JP3964692B2 - サンプルガス捕集装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液化天然ガス(LNG)等の荷揚げ中の母管から抽出した分析用のサンプル天然ガスを一時的に貯蔵するサンプル捕集函に適したサンプルガス捕集装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、タンカー等で輸送されてきた液化天然ガスを受け入れる際には、上記液化天然ガスの一部を取出して分析することが行われている。分析用としてサンプリングしたガスは、一時的にサンプル捕集函に貯蔵される。
【0003】
一般に、上記サンプル捕集函として水封式ガスホルダーが用いられている。図12は、従来の水封式ガスホルダーの一例を示すものである。この水封式ガスホルダーは、外槽1の内部に所定の封水2を貯留するとともに、下方が開口した浮き屋根3を上下動可能に収納し、上記浮き屋根3の内部にサンプルガスを捕集するように構成されている。
【0004】
上記浮き屋根3の内方上部には、外槽1の底部を貫通したサンプルガス導入管4とサンプルガス導出管5とが連通している。上記サンプルガス導入管4は、サンプリング手段7に接続され、サンプルガス導出管5は、分析用ボトル又は分析器8に弁9aを介して接続する分析管9と、排気口10に弁11aを介して接続する排気管11とに分岐している。
【0005】
上記外槽1の底部には、封水2をバブリングするためのノズル6が設けられている。上記ノズル6は、バブリングガス供給管12,弁12aを介してバブリングガス供給部13に接続されている。上記ノズル6により、分析時の障害となる封水中の酸素分を取り除くため、ガス捕集に先立って封水に天然ガスを吹き込んでバブリングすることが行なわれる。
【0006】
上記ノズル6は、図13に示すように、バブリングガス供給管12に接続されたリング状のヘッダー14と、このヘッダー14に設けられた複数のバブリングガス吹出口15とにより形成されている。そして、上記バブリングガス吹出口15は、図14に示すように、先端部に直径1〜3mm程度のノズル孔16が穿設された単純な構造であり、上記ノズル孔16からバブリングガスである天然ガス等を封水中に噴出させてバブリングすることが行なわれている。
【0007】
上記構成の水封式ガスホルダーを用いてガスをサンプリングする際には、まず、分析管9の弁9aを閉じるとともに、排気管11の弁11aおよびバブリングガス供給管12の弁12aを開き、バブリングガス供給部13のバブリングガスをバブリングガス供給管12からノズル6を介して封水2中に導入し、封水2をバブリングして封水2中の溶存酸素を除去する。
【0008】
このとき、浮き屋根3内を上昇したバブリングガスは、サンプルガス導出管5から排気管11を経て排出され、浮き屋根3と外槽1との間を上昇したガスは、外槽頂部の排気口1aから排出される。
【0009】
充分にバブリング処理を行った後、バブリングガス供給管12の弁12aを閉じ、サンプリング手段7で採取したサンプルガスをサンプルガス導入管4を介して浮き屋根3内に導入する。浮き屋根3内およびサンプルガス導出管5内からバブリングガスをパージしたのち、排気管11の弁11aを閉じ、浮き屋根3内にサンプルガスを捕集する。そして、分析管9の弁9aを開閉して分析用ボトル又は分析器8にサンプルガスを供給し、所定の分析処理を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記水封式ガスホルダーでは、バブリング開始時およびバブリング開始初期の間に、封水2が外槽1の上部空間内に存在する空気と接触しているため、封水2中に空気中の酸素や二酸化炭素等が溶け込んでバブリングによる溶存酸素等の除去に時間を要するという問題がある。このため、バブリングによる封水2中の溶存酸素等の充分な除去を行なうのに24時間以上もの長時間を要し、しかもその作業をサンプルガスの捕集を開始するたびに行なう必要がある。すなわち、タンカーで輸送されてきた液化天然ガスを荷揚げして受け入れるたびに24時間の準備作業を要することとなり、実に、週に数回以上もこのような作業を行なっているのが実情である。また、バブリングに使用される天然ガス等のバブリングガスは、大気放出されていることから、バブリング時間が長いとその分無駄になるバブリングガスの量も多くなり、バブリングに要するコストを引き上げていた。このため、サンプルガス捕集の準備に要する経費がばかにならず、バブリング時間を短縮しうる技術の開発が強く望まれていた。
【0011】
さらに、上記水封式ガスホルダーでは、バブリングの際、直径1〜3mm程度のノズル孔16からバブリングガスを噴出させて封水2のバブリングを行なうことから、バブリングガスの噴出抵抗が小さすぎて、ノズル6に少しでも傾斜があると、環状に配置されたバブリングガス吹出口15のうち位置の高いバブリングガス吹出口15から多くのバブリングガスが噴出されてしまう。このため、外槽1内の封水2全体でみるとバブリングガスの噴出量の偏りが大きく、溶存酸素の除去速度にも偏りが生じている。このような要因からもバブリングに長時間を要する結果になっているうえ、サンプルガス中に不要な成分が混入して分析結果に誤差を生じるおそれもあった。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、バブリング時間を短縮するとともに、混入成分も低減することができるサンプルガス捕集装置および方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1のサンプルガス捕集装置は、封水が貯留された外槽と、上記封水内に上下動可能に収容された下方に開口を有する浮き屋根と、上記浮き屋根の内部に連通するサンプルガス導入管およびサンプルガス導出管と、上記封水中にバブリングガスを噴出するノズルとを備えたサンプルガス捕集装置であって、上記ノズルは略環状のヘッダーの周上に所定間隔で複数設けられ、上記ノズルのガス噴出口に多孔体が取り付けられていることを要旨とする。
【0014】
すなわち、本発明の第1のサンプルガス捕集装置は、封水中にバブリングガスを噴出するノズルのガス噴出口に多孔体が取り付けられていることから、バブリングガスが多孔体を通過して微細気泡として噴出する。このため、封水中でのバブリングガスの表面積すなわちバブリングガスと封水との接触面積が極めて大きくなって封水中の溶存ガスの除去効率が飛躍的に向上する。また、バブリングガスを多孔体に通過させて噴出させることから、従来に比べてバブリングガスの噴出し抵抗が大きくなり、ノズルに多少の傾斜があっても、ガス噴出口からのバブリングガス噴出し量の偏りが少なくなる。したがって、外槽内の封水全体の溶存ガスの除去速度にも偏りが少なくなって、全体的に溶存ガスを効率よく除去できるようになる。このように、バブリング時間を飛躍的に短縮することが可能となり、サンプルガス捕集の準備に要する経費を大幅に節減することができる。また、バブリング時間が大幅に短縮できることから、バブリングガスの放出量も大幅に減少し、経費を節減することができる。
【0015】
本発明の第1のサンプルガス捕集装置において、上記多孔体が平均孔径で10μm〜500μmの多孔を有するものである場合には、バブリングガスが噴出する際の気泡が充分小さくなって封水とバブリングガスとの接触面積が大きくなることから、封水中の溶存ガスの除去効率を有効に向上させることができる。
【0016】
本発明の第1のサンプルガス捕集装置において、上記多孔体が多孔質セラミックスおよび/または多孔質金属焼結体である場合には、比較的入手しやすい材料により安価にノズルを作製することができ、耐久性にも優れたものとなる。
本発明の第1のサンプルガス捕集装置において、上記外槽は筒状の内槽を備えた2重構造とされ、上記外槽と内槽の間に封水が貯留されるようにすることもできる。
また、本発明の第1のサンプルガス捕集装置において、上記ヘッダーは内槽の内側と外槽の外側にそれぞれ設けられ、上記ノズルは外槽および内槽の壁面を貫通して封水中にバブリングガスを噴出するようにすることもできる。
【0017】
また、本発明の第2のサンプルガス捕集装置は、封水が貯留された外槽と、上記封水内に上下動可能に収容された下方に開口を有する浮き屋根と、上記浮き屋根の内部に連通するサンプルガス導入管およびサンプルガス導出管と、上記封水中にバブリングガスを噴出するノズルとを備えたサンプルガス捕集装置であって、浮き屋根上側の外槽上部空間に置換ガス供給管が設けられるとともに、上記外槽上部空間に不純ガス濃度センサが設けられていることを要旨とする。
【0018】
すなわち、上記第2のサンプルガス捕集装置は、浮き屋根上側の外槽上部空間に置換ガス供給管が設けられていることから、例えば、バブリングの開始にあたって、あらかじめ外槽上部空間内に存在する空気を置換ガスによって置換することができる。また、上記外槽上部空間に不純ガス濃度センサが設けられていることから、例えば、上記置換の際に外槽上部空間の不純ガス濃度を測定し、この空間の酸素や二酸化炭素等の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガスの噴出を開始することができる。このように、外槽上部空間に存在する不純ガス量をあらかじめ低減させてからバブリングを行うことが可能となり、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、外槽上部空間内に存在する不純ガスが封水中に溶け込むことによる不要なバブリングをほとんどなくすことができる。したがって、バブリング時間を飛躍的に短縮することが可能となり、サンプルガス捕集の準備に要する経費を大幅に節減することができる。また、バブリング時間が大幅に短縮できることから、バブリングガスの放出量も大幅に減少し、経費を節減することができる。
【0019】
本発明の第2のサンプルガス捕集装置において、上記封水中に溶存ガス濃度センサが設けられている場合には、例えば、封水中の溶存ガス濃度センサによる溶存ガス濃度の検知結果が所定の設定濃度以下であるときにサンプルガス導入管からサンプルガスの導入を開始することができる。このようにすることにより、バブリングによる封水中の溶存ガス量が充分に低下したのを確認してからサンプルガスの捕集を開始し、サンプルガス中への不要成分の混入を防止して分析結果の誤差発生を防ぐことができる。
【0020】
本発明の第2のサンプルガス捕集装置において、あらかじめ置換ガス供給管に置換ガスを供給して外槽上部空間内を置換ガスで置換し、外槽上部空間の不純ガス濃度センサによる不純ガス濃度の検知結果が所定の設定濃度以下であるときに上記ノズルからのバブリングガスの噴出を開始するよう制御する制御手段を備えている場合には、外槽上部空間に存在する不純ガス量をあらかじめ確実に低減させてからバブリングを行うことにより、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、外槽上部空間内に存在する不純ガスが封水中に溶け込むことによる不要なバブリングをほとんどなくすことができる。
【0021】
本発明の第2のサンプルガス捕集装置において、封水中の溶存ガス濃度センサによる溶存ガス濃度の検知結果が所定の設定濃度以下であるときにサンプルガス導入管からサンプルガスの導入を開始するよう制御する制御手段を備えている場合には、バブリングによる封水中の溶存ガス量が充分低下したのを確認してからサンプルガスの捕集を開始することにより、サンプルガス中への不要成分の混入を防止して分析結果の誤差発生を防ぐことができる。
【0022】
本発明の第2のサンプルガス捕集装置において、サンプルガスの捕集中および/またはつぎのサンプルガス捕集までに、外槽上部空間内に置換ガスを導入するように制御する制御手段を備えている場合には、つぎのサンプルガス捕集の前のパージ作業を省略することが可能となり、2回目以降の受け入れ作業の作業時間の短縮と経費の節減が可能となる。
【0023】
また、本発明の第3のサンプルガス捕集装置は、封水が貯留された外槽と、上記封水内に上下動可能に収容された下方に開口を有する浮き屋根と、上記浮き屋根の内部に連通するサンプルガス導入管およびサンプルガス導出管と、上記封水中にバブリングガスを噴出するノズルとを備えたサンプルガス捕集装置であって、上記ノズルのガス噴出口に多孔体が取り付けられるとともに、浮き屋根上側の外槽上部空間に置換ガス供給管が設けられ、上記外槽上部空間に不純ガス濃度センサが設けられていることを要旨とする。
【0024】
すなわち、上記第3のサンプルガス捕集装置は、封水中にバブリングガスを噴出するノズルのガス噴出口に多孔体が取り付けられていることから、バブリングガスが噴出する際多孔体を通過して微細気泡として噴出する。このため、封水中でのバブリングガスの表面積すなわちバブリングガスと封水との接触面積が極めて大きくなって封水中の溶存ガスの除去効率が飛躍的に向上する。また、バブリングガスを多孔体に通過させて噴出させることから、従来に比べてバブリングガスの噴出し抵抗が大きくなり、ノズルに多少の傾斜があっても、ガス噴出口からのバブリングガスの噴出し量に偏りが少なくなる。したがって、外槽内の封水全体の溶存ガスの除去速度にも偏りが少なくなって、全体的に溶存ガスを効率よく除去できるようになる。また、浮き屋根上側の外槽上部空間に置換ガス供給管が設けられていることから、例えば、バブリングの開始にあたって、あらかじめ外槽上部空間内に存在する空気を置換ガスによって置換することができる。また、上記外槽上部空間に不純ガス濃度センサが設けられていることから、例えば、上記置換の際に外槽上部空間の不純ガス濃度を測定し、この空間の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガスの噴出を開始することができる。このように、外槽上部空間に存在する不純ガス量をあらかじめ低減させてからバブリングを行うことが可能となり、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、外槽上部空間内に存在する不純ガスが封水中に溶け込むことによる不要なバブリングをほとんどなくすことができる。したがって、バブリング時間を飛躍的に短縮することが可能となり、サンプルガス捕集の準備に要する経費を大幅に節減することができる。また、バブリング時間が大幅に短縮できることから、バブリングガスの放出量も大幅に減少し、経費を節減することができる。
【0025】
また、本発明のサンプルガス捕集方法は、封水が貯留された外槽と、上記封水内に上下動可能に収容された下方に開口を有する浮き屋根と、上記浮き屋根の内部に連通するサンプルガス導入管およびサンプルガス導出管と、上記封水中にバブリングガスを噴出するノズルとを備えたサンプルガス捕集装置を準備し、あらかじめ浮き屋根上側の外槽上部空間内を置換ガスで置換し、外槽上部空間の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガスの噴出を開始するようにしたことを要旨とする。
【0026】
すなわち、上記サンプルガス捕集方法は、あらかじめ浮き屋根上側の外槽上部空間内を置換ガスで置換し、外槽上部空間の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガスの噴出を開始するようにしたため、外槽上部空間に存在する不純ガス量をあらかじめ確実に低減させてからバブリングを行うことにより、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、外槽上部空間内に存在する不純ガスが封水中に溶け込むことによる不要なバブリングをほとんどなくすことができる。
【0027】
本発明のサンプルガス捕集方法において、バブリングされた封水中の溶存ガス濃度が所定の設定濃度以下であるときにサンプルガスの導入を開始するようにした場合には、バブリングによる封水中の溶存ガス量が充分低下したのを確認してからサンプルガスの捕集を開始することにより、サンプルガス中への不要成分の混入を防止して分析結果の誤差発生を防ぐことができる。
【0028】
本発明のサンプルガス捕集方法において、サンプルガスの捕集中および/またはつぎのサンプルガス捕集までに、外槽上部空間内に置換ガスを導入するようにした場合には、つぎのサンプルガス捕集の前のパージ作業を省略することが可能となり、2回目以降の受け入れ作業の作業時間の短縮と経費の節減が可能となる。
【0029】
本発明のサンプルガス捕集方法において、バブリングガスを、ノズルのガス噴出口に取り付けられた多孔体に通過させることにより微細気泡として噴出させるようにした場合には、封水中でのバブリングガスの表面積すなわちバブリングガスと封水との接触面積が大きくなって封水中の溶存ガスの除去効率が飛躍的に向上する。また、バブリングガスを多孔体に通過させて噴出させることから、従来に比べてバブリングガスの噴出し抵抗が大きくなり、ノズルに多少の傾斜があっても、ガス噴出口からのバブリングガス噴出し量の偏りが少なくなる。したがって、外槽内の封水全体の溶存ガスの除去速度にも偏りが少なくなって、全体的に溶存ガスを効率よく除去できるようになる。このように、バブリング時間を飛躍的に短縮することが可能となり、サンプルガス捕集の準備に要する経費を大幅に節減することができる。また、バブリング時間が大幅に短縮できることから、バブリングガスの放出量も大幅に減少し、経費を節減することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0031】
図1は、本発明のサンプルガス捕集装置の一実施の形態を示す図である。この例は、タンカーから液化天然ガス(LNG)を荷揚げする際に、分析用のサンプル天然ガスを一時的に貯蔵するサンプルガス捕集装置である。
【0032】
上記サンプル捕集装置は、タンカーからLNG貯槽に液化天然ガスを受け入れる受入ライン25の途中に設けられた分岐管50からサンプルガスを採取して一時的に貯留する外槽21を備えている。上記分岐管50には、蒸発器27および圧縮機28が設けられ、液状で採取されたサンプルガスを気化させて昇圧し、サンプルガス導入管26を介して外槽21内に導入するようになっている。
【0033】
上記外槽21は、全体として天井部と底部を有する略筒状で、底部に有天筒状の内槽24を備えた2重構造となっている。そして、外槽21と内槽24との隙間に封水22が貯留されている。
【0034】
上記封水22には、下方に開口する浮き屋根23が上下動可能に収容されており、上記浮き屋根23と内槽24の天井部との間の隙間に、サンプルガス導入管26とサンプルガス導出管32とが内槽24の天井部を貫通して連通している。これにより、上記浮き屋根23の内部にサンプルガス導入管26によりサンプルガスを導入して捕集するとともに、捕集されたサンプルガスをサンプルガス導出管32から導出するようになっている。
【0035】
上記サンプルガス導入管26からは、バブリングガス供給管29が分岐している。上記バブリングガス供給管29には、外槽21と内槽24の封水22が貯留された部分を取り囲むように設置されたヘッダー43が連通している。上記ヘッダー43は、図2に示すように、環状を呈しており、内槽24の内側と外槽21の外側とにそれぞれ配置されている。上記ヘッダー43には、それぞれ複数のノズル30が周上において等間隔で突出形成され、外槽21および内槽24の壁面を貫通して封水22内にバブリングガスを噴出するようになっている。
【0036】
上記ノズル30は、図3に示すように、ヘッダー43に連通するノズルパイプ45と、上記ノズルパイプ45のバブリングガス噴出口に取り付けられた多孔質材46とを備えて構成されている。このようにすることにより、バブリングガスが多孔質材46を通過して微細気泡として封水22内に噴出されるようになっている。
【0037】
上記多孔質材46としては、小さな多孔を有するものであれば、特に限定するものではなく、各種のものを用いることができるが、比較的入手しやすい材料で安価にノズル30を作製することができ、耐久性にも優れていることから、多孔質セラミックスや多孔質金属焼結体が好適に用いられる。
【0038】
上記多孔質材46としては、平均孔径で10μm〜500μm程度の多孔を有するものが好適に用いられ、より好ましくは平均孔径で10μm〜100μm程度の多孔を有するものが用いられる。このようにすることにより、バブリングガスが噴出する際の気泡が充分小さくなって封水22とバブリングガスとの接触面積が大きくなることから、封水22中に溶存する酸素や二酸化炭素等の溶存ガスの除去効率を有効に向上させることができるからである。
【0039】
また、上記サンプルガス導入管26からは、分岐管48が分岐しており、この分岐管48には、外槽21と浮き屋根23との間に存在する封水22内にバブリングガスを噴出する上部ノズル47が取り付けられている。上記上部ノズル47も、上述したノズル30と同様に、バブリングガス噴出口に多孔質材46が取り付けられている。
【0040】
上記外槽1には、その浮き屋根23上側の外槽21の上部空間20に、窒素ガスタンク33から置換ガスとして窒素ガスを供給する置換ガス供給管34が連通している。また、外槽21の上部空間20には、窒素ガスによるパージ中やバブリング中に上部空間20内の気体を排出する排気管35が連通している。さらに、上記外槽21の上部空間20には、窒素ガスによるパージ中やバブリング中に上部空間20に存在する気体中の不純ガスである酸素の濃度を検知する気中酸素濃度センサ36aが設けられている。
【0041】
さらに、上記外槽21には、窒素ガスによるパージ中やバブリング中に内部に貯留されている封水22中の溶存ガスである酸素濃度を検知する液中酸素濃度センサ37が設けられている。
【0042】
また、サンプルガス導出管32からは、バブリング等中に浮き屋根23内に溜まるガスを排出する排気ライン38が分岐している。上記排気ライン38には、排気中の不純ガスである酸素の濃度を検知する気中酸素濃度センサ36bが設けられている。
【0043】
上記パージガス導入管34,サンプルガス導入管26,バブリングガス供給管29,分岐管48,サンプルガス導出管32,排気ライン38には、それぞれ制御信号に基づいて自動開閉する弁34a,26a,29a,48a,32a,38aが設けられている。
【0044】
そして、このサンプルガス捕集装置は、所定の手順に基づいて、あるいは、気中酸素濃度センサ36a,36bや液中酸素濃度センサ37の検出結果に基づいて、上記各弁34a,26a,29a,48a,32a,38aに制御信号を出力して自動開閉する制御装置31を備えている。
【0045】
上記制御装置31は、あらかじめ置換ガス供給管34に窒素ガスを供給して外槽21の上部空間20内を窒素ガスでパージし、上記上部空間20の気中酸素濃度センサ36aによる酸素濃度の検知結果が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガス供給管29の弁29aを開けてノズル30からのバブリングガスの噴出を開始するよう制御する。
【0046】
また、上記制御装置31は、バブリング中の封水22中の液中酸素濃度センサ37による酸素濃度の検知結果が所定の設定濃度以下になったときにサンプルガス導入管26の弁26aを開き、サンプルガスの導入を開始するよう制御する。
【0047】
上記構成のサンプルガス捕集装置により、本発明のサンプルガス捕集方法は、例えばつぎのようにして行なわれる。
【0048】
すなわち、図4に示すように、まず、外槽21の上部空間20内を窒素ガスでパージし、上部空間20内の気中酸素濃度が設定値以下まで下がったときにノズル30からバブリングガスを噴出させてバブリングを開始する。ついで、バブリングにおいて封水22中の液中酸素濃度が設定値まで下がったときに、LNGの受け入れとサンプリングガスの捕集を開始する。そして、受け入れが終了したのち、捕集されたサンプルガスを導出してその分析が行なわれる。
【0049】
より詳しく説明すると、まず、図5に示すように、制御装置31は、置換ガス導入管34の弁34aを開弁し、外槽21の上部空間20に窒素ガスを導入して上部空間20内を窒素ガスでパージする。パージ中、上部空間20内の気体は、外槽21頂部近傍の排気管35から排出される。
【0050】
この実施例のサンプルガス捕集装置では、上記外槽21は、直径約2m,高さ約4mに設定され、封水22の貯留量は約0.5m、上部空間20の容積は約2.5mに設定されている。そして、このサンプルガス捕集装置の場合において、パージ時の窒素ガスの流量は、約100リットル/時間に設定される。
【0051】
ついで、上記窒素ガスでのパージ中、上部空間20に設けられた気中酸素濃度センサ36aにより、上部空間20内の酸素濃度を連続的もしくは所定時間おきに測定する。そして、上部空間20内の酸素濃度が所定の設定値まで下がったときに、図6に示すように、制御装置31は、バブリングガス供給管29の弁29aを開弁し、ノズル30から封水22中にバブリングガスを噴出させてバブリングを開始する。このとき、排気ライン38の弁38aも開弁する。
【0052】
また、バブリングの開始にあたって、上記制御装置31は、置換ガス導入管34の弁34aを絞って窒素ガスの流量を10リットル/時間程度に設定する。ここで、封水22の水面から上部空間20に放出されたバブリングガスや、引き続き上部空間20に導入されている窒素ガスは、排気管35から排出される。また、封水22の水面から浮き屋根23の内部に放出されたバブリングガスは、排気ライン38から排出される。
【0053】
このように、バブリングの開始にあたって、あらかじめ上部空間20内の気体を窒素ガスでパージし、上部空間20内の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下になって不純ガス量をあらかじめ低減させてからバブリングを行うため、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、上部空間20内に存在する酸素や二酸化炭素等の不純ガスが封水22中に溶け込むのを防止し、その溶存ガスを除去するための不要なバブリングをほとんどなくしてバブリング時間を短縮することができる。
【0054】
ここで、バブリングを開始する上部空間20内の酸素濃度の設定値としては、バブリング時間を充分に短縮させるため、1体積%程度に設定するのが好ましい。
【0055】
つぎに、上記バブリング中、封水22内に設けられた液中酸素濃度センサ37により、封水22内の酸素濃度を連続的もしくは所定時間おきに測定する。また、排気ライン38に設けられた気中酸素濃度センサ36bにより、排気中すなわち浮き屋根23内の酸素濃度を連続的もしくは所定時間おきに測定する。
【0056】
そして、封水22中の酸素濃度と排気中の酸素濃度の少なくともいずれかが所定の設定値まで下がったときに、図7に示すように、制御装置31は、バブリングガス供給管29の弁29aを閉じるとともに、サンプルガス導入管26の弁26aを開弁し、受入ライン25からのLNGの受け入れとサンプルガスの捕集とを開始する。
【0057】
このように、バブリングによる封水22中の溶存ガス量や、サンプルガスが捕集される浮き屋根23内の不純ガス濃度が充分低下してからサンプルガスの捕集を開始するため、サンプルガス中への不要成分の混入を防止して分析結果の誤差発生を防ぐことができる。
【0058】
ここで、サンプルガスの捕集とLNGの受け入れを開始する封水22中の酸素濃度の設定値としては、サンプルガス中への不要成分の混入を充分に防止するため、1ppm程度に設定するのが好ましい。また、サンプルガスの捕集とLNGの受け入れを開始する排気中の酸素濃度の設定値としては、同様の理由から50ppm程度に設定するのが好ましい。
【0059】
サンプルガスは、受入ライン25からのLNGの受け入れと並行してサンプルガス導入管26から浮き屋根23内部に順次導入される。このとき、置換ガス導入管34の弁34aを少し開けて流量10リットル/時間程度に設定して上部空間20内に窒素ガスを導入しつづけるようにしてもよい。また、分岐管48の弁48aを開弁して上部ノズル47からバブリングガスを噴出させて外槽21と浮き屋根23との間に存在する封水22をバブリングするようにしてもよい。このようにすることにより、サンプリング中に外槽21の上部空間20から封水22への不純ガスの溶解を防止し、サンプルガス中への不要成分の混入をさらに防止できる。
【0060】
そして、サンプリングが終了する頃には、図8に示すように、浮き屋根23内部にサンプルガスが捕集され、浮き屋根23が外槽21内で上昇する。サンプリングが終了すると、制御装置31は、サンプルガス導入管26の弁26aを閉じる。そののち、図9に示すように、制御装置31は、サンプルガス導出管32の弁32aを開弁し、浮き屋根23内に捕集されたサンプルガスを分析室や分析機器に対して導出し、サンプルガスの分析が行なわれる。このとき、置換ガス導入管34の弁34aを少し開けて流量10リットル/時間程度に設定して上部空間20内に窒素ガスを導入しつづけるようにしてもよい。
【0061】
そして、サンプルガスの捕集中やつぎのサンプルガスの捕集までの間は、置換ガス導入管34の弁34aを少し開き、流量10リットル/時間程度に設定して上部空間20内に窒素ガスを導入しつづけるようにしてもよい。このようにすることにより、つぎのサンプルガス捕集の前のパージ作業を省略することが可能となる。
【0062】
以上のように、上記サンプルガス捕集装置によれば、バブリングガスを多孔質材46を通過させて微細気泡として噴出させるため、封水22中でのバブリングガスの表面積が極めて大きくなり、封水中の溶存ガスの除去効率が飛躍的に向上する。また、従来に比べてバブリングガスの噴出し抵抗が大きくなることから、ノズル30に多少の傾斜があっても、ガス噴出口からのバブリングガス噴出し量の偏りが少なくなる。したがって、外槽内の封水全体の溶存ガスの除去速度にも偏りが少なくなって、全体的に溶存ガスを効率よく除去できるようになる。
【0063】
また、バブリングの開始にあたって、あらかじめ外槽21の上部空間20内に存在する空気を窒素ガスによって置換し、上記置換の際に上部空間20の酸素濃度が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガスを開始するため、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、上部空間20内に存在する不純ガスが封水22中に溶け込むことによる不要なバブリングをほとんどなくすことができる。
【0064】
なお、上記実施の形態では、置換ガスとして窒素ガスを用いた例を示したが、これに限定するものではなく、その他の不活性ガスや天然ガス等を用いることもできる。また、上記実施の形態では、バブリングガスとして天然ガス用いた例を示したが、これに限定するものではなく、窒素ガスやその他の不活性ガスを用いることもできる。
【0065】
また、上記実施の形態では、不純ガス濃度センサおよび溶存ガス濃度センサとして、酸素濃度を測定する気中酸素濃度センサ36a,36bおよび液中酸素濃度センサ37を用いたが、これに限定するものではなく、二酸化炭素等の酸素以外の不純ガスを検知するセンサを用いることもでき、これらを併用することも可能である。
【0066】
【実施例】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0067】
図10は、ノズル30のバブリングガス噴出口の相違による封水22中の溶存酸素量の変化を示す線図である。この例では、バブリングガスとして窒素ガスを用い、バブリング流量は200リットル/時間とし、ノズル30の数は周上の等間隔に24箇所とした。なお、この例では、浮き屋根23および外槽21の天井部を設置していない。
【0068】
図中「既設ノズル」は、比較例であり、図14に示した従来のノズルを用いてバブリングを行なったときの溶存酸素量の変化である。また、図中「セラミックストーンノズル」は、本発明の実施例であり、バブリングガス噴出口に取り付ける多孔質材として平均孔径が100〜数100μmのセラミックストーンを用いてバブリングを行なったときの溶存酸素量の変化である。また、図中「焼結金属ノズル」は、本発明の実施例であり、バブリングガス噴出口に取り付ける多孔質材として平均孔径が10〜数10μmの焼結金属を用いてバブリングを行なったときの溶存酸素量の変化である。
【0069】
上記図10から明らかなように、実施例においては、溶存酸素の減少する速度も比較例に比べて速く、最終的に到達する溶存酸素量も比較例に比べて低くなる。
【0070】
図11は、封水22として純水を用いたときの、バブリングによる封水22中の酸素濃度および二酸化炭素濃度の変化を示す図である。この例では、バブリングガスとして天然ガスを用い、バブリング流量は600リットル/時間とし、ノズル30には多孔質材として金属焼結材を取り付けた。また、バブリング開始前の上部空間20の窒素ガスによるパージは、流量100リットル/時間で2時間の置換を行なった。なお、この例では、浮き屋根23および外槽21の天井部を設置している。
【0071】
上記図11から明らかなように、本実施例によれば、2時間程度のバブリングにより、溶存二酸化炭素量は40ppmを下回り、溶存酸素量は20ppmを下回るまで封水22中の酸素や二酸化炭素の濃度を低下させることができる。図示はしていないが、あらかじめ外槽21の上部空間20内のパージを行なわない従来の方法では、目標とする封水22中の酸素および二酸化炭素濃度である50ppm以下を達成するのに、24時間以上のバブリングを要していた。本発明では、従来に比べ飛躍的にバブリング時間を短縮することができたことがわかる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明の第1のサンプルガス捕集装置によれば、バブリングガスが多孔体を通過して微細気泡として噴出するため、封水中でのバブリングガスの表面積すなわちバブリングガスと封水との接触面積が極めて大きくなって封水中の溶存ガスの除去効率が飛躍的に向上する。また、バブリングガスを多孔体に通過させて噴出させることから、従来に比べてバブリングガスの噴出し抵抗が大きくなり、ノズルに多少の傾斜があっても、ガス噴出口からのバブリングガス噴出し量の偏りが少なくなる。したがって、外槽内の封水全体の溶存ガスの除去速度にも偏りが少なくなって、全体的に溶存ガスを効率よく除去できるようになる。このように、バブリング時間を飛躍的に短縮することが可能となり、サンプルガス捕集の準備に要する経費を大幅に節減することができる。また、バブリング時間が大幅に短縮できることから、バブリングガスの放出量も大幅に減少し、経費を節減することができる。
【0073】
また、本発明の第2のサンプルガス捕集装置によれば、浮き屋根上側の外槽上部空間に置換ガス供給管が設けられていることから、例えば、バブリングの開始にあたって、あらかじめ外槽上部空間内に存在する空気を置換ガスによって置換することができる。また、上記外槽上部空間に不純ガス濃度センサが設けられていることから、例えば、上記置換の際に外槽上部空間の不純ガス濃度を測定し、この空間の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガスの噴出を開始することができる。このように、外槽上部空間に存在する不純ガス量をあらかじめ低減させてからバブリングを行うことが可能となり、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、外槽上部空間内に存在する不純ガスが封水中に溶け込むことによる不要なバブリングをほとんどなくすことができる。したがって、バブリング時間を飛躍的に短縮することが可能となり、サンプルガス捕集の準備に要する経費を大幅に節減することができる。また、バブリング時間が大幅に短縮できることから、バブリングガスの放出量も大幅に減少し、経費を節減することができる。
【0074】
また、本発明の第3のサンプルガス捕集装置によれば、封水中にバブリングガスを噴出するノズルのガス噴出口に多孔体が取り付けられていることから、バブリングガスが噴出する際多孔体を通過して微細気泡として噴出する。このため、封水中でのバブリングガスの表面積すなわちバブリングガスと封水との接触面積が極めて大きくなって封水中の溶存ガスの除去効率が飛躍的に向上する。また、バブリングガスを多孔体に通過させて噴出させることから、従来に比べてバブリングガスの噴出し抵抗が大きくなり、ノズルに多少の傾斜があっても、ガス噴出口からのバブリングガスの噴出し量に偏りが少なくなる。したがって、外槽内の封水全体の溶存ガスの除去速度にも偏りが少なくなって、全体的に溶存ガスを効率よく除去できるようになる。また、浮き屋根上側の外槽上部空間に置換ガス供給管が設けられていることから、例えば、バブリングの開始にあたって、あらかじめ外槽上部空間内に存在する空気を置換ガスによって置換することができる。また、上記外槽上部空間に不純ガス濃度センサが設けられていることから、例えば、上記置換の際に外槽上部空間の不純ガス濃度を測定し、この空間の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガスの噴出を開始することができる。このように、外槽上部空間に存在する不純ガス量をあらかじめ低減させてからバブリングを行うことが可能となり、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、外槽上部空間内に存在する不純ガスが封水中に溶け込むことによる不要なバブリングをほとんどなくすことができる。したがって、バブリング時間を飛躍的に短縮することが可能となり、サンプルガス捕集の準備に要する経費を大幅に節減することができる。また、バブリング時間が大幅に短縮できることから、バブリングガスの放出量も大幅に減少し、経費を節減することができる。
【0075】
また、本発明のサンプルガス捕集方法によれば、外槽上部空間に存在する不純ガス量をあらかじめ確実に低減させてからバブリングを行うことにより、バブリング開始時やバブリング開始初期の間に、外槽上部空間内に存在する不純ガスが封水中に溶け込むことによる不要なバブリングをほとんどなくすことができる。また、バブリング時間が大幅に短縮できることから、バブリングガスの放出量も大幅に減少し、経費を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサンプルガス捕集装置の一実施の形態を示す構成説明図である。
【図2】ノズルの周辺構造を示す平面図である。
【図3】上記ノズルを示す断面図である。
【図4】本発明のサンプルガス捕集方法の一実施の形態を示す工程説明図である。
【図5】パージ工程を示す説明図である。
【図6】バブリング工程を示す説明図である。
【図7】サンプリング工程を示す説明図である。
【図8】サンプリング工程を示す説明図である。
【図9】サンプルガスの取り出し工程を示す説明図である。
【図10】本発明によるバブリングによる封水中の溶存酸素量の変化を示す線図である。
【図11】本発明によるバブリング後のガス中の酸素量および二酸化炭素量を示す図である。
【図12】従来例の封水式ガスホルダーを示す説明図である。
【図13】上記従来例のノズルを示す平面図である。
【図14】上記ノズルのバブリングガス噴出口を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外槽
1a 排気口
2 封水
3 浮き屋根
4 サンプルガス導入管
5 サンプルガス導出管
6 ノズル
7 サンプリング手段
8 分析器
9 分析管
9a 弁
10 排気口
11 排気管
11a 弁
12 バブリングガス供給管
12a 弁
13 バブリングガス供給部
14 ヘッダー
15 バブリングガス吹出口
16 ノズル孔
20 上部空間
21 外槽
22 封水
23 浮き屋根
24 内槽
25 受入ライン
26 サンプルガス導入管
26a 弁
27 蒸発器
28 圧縮器
29 バブリングガス供給管
29a 弁
30 ノズル
31 制御装置
32 サンプルガス導出管
32a 弁
33 窒素ガスタンク
34 置換ガス導入管
34a 弁
35 排気管
36a 気中酸素濃度センサ
36b 気中酸素濃度センサ
37 液中酸素濃度センサ
38 排気ライン
38a 弁
43 ヘッダー
45 ノズルパイプ
46 多孔質材
47 上部ノズル
48 分岐管
48a 弁
50 分岐管

Claims (15)

  1. 封水が貯留された外槽と、上記封水内に上下動可能に収容された下方に開口を有する浮き屋根と、上記浮き屋根の内部に連通するサンプルガス導入管およびサンプルガス導出管と、上記封水中にバブリングガスを噴出するノズルとを備えたサンプルガス捕集装置であって、
    上記ノズルは略環状のヘッダーの周上に所定間隔で複数設けられ、上記ノズルのガス噴出口に多孔体が取り付けられていることを特徴とするサンプルガス捕集装置。
  2. 上記多孔体が平均孔径で10μm〜500μmの多孔を有するものである請求項1記載のサンプルガス捕集装置。
  3. 上記多孔体が多孔質セラミックスおよび/または多孔質金属焼結体である請求項1または2記載のサンプルガス捕集装置。
  4. 上記外槽は筒状の内槽を備えた2重構造とされ、上記外槽と内槽の間に封水が貯留されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のサンプルガス捕集装置。
  5. 上記ヘッダーは内槽の内側と外槽の外側にそれぞれ設けられ、上記ノズルは外槽および内槽の壁面を貫通して封水中にバブリングガスを噴出するようになっている請求項4記載のサンプルガス捕集装置。
  6. 封水が貯留された外槽と、上記封水内に上下動可能に収容された下方に開口を有する浮き屋根と、上記浮き屋根の内部に連通するサンプルガス導入管およびサンプルガス導出管と、上記封水中にバブリングガスを噴出するノズルとを備えたサンプルガス捕集装置であって、浮き屋根上側の外槽上部空間に置換ガス供給管が設けられるとともに、上記外槽上部空間に不純ガス濃度センサが設けられていることを特徴とするサンプルガス捕集装置。
  7. 上記封水中に不純ガス濃度センサが設けられている請求項記載のサンプルガス捕集装置。
  8. あらかじめ置換ガス供給管に置換ガスを供給して外槽上部空間内を置換ガスで置換し、外槽上部空間の不純ガス濃度センサによる不純ガス濃度の検知結果が所定の設定濃度以下であるときに上記ノズルからのバブリングガスの噴出を開始するよう制御する制御手段を備えている請求項または記載のサンプルガス捕集装置。
  9. 封水中の溶存ガス濃度センサによる溶存ガス濃度の検知結果が所定の設定濃度以下であるときにサンプルガス導入管からサンプルガスの導入を開始するよう制御する制御手段を備えている請求項または記載のサンプルガス捕集装置。
  10. サンプルガスの捕集中および/またはつぎのサンプルガス捕集までに、外槽上部空間内に置換ガスを導入するように制御する制御手段を備えている請求項のいずれか一項に記載のサンプルガス捕集装置。
  11. 封水が貯留された外槽と、上記封水内に上下動可能に収容された下方に開口を有する浮き屋根と、上記浮き屋根の内部に連通するサンプルガス導入管およびサンプルガス導出管と、上記封水中にバブリングガスを噴出するノズルとを備えたサンプルガス捕集装置であって、上記ノズルのガス噴出口に多孔体が取り付けられるとともに、浮き屋根上側の外槽上部空間に置換ガス供給管が設けられ、上記外槽上部空間に不純ガス濃度センサが設けられていることを特徴とするサンプルガス捕集装置。
  12. 封水が貯留された外槽と、上記封水内に上下動可能に収容された下方に開口を有する浮き屋根と、上記浮き屋根の内部に連通するサンプルガス導入管およびサンプルガス導出管と、上記封水中にバブリングガスを噴出するノズルとを備えたサンプルガス捕集装置を準備し、あらかじめ浮き屋根上側の外槽上部空間内を置換ガスで置換し、外槽上部空間の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下になったときにバブリングガスの噴出を開始するようにしたことを特徴とするサンプルガス捕集方法。
  13. バブリングされた封水中の不純ガス濃度が所定の設定濃度以下であるときにサンプルガスの導入を開始するようにした請求項11記載のサンプルガス捕集方法。
  14. サンプルガスの捕集中および/またはつぎのサンプルガス捕集までに、外槽上部空間内に置換ガスを導入するようにした請求項11または12記載のサンプルガス捕集方法。
  15. バブリングガスを、ノズルのガス噴出口に取り付けられた多孔体に通過させることにより微細気泡として噴出させるようにした請求項1214のいずれか一項に記載のサンプルガス捕集方法。
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