JP3963639B2 - 酸化チタン複合炭化物、その製造方法、及びそれによる化学物質の分解方法 - Google Patents

酸化チタン複合炭化物、その製造方法、及びそれによる化学物質の分解方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化チタン複合炭化物、その製造方法、及びそれを使用した化学成分の分解方法に関するものであり、詳しくは、活性炭などの炭化物の細胞壁内、細胞内腔、細胞表面、又はそれらの相当箇所のいずれか1以上に、酸化チタン原料を複合した酸化チタン原料含浸炭化物を加熱、又は溶媒の存在下に超臨界ないし亜臨界状態で処理することにより得られる酸化チタン複合炭化物、その製造方法、及び酸化チタン複合炭化物に化学成分を吸着させ、光を照射して化学成分を分解する方法、特に有害化学成分を分解して無害化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、環境浄化用や冷蔵庫の脱臭用の触媒として二酸化チタンを活性炭等に担持した光分解触媒が知られている。
例えば、特開平8−332378号公報には、Ti成分の存在下で炭素化および賦活された酸化チタン担持木質もしくは合成樹脂炭化物を主成分とする光触媒活性炭が記載されており、具体的にはノボラック樹脂のような活性炭前駆体有機物とTi含有溶液とを均一に混合処理した後、次いで焼成により炭素化し、賦活化処理することにより光触媒活性炭を製造している。またこれらを繊維状にして製造することにより、弾性率や強度の要求される分野に使用できることが示されている。しかしながら、ノボラック樹脂のような活性炭前駆体有機物では、木材等が本来有する細胞壁及び細胞内腔が重要であることを認識しておらず、光分解効率が高く、しかも経済的に有利な触媒は得られない。
【0003】
特開平10−28861号公報には、木質系材料を不活性ガス雰囲気中で焼成した木質焼成炭化物と、酸化チタンとが複合されてなる環境浄化用複合材が開示されている。また、この複合体を使用して窒素酸化物等を吸着させ、光により無害化できることが記載されている。しかしながら、この技術も、木材等が本来有する細胞壁及び細胞内腔とその前処理が重要であることを認識しておらず、光分解効率の高い触媒が得られることを示していない。さらに酸化チタンゲル中に残存する有機残基のために、分解効率の高い触媒能が得られていない。
【0004】
第49回日本木材学会大会研究発表要旨集(1999年)477頁には、木材等が有する細胞壁及び細胞内腔の重要性を認識した、光分解効率が高い酸化チタン複合バイオマス炭化物が得られている。ここでは、木材等のバイオマスと酸化チタン原料とをゾル−ゲル反応で、細胞壁、細胞内腔及び/又は細胞表面に複合した酸化チタン複合木材を調製した上で、これらを炭化処理することにより光分解性酸化チタン複合炭化物を得ている。
しかしながら、上記いずれの技術においても、炭化物を原料としておらず、また細胞壁、細胞内腔、細胞表面、又はそれらの相当構造を有する炭化物と酸化チタン原料の溶液を超臨界ないし亜臨界状態で処理するものでなく、本発明とは異なるものである。
【0005】
一方社会問題として、新築の住宅では、合板や壁紙等からホルムアルデヒドのような刺激性物質が少しづつ放出されたり、大気中には窒素酸化物類、硫黄酸化物類、ダイオキシン等の有害成分や、オゾンホールの原因となるフロンガスが放出されたりして、これらの処理が検討されている。
したがって、より高い効率で化学成分を吸着し、同時に光分解反応により高効率で分解、無害化できる新規な酸化チタン複合炭化物を得ることが重要であり、その技術開発が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、吸着、分解効率が高く、経済的に安価な光分解触媒、その製造方法及びそれを使用した有害化学成分の処理方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、木質炭化物の高機能化研究の一環として、金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル法による木質炭化物の無機質複合化の研究を行い、炭化物の持つ多孔質特性をできる限り維持した形で諸機能向上が可能であることを見出した。この中で、本発明者は、木質炭化物材料の主として細胞内腔部、細胞壁内部又は細胞壁表面に酸化チタン原料をその溶媒と共に、または単独で、複合させ、その溶媒とともに、又は単独で超臨界ないし亜臨界状態のような高温、高圧処理すること、若しくは、酸化チタン原料を複合させた木質炭化物を加熱処理することにより、光触媒活性の高い酸化チタンと木質炭化物が細胞レベルで複合化した新規な複合体の調製に成功した。
なお、酸化チタンと木質炭化物が細胞レベルで複合化した状態は、図9におけるI〜Vのタイプのような状態である。この複合体は、有害化学成分が吸着されるサイトと酸化チタンによる光分解触媒作用を示すサイトが接近して設けることが、高い吸着とそれに続く光分解反応に有効であることを見いだし、鋭意検討を継続した結果、かかる問題点を解決しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明の第1は、炭化物の細胞壁内、細胞内腔及び細胞表面のいずれか1以上に、酸化チタン原料の溶液を含浸させ、得られた酸化チタン原料含浸炭化物を、熱処理することを特徴とする酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第2は、炭化物の細胞壁内、細胞内腔及び細胞表面のいずれか1以上に、酸化チタン原料の溶液を含浸させ、得られた酸化チタン原料含浸炭化物を、溶媒の存在下に、該溶媒の超臨界ないし亜臨界状態で熱処理することを特徴とする酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第3は、炭化物の細胞壁内及び細胞内腔に、酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする本発明の第1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第4は、炭化物の細胞内腔及び細胞表面に、酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする本発明の第1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第5は、炭化物の細胞内腔に、酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする本発明の第1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第6は、炭化物の細胞壁内に、酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする本発明の第1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第7は、炭化物の細胞表面に酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする本発明の第1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第8は、酸化チタン複合炭化物を酸素の非存在下に加熱した後、必要に応じて酸素の存在下に加熱することを特徴とする本発明の第1に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第9は、酸化チタン複合炭化物を酸素の存在下に加熱することを特徴とする本発明の第2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法を提供する。
本発明の第10は、本発明の第1〜9のいずれかに記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法で得られた酸化チタン複合炭化物を提供する。
本発明の第11は、酸化チタン含有率が0.1〜90重量%である本発明の第10に記載の酸化チタン複合炭化物を提供する。
本発明の第12は、本発明の第10又は11に記載の酸化チタン複合炭化物に、処理すべき化学成分を吸着させ、光を照射する化学成分の分解方法を提供する。
本発明の第13は、化学成分が、アルデヒド類、メルカプタン類、アルコール類、カルボン酸類、ハロゲン化炭化水素類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、含窒素化合物、窒素酸化物類、硫黄酸化物類、オゾン、又はこれらの混合物であることを特徴とする本発明の第12に記載の化学成分の分解方法を提供する。
【0009】
また、本発明は次の発明も開示する。
水分を30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下に乾燥された炭化物に酸化チタン原料をその溶媒と共に、または単独で、含浸して複合させ、得られた酸化チタン原料含浸炭化物を加熱処理により、又は溶媒存在下、超臨界ないし亜臨界状態で処理することにより、酸化チタン原料を光触媒活性を有する酸化チタン結晶粒子とすることを特徴とする本発明の第1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法。
酸化チタン原料が、チタンアルコキシド、チタンキレート、酸化チタンゾル、又はこれらの混合物であり、必要に応じてその溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類などを用いる本発明の第1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化チタン複合炭化物は、バイオマスなどの非化石資源や石炭などの化石資源やフェノール樹脂成形物等から得た炭化物の細胞壁内、細胞内腔及び細胞表面(石炭やフェノール樹脂成形物等、細胞形態をとらない場合は、それに存在する微小な空隙が内腔に、石炭成分やフェノール樹脂のある実質部が細胞壁に相当する。)のいずれか1以上に、酸化チタン原料をその溶媒と共に、または単独で、複合して得られた酸化チタン原料含浸炭化物を、加熱処理、又は溶媒存在下に超臨界ないし亜臨界状態のような高温・高圧条件で処理することにより製造される。
【0011】
以下、それらの原料、工程、条件等について説明する。
酸化チタンゾル溶液の製造及びそのゲル化
一般に、金属酸化物触媒の調製方法の一つにゾル−ゲル法がある。
ゾル−ゲル法とは、金属の有機および無機化合物にゾル化剤を加えてゾル溶液となし、ゾルを担体に担持したりした後、ゲルとして固化させ、加熱等によって金属酸化物の固体を作る方法である。一般に、金属アルコキシドM(0R)n、(MはSi、Ti、Ba、Zrなどの金属原子、Rはアルキル基(特に制限はないが、通常炭素数1〜20である。)、nは金属の酸化数を表す。)を用い、例えば、金属アルコキシド−アルコール−水の混合溶液を出発物質とする。金属アルコキシドを25〜80℃で加水分解して重縮合させると、金属酸化物の微粒子コロイドが生成し、溶液はゾルとなり、さらに反応が進むと湿潤ゲルとなる。
このゲルは加熱によりガラス、セラミックス状になるが、木質炭化物の無機質複合化では、その炭化物試料片(試片と略称する。)中の水を開始剤として、例えば、金属アルコキシド−アルコール−酢酸(触媒)の系に減圧下または常圧で所定時間、試片を浸漬して、メタロキサン(金属酸化物)ゲルを炭化物細胞中に生成せしめて、無機質複合炭化物を調製する。
【0012】
これまでの発明者等の研究で、無機物(金属酸化物)の炭化物細胞内分布は、用いる金属アルコキシドの種類と炭化物の含水状態の違いによって異なることが、走査型電子顕微鏡による観察で判った。すなわち、調湿試片を用いる場合と飽水試片を用いる場合とでは、同じ金属アルコキシドを用いても無機物の細胞内分布が全く異なったものになる。これらの研究結果は、木材を用いた同種の研究(例えば、APAST, No.30, pp10-14, 1999)のものと同一であり、対象が、木材でなく木質炭化物でも同様の概念が適用されることが確認された。
図9には、無機物の分布のタイプ(図で、白い部分は無機物のない部分を、網掛けした部分は無機物の存在する部分を示す。)を、また表1には、生成する無機物のゲル組成とその分布のタイプをチタンアルコキシド(又はチタンキレート)/アルコールの反応系について示す。
【0013】
【表1】
Figure 0003963639
【0014】
TPT:テトライソプロポキシチタニウム
TBT:テトラ−n−ブトキシチタニウム
TOT:テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタニウム
TAA:ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム
TAT:ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナート)チタニウム
【0015】
調湿試片とは、繊維飽和点以下の含水率を有するものであり、結合水のみが炭化物細胞壁内に存在している。飽水試片とは、これに対し、結合水に加えて自由水が細胞内腔にも存在している。このように、水分子の分布の異なる試片を用いると、チタンアルコキシド(又はチタンキレート)との組合せで異なった無機物の分布を持つ複合炭化物が得られる。絶乾試片(単に乾燥試片と略す。)とは、結合水が実質的に存在しないものである。
調湿試片も乾燥試片も乾燥により得られ、その水分の程度は、乾燥温度、圧力、時間等の条件を調節して決められる。
表1の調湿試片の水分は15〜20重量%であり、飽水試片の水分は100〜150重量%程度である。
【0016】
まず、細胞壁内のみに選択的に無機物を生成(タイプ[I])するには、チタンキレートの一種(ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム(TAA))またはジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナート)チタニウム(TAT)を調湿試片に対して加えるとよい。一方飽水試片では、細胞内腔にも水があるためにタイプ[IV]のように、細胞壁内、細胞内腔及び試片の外側表面部等、全体に無機物が存在する分布となる。これらの系では無機物の分布は、ほぼ試片に含まれる水の分布に近い。
しかし、チタンアルコキシドのうちテトライソプロポキシチタニウム(TPT)では、調湿試片を用いてもタイプ[I]の分布とはならず、タイプ[II]およびタイプ[III]に見られるような炭化物細胞内腔を充填または包囲するような無機物の分布となる。一方、飽水試片を用いた場合には、細胞内腔にも細胞壁内にも無機物を生成させることができず、試片の外側を無機物が覆うのみである。しかし、チタンアルコキシドのうちテトラ−n−ブトキシチタニウム(TBT)やテトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタニウム(TOT)を使用した場合には、調湿試片において、細胞壁内と同時に細胞内腔にも無機物を生成し得る。
これらのチタン化合物の細胞内分布は、その加水分解速度とそれに続く重縮合反応によるゾル化速度に依存するものと思われる。
特に、化学成分を吸着状態で光分解させるに必要な酸化チタン複合炭化物を製造する場合には、複合化において、チタン化合物がただ単に炭化物に複合化されるよりも、チタン化合物が最大限の効果を示すように、適切なサイト即ち、炭化物の細胞内腔及び/又は細胞壁及び/又は細胞表面に複合化させることが極めて重要である。
【0017】
チタン酸化物のゾル溶液を合成するために、使用するチタン化合物としては、チタンアルコキシド又はチタンキレートが使用できる。
チタンアルコキシドとしては、ジ、トリ又はテトラアルコキシチタンであり、好ましくはテトラアルコキシチタンである。アルコキシ基としては炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。チタンアルコキシドとしては、具体的には上記TPT、TBT、TOT等が挙げられる。
チタンキレートとしては、TAA、TAT等が挙げられる。
なお、チタン成分のほかに、必要により、V、Cr、Fe、Co、Ni、Mn、Zn、Zr、Mo、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、Si、B等の一種又は2種以上を複合させることも可能である。これら化合物としては、硝酸塩、塩化物、酢酸塩等が好ましく、その水溶液、または、有機溶媒を用いた溶液状態で使用し、超臨界ないし亜臨界状態のような高温・高圧下の処理後は酸化物になる。
【0018】
本発明で担体原料として使用する炭化物とは、少なくとも細胞壁及び細胞内腔を有するもの、もしくはそれに相当する構造を有するものであり、細胞表面を有していてもよく、細胞壁及び細胞内腔からなる細胞が複数存在していてもよく、好ましくは金属酸化物が複合できる細胞内腔を多数有するものがよい。各細胞は、外気と連通していることが好ましい。また石炭類からの活性炭のように細胞類似の多孔質構造を有するものでもよい。
本発明において、特に断らない限り、細胞とは細胞及び細胞相当構造を言い、従って、細胞表面、細胞壁、細胞内腔もそれぞれ細胞及び細胞相当構造のものを言う。
炭化物は、人工のものであっても、天然のものであってもよい。
炭化物としては、具体的には、針葉樹、広葉樹等の木粉、チップ、木枝、木材、木繊維、樹皮、実、殻、穀物、草等の種々の炭化物で活性炭なども含まれる。また、それらバイオマスを加工して得られる紙類や、綿、麻などの繊維等からの炭化物も含まれる。さらには石炭類やフェノール樹脂成形物類などのバイオマス以外のものからの炭化物でもかまわない。石炭類としては、ツンドラ、草炭、樹木泥炭、泥質泥炭などの泥炭類;ショック炭、ボッグヘッグ炭、油頁岩などの腐泥炭;亜炭、褐炭、歴青炭、無煙炭などの陸植炭;コハク炭等の残留炭;これらの硫酸処理炭;乾留炭;コークスなどが挙げられ、フェノール樹脂成形物類としては、ノボラック樹脂やレゾール樹脂からの粒子状、粉状、小片状などの成形物、または成形物の破砕片等が挙げられ、これらからの炭化物の中でも、細胞相当構造を有するものが好ましい。
【0019】
炭化物の形状としては、特に制限はないが、好ましくは粉末状である。
粉末の大きさは、0.001〜10mm、好ましくは0.01〜1mm、特に好ましくは0.05mm以下である。
なお、これらの炭化物原料は、最初から粉末状等にしなくても、加熱処理、又は溶媒の超臨界ないし亜臨界状態のような高温・高圧下での処理後に、粉砕して上記粉末状等の大きさにしてもよい。
【0020】
炭化物材料としては、酸化チタンを細胞壁内に生成させる場合には、調湿した炭化物とチタンキレートを使用するのがよく、酸化チタンを細胞内腔及び/又は細胞表面に生成させる場合には、調湿した炭化物とチタンアルコキシドを使用する。ただし、酸化チタンゾルを使用する場合には、乾燥炭化物、調湿炭化物、飽水炭化物のいずれでもよい。調湿炭化物の水分は、最大30重量%程度、通常、20重量%程度であり、0〜10重量%のものが好ましい。
炭化物としては、乾燥したもの、溶媒により抽出処理したもの、溶媒抽出して乾燥したもの、調湿したもの、飽水したもの等が挙げられる。
炭化物は、そのまま金属酸化物ゾルを含浸させてもよいが、好ましくは乾燥される。
乾燥条件は、特に制限はないが、80〜150℃、常圧でも減圧下でもよく、1〜48時間、好ましくは3〜24時間乾燥されて、調湿ないし乾燥される。
上記処理工程により、酸化チタン原料が細胞内腔、細胞壁内、細胞表面に複合化され易い炭化物が得られる。
【0021】
前記チタンアルコキシド、チタンキレート、酸化チタンゾル、又はこれらの混合物(以上を酸化チタン原料という。)は、その溶媒と共に、または単独で上記の炭化物に混合され、含浸等により複合化される。該炭化物と酸化チタンゾルの混合比率には特に制限はないが、酸化チタンゾルの溶液に炭化物が十分に浸るのが好ましい。
含浸は50℃以下、好ましくは常温付近で、常圧下、加圧下、又は減圧下のいずれでもよく、1〜48時間、好ましくは3〜24時間、静置、振り混ぜ、又は機械的もしくは超音波による撹拌により行われる。
含浸後に、不要な酸化チタン原料は遠心分離、ろ過、吸着等により分離される。ゾル溶液を含浸させた場合には、含浸後、例えば酢酸アンモニウム水溶液に加えられる等の操作によりゾルをゲル化してもよい。
【0022】
このようにして得られた酸化チタン原料含浸炭化物は、加熱処理されるか、酸化チタン原料の調製に用いた溶媒と共に、又は適当な溶媒を加えて、分散液(本発明では便宜上溶液という場合がある。)となし、超臨界ないし亜臨界状態で処理される。
【0023】
加熱処理の条件としては、不活性ガス気流下(酸素非存在下)に250〜1,500℃、好ましくは400〜600℃で、特に好ましくは450℃〜550℃で、0.1〜10時間、好ましくは0.5〜2時間加熱して、結晶化処理を施す。
【0024】
上記加えることができる適当な溶媒は、上記酸化チタン原料を含浸させた炭化物と混合され、超臨界状態ないし亜臨界状態で複合化されるのに適した溶媒(複合化の反応に関与せず、反応系を超臨界ないし亜臨界の状態にするために使用される。)であれば特に制限はなく、有機溶媒、無機溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。
有機溶媒としては、炭素数1〜24、好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜6の、炭化水素、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、フェノール類、チオアルコール類、チオエーテル類、チオエステル類、チオケトン類、チオアルデヒド類、チオカルボン酸類、チオフェノール類、アミン類、アミド類、及びこれらの混合物が挙げられる。有機溶媒としては、直鎖もしくは分岐の飽和もしくは不飽和の、脂肪族、脂環族、芳香族化合物であってもよい。
無機溶媒としては、二酸化炭素などの超臨界状態になりやすいものが挙げられる。
【0025】
上記の有機溶媒の中、超臨界有機溶媒として有用なアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコールなどの一価アルコール類が挙げられ、式R1OHで表される。但し、R1は1〜24個、好ましくは1〜12個、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を含有する脂肪族基からなるものである。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上の混合物として用いられる。これらのアルコール類の臨界温度(Tc)および臨界圧(Pc)の一例を表2に示す。
【0026】
【表2】
Figure 0003963639
【0027】
脂肪族アルコールとしては、所定の高温高圧になればよく、上記一価アルコール以外にも、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの二価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなど、及びこれらアルコール類の混合物が挙げられる。
【0028】
超臨界状態とは、反応系内の温度が臨界温度(Tc)以上で且つ圧力が臨界圧力(Pc)以上の状態をいう。亜臨界状態とは、超臨界状態の近傍のことであり、本発明では臨界温度、及び臨界圧力のそれぞれ0.7倍以上、好ましくは0.9倍以上の範囲である。亜臨界状態は、上記一価の脂肪族アルコールを例にすると、アルコールの種類によるが、反応系内の温度がアルコールの沸点以上、概ね150℃以上で、且つ圧力が反応温度におけるアルコールの蒸気圧以上、概ね2.0MPa以上の状態である。
従って、本発明を実施するに当たり、超臨界状態または亜臨界状態のアルコールを形成するには、例えば温度150〜600℃、圧力2.0〜200MPaの範囲で温度および圧力を適切に調整すればよい。600℃を超える温度では、アルコールの熱分解が著しいため、好ましくない。また反応圧力が200MPaを超えても酸化チタンの結晶化や反応時間の改善は見られない。好ましくは200〜500℃、より好ましくは、温度300〜450℃、圧力3〜100MPaの範囲である。
反応時間は反応条件に応じて1秒〜2時間の範囲から選ばれる。更に好ましくは1〜30分の範囲である。
超臨界有機溶媒中、特にアルコールが超臨界状態になることにより、溶質である酸化チタン原料のゾル−ゲル反応が極めて短時間で進行し、その過程で炭化物と複合された状態で、炭化物中もしくはその表面の酸化チタン原料が酸化チタンの光触媒活性にふさわしい結晶体に変換される。従って、本発明において超臨界ないし亜臨界溶媒中での処理とは、実質的には酸化チタン原料のゾル−ゲル反応を意味する。
【0029】
本発明では、必要に応じて超臨界ないし亜臨界状態のアルコールに、酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸から選ばれる酸触媒を有効成分として添加することができる。添加量は、酸触媒の性能が発揮できる範囲であれば特に制限はないが、例えば2重量%以下、0.05重量%以下でも、触媒効果を十分に発揮できる。酸触媒の添加が多すぎると煩雑な後処理が必要となる。
【0030】
本発明の酸化チタン複合炭化物を、超臨界状態または亜臨界状態で製造する装置の形式は、特に限定されないが、たとえばバッチ式又は連続式槽型反応器、ピストンフロー式管型反応器、流通式塔型反応器などを用いることができる。
反応器は、上記温度、圧力、及び腐食に耐えられるものであれば、特に制限はなく、公知のものが使用できる。
反応器の加熱には、すず浴(250〜500℃)や溶融塩浴(硝酸カリ/亜硝酸ナトリウム/硝酸ナトリウム=53/40/7の混合物、使用温度150〜600℃)のような加熱浴、他の熱媒、電熱、スチーム等を使用することができる。すず浴を用いた場合を例にとると、圧力0.1〜50MPa、温度250〜480℃の範囲の超臨界状態が実現可能である。
【0031】
本発明の、超臨界状態ないし亜臨界状態の有機溶媒中での処理により得られる酸化チタン複合炭化物は、上述した通りであるが、超臨界状態ないし亜臨界状態の有機溶媒、特にアルコールによる作用、効果は、次のように考えることができる。
超臨界状態ないし亜臨界状態のアルコールは、温度および圧力を制御することによって、誘電率およびイオン積を容易且つ大幅に変化させることができる。
アルコールの誘電率は、たとえば、メタノールで33.1(25℃)、エタノールで23.8(25℃)であり、それらは水素結合により4分子の会合体となっている。しかし、超臨界状態では水素結合が解裂し、疎水性となって誘電率が低下し、非極性物質を容易に溶解する。
また、アルコールのイオン積の各圧力における温度依存性から、圧力が高いほど高温領域までイオン積の高い状態を保ち、かなりの高温下においても、良好なゾル−ゲル反応の生じる領域を形成するものと考えられる。
即ち、超臨界状態ないし亜臨界状態のアルコールの誘電率やイオン積を温度や圧力の制御によって幅広い範囲で調整できるので、この様な状態のアルコールを酸化チタン原料のゾル−ゲル反応の溶媒として用いることによって、酸化チタン原料を、光触媒活性を有する酸化チタン結晶体に効率よく変換する最適な環境が提供されるもとの考えられる。
【0032】
これらの処理の後、特に活性化処理を行う必要はないが、酸素ガス存在下、または空気気流下、または水蒸気気流下に300〜1,000℃、好ましくは350〜600℃、さらに好ましくは400〜500℃で、1分〜1時間、好ましくは3〜20分加熱して、処理を行ってもかまわない。
【0033】
このようにして酸化チタン複合炭化物が得られ、吸着性及び分解性に優れた光触媒として使用される。
このような処理をすることにより、細胞内腔及び/又は細胞壁内及び/又は細胞表面に金属酸化物が複合され、化学成分の吸着サイトと活性金属触媒サイトとが同一ないし極めて近傍に、多量に存在させることができるので、適当な波長の光を照射することにより、効率的に化学成分を分解し、脱着させ、さらに新たな化学成分を吸着し、分解を繰り返すことができる。
【0034】
炭化物に複合された酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型、プロッカイト型、無定型、又はこれらの混合でもよい。好ましくはアナターゼ型が主体で、ルチル型が0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%含まれるものが使用される。また、酸化チタン複合炭化物中の酸化チタンの含有量は、二酸化チタンとして0.1〜90重量%、好ましくは1.0〜87重量%、さらに好ましくは10〜85重量%の範囲である。
本発明では、酸化チタンの含有量を、二酸化チタンとして40重量%以上、あるいは50重量%以上、さらには60重量%以上にすることができることも特徴である。
酸化チタンの含有量が0.1重量%より小さすぎると光触媒作用の効果が不十分であり、90重量%より大きすぎると炭化物による化学成分の吸着効果の減少、機械的物性低下等が生じる。
酸化チタン複合炭化物の比表面積は、10〜2,000m2/g、好ましくは100m2/g以上、さらに好ましくは500m2/g以上である。比表面積が10m2/g未満であると、処理すべき化学成分の吸着が不足する。
【0035】
本発明に係る酸化チタン複合炭化物は、使用目的によって、粉体、粗破砕体、塗布体、又は成形体のいずれであってもよい。粉体の粒度は特に限定するものではないが、前記炭化物の粉体の大きさ等が挙げられ、光分解触媒活性が増加するように微粉砕してもよい。
塗布体にあっては、上記粉体を有機もしくはバインダーと共に塗布した物、又はそれをさらに焼成したものであってもよい。
また、成形体にあっては粒状、ハニカム状、板状、波板状、リング状、繊維状などの形状をとることができる。
これらの酸化チタン複合炭化物は、吸着及びそれに続く光分解触媒反応のために、そのまま処理すべき環境に堆積して使用してもよいし、該触媒をラシッヒリング、スルザーパッキン等の充填物や、シリカゲル、アルミナ等の担体に担持したり、該触媒を処理すべき家等の場所の内壁や外壁、器具、家具、車輌、航空機、船舶などに塗布したりして、光を照射し、気体又は液体中の化学成分を処理することもできる。また、パイレックスないし石英製の下記照射光線の透過率の良い容器に充填して、化学成分を該容器に導き、吸着、処理させることもできる。また、該容器を冷蔵庫内に収納して、臭気成分を吸着しながら、光を照射して分解することもできる。また、該容器等を台所、流し、調理器、ストーブ、トイレット、押入、車輌内等に設けることもできる。
吸着操作と、光照射操作は別々に行っても、同時に行っても、連続して行っても、間欠的に行ってもよい。
【0036】
本発明の酸化チタン複合炭化物が処理対象とする化学成分としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド等のアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類;メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブテン、シクロヘキサン、アセチレン、ブタジエン等の飽和又は不飽和炭化水素;メチルハライド、メチレンジハライド、トリハロメタン、テトラハロゲンメタン、エチレンジハライド、トリハロエタン、ビニルハライド、ビニリデンジハライド、トリハロエチレン、各種フロンガス等のハロゲン化アルキル(ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、及びこれらの混合物である。)、ダイオキシン類、PCB類等のハロゲン化合物;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、キュメン、スチレン、ベンツピレン等の不飽和炭化水素;インドール、スカトール等のインドール類;フェノール類;各種窒素酸化物、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン等の窒素化合物;硫化水素、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、硫黄酸化物等の各種硫黄化合物;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;ギ酸、酢酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸等の脂肪族カルボン酸;アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン等の脂肪族アミン、ピロール、ピリジンなどの窒素環化合物、青酸、アセトニトリル等のシアン化合物等の含窒素化合物;オゾン;下水臭、腐敗臭、植物臭、動物臭、人体臭等の臭気;光化学オキシダント等の刺激性物質;杉花粉、ダニ粉等の有機性微粒子;その他の光分解可能なガス等が挙げられる。
本発明の酸化チタン複合炭化物は、上記の成分に対して、吸着と共に光触媒作用に基づき効果的に光分解、光酸化又は光還元(本発明ではこれらを光分解と総称する。)処理を行うことができる。
【0037】
本発明において、酸化チタン複合炭化物に吸着された化学成分を処理するために照射する光としては、可視光線以下の波長の短い光が使用される。具体的には、可視光線、近紫外線、遠紫外線であり、600nm以下、好ましくは400nm以下の光である。これらの光の光源としては、太陽光、蛍光灯、高圧、中圧又は低圧の各水銀灯、ハロゲンランプ、カドミウムランプ、ナトリウムランプ、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。これらの光線は、単色光でも、多色光でも、レーザー光線のように位相が揃ったものでもよい。
【0038】
本発明の酸化チタン複合炭化物の化学物質の吸着、分解の温度、圧力、照射時間には特に制限はなく、0℃以下でも、常温でも、数百度のような高温でも使用できるが、好ましくは吸着に適する温度である。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
反応装置:
図10は、超臨界状態または亜臨界状態で本発明を実施するための装置を示す概略説明図である。この装置はバッチタイプのものであり、1はスズ浴槽(加熱用)、2は水浴槽(急冷用)、3は反応管、4は温度モニター、5は圧力計をそれぞれ示す。4及び5により反応管内の温度と圧力をリアルタイムにモニターでき、3の反応管は振り子運動により振とうすることができる。
図10に示した装置を用いて超臨界状態または亜臨界状態で本発明を実施し、本発明の効果を確認した。
炭化物:
炭化物試料として活性炭(ナカライテスク製、HCl処理済、木粉より調製されたものであり、比表面積:1,020m2/gである。)を用いた。該炭化物1.0gに酸化チタン原料のイソプロパノール溶液20ml(酸化チタン原料/イソプロパノール=20/80容量比)を減圧下(15mmHg)で浸漬させ、充分に該炭化物中に含漬させたのち、該炭化物を遠心分離により溶液から回収し、そのまま、もしくは風乾させて大気中で1日間ゾル−ゲル反応をゆるやかに進行させた。
その後、該炭化物を5ml容の反応管に仕込み、これに常温のイソプロパノールを加えて5mlとし、あらかじめ450℃に昇温したスズ浴槽に浸漬して、急速に昇温、昇圧し、イソプロパノールの超臨界状態(364〜440℃、5.2〜23MPa)で1〜10分間保持し、反応管を水浴槽にすばやく移動させて、反応を停止した。その後、反応物をビーカーに採り、該酸化チタン複合炭化物とイソプロパノールを分離した。得られた該酸化チタン複合炭化物を60℃で乾燥し、以下のホルムアルデヒドを用いた分解実験及びX線回折分析に供した。
熱重量測定:
熱重量測定装置TGA−50(島津製作所製)により行った。
ホルムアルデヒド分析:
ガスクロマトグラフィー/質量分析装置QP5000A(島津製作所製)により行った。
【0040】
[ホルムアルデヒド分解実験]
試料表面に吸着した有機物を、予め紫外線照射により処理した光分解試験用の試料を面積58.1cm2のシャーレ上に分散させ、循環系ホルムアルデヒド分解装置(図11)内のパイレックス製反応容器内に設置した。分解装置内を真空ポンプにて減圧し、CO2フリーの疑似エアー(窒素:酸素=8:2)をバランスガスとする約210ppmの濃度のホルムアルデヒドガスを3,100ml注入し、反応容器を紫外線から遮へいした状態で分解装置の循環ポンプを作動させた。経過時間毎にガスタイトシリンジにて0.5mlづつサンプリング口より採取し、分解装置内のホルムアルデヒド濃度及びその分解生成物であるCO2の濃度をガスクロマトグラフィー質量分析装置により測定した。ホルムアルデヒドの吸着が安定した時点より紫外線照射を開始し、各分解実験用試料のホルムアルデヒド分解性能を評価した。
なお、反応容器内での紫外線強度は波長λ=365nmで0.49〜0.50mW/cm2であり、ガス循環量は1.5リットル/minに設定した。
【0041】
[実施例1]
ジエチルアミン10mlを90mlの水に溶解させ、そこへテトライソプロピルチタネート(テトライソプロポキシチタニウムともいう。)20gを投入し、80℃で溶液が透明になるまで加熱、撹拌した。次に加熱をやめ、室温で6時間撹拌を行うことにより酸化チタンゾル溶液を得た。
木粉より調製した活性炭(ナカライテスク製、HCl処理)1.0g(絶乾重量)を上記酸化チタンゾル溶液中へ投入して、室温で一晩混合、撹拌した後に、この混合物を遠心分離し、上澄みを除去することにより、酸化チタンゾルを細胞内腔内及び細胞表面に含有する炭化物粉末を得た。
次に、この炭化物を5容量%の酢酸イソプロパノール溶液100ml中に投入し、該炭化物を分散させた。これを材質Inconel−625製の反応管に必要量満たして、あらかじめ250、300、350、400及び450℃に加熱したすず浴槽に反応管を浸漬して、それぞれ所定の温度付近に10から5秒かけて上昇させてから1分間保持し、その後直ちに水浴槽に浸漬して急冷し、反応を停止した。反応管内は処理温度の上昇に伴って、8〜23MPaの内圧となった。イソプロパノール(2−プロパノール)の超臨界温度は235℃、臨界圧力は4.76MPa(表2)であるので、全て超臨界処理がなされている。得られた酸化チタン複合炭化物を遠心分離して回収し、60℃にて溶媒を揮散させ乾燥して、酸化チタン複合炭化物を得た。
得られた酸化チタン複合炭化物をX線回析法により結晶構造を調べた結果、図1のようなアナターゼ型酸化チタン結晶体が炭化物中に生成していることを確認した。なお、300℃及び250℃においても、処理時間を1分から10分に延長することで同様の結晶体を得ることができた。また、酸化チタンゾルのみをイソプロパノール溶液とともに、超臨界処理した場合は、図2の(Sc−TiO2)に示すように、アナターゼ型の結晶構造となった。
熱重量測定により得られた酸化チタン複合炭化物中の酸化チタン重量含有率は、74.5重量%であり、比表面積は410m2/gであった。
【0042】
[比較例1]
実施例1で用いた炭化物(活性炭)1gをイソプロパノール5mlとともに該反応管に入れて同様に超臨界処理したが、その分子構造は図2に示すように、非晶のままであった(AC)。
また、実施例1で得られた酸化チタンゾルを細胞内腔内及び細胞表面に含有する炭化物粉末を超臨界処理する前に、X線回析法でその結晶構造を調べたが、炭化物と同様、非晶であった(TiO2−AC)。
【0043】
[実施例2](炭化物細胞表面及び細胞内腔内に酸化チタンゲルを複合)
実施例1で用いた炭化物(活性炭)1.0gを、同実施例1の酸化チタンゾル溶液中へ投入して、室温で一晩混合、撹拌した後に、この混合物を遠心分離し、上澄みを除去することにより、酸化チタンゾルを細胞内腔内及び細胞表面に含有する炭化物粉末を得た。
得られた炭化物粉末1.0gをイソプロパノール4mlと混合し、充分含浸させた後、実施例1と同様の方法で450℃に加熱したスズ浴槽にて超臨界処理を施すことにより、細胞表面及び細胞内腔内に酸化チタンゲルを複合した酸化チタン複合炭化物(試料)を得た。
熱重量測定により得られた試料中の炭化物及び酸化チタンゲル含有率(重量)は、それぞれ25.5%、74.5%であり、比表面積は410m2/gであった。
13.4 mgの試料(酸化チタン含有量10.0mg)を上記ホルムアルデヒド分解実験に供した。その結果を図3(縦軸はホルムアルデヒド(黒四角印)及び二酸化炭素(白四角印)の濃度を、横軸は処理時間を示す。図3〜図8で同じ。)に示す。これより紫外線が照射されていない領域(処理時間が0〜70分)では、炭化物(活性炭)によるホルムアルデヒドの良好な吸着挙動が確認され、この領域でのCO2濃度の上昇は見られなかったが、紫外線照射と同時にCO2濃度が上昇し、高速度でホルムアルデヒド濃度が低下した。これは試料が紫外線照射条件下で、高速度でホルムアルデヒドをCO2とH2Oにまで分解する性能を有することを示す。
【0044】
[実施例3](炭化物細胞内腔内に酸化チタンゲルを複合)
実施例1と同様の酸化チタンゾル溶液中へ、同炭化物1.0gを投入し、減圧下で一晩、酸化チタンゾル溶液の炭化物中への含浸を行った。次に、遠心分離により該炭化物を同溶液から分離、回収し、4mlのイソプロパノールに浸漬して、実施例1と同様、Inconel−625製反応管に入れて450℃にて超臨界処理を行うことにより、細胞内腔内に酸化チタンゲルを複合した酸化チタン複合炭化物(試料)を得た。試料の炭化物及び酸化チタンゲル重量含有率はそれぞれ69.5%、30.5%であり、比表面積は650m2/gであった。
試料32.8mg(酸化チタン含有量10.0mg)を上記ホルムアルデヒド分解実験に供した。その結果を図4に示す。これより、実施例2の場合と同様に、実施例3でも試料が紫外線照射条件下において、ホルムアルデヒドをCO2とH2Oにまで分解する性能を有することが確かめられた。
【0045】
[実施例4](炭化物細胞壁内に酸化チタンゲルを複合)
14.8gのジエタノールアミンと20gのテトライソプロピルチタネートを混合して、室温で30分間撹拌することで、ジイソプロピルビス(ジエタノールアミネート)チタニウム(チタンキレートである。)を得、そこに溶媒として80mlのイソプロパノールを加えた。含水率が約15重量%に調湿された実施例2と同様の炭化物粉末約1.2gを、この溶液中へ投入し、減圧下で3日間ジイソプロピルビス(ジエタノールアミネート)チタニウムの炭化物中への含浸を行った。この混合物を遠心分離し、上澄みを除去して得られた炭化物を、80mlの新しいイソプロパノール中で1時間浸漬した後、実施例1と同様の超臨界処理することにより、細胞壁内に酸化チタンを複合した酸化チタン複合炭化物(試料)を得た。試料の炭化物及び酸化チタンゲル重量含有率はそれぞれ72.4%、27.6%であり、比表面積は350m2/gであった。
試料36.2mg(酸化チタン含有量10.0mg)を上記ホルムアルデヒド分解実験に供した。その結果を図5に示す。これより、ホルムアルデヒドのCO2にまでの分解は実施例2及び実施例3の場合と同様な傾向が見られたが、細胞壁内の酸化チタンが紫外線に照射されにくいため、分解速度は実施例2及び実施例3の場合に比べて遅く、ホルムアルデヒドに対する分解機能は大きくは発現しえなかった。そこで試料炭化物粉末を0.01mmメッシュまで細化したところ、実施例2及び実施例3の場合と同様なホルムアルデヒドの高速度分解性能が確かめられた。
【0046】
[実施例5](炭化物細胞表面及び細胞内腔内に酸化チタンゲルを複合)
実施例1で用いた炭化物(活性炭)粉末1.0gを、同実施例1の酸化チタンゾル溶液中へ投入して、室温で一晩混合、撹拌した後に、この混合物を遠心分離し、上澄みを除去することにより、酸化チタンゾルを細胞内腔内及び細胞表面に含有する炭化物粉末を得た。
得られた炭化物粉末1.0gを石英製反応容器内に分散させて装入し、窒素気流下(50ml/min)、530℃で1時間の炭化、結晶化処理を施し、更に空気気流下(10ml/min)、430℃で7分間の酸化処理を施すことにより、細胞表面及び細胞内腔内に酸化チタンゲルを複合した酸化チタン複合炭化物(試料)を得た。
熱重量測定により得られた試料中の炭化物及び酸化チタンゲル含有率(重量)は、それぞれ24.9%、75.1%であり、比表面積は420m2/gであった。
13.3 mgの試料(酸化チタン含有量10.0mg)を上記ホルムアルデヒド分解実験に供した。その結果を図12(縦軸はホルムアルデヒド(黒四角印)及び二酸化炭素(白四角印)の濃度を、横軸は処理時間を示す。)に示す。これより紫外線が照射されていない時間領域(処理時間が0〜70分)では、炭化物(活性炭)によるホルムアルデヒドの良好な吸着挙動が確認され、この領域でのCO2濃度の上昇は見られなかったが、紫外線照射と同時にCO2濃度が上昇し、高速度でホルムアルデヒド濃度が低下した。これは試料が紫外線照射条件下で、高速度でホルムアルデヒドをCO2とH2Oにまで分解する性能を有することを示す。
【0047】
[実施例6](炭化物細胞内腔内に酸化チタンゲルを複合)
実施例1と同様の酸化チタンゾル溶液中へ、同炭化物1.0gを投入し、減圧下で一晩、酸化チタンゾル溶液の炭化物中への含浸を行った。次に、遠心分離により該炭化物を同溶液から分離、回収し、実施例5と同様の結晶化処理及び酸化処理を行うことにより、細胞内腔内に酸化チタンゲルを複合した酸化チタン複合炭化物(試料)を得た。試料の炭化物及び酸化チタンゲル重量含有率はそれぞれ69.7%、30.3%であり、比表面積は630m2/gであった。
試料33.0mg(酸化チタン含有量10.0mg)を上記ホルムアルデヒド分解実験に供した。その結果を図13に示す。これより、実施例5の場合と同様に、実施例6でも試料が紫外線照射条件下において、ホルムアルデヒドをCO2とH2Oにまで分解する性能を有することが確かめられた。
【0048】
[比較例2](炭化物のみ)
実施例1で用いた炭化物3.4mg、22.8mg、26.2mgに対して上記ホルムアルデヒド分解試験に供したところ、図6(試料量22.8mg)のような結果が得られた。これよりホルムアルデヒドは良好に炭化物上へ吸着されたが、紫外線照射の有無には関係なく、有意なCO2濃度上昇は見られず、ホルムアルデヒドのCO2とH2Oまでの分解性能は確認されなかった。
【0049】
[比較例3](酸化チタンゲルのみ)
実施例1と同様の酸化チタンゾル溶液中に、5%酢酸アンモニウム水溶液を溶液全体がゲル化するまで滴下した。次に、上澄みの酢酸アンモニウム水溶液を除去した後に、イソプロパノール溶液に酸化チタンゲルを分散させた。これを同反応管を用いて、同様な超臨界処理を処し、得られた酸化チタンゲルを遠心分離して回収し、乾燥させて乾燥酸化チタンゲル粉末を得た。得られた酸化チタンゲルをX線回析法により解析した結果、図2のようなアナターゼ型の結晶(Sc−TiO2)体となっていることを確認した。得られた酸化チタンゲル粉末の10.0mgを上記ホルムアルデヒド分解実験に供した。その結果を図7に示す。これより紫外線非照射領域(処理時間が0〜70分)においては、ホルムアルデヒドの試料への緩やかな吸着が確認され、紫外線照射領域(処理時間が70分以降)においては、ホルムアルデヒド濃度の一層の低下及びCO2濃度の上昇が見られたことより、試料がホルムアルデヒドをCO2とH2Oにまで分解、無害化する性能を有することが確認されたが、実施例2及び実施例3での分解速度に比べ大幅に劣っていた。
【0050】
[比較例4](炭化物と酸化チタンゲルの混合物)
比較例1と同様の方法で得た炭化物22.8mg(絶乾重量)と比較例3の乾燥酸化チタンゲル10.0mgとを物理的に混合することにより、炭化物と酸化チタンの混合物(試料)を得、上記ホルムアルデヒド分解実験に供した。結果を図8に示す。これより比較例2及び比較例3において見られた炭化物によるホルムアルデヒドの良好な吸着、及び酸化チタンゲルによるホルムアルデヒドの分解性能が確認されたが、比較例3の場合と同程度の分解速度であり、分解性能は実施例2〜実施例4のものに比べ大幅に劣っていた。また、炭化物量を3.4mg及び26.2mgとしても同様の結果が得られた。
【0051】
各実施例で得られた各光分解実験用試料の炭化物含有率及び酸化チタン含有率につき、熱重量測定により測定した結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
Figure 0003963639
【0053】
実施例2〜6のいずれにおいても、比較例2〜4に比べて、格段に高いホルムアルデヒド分解性能が確認された。このことは、酸化チタンゲルを炭化物細胞の内腔内、細胞壁内、細胞表面に複合した酸化チタン複合炭化物にはホルムアルデヒドをCO2とH2Oにまで高速度で分解、無害化する性能が備わっていることを示し、この効果は酸化チタンゲルを単に炭化物と混合した場合では発現されない。なお、この効果の対象となる有害物質は、ホルムアルデヒドのみならずアセトアルデヒド等の他のアルデヒド、メルカプタン類、アミン等の含窒素化合物、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、カルボン酸類、芳香族の各物質、炭化水素類等の種々の有機化合物及び無機化合物である。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、経済的に安価で、高い吸着能及び光分解能を有する酸化チタン複合炭化物が得られ、それを使用して有害化学成分、例えば空気中のホルムアルデヒドを短時間で、ほぼ完全に分解し、無害化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、超臨界イソプロパノール下の酸化チタン結晶体の生成を示す図である。回折ピークは酸化チタンのアナターゼ型を示す。
【図2】比較例1における、超臨界処理した炭化物(AC)、超臨界処理前の酸化チタンゾル複合炭化物(TiO2−AC)および実施例1における超臨界処理後の酸化チタンゲル(Sc−TiO2)を示す図である。Aは酸化チタンのアナターゼ型結晶体からの回折ピークを示す。
【図3】実施例2における、ホルムアルデヒド吸着、紫外線照射によるホルムアルデヒド及び二酸化炭素の濃度変化を示す図である。
【図4】実施例3における、ホルムアルデヒド吸着、紫外線照射によるホルムアルデヒド及び二酸化炭素の濃度変化を示す図である。
【図5】実施例4における、ホルムアルデヒド吸着、紫外線照射によるホルムアルデヒド及び二酸化炭素の濃度変化を示す図である。
【図6】比較例2における、ホルムアルデヒド吸着、紫外線照射によるホルムアルデヒド及び二酸化炭素の濃度変化を示す図である。
【図7】比較例3における、ホルムアルデヒド吸着、紫外線照射によるホルムアルデヒド及び二酸化炭素の濃度変化を示す図である。
【図8】比較例4における、ホルムアルデヒド吸着、紫外線照射によるホルムアルデヒド及び二酸化炭素の濃度変化を示す図である。
【図9】無機質複合炭化物の無機物分布のタイプを示す図である。
【図10】実施例で使用した超臨界処理装置の概略図である。
【図11】実施例で使用した循環系ホルムアルデヒド分解評価装置を示す図である。
【図12】実施例5における、ホルムアルデヒド吸着、紫外線照射によるホルムアルデヒド及び二酸化炭素の濃度変化を示す図である。
【図13】実施例6における、ホルムアルデヒド吸着、紫外線照射によるホルムアルデヒド及び二酸化炭素の濃度変化を示す図である。
【符号の説明】
1 スズ浴槽
2 水浴槽
3 反応管
4 温度モニター
5 圧力計

Claims (8)

  1. 木質炭化物の細胞壁内、細胞内腔及び細胞表面のいずれか1以上に、チタンアルコキシド、チタンキレート、酸化チタンゾル、又はこれらの混合物の溶液を50℃以下で含浸させた後、
    得られた酸化チタン原料含浸炭化物を、酸素非存在下にて250〜1,500℃で熱処理した後に酸素存在下で熱処理することを特徴とする酸化チタン複合炭化物の製造方法。
  2. 木質炭化物の細胞壁内、細胞内腔及び細胞表面のいずれか1以上に、チタンアルコキシド、チタンキレート、酸化チタンゾル、又はこれらの混合物の溶液を50℃以下で含浸させた後、
    得られた酸化チタン原料含浸炭化物を、溶媒の存在下に、該溶媒の超臨界ないし亜臨界状態で熱処理することを特徴とする酸化チタン複合炭化物の製造方法。
  3. 木質炭化物の細胞壁内及び細胞内腔に、酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法。
  4. 木質炭化物の細胞内腔及び細胞表面に、酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法。
  5. 木質炭化物の細胞内腔に、酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法。
  6. 木質炭化物の細胞壁内に、酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法。
  7. 木質炭化物の細胞表面に酸化チタン原料を複合化したことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法。
  8. 酸化チタン複合炭化物を酸素の存在下に加熱することを特徴とする請求項2に記載の酸化チタン複合炭化物の製造方法。
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