JP3968437B2 - 生活異変検知方法、装置及びプログラム - Google Patents

生活異変検知方法、装置及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP3968437B2
JP3968437B2 JP2003342731A JP2003342731A JP3968437B2 JP 3968437 B2 JP3968437 B2 JP 3968437B2 JP 2003342731 A JP2003342731 A JP 2003342731A JP 2003342731 A JP2003342731 A JP 2003342731A JP 3968437 B2 JP3968437 B2 JP 3968437B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cluster
information
time
life
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003342731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004295861A (ja
Inventor
克典 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2003342731A priority Critical patent/JP3968437B2/ja
Publication of JP2004295861A publication Critical patent/JP2004295861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3968437B2 publication Critical patent/JP3968437B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emergency Alarm Devices (AREA)
  • Alarm Systems (AREA)

Description

本発明は、居住者の通常と異なる生活行動を検知するための生活異変検知方法、装置及びプログラムに関する。
我が国では急速な高齢化とともに、家庭内での不慮の事故による死亡件数が急増しており、2001年には交通事故死者数に匹敵するまでになっている。また、独居高齢者数も増加の一途をたどっており、2000年には300万人に上っている。このような社会の大きな変化の中で、生活者の異常を自動検知する技術や離れた家族の生活ぶりを知る技術などの生活見守り技術が求められている。そこで、住宅内に配置した複数のセンサから得られる情報を基に、普段と異なる状態を自動検知する技術の開発が行われている。
例えば、特許文献1には、以下に示す居住者の健康確認方法が開示されている。まず、住宅における複数の電源系統の電流値を測定し、一定電流値の継続時間や電流レベルなどの特徴量を設定する。そして、各特徴量に対応するデータをニューラルネットワークに入力し、現実の健康状態を教師信号として与え、各結合荷重を変化させながら出力値と教師信号との差が十分小さくなるまで反復計算し、各結合荷重を決定する。
更に、直近数日間の同じ時間帯に対応する学習用特徴量データの平均値および標準偏差を算出し、この平均値に標準偏差の実数倍を加算および減算した仮想データを作成する。そして、この仮想データを境界データとしてニューラルネットワークに入力し、異常を表す教師信号を与え、出力信号が教師信号と一致するように各結合荷重を再計算する。
このようにして初期設定を行った後、蓄積された電流値などに基づき毎日数回の健康確認タイミングにおいて特徴量データが作成され、これらのデータがニューラルネットワークに入力されると健康状態が判断され、判断結果が出力される。
特開2002−109663号公報(第4−8頁、第5図)
ところが、上記特許文献1に開示された居住者の健康確認方法は、初期設定において、通常の健康状態であると認識した状態での特徴量データをニューラルネットワークに入力し、健康状態を表す教師信号を付与して学習させることが必要になるので、初期設定に要する負担が大きいだけでなく、生活パターンが変わる度に初期設定をやり直さなければならず、面倒であるという問題があった。更に、被験者の主観に基づいて健康か否かが判断されるため、生活異変を客観的に判断することが困難であるという問題があった。
また、複数日の同じ時間帯における学習用特徴量データの平均値および標準偏差を利用して、非健康状態をニューラルネットワークに学習させるようにしているが、健康状態を効果的に判別可能な時間帯を具体的に設定することが困難であるという問題もあった。
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであって、居住者に負担をかけることなく生活異変を客観的に検知することができる生活異変検知方法、装置及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の前記目的は、居住者の通常と異なる生活行動を検知するための生活異変検知方法であって、居住者の生活状態を複数のセンサにより時系列計測し、センサ情報を取得するステップと、任意の時刻に対して所定の時間窓で前記センサ情報を切り出すことにより、各時刻のセンサ反応パターンを取得するステップと、前記各センサ反応パターンに基づくクラスタ分析により、各時刻に対応するクラスタを取得するステップと、所定の時間間隔で抽出された複数の単位時間における前記クラスタの遷移に基づいて、前記単位時間についての標準クラスタ情報を生成するステップと、評価対象となる特定の前記単位時間における前記クラスタの遷移に基づいて、特定クラスタ情報を生成するステップと、前記特定クラスタ情報を前記標準クラスタ情報と比較することにより、生活異変の有無を判定するステップとを備え、前記クラスタを取得するステップは、前記各センサ反応パターンに対して成分分析を行うことにより複数の主たる成分からなる特徴情報を抽出するステップと、前記各センサ反応パターンから前記特徴情報に基づいて各時刻に対応する特徴量をそれぞれ求めるステップと、前記特徴量をクラスタ分析することにより各時刻のクラスタを取得するステップとを備え、前記標準クラスタ情報を生成するステップは、複数日の同時刻におけるクラスタに基づいて当該時刻のクラスタ発生頻度分布を作成するステップを備
える生活異変検知方法により達成される。
また、本発明の前記目的は、居住者の通常と異なる生活行動を検知するための生活異変検知装置であって、複数のセンサにより計測された居住者の生活状態に関するセンサ情報を記憶するセンサ情報記憶手段と、任意の時刻に対して所定の時間窓で前記センサ情報を切り出すことにより、各時刻のセンサ反応パターンを取得するセンサパターン生成手段と、前記各センサ反応パターンに基づくクラスタ分析により、各時刻に対応するクラスタを取得するクラスタ分析手段と、所定の時間間隔で抽出された複数の単位時間における前記クラスタの遷移に基づいて、前記単位時間についての標準クラスタ情報を生成する標準クラスタ情報生成手段と、 評価対象となる特定の前記単位時間における前記クラスタの遷移に基づいて、特定クラスタ情報を生成する特定クラスタ情報生成手段と、前記特定クラスタ情報を前記標準クラスタ情報と比較することにより、生活異変の有無を判定する生活異変判定手段とを備え、
前記クラスタ分析手段は、前記各センサ反応パターンに対して成分分析を行うことにより複数の主たる成分からなる特徴情報を抽出する手段と、前記各センサ反応パターンから前記特徴情報に基づいて各時刻に対応する特徴量をそれぞれ求める手段と、前記特徴量をクラスタ分析することにより各時刻のクラスタを取得する手段とを備え、前記標準クラスタ情報生成手段は、複数日の同時刻におけるクラスタに基づいて当該時刻のクラスタ発生頻度分布を作成する生活異変検知装置により達成される。

また、本発明の前記目的は、コンピュータを、上記生活異変検知装置として機能させるための生活異変検知プログラムにより達成される。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、居住者に負担をかけることなく生活異変を客観的に検知することが可能になる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る生活異変検知装置を示すブロック図である。同図に示すように、この生活異変検知装置1は、複数のセンサS1,S2,・・・,Snに接続されており、センサ情報記憶手段2、センサパターン生成手段4、クラスタ分析手段6、標準クラスタ情報生成手段8,特定クラスタ情報生成手段9および生活異変判定手段10を備えている。複数のセンサS1,S2,・・・,Snは、居住者の生活状態を乱すことなく常時モニタリング可能なものが好ましく、例えば、赤外線センサや、電力量センサなどを挙げることができる。また、センサの個数は、複数であれば特に制限はないが、住宅内全体における居住者の動きが把握できるように配置することが好ましい。生活異変検知装置1へのセンサ情報の入力は、例えば、無線通信により行うことができる。
センサ情報記憶手段2は、接続された複数のセンサS1,S2,・・・,Snから常時入力される計測データを、センサ情報として格納する。センサパターン生成手段4は、センサ情報に基づいて各時刻のセンサ反応パターンを取得する。クラスタ分析手段6は、センサ反応パターンに基づくクラスタ分析により、各時刻に対応するクラスタを取得する。標準クラスタ情報生成手段8は、所定の時間間隔で抽出された複数の単位時間におけるクラスタの遷移に基づいて、単位時間の標準クラスタ情報を生成する。特定クラスタ情報生成手段9は、評価対象となる特定の単位時間におけるクラスタの遷移に基づいて、特定クラスタ情報を生成する。生活異変判定手段10は、特定クラスタ情報を標準クラスタ情報と比較することにより、生活異変の有無を判定する。
本実施形態において、クラスタ分析手段6は、各センサ反応パターンに対して主成分分析などの成分分析を行うことにより、複数の主たる成分からなる特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段61と、各センサ反応パターンから特徴情報に基づいて各時刻に対応する主成分負荷量などの特徴量をそれぞれ求める特徴量生成手段62とを備えており、この特徴量をクラスタ分析することにより、各時刻のクラスタを得るように構成されている。
また、本実施形態において、標準クラスタ情報生成手段8は、単位時間を1日とし、各単位時間が連続するように(即ち、各単位時間の時間間隔が1秒となるように)設定しており、複数日のクラスタ遷移から得られる各日の同時刻におけるクラスタに基づいて、当該時刻のクラスタ発生頻度分布を作成する頻度分布作成手段81を備えている。
次に、上述した生活異変検知装置1を用いて生活異変を検知する方法の一実施例を説明する。本実施形態においては、センサS1,S2,・・・,Snとして、在室センサおよび電力センサを使用し、4人家族(夫婦および子供2人)の住宅に設置した場合について説明する。それぞれの設置場所および計測対象としては、例えば、図2に示すものを挙げることができる。
在室センサとしては、異なる4方向に検知エリアをもつ4つの赤外線センサを照明器具の下部に装着した構成のものと、1つの赤外線センサを装着した構成のものとを使用し、人体から発せられる赤外線の強度変化を検知して1秒毎にON/OFF信号を送信するように構成可能である。照明器具に装着されるものについては、照明器具のON/OFF信号も送信するように構成可能である。また、電力量センサは、接続された各種家電製品の使用電力の積算値を1分間隔で出力するように構成可能である。
このようなセンサS1,S2,・・・,Snを、生活異変検知装置1に対して無線通信可能に接続した後、時系列計測を開始する。計測したデータは、センサ情報の時系列情報としてセンサ情報記憶手段2に格納される。センサ情報の一例を図3に示す。センサ情報の格納は、所定期間(例えば2週間程度)行う。
図3に示す時系列情報は、最短1秒間隔で変化する情報であり、同じ生活状態(食事やくつろぎなどの状態)でもセンサ反応は異なるため、センサ情報を直接比較しても生活状態の違いを検知することは困難である。そこで、本実施形態においては、センサパターン生成手段4が生成したセンサ反応パターンに基づいてクラスタ分析手段6がクラスタ分析を行うことにより、センサ情報から生活状態を表す情報に変換する。
より具体的には、センサパターン生成手段4は、測定開始時刻に対応する時間窓wによりセンサ情報を切り出して、センサ反応パターンを生成する。時間窓wは10秒とし、時間窓を1秒毎に移動しながらセンサ反応パターンを順次取得する。特徴情報抽出手段61は、得られた各センサ反応パターンの主成分分析を行う(図3参照)。
主成分分析の方法は、公知の各種アルゴリズムを用いて行うことができるが、本実施形態においては、10秒の時間窓で1秒毎に得られる1日のセンサ反応パターンが、約86400パターンと膨大な数になるので、数週間におよぶセンサ情報の主成分を、固有値を計算する直接解法で求めることは困難である。そこで、主成分をニューラルネットワークの学習機能を用いて求める一般化ヘッブアルゴリズム(Generalized Hebbian Algorithm)
を好ましく例示することができる。このアルゴリズムによれば、n個の主成分を求める時、i番目の主成分ベクトルci (i=0,…,n-1)は、時間窓wで切り出したk秒後のセンサ反応パターンx(k)を順次入力することにより、次式1のように漸化的に求まる。
ただし、γは定数で、左肩添え字tはベクトルの転置を表す。
主成分の数nは、寄与率の総和が所定値(例えば0.8程度)を超える最小の値とすることにより自動的に設定可能であり、これによって、センサ反応の中の主要な成分のみを抽出することができ、複数の主成分から構成される特徴情報を得ることができる。図4は、14日間のセンサ情報から求めた特徴情報の一例を示しており、主成分1〜主成分10までの10個の主成分により構成されている。
次に、特徴量生成手段62は、時間窓wで切り取られたセンサ反応パターンを各主成分ベクトルに投影した主成分負荷量(pi=tcix/|ci|)を各時刻に対応させて求める。クラスタ分析は、この主成分負荷量に対して行われる。
クラスタ分析の方法についても特に限定はないが、例えば、非階層クラスタを自己組織的に生成することができるART(Adaptive Resonance Theory)による方法を挙げることができる。即ち、入力となる主成分負荷量を要素とするベクトルpが、既に生成されているm個のクラスタqi(i=0,…,m-1)の方向よりも異なる場合、つまりすべてのqiに対して、次式2が成り立つ時、新しいクラスタpが生成される。
図5は、図4に示す10個の主成分に基づく主成分負荷量のクラスタ分類(但しα=0.6)により生成された生活情報クラスタの一例であり、クラスタ1〜クラスタ44までの44種類のクラスタが示されている。尚、クラスタ分類された際の各主成分負荷量が横軸に並んでおり、図中の横軸の数字は各主成分の番号に対応している。これらのクラスタは、「食事」や「くつろぎ」などの生活の意味との関連性が必ずしも強い訳ではないが、その家族における主要な生活状態を表現していると考えられる。参考として、センサ情報を主成分分析することなく直接クラスタ分析したところ、図6に示すように、細かなセンサ反応に対応したクラスタが多数生成され、生活状態を記述するには不都合な結果となった。この結果から、主成分負荷量をクラスタ分析する有効性が確認できる。
頻度分布作成手段81は、各時刻に対応するクラスタにより、日々の生活をクラスタ間の遷移パターンとして表す。図7は、遷移パターンの一例を示しており、各日付におけるクラスタ間の遷移状態を表している。この結果から、複数日の同時刻におけるクラスタに基づいて、当該時刻のクラスタ発生頻度分布を作成する。ある時刻におけるクラスタの発生頻度の最大値が1になるように正規化すると、図8に示すように、1日の各時刻におけるクラスタの発生頻度分布に基づく、その家族の標準生活テンプレート(標準クラスタ情報)が得られる。尚、図8において、頻度が高いところほど明るく表示されている。
特定クラスタ情報生成手段9は、評価対象となる特定の日のクラスタ遷移パターン(特
定クラスタ情報)を生成する。生活異変判定手段10は、上述したクラスタ発生頻度分布からなる標準生活テンプレートと、評価対象となる日のクラスタ遷移パターンとを比較することにより、その日の普段度を評価する。
時刻tにおける標準生活テンプレートをP(t;c)とし、普段度を評価するi日目の時刻t
におけるクラスタ遷移パターンをXi(t;c)とすると、i日目の普段度Oiは、次式3で与
えられる。
ただし、cはクラスタ番号を表している。
普段度Oiは、標準生活テンプレートで示される最も発生しやすいクラスタだけが起き
た日に最大値1を示し、値が小さくなる程、普段の生活状態から逸脱が大きいことを示している。生活異変判定手段10は、こうして得られた評価対象日の普段度を、予め設定された基準値(例えば0.75)と比較することにより、生活異変の有無を判定する。図8に示すクラスタの発生頻度分布に基づいて14日間の普段度を算出したところ、図9に示す結果となった。
普段度が基準値を下回った4日について、実際の状況に基づき検証したところ、それぞれ子供が幼稚園を休んだ日、長い外出があった日、心理テスト(POMS)で精神状態が不安定と判定された日、5人の来客があった日であり、普段と異なる日を有効に検知できていることを確認した。
このように、本実施形態の生活異変検知装置によれば、複数のセンサ情報を所定期間蓄積することにより、居住者に負担をかけることなく、生活異変を自動的に検知することが可能である。また、家屋の間取り、センサ配置、家族の構成員などが変化しても、センサ情報の蓄積により、自動的に標準生活テンプレート(すなわち、クラスタ発生頻度分布などの標準クラスタ情報)に反映することができるので、環境の変化にも容易に対応することができる。
本実施形態においては、標準生活テンプレート(標準クラスタ情報)の一例として、クラスタの発生頻度(発生確率)を評価指標とするクラスタ発生頻度分布からなる標準クラスタパターンを利用する場合について説明したが、他の評価指標を用いることも可能である。
図10〜図12は、評価指標をそれぞれクラスタの遷移確率、継続時間確率および周期確率とした場合の各日の普段度を表しており、生活異変判定手段10は、上述したように、評価対象日の普段度が予め設定された基準値を下回った場合に、生活異変があったと判定する。
図10に示すクラスタの遷移確率を評価指標とする場合の普段度は、各時刻のクラスタから所定の時間幅におけるクラスタ間の遷移頻度分布を求めることにより図13に示す標準生活テンプレート(標準クラスタ情報)を生成し、これを評価対象となる特定の日のクラスタ遷移パターン(特定クラスタ情報)と比較することにより、評価することができる。図13において、縦軸及び横軸はいずれもクラスタ番号を示しており、縦軸のクラスタ番号から横軸のクラスタ番号への遷移確率が高い箇所ほど明るくなるようにマトリクス表
示している。
図11に示すクラスタの継続時間確率を評価指標とする場合の普段度は、各時刻のクラスタから各クラスタの継続時間分布を求めることにより図14に示す標準生活テンプレート(標準クラスタ情報)を生成し、これを評価対象となる特定の日のクラスタ遷移パターン(特定クラスタ情報)と比較することにより、評価することができる。図14において、縦軸はクラスタ番号を示し、横軸は継続時間を示しており、継続時間が含まれる割合が大きい時間帯ほど明るく表示している。
図12に示すクラスタの周期確率を評価指標とする場合の普段度は、各時刻のクラスタから、同一のクラスタが現れる周期分布を求めることにより図15に示す標準生活テンプレート(標準クラスタ情報)を生成し、これを評価対象となる特定の日のクラスタ遷移パターン(特定クラスタ情報)と比較することにより、評価することができる。図15において、縦軸はクラスタ番号を示し、横軸は同一のクラスタが発生する周期分布をフーリエ変換することにより得られた時間周波数の振幅分布を示しており、周期確率の高い箇所ほど明るく表示している。尚、時間周波数を表す横軸は両端が0であり、左端から中央に向けて時間周波数が正の方向に大きくなる一方、右端から中央に向けて時間周波数が負の方向に大きくなり、中央において絶対値が最大となるように表示されている。
また、評価指標としては、上述の他に、例えば所定の時間幅の中でのクラスタ間の遷移頻度を用いることもできる。図16は、各日のクラスタ間の遷移頻度を縦軸にとり、この遷移頻度が上限基準値を上回るか、下限基準値を下回る日を、生活異変があった日と判定する。上限基準値及び下限基準値は、例えば各日の遷移頻度分布を正規分布で近似したときの標準偏差などに基づいて設定することができ、上限基準値を上回った日は普段よりも人が多い日(例えば、来客日)であり、下限基準値を下回った日は普段よりも人が少ない日(例えば、外出日)であると判断することができる。
図10〜図12及び図16から明らかなように、異なる評価指標を用いた場合であっても、生活異変と判定された日はある程度共通しており、評価指標としてクラスタの発生確率を用いる代わりに、クラスタの遷移確率、継続時間確率、周期確率、遷移頻度などを用いても、生活異変を有効に検知可能である。
また、単一の評価指標を用いて生活異変を判定する代わりに、上述したような複数の評価指標を用いて各評価結果を組み合わせることにより、生活異変を判定することもできる。例えば、評価指標として上述したクラスタの発生確率、遷移確率、継続時間確率、周期確率および遷移頻度を全て使用し、いずれかの評価指標において生活異変と判定された日(4月8、10、14、17、19および20日)を抽出することにより、何らかの異変があった可能性がある日の把握漏れを減らすことができる。また、上記全ての評価指標において生活異変と判定された日(4月17日)を抽出することにより、重大な異変があった日の把握を精度よく行うことができる。
更に、各評価指標に対する評価結果に基づく評価方法を工夫することにより、特定の生活異変を検知することができる。例えば、クラスタの発生確率、遷移確率、継続時間確率および周期確率のいずれかの評価指標において生活異変と判定され、且つ、クラスタの遷移頻度の評価指標において生活異変と判定された日(4月18および20日)を抽出することにより、来客の多かった日を正確に把握することができる。
このように、複数の評価指標を用いる生活異変の検知方法によれば、単に生活異変の有無だけでなく、生活異変の内容や程度などを把握することが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様が上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、標準クラスタ情報および特定クラスタ情報の単位時間を一日としており、連続する複数日の各クラスタ遷移に基づいて標準クラスタ情報を生成するようにしているが、単位時間は必ずしも一日である必要はなく、例えば1週間を単位時間とすることも可能である。また、各単位時間は必ずしも連続する必要はなく、例えば、同じ曜日や所定の時間帯など、所定の時間間隔で抽出される一定幅の時間を単位時間とすることもできる。
また、上記実施形態においては、センサ反応パターンに対してクラスタ分析手段6が主成分分析を行うことにより特徴情報を抽出し、各センサ反応パターンから特徴情報に基づいて主成分負荷量を求めるように構成しているが、成分分析の方法としては必ずしも主成分分析に限定されるものではなく、因子分析や独立成分分析などを適用することもできる。
また、汎用のコンピュータを上述した生活異変検知装置として機能させるためのプログラムを作成し、当該プログラムを市場において流通させることも可能である。
本発明の一実施形態に係る生活異変検知装置を示すブロック図である。 上記生活異変検知装置に接続されるセンサの設置場所および計測対象の一実施例を示す図である。 センサ情報の一実施例を示す図である。 特徴情報の一実施例を示す図である。 クラスタの一実施例を示す図である。 クラスタの比較例を示す図である。 クラスタ間の遷移パターンの一実施例を示す図である。 標準生活テンプレートの一実施例を示す図である。 普段度の評価結果の一実施例を示す図である。 普段度の評価結果の他の実施例を示す図である。 普段度の評価結果の更に他の実施例を示す図である。 普段度の評価結果の更に他の実施例を示す図である。 標準生活テンプレートの他の実施例を示す図である。 標準生活テンプレートの更に他の実施例を示す図である。 標準生活テンプレートの更に他の実施例を示す図である。 クラスタ間遷移頻度の評価結果の一実施例を示す図である。
符号の説明
1 生活異変検知装置
2 センサ情報記憶手段
4 センサパターン生成手段
6 クラスタ分析手段
8 標準クラスタ情報生成手段
9 特定クラスタ情報生成手段
10 生活異変判定手段
S1,S2,・・・,Sn センサ

Claims (7)

  1. 居住者の通常と異なる生活行動を検知するための生活異変検知方法であって、
    居住者の生活状態を複数のセンサにより時系列計測し、センサ情報を取得するステップと、
    任意の時刻に対して所定の時間窓で前記センサ情報を切り出すことにより、各時刻のセンサ反応パターンを取得するステップと、
    前記各センサ反応パターンに基づくクラスタ分析により、各時刻に対応するクラスタを取得するステップと、
    所定の時間間隔で抽出された複数の単位時間における前記クラスタの遷移に基づいて、前記単位時間についての標準クラスタ情報を生成するステップと、
    評価対象となる特定の前記単位時間における前記クラスタの遷移に基づいて、特定クラスタ情報を生成するステップと、
    前記特定クラスタ情報を前記標準クラスタ情報と比較することにより、生活異変の有無を判定するステップとを備え、
    前記クラスタを取得するステップは、前記各センサ反応パターンに対して成分分析を行うことにより複数の主たる成分からなる特徴情報を抽出するステップと、前記各センサ反応パターンから前記特徴情報に基づいて各時刻に対応する特徴量をそれぞれ求めるステップと、前記特徴量をクラスタ分析することにより各時刻のクラスタを取得するステップとを備え、
    前記標準クラスタ情報を生成するステップは、複数日の同時刻におけるクラスタに基づいて当該時刻のクラスタ発生頻度分布を作成するステップを備える生活異変検知方法。
  2. 前記成分分析は主成分分析であり、前記特徴量は主成分負荷量である請求項1に記載の生活異変検知方法。
  3. 前記標準クラスタ情報を生成するステップは、前記クラスタの遷移に対し、少なくとも前記クラスタ発生頻度を含む複数の評価指標に基づいて複数の標準クラスタパターンを生成するステップを備え、
    前記特定クラスタ情報を生成するステップは、前記評価指標に基づく複数の特定クラスタパターンを生成するステップを備え、
    前記生活異変の有無を判定するステップは、前記各特定クラスタパターンを、対応する前記各標準クラスタパターンと比較し、それぞれの比較結果の組み合わせに基づいて生活異変の有無を判定するステップを備える請求項1に記載の生活異変検知方法。
  4. 前記評価指標は、前記クラスタ発生頻度以外に、遷移確率、継続時間確率、周期確率および遷移頻度のいずれかを含む請求項3に記載の生活異変検知方法。
  5. 複数の前記センサは、複数の赤外線センサ及び複数の電力量センサを含む請求項1に記載の生活異変検知方法。
  6. 居住者の通常と異なる生活行動を検知するための生活異変検知装置であって、
    複数のセンサにより計測された居住者の生活状態に関するセンサ情報を記憶するセンサ情報記憶手段と、
    任意の時刻に対して所定の時間窓で前記センサ情報を切り出すことにより、各時刻のセンサ反応パターンを取得するセンサパターン生成手段と、
    前記各センサ反応パターンに基づくクラスタ分析により、各時刻に対応するクラスタを取得するクラスタ分析手段と、
    所定の時間間隔で抽出された複数の単位時間における前記クラスタの遷移に基づいて、前記単位時間についての標準クラスタ情報を生成する標準クラスタ情報生成手段と、
    評価対象となる特定の前記単位時間における前記クラスタの遷移に基づいて、特定クラスタ情報を生成する特定クラスタ情報生成手段と、
    前記特定クラスタ情報を前記標準クラスタ情報と比較することにより、生活異変の有無を判定する生活異変判定手段とを備え、
    前記クラスタ分析手段は、前記各センサ反応パターンに対して成分分析を行うことにより複数の主たる成分からなる特徴情報を抽出する手段と、前記各センサ反応パターンから前記特徴情報に基づいて各時刻に対応する特徴量をそれぞれ求める手段と、前記特徴量をクラスタ分析することにより各時刻のクラスタを取得する手段とを備え、
    前記標準クラスタ情報生成手段は、複数日の同時刻におけるクラスタに基づいて当該時刻のクラスタ発生頻度分布を作成する生活異変検知装置。
  7. コンピュータを、請求項6に記載の生活異変検知装置として機能させるための生活異変検知プログラム。
JP2003342731A 2003-03-07 2003-10-01 生活異変検知方法、装置及びプログラム Expired - Lifetime JP3968437B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003342731A JP3968437B2 (ja) 2003-03-07 2003-10-01 生活異変検知方法、装置及びプログラム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003061948 2003-03-07
JP2003342731A JP3968437B2 (ja) 2003-03-07 2003-10-01 生活異変検知方法、装置及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004295861A JP2004295861A (ja) 2004-10-21
JP3968437B2 true JP3968437B2 (ja) 2007-08-29

Family

ID=33421434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003342731A Expired - Lifetime JP3968437B2 (ja) 2003-03-07 2003-10-01 生活異変検知方法、装置及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3968437B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007265017A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Univ Of Tsukuba 高齢者安否情報生成システム
JP5909204B2 (ja) * 2013-02-28 2016-04-26 日本電信電話株式会社 独居世帯見守りシステム
JP6146811B2 (ja) * 2013-09-20 2017-06-14 国立大学法人九州大学 推定装置、推定方法及びプログラム
JP6297876B2 (ja) * 2014-03-25 2018-03-20 Kddi株式会社 消費電力量に基づいて生活行動パターンを抽出する装置、プログラム及び方法
CN108463175B (zh) 2016-02-22 2020-11-06 松下知识产权经营株式会社 痴呆症状检测系统以及记录介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004295861A (ja) 2004-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10950349B2 (en) Performing a health analysis using a smart floor mat
US20030117279A1 (en) Device and system for detecting abnormality
JP2022037241A (ja) 異常検出システム、異常検出方法、異常検出プログラム及び学習済モデル生成方法
EP1864246B1 (en) Spatio-temporal self organising map
KR101069001B1 (ko) 낙상 감지 장치 및 낙상 감지 방법
EP3045889B1 (en) Information processing system, information processing method, and program
Mineharu et al. A study of automatic classification of sleeping position by a pressure-sensitive sensor
JP4310409B2 (ja) 生活異変検知方法、装置及びプログラム
Skubic et al. Testing classifiers for embedded health assessment
EP2946219B2 (en) Method, apparatus and computer-program product for determining faults in a lighting system
EP3910437B1 (en) Monitoring apparatus, monitoring method, and computer-readable medium
JP3968437B2 (ja) 生活異変検知方法、装置及びプログラム
JP2019155071A (ja) 事象予測システム、センサ信号処理システム、事象予測方法及びプログラム
CN114600084A (zh) 综合分析方法、综合分析装置以及综合分析程序
Nguyen et al. Ensemble based real-time adaptive classification system for intelligent sensing machine diagnostics
JP5442704B2 (ja) 人間活動検知システム、人間活動検知方法および人間活動検知プログラム
KR20170004270A (ko) 낙상 감지 장치 및 낙상 감지 시스템
WO2005071582A2 (en) Detection of abnormal behaviour in dynamic systems
WO2022059720A1 (ja) 構造物診断システム、構造物診断方法、および構造物診断プログラム
Gorshkov et al. Evaluation of monofractal and multifractal properties of inter‐beat (R‐R) intervals in cardiac signals for differentiation between the normal and pathology classes
CN115169405A (zh) 基于支持向量机的酒店客房设备故障诊断方法及系统
Masciadri et al. Human Behavior Drift Detection in a Smart Home Environment.
Moshtaghi et al. Monitoring personal safety by unobtrusively detecting unusual periods of inactivity
JP2004206401A (ja) 行動パターン異変監視システム
CN117254593B (zh) 基于云边协同的电网巡视作业智慧管控平台及其方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050502

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3968437

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term