JP3968874B2 - 三相交流を用いたプラズマ発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィラメントを加熱することによって熱電子を放出する長尺、大容積のプラズマ発生装置、イオン源、イオンビーム処理装置、プラズマ処理装置に関する。プラズマ発生装置は原料ガスを何らかの手段によって励起してイオンと電子の集合であるプラズマにする装置である。同じチャンバ内にウエハ−などをおいてプラズマによる処理をする装置はプラズマ処理装置である。また一方に開口部を設け有孔電極を設置し電圧を掛けて外部にイオンビ−ムを引き出すようにしたものがイオン源である。プラズマ処理装置とイオン源、イオンビーム処理装置を包括してプラズマ発生装置とここでは表現する。
【0002】
励起源はフィラメント加熱のほかに、マイクロ波励起、高周波励起、直流放電励起などがある。しかしここではフィラメントによって熱電子を発生するような励起方法に限定する。フィラメントに通電し加熱して熱電子を発生する方式のイオン源をバケット型イオン源という。フィラメント励起の場合、フィラメントに直流電源をつないで直流電流を流してフィラメントを加熱する。フィラメントはチャンバに対して負電圧になるようバイアスされる。フィラメントとチャンバの間にア−ク放電が起こるようになっている。フィラメントはコイル状に巻いたもの、リボン状のもの、ヘアピン状のもの、直線状のものがある。小さい装置の場合はコイルフィラメントが使われる。しかしここでは長尺のチャンバを対象にするので直線状フィラメントが最も適する。リボン状やヘアピン状、コイル状のフィラメントは立方体状のチャンバにこそ適するが長尺のチャンバでは複数個設けても熱電子放出が一様にならない。
【0003】
電子はフィラメントで放出されアークとなってチャンバ壁に流れる。ア−ク放電によって原料ガス中の原子が電子を失いイオンとなる。イオンと自由電子と中性ラジカルの集合であるプラズマが生成される。アーク電源は当然に直流電源である。フィラメント加熱電源も直流である。フィラメント励起のものは二つの直流電源を使用していた。直流であるからフィラメントの各部分とチャンバ壁の間の電位の差は時間的に不変である。ために安定したプラズマ生成が可能である。小規模のプラズマ発生装置ならそれでよい。問題はない。
【0004】
ここでは大容積、大面積のプラズマ発生装置を問題にする。大容積、大面積という事が重要である。表現の使い分けについて注意を述べる。内部でウエハを処理するプラズマ処理装置なら大容積という表現でよい。イオン源の場合はイオンビ−ムとして引き出し、外部でウエハに照射するから大面積のビームという表現をする。ビーム方向の投影が大面積であるためにはチャンバ自体大容積である。だからプラズマ発生装置自体はいずれにしても大容量なのである。特にある一方向に長い。長手方向をxとして、それに直交する2方向をy、zとする。
【0005】
【従来の技術】
イオン源、プラズマ発生装置のサイズは目的によって様々である。小さいものは数cm立方程度の小さい容量のチャンバを使う。10cm立方程度のプラズマ発生装置もある。現在でもっとも大きい寸法のプラズマ発生装置は、長さが30cm〜50cmで、横幅と奥行きが20〜30cmである。これで大型のイオン源、大型プラズマ処理装置と言える。このように装置が大きい場合、フィラメント励起(バケット型)とすると、大きいフィラメントを使う必要がある。大容積のチャンバで高密度プラズマを励起するために大フィラメントを使わなければならない。これは当然である。
【0006】
30cm〜50cmの大型バケット型イオン源の場合、現在フィラメント電源としてやはり直流電源が使われる。図1は直流電源をフィラメント電源として使うプラズマ発生装置の概略図である。チャンバ1の内部に直線状のフィラメント2が張られている。フィラメント2の端GHには直流のフィラメント電源4がつながれる。これがフィラメントにVfの直流を流す。フィラメントはチャンバに対してア−ク電源3によって−Vacにバイアスされる。直線フィラメントであるから長手方向(x方向)の電流不均一はない。電力はグラフに示すように時間的に一定である。熱電子放出は長手方向に一様、時間的にも一定である。均一性高いプラズマが発生する。しかし大型プラズマ発生装置の場合、フィラメントが大きくなるし、フィラメント電力も大きくならざるをえない。フィラメント電源は従来から直流電源であった。小電流の直流電源は比較的安価で問題ない。しかし、大電流の直流電源は大型であり高価である。
【0007】
プラズマ発生装置への要求はますます多様化しつつある。長さが100cm〜150cmであって、横幅奥行きが30cm〜50cmというような巨大なイオン源は初めて要求される。この要求自体が新規である。例えば広いLCD基板などにa−Si素子を作る場合不純物ドープする必要がある。不純物ドープするイオンビ−ム自体が大面積であればスループットが向上する。そのような理由で未曾有の大面積イオン源が要求される。プラズマ処理装置も大容積であれば処理能力が高揚する。
【0008】
フィラメントをアークチャンバに対して負にバイアスするア−ク電源は直流電源でなければならない。これはやむを得ない事である。長さが150cmのアークチャンバにプラズマを発生させるには、それにほぼ等しい長さのフィラメントを張って加熱し熱電子放出させなければならない。長いフィラメントであるから大電力が必要である。フィラメント電源を直流電源とすると、嵩高く重くて大きく高価な直流のフィラメント電源が必要である。
【0009】
交流電源を流用したいものである。商用の50Hz、60Hzをトランスによって直流的に分離し、二次側をバイアス用アーク電源に繋げば、フィラメントをチャンバに対して負にバイアスでき、フィラメントに交流を流し加熱できる。これならトランスがいるだけでことさら電源など不要である。フィラメント電源が極めて簡単になり軽量化される。なにより高価な大電流直流電源が不要でありコストを削減できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところがフィラメントに交流を流すと、熱電子発生量が空間的に異なる、発生熱量が時間的に変動するという問題がある。図2に交流電源をフィラメント電源に使うプラズマ発生装置の概略を示す。チャンバ1が長いのでフィラメント2も長いものをチャンバ長手方向に張る。交流電源5によってこのフィラメントに交流を流す。アーク電源3のつながれた一端(G点とする)は電圧が−Vacに固定され、他端(H点とする)はこれに交流分EsinΩtを加えたものになる。ここでは簡単のためチャンバ電位を0Vとして、アーク電源の電圧をVacとしている。フィラメントは抵抗体であり長さに比例して電圧が下がる。フィラメントの長さをLとして、アーク電源の繋がれた方(G点)からの距離をxとすると、時刻tでその点の電圧をU(t,x)とすると、
【0011】
U(t,x)=−Vac+(xE/L)sinΩt (1)
ということになる。Ωは角周波数である。周波数(50Hz、60Hz)に2πを掛けたものである。プラズマの運動に比較すれば非常に遅い運動である。チャンバとの間の電圧(アーク電圧)が、フィラメントの位置xによって変わる。それだけでなくて、時刻によってもチャンバとフィラメント間の電圧が変動する。フィラメントからチャンバに流れるア−ク放電の電流が位置と時刻によって変わる。一般にフィラメントとチャンバの間のア−ク放電電流密度によってプラズマ密度が変動する。電圧変動が、放電密度変動を引き起こし、プラズマ密度の変化を引き起こす。つまり長手方向(x方向)のプラズマ密度が一様でない。これは長い被処理物をプラズマ処理する場合は処理ムラを引き起こす。またイオン源とする場合は、ビームの断面位置によって電流密度が変動する。イオンドーピングに使う場合はウエハ−やLDC基板上でドーピングの不均一を引き起こす。これは困る。プラズマ密度は長手方向に常にいつでも一様でなければならない。
【0012】
以上の問題はアーク電圧の揺らぎである。もっと深刻な問題がある。それはフィラメント電力Wの揺らぎである。フィラメント電流Iはフィラメントの全抵抗をRとして、フィラメント電圧をRで割ったものである。熱電子を発生するのであるからフィラメント電流(U/R)はかなり大きい。数十A〜百Aにもなる。フィラメント電力Wは
【0013】
W=(E2/R)sin2Ωt (2)
である。図2の電力のグラフがこれを示す。WはΩtがπm(mは整数)のときに0となる。発熱量が0になるから輻射によって急激に冷え、熱電子放射が一時的にほとんど停止する。プラズマ密度が一気に減少する。反対にΩtがπ(m+0.5)のときは、発熱量が最大になり、熱電子放出も絶頂に達するからプラズマ密度が最高になる。
【0014】
プラズマの生成消滅の時間尺度からみると商用周波数は極めて遅い動きである。フィラメントは細い金属線で熱容量は小さい。発熱量が0になるとすぐに輻射で冷える。フィラメント温度の変動に熱電子放出が大変敏感であるので、フィラメント電流Jの消長に応じてプラズマ密度が大きく変動してしまう。そのような時間的なプラズマ密度の変化があるのは困る。イオンビ−ムとして引き出す場合は電流が時間的に大きく変動することになるからである。
【0015】
つまり、フィラメント電源として交流を使えば電源コストを低減できていいのであるが、実際にはできない。空間的、時間的にプラズマ密度が大きく変化するからである。空間的、時間的なプラズマ密度の揺らぎはプラズマ処理、イオンドーピングの不均一を招く。とても実際の装置に適用する事はできない。フィラメントからの熱電子放射が時間的、空間的に変動しないものが必要である。
【0016】
このような問題を解決し、フィラメント電源を安価軽量小型化できる大容積長尺のプラズマ発生装置を提供することが本発明の第1の目的である。大容積長尺の空間でのプラズマ密度の空間的時間的な変動を少なくできるプラズマ発生装置を提供する事が本発明の第2の目的である。フィラメントの利用効率を高揚したプラズマ発生装置を提供する事が本発明の第3の目的である。ア−ク電源を省く事のできる大容積長尺のプラズマ発生装置を提供することが本発明の第4の目的である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ発生装置は、真空に引く事ができ一つの辺が他の辺より長いプラズマ生成室(チャンバ)と、正3m角形をなすようにプラズマ生成室の長手方向(GH)に張られる3m本(m≧1)のフィラメントと、フィラメントとプラズマ生成室の間に設けられフィラメントを負にバイアスする直流のアーク電源と、プラズマ生成室に原料ガスを導入するガス導入口と、3相交流源と、3相交流を所望の電圧の3相交流にするトランスとを含み、互いに120度をなす位置に設けられる3本のフィラメントは第k群(k=1,…,m)として一端で互いに一つに纏めて直流ア−ク電源に接続され他端で3相交流の3個の端子にそれぞれ接続され、電流によって加熱されたフィラメントから熱電子が発生し、フィラメントとプラズマ生成室との間にア−ク放電をおこして原料ガスをプラズマにする。
【0018】
三相交流は商用電源として容易に利用できる。本発明は3相に限らず4相、5相、…、交流電源を利用することができる。しかし4相、5相、6相などの高次相の商用電源は現在存在しないから実際には三相しか適用できない。それで以下3相交流を電源にする場合だけを述べる。原理的には、4相、5相、6相などでも本発明を適用できる。3m本のフィラメントを使うので、m=1だと3本、m=2だと6本、m=3だと9本のフィラメントを使用する。何れも長手方向に平行に張る。3本の場合は正三角形の頂点にフィラメントがくるように配置する。6本の場合は正六角形の頂点位置にフィラメントがあるようにする。9本(m=3)の場合は、正九角形の頂点位置にフィラメントがあるようにする。
【0019】
そして120度の中心角をなす3本のフィラメントを一群として纏め、一端で共通に直流アーク電源の負極に接続する。他端は三相交流端子に繋ぐ。プラズマ発生室(チャンバ)の電位より、フィラメント共通電位は−Vac(アーク電圧)だけ低くする。そのために直流電源をフィラメント共通端子とチャンバの間に設け、フィラメントの直流電位を決める。トランスを使って商用三相交流源から電力を取るが、トランスを介するので直流的には1次側と分離される。
【0020】
m組のフィラメントを使うときは、正3m角形状に並べるが、互いに120゜の中心角をなすフィラメントが一つの組になる。この組のフィラメントをa、b、cとすると、共通端子は−Vacであるが、反対側の端子の電圧は、Esin(Ωt)−Vac、Esin(Ωt+2π/3)−Vac、Esin(Ωt+4π/3)−Vacである。2π/3、4π/3は、bフィラメント、cフィラメントの、aフィラメントに対する位相の進みを表す。フィラメントの長さをLとし共通端子からの距離をxとする。x点でのaフィラメント、bフィラメント、cフィラメントの電圧Ua、Ub、Ucは
【0021】
Ua(t,x)=−Vac+(xE/L)sin(Ωt) (3)
Ub(t,x)=−Vac+(xE/L)sin(Ωt+2π/3) (4)
Uc(t,x)=−Vac+(xE/L)sin(Ωt+4π/3) (5)
【0022】
のようになる。3本のフィラメントと、チャンバとの間の電圧によってア−ク放電の強さが変動する。電位差が大きいほどア−ク放電は強くなる。前述の単相交流の場合は、長手方向のフィラメント、チャンバ間電位差が変動するのを阻止することができなかった。しかし三相の場合は、フィラメントとチャンバの電位差はxによらず一定である。a、b、cフィラメントとチャンバの電位差の合計ははUa+Ub+Ucである。ここで変数表示(t,x)を簡単のため省略している。
【0023】
位相差2π/3と4π/3があるので互いに打ち消しあうのである。つまり3つのフィラメントとチャンバ間の電位差の和は、時刻tや場所xがいかなるものであっても常に一定である。長手方向の位置xによらず、時刻tにもよらない。アーク電圧が一定であるからア−ク放電の強さはx,tによらず一定である。これは極めて重要である。
【0024】
ここでは1組のフィラメントについて計算したが、m組あってもそれぞれの組でア−ク電圧の合計が一定なのであるから全体としても、xやtによらず一定である。
【0025】
つぎにフィラメント電流を考える。フィラメントの抵抗をRとすると、それぞれに流れる電流Ja、Jb、Jcは
Ja(t)=(E/R)sin(Ωt) (7)
【0026】
Jb(t)=(E/R)sin(Ωt+2π/3) (8)
Jc(t)=(E/R)sin(Ωt+4π/3) (9)
である。バイアスのVacは、左右の端子に共通であるから打ち消しあう。フィラメントのどこでも電流は変わらないから電流のx依存性はない。時間tの依存性があるだけである。ジュール熱発生量Qa、Qb、Qcがフィラメント温度を決め、それが熱電子の放出量を決める。これは、電流の二乗に抵抗Rを乗じたものである。これもx依存性はない。それで全体のジュール熱発生を考える。
【0027】
Qa(t)=(E2/R)sin2(Ωt) (10)
Qb(t)=(E2/R)sin2(Ωt+2π/3) (11)
Qc(t)=(E2/R)sin2(Ωt+4π/3) (12)
それぞれは時間依存性がある。しかし実際には3本フィラメントから同時に熱電子が出るから、発熱量の合計と熱電子放出が比例する。ジュール発熱量の合計は
【0028】
Qa+Qb+Qc=(3E2/2R) (13)
となって時刻tによらない。ジュール熱が一定ということは、いつでも熱電子発生は一定不変だという事である。中心角120゜をなす3本一組のフィラメント群についてパワーが一定であり熱電子放出が一定であるから、m組のフィラメントであってもパワーは一定であり熱電子放出は一定である。長手方向に熱電子発生量は一定だということになる。イオン源とする場合は長手方向にイオンビ−ム密度が一定だということである。まことに好ましい性質である。このようなことは単相交流ではありえないことである。図2の電力波形は単相交流の電力が振動することを示すが、この振動を120゜、240゜ずらせたものを相加すると変動が全くなくなる。(13)はそういうことを言っているのである。
【0029】
3本のフィラメントに三相交流を流すことによって合計のジュール熱発生を常に一定に保つ事ができる。ジュール熱発生は熱電子の発生量を支配するのであるから、これは熱電子の発生量が常に一定である。時刻による変動がなく一定であるということを意味するのである。xによる揺らぎはないから、xにもtにもよらず一定であるということである。広い面積を持つフィラメント型のイオン源であるから均一にプラズマを発生させるのが難しいのであるが、本発明によれば軸方向にも時間的にも一様な熱電子発生が実現する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明は長尺の大面積のイオン源において、長手方向に均一に放電を起こさせることができる。三相交流を用いて、3m個のフィラメントに電流を流すことによってこれらがなされる。mは任意の自然数である。つまりm=1、2、3、…である。つぎにm=2の場合の例を示す。図3は6本の平行なフィラメントをチャンバ内に設けた例である。同等のフィラメントa、b、c、p、q、rをG側からH側に平行に張っている。フィラメントa、b、cは正三角形の頂点の位置にある。フィラメントp、q、rも正三角形の頂点にある。中心をOとすると、aとpは反対側に、bとqが反対側に、cとrが反対側にある。G側からみると、フィラメントarbpcqが左回り正六角形をなす。フィラメントa、b、cが一組になっている。a、b、cはH側で一纏めになってア−ク電源3の負極−Vacに接続される。ここでチャンバ1の壁面電位を基準にとっている。フィラメントp、q、rがもう一つの組になっている。これらはG側で纏められア−ク電源の負極−Vacに接続される。
【0031】
三相交流電源6は3つのトランスをもち、その二次側から電力をとるようになっている。ここでは二次側のコイルVa、Vb、Vcだけを図示している。一時側は商用の三相交流である。トランスによって直流的に大地電位と離隔させる。
【0032】
トランス結合するから、大地電位と切り放されるし、また任意の電圧を得る事もできる。G側でフィラメントa、b、cは三相交流Va、Vb、Vcに接続する。H側でフィラメントp、q、rは三相交流Va、Vb、Vcに接続する。3つのコイルには120゜位相が異なる電圧が生ずる。中心接点gは自然に−Vacになる。もちろんgを−Vacに接続しておいても良い。G側からH側にx座標をとると、フィラメントのxでの電圧Ua、Ub、Uc、Up、Uq、Urは、
Ua=−Vac+{(L−x)E/L}sin(Ωt) (14)
Ub=−Vac+{(L−x)E/L}sin(Ωt+2π/3) (15)
Uc=−Vac+{(L−x)E/L}sin(Ωt+4π/3) (16)
Up=−Vac+(xE/L)sin(Ωt) (17)
Uq=−Vac+(xE/L)sin(Ωt+2π/3) (18)
Ur=−Vac+(xE/L)sin(Ωt+4π/3) (19)
というようになる。ある位置xでの6本にフィラメントの平均の電圧Vavはこれら6つの電圧を加えて6で割れば求められるが、これは
【0033】
Vav=−Vac (20)
である。空間的にも時間的にも6つのフィラメントの平均電圧は不変だということである。フィラメントからア−クチャンバに向かう熱電子は電圧差に比例し、これが−Vacだということであるから、あたかも図1のようにフィラメントに直流電源をつないでいるのと同じ安定性がある。三相交流電源は電源とも言えないぐらい簡単であるのに、高価で重く嵩高い直流電源と同じ均一性がある。
【0034】
全ジュール熱Qはこれら電圧の二乗を抵抗Rで割ったものの総和である。
Q=3E2/2R (21)
簡単であるから計算は示さない。これも空間x、時間tの依存性が全くない。図1の直流電源を6つ使っているのとほぼ同じ程度のジュール熱発生の安定性である。
【0035】
このように空間的時間的な熱電子放射分布の均一性安定性は本発明の優れた特徴である。三相交流の相補的な変化を巧みに利用して動的な安定性を確保している。電源は商用の三相交流をトランス結合して殆どそのまま用いる事ができる。安価な電源を使って直流電源と同等の均一性を得ている。本発明の巧みな点である。これらはフィラメント・チャンバ間のア−ク放電が相補的に働いて熱電子放出が均一化されるというものである。
【0036】
さらに複数の直線状のフィラメントを用いることからそれ以上の効果がある。これは従来のフィラメントイオン源、フィラメントプラズマ装置にはない望外の効果である。それはフィラメント・フィラメント間の熱電子放射ということである。フィラメントが複数存在し電位差ができるからフィラメント同士の間で熱電子の放射を促進するという全く新規な作用が現れる。もう一つは複数フィラメント磁場によるプラズマの閉じ込め効果である。いずれも単独フィラメントやリボン状、コイル状のフィラメントでは起こり得ない現象である。しかし理解しやすいものでないから図面と式によって原理を詳しく説明する。
【0037】
[A.フィラメント間での熱電子放出促進]
図6、図7、図8はフィラメントの中間点x=L/2における、熱電子の動きを示す。図6はVaが、Vb、Vcより大きい場合を示す。図7はVbが、Vc、Vaより大きい場合を示す。図8はVcがVaやVcより大きい場合である。VaはsinΩt、Vbはsin(Ωt+2π/3)、Vcはsin(Ωt+4π/3)で表現されるから、Vaが他の二者より大きいと言う事はΩtがπ/3〜2π/3の間にある、ということである。つまり3つの場合は次のように分類できる。
【0038】
(1)Va>Vb、Vc π/6≦Ωt<5π/6(図6)
中間点の電位は(14)〜(19)において、x=L/2として
Ua=−Vac+(E/2)sin(Ωt) (22)
Ub=−Vac+(E/2)sin(Ωt+2π/3) (23)
Uc=−Vac+(E/2)sin(Ωt+4π/3) (24)
Up=−Vac+(E/2)sin(Ωt) (25)
Uq=−Vac+(E/2)sin(Ωt+2π/3) (26)
Ur=−Vac+(xE/L)sin(Ωt+4π/3) (27)
である。中間点だからUp=Ua、Uq=Ub、Ur=Ucである。差を計算すると、
【0039】
Ua−Ub=Esin(π/3)cos{Ωt−(2π/3)} (28)
Ub−Uc=Esin(π/3)cos{Ωt} (29)
Uc−Ua=Esin(π/3)cos{Ωt+(2π/3)} (30)
【0040】
a、pの電位が、b、c、q、rより高い。強い負電位のフィラメントから熱電子が盛んに出るから、フィラメントb、c、q、rからチャンバ壁に向けて熱電子が出る。二重矢印で示す。チャンバ壁はフィラメントに対して正電圧だから熱電子を強く引き寄せる。熱電子はフィラメントが高温であるから仕事関数の影響が下がって表面から出るのであるがバイアスが掛かっている方がより盛んに出る。それだけでなく、フィラメントb、c、q、rからフィラメントa、pに向かっても熱電子がでる。
【0041】
(2)Vb>Vc、Va 0≦Ωt<π/6、3π/2≦Ωt<2π(図7)
フィラメントa、r、p、cから熱電子がチャンバ壁に向けて出る。フィラメントa、r、p、cから、フィラメントb、qに対しても熱電子が出る。
【0042】
(3)Vc>Va、Vb 5π/6≦Ωt<3π/2 (図8)
フィラメントa、b、p、qからチャンバ壁に向けて熱電子が出る。同時にフィラメントa、b、p、qから、フィラメントc、rに向けて熱電子が出る。
このように(1)〜(3)の場合の何れにおいても、フィラメント間で熱電子を引き出し放射することができる。ということはア−ク電源がなくてもフィラメントだけでア−ク放電が起こり熱電子が発生すると言うことである。ア−ク電源をなくし、その間を短縮するとフィラメントとチャンバ間のア−ク放電がなくなるが、フィラメント間のア−ク放電は依然として起こる。
【0043】
[B.閉じ込め磁場の発生]
これはフィラメントによってミラー磁場ができて荷電粒子をチャンバ内に閉じ込め壁面に当たらないようにする作用が発生するということである。しかもミラー磁場が回転する。電流Ja、Jb、Jc、Jp、Jq、Jrは6つのフィラメントについて、(7)〜(9)から
【0044】
Ja(t)=(E/R)sin(Ωt) (31)
Jr(t)=(E/R)sin(Ωt+π/3) (32)
Jb(t)=(E/R)sin(Ωt+2π/3) (33)
【0045】
Jp(t)=(E/R)sin(Ωt+π) (34)
Jc(t)=(E/R)sin(Ωt+4π/3) (35)
Jq(t)=(E/R)sin(Ωt+5π/3) (36)
というようになる。これは図9〜図11において左回りにフィラメントを辿った順に式を書いている。JpはJaのマイナスであるから、Jaのsinの中にπを加えることによって得られる。Jq、Jrも同様に、Jb、Jcのマイナスであり、sinにπを加えれば良い。フィラメント電流の式(31)〜(36)を良くみれば、6つのフィラメント電流は位相が60゜ずつずれたものである。順にずれているから、連続する3つのフィラメントは正の電流(x方向)がながれ、他の連続する3つのフィラメントには負の電流(−x方向)が流れるのである。そしてその正負が回転して変化して行く。
【0046】
(1) 図9はフィラメントq、a、rが正の電流、フィラメントb、p、cが負の電流を流している場合を示す。π/3≦Ωt<2π/3の場合と言っても良い。
フィラメントq、a、rを廻る時計廻り磁場が生ずる。フィラメントb、p、cを廻る反時計廻り磁場が生ずる。つまり240゜の方向へ向かうミラー磁場ができていることになる。この磁場配位は両端が中央よりも強くなっているミラー磁場であるため電子は両端で跳ねかえされ、電子を良く閉じ込めることができる。これは複数の直線状のフィラメントが存在することの利点である。電子、イオンの閉じ込めがより完全になるからプラズマ損失が減ってより電力が有効に利用される。
【0047】
(2) 図10はフィラメントa、r、bが正の電流、フィラメントp、c、qが負の電流を流している場合を示す。0≦Ωt<π/3の場合である。やはり径方向にミラー磁場ができて、荷電粒子を閉じ込める作用がある。ミラー磁場の方向は300゜の方向である。電子はその磁力線周りにサイクロトロン運動する。もしも磁力線が静止していれば螺旋運動の末、いつかはチャンバ壁に当たる。電子エネルギーがその分失われる。ところがミラー磁場自体が廻るので、サイクロトロン運動の方向も時間と共に回転する。それで電子がチャンバ壁に衝突する確率も減少する。このようにして径方向のプラズマの均一性も向上させることができるため回転ミラー磁場の電荷閉じこめは静止磁場より有効である。
【0048】
(3) 図11はフィラメントr、b、pが正の電流、フィラメントc、q、aが負の電流を流している場合を示す。−π/3≦Ωt<0の場合である。やはり平行なミラー磁場ができて、荷電粒子を閉じ込める作用がある。ミラー磁場の方向は0゜の方向である。
【0049】
そのほかにこれら3つの場合を裏返したような3つの場合がある。しかしこれらは容易に分かるので図示しない。6つのフィラメントに正逆方向に三相交流を流すと、このように電流は時間と共に回転するミラー磁場を作り出す。これによって荷電粒子、特に電子を有効に閉じ込める事ができる。そのようなことは単数フィラメント、コイルフィラメント、リボンフィラメント、ヘヤピンフィラメントなどではとても望みがたい事である。
【0050】
これらの二つの追加的効果A、Bはフィラメントが6つの時だけの特別な現象か?というとそうではない。ミラー磁場Bは9本、12本、…のフィラメントでも生成できる。より精緻なミラー磁場となる。3本ではミラー磁場はできない。フィラメント間放電Aもフィラメントが3本、9本…でも起こり得る。フィラメント間の間隔が狭い方が放電は盛んであるから、本数がある程度多い方がよい。
【0051】
【発明の効果】
長さが1000mm〜1500mmであるような長尺のプラズマ発生装置においてフィラメント加熱に三相交流をそのまま使うからフィラメント電源回路が簡単になる。電源回路が軽量、小型、安価になる。
【0052】
複数の平行直線フィラメントを使い位相が互いに補い合うように電圧を掛けるから長手方向に一様で時間的に安定した熱電子発生を起こさせることができる。プラズマ発生も長手方向に均一になり時間的にも不変である。イオン源とする場合は長手方向に一様密度で時間的にも一定量のイオンビ−ムを引き出すことができる。プラズマ処理装置とするときは長手方向に一様な処理を施す事ができる。プラズマ密度やイオンビ−ムの空間的、時間的安定性は高価な直流電源の場合に比べ遜色がない。
【0053】
複数のフィラメント間でも熱電子放出を促し合うからア−ク電源を除去する事も可能である。直流電源であるア−ク電源を省略できればなお一層コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィラメント加熱のために直流電源を用いる従来例にかかるプラズマ発生装置の概略図(a)と、電力の時間変動を示すグラフ(b)。
【図2】フィラメント加熱のために交流電源を用いたとする仮想のプラズマ発生装置の概略図(a)と、電力の時間変動を示すグラフ(b)。
【図3】6本の直線状フィラメントと三相交流を用いた本発明の実施例にかかるプラズマ発生装置の概略正面図。
【図4】図3の装置の一端(G側)での左側面図。
【図5】図3の装置の他端(H側)での左側面図。
【図6】
三相交流の電圧Va、Vb、Vcが、Va>Vb、Vcである時のフィラメント、チャンバ間で熱電子が放射される方向を示すチャンバの左側面図。
【図7】三相交流の電圧Va、Vb、Vcが、Vb>Vc、Vaである時のフィラメント、チャンバ間で熱電子が放射される方向を示すチャンバの左側面図。
【図8】三相交流の電圧Va、Vb、Vcが、Vc>Va、Vbである時のフィラメント、チャンバ間で熱電子が放射される方向を示すチャンバの左側面図。
【図9】三相交流の電圧Va、Vb、Vcが、Va>0、Vb<0、Vc<0であるときフィラメントによって中間点x=L/2に作られる磁場を示すチャンバの左側面図。
【図10】三相交流の電圧Va、Vb、Vcが、Va>0、Vb>0、Vc<0であるときフィラメントによって中間点x=L/2に作られる磁場を示すチャンバの左側面図。
【図11】三相交流の電圧Va、Vb、Vcが、Va<0、Vb>0、Vc<0であるときフィラメントによって中間点x=L/2に作られる磁場を示すチャンバの左側面図。
【符号の説明】
1 チャンバ
2 フィラメント
3 ア−ク電源
4 フィラメント電源
5 交流電源
6 三相交流電源
a〜c フィラメント
p〜r フィラメント
Claims (1)
- 真空に引くことができ一つの辺が他の辺より長いプラズマ生成室と、正3m角形をなすようにプラズマ生成室の長手方向に張られる3m本(m≧1)のフィラメントと、フィラメントとプラズマ生成室の間に設けられフィラメントを負にバイアスする直流のアーク電源と、プラズマ生成室に原料ガスを導入するガス導入口と、3相交流源と、3相交流源を所望の電圧の3相交流にするトランスとを含み、互いに120度をなす位置に設けられる3本のフィラメントは第k群(k=1,…,m)として一端で互いに一つに纏められ直流アーク電源の負電極に接続され他端で3相交流の3個の端子にそれぞれ接続され、電流によって加熱されたフィラメントから熱電子が発生し、フィラメントとプラズマ生成室との間にアーク放電をおこして原料ガスをプラズマにするようにしたことを特徴とする3相交流を用いたプラズマ発生装置。
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