JP3967003B2 - 受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル放送受信装置及びディジタル放送受信システムに関するものであり、特に、クレジットカード、電子マネー、有料放送の受信契約情報または課金情報を管理するICカードを用い、このカードを搭載する機器に接続することによって、機器追加による受信契約の自動手続き、および複数の機器間での課金情報のやり取りに応用して好適なディジタル放送受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信衛星(CS)を利用したディジタル放送サービスが欧米で開始された。また、日本でも平成8年よりCSディジタル多チャンネル放送が開始されており、今後各種ディジタル放送サービスが開始される予定である。現在のサービスとしては、無料放送に加え、受信契約が必要な有料放送と、視聴した分だけ視聴料を払うPPV(ペイ・パー・ビュー)放送などが提供されている。これらのサービスを利用するためには、受信契約情報や課金情報を格納する視聴用ICカードをディジタル放送受信機にセットしておく必要がある。この課金情報は定期的にディジタル放送受信機内のモデムから電話回線を経由して放送提供元に通知される。
欧米では、この視聴用ICカードに加え、銀行カードやクレジットカード、電子マネーなどのICカードを同時にセットするダブルスロット付きのディジタル放送受信機や、視聴用ICカードに電子マネー機能を付けたICカード(1枚)をセットするディジタル放送受信機が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、現在のディジタル放送受信システムでは、有料放送やPPVを視聴するためにディジタル放送受信機1台毎に受信契約が必要となる。したがって、家庭内で新たにディジタル放送受信機を購入する度に契約が必要となり、手間がかかる。
また、PPV放送を視聴するには、課金情報を放送提供元に通知するためにディジタル放送受信機と電話回線との接続が必要になる。したがって、複数のディジタル放送受信機を設置するためには、電話回線との接続を考慮した配置、接続構成を考慮する必要があった。
さらに、家庭内で複数のディジタル放送受信機が存在すると、それぞれの課金情報の管理が個別に行われるため、全体の利用状況が把握しにくい。
本発明の目的は放送提供元と視聴者の双方に使い勝手の良いディジタル放送受信システム及びディジタル受信装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によるディジタル放送受信装置は、時分割多重化された圧縮映像音声データを受信する手段と、圧縮映像音声データから所望の圧縮映像音声データを抽出する手段と、抽出された所望の圧縮映像音声データを伸張する手段と、バスを介して、他の機器に対して、番組配信元との契約情報の取得要求指令を出力する手段と、バスを介して前記他の機器からの前記契約情報を受信する手段とを備えている。
【0005】
また、本発明のディジタル放送受信装置においては、番組配信元と利用者側との間の契約情報を管理する手段と、バスを介して他の機器からの契約情報の要求指令を受信する手段と、契約情報を他の機器に対して送信するか否かを決定する手段と、決定した結果を前記バスを介して送信する手段とから構成される。
【0006】
更に、本発明においては、番組配信元との間で通信する手段と、他の機器に対してバスを介して、現在番組配信元と通信可能な状態であるかを問い合わせる手段と、問い合わせに対する結果を受信する手段とを備えている。
本発明の他の特徴によると、本発明のディジタル放送受信装置は番組配信元との間で通信する手段と、バスを介して、他の機器から現在番組配信元と通信可能な状態であるかの問い合わせを受信する手段と、問い合わせに対する回答を送信する手段とを備えている。
更に、本発明のディジタル放送受信装置においては、番組配信元との間で通信する手段を持っている。
また更に、バスを介して、他の機器に対して、少なくとも課金情報を含む利用状況データの取得要求を発信する手段と、利用状況データを受信する手段とを備えている。
【0007】
好ましくは、番組配信元との間で通信する手段と、バスを介して、他の機器から、少なくとも課金情報を含む利用状況データの取得要求を受信する手段と、他の機器に対して前記利用状況データを送信するか否かを決定する手段と、他の機器に対して前記利用状況データを送信する手段とを備えている。
本発明によるディジタル放送受信システムにおいては、上記ディジタル放送受信装置と他の機器ををバスで接続することによって構成される。
【0008】
本発明によるディジタル放送受信システムの好ましい形態においては、複数の機器がバス接続され、1つ以上のディジタル放送受信装置を含むディジタル放送受信システム内において、ディジタル放送受信装置に以下の手段を設ける。
(1)複数のチャンネルから所望のチャンネルを選局し所定の変調方式で変調された番組を復調する番組受信手段、
(2)多重化され圧縮された番組から所望の番組に対応する映像/音声データを抽出する番組分離手段、
(3)他の機器に出力する場合に、出力形式を判定し変換する出力形式変換手段、
(4)他の機器映像/音声データや各種コマンドを送信あるいは受信する場合に、途中でデータの不正取得などを防止するために、送信する映像/音声データやコマンドに対して暗号処理を行い、受信したコマンドに対して復号処理を行う暗号/復号変換手段、
(5)他の機器との間で各種コマンドを入力あるいは出力するコマンド入出力手段、
(6)放送提供元との間で番組リクエスト指令や課金情報などを送信するための放送提供元へのアクセス手段、
(7)他の機器に対して映像/音声データを出力する場合に、この他の機器が正規に認定を受けて製造されたものであるかを認証する第1の認証手段、
(8)他の機器との間で契約情報や課金情報をやり取りする際に必要な情報(機器データ)を管理する機器データ管理手段、
(9)本機器本体にセットされるICカードとの間で各種データやコマンドを送受信するICカード通信手段、
(10)前記の各手段の動作を制御する制御手段。
【0009】
更に、このICカードには、以下の手段を設ける。
(11)放送提供元との受信契約情報を管理する受信契約管理手段、
(12)有料放送やPPVなどの課金情報を管理する課金情報管理手段、
(13)本ICカードをセットした第1の機器が正規に認定を受けて製造されたものであるかを認証する第2の認証手段、
(14)本ICカードと本機器本体との間で契約情報や課金情報のデータや各種コマンドを送信あるいは受信する場合に、契約情報や課金情報のデータや各種コマンドに対して暗号処理を行い、受信した契約情報や課金情報のデータや各種コマンドに対して復号処理を行う暗号/復号変換手段、
(15)本機器本体との間で各種データやコマンドを送受信する本体通信手段、
(16)前記したICカードの各手段の動作を制御する制御手段。
【0010】
前述の構成を備えた第1のディジタル放送受信装置(第1の機器)を含むシステムにおいて、新たに第2のディジタル放送受信装置(第2の機器)を追加接続して、この装置の受信契約を行う場合、
第2の機器をバスに接続すると、第2の機器はコマンド入出力手段を介して、バスに接続された全機器に対して機器データの取得要求を発行する。
この取得要求を受信した第1の機器は機器データ管理手段を用いて管理している機器データをコマンド入出力手段を介して第2の機器に送信する。
機器データを受信した第2の機器は制御手段を用いて、第1の機器がICカードがセットされているかを判定し、ICカードがセット済みである第1の機器との間で、第1の認証手段を用いて第1の機器が正規に認定を受けて製造された機器であるかを認証する。正規の機器であれば、第1の機器に対して、コマンド入出力手段を介して受信契約情報の取得要求を発行する。
取得要求を受信した第1の機器はICカード通信手段を介して、セットされたICカードに対して受信契約情報の取得要求を発行する。
ICカードは第2の認証手段を用いて第1の機器が正規に認定を受けて製造された機器であるかを認証した後、受信契約管理手段を用いて管理している受信契約情報を読み出し、この受信契約情報を暗号/復号変換手段を用いて暗号化し、本体通信手段を介して第1の機器に送信する。
【0011】
受信契約情報を受信した第1の機器はコマンド入出力手段を介してそれを第2の機器に送信する。
第2の機器はICカード通信手段を介して、セットされたICカードに対して第1の機器から受信した受信契約の設定要求を発行する。
ICカードは第2の認証手段を用いて第2の機器が正規に認定され製造された機器であるかを認証した後、受信契約管理手段を用いて受信契約情報を設定する。
バス接続された機器間で利用状況を把握する場合は、任意のディジタル放送受信装置(第1の機器)に対してシステム全体の利用状況の表示を指示すると、第1の機器はコマンド入出力手段を介して、バスに接続された全機器に対して機器データの取得要求を発行し、取得した機器データを基に、ICカードがセットされている第2の機器を抽出し、それらに対して第1の認証手段を用いて正規に認定を受けて製造された機器であるかを認証し、正規の機器であればコマンド入出力手段を介して、利用状況データの取得要求を発行する。
【0012】
取得要求を受信した第2の機器はICカード通信手段を介して、セットされたICカードに対して課金情報の取得要求を発行する。
ICカードは第2の認証手段を用いて第1の機器が正規に認定受けて製造された機器であることを認証した後、課金情報管理手段を用いて管理している課金情報を読み出し、該課金情報を暗号/復号変換手段を用いて暗号化し、本体通信手段を介して該第2の機器に送信する。
第2の機器はコマンド入出力手段を介して、受信した課金情報を第1の機器に送信し、課金情報を受信した第1の機器はディスプレイに表示する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるディジタル放送受信システムの実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明によるディジタル放送受信システムの一実施例を示すブロック図である。図は一軒の家屋100で使用される受信システムを示しており、通信衛星あるいは地上波を利用したディジタル放送番組、例えばパーフェク(Perfec)TV信号やダイレク(Direc)TV信号はアンテナ101を介してディジタル放送受信機110a〜110bと、ディジタル放送受信機を内蔵したTV130(以下、一体型TV130と言う。)で受信され、TV120a、120b及び一体型TV130えで表示される。各受信機110a、110b、一体型TV130はバス10、例えばIEEE1394シリアルバスやUSBなどのバスで接続されている。
家庭内でのディジタル放送受信システムを想定して、この場合、ディジタル放送受信機110a、TV120aは部屋21に、ディジタル放送受信機110b、TV120bは部屋22に、一体型130は部屋23に設置されるものとする。また、一体型TV130はモデム(図示せず)を介して公衆回線132と接続されている。なお、各家庭ではこれらの機器の他にVTRやDVDなど他の機器をTV120a、102b、130に接続しても良い。
【0014】
次に、図2を用いて、上記ディジタル放送受信機110a、110b(以下、個々のディジタル放送受信機を指す場合を除き、単にディジタル放送受信機110という。)の一実施例について説明する。
図2は本発明によるディジタル放送受信機の一実施例を示すブロック図である。図において、ディジタル放送受信受信機110、一体型TV130は、本体部200とICカード部250で構成される。
【0015】
まず、本体部200は、受信部201、デスクランブル部202、指定番組分離部203、出力形式変換部204、暗号/復号変換部205、出力部206、コマンド入出力部207、通信部208、機器データ管理部209、認証処理部210、ICカードI/F部211、制御部212から構成される。
受信部201は所望のチャンネルを選局し、ディジタル変調された信号を復調する。
デスクランブル部202は放送提供元と受信契約したチャンネルのみを受信可能とするためのスクランブルを解除する。
指定番組分離部203は多重化されて伝送された放送番組データから所望の放送番組に対応する映像/音声データを抽出する。
出力形式変換部204は受信した所望の放送番組データを、他の機器(再生装置や録画装置など)が所望する出力形式に変換する。
暗号/復号変換部205は他の機器(再生装置や録画装置など)との間で放送番組データや各種コマンドを送受信する場合に、途中でデータの不正取得などを防止するために、送信するデータやコマンドに対して暗号処理を行い、受信したデータやコマンドに対して復号処理を行う。
【0016】
出力部206はバス10、または他の伝送路で接続された他の機器(再生装置や録画装置など)に放送番組データを出力する。
コマンド入出力部207はバス10で接続された他の機器(再生装置や録画装置など)との間で各種コマンドを送受信する。
通信部208は放送提供元に対して番組リクエスト指令や課金情報などを送信する部分であり、公衆回線132に接続されている。
機器データ管理部209はバス10で接続された他のディジタル放送受信機との間で契約情報や課金情報を送受信するために必要となる機器データを管理する。
認証処理部210は放送番組データの出力先の機器に対して、正規の認定を受けて製造された機器であるか(すなわち、違法視聴や不正コピーを行うことのない機器であるか)を認証する。
ICカードI/F部211はICカード部250との間で各種データやコマンドを送受信する。
制御部212は本体部200及びICカード部250における各部の動作を統括的に制御する。
【0017】
次に、ICカード部250は課金情報管理部251、認証処理部252、受信契約管理部253、本体I/F部254、暗号/復号変換部255、ICカード制御部256から構成されている。
課金情報管理部251は有料放送やPPVなどの視聴あるいは録画を行う場合に課金される情報を管理する。
認証処理部252は本体部200に対して、正規の認定を受けて製造された機器であること(すなわち、課金情報や契約情報の改ざんを行うことのない機器であること)を認証する。
受信契約管理部253は放送提供元との受信契約に関する情報を管理する。
本体I/F部254は本体部200との間で各種データやコマンドを送受信する。
暗号/復号変換部255は、本体部200との間で各種データやコマンドを送受信する場合に、途中でそれらの不正取得などを防止するために、送信するデータやコマンドに対して暗号処理を行い、受信したデータやコマンドに対して復号処理を行う。
ICカード制御部256はICカード部250内の各部の動作を制御する。
【0018】
本発明の実施例においては、ディジタル放送受信機110、一体型TV130の本体内部に機器データ管理部209を設けることにより、バス10で接続された他のディジタル放送受信機との間で契約情報や課金情報をやり取りすることができる。
ここで、一体型TV130の構成は、上記ディジタル放送受信機110の構成を含んでおり、当然図2に示す構成を備えている。
【0019】
次に、図3を用いて、ディジタル放送受信機110又は一体型TV130内の機器データ管理部209で管理する機器データ300の一構成例について説明する。
図3(a)は機器データ管理部で管理される機器データ構成の一実施例を示す構成図、図(b)は機器データ例を示す構成図である。
機器データ300は、チューナ種別301、モデム・ステータス302、ICカード・ステータス303、プロテクト304、センタ通信機器ID305、通信代理機器ID306から構成されている。
チューナ種別301は、ディジタル放送受信機110又は一体型TV130が扱う放送サービス方式の種別(例えば、放送業者間による方式の違いを示す識別情報)を示す。
モデム・ステータス302は、ディジタル放送受信機110又は一体型TV130の通信部208の動作状態、すなわち、通信部208のモデムが接続されているか、動作中か等の状態、および公衆回線132との接続状態を示す。
【0020】
ICカード・ステータス303は、ディジタル放送受信機110又は一体型TV130にICカードがセットされているか否かを示す。
プロテクト304はバス10で接続された他のディジタル放送受信機からの契約情報や課金情報のアクセスを制限するものである。例えば、一体型TV130のICカードが受信機110aで読み取られても良いか否かをチックし、読み取られたくない場合はこれを制限したり、受信機110bで課金情報や契約情報が読み取られたくない場合は、この読み取りを制限する等のプロテクトを行う。
【0021】
センタ通信機器ID305はディジタル放送受信機110又は一体型TV130が放送提供元と通信を行う場合、実際に公衆回線132を介して通信を実行する機器の識別子を示す。例えば、通信部208が公衆回線132に接続されていないディジタル放送受信機が放送提供元と通信を行いたい場合は、同一バス上にある公衆回線132に接続されているディジタル放送受信機、または一体型TV130にそれを依頼する。この場合、公衆回線132に接続されているディジタル放送受信機110又は一体型TV130のIDを示す。
通信代理機器ID306はディジタル放送受信機110、または一体型TV130に対して放送提供元への通信を依頼する他の機器の識別子を示す。
【0022】
次に、図4〜図7を用いて、ユーザが新規に購入したディジタル放送受信機、または一体型TVを追加接続した場合の自動受信契約手順について説明する。分かりやすいように、既にディジタル放送受信機110aと一体型130が設置されたシステムにおいて、新たにディジタル放送受信機110bを追加接続する場合を想定して説明する。
図4はディジタル放送受信機を追加接続した場合の自動契約処理手順の一実施例を示すフローチャート、図5は自動契約処理開始時のディジタル放送受信機の表示画面の一実施例を示す構成図、図6は自動契約処理時の契約内容選択表示画面の一実施例を示す構成図である。図7は自動契約処理終了時の表示画面の一実施例を示す構成図である。
【0023】
まず、追加するディジタル放送受信機110bをディジタル放送受信システムに接続すると、システムの構成が変化するため、バスリセット処理が行われる。そして、ステップ401において、全バスリセット処理が終了し、全機器の接続構成が決定して各機器にアドレスが割り当てられると、ステップ402に移行し、ここでディジタル放送受信機110bの制御部212は、コマンド入出力部207を介して、バス上の全機器(図1では、受信機110a、一体型TV130、但しTV120a、120bはバスで接続されているも、されていなくても良い。)に対して、機器データ300の取得要求を発行する。ステップ403において、取得要求を受信した機器のうち、少なくても機器データ管理部209を備えた機器、すなわち機器データ300を有する機器(図1では、受信機110a、一体型TV130)は、機器データ300を読み出し、ディジタル放送受信機110bに送信する。ディジタル放送受信機110bは、受信した機器データ300の内のICカード・ステータス303を参照し、ICカードがセット済みである機器を抽出する。更に、ステップ404でプロテクト304を参照し、プロテクトがかかっていない機器を抽出する。ここで、1つ以上の機器が抽出できた場合、図5に示すように、今から自動契約を行うための各種手続きを行う旨の画面500をユーザに対して表示する。
【0024】
次に、ステップ405において、認証処理部210は、コマンド入出力部207を介して抽出した機器(図1の受信機110a、一体型TV130)との間で、それらが正規の認定を受けて製造された機器であるか否かを認証する。正規の機器であれば、ステップ406に移行し、コマンド入出力部207を介して、この抽出した機器に対して、契約情報の取得要求を発行する。この際、この取得要求のコマンドは受信機110bの暗号/復号変換部206で暗号化して送信する。但し、簡易化を考慮する場合には必ずしも暗号化する必要はない。
この取得要求を受信した機器(受信機110a、又は一体型TV130)の本体部200の制御部212は、受信したコマンドが暗号化されている場合は暗号/復号変換部206でこのコマンドを復号化した後、ICカードI/F部211を介して、ICカード部250に対してこの取得要求を発行する。
【0025】
この取得要求を受信したICカード制御部256は、認証処理部252で本体部200が正規に認定を受けて製造された機器であるか否かを認証し、正規の機器であれば、受信契約管理部253で管理している受信契約情報を、暗号/復号変換部255で暗号化し、本体I/F部254を介して本体部200に送信する。
この受信契約情報を受信した機器(受信機110a、又は一体型TV130)の本体部200の制御部212は、コマンド入出力部207を介して、この契約情報をディジタル放送受信機110bに送信する。
機器(受信機110a、一体型TV130)からこの契約情報を受信したディジタル放送受信機110bの制御部212は、I/CカードI/F部211を介して、この契約情報をI/Cカード部250に送信する。この契約情報を受信したI/Cカード制御部256は、暗号/復号変換部255でこの契約情報を複合化し、本体I/F部254を介して表示可能な契約情報を本体部200に送信する。この表示可能な契約情報を受信した制御部212はステップ407でその内容をユーザに対して表示し、実際に契約する内容を選択する。
【0026】
図6は実際にユーザに表示する画面600を示しており、この画面600上で、ユーザはディジタル放送受信機110bで契約する内容をリモコン等(図示せず)を使って選択し、決定する。
ユーザが契約内容を選択した後、ディジタル放送受信機110bの制御部212は、ICカードI/F部211を介して、ICカード部250に対して、決定された契約情報の設定要求を発行する。この際、この契約情報と設定要求のコマンドは暗号/復号変換部206で暗号化して送信する。
この設定要求を受信したICカード制御部256は、認証処理部252で、ディジタル放送受信機110bの本体部200が正規に認定を受けて製造された機器であるか否かを認証する。そして、正規の機器であれば、ステップ408でこの契約情報を受信機110bの受信契約管理部253に設定、すなわち書き込み処理を行い、本体部200に対して、新規に受信契約を行う旨を放送提供元に通知するように要求する。そして、ステップ409でディジタル放送受信機110bの制御部212は、通信部208が公衆回線132に接続されているか否かをチェックする。その結果、公衆回線132に接続されている場合は、ステップ410に移行し、受信機110bの通信部208を介して、放送提供元に新規に受信契約を行う旨を通知する。そして、受信機110bの機器データ管理部209で管理する機器データ300のセンタ通信機器ID305に、自分のIDを設定する。
【0027】
公衆回線132に接続されていない場合は、あらかじめ取得した機器データ300のモデム・ステータス302を参照して、現在公衆回線132に接続されている機器を抽出する。そして、ステップ411において、受信110bの機器データ300のセンタ通信機器ID305に抽出した機器のIDを設定すると同時に、コマンド入出力部207を介してこの機器に放送提供元との通信の代理を要求する。この要求を受信した機器では、自分の機器データ300の通信代理機器ID306に、ディジタル放送受信機110bのIDを設定する。そして、ステップ412において、ディジタル放送受信機110bの代理で、放送提供元に新規に受信契約を行う旨を通知する。放送提供元への通知が終了すると、図7に示すように、自動契約が終了した旨をユーザに対して通知する。
【0028】
以上説明したように、本実施例では、1つ以上のディジタル放送受信機とTV、録画機器などが制御バスで接続されたシステムにおいて、ディジタル放送受信機110a、110b、一体型TV130に機器データ管理部210を設ける。そして、上述したように、このシステムにディジタル放送受信機を新規に接続する場合に、他のディジタル放送受信機から既に契約済みの受信契約情報を取得し、それらの一部、あるいは全部をセットされているICカードに書き込む。そして、新規に契約したい内容を放送提供元に通知する。これにより、複数のディジタル放送受信機購入により個別に必要となる受信契約の手間を省くことができるため、ユーザの負担が軽減される。
また、機器データ300内にセンタ通信機器ID305、および通信代理機器ID306を設けることにより、公衆回線132に接続されていないディジタル放送受信機は、センタ通信機器ID305の示すディジタル放送受信機に、放送提供元との通信の代理を依頼することができる。これにより、複数のディジタル放送受信機が存在しても、いずれか一つが公衆回線132に接続されていれば良く、公衆回線132との接続を考慮した配置、接続構成を考慮する必要がなくなる。なお、ステップ405とステップ406は順不同でも良い。
【0029】
次に、図8〜図11を用いて、バス接続された任意のディジタル放送受信機でシステム全体の有料放送の利用状況を把握する手順について説明する。例として、ディジタル放送受信機110a上でユーザより利用状況の表示が指示された場合について説明する。
図8は有料放送の利用状況をディジタル放送受信機に表示する手順の一実施例を示すフローチャート、図9(a)はディジタル放送受信機のメニュー画面の一例を示す構成図、図9(b)は有料放送の利用状況を表示するディジタル放送受信機画面の一実施例を示す構成図、図10(a)は有料放送の利用状況データの一実施例を示す構成図、図10(b)データ例を示す構成図、図11はシステム全体の利用状況を表示するディジタル放送受信機画面の一実施例を示す構成図である。
【0030】
まず、ステップ801において、ユーザがディジタル放送受信機110aを使って、図9(a)のメニュー画面1000を開き、利用状況1001を選択して有料放送の利用状況の表示を指示すると、ステップ802でディジタル放送受信機110aは表示する利用状況がその受信機自身の利用状況かシステム全体の利用状況かをユーザに問い合わせる。図9(b)はこの画面1010を示す。
【0031】
この利用状況の画面1010上でユーザがシステム全体1012を指示すると、ステップ803でバス10上の全機器(図1では、ディジタル放送受信機110b、一体型TV130)に対して、機器データ300の取得要求を発行する。この取得要求を受信した機器のうち、機器データ300を有する機器(図1では、ディジタル放送受信機110b、一体型TV130)は、この機器データ300をディジタル放送受信機110aに送信する。但し、送受信機の負荷の軽減を考慮する場合には必ずしも暗号化する必要はない。
【0032】
ステップ804でディジタル放送受信機110aは受信した機器データ300内のICカード・ステータス303を参照し、ICカード部250がセット済みである機器を抽出し、ステップ805でプロテクト304を参照し、プロテクトがかかっていない機器を抽出する。そして、ステップ806に移行して、認証処理部210で、抽出した機器(図1では、ディジタル放送受信機110b、一体型TV130)が正規に認定を受けて製造された機器であるかを認証し、正規の機器であれば、ステップ807でコマンド入出力部207を介して、これらの機器に対して、利用状況データの取得要求を発行する。この場合、この取得要求のコマンドは暗号/復号変換部206で暗号化されて送信される。
【0033】
この取得要求を受信した機器110b、130の本体部200の制御部212は、必要であれば暗号/復号変換部206でこのコマンドを復号化した後、ICカードI/F部211を介して、ICカード部250に対して、この取得要求を発行する。
この取得要求を受信したICカード制御部256は、認証処理部252で本体部200が正規に認定受けて製造された機器であるかを認証し、正規の機器であれば、課金情報管理部251で管理している課金情報から利用状況データを作成し、暗号/復号変換部255で暗号化し、本体I/F部254を介して本体部200に送信する。
この利用状況データを受信した機器、すなわち受信機110b、一体型TV130の本体部200の制御部212は、コマンド入出力部207を介して、この利用状況データをディジタル放送受信機110aに送信する。
利用状況データ900は図10(a)に示すように、機器ID901、利用日902、金額903、支払い方法904、支払い状況905、詳細906から構成される。これらの利用状況のデータ900は具体的には図10(b)のように表示される。
【0034】
図10(a)において、機器ID901は、有料放送を利用した機器の識別子を示す。例えば、一体型103の場合は、ID0005がセットされる。利用日902は、有料放送を利用した日にちを示す。金額903は、購入した有料放送の金額を示す。支払い方法904は、有料放送の購入金額の支払い方法を示す。例えば、銀行口座からの自動引き落とし、クレジット、電子マネーなどが挙げられる。支払い状況905は、現在の支払い状況を示す。詳細906は、利用した有料放送に関する情報を示す。例えば、番組名やチャンネル番号などが挙げられる。
バス上の他の機器、例えば、ディジタル放送受信機110b、一体型TV130から利用状況データ900を受信したディジタル放送受信機110aは、ステップ808において、自分にセットされているICカード部250に対して、利用状況データの取得要求を発行する。そして、ICカード部250のICカード制御部256は、認証処理部252で本体部200が正規に認定を受けて製造された機器であるかを認証し、正規の機器であれば、課金情報管理部251で管理している課金情報から利用状況データを作成し、暗号/復号変換部255で暗号化し、本体I/F部254を介して本体部200に送信する。
その後、ステップ809で、ディジタル放送受信機110aの制御部212は、ステップ807で取得した他の機器の利用状況データ900とステップ808で取得した自分の利用状況データ900から表示画面を作成し、TV120に表示する。
【0035】
図11はユーザに対して実際に表示される画面1100の例を示している。
図8のフローチャートのステップ802でユーザが図9(b)の選択画面1010上で本セット1011を選択すると、フローはステップ808にジャンプする。
【0036】
以上説明したように、本実施例では、ディジタル放送受信機から別のディジタル放送受信機に対して利用状況を問い合わせ、それをユーザに表示することができる。これにより、それぞれの課金情報が個別に管理されていても、全体の利用状況を把握することができる。
本発明によるディジタル放送受信装置の実施例の説明において、ディジタル放送受信機、一体型TVとに分けて説明したが、ディジタル放送受信装置はこれら両方及び類似の機能を持つ機器を含むものである。
【0037】
上述の説明から明らかなように、本発明によれば、ディジタル放送サービスにより配信される番組を受信する機能を備えたディジタル放送受信機に機器データ管理部210を設ける。そして、1つ以上のディジタル放送受信機とTV、録画機器などが制御バスで接続されたシステムにおいて、ディジタル放送受信機を新規に接続する場合に、他のディジタル放送受信機から既に契約済みの受信契約情報を取得し、それらの一部、あるいは全部がセットされているICカードに書き込む。そして、書き込んだ内容で新規に契約したい旨を放送提供元に通知する。これにより、複数のディジタル放送受信機購入により個別に必要となる受信契約の手間も省くことができ、ユーザの負担が軽減される。
また、機器データ内にセンタ通信機器、および通信代理機器を設けることにより、公衆回線に接続されていないディジタル放送受信機は、センタ通信機器の示すディジタル放送受信機に、放送提供元との通信の代理を依頼することができる。これにより、複数のディジタル放送受信機が存在しても、いずれか一つが公衆回線に接続されていれば良く、公衆回線との接続を考慮した配置、接続構成を考慮する必要がなくなる。
さらに、ディジタル放送受信機から別のディジタル放送受信機に対して有料放送の利用状況を問い合わせ、それをユーザに表示することができる。これにより、それぞれの課金情報が個別に管理されていても、全体の利用状況を把握することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、家庭内のディジタル放送受信機を含む機器をバスで接続し、機器間で情報の授受を行うことによって、一つのディジタル放送受信機で他の機器の情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディジタル放送受信システムの一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるディジタル放送受信機の一実施例を示すブロック図である。
【図3】機器データ管理部で管理される機器データ構成の一実施例を示す構成図、及びは機器データ例を示す構成図である。
【図4】ディジタル放送受信機を追加接続した場合の自動契約処理手順の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】自動契約処理開始時のディジタル放送受信機の表示画面の一実施例を示す構成図である。
【図6】自動契約処理時の契約内容選択表示画面の一実施例を示す構成図である。
【図7】自動契約処理終了時の表示画面の一実施例を示す構成図である。
【図8】有料放送の利用状況をディジタル放送受信機に表示する手順の一実施例を示すフローチャートである。
【図9】ディジタル放送受信機のメニュー画面の一実施例を示す構成図、有料放送の利用状況を表示するディジタル放送受信機画面の一実施例を示す構成図である。
【図10】有料放送の利用状況データの一実施例を示す構成図、そのデータ例を示す構成図である。
【図11】システム全体の利用状況を表示するディジタル放送受信機画面の一実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
110a,110b…ディジタル放送受信機、130…ディジタル放送受信機内臓TV、200…本体部、201…受信部、202…デスクランブル部、203…指定番組分離部、204…出力形式変換部、205…暗号/復号変換部、206…出力部、207…コマンド入出力部、208…通信部、209…機器データ管理部、210…認証処理部、211…ICカードI/F部、212…制御部、250…ICカード部、251…課金情報管理部、252…認証処理部、253…受信契約管理部、254…本体I/F部、255…暗号/復号変換部、256…ICカード制御部である。
Claims (7)
- 映像データ又は音声データを受信する手段と、
前記映像データ又は音声データから所望の映像データ又は音声データを抽出する手段と、
前記抽出された所望の映像データ又は音声データを伸張する手段と、
バスを介して他の機器に前記所望の映像データ又は音声データを出力する手段と、
前記他の機器に対して、他の機器における番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報の取得要求指令を出力する手段と、
前記他の機器から前記バスを介して前記番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報を受信する手段とを備え、
接続された表示機器あるいは内蔵した表示手段を用いて、前記受信された他の機器における番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報を表示することを特徴とする受信装置。 - 請求項1記載の受信装置において、
前記有料放送の利用状況に関する課金情報は、前記他の機器が番組配信元に対してどのような支払い方法であるかを示すデータを含むことを特徴とする受信装置。 - 請求項1又は2に記載の受信装置において、
前記有料放送の利用状況に関する課金情報は、前記他の機器の番組配信元に対する支払い状況を示すデータを含むことを特徴とする受信装置。 - 請求項1〜3のいずれか一つに記載の受信装置において、
当該受信装置自体の番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報と前記他の機器の番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報のいずれかを表示するかを選択する手段とを備えることを特徴とする受信装置。 - バスを介して他の機器と接続された受信装置であって、
複数の番組データを含む信号を受信、選局及び復調する受信部と、
前記他の機器との間でコマンドを送受信するコマンド入出力部と、
前記他の機器に対して正規の認定を受けて製造された機器であるかを認証する認証処理部と、
前記受信部により受信された番組データを出力する出力部と、
前記各部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記他の機器に前記コマンド入出力部を介して機器データの取得要求を行い、取得した機器データを用いて前記認証部により正規の機器であると判断された場合には、前記正規の機器であると判断された機器に対して前記コマンド入出力部を介して前記機器の番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報の取得要求を行い、取得した前記機器の番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報を前記出力部により出力することを特徴とする受信装置。 - 請求項5に記載の受信装置において、
前記有料放送の利用状況に関する課金情報は、前記他の機器の番組配信元に対する支払い状況を示すデータを含むことを特徴とする受信装置。 - 請求項5又は6に記載の受信装置において、
当該受信装置自体の番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報と前記他の機器の番組配信元との有料放送の利用状況に関する課金情報のいずれかを表示するかを選択する手段とを備えることを特徴とする受信装置。
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