JPH0355087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は液体試料の濾過及び濾過流路の洗浄を
自動的に行う濾過装置に係り、特に試料の濾過が
なされるフイルタカートリツジと洗浄のために使
用される洗浄用カートリツジとをターンテーブル
に自動的に送り込む装置に関する。

〈従来の技術〉 一般に液体試料中に溶解している成分を測定す
る場合、試料中に存在する微粒子、繊維、ゲル状
成分、蛋白質の沈殿物等の混入による誤差を防止
する為、これらの固形物を予め遠心沈降や濾過等
によつて分離しておくことが必要である。この分
離操作を自動的に行うため、自動送りされていた
漏斗などの濾材ホルダー上に自動的に濾材を供給
設置した後、濾材上面から試料液を注入したり、
自動送りされた連続状のロール濾材上に試料液を
供給して連続的に濾材間に透過させたりしてい
た。

しかし、これらの場合、何れも濾過流路の完全
な洗浄困難で、異種液の濾過時の汚染防止に問題
があつた。特に最近要求の多い発酵、培養液等に
代表される難濾過性、粘性液体試料の自動濾過に
おいては汚染が生じ易く、迅速に濾過及び流路を
洗浄することが難しいものであつた。

このため、本出願人は先に自動濾過装置を出願
し（特願昭59−186699号）、これらの解決を図つ
た。

かかる自動濾過装置は、ターンテーブル上にフ
イルタカートリツジと洗浄用カートリツジとを配
設し、このカートリツジに筒体を密着させて該筒
体によつてフイルタカートリツジの場合には試料
の濾過を、又、洗浄用カートリツジの場合には洗
浄後の注入を行うものであつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このような自動濾過装置においてはフイルタカ
ートリツジと洗浄用カートリツジとをターンテー
ブル上に自動的に供給して、濾過作業の効率化及
び省力化を図ることは好ましいものである。そこ
で、本考案は新たにカートリツジの自動送り込み
装置を提供することで前記自動濾過装置の迅速化
を図るものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案の自動送り込み装置は、フイルタカート
リツジ及び洗浄用カートリツジ、あるいはフイル
タカートリツジのみが積層された供給セルから、
これらを順に取り出してターンテーブル上に載置
するものである。このため、供給セル内のカート
リツジに掛止してカートリツジの落下を防止する
係止爪を設けると共に、この係止爪による掛止を
解除し、かつカートリツジをターンテーブル上に
導くセツト部材を設けている。ここで、前記セツ
ト部材は上下動するリフタと、このリフタの上動
と共に上昇して係止爪を掛止解除方向に退出させ
る押上げリングとを具備している。

〈作用〉 係止爪は供給セルの下端に位置しており、掛止
方向へのばね附勢でカートリツジを掛止する。一
方、セツト部材はばねによる附勢方向と反対の方
向に係止爪を移動させて掛止を解除すると共に、
供給セルの最下段に位置したカートリツジを１個
ずつ取り出してターンテーブル上に導くものであ
る。

〈実施例〉 第３図は自動濾過装置の全体斜視図であり、１
９は駆動モータ２３によつて間欠的に所定の角度
ずつ回転されるターンテーブルで、第５図に示す
フイルタカートリツジ１及び第６図に示す洗浄用
カートリツジ２が嵌着される孔４０が同一円周線
上に複数開設されている。この場合、フイルタカ
ートリツジ１と洗浄用カートリツジ２とは同一外
周となつて孔４０内ヘの嵌着が可能となつてお
り、使用に際してはターンテーブル１９上に立設
する供給セル１５内に積層されるか、あるいは洗
浄用カートリツジ２は予めターンテーブルの孔４
０内に載置されフイルタカートリツジ１のみが供
給セル１５内に積層される。前者の積層順序ある
いは後者の洗浄用カートリツジの載置間隔は自動
濾過のプログラミングに準じて行われ、例えば
「濾過」と「洗浄」が交互に行われる場合には、
前者の場合フイルタカートリツジと洗浄用カート
リツジとが交互に積層され、後者の場合一つ置き
の孔４０内に洗浄用カートリツジが載置される。

前記フイルタカートリツジは第５図のように、
支持筒１ａと漏斗筒１ｂと、これらの間に取り付
けられる濾材１ｃとからなつており、支持筒１ａ
と漏斗筒１ｂとはＯリング１ｄによつて密着する
ようになつている。

一方、洗浄用カートリツジ２は第６図に示すよ
うな流路２ａが軸方向に開設されて洗浄水の流通
が行われる。そして、これらのフイルタカートリ
ツジ１及び洗浄用カートリツジ２の外周部分には
後述する係止爪が掛合する段部１ｅ，２ｅが夫々
形成されている。

前記ターンテーブル１９上方では下部開放の筒
体２０がモータ１７及びギヤ１６及び１８を介し
て上下動可能に配設されており、真下に位置した
フイルタカートリツジ１又は洗浄用カートリツジ
２に上方から密着して、濾過及び洗浄を行つてい
る。この筒体２０はテフロン、ダイフロン等の疎
水性を有する材質やステレンス等の耐食性を有す
る材質で形成され、第４図に示すように開放され
た下端部がカートリツジに密着すると共に、頂部
付近には試料供給路に連通する試料口２０ａと加
圧ガスが供給されるガス口２０ｂとが開設されて
いる。

このような装置において、試料はプローブ７
と、定量コイル１１と、チヤンバー９と、ポンプ
１２と送入パイプ３２とを介して筒体２０内に供
給されものであり、プローブ７が容器ホルダー４
に列状に立設された試験管等の試料容器５内に挿
入して試料の吸引が行われるようになつている。
定量コイル１１はこの吸引された試料の一定量を
採取して前記筒体２０に供給するものであり、ピ
ンチバルブ１０を介してポンプ１２に連結されて
いる。一方、前記筒体２０のガス口２０ｂには加
圧ガス供給路が接続するが、この加圧ガス供給路
はガスパイプ３３と三方電磁弁１３及び図示しな
いポンプとからなつており、窒素ガス等の不活性
な気体を加圧状態で筒体２０内に供給し、濾過を
迅速に行うように作用するものである。

２４はターンテーブル１９上に立設する収納セ
ル１４に濾過又は洗浄終了後のカートリツジを取
り出す収納用リフタであり、モータ２５の駆動に
よつて上下動するようになつている。

２６は三方電磁弁からなる弁であり、前記筒体
２０が密着するフイルタカートリツジ１又は洗浄
用カートリツジ２の下部に連結されて濾液を受器
２９に導出したり、洗浄水を吸引及び、排水する
切り換えを自動的に行うものである。２７は洗浄
用漏斗であり、ソレノイド２８によつて進退して
洗浄工程終了後に試料供給路内に残留しポンプ１
２の駆動で排出される洗浄水を受け取るものであ
る。又、６は内部に洗浄水が貯留された洗浄槽で
あり、プローブ７の先端を洗浄するためプローブ
７の下方付近に配設されている。

このような自動濾過装置において、フイルタカ
ートリツジ１及び洗浄用カートリツジ２が多段に
積層された前記供給セル１５の下端部には、第１
図に示すような係止爪４１，４１が進退可能に配
設されている。この係止爪４１，４１はホルダ４
２，４２に取り付けられるが、該ホルダ４２，４
２内にはコイルばね等のばねが挿入されており、
該ばねのばね圧で係止爪４１，４１は外方に、す
なわち供給セルの方向に突出するように附勢され
ており、この突出により、第２図に示すように供
給セルの最下段に位置したカートリツジＡの段部
に当接してカートリツジが下方に落下するのを防
止している。さらに、この係止爪４１が位置する
ターンテーブル１９の下方にはセツト部材４３が
取り付けられている。このセツト部材４３は本実
施例においてはモータ４４と、このモータ４４の
シヤフト４５に取り付けられた大小２基のカム４
６，４７とこのカム４６，４７に接触して上下動
するリフタ４８と、ターンテーブル１９の孔４０
内に上下動可能に挿入された押し上げリング４９
とから構成されている。そして、このセツト部材
４３は前記筒体２０が位置する前方に配設されて
おり、筒体２０下方に移動する前のターンテーブ
ル１９の孔４０内にフイルタカートリツジ又は洗
浄用カートリツジを嵌着させるように作動するよ
うになつている。このため、前記リフタ４８は内
筒４８ａと外筒４８ｂとからなる２重管構造とな
つており、内筒４８ａが大カム４６に、外筒４８
ｂが小カム４７に夫々、接触しており、外筒４８
ｂの上動で押上げリング４９を上昇させると共
に、内筒４８ａの上動でカートリツジＡを受けて
該カートリツジＡを押上げリング４９内に挿入さ
せるようになつている。ここで押上げリング４９
は上縁部が係止爪４１に当接するような径を有す
るように成形され、又、係止爪４１下面は押上げ
リングの当接で反附勢方向への移動が容易なよう
にチーパ面に成形されている。前記カム４６及び
４７はモータのシヤフト４５に偏心して取り付け
られており、内筒４８ａが接触する大カム４６は
略円盤状となつているが、外筒４８ｂが接触する
小カム４７は内筒４８ａが上昇してカートリツジ
を受け取り、該カートリツジを押上げリング４９
内に導くまでの間、係止爪４１、４１に押上げリ
ング４９を当接させておくように偏平な卵形状に
成形される。なお、このように内筒と外筒とを作
動させることができれば、カムでなくともモータ
あるいはシリンダ等を使用してもよい。

第１図中、５０は光学センサ等のセンサであ
り、ターンテーブル１９に配設されるカートリツ
ジの種類を判別して、供給セル１５からのカート
リツジがプログラミングで設定したカートリツジ
と一致するか否かをチエツクし、筒体２０の作動
部に信号を送り濾過又は洗浄が開始される。

また、供給セル１５内にフイルタカートリツジ
のみを積層し洗浄用カートリツジは予めターンテ
ーブルの孔４０に嵌着しておく場合には上記光学
センサ５０は孔４０内の洗浄用カートリツジの有
無を検知し、「有」のときはターンテーブル１９
をそのまま見過すとともに筒体２０の作動部に信
号を送つて洗浄を行わしめ、「無」のときはその
信号がセツト部材モータ４４及び筒体２０の作動
部に送られセツト部材の作動でフイルタカートリ
ツジを空の孔４０に嵌着すると共に、そのフイル
タカートリツジが筒体２０の下方に位置したとき
筒体２０の作動により濾過が行われるような位置
に設置すればよい。

このような自動送り込み装置は、ターンテーブ
ル１９が間欠的に回転して空位となつた孔４０が
供給セル１５真下に位置すると作動して、供給セ
ル１５内のカートリツジをターンテーブル１９の
孔４０内に送り込むものである。すなわち、モー
タ４４の回転でカム４６及び４７が回転し、第２
図イから同図ロのように内筒４８ａ及び外筒４８
baが共に上昇し、外筒４８ｂによつて押上げリ
ング４９が上昇して係止爪４１を反掛止方向に退
出させると共に、内筒４８ａが供給セル１５の最
下段に位置したカートリツジＡを支承する。カム
がさらに回転すると、同図ハのように、まず内筒
４８ａが下降して押上げリング４９内にカートリ
ツジＡを導き、次いで、同図ニのように外筒４８
ｂも下降してカートリツジＡが挿入された状態の
押上げリング４９をターンテーブル１９の孔４０
内に落とし込み、これにより、カートリツジの送
り込みが終了する。この状態では係止爪４１はば
ね附勢によつて突出し、次段のカートリツジに掛
止して該カートリツジの落下を防止している。カ
ートリツジの送り込みの終了でターンテーブル１
９が間欠回転すると、カートリツジＡは筒体２０
下方に位置し、該筒体２０の下降で濾過又は洗浄
が開始される。濾過の場合には試料容器５内の試
料はポンプ１２の作動によりプローブ７から吸入
されて定量コイル１１内に送られ、ピンチバルブ
１０が閉じると、一定量の試料がコイル１１内に
封入され、この状態で筒体２０をモータ１７によ
り下降させてフイルターカートリツジ１上部に密
着させることで行われる。次いで、加圧ガス供給
路側の三方電磁弁１３がエア抜き側に切り換わ
り、エア抜きを行い、常圧にセツトし、ピンチバ
ルブ１０を開き、ポンプ１２を作動させて定量コ
イル１１内の試料を筒体２０内に導入する。この
試料の導入の終了後、三方電磁弁１３が自動的に
加圧側に切り換わり加圧される窒素ガスが筒体２
０内に供給され筒体２０内の試料は濾材１ｃを通
して濾過が行われる。一方、洗浄の場合には、洗
浄用カートリツジが筒体２０の下方の位置に移動
し、筒体２０が下降して洗浄用カートリツジ２に
密着すると共に、三方電磁弁２６が洗浄用に自動
的に切り換わり、プローブ７も自動的にプローブ
洗浄槽６内に浸漬される。次に、ポンプ１２が濾
過とは逆方向に作動して洗浄水を三方電磁弁２６
から筒体２０内部へ、そしてこの筒体２０から試
料供給路先端のプローブ７の先端まで送液され、
試料供給路全体及びプローブの外壁までの洗浄が
行われる。

〈考案の効果〉 以上説明した本考案によると、試料の「採取」、
「濾過」、「洗浄」の一連の操作を自動的行う際に、
フイルタカートリツジ及び洗浄用カートリツジを
自動的にターンテーブル上に配置することができ
るから自動濾過がより迅速化されると共に、省力
化も可能となる、という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部の斜視図、第
２図イ〜ニはその作動の側面図、第３図は自動濾
過装置の全体斜視図、第４図は筒体の断面図、第
５図及び第６図はフイルタカートリツジ及び洗浄
用カートリツジの断面図である。 １……フイルタカートリツジ、２……洗浄用カ
ートリツジ、１５……供給セル、１９……ターン
テーブル、２０……筒体、４１……係止爪、４３
……セツト部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルタカートリツジ又は洗浄用カートリツジ
   が着脱可能に配設されるターンテーブルが間欠的
   に回転すると共に、下方に位置したフイルタカー
   トリツジ又は洗浄用カートリツジに筒体が密着
   し、該筒体内に試料又は洗浄液が注入されて濾過
   又は洗浄を行う自動濾過装置において、前記フイ
   ルタカートリツジ及び洗浄用カートリツジあるい
   はフイルタカートリツジのみが積層されて該カー
   トリツジをターンテーブルに供給する供給セル
   と、この供給セルの下端でカートリツジを掛止す
   る掛止爪と、この係合爪の下方に上下動可能に配
   設され該係止爪の掛止を解除してカートリツジを
   ターンテーブル上に導くセツト部材とからなるこ
   とを特徴とする自動濾過装置におけるカートリツ
   ジの自動送り込み装置。