JP3968163B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ回路により加熱コイルに高周波電流を供給する誘導加熱調理器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば家庭用の電磁調理器やIH炊飯器等の誘導加熱調理器においては、インバータ回路により加熱コイルに高周波電流を供給するように構成されており、制御回路により、そのインバータ回路のスイッチング素子をオン,オフ制御するように構成されている。この場合、前記制御回路は、加熱出力に応じたPWM信号を生成するためのタイミング回路を含んで構成されるが、従来では、このタイミング回路にアナログ回路(CR発振回路)が用いられていた。
【0003】
ところが、このようなCR発振回路を用いたものでは、誤差が大きく制御が不安定となり、また回路構成が複雑となる不具合がある。そこで、タイミング回路をデジタル化してマイコンに組込み、制御回路全体を1チップマイコンから構成することが考えられる。
【0004】
ところで、この種の誘導加熱調理器に用いられるインバータ回路としては、スイッチング素子が1個の準E級(共振型)インバータ回路や、スイッチング素子が2個のハーフブリッジ型インバータ回路等があり、また、ハーフブリッジ型インバータ回路においては、周波数固定のものや周波数を可変させるものなど、加熱出力の制御方式が異なるものがある。この場合、従来のアナログ回路(CR発振回路)では、インバータ回路の種類毎に別の回路を設ける必要があるため、インバータ回路を制御するためのデジタル化された制御回路(1チップマイコン)を、複数種類のインバータ回路に関して共通化することが要望される。
【0005】
しかしながら、上述のように、タイミング回路をデジタル化することは可能であるものの、単純にデジタル化したものでは、種類の異なるインバータ回路に対する制御回路の共通化ができないという問題点は依然として残ることになる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、タイミング回路をデジタル化してインバータ回路の安定した制御を行うことができるものであって、そのタイミング回路を複数種類のインバータ回路に適用可能とすることができる誘導加熱調理器を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘導加熱調理器は、容器を加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、このインバータ回路のスイッチング素子に対するオン,オフ信号を出力するタイミング回路とを具備し、前記タイミング回路は、基準クロック信号を用いて、前記スイッチング素子に対する通断電サイクルを単位オン,オフ時間に分割したブロック毎に順にカウントするための第1〜第4の4個のカウンタを備え、それら各カウンタのカウント値に基づいてスイッチング素子に対するオン,オフ信号を出力するように構成されていると共に、前記インバータ回路の種類が準E級である場合には、前記4個のカウンタのうち実質的に2個のカウンタを使用するように構成され、前記インバータ回路の種類が第1及び第2の2個のスイッチング素子を備えるハーフブリッジ型の場合には、前記第1のカウンタないし第4のカウンタを使用し、双方オフ時間、第1のスイッチング素子のオン時間、双方オフ時間、第2のスイッチング素子のオン時間が順にカウントされるように構成され、さらに、前記4個のカウンタのうち第1のカウンタのビット数が、他のカウンタのビット数よりも小さく構成されているところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0008】
これによれば、タイミング回路は、スイッチング素子に対する通断電サイクルを単位オン,オフ時間に分割したブロック毎に順にカウントするための複数のカウンタのカウント値に基づいて、インバータ回路のスイッチング素子のオン,オフ信号を出力する。従って、基本クロック信号を用いたカウンタのカウント値に基づいて、インバータ回路のスイッチング素子を制御することができるから、正確で安定した制御が可能となると共に、各カウンタにセットするカウント値の変更により単位オン,オフ時間を容易に変更することができ、ひいては時定数等の影響がなくインバータ制御を簡素化することができる。そして、複数のカウンタを実質的に選択的に使用することによって、種類の異なるインバータ回路の制御に適用することができる。
【0009】
具体的には、インバータ回路の種類が準E級である場合には、4個のカウンタのうち実質的に2個のカウンタを使用するようにすることができる。また、第1及び第2の2個のスイッチング素子を備えるインバータ回路にあっては、第1のカウンタないし第4のカウンタにより、双方オフ時間、第1のスイッチング素子のオン時間、双方オフ時間、第2のスイッチング素子のオン時間が順にカウントされるように構成することができる。
【0010】
この場合、複数のカウンタを、全て同一のビット数を有するものから構成しても良いが、サイクルのスタートからのスイッチング素子のオフ時間(遅延時間)をカウントする第1のカウンタは、さほど大きなビット数を必要としないため、第1のカウンタのビット数を、他のカウンタのビット数よりも小さく構成することができ、これにより、無駄を省いて構成の簡単化を図ることができる。
【0011】
そして、スイッチング素子の1通断電サイクルの時間が経過してもカウンタによるカウントが終了しないときに、カウンタをリセットするカウンタ監視手段を設けるようにしても良い(請求項2の発明)。これによれば、例えばカウンタノイズ等によりカウンタに誤動作があったためにスイッチング素子がオフされなくなるといった不具合を未然に防止することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0012】
また、外乱ノイズ検出手段を設け、この外乱ノイズ検出手段により外乱ノイズが検出されたときには、カウンタの動作をリセットすると共にスイッチング素子をオフさせ、この後所定時間経過後にカウンタの動作を再び開始させるように構成することもできる(請求項3の発明)。これによれば、例えば雷サージ等の外乱ノイズがあったときにも、インバータ回路を一旦停止させ、その後再開させることができるので、故障などを未然に防止することができる。
【0013】
さらには、外部トリガ回路を設け、この外部トリガ回路によってカウンタの1サイクルの動作を開始させるように構成することもできる(請求項4の発明)。これにより、最後のカウンタのカウント値に関係なくつまりそのカウンタを実質的に使用しない状態で、適切な時期に次のサイクルを開始させることができ、制御が簡素になると共に信頼性の向上を図ることができる。
【0014】
そして、上記基準クロック信号を、クロック発生回路からのクロック信号を分周回路により分周して与えられるように構成することができる(請求項5の発明)。これにより、カウンタの1ビットあたりの時間を容易に変更することができ、周波数を任意に変更することが可能となる。
【0015】
このとき、単位オン,オフ時間の比率を一定として1サイクルの時間つまりインバータ回路の動作周波数を変更する際には、カウンタ値を変更せずとも、分周回路による分周比を変更するだけで対応することができるようになるのである(請求項6の発明)。
上記タイミング回路を、1チップマイコンに一体的に組込むようにすることができ(請求項7の発明)、これにより構成の簡単化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
(1)第1の実施例
まず、本発明をハーフブリッジ型のインバータ回路を有する電磁調理器に適用した第1の実施例について、図1ないし図4を参照して述べる。
【0017】
図2は、本実施例に係る電磁調理器の電気的構成を概略的に示している。ここで、電磁調理器の本体(図示せず)の上面には、鍋や焼物用プレート等の容器1が載置されるトッププレート2が設けられ、そのトッププレート2の下面側に位置して、前記容器1を誘導加熱するための加熱コイル3が設けられる。
【0018】
前記加熱コイル3は、インバータ回路4により高周波電流が供給されるようになっており、そのインバータ回路4には、電源回路5から直流電源が供給されるようになっている。そして、前記インバータ回路4のスイッチング素子のゲート(後述)は、制御回路6からのオン,オフ信号(PWM信号)により駆動回路7を介して制御されるようになっている。
【0019】
前記電源回路5は、商用交流電源8をダイオードブリッジからなる整流回路9により全波整流し、その後リアクター10及び平滑コンデンサ11により平滑化する周知構成を備えており、前記平滑コンデンサ11の両端に接続された直流電源ライン12,13を介して、前記インバータ回路4に直流電源を供給するようになっている。このとき、前記平滑コンデンサ11には電流トランス14が挿設され、その検出信号が電流検出回路15に与えられるようになっている。詳しい説明は省略するが、この電流検出回路15は、電流トランス14の検出に基づいて、入力電流値及び回生電流値を検出するようになっている。
【0020】
前記インバータ回路4は、この場合第1及び第2の2個のスイッチング素子たるIGBT16及び17を備えている。これらIGBT16及び17は、コレクタ・エミッタ間を直列接続した状態で、前記直流電源ライン12,13間に接続されている。また、各IGBT16及び17のコレクタ・エミッタ間には、夫々フライホイールダイオード18及び19が接続されている。そして、IGBT16とIGBT17との接続点20が、前記加熱コイル3の一端に接続され、加熱コイル3の他端と前記直流電源ライン13との間には、共振コンデンサ21とダイオード22との並列回路が接続されている。
【0021】
さらに、本実施例では、前記接続点20と直流電源ライン13との間には、スナバ回路23が設けられている。このスナバ回路23は、スナバコンデンサ24、IGBT25、フライホイールダイオード26からなる周知構成を備えており、インバータ回路4の動作時におけるスイッチング損失を減少させるために設けられている。前記IGBT25のゲートに関しても、前記制御回路6により駆動回路7を介して制御されるようになっている。
【0022】
さて、制御回路6は、図3に示すように、CPU27,ROM28,RAM29,I/O30等を備える1チップ形のマイコン31に、前記IGBT16及び17に対するオン,オフ信号(PWM信号)を出力するタイミング回路32を一体的に組込んで構成されている。
【0023】
この制御回路6には、図2に示すように、前記電流検出回路15が接続されていると共に、クロック発生回路33や操作部34等が接続されている。前記クロック発生回路33は、水晶振動子等を備え、例えば16MHzのクロック信号を発生するようになっている。また、前記操作部34は、スタート・ストップキーや加熱出力の調整キー等を備えて構成されている。
【0024】
前記タイミング回路32は、詳細には図1に示すように構成されている。即ち、このタイミング回路32は、前記クロック発生回路33のクロック信号を分周する例えば8ビットの分周回路35を備えると共に、その分周回路35を介して与えられる基準クロック信号をカウントするための複数個この場合第1〜第4の4個のカウンタ36〜39を備えている。
【0025】
これらカウンタ36〜39は、いわば直列ループ状に接続されて順にカウント動作するように構成されている。つまり、第1のカウンタ36により所定のカウント値がカウントされると、第2のカウンタ37によるカウントが開始され、所定のカウント値がカウントされると、第3のカウンタ38によるカウントが開始され、所定のカウント値がカウントされると、第4のカウンタ39によるカウントが開始され、所定のカウント値がカウントされると、第1のカウンタ36によるカウントが開始されるというサイクルを繰返すように構成されている。カウンタ36〜39の動作(インバータ回路4の動作)は、マイコン31によるオン,オフ信号に基づいて行われるようになっている。
【0026】
このとき、マイコン31からの制御信号により、各カウンタ36〜39に対してカウント値がセットされるようになっている。この場合、後述するように、IGBT16及び17に対する1通断電サイクルのうち、第1のカウンタ36には、最初の双方オフ時間Td1 (図4参照)に相当するカウント値がセットされ、第2のカウンタ37には第1のIGBT16のオン時間Ton1に相当するカウント値がセットされ、第3のカウンタ38には、次の双方オフ時間Td2 に相当するカウント値がセットされ、第4のカウンタ39には、第2のIGBT17のオン時間Ton2に相当するカウント値がセットされるようになっている。
【0027】
これにて、タイミング回路32(制御回路6)は、第1のカウンタ36のカウント終了時(第2のカウンタ37のカウント開始時)にIGBT16に対するオン信号を出力し、第2のカウンタ37のカウント終了時にIGBT16に対するオフ信号を出力し、第3のカウンタ38のカウント終了時(第4のカウンタ39のカウント開始時)にIGBT17に対するオン信号を出力し、第4のカウンタ39のカウント終了時にIGBT17に対するオフ信号を出力するのである。前記駆動回路7は、それらオン,オフ信号に基づいて各IGBT16及び17のゲートにゲート信号を出力するようになっているのである。
【0028】
尚、本実施例では、第1のカウンタ36は、4ビットカウンタから構成され、他の第2〜第4のカウンタ37〜39は、全て8ビットカウンタから構成されている。また、本実施例では、上記1サイクルの周期(時間Tinv)つまりインバータ回路4の動作周波数を一定(例えば21.7kHz)とすると共に、最初の双方オフ時間Td1 及び第2のIGBT17のオン時間Ton2を固定し、第1のIGBT16のオン時間Ton1を可変させることにより、加熱コイル3の入力電力の制御(加熱出力調整)を行うように構成されている。
【0029】
そして、本実施例では、タイミング回路32は、カウンタ監視手段たるカウンタ監視回路40を備えていると共に、所定の停止時間を計時するタイマ41を備えて構成されている。さらに、図1に示すように、このタイミング回路32には、カウンタ36〜39の動作をリセットするリセット回路42及び外部トリガ回路43が接続され、これと共に、外乱ノイズ検出手段たるノイズ検知回路44も接続されている。
【0030】
このうちカウンタ監視回路40は、第1のカウンタ36のカウント動作が開始されてから1通断電サイクルの時間(Tinv)が経過しても第4のカウンタ39によるカウントが終了しないときに、何らかの理由(ノイズ等)によりカウンタ36〜39のいずれかに誤動作があったと判断して、リセット回路42を動作させてカウンタ36〜39をクリアし、サイクルの最初からの動作(第1のカウンタ36のカウント動作開始)に戻すようになっている。また、このリセット回路42は外部トリガ回路43によっても動作するようになっている。
【0031】
前記ノイズ検知回路44は、例えば雷サージ等の外乱ノイズを検知すると、インバータ回路4等の故障の虞があるとして、前記リセット回路42を動作させると共に、マイコン31にオフ信号を出力してインバータ回路4を停止させるようになっている。そして、タイマ41により所定時間(例えば3秒)が経過すると、マイコン31にオン信号を出力してインバータ回路4を動作させる(カウンタ36〜39の動作を再開させる)ようになっている。
【0032】
次に、上記構成の作用について、図4も参照して述べる。図4は、インバータ回路4の1通断電サイクルにおけるIGBT16及び17のオン,オフタイミングを示すものであり、タイミング回路32からのオン,オフ信号の出力タイミングに対応している。ここで、1サイクルは単位オン,オフ時間に分割された次の4つのブロックから構成される。
▲1▼IGBT16,17の双方がオフ(遅延時間Td1 )
▲2▼IGBT16がオン、IGBT17がオフ(時間Ton1)
▲3▼IGBT16,17の双方がオフ(時間Td2 )
▲4▼IGBT16がオフ、IGBT17がオン(時間Ton2)
【0033】
この実施例では、上述のように、1周期の時間(Tinv)つまりインバータ回路4の動作周波数が固定されると共に、時間Td1 及び時間Ton2が固定されており、IGBT16のオン時間(時間Ton1)のデューティーによって加熱コイル3に対する入力電力量が決定され、そのIGBT16のオン時間を変更することにより、加熱出力を調整することができるようになっている。
【0034】
かかる制御は、前記タイミング回路32の第1〜第4のカウンタ36〜39に対して、マイコン31により、設定された加熱出力に応じたカウント値が夫々セットされることにより実現される。今、具体例をあげると、サイクルの1周期の時間Tinvが46μs(周波数21.7kHz)、時間Td1 が2.5μs、時間Ton2が21.5μsであり、例えば時間Ton1を7μsとする(時間Td2 が15μsとなる)。
【0035】
このとき、分周回路35を介してタイミング回路32に与えられる基準クロック信号が例えば4MHzである場合には、第1のカウンタ36にはカウント値10がセットされ、第2のカウンタ37にはカウント値28がセットされ、第3のカウンタ38にはカウント値60がセットされ、第4のカウンタ39にはカウント値86がセットされることになる。
【0036】
そして、インバータ回路4がオンされると、カウンタ36〜39の動作が開始され、まず、第1のカウンタ36によるカウントが開始され、10クロックがカウントされると、IGBT16に対するオン信号が出力されると共に第2のカウンタ37のカウントが開始される。第2のカウンタ37により28クロックがカウントされると、IGBT16に対するオフ信号が出力されると共に第3のカウンタ38のカウントが開始される。第3のカウンタ38により60クロックがカウントされると、IGBT17に対するオン信号が出力されると共に第4のカウンタ39のカウントが開始される。第4のカウンタ39により86クロックがカウントされると、IGBT17に対するオフ信号が出力されると共に第1のカウンタ36のカウントが開始される。
【0037】
このサイクルが繰返されることにより、図4に示すような通電タイミングにてIGBT16,17が動作され、インバータ回路4が駆動されて加熱コイル3に電流が供給されるのである。このとき、加熱コイル13の動作中に操作部34による加熱出力の調整操作が行われたときには、それに応じて第2のカウンタ37のカウント値(及び第3のカウンタ38のカウント値)が変更され、IGBT16のオン時間のデューティーが変更されるのである。
【0038】
また、上記のようなカウンタ36〜39の動作中には、前記カウンタ監視回路40により、常にその動作が監視される。即ち、上記の例では1サイクルにおける第1〜第4のカウンタ36〜39の総カウント値は184となるが、カウンタ監視回路40は、サイクルのスタート(第1のカウンタ36によるカウント開始)から、1サイクルの時間46μs(184クロック)が経過しても、第4のカウンタ39のカウントが終了しないときには、リセット回路42を動作させてカウンタ36〜39をクリアし、サイクルの最初からの動作(第1のカウンタ36のカウント動作開始)に戻すのである。
【0039】
これにて、カウンタノイズ等によりカウンタ36〜39のいずれかに誤動作があったときにも、カウンタ監視回路40により、速やかに通常動作に戻されるようになり、いずれかのIGBT16,17がオフされなくなる(オンされ放しとなる)といった不具合を未然に防止することができ、安全性を高めることができるのである。
【0040】
さらに、カウンタ36〜39の動作中に、例えば雷サージ等の外乱ノイズがあると、上述のように、前記ノイズ検知回路44がその外乱ノイズを検知し、前記リセット回路42を動作させると共に、マイコン31にオフ信号を出力してインバータ回路4をオフさせる。そして、タイマ41により所定時間(例えば3秒)が経過すると、マイコン31にオン信号を出力してインバータ回路4をオンさせる(カウンタ36〜39の動作を再開させる)ようになっている。これにて、外乱ノイズによるインバータ回路4等の故障を未然に防止することができるのである。
【0041】
このように本実施例によれば、4個のカウンタ36〜39を備えるタイミング回路32を設け、各カウンタ36〜39のカウント値に基づいて、インバータ回路4のIGBT16,17をオン,オフ制御するようにしたので、正確で安定した制御が可能となると共に、各カウンタ36〜39にセットするカウント値の変更により単位オン,オフ時間を容易に変更することができ、ひいては時定数等の影響がなくインバータ制御を簡素化することができる。
【0042】
そして、タイミング回路32を1チップマイコンに一体的に組込むようにしたので、構成の簡単化を図ることができる。このとき、後述する実施例から明らかとなるように、タイミング回路32(マイコン31を含む制御回路6)は、複数のカウンタ36〜39を実質的に選択的に使用することによって、種類の異なるインバータ回路の制御に適用可能となるのである。
【0043】
また、特に本実施例では、カウンタ監視回路40を設けるようにしたので、例えばカウンタノイズ等によりカウンタ36〜39に誤動作があったためにIGBT16,17がオフされなくなるといったことを防止することができ、安全性,信頼性の向上を図ることができ、さらに、ノイズ検知回路44やタイマ41等を設けるようにしたので、例えば雷サージ等の外乱ノイズがあったときのインバータ回路4の故障等を未然に防止することができるといった利点を得ることができるものである。
【0044】
(2)第2の実施例
図5は、本発明の第2の実施例を示している。この第2の実施例においても、ハーフブリッジ型のインバータ回路4を有する誘導加熱調理器に本発明を適用したものであるが、その制御方式が上記第1の実施例と相違している。従って、電気的構成については、上記第1の実施例と共通するので、新たな図示や説明を省略し、符号も共通して使用することとする。尚、本実施例におけるインバータ回路4は、スナバ回路23を有しないものとされている。
【0045】
図5は、インバータ回路4の1通断電サイクルにおけるIGBT16及び17のオン,オフタイミングを示すものである。この1サイクルはやはり、▲1▼〜▲4▼の4つのブロックからなるのであるが、この実施例では、▲1▼及び▲3▼のIGBT16,17の双方がオフされる時間Tdは同一であり、また、▲2▼のIGBT16のオン時間Ton と▲4▼のIGBT17のオン時間Ton とが同一とされている。そして、それら時間Ton 及び時間Tdが可変されることによって、加熱コイル3に対する入力電力が調整されるようになっている。このとき、1周期の時間Tinv(インバータ回路4の動作周波数)が変更されることは勿論である。
【0046】
本実施例では、上記制御を行うために、タイミング回路32においては、マイコン31により、▲1▼及び▲3▼の時間に夫々対応する第1及び第3のカウンタ36及び38には、設定出力に応じた同一のカウンタ値(最大16)がセットされ、▲2▼及び▲4▼の時間に夫々対応する第2及び第4のカウンタ37及び39には、設定出力に応じた同一のカウンタ値(最大256)がセットされるのである。そして、例えば上記各カウンタ36〜39にセットされるカウント値を変更しない状態つまり単位オン,オフ時間の比率を一定とした状態で、分周回路35による分周比を変更することにより、1個の基準クロック信号の時間を変更しひいてはインバータ回路4の動作周波数を変更するようになっている。
【0047】
このような実施例によれば、タイミング回路32をデジタル化してインバータ回路4の安定した制御を行うことができるといった上記第1の実施例と同様の効果を得ることができる。そして、これと共に、カウンタ36〜39の1ビットあたり(1クロック)の時間を容易に変更することに基づいて、インバータ回路4の動作周波数を任意に変更することが可能となり、制御の簡素化を図ることができるものである。
【0048】
(3)第3の実施例
次に、本発明の第3の実施例について、図6及び図7を参照して述べる。この第3の実施例では、本発明を準E級のインバータ回路51を有するIH炊飯器に適用したものである。従って、それ以外の電源回路5やタイミング回路32を含む制御回路6の構成は上記第1の実施例と同一であるので、同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、異なる点についてのみ説明する。
【0049】
図6に示すように、本実施例におけるインバータ回路51は、直流電源ライン12,13間に、加熱コイル52及び共振コンデンサ53の並列回路と、スイッチング素子たるIGBT54のコレクタ・エミッタ間とを、直列に接続して構成されている。また、IGBT54のコレクタ・エミッタ間には、フライホイールダイオード55が接続されている。そして、IGBT54のゲートは、制御回路6により駆動回路7を介して制御されるようになっている。
【0050】
図7は、インバータ回路51の1通断電サイクルにおけるIGBT54のオン,オフタイミングを示しており、ここでは、1サイクルは、▲1▼〜▲3▼の3つのブロックに分割される。即ち、
▲1▼IGBT54がオフ(遅延時間:時間Td)
▲2▼IGBT54がオン(時間Ton )
▲3▼IGBT54がオフ(時間Toff)
【0051】
この場合、前記時間Td及び時間Ton に対応したカウント値(夫々最大16及び最大256)が、マイコン31により第1のカウンタ36及び第2のカウンタ37に夫々セットされるようになっている。そして、時間Toffに関しては、カウンタにより制御されるものではなく、1周期の時間(Tinv)ひいてはインバータ回路51の動作周波数が、外部トリガ回路43によって制御されるようになっている。
【0052】
つまり、外部トリガ回路43は、設定出力や容器1の材質に応じた動作周波数が得られるタイミング(時間間隔)でトリガ信号を出力し、リセット回路42を動作させるようになっており、これにて、▲3▼の期間中任意の時間に与えられるリセット信号により、カウンタ36〜39がクリアされ、サイクルの最初からの動作(第1のカウンタ36のカウント動作開始)に戻るようになっている。
【0053】
このため、本実施例では、第3のカウンタ38には、最大カウント値(256)がセットされるようになっており、第3のカウンタ38(及び第4のカウンタ39)は実質的には使用されなくなっている。また、本実施例では、カウンタ監視回路40は、第3のカウンタ38が256クロックをカウントした際に、例えばカウンタノイズ等によりカウンタ36〜38に誤動作があったと判断して、リセット回路42を動作させるようになっている。
【0054】
この第3の実施例によれば、タイミング回路32の4個のカウンタ36〜39のうち、第1及び第2の2個のカウンタ36及び37を実質的に選択して使用し、準E級のインバータ回路51に対する正確で安定した制御を行うことができる。しかも本実施例では、外部トリガ回路43によってインバータ回路51の動作周波数を制御するようにしたので、制御が簡素になると共に信頼性の向上を図ることができるものである。
【0055】
尚、上記構成においては、トリガ信号が入力される期間に対応する第3のカウンタ38に最大カウント値をセットして一応のカウント動作が行われるように構成したが、マイコン31からの信号により、第3のカウンタ38に基準クロック信号の入力があってもカウント動作を行わない(カウント値が増加しない)ように構成しても良い。
【0056】
その他、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、例えば、カウンタ監視手段を、1サイクル毎にではなく、各ブロックの時間毎にカウンタが正しく動作されているかを監視するような構成としても良く、また、IGBTに限らず各種のスイッチング素子を採用することができるなど、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明の誘導加熱調理器によれば、基準クロック信号を用いて、インバータ回路のスイッチング素子に対する通断電サイクルを単位オン,オフ時間に分割したブロック毎に順にカウントするための複数のカウンタを備え、それら各カウンタのカウント値に基づいてスイッチング素子に対するオン,オフ信号を出力するタイミング回路を設け、インバータ回路の種類に応じてそれら複数のカウンタを実質的に選択的に使用する構成としたので、タイミング回路をデジタル化してインバータ回路の安定した制御を行うことができ、しかも、そのタイミング回路を複数種類のインバータ回路に適用可能とすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、タイミング回路の構成を示す図
【図2】誘導加熱調理器の電気的構成を概略的に示す図
【図3】制御回路の構成を示す図
【図4】2個のスイッチング素子に対するオン,オフのタイミングを示す図
【図5】本発明の第2の実施例を示す図4相当図
【図6】本発明の第3の実施例を示す図2相当図
【図7】図4相当図
【符号の説明】
図面中、1は容器、3,52は加熱コイル、4,51はインバータ回路、6は制御回路、7は駆動回路、16,17,54はIGBT(スイッチング素子)、31はマイコン、32はタイミング回路、33はクロック発生回路、35は分周回路、36〜39はカウンタ、40はカウンタ監視回路(カウンタ監視手段)、41はタイマ、42はリセット回路、43は外部トリガ回路、44はノイズ検知回路(外乱ノイズ検出手段)を示す。
Claims (7)
- 容器を加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、このインバータ回路のスイッチング素子に対するオン,オフ信号を出力するタイミング回路とを具備し、
前記タイミング回路は、基準クロック信号を用いて、前記スイッチング素子に対する通断電サイクルを単位オン,オフ時間に分割したブロック毎に順にカウントするための第1〜第4の4個のカウンタを備え、それら各カウンタのカウント値に基づいてスイッチング素子に対するオン,オフ信号を出力するように構成されていると共に、
前記インバータ回路の種類が準E級である場合には、前記4個のカウンタのうち実質的に2個のカウンタを使用するように構成され、
前記インバータ回路の種類が第1及び第2の2個のスイッチング素子を備えるハーフブリッジ型の場合には、前記第1のカウンタないし第4のカウンタを使用し、双方オフ時間、第1のスイッチング素子のオン時間、双方オフ時間、第2のスイッチング素子のオン時間が順にカウントされるように構成され、
さらに、前記4個のカウンタのうち第1のカウンタのビット数が、他のカウンタのビット数よりも小さく構成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。 - スイッチング素子の1通断電サイクルの時間が経過してもカウンタによるカウントが終了しないときに、カウンタをリセットするカウンタ監視手段を備えることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
- 外乱ノイズ検出手段を備え、この外乱ノイズ検出手段により外乱ノイズが検出されたときには、カウンタの動作をリセットすると共にスイッチング素子をオフさせ、この後所定時間経過後にカウンタの動作を再び開始させることを特徴とする請求項1又は2記載の誘導加熱調理器。
- 外部トリガ回路を備え、この外部トリガ回路によってカウンタの1サイクルの動作を開始させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
- 基準クロック信号は、クロック発生回路からのクロック信号を分周回路により分周して与えられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
- 単位オン,オフ時間の比率を一定として1サイクルの時間を変更する際には、分周回路による分周比を変更することを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理器。
- タイミング回路は、1チップマイコンに一体的に組込まれていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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- 1998-01-27 JP JP1405298A patent/JP3968163B2/ja not_active Expired - Lifetime
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