が、図示しない電圧源により印加される。よって、端子24Aからチョークコイル24B、PINダイオード24E、チョークコイル24C及び抵抗24Dを介して接地されるに至る閉回路が形成され、PINダイオード24Eには、チョークコイル24B、24C及び抵抗24Dの直列合成抵抗値によって設定電圧値を除して得られる電流Ipinが流れる。
【0033】
一方、PINダイオード24Eの高周波抵抗値は、図3に示すように、流れる電流との間に線形な関係(一次式で表される関係)があることが知られている。よって、電流IpinによってPINダイオード24Eの高周波抵抗値は調整可能である。また、固定抵抗24Hの抵抗値(定数)をRとし、PINダイオード24Eの高周波抵抗値をRpinとすると、これらの合成抵抗、即ち、トランスインピーダンスアンプ25の帰還抵抗値Rfは、以下の式(1)で表される。
【0034】
Rf=(R×Rpin)/(R+Rpin) ・・・(1)
【0035】
従って、CPU23からの帯域調整用の設定電圧信号によってPINダイオード24Eの電流Ipinを調整し、電流Ipinに応じて変動する高周波抵抗値をRpinによって上記のトランスインピーダンスアンプ25の帰還抵抗値Rfを調整可能とされている。
【0036】
次に、光伝送システム1における動作を説明する。
【0037】
光伝送システム1において、光送信器10では、伝送される主信号は、入力端11から入力された後、ECL12によりその電圧が1ボルトまで降圧され、クロック再生及び多重化装置14によりクロック再生と多重化処理(例えば、622Mbpsを16本束ねる処理)が施される。そして、主信号はECL15により、LD駆動のため3ボルトまで昇圧された後、LDドライバ16に入力され、LDドライバ16により主信号に基づくLD18の駆動が行われる。
【0038】
CPU13は、主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号をLDバイアス回路17に出力し、LDバイアス回路17はAM変調で制御監視信号を主信号に重畳する。これにより、重畳後の信号(重畳信号)がLD18から光出力として送信され、光伝送路40を介して光受信器20により受信される。
【0039】
光受信器20では、光送信器10からの主信号と制御監視信号の重畳信号がPD21に入力され、ローパスフィルタ22により重畳信号から制御監視信号が抽出される。抽出された制御監視信号はCPU23に入力され、CPU23により制御監視信号に設定された主信号の伝送レート情報より主信号の伝送レートが判別される。CPU23は、判別で得られた伝送レートに応じた帯域調整用の設定電圧信号を帯域調整部24へ出力する。
【0040】
帯域調整部24では、その端子24Aに対し、CPU23からの帯域調整用の設定電圧信号に応じた設定電圧が、図示しない電圧源により印加される。これにより、端子24Aからチョークコイル24B、PINダイオード24E、チョークコイル24C及び抵抗24Dを介して接地されるに至る閉回路が形成され、PINダイオード24Eには、チョークコイル24B、24C及び抵抗24Dの直列合成抵抗値によって設定電圧値を除して得られる電流Ipinが流れる。
【0041】
PINダイオード24Eの高周波抵抗値は、図3に示すように、流れる電流との間に線形な関係(一次式で表される関係)があることから、電流IpinによってPINダイオード24Eの高周波抵抗値を調整することができる。例えば、電流IpinをI1に設定することでPINダイオード24Eの高周波抵抗値を9.9Gヘルツ用のR1に調整することができ、電流IpinをI2に設定することでPINダイオード24Eの高周波抵抗値を12.5Gヘルツ用のR2に調整することができる。
【0042】
また、固定抵抗24Hの抵抗値R、PINダイオード24Eの高周波抵抗値Rpinによって、これらの合成抵抗、即ち、トランスインピーダンスアンプ25の帰還抵抗値Rfは上記と同様の式(1)で表される。
【0043】
Rf=(R×Rpin)/(R+Rpin) ・・・(1)
【0044】
このため、CPU23からの帯域調整用の設定電圧信号によってPINダイオード24Eの電流Ipinを調整することで、電流Ipinに応じて変動する高周波抵抗値をRpinを調整し、それにより、上記のトランスインピーダンスアンプ25の帰還抵抗値Rfを調整することができる。これにより、トランスインピーダンスアンプ25の帯域を主信号の伝送レートに応じて適切に調整することができる。
【0045】
また、PINダイオードは一般に、数オームから数キロオームの高周波抵抗変化が可能であるので、個体のばらつきを広範囲にわたり調整することができる、という利点がある。
【0046】
上記のような帯域調整後の主信号は、ポストアンプ26による増幅及びECL27による電圧調整の後、クロック再生及び分割装置28に入力される。クロック再生及び分割装置28は、CPU23から通知されたクロック再生及び分割処理の設定情報に基づいて、主信号の整形及び分割処理(例えば、約10Gbpsを16本の622Mbpsに分割する処理)を行う。そして、主信号はECL27により電圧調整が施された後、出力端30から出力される。
【0047】
なお、主信号と制御監視信号とを重畳して送信する技術自体は、例えば波長多重システム等で実績がある技術である。このため、光送信器10と光受信器20とが波長多重システムを介して通信する構成を採用し、主信号に重畳される制御監視信号に対して、主信号の伝送レート情報を設定することにより比較的簡単な構成で、上記実施形態を実現することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、主信号と当該主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号とを重畳した信号を光送信器から送信し、光受信器において、重畳後の信号から制御監視信号を抽出し、当該制御監視信号から主信号の伝送レートを判別し、判別で得られた主信号の伝送レートに応じて主信号の帯域調整を行う構成としたので、自動的に伝送レートを判別することができるとともに、当該伝送レートに応じた適正な帯域調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光伝送システムの構成図である。
【図2】光受信器に内蔵された帯域調整部の構成図である。
【図3】PINダイオードにおける電流−高周波抵抗値間の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…光伝送システム、10…光送信器、11…入力端、12…ECL、13…CPU、14…クロック再生及び多重化装置、15…ECL、16…LDドライバ、17…LDバイアス回路、18…レーザダイオード、20…光受信器、21…フォトダイオード、22…ローパスフィルタ、23…CPU、24…帯域調整部、24A…端子、24B、24C…チョークコイル、24D、24H…抵抗、24E…PINダイオード、24F、24G…コンデンサ、24I、24J…端子、25…トランスインピーダンスアンプ、26…ポストアンプ、27…ECL、28…クロック再生及び分割装置、29…ECL、30…出力端、40…幹線システム。
Claims (1)
- 伝送される主信号と当該主信号の伝送レート情報が設定された制御監視信号とを重畳し重畳後の信号を送信する機能を備えた光送信器と、前記光送信器からの前記重畳後の信号を受信する光受信器とを含んで構成された光伝送システムであって、
前記光受信器は、
第一の端子および第二の端子を有し、前記重畳後の信号を電気信号に変換する受光素子と、
前記受光素子の前記第一の端子に接続され、前記重畳後の信号から前記制御監視信号を抽出する抽出手段と、
抽出により得られた前記制御監視信号に基づいて前記主信号の伝送レートを判別する判別手段と、
判別で得られた主信号の伝送レートに応じて制御信号を出力する出力手段と、
前記受光素子の前記第二の端子に入力端子が接続され、前記制御信号に基づき帯域および利得が調整されるトランスインピーダンスアンプと、
を含み、
前記トランスインピーダンスアンプには、前記入力端子と出力端子との間に抵抗とPINダイオードとが互いに並列に接続されており、
前記制御信号が、前記PINダイオードのバイアス電圧を前記トランスインピーダンスアンプの出力側で制御することによって、前記トランスインピーダンスアンプの帯域および利得を調整する、
ことを特徴とする光伝送システム。
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