JP3967086B2

JP3967086B2 - 表面実装用の水晶振動子

Info

Publication number: JP3967086B2
Application number: JP2001066897A
Authority: JP
Inventors: 敏晃竹内; 三十四梅木
Original assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date: 2001-03-09
Filing date: 2001-03-09
Publication date: 2007-08-29
Anticipated expiration: 2021-03-09
Also published as: JP2002271163A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面実装用の水晶振動子（表面実装振動子とする）を産業上の技術分野とし、特にエアーギャップ方式（空間電界方式）とした高周波数用の表面実装振動子に関する。
【０００２】
【従来の技術】
（発明の背景）水晶振動子は周波数及び時間の基準源として通信機器を含む各種の電子機器に内蔵される。この中でも、表面実装振動子は小型・軽量等から特に電話に代表される携帯機器に用いられる。近年では、通信周波数の高域化から、表面実装振動子においても小型化とともに例えば１００ＭＨｚ以上とした高周波数化が求められている。このようなものの一つに積層型として空間電界方式とした表面実装振動子がある（参照：特開平7-115341号公報）。
【０００３】
（従来技術の一例）第５図は一従来例を説明する表面実装振動子の断面図である。
表面実装振動子は、いずれもＡＴカットとした振動子用水晶片１と一組の封止用水晶板２（ａｂ）とを積層してなる。振動子用水晶片１は両主面に凹部を有し、厚みの小さい中央部を振動領域３として、これより厚みの大きい外周部を補強領域４とする。一組の封止用水晶板２（ａｂ）はそれぞれ一主面に励振電極５を有し、貫通孔を経て他主面に引出電極６を延出する。そして、封止用水晶板２（ａｂ）の励振電極５が形成された一主面側を振動子用水晶片１の両主面側に直接接合する。その後、貫通孔を封止し、両端側に引出電極６と接続した実装電極７（ａｂ）を形成する。
【０００４】
直接接合は、振動子用水晶片１と封止用水晶板２（ａｂ）とを鏡面研磨して親水化（ＯＨ基化）する。そして、主面同士を当接して加熱処理し、Ｈ₂Ｏを除去することによってＳｉ−Ｏ−Ｓｉ結合とする。あるいは、一方を親水化（ＯＨ基化）して他方を疎水化（Ｈ基化）して加熱処理し、Ｓｉ−Ｓｉ結合とする「第６図（ａｂ）、参照：特開2000-269106号」。なお、直接接合は原子間レベルでの接合なのでその接合強度が高い。
【０００５】
このようなものでは、封止用水晶板２（ａｂ）に設けた励振電極５によって、即ち空間電界方式によって振動子用水晶片１の振動領域３を励振する。したがって、振動子用水晶片１には励振電極５を直接に形成しないので、電極の質量による振動特性への影響を排除する。例えばクリスタルインピーダンス（ＣＩ）の増大を防止する。
【０００６】
特に、周波数が高くなるほどこの効果は顕著になる。すなわち、周波数が高くなるほど、水晶片（振動領域３）の厚みが小さくなる。したがって、励振電極５の厚みは相対的に大きくなるので、この効果は顕著になる。また、積層型とするので小型化を促進する。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
（従来技術の問題点）しかしながら、上記構成の表面実装振動子では、振動子用水晶片１と封止用水晶板２（ａｂ）との積層型とするので、外表面はすべて水晶材となる。したがって、取扱中や衝撃による破損等を生じやすく耐衝撃性に欠ける。仮に封止用水晶板２（ａｂ）を金属板としても、振動子用水晶片１が露出するので同様である。これらのことから、現実には実用には至っていない。
【０００８】
（発明の目的）本発明は空間電界方式を採用して耐衝撃性を良好とした表面実装振動子を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
（着目点）本発明は既存の表面実装容器に水晶片を封入した表面実装振動子にて空間電界方式を適用する点に着目した。
【００１０】
（解決手段）本発明は、一対の実装電極を有し、セラミックで形成した容器本体の内底面には実装電極の一方と電気的に接続する第１励振電極を形成し、容器本体を密閉するカバーは実装電極の他方と電気的に接続する第２励振電極を有し、振動領域の外周に補強領域を直接接合して凹状とした水晶片の凹面側を容器本体の内底面に対向して水晶片の補強領域を内底面に固着し、水晶片の振動領域を第１励振電極と第２励振電極によって励振したことを基本的な解決手段とする。
【００１１】
【作用】
本発明では、容器本体の内底面に設けた第１励振電極とカバーに設けた第２励振電極とによる空間電界方式によって、水晶片の振動領域を励振する。したがって、振動子用水晶片に質量（電極）を付加しないので、振動特性を良好にする。また、振動子用水晶片を表面実装容器内に密閉封入して収容するので、水晶片が外面に露出しない。以下、本発明の一実施例を説明する。
【００１２】
【第１実施例】
第１図及び第２図は本発明の第１実施例を説明する図で、第１図は表面実装振動子の断面図、第２図は金属リングを除く容器本体の平面図である。なお、前従来例図と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
水晶振動子は水晶片９と表面実装容器１０とからなる。水晶片９は凹状として、中央部に厚みの小さい振動領域１１を有し、一主面側の外周全てに厚みの大きい補強部１２を有する。これらは、図示しない例えば平板状水晶板と複数の凹部を有する補強板とを前述した直接接合によって一体化し、個々の水晶片９に分割される。
【００１３】
表面実装容器１０は、積層セラミックからなる凹状とした容器本体１３とカバー１４とからなる。容器本体１３は底壁１５及び側壁１６を有する積層セラミック及び開口面上の金属リング１７からなる。そして、外表面の側面及び底面に一対の実装電極１８（ａｂ）を有する。容器本体１３の内底面（底壁１５の内表面）の中央部には実装電極の一方１８ａと引出電極１９ａを経て接続する第１励振電極１９を有する。側壁１６には電極貫通孔（所謂スルーホール）２０が形成され、金属リング１７と実装電極の他方１８ｂとを電気的に接続する。
【００１４】
そして、水晶片９の凹部側の振動領域１１を容器本体１３の第１励振電極１９に対向させ、補強部１２を内底面に接着剤２１によって固着する。そして、金属からなるカバー１２をシーム溶接によって金属リング１４に接合して封止する。
【００１５】
このような構成であれば、容器本体１３の実装電極１８（ａｂ）とそれぞれ電気的に接続する、内底面に設けた第１励振電極１９とカバー１４に印加される電界によって、水晶片９の振動領域１１が励振される。すなわち、空間電界方式によって水晶片９の振動領域１１を励振する。なお、カバー１４は第２励振電極として機能する。したがって、水晶片９（振動領域１１）には質量が付加されないので、質量増加による振動特性の低下を防止し、例えばＣＩ値を小さく維持する。
【００１６】
そして、従来の水晶片１を露出する積層型に対し、表面実装容器１０に水晶片９を密閉封入するので、破損を防止して耐衝撃性を充分にする。また、気密を確実にする。
【００１７】
【第２実施例】
第３図及び第４図は本発明の第２実施例を説明する図で、第３図は表面実装振動子の断面図、第４図はカバーの平面図である。なお、第１実施例と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第１実施例では、第２励振電極をカバー１４自体で兼用したが、第２実施例では絶縁体例えばセラミックとして内表面に第２励振電極２２を形成する。そして、外周部に引出電極２３を延出し、例えば異方性の導電性接着剤２４で容器本体１３の開口面を封止する。
【００１８】
なお、カバー１４の引出電極２３と容器本体１３の内底面に設けられた第１励振電極１９の引出電極１９ａとは補強部１２の励振を避けるため、重畳しないようにする。また、異方性の導電性接着剤２４は、例えば導電球を接着剤に混入し、押圧することによって導電球が平面的に並び厚み方向には電気的に接続し水平方向には導通しない。
【００１９】
このような構成であっても、内底面に設けた第１励振電極１９とカバー１４に設けた第２励振電極２２による空間電界方式によって、水晶片９の振動領域１１を励振する。したがって、水晶片９の質量増加による振動特性の低下を防止し、破損を防止して耐衝撃性を充分にする。
【００２０】
なお、第２実施例では、容器本体１３は凹状としてカバーを１４を平板状としたが、実装電極を有する容器本体を平板状としてカバーを凹状としても同様に適用できる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明は、一対の実装電極を有し、セラミックで形成した容器本体の内底面には実装電極の一方と電気的に接続する第１励振電極を形成し、容器本体を密閉するカバーは実装電極の他方と電気的に接続する第２励振電極を有し、振動領域の外周に補強領域を直接接合して凹状とした水晶片の凹面側を容器本体の内底面に対向して水晶片の補強領域を内底面に固着し、水晶片の振動領域を第１励振電極と第２励振電極によって励振したので、空間電界方式を採用して耐衝撃性を良好とした表面実装振動子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例を説明する表面実装振動子の断面図である。
【図２】本発明の第１実施例を説明する金属リングを除く容器本体の平面図である。
【図３】本発明の第２実施例を説明する表面実装振動子の断面図である。
【図４】本発明の第２実施例を説明するカバーの平面図である。
【図５】従来例を説明する積層型とした表面実装容器の断面図である。
【図６】従来例を説明する直接接合の模式的な接合図である。
【符号の説明】
１振動子用水晶片、２封止用水晶板、３、１１振動領域、４補強領域、５、１９、２２励振電極、６、１９ａ、２３引出電極、７、１８実装電極、９水晶片、１０表面実装発振器、１２補強部、１３容器本体、１４カバー、１５底壁、１６側壁、１７金属リング、２０電極貫通孔、２１接着剤、２４導電性接着剤．

Claims

一対の実装電極を外表面に有し、セラミックで形成した容器本体とカバーとからなる表面実装容器内に、厚みの小さい中央部にある振動領域の外周に厚みの大きい補強領域を直接接合することで形成した凹状の水晶片を密閉封入してなる表面実装用の水晶振動子において、前記容器本体の内底面には前記実装電極の一方と電気的に接続する第１励振電極を形成し、前記カバーは前記実装電極の他方と電気的に接続する第２励振電極を有し、前記水晶片の凹面側を前記容器本体の内底面に対向して前記水晶片の補強部を前記内底面に固着し、前記水晶片の振動領域を前記第１励振電極と前記第２励振電極によって励振することを特徴とする水晶振動子。