JP3962518B2 - 画像信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像信号処理装置に関し、特に、動画/静止画の両方を撮影可能なカメラ一体型の記録再生装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタルビデオカメラ等においては、静止画/動画撮影モードを備え、動画を撮影できるだけでなく、静止画も撮影して記録再生できるものが実用化されている。
【0003】
こうしたビデオカメラシステムでは、動画撮影モード時は通常のビデオ撮影を行い、静止画撮影モード時はカメラ側で解像度を上げるために、例えばシャッターを切って1フレーム分の画像を取り込み、記録するというような処理が行なわれる。
【0004】
上記のようなビデオカメラシステムでは、撮像素子として一般にCCDが使われている。そして、民生用としては一つのCCDで撮像する単板式が広く用いられているが、一つのCCDでカラー撮影を行なうために、CCDの受光面に色フィルタをアレイ状に配置して撮像する方式が一般的に採用されている。
【0005】
たとえば、補色フィルタの例でこの方式について、図9及び図10を用いて説明する。補色フィルタでは、CCDのフィルタ配列は図10に示すようにn、n+2、n+4、…、n+2k(kは整数)ラインではシアン(Cy)、イエロー(Ye)のフィルタが交互に配列されている。
【0006】
また、n+1、n+5、…、n+4(k+1)(kは整数)ラインではマゼンタ(Mg)、グリーン(G)のフィルタが交互に配置されている。さらに、n+3、n+4(k+3)ラインではn+4(k+1)ラインとは逆位相でグリーン(G)、マゼンタ(Mg)のフィルタが交互に配置されている。
【0007】
この配列の色フィルタを用いて撮像して、図10に示す第1フィールドm、m+1、m+2、…ライン、第2フィールド1、l+1、l+2、…ラインの1フレームの画像データを得るものとすると、第1フィールドの第mラインではCy+Mg、Ye+G、Cy+Mg、Ye+G、…の順にCCDのn、n+1ラインの上下画素が加算されて読み出され、第1フィールドの第m+1ラインではCy+G、Ye+Mg、Cy+G、Ye+Mg、…の順にCCDのn+2、n+3ラインの上下画素が加算されて読み出される。
【0008】
同様に、第m+2ラインでは、Cy+Mg、Ye+G、…の順にCCDのn+4、n+5ラインの上下画素が加算して読み出され、第m+3ラインでは、Cy+G、Ye+Mg、…の順にCCDのn+6、n+7ラインの上下画素が加算されて読み出されて行く。
【0009】
次に、第2フィールドの第lラインでは、Mg+Cy、G+Ye、Mg+Cy、G+Ye、…の順にCCDのn+1、n+2ラインの上下画素が加算されて読み出され、第2フィールドの第l+1ラインでは、G+Cy、Mg+Ye、G+Cy、Mg+Ye、…の順にCCDのn+3、n+4ラインの上下画素が加算されて読み出される。
【0010】
同様に、第l+2ラインではMg+Cy、G+Ye、…の順にCCDのn+5、n+6ラインの上下画素が加算されて読み出され、第l+3ラインではG+Cy、Mg+Ye、…の順にCCDのn+7、n+8ラインの上下画素が加算されて読み出されて行く。
【0011】
次に、上記のようにCCDから読み出された画素の処理について図12を参照して説明する。光の色の混合においては加色法が成り立つので、三原色のR、G、B信号と補色関係にあるYe、Mg、Cyの間には、
Ye=R+G
Mg=R+B
Cy=G+B
の関係が成り立つ。
【0012】
CCDから読み出された画素は入力端子600から入力され、色分離回路601、輝度信号分離回路606に入力される。色分離回路601では、第1フィールド第mラインの画素Cy+Mg、Ye+G、…が入力され、
D0=(Cy+Mg)+(Ye+G)=2R+3G+2B
D2=(Cy+Mg)−(Ye+G)=2B−G
を計算して出力する。
【0013】
また、第1フィールド第m+1ラインの画素の画素Cy+G、Ye+Mg、…が入力された時は、
D0=(Cy+G)+(Ye+Mg)=2R+3G+2B
D1=(Cy+G)−(Ye+Mg)=−(2R−G)
を計算して出力する。
【0014】
第1フィールド第m+2ラインの画素が入力された時は、
D0=(Cy+Mg)+(Ye+G)=2R+3G+2B
D2=(Cy+Mg)−(Ye+G)=2B−G
を計算して出力する。
【0015】
第1フィールド第m+3ラインの画素が入力された時は、
D0=(Cy+G)+(Ye+Mg)=2R+3G+2B
D1=(Cy+G)−(Ye+Mg)=−(2R−G)
を計算して出力する。
【0016】
上記で述べたように、D0データは輝度信号に近い成分として毎ライン得られるが色信号成分D1、D2データは1ラインおきにしか得られない。このため、色分離回路601は、例えば第mラインについてのD1データはその上下のラインm−1、m+1ラインから補間して出力するようにしている。
【0017】
同様に、第m+1ラインのD2データはその上下ラインm、m+2ラインから補間して出力する。以下同様にして、第m+2、m+3、…ラインのD0、D1、D2データを出力するようにしている。
【0018】
輝度信号分離回路606は、入力端子600から入力されるCCDの画素値から輝度信号成分、
(Cy+Mg)+(Ye+G)=2R+3G+2B
を計算してH/V輪郭強調回路607に出力する。
【0019】
同様にして、第2フィールドの第l、l+1、l+2、l+3、…ラインのCCDの画素値が色分離回路601に入力された時はそれぞれ、
D0=(Mg+Cy)+(G+Ye)=2R+3G+2B
D2=(Mg+Cy)−(G+Ye)=2B−G、
D0=(G+Cy)+(Mg+Ye)=2R+3G+2B
D1=(G+Cy)−(Mg+Ye)=−(2R−G)

を計算し、第1フィールドと同様に1ライン毎に交互に色信号成分D2データ、D1データが得られるので、D2データが得られるラインではその上下のラインからD1データを補間する。また、D1データが得られるラインでは、その上下のラインからD2データを補間して出力する。
【0020】
輝度信号分離回路606は、第1フィールドと同様に入力端子600から入力されるCCDの画素値から輝度信号成分、
(Cy+Mg)+(Ye+G)=2R+3G+2B
を計算して出力する。
【0021】
色分離回路601からのデータD0、D1、D2を供給されたマトリクス回路602は、
【0022】
【数1】
Figure 0003962518
【0023】
のマトリクス演算を施してR、G、Bデータを作り、WB回路603に供給する。
【0024】
WB回路603は、マトリクス回路602から供給されたR、G、Bデータに対して画像のホワイトバランス補正を行う。主には画面の白いと思われる箇所のR、G、Bデータの値が同じ値になるような係数をそれぞれ算出してその係数を画面全体のR、G、Bデータに各々乗じてホワイトバランスをとる。
【0025】
WB回路603でホワイトバランスをとられたR、G、Bデータはγ回路604に送出され、R、G、Bデータ各々にγ補正が施される。
【0026】
また、γ回路604でγ補正されたR、G、Bデータはマトリクス回路605に送出され、マトリクス回路605では下記のマトリクス演算が行われて、
【0027】
【数2】
Figure 0003962518
【0028】
が計算され、色データCb、Crとして出力される。
【0029】
一方、輝度信号分離回路606から出力された輝度信号データは、H/V輪郭強調回路607に供給される。H/V輪郭強調回路607では、水平/垂直方向の輪郭を強調処理してγ回路608に送出する。γ回路608では輝度信号データにγ補正を施して輝度信号データYとして出力する。
【0030】
出力端子609、610からは色データCb、Crが出力され、出力端子611からは輝度信号データYが出力される。これらの信号は、不図示の記録系に供給されてテープなどの記録媒体に記録されたり、モニタなどに表示される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、撮像した画面の中に輝度差のある部分が存在すると、本来は色がついてない箇所の画素であるにもかかわらず、色がついてしまい、偽色となってしまうという問題があった。
【0032】
例えば、図9において、撮像した画面のn+2、n+3ライン、n+4、n+5ラインで垂直方向にエッジがあり、輝度が段階的に大きく変化しているとすると、それによって得られるm+1ラインのD1データ、m+2ラインのD2データの値は他のラインに比べて大きく異なり、これが偽色となって画質の劣化を招くという問題があった。
【0033】
本発明は上述の問題点にかんがみ、偽色を抑圧した良好な画像を比較的簡単な構成の画像信号処理装置で得ることができるようにすることを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像信号処理装置は、撮像素子上に色フィルタをアレイ状に配列してカラー画像を得るようにする画像信号処理装置であって、撮像素子による撮像データから偽色の発生する箇所を検出する偽色発生箇所検出手段と、上記偽色発生箇所検出手段の出力結果から、偽色の発生箇所であると判断した場合には上記発生箇所に対応する画素の複数の色データのうちのひとつの色データの値に他の色データの値を合わせることで、撮像データの処理により発生する偽色を抑圧する偽色抑圧手段を設け、上記偽色抑圧手段は、偽色の抑圧を行なう場合は注目画素のRGBデータにおけるGデータの値に対してRとBデータの値を合わせ、注目画素の周辺画素についてはR、Bデータ各々の値とGデータの値との差分をとり、その差分値に注目画素からの距離をパラメータとする重み付けを行なってGデータの値に加算してR、Bデータの各々の値を得ることを特徴としている。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本件発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を表す図である。図1において、100はCCDからの撮像されたデータの入力端子、101はCCDデータから色データを分離する色分離回路、102は色分離回路101で分離されたデータにマトリクス演算をしてR、G、B信号をつくるマトリクス回路である。
【0038】
103はマトリクス回路102の出力を受けて、画面のホワイトバランスをとるWB回路、104は偽色検出回路107の検出結果をもとに偽色の抑圧を行なう偽色抑圧回路、105は偽色抑圧回路104で偽色抑圧したデータにγ補正を施すγ補正回路である。
【0039】
106はγ補正回路105でγ補正されたR、G、B信号にマトリクス演算をして色データCb、Crをつくるマトリクス回路、107は輝度信号分離回路110からの出力された輝度データから偽色の検出を行なう偽色検出回路、108は切り替え回路117からの制御信号により、偽色検出回路107の検出特性を切り替える検出特性制御回路、109は同じく切り替え回路117からの制御信号により、偽色抑圧回路104の抑圧する特性を切り替える抑圧特性制御回路である。
【0040】
110は入力端子100から入力されたCCDの撮像データから輝度信号を分離する輝度信号分離回路、111は輝度信号分離回路110で分離された輝度データに水平/垂直の輪郭強調を行なうH/V輪郭強調回路、112はH/V輪郭強調回路111の出力を受けてγ補正を施すγ補正回路、113、114はマトリクス回路106からの色データCb、Crの出力端子である。
【0041】
115はγ補正回路112からの輝度データの出力端子、116は動画/静止画のモードの切り替え信号の入力端子、117は入力端子116からの切り替え信号を受けて動画/静止画の偽色の抑圧の特性を制御する切り替え回路である。
【0042】
ここで色分離回路101、マトリクス回路102、WB回路103、γ補正回路105、マトリクス回路106、輝度信号分離回路110、H/V輪郭強調回路111、γ補正回路112については従来例で説明した色分離回路601〜γ補正回路608と同様な働きをするので、詳細な説明は省略する。以下、本発明に関わる箇所のみについて説明する。
【0043】
輝度信号分離回路110でCCD撮像データから分離された輝度データは偽色検出回路107に入力される。偽色検出回路107は輝度信号分離回路110で分離された輝度信号から偽色が出現しそうな箇所を検出する。
【0044】
図2は、偽色検出回路107の構成の一例である。図2において、200は輝度信号分離回路110で分離された輝度データが入力される入力端子、201は輝度データを記憶するメモリ、202はメモリから読み出された輝度データから偽色の出現箇所を検出する検出回路である。
【0045】
203は検出結果を出力する出力端子、204は図1の切り替え回路117からの制御信号の入力端子、205はメモリ201の書き込み、読み出し制御をするメモリ制御回路、206は偽色検出の特性を制御する検出特性制御回路108からの制御信号の入力端子である。
【0046】
輝度信号分離回路110から入力された輝度データは、メモリ制御回路205の書き込み制御を受け、メモリ201に書き込まれる。ここで、システムは動画撮影モードであったとすると、図1の入力端子116から動画モードである指示情報が切り替え回路117に送られる。
【0047】
切り替え回路117はその指示情報から偽色抑圧回路104、偽色検出回路107、検出特性制御回路108、抑圧特性制御回路109に動画モードの指示を行なう。
【0048】
切り替え回路117からの指示情報は、図2の入力端子204からメモリ制御回路205に入力される。メモリ制御回路205は、動画モードであった時はメモリ201に書き込まれる順番と同じく第1フィールド…mライン、m+1ライン、m+2ライン、…第2フィールド…lライン、l+1ライン、l+2ライン、…の順でメモリ201に記憶された輝度データを読み出す。メモリ201から読み出された輝度データは検出回路202に入力される。
【0049】
図3に、検出回路202の構成例を示す。g11、g12、…、gijは1データ遅延素子である。また、c11、c12、…、cijは係数器、f11、f12、…、fijは加算器、e1、…、ei−1は1H遅延回路、232は加算器、233はリミッタと丸め処理を行なう丸め回路、234は検出結果を出力する出力端子である。
【0050】
ここで、検出特性制御回路108が動画モードであった時は、例えばシステムが垂直方向Va/TV本の解像度のシステムであったとすると、Va/2TV本の帯域を通すバンドパスの特性となるように検出回路202に入力端子206を介して係数器c11、c12、…、cijの係数を設定する。
【0051】
メモリ201から読み出された輝度データは、図3の検出回路202の入力端子230から順に入力される。よって、検出回路202はi×jの画素に各係数器の係数を乗算し、その結果を加算器232で加算し、加算結果を丸め回路233でリミッタと丸め演算をして検出結果として出力端子234から出力する。この例では、フィールド内の垂直方向のエッジ部分を検出する。出力端子234から出力された検出結果は図1の偽色抑圧回路104に入力される。
【0052】
図4に、色抑圧回路4の構成例を示す。図4において、300、301、302はそれぞれWB回路103からのR、G、Bデータの入力端子、303は切り替え回路117からの指示情報の入力端子、304は偽色検出回路107からの検出結果の入力端子、305は抑圧特性制御回路109からの制御情報の入力端子、306はメモリ、307は抑圧回路、308はメモリ、309はメモリ制御回路、310、311、312はそれぞれ抑圧されたR、G、Bデータの出力端子である。
【0053】
WB回路103からのR、G、Bデータが入力端子300、301、302に入力され、メモリ制御回路309の書き込み制御のもとにメモリ306に書き込まれる。
【0054】
この際、システムが動画モードであった時は、図1の切り替え回路117から入力端子303に動画モードの指示情報が入力され、メモリ制御回路309に供給される。
【0055】
さらに、切り替え回路117からの動画モードの指示情報は、図1の抑圧特性制御回路109にも供給される。抑圧特性制御回路109は、以下に説明する動画撮影時の抑圧特性となるように、図4の抑圧回路307を制御する。
【0056】
メモリ制御回路309は、偽色検出回路107から出力される検出値に対応する画面のR、G、Bデータをメモリ306から読み出し、抑圧回路307に供給する。したがって、上記で説明したように動画モードの時は、メモリ306に書き込まれる順番と同じく第1フィールド…mライン、m+1ライン、m+2ライン、…第2フィールド…lライン、l+1ライン、l+2ライン、…の順でメモリ306に記憶されたR、G、Bデータを読み出すようにメモリ制御回路309はメモリ306を読み出し制御する。
【0057】
抑圧回路307では、偽色検出回路107からの検出結果に応じてR、G、Bデータでの偽色の抑圧を行なう。例えば、偽色検出回路107からの検出結果の値が図5に示すようになったとする。ここで、縦軸が偽色検出回路107からの出力値、横軸は各画素の処理順、すなわち時間を表わす。
【0058】
図5のグラフにおいて、斜線で示す所定値thから上の領域と、所定値−thから下の領域に検出値がはいった時に、偽色が出る箇所としてR、G、Bデータの抑圧を行なう。
【0059】
したがって、抑圧回路307は偽色検出回路107からの検出結果rが、|r|<thであれば何も処理をせずにR、G、Bデータをそのままメモリ308に出力する。
【0060】
抑圧回路307では、偽色検出回路107からの検出結果rが、|r|≧thであった時は、図6に示すように、注目している画素の上下(周囲)の数画素も含めて抑圧の処理を行なう。
【0061】
ここで、図6は、0が偽色検出回路107で検出された注目画素、±1、±2、±3、…がその周辺画素である。その抑圧の仕方を図7、図8を用いて説明する。
【0062】
図7は、注目画素とその周辺画素の抑圧量と検出値との関係を示す図で、横軸xは抑圧量を、縦軸yは注目画素、±1p、±2p、±3p、…は図6で示した周辺画素±1、±2、±3、…を示すものである。
【0063】
いま、偽色検出回路107からの検出結果|r|−thが図7の0の横軸上でq0まできたとする。ここで、q0の点で曲線Qnを引き、±1p、±2p、±3p、…からの直線と交わる点のx軸の値がそれぞれq1、q2、q3、…になるとすると、それぞれの画素の抑圧量はq0、q1、q2、q3、…になる。(ここでqy(qy≧1)(y=0、±1、±2、…)である)。
【0064】
次に、抑圧する画素y(y=0、±1、±2、…)のGデータの値Gyが図8に示すように、Gyという値であったとし、RまたはBデータの値がそれぞれRy、Byであったとする。
【0065】
その時の抑圧量がqy(但し、qy≧1)(y=0、±1、±2、…)であったとすると、R、G、Bデータのそれぞれの抑圧後の値G′y、R′y、B′yは以下のようになる。
R′y=Gy+(Ry−Gy)/qy
B′y=Gy+(By−Gy)/qy
Gの値G′yは同じくGyである。
G′y=Gy
というように、抑圧回路307は偽色検出回路107の検出値に従ってR、G、Bデータそれぞれの抑圧を行ない、メモリ308に出力する。
【0066】
ここで、曲線Qn(qy(y=0、±1、±2、…))は、例えば図7の注目画素0からの周辺画素の距離の最小単位をpとして、
qy=q0/|p×y|(y=±1、±2、…)
のように決める。さらに、yはある制限値h0を越えない(y<h0)ものとする。また、演算、ハードウェアの簡単化のためにqy(y=0、±1、±2、…)は2、4、8、…のように離散化してもよい。
【0067】
メモリ308は、メモリ制御回路309の制御を受け抑圧回路307から出力されるR、G、Bデータを記憶し、読み出しは第1フィールドm、m+1、m+2、…第2フィールドl、l+1、l+2、…の順にR、G、Bデータを読み出して、出力端子310、311、312に出力し、図1のγ補正回路105に出力する。
【0068】
γ補正回路105はR、G、Bデータにγ補正を施してマトリクス回路106に出力し、マトリクス回路106でγ補正されたR、G、Bデータにマトリクス演算を施して偽色の少ない色差信号Cb、Crを得、出力端子113、114に出力する。
【0069】
次に、撮影モードが静止画モードであった場合について説明する。図1の入力端子116から切り替え回路117に静止画モードが設定され、切り替え回路117は静止画モードの指示情報を偽色抑圧回路104、偽色検出回路107、検出特性制御回路108、抑圧特性制御回路109に送り、静止画モードの設定を行なう。
【0070】
検出特性制御回路108は、切り替え回路117から静止画モードの指示情報をもらうと、VaTV本の帯域を通し、動画モード時よりは広い帯域幅のバンドパスの特性となるように、図2の検出回路202に入力端子206を介して係数器c11、c12、…、cijの係数を設定する。
【0071】
偽色検出回路107では、図2のメモリ制御回路205がメモリ201に第1フィールド…mライン、m+1ライン、m+2ライン、…第2フィールド…lライン、l+1ライン、l+2ライン、…の順で記憶された輝度データを、第1フィールド…mライン、第2フィールドlライン、m+1ライン、l+1ライン、m+2ライン、l+2ライン、…の順に読み出して検出回路202に供給する。
【0072】
メモリ201から読み出された輝度データは、入力端子230から順に検出回路202に入力される。よって、この場合にはフレーム内の垂直方向のエッジ部分を検出する。出力端子234から出力された検出結果は、図1の偽色抑圧回路104に入力される。
【0073】
図4に示すように、偽色抑圧回路104のメモリ制御回路309は、切り替え回路117から入力端子303を介して静止画モードの指示情報をもらうと、書き込み制御は動画モード時と同じであるが、読み出し時、偽色検出回路107の検出結果に対応する画素のR、G、Bデータを、偽色検出回路107のメモリ制御回路205と同様に、メモリ306から第1フィールド…mライン、第2フィールドlライン、m+1ライン、l+1ライン、m+2ライン、l+2ライン、…の順に読み出して抑圧回路307に送出する。
【0074】
図1の抑圧特性制御回路109は、切り替え回路117から静止画モードの指示情報をもらうと、以下に説明する静止画撮影時の抑圧特性で偽色の抑圧を行なうように偽色抑圧回路104を制御する。
【0075】
図4の抑圧回路307では、図5に示すように偽色検出回路107の出力結果rが斜線部分でない場合(|r|<th)には抑圧処理は行なわず、入力されたR、G、Bデータをそのままメモリ308に送る。
【0076】
斜線部分(|r|≧thにある場合は抑圧処理を行なうが、その抑圧の仕方はGデータの値がGv0であったとするとR、Bデータのそれぞれの抑圧後の値Rv0、Bv0
v0=Gv0
v0=Gv0
とし、Gデータの値に合わせるようにする。
【0077】
周辺画素についても同様に、Gデータの値に合わせるようにする。ただし、抑圧の影響する周辺画素は上下h1画素までとする。つまり、周辺画素−h1、…、−2、−1、+1、+2、…、+h1に対し、それぞれのGデータの値がGv-h1、…、Gv-2、Gv-1、Gv+1、Gv+2、…、Gv+h1であったとすると、R、Bデータのそれぞれの抑圧後の値Rv′-h1、…、Rv′-2、Rv′-1、Rv′+1、…、Rv′+2、Rv′+h1、Bv′-h1…、Bv′-2、Bv′-1、Bv′+1、Bv′+2、…Bv′+h1は、
Rv′±1=Gv±1
Bv′±1=Gv±1
Rv′±2=Gv±2
Bv′±2=Gv±2

Rv′±h1=Gv±h1
Bv′±h1=Gv±h1
となる。
【0078】
抑圧回路307で抑圧処理されたR、G、Bデータはメモリ308に送出され、メモリ制御回路309の書き込み制御により、第1フィールド…mライン、第2フィールドlライン、m+1ライン、l+1ライン、m+2ライン、l+2ライン、…の順にメモリ308に書き込まれる。
【0079】
メモリ308に書き込まれたR、G、Bデータはメモリ制御回路309の読み出し制御を受け、第1フィールドm、m+1、m+2、…第2フィールドl、l+1、l+2、…の順にR、G、Bデータを読み出して出力端子310、311、312に出力し、図1のγ補正回路105に出力する。
【0080】
あとは、動画時と同様の処理を行って偽色の少ない色差信号Cb、Crを得ることができる。ここで、周辺画素±1、±2、…±h1の抑圧に関しては次のようにしても同様の効果が得られる。
【0081】
それぞれのR、G、Bデータの値が、
Rv-h1、…、Rv-2、Rv-1、Rv+1、Rv+2、…、Rv+h1
Gv-h1、…、Gv-2、Gv-1、Gv+1、Gv+2、…、Gv+h1
Bv-h1、…、Bv-2、Bv-1、Bv+1、Bv+2、…、Bv+h1
であり、R、Bデータのそれぞれの抑圧後の値をRv′y、Bv′y(y=±1、±2、…、±h1)とすると、
Rv′±1=Gv±1+(Rv±1−Gv±1)/2h1
Bv′±1=Gv±1+(Bv±1−Gv±1)/2h1
Rv′±2=Gv±2+(Rv±2−Gv±2)/2(h1-1)
Bv′±2=Gv±2+(Bv±2−Gv±2)/2(h1-1)

Rv′±h1=Gv±h1+(Rv±h1−Gv±h1)/2
Bv′±h1=Gv±h1+(Bv±h1−Gv±h1)/2
となるように、注目画素からの距離が離れるに従って重み付けして抑圧する。
【0082】
上記で説明したように、本実施形態の画像信号処理装置は、動画撮影/静止画撮影を行なうことが可能なシステムにおいて、偽色の検出手段と、上記偽色の検出手段からの出力に応じて検出画素の色データの抑圧量と、周辺画素への抑圧量を制御して抑圧する手段と、上記偽色の検出手段と偽色の抑圧手段の特性を切り替える手段とを設け、上記検出手段は撮像素子の撮像データから分離したγ補正前の輝度信号からエッジを検出するものとした。そして、上記抑圧手段は撮像素子の撮像データから色分離し、マトリクス変換してRGBデータに変換し、WBをとった後のRGBデータに対して色抑圧を行なうものとし、動画撮影時と静止画撮影時で上記検出手段と抑圧手段の特性を切り替えるようにして、動画時は上記検出手段はフィールド内の検出、静止画時はフレーム内の検出を行ない、静止画時はエッジを検出するフィルタの特性を動画時よりも広い帯域の特性とし、上記抑圧手段は上記検出手段の出力結果により、抑圧すると判断した場合、動画時は注目画素及びその周辺画素のR、Bデータに対し、Gデータの値との差分をとり、その差分を上記検出手段の出力結果に応じて重み付けしてGデータの値に加算してR、Bデータの値とし、静止画時は注目画素及びその周辺画素のR、BデータをGデータの値に合わせるようにして偽色を抑圧するようにしたことで、動画時は偽色が少なくかつ偽色抑圧による破綻も少ない、ちらつきのない画像が得られる。また、静止画時はより偽色を抑圧した良好な画像を得ることができる。
【0083】
また、偽色の抑圧を画素の色データのレベルを下げるのではなく、R、G、BデータのGデータの値を基準にして行なうようにしたことで、色データの処理後に色データの低域情報を輝度データに利用することも可能であり、その場合には色再現性の良い画像を得ることができる。
【0084】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の画像信号処理装置の第2の実施形態を示すブロック図である。図11に示したように、本実施形態の画像信号処理装置は、図1で示した第1の実施形態の画像信号処理装置から検出特性制御回路108、抑圧特性制御回路109、切り替え回路117を省略した構成としている。
【0085】
本実施形態の画像信号処理装置は、上述のように構成したので、動画と静止画とで処理特性を切り替えることはできないが、第1の実施形態の画像信号処理装置と比較して簡単な構成で、偽色の発生を可及的に減少させた良好な画像を得ることができる。
【0086】
(本発明の他の実施の形態)
本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても−つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0087】
また、上述した実施の形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように、上記各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0088】
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0089】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施の形態で説明機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等が共同して上述の実施の形態で示した機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施の形態に含まれることは言うまでもない。
【0090】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、比較的に簡単な構成で偽色の少ない良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示し、画像信号処理装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施形態の偽色検出回路を説明する図である。
【図3】 本発明の実施形態のメモリから読み出された輝度データから偽色の出現箇所を検出する検出回路の構成例を説明する図である。
【図4】 実施形態の偽色抑圧回路の構成例を説明する図である。
【図5】 偽色抑圧の仕方を説明するための図である。
【図6】 CCDからのデータの処理について説明するための図であり、注目している画素の上下(周囲)の数画素も含めて抑圧の処理を行なう様子を示す図である。
【図7】 CCDからのデータの処理について説明するための図であり、注目画素とその周辺画素の抑圧量と検出値との関係を示す図である。
【図8】 CCDからのデータの処理について説明するための図であり、周辺画素の抑圧の仕方を示す図である。
【図9】 CCDの撮像処理について説明するための図である。
【図10】 CCDの撮像処理について説明するための図である。
【図11】 第2の実施形態を示し、画像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 従来の画像信号処理装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 CCDからの撮像データの入力端子
101 色分離回路
102 マトリクス回路
103 ホワイトバランス回路
104 偽色抑圧回路
105 γ補正回路
106 マトリクス回路
107 偽色検出回路
108 検出特性制御回路
109 抑圧特性制御回路
110 輝度信号分離回路
111 H/V輪郭強調回路
112 γ補正回路
113 色差データCbの出力端子
114 色差データCrの出力端子
115 輝度データYの出力端子
116 動画/静止画モード情報の入力端子
117 切り替え回路

Claims (3)

  1. 撮像素子上に色フィルタをアレイ状に配列してカラー画像を得るようにする画像信号処理装置であって、
    撮像素子による撮像データから偽色の発生する箇所を検出する偽色発生箇所検出手段と、
    上記偽色発生箇所検出手段の出力結果から、偽色の発生箇所であると判断した場合には上記発生箇所に対応する画素の複数の色データのうちのひとつの色データの値に他の色データの値を合わせることで、撮像データの処理により発生する偽色を抑圧する偽色抑圧手段を設け、
    上記偽色抑圧手段は、偽色の抑圧を行なう場合は注目画素のRGBデータにおけるGデータの値に対してRとBデータの値を合わせ、注目画素の周辺画素についてはR、Bデータ各々の値とGデータの値との差分をとり、その差分値に注目画素からの距離をパラメータとする重み付けを行なってGデータの値に加算してR、Bデータの各々の値を得ることを特徴とする画像信号処理装置。
  2. 上記偽色発生箇所検出手段は、撮像データから輝度データを分離した後の輝度データに対して行なうことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。
  3. 上記偽色発生箇所検出手段は、画像内のエッジのある箇所を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。
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